(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054325
(43)【公開日】2022-04-06
(54)【発明の名称】対価決定支援システム、対価決定支援方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220330BHJP
【FI】
G06Q30/02 450
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020161449
(22)【出願日】2020-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】518031583
【氏名又は名称】パルス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】セン コン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB01
(57)【要約】
【課題】ユーザによるコンテンツの対価決定を推進させることが可能な対価決定支援技術を提供すること。
【解決手段】コンテンツの提供中又は提供後におけるコンテンツの対価の決定を支援する対価決定支援システム100であって、複数のユーザが操作する複数のユーザ端末3からコンテンツの提供要求を受け付ける提供要求受付部41と、提供要求に基づいてコンテンツをユーザ端末3に提供するコンテンツ提供部42と、コンテンツの提供中又は提供後に対価を決定するための対価決定画面DSをユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する出力情報生成部43と、を備え、出力情報生成部43は、対価に応じたユーザに対する特典に関する特典情報BIが対価に関連付けて表示される対価決定画面DSをユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの提供中又は提供後における前記コンテンツの対価の決定を支援する対価決定支援システムであって、
複数のユーザが操作する複数のユーザ端末から前記コンテンツの提供要求を受け付ける提供要求受付部と、
前記提供要求に基づいて前記コンテンツを前記ユーザ端末に提供するコンテンツ提供部と、
前記コンテンツの提供中又は提供後に前記対価を決定するための対価決定画面を前記ユーザ端末に出力するための出力情報を生成する出力情報生成部と、を備え、
前記出力情報生成部は、前記対価に応じた前記ユーザに対する特典に関する特典情報が前記対価に関連付けて表示される前記対価決定画面を前記ユーザ端末に出力するための出力情報を生成する、
対価決定支援システム。
【請求項2】
前記ユーザのうち特定のユーザ以外の他のユーザによる前記対価の決定状況を測定する対価決定状況測定部を更に備え、
前記出力情報生成部は、前記決定状況に基づいて、前記対価決定画面を前記特定のユーザが操作する特定のユーザ端末に出力するための出力情報を生成する、
請求項1に記載の対価決定支援システム。
【請求項3】
前記対価決定状況測定部は、前記他のユーザによって決定された前記対価の額に関する情報を取得し、
前記出力情報生成部は、取得した当該情報に基づいて、前記額が表示される前記対価決定画面を前記特定のユーザ端末に出力するための出力情報を生成する、
請求項2に記載の対価決定支援システム。
【請求項4】
前記対価決定状況測定部は、前記他のユーザによる前記対価の決定数に関する情報を取得し、
前記出力情報生成部は、前記決定数が所定値を超えた場合、当該決定数が所定値を超えた当該対価に応じて、前記対価決定画面を前記特定のユーザ端末に出力するための出力情報を生成する、
請求項2又は3に記載の対価決定支援システム。
【請求項5】
前記コンテンツに関する前記ユーザの視聴状況を測定する視聴状況測定部を更に備え、
前記出力情報生成部は、前記視聴状況に基づいて、前記対価決定画面を前記ユーザ端末に出力するための出力情報を生成する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の対価決定支援システム。
【請求項6】
前記視聴状況測定部は、前記コンテンツの提供中における前記ユーザによる前記コンテンツに対する反応内容に基づいて前記視聴状況を測定する、
請求項5に記載の対価決定支援システム。
【請求項7】
前記視聴状況測定部は、前記ユーザによる前記コンテンツの視聴回数、及び、前記コンテンツを視聴する前記ユーザの数の少なくとも一方に基づいて前記視聴状況を測定する、
請求項5又は請求項6に記載の対価決定支援システム。
【請求項8】
前記対価決定画面は、前記対価の上限及び下限に基づいて生成されるバーを含み、
前記バー上に移動可能に配置されるつまみ部の前記バー上における位置に応じて前記対価が決定され、
前記出力情報生成部は、前記ユーザに決定させたい前記対価の額が前記バーの中央近傍に対応づけられる前記対価決定画面を前記ユーザ端末に出力するための出力情報を生成する、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の対価決定支援システム。
【請求項9】
コンテンツの提供中又は提供後における前記コンテンツの対価の決定を支援する対価決定支援装置が実行する対価決定支援方法であって、
複数のユーザが操作する複数のユーザ端末から前記コンテンツの提供要求を受け付けるステップと、
前記提供要求に基づいて前記コンテンツを前記ユーザ端末に提供するステップと、
前記コンテンツの提供中又は提供後に前記対価を決定するための対価決定画面を前記ユーザ端末に出力するための出力情報を生成するステップと、を含み、
前記生成するステップは、前記対価に応じた前記ユーザに対する特典に関する特典情報が前記対価に関連付けて表示される前記対価決定画面を前記ユーザ端末に出力するための出力情報を生成する、
対価決定支援方法。
【請求項10】
コンテンツの提供中又は提供後における前記コンテンツの対価の決定を支援する対価決定支援装置を、
複数のユーザが操作する複数のユーザ端末から前記コンテンツの提供要求を受け付ける提供要求受付部と、
前記提供要求に基づいて前記コンテンツを前記ユーザ端末に提供するコンテンツ提供部と、
前記コンテンツの提供中又は提供後に前記対価を決定するための対価決定画面を前記ユーザ端末に出力するための出力情報を生成する出力情報生成部と、して機能させ、
前記出力情報生成部は、前記対価に応じた前記ユーザに対する特典に関する特典情報が前記対価に関連付けて表示される前記対価決定画面を前記ユーザ端末に出力するための出力情報を生成する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対価決定支援システム、対価決定支援方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家事代行や美容院等のサービスの体験後に顧客が金額を決定し、支払うことができるポストプライシング型決済システムが知られている。
【0003】
これに関し、非特許文献1には、サービスの対価に関して顧客への請求、顧客の値決め、及び、顧客の未払いリスクの保証等を支援するポストプライシング型決済システムが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】インターネット<https://pricing.netprotections.com/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に記載されている従来のシステムは、必ずしも、顧客によるサービスの対価決定を推進させるためのものではない。
【0006】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザによるコンテンツの対価決定を推進させることが可能な対価決定支援技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る対価決定支援システムは、コンテンツの提供中又は提供後におけるコンテンツの対価の決定を支援する対価決定支援システムであって、複数のユーザが操作する複数のユーザ端末からコンテンツの提供要求を受け付ける提供要求受付部と、提供要求に基づいてコンテンツをユーザ端末に提供するコンテンツ提供部と、コンテンツの提供中又は提供後に対価を決定するための対価決定画面をユーザ端末に出力するための出力情報を生成する出力情報生成部と、を備え、出力情報生成部は、対価に応じたユーザに対する特典に関する特典情報が対価に関連付けて表示される対価決定画面をユーザ端末に出力するための出力情報を生成する。
【0008】
本発明の一態様に係る対価決定支援方法は、コンテンツの提供中又は提供後におけるコンテンツの対価の決定を支援する対価決定支援装置が実行する対価決定支援方法であって、複数のユーザが操作する複数のユーザ端末からコンテンツの提供要求を受け付けるステップと、提供要求に基づいてコンテンツをユーザ端末に提供するステップと、コンテンツの提供中又は提供後に対価を決定するための対価決定画面をユーザ端末に出力するための出力情報を生成するステップと、を含み、生成するステップは、対価に応じたユーザに対する特典に関する特典情報が対価に関連付けて表示される対価決定画面をユーザ端末に出力するための出力情報を生成する。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンテンツの提供中又は提供後におけるコンテンツの対価の決定を支援する対価決定支援装置を、複数のユーザが操作する複数のユーザ端末からコンテンツの提供要求を受け付ける提供要求受付部と、提供要求に基づいてコンテンツをユーザ端末に提供するコンテンツ提供部と、コンテンツの提供中又は提供後に対価を決定するための対価決定画面をユーザ端末に出力するための出力情報を生成する出力情報生成部と、して機能させ、出力情報生成部は、対価に応じたユーザに対する特典に関する特典情報が対価に関連付けて表示される対価決定画面をユーザ端末に出力するための出力情報を生成する。
【0010】
本発明において、「部」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の態様によれば、ユーザによるコンテンツの対価決定を推進可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る対価決定支援システムのネットワーク構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るユーザ端末に表示されるVR(
Virtual
Reality)コンテンツ再生画面の一例である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るユーザ端末に表示される対価決定画面の一例である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る対価決定支援装置の機能ブロックを示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るVR空間の一例を示す概念図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第1例を示すフローチャートの一例である。
【
図7A】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第1例における、ユーザ端末に表示される対価決定画面の一例である。
【
図7B】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第1例における、ユーザ端末に表示される対価決定画面の一例である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第2例を示すフローチャートの一例である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第2例における、ユーザ端末に表示される対価決定画面の一例である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第3例を示すフローチャートの一例である。
【
図11A】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第3例における、ユーザ端末に表示される対価決定画面の一例である。
【
図11B】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第3例における、ユーザ端末に表示される対価決定画面の一例である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第4例を示すフローチャートの一例である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第4例における、ユーザ端末に表示されるVRコンテンツ再生画面の一例である。
【
図14A】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第4例における、ユーザ端末に表示されるVRコンテンツ再生画面の一例である。
【
図14B】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第4例における、ユーザ端末に表示されるVRコンテンツ再生画面の一例である。
【
図15A】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第4例における、ユーザ端末に表示されるVRコンテンツ再生画面の一例である。
【
図15B】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第4例における、ユーザ端末に表示されるVRコンテンツ再生画面の一例である。
【
図16A】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第4例における、ユーザ端末に表示される対価決定画面の一例である。
【
図16B】本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第4例における、ユーザ端末に表示される対価決定画面の一例である。
【
図17】本発明の一実施形態に係る対価決定支援装置のハードウェアの構成とユーザ端末のハードウェアの構成とを示すブロック図である。
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る対価決定支援システム100の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、コンテンツの提供中又は提供後におけるコンテンツの対価の決定を支援する対価決定支援システム100は、例示的に、対価決定支援装置1と、一又は複数のユーザが操作するn台(nは、1以上の任意の整数値)のユーザ端末3と、を含んで構成される。図中には、n台のユーザ端末3として、ユーザ端末3a及びユーザ端末3nを図示している。ただし、以下の説明において、これらn台のユーザ端末3を区別することなく説明する場合には、符号を一部省略して、単に「ユーザ端末3」と呼ぶ。
【0015】
「コンテンツ」は、ユーザに提供されるもの又はサービスである。「コンテンツ」は、例えば、VR(Virtual Reality)空間画像等を含むVRコンテンツの他、実空間上における動画コンテンツ又は静止画コンテンツを含む。「対価」は、コンテンツをユーザに与えることの報酬として、コンテンツ提供者が受け取るものである。対価は、例えば、実空間における通貨(例えば「円」あるいは「米ドル」)、又は、VR空間(ゲーム空間を含む)上で規定される通貨、つまり、VR空間内通貨又はゲーム内通貨を含む。本実施形態では、例えばVR空間内通貨「COIN」を例に挙げて説明する。なお、VR空間内通貨「COIN」は、現実社会における通貨の価値と対応してもよいし、対応していなくてもよい。VR空間内通貨「COIN」が、実空間における通貨の価値と対応している場合は、1円とVR空間内通貨「1COIN」は等価である。
【0016】
図2及び
図3を参照して、対価決定支援システム100の概要を説明する。対価決定支援システム100に含まれる対価決定支援装置1は、ユーザ端末3に対してVRコンテンツを提供する。ユーザは、VRコンテンツの提供中又は提供後において、VRコンテンツの対価を、ユーザ端末3を操作して、後述する対価決定画面を介して決定する。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末に表示されるVRコンテンツ再生画面の一例である。
図2に示すように、VRコンテンツ再生画面PSには、仮想ステージSO上において、例えば、実世界におけるタレントの動きに対応するVR空間上の4つのタレントオブジェクトTLOが配置されている。より具体的には、
図2に示すVRコンテンツは、4つのタレントオブジェクトTLOが互いに連動しながらダンス及び歌唱を行うコンサートの様子を示す動画コンテンツである。
図1に示すユーザ端末3を操作するユーザは、ユーザ端末3に表示されるVRコンテンツ再生画面PSを介してVRコンテンツを視聴可能である。
【0018】
図3は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末に表示される対価決定画面の一例である。
図3に示す対価決定画面DSは、
図2に示すVRコンテンツの提供中又は提供後において
図1に示すユーザ端末3に表示される。つまり、ユーザ端末3を操作するユーザは、VRコンテンツの視聴中、又は、視聴後において対価決定画面DSを介して、VRコンテンツの対価を決定可能である。
図3に示すように、対価決定画面DSは、例えば、
図2に示すVRコンテンツに応じた任意の画像Gと、VRコンテンツの対価の支払い可能下限値LL(例えば「0COIN」)及び支払い可能上限値UL(例えば「10000COIN」)に応じたスライドバーSBと、対価の決定を行うための対価決定ボタンDBと、を含む。
【0019】
テキスト情報TX1として表示される額は、スライドバーSBにおけるスライダーSL(つまみ部)の位置に応じた対価に対応する。
図3の例では、スライドバーSBにおけるスライダーSLが上限値ULの位置にあるので、テキスト情報TX1は、VRコンテンツの対価の支払い可能上限値ULに相当する「10000COIN」と表される。対価決定画面DSは、さらに、ユーザが所持するCOINを示す所持COIN「10000COIN」を表すテキスト情報TX3を含む。また、上記のとおりスライドバーSBは、VRコンテンツの対価の支払い可能下限値LL及び支払い可能上限値ULに応じて設定されるが、対価決定画面DSにおいては、ユーザに決定させたいVRコンテンツの対価の額(例えば「5000COIN」)の位置がスライドバーSBの中央近傍に対応づけられる。この構成によれば、対価決定支援システム100の管理者又はコンテンツの提供者が所望する対価の支払いをユーザに促すことができる。
【0020】
ここで、上記したとおり、従来のポストプライシング型決済システムは、必ずしも、顧客によるサービスの対価決定を推進させるためのものではない。そこで、対価決定支援システム100においては、コンテンツの提供中又は提供後に対価を決定するための対価決定画面であって、例えば以下の機能(1)から機能(4)の少なくとも一つの機能に基づいて生成される対価決定画面をユーザ端末3に出力する。機能(1)から機能(4)を以下で説明する。
【0021】
機能(1):対価を支払うことに対するプライシングギフト(特典)の提供機能。
機能(1)に関して、
図1に示す対価決定支援システム100は、対価決定画面において、例えば、ユーザが支払う可能性がある対価の額に応じたプライシングギフトに関する情報を表示する。機能(1)の詳細については、本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第1例で説明する。
【0022】
機能(2):対価の支払いタイミングでの支払い推進機能。
機能(2)に関して、対価決定支援システム100は、例えば、対価の決定又は支払いが完了しているユーザ(他のユーザ)のうち、最も多くのユーザが実際に決定又は支払った対価の額を、これから対価の決定又は支払いを行うユーザ(特定のユーザ)のユーザ端末3における対価決定画面に表示する。機能(2)の詳細については、本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第2例で説明する。
【0023】
機能(3):他のユーザの対価決定履歴に応じた対価の支払い可能上限又は下限の動的変更機能。
機能(3)に関して、対価決定支援システム100は、例えば、対価の決定又は支払いが完了しているユーザ(他のユーザ)が実際に決定又は支払った対価の最大額又は最小額が所定数を超えた場合、対価決定画面における、支払い可能上限値、又は、支払い可能下限値を変更する。機能(3)の詳細については、本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第3例で説明する。
【0024】
機能(4):VRコンテンツの提供中のユーザの関心度に応じた対価の支払い可能上限又は下限の動的変更機能。
機能(4)に関して、対価決定支援システム100は、例えば、VRコンテンツの提供中のユーザの熱狂度(関心度)を測定することによって、対価決定画面における支払い可能上限値又は下限値を変更する。機能(4)の詳細については、本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第4例で説明する。
【0025】
以上のとおり、対価決定支援システム100は、上記機能(1)から機能(4)の少なくとも一つの機能を備えることによって、ユーザによるコンテンツの対価決定を推進させることが可能な対価決定支援技術を提供する。
【0026】
なお、対価決定支援システム100は、いわゆるクライアント・サーバシステムである。対価決定支援システム100は、クライアントであるn台のユーザ端末3と、対価決定支援装置1とがネットワークNを介して相互に通信を行うことにより実現される。
【0027】
対価決定支援装置1は、例えばコンピュータシステムで構成されるサーバ装置、又は、クラウドサーバ等によって構成され、ソフトウェアプログラムによって実装される。また、当該プログラムは、例えば、所定のネットワークを介して、対価決定支援装置1の外部からダウンロードされて提供されてもよいし、又は、CD-ROMやDVD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な各種の情報記録媒体によって提供されてもよい。
【0028】
ユーザ端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、又はパーソナルコンピュータにより実現される。更に、ネットワークNは、例えば、インターネット、携帯電話網といったネットワーク、LAN(Local Area Network)、あるいはこれらを組み合わせたネットワークにより実現される。
以下で、対価決定支援システム100が備える具体的な構成を説明する。
【0029】
図4は、本発明の一実施形態に係る対価決定支援装置1の機能ブロックを示す図である。
図4に示すように、対価決定支援装置1は、機能的に、対価決定処理を支援するための各種処理を実行する情報処理部40と、当該各種処理を実行するための情報及び各種処理の実行結果を記録する記録部18と、を備える。
【0030】
情報処理部40は、機能的に、提供要求受付部41と、コンテンツ提供部42と、出力情報生成部43と、対価決定部44と、対価決定状況測定部45と、視聴状況測定部46と、を備える。
【0031】
提供要求受付部41は、
図1に示す複数のユーザ端末3からVRコンテンツの提供要求を受け付ける。
【0032】
コンテンツ提供部42は、ユーザ端末3からのVRコンテンツの提供要求に基づいてVRコンテンツをユーザ端末3に提供する。コンテンツ提供部42は、記録部18に記録されているコンテンツ情報CIを参照してVRコンテンツを生成する。より具体的には、コンテンツ提供部42は、コンテンツ情報CIに含まれるVR空間データに基づいて、VR空間に基づくVR空間画像等を生成することによって、VRコンテンツを生成する。
【0033】
図5は、本発明の実施形態に係るVR空間の一例を示す概念的に示した図である。
図5に示すように、コンテンツ提供部42が定義するVR空間50は、例えば、中心点CPを基準とする半球を含む。VR空間50においては、中心点CPを原点とするXYZ座標系が定義される。例えば、
図1に示すユーザ端末3を操作するユーザの頭部に装着されるHMD(
Head
Mounted
Display)の起動時において、VRカメラ60(VR視点)(例えば、HMDが備えるカメラに相当)が、VR空間50の中心点CPに配置される。
【0034】
HMDは、ユーザ端末3の一部の構成であってもよいし、ユーザ端末3とは別個の装置であってもよい。このVRカメラ60が撮像することによって取得される画像情報に基づく画像をユーザ端末3に表示する。当該画像は、HMDの表示部に表示されてもよい。VRカメラ60は、現実空間におけるユーザの頭部に装着されたHMDの動き(位置及び傾きの変化)に応じて移動可能である。つまり、現実空間におけるHMDの動きに対応するように、VR空間50におけるVRカメラ60が動く。
【0035】
ここで、VRカメラ60の位置は、VR空間50におけるユーザの視点に対応する。コンテンツ提供部42は、VRカメラ60に基づく基準視線SGに基づいて、VR空間50における視界領域80を規定する。例えば、視界領域80は、VR空間50のうち、HMDを装着したユーザが視認する領域に対応する。
【0036】
このように、コンテンツ提供部42は、例えば、VRカメラ60をVR空間50において中心点CPに配置し、VRカメラ60の視線(基準視線SG)をユーザが向いている方向に設定する。よって、コンテンツ提供部42は、視界画像(VR空間画像VG)を生成するための視界画像データを生成する。その後、コンテンツ提供部42は、HMDの動きが変化すると、その変化に応じた新たなVR空間画像を生成する。
【0037】
なお、VRカメラ60は、ユーザの頭部に装着されたHMDの撮像装置に限られない。例えば、VRカメラ60は、ユーザが操作するユーザ端末3が備える撮像装置(例えば
図17におけるユーザ端末3の入力部36)に相当してもよい。
【0038】
図4に戻り、出力情報生成部43は、VRコンテンツの提供中又は提供後に、VRコンテンツの対価を決定するための対価決定画面を、
図1に示すユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する。また、出力情報生成部43は、VRコンテンツの対価に応じたユーザに対するプライシングギフト(特典)に関する特典情報BIが対価に関連付けて表示される対価決定画面をユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する。
【0039】
出力情報生成部43は、対価決定状況測定部45の測定結果(決定状況)に基づいて、対価決定画面をユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する。また、出力情報生成部43は、視聴状況測定部46の測定結果(視聴状況)に基づいて、対価決定画面をユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する。
【0040】
対価決定部44は、VRコンテンツの対価を決定する。例えば、ユーザが
図3に示す対価決定画面DSにおける対価決定ボタンDBを押下する場合、当該ボタンDBの押下時のスライドバーSBにおけるスライダーSLの位置に応じた額が、決定されたVRコンテンツの対価の額となる。対価決定部44は、決定されたVRコンテンツの対価に基づいて決済処理(例えば、ユーザによるVRコンテンツの対価の支払処理)を実行する。
【0041】
対価決定状況測定部45は、複数のユーザのうち特定のユーザ以外の他のユーザによるVRコンテンツの対価の決定状況を測定する。
【0042】
視聴状況測定部46は、VRコンテンツに関する複数のユーザの視聴状況を測定する。
【0043】
記録部18は、VRコンテンツを生成するためのコンテンツ情報CIと、VRコンテンツ再生画面又は対価決定画面等の各種画面をユーザ端末3において出力するための画面出力情報SIと、VRコンテンツの対価に応じたユーザに対するプライシングギフト(特典)に関する特典情報BIと、対価決定状況測定部45の測定結果を示す対価決定状況情報DSIと、視聴状況測定部46の測定結果を示す視聴状況情報VSIと、を記録する。記録部18は、上記各情報を、ユーザごとに対応づけて記録する。
【0044】
<対価決定支援処理>
(第1例)
図6及び
図7を参照して、本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第1例を説明する。対価決定支援処理の第1例においては、
図1に示す対価決定支援システム100は、VRコンテンツの対価に応じたユーザに対する特典に関する特典情報が対価に関連付けて表示される対価決定画面をユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する。
【0045】
図6は、本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第1例のフローチャートの一例である。前提として、対価決定支援処理において、例えばネットワークの所定のサイト又は記録媒体から、対価決定支援処理アプリケーションソフトウェアをダウンロードし、
図1に示す対価決定支援装置1に実行可能なように保存しておく。そして、対価決定支援処理アプリケーションソフトウェアの実行が指示されると、当該ソフトウェアに基づくプログラム動作が開始する。なお、ユーザ端末3においても、対価決定支援システム100の要素として適切に作動するように事前に当該ソフトウェアを実行する。また、上記に関しては、本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第2例から第4例についても第1例と同様である。
【0046】
図6に示すように、
図1に示す対価決定支援装置1は、複数のユーザ端末3からVRコンテンツの提供要求を受け付ける(ステップS1)。対価決定支援装置1は、ユーザ端末3からの提供要求に基づいてVRコンテンツをユーザ端末3に提供する(ステップS2)。対価決定支援装置1は、
図4に示す、VRコンテンツの対価に応じたユーザに対するプライシングギフト(特典)に関する特典情報BIを記録部18から取得する(ステップS3)。プライシングギフトは、ユーザが支払う可能性がある対価ごとに一つ又は複数のギフトが対応づけられる。プライシングギフトは、例えば以下の(1)から(8)の少なくとも一つのギフトを含む。
【0047】
(1)
図2に示すタレントオブジェクトTLOに対応する実空間上のタレントの声を収録したボイスコンテンツ
(2)タレントオブジェクトTLO又は実空間上のタレントに関する画像(静止画)コンテンツ
(3)タレントオブジェクトTLO又は実空間上のタレントに関する動画コンテンツ
(4)タレントオブジェクトTLOとの会話イベントに参加できるシリアルコード
(5)タレントオブジェクトTLO又は他のタレントオブジェクトによる限定ライブへの参加
(6)タレントオブジェクトTLOとのVR握手会(VR空間上において、実空間上のユーザに対応するVRユーザとタレントオブジェクトTLOとが握手をすることができる会)もしくはVRハイタッチ会(VR空間上において、VRユーザとタレントオブジェクトTLOとがハイタッチをすることができる会)
(7)タレントオブジェクトTLOに対応する実空間上のタレントとの握手会もしくはハイタッチ会への参加
(8)ユーザが支払ったCOINの少なくとも一部のCOINのキャッシュバック
【0048】
対価決定支援装置1は、VRコンテンツの提供中又は提供後に、特典情報がVRコンテンツの対価に関連付けて表示される対価決定画面をユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する(ステップS4)。対価決定支援装置1は、VRコンテンツの対価を決定する(ステップS5)。
【0049】
図7(A)は、スライドバーSBにおけるスライダーSLの位置が「1500COIN」(テキスト情報TX5)を示す場合の対価決定画面DS1の一例を示す図である。
図7(B)は、スライドバーSBにおけるスライダーSLの位置が「3000COIN」(テキスト情報TX7)を示す場合の対価決定画面DS3の一例を示す図である。
図7(A)及び(B)に示すように、ユーザが
図1に示すユーザ端末3を操作して、「1500COIN」に対応する位置にあるスライダーSLを「3000COIN」に対応する位置に移動させる場合、対価決定画面DS1から対価決定画面DS3に遷移する。
【0050】
図7(B)に示す対価決定画面DS3には、「3000COIN」(テキスト情報TX7)に対応づけて「ボイスコンテンツプレゼント」(テキスト情報TX9)(特典情報)が表示される。また、対価決定画面DS3には、スライドバーSBにおいて、「3000COIN」に対応する位置に「ボイスコンテンツ」に対する画像GF1(特典情報)が表示される。つまり、ユーザが、VRコンテンツの対価を「3000COIN」と決定する場合、当該ユーザには、プライシングギフトとして、上記ギフト(1)に相当する「ボイスコンテンツ」が提供される。ユーザが、より高額の対価を支払う場合、例えば支払い可能上限値UL(「5000COIN」等)の対価を支払う場合、より高価又は付加価値の高い上記(6)から(8)の少なくとも一つのギフトがユーザに提供されてもよい。その場合、対価決定画面DS3には、スライドバーSBにおいて、支払い可能上限値UL(「5000COIN」等)に対応する位置に上記(6)から(8)の少なくとも一つのギフトに対する画像GF3(特典情報)が表示される。
【0051】
上記第1例によれば、対価決定支援システム100は、VRコンテンツの対価に応じたユーザに対するプライシングギフト(特典)に関する特典情報が対価に関連付けて表示される対価決定画面をユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する。よって、ユーザは、対価決定画面において、VRコンテンツの対価に応じたプライシングギフト(特典)を確認可能である。つまり、ユーザは、VRコンテンツの対価としてより多くのCOINを支払う場合、より高価又は高付加価値のプライシングギフトがユーザに提供されることを事前に把握可能である。したがって、ユーザによるコンテンツの対価決定を推進可能である。
【0052】
(第2例)
図8及び
図9を参照して、本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第1例を説明する。対価決定支援処理の第2例においては、
図1に示す対価決定支援システム100は、複数のユーザのうち特定のユーザ以外の他のユーザによって決定されたVRコンテンツの対価の額に関する情報を取得し、取得した当該情報に基づいて、対価の額が表示される対価決定画面を特定のユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する。
【0053】
図8は、本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第2例のフローチャートの一例である。第2例では、第1例と異なる点について特に説明する。
図8に示す第2例のフローチャートでは、
図6に示す第1例のフローチャートにおけるステップS1、S2及びS5については省略する。
【0054】
図8に示すように、
図1に示す対価決定支援装置1は、VRコンテンツを同時に視聴する他のユーザによるVRコンテンツの対価の決定状況を測定する(ステップS11)。対価決定支援装置1は、例えば、他のユーザのそれぞれが操作するユーザ端末からVRコンテンツの対価の決定情報を収集して、各ユーザ端末におけるVRコンテンツの対価の決定状況を測定する。対価決定支援装置1は、対価の決定状況として、他のユーザが決定したVRコンテンツの対価の額に関する情報を取得する(ステップS12)。対価決定支援装置1は、例えば、複数のユーザ端末(ユーザ)ごとに決定された、VRコンテンツの対価の額(例えば「1000COIN」、「5000COIN」又は「7000COIN」等)に関する情報を取得する。
【0055】
対価決定支援装置1(
図4に示す対価決定状況部45)は、最も多くのユーザによって決定された額が特定されたか否かを判断する(ステップS13)。最も多くのユーザによって決定された額が特定された場合(Yesの場合)、ステップS14に進む。具体的には、VRコンテンツが、例えば2万人のユーザによって同時に視聴されている場合に、対価決定支援装置1が、他のユーザが決定したVRコンテンツの対価の額に関する情報として、10284人のユーザが「5000COIN」、5000人のユーザが「4000COIN」、2000人のユーザが「3000COIN」、…という情報を取得するとき、対価決定支援装置1は、最も多くのユーザ(10284人)によって決定された額が「5000COIN」であると特定する。最も多くのユーザによって決定された額が特定されない場合(Noの場合)、ステップS21に戻る。対価決定支援装置1は、特定された額が表示される対価決定画面を特定のユーザ端末に出力するための出力情報を生成する(ステップS14)。
【0056】
図9は、本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第2例における、ユーザ端末に表示される対価決定画面の一例である。
図9に示すように、対価決定画面DS5には、Aさんを含む最も多くのユーザ(例えば10284人)によって決定された額が「5000COIN」であることが「Aさんらが『5000COIN』で評価しました。」(テキスト情報TX9)というコメントとともに表示される。また、対価決定画面DS5には、スライドバーSBにおける「5000COIN」に対応する位置P1において「10284」に対応するアイコンICが表示される。
【0057】
上記第2例によれば、対価決定支援システム100は、例えば、VRコンテンツの対価の決定又は支払いが完了しているユーザ(他のユーザ)のうち、最も多くのユーザが実際に決定又は支払った対価の額を、これから対価の決定又は支払いを行うユーザ(特定のユーザ)のユーザ端末3における対価決定画面に表示する。よって、特定のユーザは、他のユーザの対価の決定状況を把握可能であるから、特定のユーザは、対価の額を他のユーザが決定した対価を参考にして決定することが可能である。したがって、特定のユーザによるコンテンツの対価決定を推進可能である。
【0058】
(第3例)
図10及び
図11を参照して、本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第1例を説明する。対価決定支援処理の第3例においては、
図1に示す対価決定支援システム100は、複数のユーザのうち特定のユーザ以外の他のユーザによるVRコンテンツの対価の決定数に関する情報を取得し、当該決定数が所定値を超えた場合、当該決定数が所定値を超えた当該対価に応じて、対価決定画面を特定のユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する。
【0059】
図10は、本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第3例のフローチャートの一例である。第3例では、第1例と異なる点について特に説明する。
図10に示す第3例のフローチャートでは、
図6に示す第1例のフローチャートにおけるステップS1、S2及びS5については省略する。
【0060】
図10に示すように、
図1に示す対価決定支援装置1は、VRコンテンツを同時に視聴する他のユーザによるVRコンテンツの対価の決定状況を測定する(ステップS21)。対価決定支援装置1は、例えば、他のユーザのそれぞれが操作するユーザ端末からVRコンテンツの対価の決定情報を収集して、各ユーザ端末におけるVRコンテンツの対価の決定状況を測定する。対価決定支援装置1は、対価の決定状況として、他のユーザが決定したVRコンテンツの対価の決定数に関する情報を取得する(ステップS22)。
【0061】
対価決定支援装置1(
図4に示す対価決定状況部45)は、他のユーザが決定したコンテンツの対価の決定数が所定値以上であるか否かを判断する(ステップS23)。例えば、対価決定支援装置1は、他のユーザが決定したコンテンツの対価の決定数に関する情報として、支払い可能上限値(「10000COIN」)(テキスト情報TX13を参照)での対価の決定数が、同時視聴ユーザの人数の5%以上である場合(Yesの場合)、ステップS24に進む。なお、「所定値」は、任意の値であり、同時視聴ユーザの人数の5%の他、同時視聴ユーザの人数の10%、15%又は20%等と設定されてもよい。また、「所定値」は、同時視聴ユーザ数で設定されてもよい。他のユーザが決定したコンテンツの対価の決定数が所定値以上ではない場合(Noの場合)、ステップS21に戻る。対価決定支援装置1は、当該決定数が所定値を超えた対価に応じて、対価決定画面を特定のユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する(ステップS24)。
【0062】
図11Aは、支払い可能上限値UL1が「10000COIN」である場合の対価決定画面DS7の一例を示す図である。
図11Bは、支払い可能上限値が支払い可能上限値UL1「10000COIN」から支払い可能上限値UL3「15000COIN」(テキスト情報TX15を参照)へ増加した場合の対価決定画面DS9の一例を示す図である。
図11(A)及び(B)に示すように、対価決定支援装置1は、支払い可能上限値(「10000COIN」)での対価の決定数が、同時視聴ユーザの人数の5%以上の場合、支払い可能上限値が「15000COIN」に増加した対価決定画面DS9を特定のユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する。また、支払い可能上限値の増減幅は、任意である。支払い可能上限値の増減幅は、例えば、「所定値」として設定される人数又は割合が大きい場合は、支払い可能上限値の増減幅は大きくなるように設定され、「所定値」として設定される人数又は割合が小さい場合は、支払い可能上限値の増減幅は小さくなるように設定されてもよい。
【0063】
上記第3例によれば、対価決定支援システム100は、対価決定支援システム100は、例えばVRコンテンツの対価の決定又は支払いが完了しているユーザ(他のユーザ)が実際に決定又は支払った対価の最大額が所定数を超えた場合、対価決定画面における支払い可能上限値を変更する。よって、対価決定支援システム100は、VRコンテンツを同時に視聴する他のユーザの対価の決定状況が反映された、特定のユーザ端末に表示する対価決定画面を生成する。したがって、特定のユーザによるコンテンツの対価決定を推進可能である。
【0064】
(第4例)
図12から
図16を参照して、本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第1例を説明する。対価決定支援処理の第4例においては、
図1に示す対価決定支援システム100は、VRコンテンツに関するユーザの視聴状況を測定し、測定した視聴状況に基づいて、対価決定画面をユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する。
【0065】
図12は、本発明の一実施形態に係る対価決定支援処理の第4例のフローチャートの一例である。第4例では、第1例と異なる点について特に説明する。
図12に示す第4例のフローチャートでは、
図6に示す第1例のフローチャートにおけるステップS1、S2及びS5については省略する。
【0066】
図12に示すように、
図1に示す対価決定支援装置1は、VRコンテンツを同時に視聴する複数のユーザの視聴情報を取得する(ステップS31)。
図13から
図15を参照して、ユーザの視聴情報(VRコンテンツの提供中におけるユーザによるVRコンテンツに対する反応内容)の取得処理について説明する。ユーザによるVRコンテンツに対する反応内容は、VRコンテンツ自体、又は、VRコンテンツに登場するタレントオブジェクトもしくは当該タレントオブジェクトに対応する実空間上のタレントへの反応内容を含む。
【0067】
図13は、
図1に示すユーザ端末3に表示されるVRコンテンツ再生画面PS1においてユーザがハートマークを贈る場合の一例である。例えば、ユーザは、VRコンテンツ自体、又は、VRコンテンツに登場するタレントオブジェクトもしくは当該タレントオブジェクトに対応する実空間上のタレントへ関心度の高さに応じてハートマークボタンHBを押下する。例えば、VRコンテンツ再生画面PS1では、ハートマークボタンHBが押下されるたびに、ハートマークHMが生成されるような演出が実行される。また、ハートマークカウンターHCには、ハートマークボタンHBが押下された回数(ハートマークが贈られた回数)が表示される。ハートマークカウンターHCに表示される数字は、VRコンテンツを同時に視聴しているすべてのユーザが贈ったハートマークの数の合計に対応してもよいし、特定のユーザのみが贈ったハートマークの数に対応してもよい。なお、ユーザは、ハートマークを贈る行為は、「COIN」を消費することなく(無料で)行うことが可能であるが、これに限られず、「COIN」を消費して(有料で)行うように設定されてもよい。
【0068】
図14Aは、
図13に示すVRコンテンツ再生画面PS1においてユーザが「ギフトコメント」ボタンGCBを押下した場合に表示されるCOIN選択画面SSの一例である。
図14Bは、
図14Aに示すCOIN選択画面SSにおいてユーザがCOIN選択ボタンを押下した場合に表示されるコメント入力画面ISの一例である。「ギフトコメント」は、VRコンテンツに関して、「COIN」を消費して(有料で)行うコメントのことをいう。なお、「ギフトコメント」は、「COIN」を消費することなく(無料で)行うことが可能なように設定されてもよい。ユーザは、
図14Aに示すCOIN選択画面SSにおいて支払うCOIN数を選択して、その後、
図14Bに示すコメント入力画面ISにおいて贈りたいコメントを入力する。
【0069】
より具体的には、ユーザが、
図13に示すVRコンテンツ再生画面PS1において「ギフトコメント」ボタンGCBを押下すると、例えば、VRコンテンツ再生画面PS1に重畳されるように、
図14Aに示すCOIN選択画面SSが表示される。ユーザが、COIN選択画面SSに表示される複数のCOIN選択ボタンCSBのうち「1000COIN」に対応するボタンを押下すると、
図14Bに示すコメント入力画面ISが表示される。ユーザは、コメント入力画面ISにおいて贈りたいコメントを入力する。このように、ユーザは、VRコンテンツに関して、「1000COIN」を消費してコメントを贈ることが可能となる。
【0070】
図15Aは、
図1に示すユーザ端末3に表示されるVRコンテンツ再生画面PS3においてスタンプ群SGが表示された場合の一例である。
図15Bは、
図15Aに示すVRコンテンツ再生画面PS3においてユーザがスタンプ群SGの一部を選択した(贈った)場合のVRコンテンツ再生画面PS5の一例である。「スタンプ」は、VRコンテンツを視聴するユーザの意思又は感情等を反映する画像等で構成される。ユーザは、VRコンテンツの視聴中における意思又は感情等に応じたスタンプを選択する。
【0071】
より具体的には、ユーザが、
図15Aに示すVRコンテンツ再生画面PS3においてスタンプ群SGの一部を選択した(贈った)とき、スタンプ群SGにおいて選択された一又は複数のスタンプに対応するスタンプリストSLが表示される
図15Bに示すVRコンテンツ再生画面PS5が表示される。
図15Bに示すVRコンテンツ再生画面PS5におけるスタンプリストSLには、
図15Aに示すVRコンテンツ再生画面PS3におけるスタンプ群SGで選択された順番でスタンプが随時リストアップされる。また、
図15Bに示すVRコンテンツ再生画面PS5におけるスタンプリストSLには、
図15Aに示すVRコンテンツ再生画面PS3におけるスタンプ群SGから所定期間で選択された複数のスタンプが纏めてリストアップされてもよい。なお、「スタンプ」を贈る行為は、「COIN」を消費することなく(無料で)行うことが可能であるが、これに限られず、「COIN」を消費して(有料で)行うように設定されてもよい。
【0072】
図12に戻り、対価決定支援装置1(
図4に示す視聴状況測定部46)は、コンテンツに関する複数のユーザの関心度を測定する(ステップS32)。対価決定支援装置1は、
図13に示すようにユーザから贈られるハートマークの数をカウントする。対価決定支援装置1は、
図14に示すように、ギフトコメントの数、及び、ギフトコメントとともに消費されるCOINの数の少なくとも一方をカウントする。対価決定支援装置1は、
図15に示すようにユーザが贈るスタンプの数をカウントする。
【0073】
対価決定支援装置1は、ユーザによるVRコンテンツの視聴回数、及び、VRコンテンツを同時視聴するユーザの数の少なくとも一方に関する情報を取得する。
【0074】
対価決定支援装置1は、カウント結果に応じてユーザの関心度(例えば、「大」、「中」、又は「小」の三段階)を測定する。例えば、VRコンテンツを視聴するユーザが100人の場合は、関心度は、「低」:0~1000点、「中」:1001~3000点、及び、「高」:3001点~というように分類される。関心度は、一段階の他、二段階以上の多段階で測定されてもよい。対価決定支援装置1は、ハートマークの数、コメントの数、スタンプの数、ユーザによるVRコンテンツの視聴回数、及び、VRコンテンツを同時視聴するユーザの数の少なくとも一つを適宜組み合わせてユーザの関心度を測定する。対価決定支援装置1は、ハートマークの数、コメントの数、スタンプの数、ユーザによるVRコンテンツの視聴回数、及び、VRコンテンツを同時視聴するユーザの数の少なくとも一つに重みづけを行った上で、ユーザの関心度を測定してもよい。例えば、ユーザの関心度を測定する際に、コメントの数がより重要である場合に、対価決定支援装置1は、コメントの数に対してより大きく重みづけを付加してもよい。より具体的には、例えば「ハートマーク」は、1点、有料の「ギフトコメント」は、4点、無料の「ギフトコメント」は、2点というように異なる重みづけを設定してもよい。さらに、対価決定支援装置1は、スタンプの種類に応じてスタンプごとに重みづけを行ってもよい。さらに、対価決定支援装置1は、コメントの内容(例えば、VRコンテンツに関して好意的なコメントか否定的なコメントか等)に基づいて、コメントごとに重みづけを行ってもよい。
【0075】
対価決定支援装置1(
図4に示す視聴状況測定部46)は、測定された関心度が所定値以上であるか否かを判断する(ステップS33)。測定された関心度が所定値以上である場合(Yesの場合)、ステップS34に進む。所定値は任意であり、適宜設定される。例えば、対価決定支援装置1は、ハートマークの数、コメントの数、及びスタンプの数の総数が所定値(3000個)以上である場合、VRコンテンツのユーザの関心が高いと判断する。測定された関心度が所定値以上でない場合(Noの場合)、ステップS31に戻る。
【0076】
対価決定支援装置1は、測定結果に基づいて対価決定画面をユーザ端末に出力するための出力情報を生成する(ステップS34)。
【0077】
図16Aは、支払い可能上限値UL1が「10000COIN」である場合の対価決定画面DS11の一例を示す図である。
図16Bは、支払い可能上限値が支払い可能上限値UL1「10000COIN」から、例えば支払い可能上限値UL3「13000COIN」へ増加した場合の対価決定画面DS9の一例を示す図である。
図16(A)及び(B)に示すように、対価決定支援装置1は、支払い可能上限値(「10000COIN」)の対価決定画面DS11が表示されている場合に、測定された関心度が所定値以上であると、支払い可能上限値が「13000COIN」に増加した対価決定画面DS13をユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する。また、支払い可能上限値の増減幅は、任意である。
【0078】
また、対価決定支援装置1は、対価決定画面における対価の額の設定に関して、VRコンテンツの視聴者数が300名の場合は、視聴者が比較的に少数であるため、当該300名から出来る限り高めの評価を得たい。よって、対価決定画面においてスライドバーSBの中央近傍に「5000COIN」を設定する。他方で、VRコンテンツの視聴者数が3000名の場合は、より多くの視聴者が「気軽に」評価できる状態にすべく、スライドバーSBの中央近傍に「1500COIN」を設定する。
【0079】
上記第4例によれば、対価決定支援システム100は、VRコンテンツに関するユーザの視聴状況を測定し、測定した視聴状況に基づいて、対価決定画面をユーザ端末3に出力するための出力情報を生成する。よって、対価決定支援システム100は、VRコンテンツを同時に視聴する複数のユーザの対価の決定状況が反映された対価決定画面を生成する。したがって、ユーザによるコンテンツの対価決定を推進可能である。
【0080】
図17は、本発明の一実施形態に係る対価決定支援装置1のハードウェアの構成と、ユーザ端末3のハードウェアの構成とを示すブロック図である。なお、図中では、対価決定支援装置1のハードウェアに対応する符号には括弧を付すことなく記載し、ユーザ端末3のハードウェアに対応する符号には括弧を付して記載する。
【0081】
対価決定支援装置1は、例示的に、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等からなるメモリ13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記録部18と、通信部19と、を備えている。
【0082】
CPU11は、メモリ13に記録されているプログラム、又は、記録部18からメモリ13にロードされたプログラムにしたがって各種の処理を実行する。
【0083】
メモリ13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11及びメモリ13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14には、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16と、出力部17と、記録部18と、通信部19と、が接続されている。
【0084】
入力部16は、各種ボタン、タッチパネルあるいはマイク等で構成され、対価決定支援装置1の管理者等の指示操作に応じて各種情報を入力する。入力部16は、カメラ等の撮像装置を備えてもよい。なお、入力部16は、対価決定支援装置1の他の各部を収容する本体とは独立した、キーボードやマウス等の入力装置により実現してもよい。
【0085】
出力部17は、ディスプレイやスピーカ等で構成されており、画像データや音楽データを出力する。出力部17が出力した画像データや音楽データは、ディスプレイやスピーカ等から、画像や音楽としてプレイヤが認識可能に出力される。
【0086】
記録部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリで構成され、各種データを記録する。
【0087】
通信部19は、他の装置との間で行う通信を実現する。例えば、通信部19は、ネットワークNを介して、ユーザ端末3との間で相互に通信を行う。
【0088】
なお、対価決定支援装置1には、ドライブが必要に応じて適宜設けられる。ドライブには、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等から構成されるリムーバブルメディアが適宜装着される。リムーバブルメディアには、VRコンテンツを提供するためのプログラムや、画像データ等の各種データが格納される。ドライブによってリムーバブルメディアから読み出されたプログラムや、画像データ等の各種のデータは、必要に応じて記録部18にインストールされる。
【0089】
次に、ユーザ端末3のハードウェアの構成について説明をする。
図17に示すように、ユーザ端末3は、例示的に、CPU31と、メモリ33と、バス34と、入出力インターフェース35と、入力部36と、出力部37と、記録部38と、通信部39と、を備えている。これら各部は、上述の対価決定支援装置1が備える、符号のみが異なる同名の各部と同等の機能を有している。従って、重複する説明を省略する。
【0090】
<他の実施形態>
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良(たとえば、各実施形態を組み合わせること、各実施形態の一部の構成を省略すること)され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0091】
上記第2例では、対価決定支援システム100は、最も多くのユーザが実際に決定又は支払った対価の額を、これから対価の決定又は支払いを行うユーザ(特定のユーザ)のユーザ端末3における対価決定画面に表示するが、これに限られない。例えば、対価決定支援システム100は、最も少ないユーザが実際に決定又は支払った対価の額を、特定のユーザの特定のユーザ端末3における対価決定画面に表示してもよい。また、対価決定支援システム100は、VRコンテンツを同時に視聴するユーザのうち、所定の人数(例えば1000人、3000人、もしくは5000人)又は所定の割合(5%、10%、もしくは15%)のユーザが決定又は支払った額が特定されるたびに、例えば「1000人が5000COINで評価しました。」又は「15%のユーザが7000COINで評価しました。」というような情報を対価決定画面に表示してもよい。
【0092】
上記第3例では、対価決定支援システム100は、例えばVRコンテンツの対価の決定又は支払いが完了しているユーザ(他のユーザ)が実際に決定又は支払った対価の最大額が所定数を超えた場合、対価決定画面における支払い可能上限値を増加(変更)するが、これに限られない。例えば、対価決定支援システム100は、例えば他のユーザが実際に決定又は支払った対価の最小額が所定数を超えた場合、対価決定画面における支払い可能下限値を減少(変更)してもよい。また、対価決定支援システム100は、例えば他のユーザが実際に決定又は支払った対価の最大値又は最小額とは異なる特定の額が所定数を超えた場合、当該特定の額に応じた対価決定画面を生成してもよい。具体的には、当該特定の額がスライドバーの中央近傍の位置に配置されるように対価決定画面を生成してもよい。
【0093】
第3例では、ユーザの視聴情報に基づく、
図11Aに示す対価決定画面DS7から
図11Bに示す対価決定画面DS9への画面の更新処理を説明した。また、第4例では、ユーザの視聴情報に基づく、
図16Aに示す対価決定画面DS11から
図16Bに示す対価決定画面DS13への画面の更新処理を説明した。しかしながら、これらに限られない。例えば、対価決定支援システム100は、取得したユーザの視聴情報に基づいて、任意のユーザに対して最初に提示される対価決定画面の下限値及び上限値の少なくとも一方を設定してもよい。つまり、対価決定支援システム100は、任意のユーザに対して最初に提示される対価決定画面において、予め、上限値をより高く又はより低く設定してもよいし、下限値をより低く又はより高く設定してもよい。また、対価決定支援システム100は、任意のユーザに対して最初に提示される対価決定画面において、予め、上限値及び下限値とは異なる値(例えば中間値)をより低く又はより高く設定してもよい。
【符号の説明】
【0094】
1…対価決定支援装置、3…ユーザ端末、11(31)…CPU、13(33)…メモリ、14(34)…バス、15(35)…入出力インターフェース、16(36)…入力部、17(37)…出力部、18(38)…記録部、19(39)…通信部、40…情報処理部、41…提供要求受付部、42…コンテンツ提供部、43…出力情報生成部、44…対価決定部、45…対価決定状況測定部、46…視聴状況測定部、50…VR空間、60…VRカメラ、80…視界領域、100…対価決定支援システム