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特開2022-54298半導体装置および半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054298
(43)【公開日】2022-04-06
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20220330BHJP
【FI】
H01L23/12 501S
H01L23/12 301Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020161408
(22)【出願日】2020-09-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】390022471
【氏名又は名称】アオイ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敬史
(72)【発明者】
【氏名】河野 一郎
(72)【発明者】
【氏名】児谷 昭一
(72)【発明者】
【氏名】三原 一郎
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高周波の送受信に適した半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】製造方法は、基板10の第1面に電解めっきにより第1導電部15を形成することと、第1導電部及び基板の第1面を覆う第1絶縁膜17を形成することと、第1絶縁膜の一部に第1導電部の一部を露出させる開口を形成することと、第1導電部を電極として電解めっきを行い開口の内部に導電プラグ18を形成することと、導電プラグの反対側の端部に電気的に接続する第2導電部(シード層19、第1配線21、シード層23、第2配線25a、25b、ポスト27及びピラー28の少なくとも一部)を形成することと、第2導電部に電気的に接続して半導体素子29を配置することと、半導体素子及び第2導電部の少なくとも一部を封止材30により封止することと、第1導電部、第1絶縁膜、導電プラグ、第2導電部、半導体素子及び封止材を一体的に基板から剥離することと、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の第1面の少なくとも一部に、電解めっきにより第1導電部を形成すること、
前記第1導電部、および前記基板の前記第1面のうち前記第1導電部が形成されていない部分の少なくとも一部を覆う第1絶縁膜を形成すること、
前記第1絶縁膜の一部に、前記第1導電部の一部を露出させる開口を形成すること、
前記第1絶縁膜の前記開口の内周面にシード層を形成することなく、前記第1導電部を電極として電解めっきを行い、前記第1絶縁膜の前記開口の内部に導電プラグを形成すること、
前記導電プラグの前記第1導電部側とは反対側の端部に電気的に接続する第2導電部を形成すること、
前記第2導電部に電気的に接続して、半導体素子を配置すること、
前記半導体素子および前記第2導電部の少なくとも一部を封止材により封止すること、
前記第1導電部、前記第1絶縁膜、前記導電プラグ、前記第2導電部、前記半導体素子、および前記封止材を一体的に、前記基板から剥離すること、
を備える、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1絶縁膜として、100μm以上の厚さの絶縁膜を形成し、
前記導電プラグとして100μm以上の長さのプラグを形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
前記開口の径は、前記第1絶縁膜の厚さの0.5倍以上、かつ4倍以下である、半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1絶縁膜の形成は、相互に線膨張係数の異なる複数の膜を重ねて形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1導電部、前記第1絶縁膜、前記導電プラグ、前記第2導電部、前記半導体素子、および前記封止材を一体的に前記基板から剥離した後に、前記第1導電部の前記導電プラグとは反対側の面に、金を含む金属をめっきする、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1導電部は、前記第1面内の少なくとも第1方向に所定の間隔だけ離れて配置される複数の導電部を有するアンテナ部を含む、半導体装置の製造方法。
【請求項7】
半導体素子と、
アンテナとしての第1導電部と、
前記半導体素子と電気的に接続されている第2導電部と、
前記第1導電部と前記第2導電部とを電気的に接続する導電プラグと、
前記第1導電部および前記第2導電部の少なくとも一部、および前記導電プラグを覆っている第1絶縁膜と、
を備え、
前記第1導電部の前記導電プラグ側とは反対側の面が前記第1絶縁膜から露出し、
前記第1導電部の前記面以外の面は、前記第1絶縁膜で覆われている、半導体装置。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体装置であって、前記第1導電部と前記導電プラグとは、同じ材質の物質である、半導体装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の半導体装置であって、
前記第1導電部と前記第2導電部との間隔は100μm以上であり、前記導電プラグの長さは100μm以上である、半導体装置。
【請求項10】
請求項7から請求項9までのいずれか一項に記載の半導体装置であって、
前記第1導電部の前記導電プラグとは反対側の面には、金を含む金属の膜が形成されている、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナとして使用する配線と半導体素子とを1つのパッケージに納めた半導体装置が提案されている。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0236776号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される製造方法では、半導体チップ(半導体素子)と配線を含む半導体デバイスと、誘電体層の表面にアンテナが形成されているキャリアをそれぞれ形成した後に、半導体デバイスとキャリアとを貼り合わせて半導体装置を製造する。このため、半導体デバイスに含まれる半導体素子と、キャリアに含まれるアンテナとの間の電気的な接合部分に不要な抵抗や容量を生じ易い。従って、高周波の送受信に適した半導体装置を製造することが難しい。
また、特許文献1に開示される半導体装置で、アンテナは、キャリアに含まれる誘電体層の表面に接し、誘電体層から露出して形成されているため、機械的な耐久性が弱いという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によると、半導体装置の製造方法は、基板の第1面の少なくとも一部に、電解めっきにより第1導電部を形成すること、前記第1導電部、および前記基板の前記第1面のうち前記第1導電部が形成されていない部分の少なくとも一部を覆う第1絶縁膜を形成すること、前記第1絶縁膜の一部に、前記第1導電部の一部を露出させる開口を形成すること、前記第1絶縁膜の前記開口の内周面にシード層を形成することなく、前記第1導電部を電極として電解めっきを行い、前記第1絶縁膜の前記開口の内部に導電プラグを形成すること、前記導電プラグの前記第1導電部とは反対側の端部に電気的に接続する第2導電部を形成すること、前記第2導電部に電気的に接続して、半導体素子を配置すること、前記半導体素子および前記第2導電部の少なくとも一部を封止材により封止すること、前記第1導電部、前記第1絶縁膜、前記導電プラグ、前記第2導電部、前記半導体素子、および前記封止材を一体的に、前記基板から剥離すること、を備える。
第2の態様によると、半導体装置は、半導体素子と、アンテナとしての第1導電部と、前記半導体素子と電気的に接続されている第2導電部と、前記第1導電部と前記第2導電部とを電気的に接続する導電プラグと、前記第1導電部および前記第2導電部の少なくとも一部、および前記導電プラグを覆っている第1絶縁膜と、を備え、前記第1導電部の前記導電プラグとは反対側の面が前記第1絶縁膜から露出し、前記第1導電部の前記面以外の面は、前記第1絶縁膜で覆われている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の製造方法によれば、高周波の導電特性に優れた半導体装置を製造することができる。
本発明の半導体装置によれば、アンテナ部分の機械的に耐久性に優れた半導体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態による半導体装置の製造方法を説明する図であり、初期の工程を示す図。
図2】一実施形態による半導体装置の製造方法を説明する図であり、図1に続く工程を示す図。
図3】一実施形態による半導体装置の製造方法を説明する図であり、図2に続く工程を示す図。
図4】一実施形態による半導体装置の製造方法を説明する図であり、図3に続く工程を示す図。
図5】一実施形態による半導体装置の製造方法を説明する図であり、図4に続く工程を示す図。
図6】一実施形態の半導体装置を示す図。
図7】第1導電部の形状の各種の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(一実施形態の半導体装置の製造方法)
図6は、一実施形態による半導体装置100を示す図であり、図1から図5は、半導体装置100の製造方法を説明するための図である。各図に矢印で示したX方向、Y方向、およびZ方向は、それぞれ各図において同一の方向を示し、その矢印の指し示す方向を+方向とする。また、X方向、Y方向、およびZ方向は、相互に直交する方向である。本明細書では、X方向の位置をX位置、Y方向の位置をY位置とも呼ぶ。
【0009】
(基板)
図1(a)は、半導体装置100を製造するための基板10の断面図を示す図である。基板10は、支持基板11と、支持基板11の上面(+Z側の面)に、支持基板11側から順に形成された第1金属層12および第2金属層13を含んでいる。
基板10の+Z側の面を、以下では「第1面」S1とも呼ぶ。
【0010】
図1(a)および以降の各図においては、理解を容易にするために、基板10の面内方向(X方向)に対して、基板10の表面に垂直な方向(Z方向)の長さを拡大して描いている。
なお、図1(b)以降の各図においては、支持基板11の厚さを一部省略して示している。
【0011】
支持基板11は例えばガラスから成り、支持基板11の厚さは一例として100~2000μm程度である。
【0012】
第1金属層12は、一例としてチタンを含む層であり、第1金属層12の厚さは一例として、0.05~1.0μm程度である。第1金属層12は、チタンの代わりにTi合金層(例えばWti、TiAl)、Ni、Cr、Taなどを含むものであっても良い。
第2金属層13は、一例として銅を含む層であり、第1金属層12の厚さは一例として、0.1~3.0μm程度である。第2金属層13は、銅の代わりにCu合金層(例えばTiCu、TiCuFe)Ni、Cr、Taなどを含むものであっても良い。
支持基板11と第1金属層12との間に、炭素等を主成分とする不図示の剥離層が形成されていても良い。
上記の条件に適した、第1金属層12、第2金属層13が少なくとも形成された支持基板11が販売されていれば、それを購入して使用することができる。
【0013】
(第1導電部の形成)
図1(b)は、基板10の+Z側の面である第1面S1の上に、すなわち第2金属層13の上に、第1導電部15およびアライメントマーク16を形成した状態を示している。第1導電部15およびアライメントマーク16の形成に際しては、始めに第1面S1上の、すなわち第2金属層13上の全面にフォトレジスト14を形成し、このフォトレジスト14に第1導電部15およびアライメントマーク16の形状に対応する所望の開口部を形成する。そして、基板10をめっき液に浸し電解銅めっきを行うことで、第2金属層13が露出する部分(すなわちフォトレジスト14の開口部)に銅がめっきされ、第1導電部15およびアライメントマーク16が形成される。
その後、フォトレジスト14を除去する。
【0014】
第1導電部15は、後述する半導体装置100において、アンテナとなる部分である。
図1(c)は、第1導電部15およびアライメントマーク16が形成された基板10を+Z方向から見た上面図を示す図である。図1(c)に示したように、第1導電部15は、一例としてX方向に所定の間隔だけ離れて配置される、Y方向に延びた概ね楕円形の2つの導電部を有するアンテナ部を構成している。
X方向は、XY面と一致している第1面S1の面内の第1方向ということができる。
なお、第1導電部15は、上述したアンテナ部以外の部分をさらに含んでいても良い。また、アンテナ部は、2つに限らず、X方向に所定の間隔だけ離れて配置される3つ以上の導電部を有していても良い。
【0015】
アライメントマーク16と第1導電部15とは、同一のリソグラフィー工程において同時に形成された開口に基づいて形成されているので、両者のX方向およびY方向の位置関係は正確に把握されている。従って、以降の工程においては、アライメントマーク16のX位置およびY位置を計測することにより、第1導電部15のX位置およびY位置を正確に把握することができる。
【0016】
(第1絶縁膜の形成)
図2(a)は、基板10上に、第1導電部15およびアライメントマーク16を覆うように第1絶縁膜17を形成した状態を示している。第1絶縁膜17は、基板10の第1面S1のうち、第1導電部15と第1導電部16が形成されていない部分の少なくとも一部を覆うように形成される。
【0017】
第1絶縁膜17は、一例として第1導電部15およびアライメントマーク16を含む支持基板11上に、ABFフィルムを貼り付けることにより形成する。第1絶縁膜17の厚さT1は、一例として100μm以上である。第1絶縁膜17を、液体状の材料を塗布することにより形成しても良い。
【0018】
(開口の形成)
図2(b)は、第1絶縁膜17のうちの、第1導電部15の一部の上方(+Z方向)に相当する部分に、開口17aを形成した状態を示している。開口17aは第1絶縁膜17の所定の箇所にレーザ光等の整形された光を照射して、第1絶縁膜17の一部を蒸発させることにより形成する。第1導電部15の一部は、開口17aにより露出されている。
【0019】
開口17aの形成に先立って、不図示の位置検出装置を用いて、アライメントマーク16のX位置およびY位置を計測する。そして、アライメントマーク16の位置計測結果に基づいて、第1導電部15の中の所望の部分に対応する第1絶縁膜17のX位置およびY位置に一致させて光を照射して、開口17aを形成する。
【0020】
(導電プラグの形成)
図2(b)に示した開口17aの内部に、第1導電部15を電極として電解めっきを行う。
図2(c)は、開口17aの内部に、第1導電部15を電極とした電解銅めっきにより、銅を主成分とする導電プラグ18が形成された状態を示している。導電プラグ18の長さ(Z方向の長さ)は、一例として100μm以上である。なお、導電プラグ18の長さは、第1絶縁膜17の厚さT1より短くても良い。
【0021】
なお、開口17aの内周面にシード層を形成して導電プラグ18の電解めっきを行なう場合、開口17aの+Z側の端部の近傍の内周面には、開口17aの-Z側の端部の近傍に比べて、めっき液から金属が供給されやすいため、めっきの成膜速度が速くなる。このため、開口17aは、その+Z側の端部の近傍のみが金属で埋まり、-Z側の端部の近傍は空洞となってしまう恐れがある。この結果、十分に低い電気抵抗を有する導電プラグ18が形成できない恐れがある。
【0022】
これに対し、一実施形態においては、上述したとおり、開口17aの内周面にシード層を形成することなく、第1導電部15を電極として電解めっきを行うため、開口17aには、その-Z側の端部(第1導電部15に近い側)から、順次金属が埋め込まれていく。従って、一例として100μm以上の厚さを有する第1絶縁膜17に形成された深い開口17aの内部に、空洞のない、十分に低い電気抵抗を有する導電プラグ18を形成することができる。
【0023】
また、第1導電部15の表面にシード層を形成することなく、電解めっきにより形成された第1導電部15の表面に、電解めっきにより銅を形成して導電プラグ18としているため、第1導電部15と導電プラグ18とを、強固に接合させることができる。さらに、第1導電部15と導電プラグ18との間に、シード層を含まないため、第1導電部15と導電プラグ18との間に形成される静電容量を小さく抑えることができる。これにより、第1導電部15と導電プラグ18との間に流れる高周波電流に対するインピーダンスを小さく抑えることができる。
【0024】
なお、導電プラグ18の径は、開口17aの径D1と概ね一致する。従って、導電プラグ18の電気抵抗を低減するためには、開口17aの径D1は大きい程良いが、一方で、開口17aの径D1が大き過ぎると、第1導電部15と導電プラグ18との間に形成される静電容量が増大してしまう。
【0025】
そこで、一例として、開口17aの径D1は、第1絶縁膜17の厚さT1と同程度とする。また、一例として開口17aの径D1は、100μm以上であっても良い。さらなる一例として、開口17aの径D1は、第1絶縁膜の厚さT1の0.5倍以上、かつ4倍以下であっても良い。
【0026】
ここで、開口17aの径D1とは、開口17aが円形であればその直径に相当し、開口17aが正方形であれば、その1辺の長さに相当する。また、径D1は、開口17aが概ね楕円形であればその長半径と短半径の和に相当し、概ね長方形であれば、対向しない2つの辺の長さの平均値に相当する。
【0027】
(第1配線および第2配線の形成)
図2(c)に示した、導電プラグ18および第1絶縁膜17の+Z側の端面、および開口17aの内周面の一部に、無電解銅めっき等により導電性のシード層を形成する。
図2(d)は、シード層19が形成された状態を示す図である。
【0028】
図3(a)は、シード層19の上(+Z側)に、第1配線21が形成された状態を示す図である。第1配線21の形成に際しては、シード層19の上(+Z側)にラミネート等によりドライフィルムレジスト20を形成し、ドライフィルムレジスト20の所定部分を露光した後に現像することで、ドライフィルムレジスト20の所定位置に開口を形成する。そして、シード層19を電極として、ドライフィルムレジスト20の開口の内部に銅等の金属を電解めっきすることにより、第1配線21を形成する。
【0029】
その後、ドライフィルムレジスト20をエッチング等により除去するとともに、第1配線21をエッチングマスクとしてシード層19をエッチングにより除去する。
図3(b)は、第1配線21が形成され、ドライフィルムレジスト20およびシード層19が除去された状態を示している。
【0030】
図3(c)は、第1配線21の上(+Z側)に、第2絶縁膜22が形成され、第2絶縁膜22の一部に開口22aが形成された状態を示している。
第1絶縁膜17および第1配線21の上(+Z側)への第2絶縁膜22の形成は、上述した第1絶縁膜17と同様に、ABFフィルムを貼り付けることにより行う。第2絶縁膜17の厚さは、一例として30~50μm程度である。
【0031】
開口22aの形成は、第2絶縁膜22の所定の箇所にレーザ光等の整形された光を照射することにより、第2絶縁膜22の一部を蒸発させることにより行う。図3(c)に示したとおり、第1配線21の一部は、開口22aにより露出されている。
【0032】
図3(c)に示した、第2絶縁膜22の+Z側の端面、開口22aから露出する第1配線21の一部、および開口22aの内周面に、無電解銅めっき等により導電性のシード層を形成する。
図3(d)は、シード層23が形成された状態を示す図である。
【0033】
図4(a)は、シード層23の上(+Z側)に、第2配線25a、25bが形成された状態を示す図である。以下では、第2配線25a、25bを合わせて第2配線25とも呼ぶ。第2配線25は、上述した第1配線21と同様に、シード層23の上(+Z側)に形成したドライフィルムレジスト24の所定位置に開口を形成し、シード層23を電極として銅等の金属を電解めっきすることにより形成する。
そして、ドライフィルムレジスト24をエッチング等により除去する。
【0034】
図4(b)は、第2配線25bの上(+Z側)に、ポスト27が形成された状態を示している。ポスト27は、上述した第2配線25と同様に、シード層23および第2配線25の上(+Z側)に形成したドライフィルムレジスト26の所定位置に開口26aを形成し、開口26a内に第2配線25を電極として銅等の金属を電解めっきすることにより形成する。
その後、ドライフィルムレジスト26をエッチング等により除去するとともに、第2配線25をエッチングマスクとしてシード層23をエッチングにより除去する。
【0035】
(半導体素子の配置)
図4(c)は、基板10上に形成された第2配線25aに対して、ピラー28を介して半導体素子29が接合された状態を示している。半導体素子29は、RF集積回路、CPU等のロジック回路IC、またはDRAM等のメモリーIC等の、半導体ウエハから切断された半導体集積回路チップである。
【0036】
半導体素子29の半導体集積回路が形成された主面(-Z側の面)の一部には、第2配線25aへの接合に先立って、ピラー28および、はんだ(不図示)を形成しておく。半導体素子29の接合は、各種のフリップチップホンダーを用いて行うことができる。
また、基板10への接合に先立って、裏面(主面と反対側の面)を研磨し、半導体素子29を70μmから150μm程度の厚さにしておいても良い。
【0037】
以上で説明した、シード層19、第1配線21、シード層23、第2配線25、ポスト27、およびピラー28の少なくとも一部を、本明細書では「第2導電部」とも呼ぶ。第2導電部は、導電プラグ18の第1導電部15とは反対側(+Z側)の端部に電気的に接続されている。また、半導体素子29は、第2導電部に電気的に接続して配置されている。
【0038】
なお、図4(c)は、第2導電部等が形成された基板10および半導体素子29の一部における断面を示しているため、第2配線25aと第2配線25bは絶縁されて示されているが、第2配線25aと第2配線25bは、一部において電気的に導通していても良い。また、第1導電部15と第2配線25bについても、一部において電気的に導通していても良い。
【0039】
(封止材による封止)
半導体素子29、ピラー28、第2配線25、およびポスト27の少なくとも一部を封止材により封止する。
図5(a)は、基板10上の第2絶縁膜22上に形成された半導体素子29、ピラー28、第2配線25、およびポスト27の少なくとも一部が封止材30により封止された状態を示している。
【0040】
封止材30として、例えばエポキシベースの樹脂にシリカなどのフィラーを充填した樹脂を使用しても良い。封止は、コンプレッションモールド法によって、液状の樹脂を金型で加圧して形成しても良い。あるいは、トランスファモールド法によって形成しても良い。封止材30の厚さは一例として、200~700μm程度である。
【0041】
なお、ピラー28、第2配線25、およびポスト27は、いずれも上述した第2導電部に含まれる。従って、この封止は、換言すれば、半導体素子29、および第2導電部の少なくとも一部を封止材により封止するものであると言える。
【0042】
(第3配線の形成)
図5(b)は、封止材30の上(+Z側)に、第3配線31が形成された状態を示す図である。第3配線31の形成に際しては、封止材30のうちの、X位置およびY位置がポスト27の少なくとも一部と一致する部分に、リソグラフィーにより開口30aを形成する。そして、封止材30の上端面と、開口30aの内周面、および開口30aから露出するポスト27の上端に不図示のシード層を形成する。
【0043】
そして、上述した第1配線21と同様に、不図示のシード層上(+Z側)に形成した不図示のドライフィルムレジストの所定位置に開口を形成し、シード層を電極として銅等の金属を電解めっきすることにより第3配線31を形成する。第3配線31の形成後に、不図示のドライフィルムレジストを除去し、第3配線31をエッチングマスクとして不図示のシード層をエッチングにより除去する。
【0044】
図5(b)に示した、第1導電部15、第1絶縁膜17、第2絶縁膜22、導電プラグ18、第2導電部(19、21、23、25、27、28)、半導体素子29、封止材30、および第3配線31を合わせて、以下では「中間生成体」50とも呼ぶ。
【0045】
(基板からの剥離)
中間生成体50を、一体的に、基板10から剥離する。図5(c)は、基板10から剥離された中間生成体50を示している。
中間生成体50を基板10からの剥離する際には、一例として、始めに基板10を構成する支持基板11を、中間生成体50、および中間生成体50と一体的に形成されている第2金属層13と第1金属層12から剥離しても良い。そして、その後、中間生成体50から第1金属層12および第2金属層13を、エッチング等により順次除去しても良い。
【0046】
基板10を中間生成体50から剥離することにより、基板10の第2金属層13に密着して形成されていた第1導電部15が、中間生成体50の-Z側の端面に露出する。ただし、第1導電部15のうち、第1絶縁膜17から露出する部分は、その-Z側の端面、すなわち第1導電部15の導電プラグ18側とは反対側の面だけである。そして、第1導電部15の-Z側の端面以外の面は第1絶縁膜17で覆われている。
【0047】
(第3金属層およびはんだボールの形成)
図6は、完成した半導体装置100の断面を示す図である。
図5(c)に示した中間生成体50に対して、第1絶縁膜17から露出している第1導電部15の-Z側端面に第3金属層32を形成し、第3配線31の+Z側端面の少なくとも一部にはんだボール33を形成することにより、図6に示した半導体装置100が完成する。
【0048】
第3金属層32は、一例として、第1導電部15側から順に、ニッケルを主成分とする層、パラジウムを主成分とする層、および金を主成分とする層を、めっきにより積層して形成する。この場合、第3金属層32の下端部(-Z側の端部)は、耐腐食性の高い金で覆われる。
なお、ニッケルを主成分とする層、またはパラジウムを主成分とする層の少なくとも一方は、形成を省略しても良い。
第3配線31の+Z側端面へのはんだボール33の形成は、第3配線31の+Z側端面に、はんだボール33を配置し、加熱リフローを行うことで形成する。
以上の工程により、図6に示した半導体装置100が完成する。
【0049】
なお、以上の説明においては、第1導電部15、導電プラグ18、第1配線21、第2配線25、および第3配線31は、いずれも電解銅めっきにより形成するものとしたが、それらのうちの少なくとも一部を、他の金属の電解めっきにより形成しても良い。
ただし、特に第1導電部15と導電プラグ18とについては、同じ材料の物質(金属)で形成することにより、それらの結合の強度を一層向上させることができる。
【0050】
なお、以上の説明においては、第1絶縁膜17は一種類の材料で形成するものしているが、相互に異なる材料からなる複数の膜を重ねて形成しても良い。複数の膜としては、例えば、相互に線膨張係数の異なる材料の膜を用いても良い。例えば、線膨張係数は相対的に大きいが第1導電部15等との密着性が高い材料の膜と、線膨張係数が相対的に小さい膜とを、重ねて形成しても良い。この場合、第1導電部15等との密着性を高めつつ、かつ、第1絶縁膜17の線膨張係数を全体として小さく抑えることができる。
【0051】
また、第1配線21の形成のためのシード層19の形成は、図2(d)に示したように、導電プラグ18および第1絶縁膜17の+Z側の端面、および開口17aの内周面の一部に直接、シード層19を形成する方法には限られない。例えば、図2(c)に示した状態の、第1絶縁膜17および導電プラグ18の上(+Z側)に、ABFフィルム等により第3絶縁膜を形成し、第3絶縁膜のうちX位置およびY位置が導電プラグ18と一致する部分に開口を形成しても良い。そして、この開口から露出した導電プラグ18、第3絶縁膜の+Z側の端面、およびこの開口の内周面にシード層19を形成しても良い。
【0052】
なお、アライメントマーク16は、図1(b)および図1(c)に示したように第1導電部15の近傍に形成するのではなく、第1導電部15からX方向またはY方向に離れた位置に形成しても良い。例えば、基板10の第1面S1のうちの、後の工程で第1絶縁膜17に覆われない周辺部にアライメントマーク16を形成しても良い。
【0053】
なお、図1から図5においては、1個の半導体装置100の製造工程を示しているが、基板10を半導体装置100よりも十分に大きな基板とし、基板10上に半導体装置100をX方向またはY方向に複数並べて形成しても良い。この場合には、一体的に形成された複数の中間生成体50から基板10を剥離した後に、一体的に形成された複数の中間生成体50を切断して個片化すると良い。
【0054】
この場合、アライメントマーク16は、複数の半導体装置100のそれぞれに対応してそれぞれ形成しても良い。あるいは、半導体装置100の配列数よりも少ない数のアライメントマーク16を配置しても良い。この場合には、アライメントマーク16は、後の工程で第1絶縁膜17に覆われない周辺部にアライメントマーク16を形成しても良い。
【0055】
なお、以上の説明においては、基板10の上に、第1配線21、第2配線25、および第3配線31の3層の配線を形成するものとしたが、基板10の上に形成する配線の層数は、これに限られるものではない。すなわち、配線は1層であっても良く、4層以上であっても良い。4層以上の配線の形成についても、上述した第1配線21、第2配線25、または第3配線31と同様の方法で形成すればよい。
また、半導体装置100の用途によっては、上述のはんだボール33の形成、または第3金属層32の形成の少なくとも一方を省略してもよい。
【0056】
なお、半導体装置100においてアンテナとなる部分である第1導電部15の基板10の第1面S1内における形状は、図1(c)に示した略楕円形状を有する2つの部分に限られるわけではなく。他の形状であっても良い。
図7(a)から図7(c)は、それぞれ、基板10の第1面S1内に形成する第1導電部15の他の形状の例を表す図である。図7(a)に示した例では、第1導電部15の形状は、略正方形の導電部がX方向に2列、Y方向に2列の計4個配置された形状である。
【0057】
図7(b)に示した例では、第1導電部15の形状は、略円形の導電部がX方向に2列、Y方向に2列の計4個配置された形状である。そして、図7(c)に示した例では、第1導電部15の形状は、略正方形の導電部がX方向に4列、Y方向に4列の計16個配置された形状である。
【0058】
(一実施形態の半導体装置の製造方法の効果)
(1)以上の半導体装置の製造方法は、基板10の第1面S1の少なくとも一部に、電解めっきにより第1導電部15を形成すること、第1導電部15、および基板10の第1面S1のうち第1導電部15が形成されていない部分の少なくとも一部を覆う第1絶縁膜17を形成すること、第1絶縁膜17の一部に、第1導電部15の一部を露出させる開口17aを形成すること、第1絶縁膜17の開口17aの内周面にシード層を形成することなく、第1導電部15を電極として電解めっきを行い、第1絶縁膜17の開口17aの内部に導電プラグ18を形成すること、を備えている。さらに、導電プラグ18の第1導電部15とは反対側の端部に電気的に接続する第2導電部(19、21、23、25、27、28)を形成すること、第2導電部に電気的に接続して、半導体素子29を配置すること、半導体素子29および第2導電部の少なくとも一部を封止材30により封止すること、第1導電部15、第1絶縁膜17、導電プラグ18、第2導電部、半導体素子29、および封止材30を一体的に、基板10から剥離すること、を備えている。
この構成により、第1絶縁膜17の厚さが厚く、従って開口17aの深さが深い場合であっても、開口17aの内部に確実に導電プラグ18を形成することができ、電気抵抗およびインピーダンスの低い導電プラグ18を製造することができる。従って、高周波の導電特性に優れた半導体装置を製造することができる。
【0059】
(2)第1絶縁膜17として、100μm以上の厚さの絶縁膜を形成し、導電プラグ18として100μm以上の長さのプラグを形成することにより、第1導電部15と第1配線21との間隔を、100μm以上の長さとすることができる。これにより、第1導電部15をアンテナとして使用した場合において、アンテナに対する第1配線21からの電磁的な悪影響を低減することができるため、高性能な通信用の半導体装置を製造することができる。
【0060】
(一実施形態の半導体装置)
上述したように、図6は、上述した一実施形態の半導体装置の製造方法により製造された一実施形態の半導体装置100を示す図である。上述した一実施形態の半導体装置の製造方法において説明した半導体装置100の構成や特徴は、全て一実施形態の半導体装置100についても援用されるものであるため、それらについての説明は重複するため省略する。
【0061】
(一実施形態の半導体装置の効果)
(3)半導体装置100は、半導体素子29と、アンテナとしての第1導電部15と、半導体素子29と電気的に接続されている第2導電部(19、21、23、25、27、28)と、第1導電部15と第2導電部とを電気的に接続する導電プラグ18とを備えている。半導体装置100は、さらに、第1導電部15および第2導電部の少なくとも一部、および導電プラグ18を覆っている第1絶縁膜17と、を備えている。そして、第1導電部15の導電プラグ18とは反対側の面が第1絶縁膜17から露出し、第1導電部15の前記導電プラグの導電プラグ18とは反対側の面以外の面は、第1絶縁膜17で覆われている。
この構成においては、アンテナとしての第1導電部15は、その殆どが、第1絶縁膜17の内部に埋没して設けられているため、外部から異物が第1導電部15に接触しても、第1導電部15は剥離または損傷することがない。従って、アンテナ部分の機械的な耐久性に優れた半導体装置を実現することができる。
【0062】
(4)第1導電部15と第2導電部(19、21、23、25、27、28)との間隔を100μm以上とし、導電プラグ18の長さを100μm以上とすることで、アンテナとしての第1導電部15に対する第2導電部からの電磁的な悪影響を低減することができるため、高性能な通信用の半導体装置を実現することができる。
【0063】
(5)第1導電部15の導電プラグ18とは反対側の面に、金を含む金属の膜が形成されている構成とすることで、アンテナとしての第1導電部15の耐腐食性を高めた半導体装置を実現することができる。
【0064】
本発明は以上の内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
100:半導体装置、11:支持基板、12:第1金属層、13:第2金属層、15:第1導電部、16:アライメントマーク、17:第1絶縁膜、17a:開口、18:導電プラグ、21:第1配線、25(25a,25b):第2配線、27:ポスト、28:ピラー、29:半導体素子、30:封止材、32:第3金属層、33:はんだボール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-11-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の第1面の少なくとも一部に、電解めっきにより第1導電部を形成すること、
前記第1導電部、および前記基板の前記第1面のうち前記第1導電部が形成されていない部分の少なくとも一部を覆う、厚さ100μm以上の第1絶縁膜を形成すること、
前記第1絶縁膜の一部に、前記第1導電部の一部を露出させる開口を形成すること、
前記第1絶縁膜の前記開口の内周面にシード層を形成することなく、前記第1導電部を電極として電解めっきを行い、前記第1絶縁膜の前記開口の内部に、100μm以上の長さの導電プラグを形成すること、
前記導電プラグの前記第1導電部側とは反対側の端部に電気的に接続する第2導電部を形成すること、
前記第2導電部に電気的に接続して、半導体素子を配置すること、
前記半導体素子および前記第2導電部の少なくとも一部を封止材により封止すること、
前記第1導電部、前記第1絶縁膜、前記導電プラグ、前記第2導電部、前記半導体素子、および前記封止材を一体的に、前記基板から剥離すること、を備え、
前記第1導電部は、アンテナを含む、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記開口の径は、前記第1絶縁膜の厚さの0.5倍以上、かつ4倍以下である、半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1絶縁膜の形成は、相互に線膨張係数の異なる複数の膜を重ねて形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1導電部、前記第1絶縁膜、前記導電プラグ、前記第2導電部、前記半導体素子、および前記封止材を一体的に前記基板から剥離した後に、前記第1導電部の前記導電プラグとは反対側の面に、金を含む金属をめっきする、半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1導電部は、前記第1面内の少なくとも第1方向に所定の間隔だけ離れて配置される複数の導電部を有するアンテナ部を含む、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
半導体素子と、
アンテナとしての第1導電部と、
前記半導体素子と電気的に接続される第2導電部と、
前記第1導電部と前記第2導電部とを電気的に接続する導電プラグと、
前記第1導電部および前記第2導電部の少なくとも一部、および前記導電プラグを覆っている第1絶縁膜と、
を備え、
前記第1導電部の前記導電プラグ側とは反対側の面が前記第1絶縁膜から露出し、
前記第1導電部の前記面以外の面は、前記第1絶縁膜で覆われており、
前記第1導電部と前記第2導電部との間隔は100μm以上であり、前記導電プラグの長さは100μm以上であり、
前記導電プラグは、前記第1絶縁膜の開口の内周面にシード層を形成することなく、前記第1導電部を電極として電解めっきを行うことで、前記第1絶縁膜の前記開口の内部に形成されている、半導体装置。
【請求項7】
請求項に記載の半導体装置であって、前記第1導電部と前記導電プラグとは、同じ材質の物質である、半導体装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の半導体装置であって、
前記第1導電部の前記導電プラグとは反対側の面には、金を含む金属の膜が形成されている、半導体装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
第1の態様によると、半導体装置の製造方法は、基板の第1面の少なくとも一部に、電解めっきにより第1導電部を形成すること、前記第1導電部、および前記基板の前記第1面のうち前記第1導電部が形成されていない部分の少なくとも一部を覆う、厚さ100μm以上の第1絶縁膜を形成すること、前記第1絶縁膜の一部に、前記第1導電部の一部を露出させる開口を形成すること、前記第1絶縁膜の前記開口の内周面にシード層を形成することなく、前記第1導電部を電極として電解めっきを行い、前記第1絶縁膜の前記開口の内部に、100μm以上の長さの導電プラグを形成すること、前記導電プラグの前記第1導電部とは反対側の端部に電気的に接続する第2導電部を形成すること、前記第2導電部に電気的に接続して、半導体素子を配置すること、前記半導体素子および前記第2導電部の少なくとも一部を封止材により封止すること、前記第1導電部、前記第1絶縁膜、前記導電プラグ、前記第2導電部、前記半導体素子、および前記封止材を一体的に、前記基板から剥離すること、を備え、前記第1導電部は、アンテナを含む
第2の態様によると、半導体装置は、半導体素子と、アンテナとしての第1導電部と、前記半導体素子と電気的に接続され、配線を含む第2導電部と、前記第1導電部と前記第2導電部とを電気的に接続する導電プラグと、前記第1導電部および前記第2導電部の少なくとも一部、および前記導電プラグを覆っている第1絶縁膜と、を備え、前記第1導電部の前記導電プラグとは反対側の面が前記第1絶縁膜から露出し、前記第1導電部の前記面以外の面は、前記第1絶縁膜で覆われており、前記第1導電部と前記第2導電部との間隔は100μm以上であり、前記導電プラグの長さは100μm以上であり、前記導電プラグは、前記第1絶縁膜の開口の内周面にシード層を形成することなく、前記第1導電部を電極として電解めっきを行うことで、前記第1絶縁膜の前記開口の内部に形成されている