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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054175
(43)【公開日】2022-04-06
(54)【発明の名称】照明器具の取付部材および照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20220330BHJP
   F21V 21/00 20060101ALI20220330BHJP
   F21V 21/30 20060101ALI20220330BHJP
   F21V 21/116 20060101ALI20220330BHJP
   F21W 131/40 20060101ALN20220330BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220330BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20220330BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V21/00 110
F21V21/30 110
F21V21/116
F21W131:40
F21Y115:10
F21Y115:15
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020161223
(22)【出願日】2020-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】加茂下 浩
(57)【要約】      (修正有)
【課題】照明器具を安定的かつ強固に取り付けできる照明器具の取付部材およびこれを備える照明装置を提供する。
【解決手段】照明器具10の取付部材11は、第一部材60と、第二部材61と、を備える、第一部材60は、保持部60aと、引掛け部60bと、を有する。保持部60aは、取付部12の下部に沿って位置し、照明器具10の上部を保持する。引掛け部60bは、保持部60aの一端部に位置し、取付部12の一縁部に引っ掛けられる。第二部材61は、第一部材60の保持部60aに取り付けられ、取付部12の他縁部に対し上方から締め付け固定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付部の下部に沿って位置し、照明器具の上部を保持する保持部と、該保持部の一端部に位置し、前記取付部の一縁部に引っ掛けられる引掛け部と、を有する第一部材と;
該第一部材の前記保持部に取り付けられ、前記取付部の他縁部に対し上方から締め付け固定される第二部材と;
を備えることを特徴とする照明器具の取付部材。
【請求項2】
前記第一部材は、前記第二部材の前記第一部材への取り付けと前記第二部材の前記取付部への締め付け固定との少なくともいずれかにより前記取付部に対し摩擦を生じさせる摩擦作用部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の照明器具の取付部材。
【請求項3】
前記第一部材は、前記保持部の他端部に取付面部を有し、
前記第二部材は、前記取付面部の幅方向に対し対をなす位置で固定される
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明器具の取付部材。
【請求項4】
前記照明器具は、前記取付部に対する取り付け角度を調整する角度調整部を備え、
前記第二部材は、前記角度調整部の調整範囲よりも上方に位置する
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の照明器具の取付部材。
【請求項5】
照明器具と;
該照明器具を取付部に対して取り付ける請求項1ないし4いずれか一記載の取付部材と;
を備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明器具を取付部に取り付ける照明器具の取付部材およびこれを備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施設等の天井が高い空間の照明に用いられる高天井用の照明器具がある。この照明器具は、光源部を有する器具本体が設置面に対してアームを介して設置される。アームには、設置穴が形成され、この設置穴と、設置面に形成された穴部とが位置合わせされて、これらに亘りボルト等が挿入されて締め付け固定されることで、照明器具が設置面に固定される。
【0003】
このような照明器具を、天井の梁を構成するH形鋼の下端部に直接設置する場合、施設等の梁を構成するH形鋼に対して後から穴開け等の加工をすることは、高所でもあるため困難であることから、別途の取付部材を用いて照明器具を固定することとなる。このような取付部材を用いた照明器具の取付構造において、照明器具を安定的かつ強固に取り付けることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-175770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、照明器具を安定的かつ強固に取り付けできる照明器具の取付部材およびこれを備える照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明器具の取付部材は、第一部材と、第二部材と、を備える。第一部材は、保持部と、引掛け部と、を有する。保持部は、取付部の下部に沿って位置し、照明器具の上部を保持する。引掛け部は、保持部の一端部に位置し、取付部の一縁部に引っ掛けられる。第二部材は、第一部材の保持部に取り付けられ、取付部の他縁部に対し上方から締め付け固定される。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の照明器具の取付部材によれば、照明器具を安定的かつ強固に取り付けることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)は一実施形態を示す照明装置の一部の正面図、(b)は同上照明装置の一部の平面図である。
図2】(a)は同上照明装置の取付部材の第一部材の平面図、(b)は同上第一部材の正面図、(c)は同上第一部材の側面図である。
図3】(a)は同上照明装置の取付部材の第二部材の平面図、(b)は同上第二部材の正面図、(c)は同上第二部材の側面図である。
図4】同上照明器具の取付部への取付動作の一部を示す正面図である。
図5】同上照明器具の取付部への取付動作の図4に続く動作を示す正面図である。
図6】同上照明器具の取付部への取付動作の図5に続く動作を示す正面図である。
図7】同上照明装置の取付部への取り付け状態の側面図である。
図8】同上照明装置の取付部への取り付け状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図1ないし図8を参照して説明する。
【0010】
図8において、照明器具10は、例えば施設等の天井が高い空間の照明に用いられる高天井用照明器具である。照明器具10は、取付部材11を用いて天井構造物等の取付部12に取り付けられる。照明器具10と取付部材11とにより、照明装置13が構成されている。
【0011】
照明器具10は、器具本体14を備えている。器具本体14は、複数の光源部15、およびこれら光源部15よりも上方に配置される電源ユニット16を備えている。本実施形態の照明器具10は、1つの光源部15を備えた1灯用モデルである。
【0012】
光源部15は、複数の発光モジュール、およびこれら発光モジュールを取り付けた放熱器20、発光モジュールに対向して配光を制御する反射体21、発光モジュールおよび反射体21を覆うカバー22を備えている。
【0013】
発光モジュールは、基板、およびこの基板に実装された発光素子を備えている。発光素子は、LEDや有機EL等の半導体発光素子が用いられている。
【0014】
放熱器20は、金属製で、下面に発光モジュールの基板が熱的に接続された状態に取り付けられる放熱板25、およびこの放熱板25の上面から突設された複数の放熱フィン26を有している。複数の放熱フィン26は、所定のフィン並設方向に所定の間隔をあけて平行状に配設されている。
【0015】
反射体21は、発光モジュールの複数の発光部に対応して反射体部が設けられている。反射体部は、上下方向に開口し、下方へ向けて拡開され、発光部の光を光照射方向である下方へ向けて反射させるとともに所定の配光に制御する。
【0016】
カバー22は、全体または少なくとも下面側に透光性を有し、発光モジュールおよび反射体21を覆って放熱器20の下面側に取り付けられている。
【0017】
また、電源ユニット16は、電源筐体30、この電源筐体30に配置された端子台31、および複数の主電源部を有している。電源ユニット16には、センサユニットおよび無線ユニットが設けられていてもよい。
【0018】
電源筐体30は、四角形箱状に形成されている。端子台31は、電源筐体30の側面に配置され、外部電源からの電力を供給する電源線が接続される。端子台31は、外部電源からの電力を主電源部に供給するように、内部配線により主電源部と接続されている。
【0019】
主電源部は、電源筐体30内に配置されている。主電源部は、外部電源からの電力を所定の点灯電力に変換して発光モジュールに供給し、発光モジュールの発光素子を点灯する。主電源部は、センサユニットおよび無線ユニットから調光信号等の信号を入力し、発光モジュールの点灯、消灯、調光を制御する。
【0020】
センサユニットは、例えばリモコン等からの赤外線等を媒体とした光信号を受光し、受光した光信号に応じた信号を主電源部に送る。光信号には、例えば複数の照明器具10をシーンに応じて制御するためのグループを設定する設定信号や、照明器具10を調光するための調光信号等が含まれる。
【0021】
無線ユニットは、少なくとも他の照明器具10の無線ユニットと通信可能としている。この無線ユニットを備えることにより、複数の照明器具10で構成されるグループ毎にシーンに応じて調光するようなグループ制御またはシーン制御を可能としている。
【0022】
そして、照明器具10は、取付部12に対して取り付けられる被取付部を有する。本実施形態において、被取付部は、器具本体14に取り付けられ器具本体14を支持するアーム40である。アーム40には、器具本体14の光源部15が光照射方向を下方とした状態で取り付けられるとともに、電源ユニット16が光源部15の上方にて取り付けられ、光源部15と電源ユニット16がアーム40を介して一体的に設けられている。
【0023】
アーム40は、アーム本体42、器具本体14側に取り付けられるアーム取付部材43、およびアーム本体42とアーム取付部材43とを角度調整可能に連結する角度調整部44を有している。なお、アーム取付部材43は、アーム40の一部を構成するものであってもよいし、器具本体14側が備えるものであってもよいし、アーム40および器具本体14側とは別構成であってもよい。
【0024】
アーム40のアーム本体42は、金属板によって形成されている。アーム本体42は、平面状に形成された第一部分であるアーム上面部46、および、このアーム上面部46から下方に延びる第二部分であるアーム側面部47を一体的に有している。
【0025】
アーム上面部46には、取付部12とは異なる天井構造物に照明器具10を設置するための設置孔50や電源線を通す配線孔等が設けられている。
【0026】
アーム側面部47は、アーム上面部46の長手方向の両端から下方に向けて折曲されている。すなわち、アーム側面部47は、アーム上面部46の両側に位置している。両側のアーム側面部47は、器具本体14の両側に取り付けられるアーム取付部材43の外側に配置され、角度調整部44によって角度調整可能に連結されている。
【0027】
アーム取付部材43は、金属板によって形成されている。アーム取付部材43は、上下方向に沿って長く、下部側が放熱器20の外側に配置されて固定され、上部側がアーム側面部47の内側に配置されて角度調整部44によって連結されている。アーム取付部材43の下部側は、ボルトおよびナット等の締結具を用いて放熱器20に固定されている。アーム取付部材43の下部側の先端には、カバー22の落下防止用の支持片54が内側に向けて折曲されている。両側のアーム取付部材43の間には、放熱器20から上方に離反した位置に、電源ユニット16が取り付けられている。
【0028】
角度調整部44は、取付部12に対する照明器具10の取り付け角度、および、光源部15による照射角度を調整する。角度調整部44は、回動軸を中心としてアーム本体42に対してアーム取付部材43を回動可能に連結し、固定軸を介してアーム本体42に対してアーム取付部材43を所定の各角度調整位置にて固定する。
【0029】
回動軸に対応してアーム本体42のアーム側面部47およびアーム取付部材43にそれぞれ挿通孔47a,43aが設けられ、これら挿通孔47a,43aに連結具56が挿通される。連結具56は、例えば挿通孔47a,43aに挿通されるボルト、挿通されたボルトに螺着されるナット、およびボルトとナットとの間に介在される回動可能なカラー等が用いられ、アーム本体42に対してアーム取付部材43を回動可能に連結する。
【0030】
固定軸に対応してアーム本体42のアーム側面部47に回動軸を中心とする円弧状の角度調整孔47bが設けられているとともにアーム取付部材43に固定孔43bが設けられ、これら角度調整孔47bおよび固定孔43bに締結具57が挿通される。締結具57は、例えば、角度調整孔47bおよび固定孔43bを挿通するボルト、および挿通したボルトに螺着されるナット等が用いられ、アーム本体42に対してアーム取付部材43を所定の各角度調整位置にて締め付け固定する。
【0031】
次に、取付部材11は、例えば金属により形成された取付金具である。本実施形態において、取付部材11は、第一部材60と、第二部材61と、を別体で備え、第一部材60を取付部12に引っ掛けるとともに第二部材61を第一部材60に取り付けて取付部12に締め付け固定することで照明器具10を取付部12に取り付け可能となっている。
【0032】
第一部材60は、照明器具10を支持するとともに、取付部12の一縁部に対し係止されるものである。図1(a)、図1(b)、図2(a)ないし図2(c)に示すように、第一部材60は、保持部60aと、引掛け部60bと、を有する。本実施形態において、第一部材60は、さらに、取付面部60cを有する。本実施形態において、第一部材60は、例えば金属により形成され、保持部60a、引掛け部60b、および、取付面部60cが一体に形成されている。保持部60aの一端部に引掛け部60bが位置し、他端部に取付面部60cが位置する。
【0033】
保持部60aは、取付部12の下部に沿って位置し、照明器具10の上部の被取付部を保持する。本実施形態において、保持部60aは、照明器具10のアーム40を保持する。保持部60aは、平板状に形成されている。図示される例では、保持部60aは、取付部12の幅に応じた長さを有する長方形状に形成されている。保持部60aには、照明器具10のアーム40のアーム上面部46に形成された設置孔50と位置合わせされる設置孔60a1が形成されている。設置孔60a1,50に亘り、照明器具締結部材63が挿入され、照明器具締結部材63が締結受け部材64と締結されることで、照明器具10が第一部材60の保持部60aに保持される。照明器具締結部材63は、例えばボルトであり、締結受け部材64は、例えばナットである。また、保持部60aの両長辺には、フランジ部60a2が折曲されて立ち上げられている。また、保持部60aの両長辺の他端部側には、切欠部60a3がそれぞれ形成されている。
【0034】
引掛け部60bは、取付部12の幅方向の一縁部に引っ掛けられる部分である。引掛け部60bは、保持部60aの一端部から上方に延出され、保持部60aの他端部側へとL字状に屈曲されている。本実施形態において、引掛け部60bは、保持部60aの幅方向に一対形成されている。図示される例では、引掛け部60bは、保持部60aのフランジ部60a1に一体的に形成されている。すなわち、引掛け部60bは、保持部60aの両長辺の位置に形成されている。
【0035】
引掛け部60bの基端部には、第二部材61の第一部材60への取り付けと第二部材61の取付部12への締め付け固定との少なくともいずれかにより取付部12に対して摩擦を生じさせる摩擦作用部60dが形成されている。本実施形態において、摩擦作用部60dは、引掛け部60bと保持部60aとが連なる引掛け部60bの下端部に形成されている。図示される例では、摩擦作用部60dは、傾斜面として形成されている。つまり、摩擦作用部60dは、保持部60aから引掛け部60bの基端部に向かい徐々に突出する形状に形成されている。これに限らず、摩擦作用部60dは、上側に凸状の円弧状、あるいは、表面に凹凸を有する形状等、摩擦を生じさせる任意の形状としてよい。
【0036】
取付面部60cは、保持部60aの他端部から下方に延出されている。本実施形態において、取付面部60cは、保持部60aの他端部から下方に折曲されて形成されている。取付面部60cは、保持部60aの幅方向に平面状に形成されている。取付面部60cは、第二部材61を受ける部分である。取付面部60cには、第二部材61を取り付けるための取付孔60c1と、照明器具12の角度調整部44の回動軸に位置する連結具56を避けるための回避窓60c2と、がそれぞれ形成されている。
【0037】
取付孔60c1は、複数設定される。本実施形態において、取付孔60c1は、上下2段、幅方向に2列、計4つ形成されている。取付孔60c1の配置は、略対称となっている。本実施形態において、取付孔60c1は、螺子受け孔となっている。また、回避窓60c2は、対をなす取付孔60c1間に位置する。回避窓60c2を基準として、一側の上下と他側の上下とにそれぞれ取付孔60c1が形成されている。回避窓60c2は、取付面部60cの下端近傍に位置する。取付面部60cの下端部は、第一部材60に照明器具10が保持された状態で、角度調整部44の固定軸の調整範囲、すなわち角度調整孔47bよりも上方に位置する。
【0038】
また、図1(a)、図1(b)、図3(a)ないし図3(c)に示すように、第二部材61は、第一部材60の保持部60aの他端部に取り付けられて照明器具10の位置を規制するとともに、取付部12の他縁部に対し上方から締め付け固定されるものである。第二部材61は、第一部材60に対して取り付けられる第二部材本体61aと、取付部12に対して締め付け固定される被固定部61bと、を有する。本実施形態において、第二部材61は、さらに、規制部61cを有する。また、本実施形態において、第二部材61は、例えば金属により形成され、第二部材本体61a、被固定部61b、および、規制部61cが一体に形成されている。
【0039】
第二部材本体61aは、平板状に形成されている。第二部材本体61aは、第一部材60の取付面部60cに対し、第一部材60の他端部側から固定される。第二部材本体61aには、第一部材60に第二部材61を取り付けるための取付孔61a1と、照明器具12の角度調整部44の回動軸に位置する連結具56を避けるための回避窓61a2と、がそれぞれ形成されている。
【0040】
取付孔61a1は、第一部材60の取付孔60c1に対応する複数設定される。本実施形態において、取付孔61a1は、上下2段、幅方向に2列、計4つ形成されている。取付孔61a1の配置は、略対称となっている。取付孔61a1と第一部材60の取付面部60cの取付孔60c1とに亘り、部材締結具65が挿入されて締め付けられる。部材締結具65は、例えばボルトである。取付孔61a1,60c1の位置により、部材締結具65は、照明器具10のアーム40の両側の位置を規制して、照明器具10の振動を抑制する。また、回避窓61a2は、対をなす取付孔61a1間に位置する。回避窓61a2を基準として、一側の上下と他側の上下とにそれぞれ取付孔61a1が形成されている。回避窓61a2は、第二部材本体61aの下端近傍に位置し、第二部材61が第一部材60に取り付けられた状態で、回避窓60c2と位置合わせされる。第二部材本体61aの下端部は、第二部材61が照明器具10を保持した第一部材60に取り付けられた状態で、角度調整部44の固定軸の調整範囲、すなわち角度調整孔47bよりも上方に位置する。
【0041】
被固定部61bは、第二部材本体61aの上端部から側方に延出されている。本実施形態において、被固定部61bは、第二部材本体61aの上端部から取付部12側に向かって折曲されている。被固定部61bは、平板状に形成されている。被固定部61bは、締結孔61b1を有する。締結孔61b1は、被固定部61bに複数形成されている。本実施形態において、締結孔61b1は、被固定部61bの幅方向に離れて一対形成されている。締結孔61b1には、取付部材11を取付部12の上部に締め付け固定する締結部材66が上方から挿入される。締結部材66は、例えばボルト等が用いられる。
【0042】
規制部61cは、第二部材本体61aの両側から側方に延出されている。本実施形態において、規制部61cは、第二部材本体61aの両側部から取付部12側、つまり被固定部61bと同側に向かって折曲されている。規制部61cは、第二部材61が第一部材60に取り付けられた状態で、第一部材60の支持部60aの切欠部60a3に挿入嵌合されることで、第一部材60の両側の位置を規制する。
【0043】
また、取付部12は、本実施形態において、支持体67の下部をなしている。支持体67は、梁等を構成する建築構造材である所定幅のH形鋼(H鋼)であり、取付部12は、下部のフランジである。つまり、取付部12の上部の中央部に、ウェブである連結部(ウェブ)68を介して上部のフランジである支持部69が連結されて、取付部12、連結部68、および、支持部69を含む全体として支持体67がH形状を呈している。
【0044】
取付部12は、平板状に形成されており、照明器具10側となる取付面である下面12aが平面状となっている。また、取付部12の保持面である上面12bは、下面12aと平行または略平行に形成されている。
【0045】
次に、照明装置13の取付方法について説明する。
【0046】
照明器具10は、アーム40のアーム本体42のアーム上面部46を天井等の設置面に設置する。本実施形態では、支持体67の下部の取付部12に対し、照明器具10を取り付ける。
【0047】
まず、図4に示すように、照明器具10は、アーム40のアーム本体42のアーム上面部46に対し、第一部材60を固定する。第一部材60は、保持部60aをアーム上面部46上に重ね、設置孔60a1(図2(a))を設置孔50(図8)と位置合わせするとともに、これら設置孔50,60a1に亘り、上方から照明器具締結部材63を挿入して締結受け部材64を下側から螺着することで、保持部60aとアーム40とを一体的に固定する。この状態で、第一部材60の取付面部60cが照明器具10のアーム40の一方のアーム側面部47の外側に沿って位置するとともに、角度調整部44の連結具56が、第一部材60の取付面部60cの回避窓60c2(図2(c))に位置する。
【0048】
次いで、図5に示すように、第一部材60の一端部に位置する引掛け部60bを、取付部12の一縁部に引っ掛け、引掛け部60bを中心として第一部材60の他端部側を照明器具10と一体的に取付部12に向かって接近させるように上方に回動する。この状態で、照明器具10が、取付部12に対し仮係止される。
【0049】
さらに、図6に示すように、第一部材60の他端部に対し、第二部材61を取り付ける。第二部材61は、第二部材本体61aの取付孔61a1(図3(c))を第一部材60の取付面部60cの取付孔60c1(図2(b))と位置合わせし、側方から部材締結具65を取付孔61a1,60c1に挿入して締結する。この状態で、図7に示すように、角度調整部44の連結具56が、第二部材61の第二部材本体62aの回避窓61a2に位置する。また、図8に示すように、第一部材60と第二部材61とが取付部12を両縁部から挟み込むとともに、第一部材60の摩擦作用部60cが取付部12の一縁部に左右方向に圧接される。さらに、第二部材61は、被固定部61bが取付部12の他縁部の上面12bの上方に離れて対向する位置となり、規制部61cが第一部材60の切欠部60a3に挿入される位置となる。
【0050】
この後、第二部材61の被固定部61bの締結穴61b1に上方から挿入された締結部材66を締め付けることにより、締結部材66の先端部が取付部12の上面12bに圧接されてその反力で照明器具10を自重から引き上げるとともに、第一部材60の摩擦作用部60cが取付部12の一縁部に上下方向に圧接され、第二部材61が取付部12に対し固定されることで、取付部材11が取付部12に対し、支持体67の長手方向と交差または直交する方向に沿って取り付けられる。
【0051】
このように照明器具10を取付部材11により取付部12に取り付けることで、照明器具10を取付部12に対し強固に、かつ、安定的に取り付けできる。
【0052】
また、設置面側から引き出される電源線を、電源ユニット16の電源筐体30の側部から端子台31に接続する。
【0053】
仮に設置面が傾斜している場合には、アーム40のアーム本体42のアーム上面部46を取付部12に設置した後、取付部材11の下方に露出する角度調整部44において、固定軸の締結具57を緩めた状態で、回動軸を中心としてアーム本体42に対して器具本体14の角度つまり光照射方向の向きを下方である例えば直下方向に調整する。調整後に、固定軸の締結具57を締め付け、アーム本体42にアーム取付部材43を介して器具本体14を固定する。
【0054】
この器具本体14の角度調整により、器具本体14側に取り付けられているセンサユニットが一体に角度調整され、センサユニットの受光部の受光軸と器具本体14の光照射方向とが一致する状態が保たれている。
【0055】
また、外部電源からの電力が電源ユニット16に供給されることにより、電源ユニット16の主電源部が外部電源からの電力を所定の点灯電力に変換して発光モジュールに供給し、発光モジュールの発光素子が点灯し、発光素子からの光がカバー22を透過して光照射方向に照射される。
【0056】
発光モジュールの発光素子が点灯時に発生する熱は、放熱器20に伝達され、この放熱器20から空気中に放熱される。
【0057】
このように、照明器具10を保持部60aに保持した第一部材60の一端部の引掛け部60bを取付部12の一縁部に引っ掛けることで、施工の途中でも取付部12に対し照明器具10を仮係止して照明器具10を一時的に保持でき、施工時の安全性を確保できるとともに、第一部材60の他端部に第二部材61を取り付け、第二部材61を取付部12の他縁部の上部に対し締め付け固定することで、第一部材60による取付部12の一縁部への係止と第二部材61による取付部12への他縁部への締め付け固定とによって両側から照明器具10を取付部12に対して安定的かつ強固に取り付けできる。また、地震等により締結部材66による第二部材61の締め付け固定が緩んだ場合でも、第一部材60が照明器具10を取付部12に引っ掛けて保持するので、照明装置13の耐震性を向上できる。
【0058】
また、保持部60aに十分な幅を持たせることで、照明器具10の取付面を確保し、安定的に照明器具10を保持できる。
【0059】
さらに、第二部材60の取付部12への締め付け固定により、第一部材60の摩擦作用部60dによって取付部12に対し摩擦を生じさせることで、第一部材60を取付部12の一縁部に強固に係止できる。
【0060】
本実施形態では、摩擦作用部60dを取付部12の一縁部の下縁に対して圧接する構成としたので、上面12bの位置を基準として保持部60aの位置を決定する構造となる。
【0061】
また、摩擦作用部60dを上下方向に対して傾斜させたため、第一部材60に対する第二部材61の取り付け、および、第二部材61の取付部12に対する締め付け固定のそれぞれに応じて取付部12に対し摩擦を作用させることができる。
【0062】
第二部材61を、第一部材60の取付面部60cの幅方向に対し対をなす位置で固定することにより、第二部材61を第一部材60に対して安定的に取り付けできる
また、取付部材11は、支持体67の長手方向と交差または直交する方向に長手となるように取り付けられるため、支持体67および取付部12に対する取付部材11の回転方向のずれを抑制できる。
【0063】
第二部材61が照明器具10の角度調整部44の調整範囲よりも上方に位置するため、第二部材61が照明器具10の角度調整部44による角度調整を邪魔しないとともに、角度調整部44を有するアーム40側に追加の加工が不要となる。
【0064】
なお、上記一実施形態において、摩擦作用部60dは、取付部12の一縁部の上縁に圧接する構成としてもよい。この場合には、下面12aの位置を基準として保持部60aの位置を決定する構造となる。
【0065】
照明器具10は、高天井用照明器具に限らず、ベースライト、あるいは投光器等でも適用できる。
【0066】
また、取付部12に対しアーム40を固定する構成としたが、これに限らず、照明器具10の上部にある被取付部を取付部12に固定する構成としてもよい。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
10 照明器具
11 取付部材
12 取付部
13 照明装置
44 角度調整部
60 第一部材
60a 保持部
60b 引掛け部
60c 取付面部
60d 摩擦作用部
61 第二部材
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8