(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054170
(43)【公開日】2022-04-06
(54)【発明の名称】取付装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20220330BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20220330BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220330BHJP
F16B 41/00 20060101ALI20220330BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20220330BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220330BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20220330BHJP
【FI】
F21V19/00 231
F21V19/00 510
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21S2/00 230
F16B41/00 J
F21Y103:10
F21Y115:10
F21Y115:15
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020161218
(22)【出願日】2020-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 則雅
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA03
3K013AA05
3K013BA01
3K013CA14
3K013EA01
(57)【要約】
【課題】ねじの脱落を防止できる取付装置を提供する。
【解決手段】取付装置37は、ねじ110、座金116および取付部材111を備える。ねじ110は、先端側から順にねじ部113、軸部114および頭部115を有する。座金116は、軸部114に設けられる。取付部材111は、取付板部125と、取付板部125に開口され、頭部115および座金116の幅よりも狭く軸部114の幅よりも広く、頭部115と座金116との間の軸部114が配置されるねじ配置開口部130と、ねじ配置開口部130の一端側に連通されるとともに取付板部125の一端側に開口されたねじ挿入開口部131とを有する。ねじ挿入開口部131の一端側に軸部114の幅よりも広い開口端部132が設けられ、ねじ挿入開口部131の他端側に軸部114の幅よりも狭い脱落防止部133が設けられる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側から順にねじ部、軸部および頭部を有するねじと;
前記軸部に設けられた座金と;
取付板部と、この取付板部に開口され、前記頭部および前記座金の幅よりも狭く前記軸部の幅よりも広く、前記頭部と前記座金との間の前記軸部が配置されるねじ配置開口部と、このねじ配置開口部の一端側に連通されるとともに前記取付板部の一端側に開口されたねじ挿入開口部と、このねじ挿入開口部の一端側に設けられ、前記軸部の幅よりも広い開口端部と、前記ねじ挿入開口部の他端側に設けられ、前記軸部の幅よりも狭い脱落防止部とを有する取付部材と;
を備えることを特徴とする取付装置。
【請求項2】
前記ねじ挿入開口部は、前記開口端部から前記脱落防止部に亘って開口幅が狭くなるように傾斜状に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の取付装置。
【請求項3】
前記取付部材は、前記取付板部の前記ねじ挿入開口部の両側に連続する延長部と、これら延長部の先端側を連結する連結部とをさらに有する
ことを特徴とする請求項1または2記載の取付装置。
【請求項4】
器具本体と;
前記器具本体に配置される光源ユニットと;
前記光源ユニットに設けられ、前記ねじを前記器具本体側に螺着して前記光源ユニットを前記器具本体に取り付ける請求項1ないし3いずれか一記載の取付装置と;
を備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ねじを用いた取付装置、およびこの取付装置を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ねじを用いた取付装置においては、取付部材にねじを仮取付した状態とすることで、ねじ止めによる取付作業性の向上を図っている場合がある。
【0003】
この場合、取付部材に一端側が開口する平行溝状の開口部を設け、この開口部にねじの頭部とねじに装着された座金との間の軸部を挿入することにより、取付部材にねじを仮取付している。
【0004】
しかし、取付装置の組立時などに、ねじが開口部の開口端側に移動すると、ねじが取付部材から脱落してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ねじの脱落を防止できる取付装置および照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の取付装置は、ねじ、座金および取付部材を備える。ねじは、先端側から順にねじ部、軸部および頭部を有する。座金は、軸部に設けられる。取付部材は、取付板部と、取付板部に開口され、頭部および座金の幅よりも狭く軸部の幅よりも広く、頭部と座金との間の軸部が配置されるねじ配置開口部と、ねじ配置開口部の一端側に連通されるとともに取付板部の一端側に開口されたねじ挿入開口部とを有する。ねじ挿入開口部の一端側に軸部の幅よりも広い開口端部が設けられ、ねじ挿入開口部の他端側に軸部の幅よりも狭い脱落防止部が設けられる。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の取付装置によれば、ねじの脱落を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態を示す取付装置を用いた照明装置の斜視図である。
【
図2】同上照明装置の器具本体と光源ユニットの分離状態の斜視図である。
【
図3】同上器具本体および光源ユニットの端部構造を省略した側面図である。
【
図5】同上光源ユニットの分解状態の斜視図である。
【
図6】同上取付装置を取り付けた光源ユニットの斜視図である。
【
図7】同上取付装置の取付前の光源ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
図1ないし
図3に示すように、照明装置10は、天井直付形照明装置である。さらに、照明装置10は、防水構造を備えた屋外形照明装置である。なお、以下、照明装置10は、例えば天井面などの設置面に設置されるものとして、光照射方向の前面側を下側、光照射方向に対して反対の背面側を上側として説明する。
【0012】
照明装置10は、設置面に設置される器具本体11、およびこの器具本体11の下部側に着脱可能に取り付けられる光源ユニット12を備えている。照明装置10は、器具本体11および光源ユニット12とも長尺に形成されている。
【0013】
そして、
図1ないし
図4に示すように、器具本体11は、長尺な本体部15、この本体部15の長手方向両端に設けられた端板16、およびこれら本体部15と端板16との間に設けられた下方に開口する開口部17を有している。
【0014】
本体部15は、天板部18、およびこの天板部18の長手方向に交差する両側に設けられた側板部19を有し、下方に開口する断面略コ字形に形成されている。天板部18には、設置面に取り付けるための図示しない取付孔や、電源ケーブルを引き込むための図示しない配線孔などが設けられている。
【0015】
本体部15は、側板部19の下部側から開口部17内に向けて斜め下方に折曲された反射面部20、およびこの反射面部20の先端側から側板部19の内面側に向けて上方に折り返された折返し部21をさらに有している。
【0016】
本体部15の両端側において、反射面部20および折返し部21の端部側から所定距離だけ中央側に離れた位置に、光源ユニット12の一部が入り込む切欠部22が設けられている。
【0017】
端板16は、本体部15の端面を覆う端板部23、および光源ユニット12を取り付けるための取付板部24を有している。端板部23は、本体部15の端部に取り付けられている。取付板部24は、端板部23と一体に形成され、端板部23の下部側から本体部15側に向けて折曲され、開口部17の端部側に配置されている。取付板部24には、光源ユニット12をねじ止めするための取付孔25、および光源ユニット12を仮吊りするための本体側取付部26が設けられている。
【0018】
取付孔25は、取付板部24から上方に膨らむように突出された突出部27の頂部に設けられている。取付孔25は、雌ねじ状に螺旋状に設けられているとともに一部に切欠部28が設けられている。突出部27の下面側には、下方に向けて拡径するとともに上方の取付孔25に向けて縮径する略円錐状の凹部29が形成されている。
【0019】
本体側取付部26は、取付板部24の縁部に連通開口する溝部26a、この溝部26aに連通するとともに溝部26aに対して交差する方向に長く設けられた長孔部26b、および溝部26aの一側縁から溝部26a上に斜めに突出された規制部26cを有している。規制部26cは切り起こし加工によって設けられ、この規制部26cを切り起こし加工することで溝部26aが形成されている。
【0020】
次に、
図1ないし
図3、
図5、
図6に光源ユニット12を示す。光源ユニット12は、防水構造を備えている。光源ユニット12は、長手方向に交差する一方側である上部側が器具本体11の開口部17に挿入される挿入領域12a、他方側である下部側が器具本体11の外部に配置される突出領域12bとして構成されている。
【0021】
光源ユニット12は、筒状のカバー30、このカバー30内に挿通配置される支持部材であるシャーシ31、このシャーシ31の両端に取り付けられる連結部材32、シャーシ31に取り付けられる光源モジュール33および電源部34、カバー30の両端に取り付けられるパッキング35およびキャップ36、および光源ユニット12を器具本体11に取り付ける取付装置37などを備えている。
【0022】
カバー30は、長尺で、長手方向に同一形状とする筒状に形成されている。カバー30は、挿入領域12aに対応した上部側に光が透過しない不透過部である不透光部30aが設けられ、突出領域12bに対応した下部側に光が透過する透過部である透光部30bが設けられている。
【0023】
不透光部30aは、光が透過しない樹脂材料にて形成されている。不透光部30aは、天面部40、この天面部40の両側から下方に突出する側面部41、および側面部41と透光部30bとの間でカバー30の内部側に突出する屈曲部42を有している。屈曲部42は、透光部30bの背面側で透光部30bの両側から屈曲され、シャーシ31の両側に当接される。屈曲部42は、側面部41の下部側からカバー30の内部側に突出する上側段部43、透光部30bからカバー30の内側に突出する下側段部44、これら上側段部43と下側段部44の間にカバー30の内側に突出する内側突出面部45を有している。この屈曲部42によって、カバー30の両側に凹部46が長手方向に沿って形成されている。そして、不透光部30aの内部にシャーシ31および電源部34が配置される。不透光部30aの内側に配置されたシャーシ31の一部に屈曲部42が当接される。
【0024】
透光部30bは、光が透過する樹脂材料にて形成されている。透光部30bは、中央が下方に突出する凸湾曲状に形成され、両側が屈曲部42の下側段部44に連続されている。透光部30bの長手方向に交差する方向の幅は、不透光部30aの長手方向に交差する方向の幅よりも広い関係にある。そして、透光部30bの内側には、光源モジュール33が配置される。
【0025】
カバー30は、不透光部30aおよび透光部30bの二色成形によって一体に形成されている。すなわち、カバー30は、不透光部30aの溶融樹脂材料と透光部30bの溶融樹脂材料を押し出して成形する押出成形によって一体に形成されている。
【0026】
なお、不透光部30aと透光部30bの境は、不透光部30aの下側段部44の直接部分の端部側と、この下側段部44の直接部分の端部側に連続する透光部30bの湾曲部分との間とされている。不透光部30aと透光部30bの境の部分、もしくは不透光部30aと透光部30bの境の部分から不透光部30a側に少し入った部分に、器具本体11の反射面部20の先端側(反射面部20と折返し部21との折曲部分)が接触される。
【0027】
また、シャーシ31は、金属製で、長尺に形成されている。シャーシ31は、上方に開口する断面略コ字形に形成されている。シャーシ31は、取付面部50、およびこの取付面部50の両側から上方に折曲して設けられた側面部51を有している。さらに、シャーシ31は、長手方向の両端に取り付けられる図示しない端板を有している。
【0028】
取付面部50の前面側に光源モジュール33が取り付けられている。側面部51は、取付面部50の両側から上方に折曲された側面下部51a、両側の側面下部51aから互いに離反するように上方に拡開傾斜された傾斜面部51b、および両側の傾斜面部51bから上方に折曲された側面上部51cを有している。両側の側面部51間に電源部34が配置される。傾斜面部51bは、電源部34の外形状に沿って傾斜されており、電源部34と接触してもよい。
【0029】
取付面部50および側面下部51aなどによって、両側の側面部51の間から下方へ向けて突出する凸部52が構成されている。凸部52は、カバー30の両側の屈曲部42の間に、透光部30b側へ向けて突出するように配置されている。凸部52(取付面部50)の背面側と両側の側面部51間に配置される電源部34との間には、配線スペースでもある空間部53が設けられている。凸部52(取付面部50)の背面側と電源部34との間の空間部53の間隔は、ケーブルなどが配線可能な寸法を有している。
【0030】
また、連結部材32は、金属製で、シャーシ31の端面を覆って、シャーシ31の端部に取り付けられている。シャーシ31の端部に対する連結部材32の取付構造は、爪構造による係止や、ねじ止めなどのいずれを用いてもよい。連結部材32は、カバー30の内側に挿通可能な形状および寸法に形成されている。
【0031】
連結部材32には、キャップ36をねじ止めするための複数の取付孔60、および電源部34に接続される引出ケーブルが挿通される配線孔61が設けられている。
【0032】
また、光源モジュール33は、長尺な基板70、およびこの基板70に長手方向に沿って実装された複数の発光素子71を備えている。発光素子71は、LEDや有機ELなどのいずれを用いてもよい。光源モジュール33は、シャーシ31の取付面部50の前面側に取り付けられ、同じシャーシ31に取り付けられる電源部34の出力側に図示しない接続配線によって電気的に接続されている。
【0033】
また、電源部34は、長尺な電源ケース73、およびこの電源ケース73内に配置された図示しない電源回路を備えている。電源ケース73は、前面部73aの両側角部に傾斜面73bを有する断面略台形状に形成されている。電源回路は、外部から供給される交流電源などの外部電源を直流電源などの所定の点灯電源に変換して光源モジュール33に供給し、発光素子71を点灯させる。
【0034】
電源部34は、取付部材74によってシャーシ31に取り付けられている。取付部材74は、天面部75、およびこの天面部75の両側に設けられた側面部76を有し、下方に開口する断面略コ字形に形成されている。天面部75の下面側に電源部34がねじ止めなどによって取り付けられ、両側の側面部76がシャーシ31の両側の側面部51(側面上部51c)に取り付けられている。シャーシ31に対する取付部材74の取付構造は、爪構造による係止や、ねじ止めなどのいずれを用いてもよい。取付部材74をシャーシ31に取り付けた状態において、電源部34がシャーシ31の長手方向に沿って両側の側面部51間に配置されるとともに、電源部34(電源ケース73)の傾斜面73bがシャーシ31の傾斜面部51bに接触または対向される。さらに、電源部34の前面部73aが、シャーシ31の凸部52(取付面部50)の背面側との間に空間部53を介して対向される。
【0035】
取付部材74の天面部75には、複数の球面状の突出部77が突出されている。そして、シャーシ31とともに取付部材74などがカバー30内に挿通配置された状態で、取付部材74の突出部77がカバー30の天面部40に接触されるとともに、シャーシ31の傾斜面部51bがカバー30の屈曲部42に接触され、シャーシ31側とカバー30側とが互いに位置決めされる。
【0036】
また、パッキング35は、例えばシリコーンゴムなどで一体に形成されている。パッキング35は、カバー30の端部形状と相似した形状に形成されている。パッキング35の周辺部には、カバー30の内側に挿入されて密着する環状の挿入部80、およびこの挿入部80の端部側にカバー30の端部に接触して密着するフランジ部81が形成されている。パッキング35の内側には隔壁部82が形成されている。この隔壁部82には、複数のねじ用挿通部83が形成されているとともに、配線用挿通部84が形成されている。これら複数のねじ用挿通部83および配線用挿通部84は、連結部材32の複数の取付孔60および配線孔61の各位置に対応して形成されている。
【0037】
次に、
図5ないし
図7にキャップ36を示す。キャップ36は、例えば樹脂材料で形成されている。キャップ36は、カバー30の端部外周にパッキング35を介して取り付けられるキャップ部90、およびこのキャップ部90の端部側に設けられるキャップカバー部91を有している。
【0038】
キャップ部90は、カバー30の端部形状と相似した形状に形成されている。すなわち、キャップ部90は、上部側がカバー30の上部側の不透光部30aに対応して形状に形成され、下部側がカバー30の下部側の透光部30bに対応して形状に形成され、これら上部側と下部側との間の両側にカバー30の両側の凹部46に対応した凹部92が形成されている。
【0039】
キャップ部90は、キャップ面部93、およびこのキャップ面部93の周囲からカバー30の方向に突出してカバー30の端部外周に嵌合する嵌合部94を有している。キャップ部90とカバー30の端部との間にパッキング35が介在され、パッキング35によってカバー30の端部開口が密閉される。
【0040】
キャップ部90のキャップ面部93には、パッキング35の複数のねじ用挿通部83および配線用挿通部84の位置に対応して複数の挿通孔95aおよび1つの配線孔95bが設けられている。
【0041】
キャップ部90は、カバー30の端部外周に嵌合するため、カバー30の外周に対して突出する段差部である。この段差部によって、キャップ部90(キャップ36)の両側間の間隔は器具本体11の両側の側板部19の下部間の間隔よりも広く形成されている。そして、器具本体11に光源ユニット12が取り付けられた際、キャップ部90の両側の凹部92の下縁側の段差部が器具本体11の切欠部22に入り込むように構成されている。
【0042】
また、キャップカバー部91は、突出領域12bにおいて、キャップ部90の端部側から突出され、キャップ部90の表面形状に連続する形状に形成されている。キャップカバー部91の内側には器具本体11に対向するように上方に向けて開口する凹部96が形成されている。キャップカバー部91の下面には、操作孔97(
図1および
図2参照)が設けられている。操作孔97には、この操作孔97を閉塞するブッシュ98(
図1および
図2参照)が着脱可能に取り付けられる。キャップカバー部91の端面の下部側には水抜き孔99が形成されている。なお、凹部96は、取付部品などを配置するスペースとして利用される。
【0043】
キャップカバー部91の凹部96内には、キャップ36に配置される取付装置37を取り付けるための取付台部100が設けられている。取付台部100は、キャップカバー部91の凹部96の底面から操作孔97の周囲を囲むように枠状に突設されており、キャップカバー部91の側面や端面側およびキャップ面部93とは離反されている。取付台部100とキャップカバー部91の端面との間には、挿入溝部101が設けられている。
【0044】
キャップカバー部91の凹部96内には、キャップ36に配置される後述の吊金具140の一端側が配置されるガイド部102が設けられている。ガイド部102は、吊金具140が挿入される所定の幅のガイド溝103を介して対向配置される一対のガイド板部104を有している。ガイド部102は、凹部96内で、幅方向の一側に寄った位置に設けられている。ガイド溝103およびガイド板部104は、光源ユニット12の長手方向に対して交差する幅方向に沿って設けられている。
【0045】
次に、
図5ないし
図9に取付装置37を示す。取付装置37は、キャップ36に取り付けられている。取付装置37は、光源ユニット12を器具本体11に取り付けるためのねじ110、およびこのねじ110を取り付ける取付部材111を備えている。
【0046】
ねじ110には、例えばタッピングねじが用いられている。ねじ110は、
図10に示すように、先端側から順に、雄ねじであるねじ部113、軸部114および頭部115を有している。ねじ部113には、雄ねじのねじ山が螺旋状に設けられている。軸部114は、ねじ部113と頭部115との間に設けられている。軸部114は、例えばねじ部113の雄ねじの谷部と同径に設けられている。頭部115の形状は、六角形などの多角形でもよいし円形でもよい。頭部115の端面には、ねじ110を回動させる工具が係合する例えば+形の係合凹部が設けられている。
【0047】
ねじ110の軸部114には座金116が設けられている。座金116は、中央にねじ部113のねじ山よりも小径でかつねじ部113の谷部および軸部114よりも大径の座金孔117(
図8参照)が設けられている。座金116は、座金孔117にねじ部113が螺合されることにより、軸部114に挿通され、軸部114の周囲に配置されている。そのため、軸部114の周囲に配置された座金116は、ねじ部113と頭部115との間で抜け止めされている。座金116と頭部115との間には、取付部材111の板厚よりも大きい間隙が設けられている。そして、軸部114の幅(直径)は、頭部115および座金116の幅(直径)よりも小さい関係にある。
【0048】
また、取付部材111は、例えばステンレスなどの金属板によって一体に形成されている。取付部材111は、キャップ面部93の外端面側に配置される第1取付部121と、キャップカバー部91に配置される第2取付部122とを有している。これら第1取付部121と第2取付部122との間は略直角に折曲されている。
【0049】
第1取付部121には、キャップ面部93の複数の挿通孔95aの位置に対応して複数の挿通孔123が設けられている。第1取付部121の複数の挿通孔123に連結用の複数のねじ124が挿通され、これらねじ124がキャップ部90の挿通孔95aおよびパッキング35のねじ用挿通部83を通じて連結部材32の取付孔60に螺着される。
【0050】
第2取付部122は、取付板部125と、この取付板部125から例えば略直角に折曲された延長板部である挿入板部126とを有している。取付板部125はキャップカバー部91の凹部96に設けられた取付台部100上に配置され、挿入板部126はキャップカバー部91の挿入溝部101に挿入配置される。
【0051】
取付板部125の内側域から挿入板部126の内側域に亘って開口部127が連続して設けられている。取付板部125の開口部127は挿入板部126側である一端側に向って開口され、挿入板部126の開口部127は上端側に向って開口されている。
【0052】
取付板部125の開口部127の両側には、取付縁部128が所定の間隙をあけて互いに対向するように設けられている。両側の取付縁部128は、取付板部125から下方に折曲された折曲部129を介して、取付板部125の上面よりも下側位置に設けられている。両側の折曲部129は取付板部125の上面と両側の取付縁部128の上面との間に段差を形成するもので、その段差に座金116を位置決め配置可能としている。段差は、座金116の厚み寸法と同じでもよいし、大きくてもよい。なお、光源ユニット12を器具本体11に取り付けた際に、座金116が器具本体11の凹部29に収納可能であれば、座金116を配置する段差(折曲部129)は設けなくても構わない。
【0053】
両側の取付縁部128間の中央域には、ねじ110の頭部115の幅(直径)d1および座金116の幅(直径)d2よりも狭くかつ軸部114の幅(直径)d3よりも広く、頭部115と座金116との間の軸部114が挿通配置される開口幅w1(
図9参照)のねじ配置開口部130が設けられている。ねじ配置開口部130は、光源ユニット12の長手方向に対応した方向に沿って長く設けられている。
【0054】
両側の取付縁部128間でねじ配置開口部130よりも一端側には、ねじ配置開口部130に連通されるとともに取付板部125の一端側に開口されたねじ挿入開口部131が設けられている。ねじ挿入開口部131の一端側には、ねじ110の軸部114の幅d3よりも広くかつ頭部115の幅d1および座金116の幅d2よりも狭い開口幅w2の開口端部132が設けられている。ねじ挿入開口部131の他端側であって、開口端部132とねじ配置開口部130との間には、軸部114の幅d3よりも狭い開口幅w3の脱落防止部133が設けられている。ねじ挿入開口部131は、開口端部132から脱落防止部133に亘って開口幅が狭くなるように傾斜状に設けられている。
【0055】
両側の取付縁部128間でねじ配置開口部130よりも他端側には、ねじ配置開口部130に連通されるとともに取付板部125の他端側に開口されたねじ規制開口部134が設けられている。ねじ規制開口部134は、軸部114の幅d3よりも狭い開口幅w4に設けられ、ねじ配置開口部130からねじ110が脱落しないように規制する。
【0056】
さらに、挿入板部126は、取付板部125の開口部127の両側部から折曲されて延長された延長部135と、これら延長部135の先端間を連結する連結部136とを有している。連結部136には、開口部127の幅方向の中心線上に位置して略半円状の切欠部137が設けられている。なお、切欠部137は、略V字形などでもよい。
【0057】
そして、取付装置37を組み立てる場合には、ねじ110の頭部115を両側の取付縁部128の下側に位置するとともに座金116を両側の取付縁部128の上側に位置し、頭部115と座金116との間の軸部114をねじ挿入開口部131の開口端部132から脱落防止部133およびねじ配置開口部130へ向けて挿入する。
【0058】
脱落防止部133は、通常、ねじ110の軸部114の幅d3よりも狭い開口幅w3となっているが、挿入される軸部114が脱落防止部133に接触して押されることにより、取付部材111が弾性変形して脱落防止部133の開口幅w3が押し広げられ、軸部114が脱落防止部133を通過してねじ配置開口部130に配置される。脱落防止部133は、軸部114が通過することにより、取付部材111の弾性で軸部114の幅d3よりも狭い開口幅w3に戻り、ねじ110がねじ挿入開口部131に移動して脱落するのを防止する。
【0059】
このとき、取付板部125の開口部127の両側部が延長部135を介して連結部136で連結されているため、取付板部125の開口部127の両側部が開いてねじ配置開口部130に配置されているねじ110がねじ挿入開口部131から脱落するのを防止する。さらに、連結部136には切欠部137が設けられているため、ねじ110の軸部114をねじ挿入開口部131の開口端部132から脱落防止部133へ向けて挿入する際、連結部136が設けられていても、取付部材111が弾性変形しやすく、軸部114が脱落防止部133を容易に通過し、組立作業性を向上できる。
【0060】
ねじ110は、ねじ配置開口部130に抜け止め配置されているとともに回動可能に配置されている。
【0061】
さらに、取付装置37がキャップ36に取り付けられることにより、取付部材111に取り付けられたねじ110の頭部115の端面がキャップ36の操作孔97に対向され、操作孔97から差し込まれる工具によって回動操作可能とする。ねじ110は、器具本体11の取付板部24の取付孔25に螺着し、光源ユニット12を器具本体11に締め付け固定可能とする。
【0062】
また、取付板部125には、吊金具140の一端側が取り付けられる光源側取付部138が設けられている。光源側取付部138は、吊金具140の一端側が挿通される長孔139を有している。長孔139は、光源ユニット12の長手方向に沿って長く、キャップ36のガイド溝103と交差する方向に長く設けられている。
【0063】
さらに、キャップ36には、光源ユニット12を器具本体11に仮吊りするための取付部品である吊金具140が取り付けられている。吊金具140は、例えば錆に強いステンレスなど金属製の線材によって形成されている。吊金具140は、直線状の線部141、この線部141の両端に円弧状に屈曲した円形部である屈曲部142を有している。両端の屈曲部142は、形状、寸法、および向き(屈曲面または屈曲方向の向き)が同じに設けられている。
【0064】
吊金具140の一端側の屈曲部142は、取付部材111の長孔139に挿通され、その挿通時の向きに対して略90°向きを変えてキャップ36のガイド溝103に挿入され、取付部材111によってキャップ36に取り付けられている。吊金具140の一端側は、屈曲部142が一対のガイド板部104間のガイド溝103に挿入されていて回り止め規制されており、屈曲部142が取付部材111の下面とキャップカバー部91の凹部96の内面との間の範囲内で長孔139に対して軸方向に移動可能とするとともに、光源ユニット12の長手方向に対して交差する方向に揺動可能とする。また、吊金具140の他端側は、器具本体11の取付板部24に設けられた本体側取付部26に着脱可能に引っ掛けられる。
【0065】
そして、このように構成された照明装置10において、光源ユニット12を組み立てるには、光源モジュール33、電源部34、連結部材32がそれぞれ取り付けられたシャーシ31をカバー30内(不透光部30a内)に挿入する。このとき、電源部34をシャーシ31に取り付けている取付部材74の突出部77がカバー30の天面部40に接触されるとともに、シャーシ31の傾斜面部51bがカバー30の屈曲部42に接触され、シャーシ31側とカバー30側とが互いに位置決めされる。
【0066】
パッキング35の挿入部80をカバー30の端部開口に挿入する。キャップ36のキャップ部90を、パッキング35を介してカバー30の端部外周に嵌合する。組み立てられた取付装置37のねじ110および取付部材111と吊金具140をキャップ36に組み込み、複数のねじ124を取付部材111、キャップ部90、パッキング35を通じて連結部材32に螺着し、カバー30とキャップ部90との間にパッキング35を挟み込んで締め付け固定し、カバー30の端部開口をパッキング35で密閉する。なお、電源部34からの引出ケーブルは、連結部材32、パッキング35、キャップ36を組み立てる際に、パッキング35の配線用挿通部84に挿通され、キャップ36のキャップ部90から引き出される。
【0067】
なお、光源ユニット12を組み立てる場合の順序は、このような順序に限られるものではなく、例えば、シャーシ31をカバー30内に挿入した後に、シャーシ31の端部に連結部材32を連結してもよい。また、シャーシ31の一端側に連結部材32、パッキング35およびキャップ36を予め取り付けておき、シャーシ31の他端側をカバー30に挿入し、一端側のパッキング35をカバー30の一端側に密着させるとともに、シャーシ31の他端側に連結部材32、パッキング35およびキャップ36を取り付けるようにしてもよい。
【0068】
そして、光源ユニット12は、カバー30の両端開口がパッキング35によって密閉され、防水構造が確保される。
【0069】
次に、照明装置10を設置するには、器具本体11を例えば天井面などの設置面に設置する。このとき、電源ケーブルを器具本体11内に引き込んでおく。
【0070】
光源ユニット12の両端のキャップ36に取り付けられている吊金具140を器具本体11の両端の取付板部24に設けられている本体側取付部26に引っ掛け、光源ユニット12を器具本体11の下方に仮吊りする。
【0071】
そして、仮吊りされた光源ユニット12と器具本体11との間の間隙を通じ、光源ユニット12から引き出されている引出ケーブルを器具本体11内に引き込まれている電源ケーブルと電気的に接続する。これらケーブルの電気的な接続には、器具本体11内に配置される端子台を用いてもよい。
【0072】
光源ユニット12の上部側の挿入領域12aを器具本体11の開口部17に挿入し、光源ユニット12のキャップ36の操作孔97から工具を差し込んでねじ110を器具本体11の取付板部24に螺着し、光源ユニット12を器具本体11に取り付ける。操作孔97にブッシュ98を嵌め込み、設置完了となる。
【0073】
また、外部電源からの外部電力が電源部34に供給されると、電源部34によって外部分力を変換した点灯電力が光源モジュール33に供給され、光源モジュール33の発光素子71が点灯し、発光素子71が発する光がカバー30を透過して外部に出射される。
【0074】
また、例えば、照明装置10のメンテナンスや交換の際には、光源ユニット12のキャップ36からブッシュ98を外し、操作孔97から工具を差し込んでねじ110を緩める。ねじ110が器具本体11の取付板部24から外れると、光源ユニット12が下降し、吊金具140の上部側の屈曲部142が本体側取付部26に引っ掛かり、吊金具140によって光源ユニット12が器具本体11に仮吊りされる。さらに、吊金具140の上部側の屈曲部142を本体側取付部26から外すことにより、光源ユニット12を器具本体11から外すことができる。
【0075】
そして、本実施形態の照明装置10に用いられる取付装置37では、ねじ110を配置するねじ配置開口部130の一端側に、ねじ110をねじ配置開口部130に向けて挿入するねじ挿入開口部131が設けられ、このねじ挿入開口部131にねじ110の軸部114の幅よりも狭い開口幅の脱落防止部133が設けられているため、ねじ110をねじ挿入開口部131から挿入してねじ配置開口部130に配置することにより、組立時などにねじ110が取付部材111から脱落するのを防止できる。
【0076】
さらに、ねじ挿入開口部131は、開口端部132から脱落防止部133に亘って開口幅が狭くなるように傾斜状に設けられているため、ねじ110をねじ挿入開口部131から挿入してねじ配置開口部130に配置させやすくでき、組立性を向上できる。
【0077】
また、取付板部125の開口部127の両側部が延長部135を介して連結部136で連結されているため、取付板部125の開口部127の両側部が開いてねじ配置開口部130に配置されているねじ110がねじ挿入開口部131から脱落するのを防止できる。
【0078】
さらに、連結部136には切欠部137が設けられているため、ねじ110をねじ挿入開口部131の開口端部132から脱落防止部133へ向けて挿入する際、連結部136が設けられていても、取付部材111が適度に弾性変形するようにし、ねじ110をねじ挿入開口部131から挿入してねじ配置開口部130に配置させやすくでき、組立性を向上できる。
【0079】
そして、取付装置37を備えた照明装置10は、設置時などの作業時にねじ110が脱落するのを防止でき、作業性を向上できる。
【0080】
なお、取付板部125の開口部127の両側部が開いてねじ配置開口部130に配置されているねじ110がねじ挿入開口部131から脱落するのを防止するためには、取付板部125の開口部127の両側部を延長部135および連結部136で連結する以外に、キャップ36に取付板部125の両側の広がりを規制する規制部を設けてもよい。
【0081】
また、取付装置37は、防水形の照明装置10に限らず、他の構造の照明装置にも適用でき、また、照明装置以外の取付構造にも適用できる。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
10 照明装置
11 器具本体
12 光源ユニット
37 取付装置
110 ねじ
111 取付部材
113 ねじ部
114 軸部
115 頭部
116 座金
125 取付板部
130 ねじ配置開口部
131 ねじ挿入開口部
132 開口端部
133 脱落防止部
135 延長部
136 連結部