(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054377
(43)【公開日】2022-04-06
(54)【発明の名称】抗菌性マウスピース
(51)【国際特許分類】
A61M 16/06 20060101AFI20220330BHJP
A61F 5/56 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
A61M16/06 D
A61F5/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020172852
(22)【出願日】2020-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】520036525
【氏名又は名称】大串 孝
(71)【出願人】
【識別番号】513288894
【氏名又は名称】古川 猛
(72)【発明者】
【氏名】大串 孝
(72)【発明者】
【氏名】古川 猛
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB15
4C098BC01
4C098BC50
(57)【要約】 (修正有)
【課題】使用者の歯列にフィットさせやすく、装着時の使用者の違和感を軽減し、細菌類の増殖を抑制することできる抗菌性マウスピースを提供する。
【解決手段】抗菌性マウスピース1は、10~300nmとしたアドバンスクレイをシリコン樹脂100重量部に対し5~30重量部混入した。これにより、モンモリロナイトが有するデトックス性や炎症や痛みを抑える抗菌性・殺菌性を利用できる。抗菌性・殺菌性の効果により、就寝時に使用してマウスピース本来の歯ぎしり防止、いびき防止や無呼吸防止の効果に加えて、歯周病予防の効果が得られる。その結果、歯周病を予防し、歯周病に関係するといわれる糖尿病の予防効果も期待できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アドバンスクレイをシリコン樹脂に混入し、成型したことを特徴とする抗菌性マウスピース。
【請求項2】
前記アドバンスクレイを10~300nmとしたことを特徴とする請求項1に記載の抗菌性マウスピース。
【請求項3】
シリコン樹脂100重量部に対しアドバンスクレイを5~30重量部としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の抗菌性マウスピース。
【請求項4】
前記マウスピースは無呼吸用、歯ぎしり用、いびき用、スポーツ用であることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の抗菌性マウスピース。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は装着することにより口内の細菌の増殖を抑えるとともに滅菌する抗菌性マウスピースに関する。
【背景技術】
【0002】
就寝時に使用するデンタルマウスピースには、歯ぎしり用、いびきや無呼吸用などがある。このようなデンタルマウスピースには、就寝時の口腔内部の細菌類等の増殖を抑制することが求められている。しかし、これまで抗菌剤は、銀や銅等の重金属類が主流であり、毒性を併せ持つ素材であったため口腔内器具であるデンタルマウスピースに用いることは出来なかった。
【0003】
シリコンゴムを素材としたマウスピースに貝殻から造った抗菌剤を混入している製品はある。しかし、天然由来の安全性の高いデトックス性や炎症や痛みを抑える抗菌性・殺菌性の効能を有するアドバンスクレイをシリコン樹脂に混入し、成型するマウスピースはなかった。
【0004】
天然由来のバイオ抗菌剤であるプロタミンシリカを混入した抗菌性マウスピースが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のマウスピースは、天然由来のプロタミンを使用しているということで、自然界の影響を大きく受ける恐れがある。そのため、品質等に影響し安定性に欠ける恐れがある。
【0007】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、ナノメートル単位のモンモリロナイトを母材に均一に分散させることが困難であって存在しなかった抗菌性マウスピースを得ることを目的としている。また、自然界に多量に存在している粘土鉱物モンモリロナイトを使用することで、自然界の影響を受けにくくして安定した品質を得ることができる抗菌性マウスピースを得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための請求項1に記載の抗菌性マウスピースは、アドバンスクレイをシリコン樹脂に混入し、成型したことを特徴とする。
【0009】
これにより、モンモリロナイトが有するデトックス性や炎症や痛みを抑える抗菌性・殺菌性を利用できる。抗菌性・殺菌性の効果により、就寝時に使用してマウスピース本来の歯ぎしり防止、いびき防止や無呼吸防止の効果に加えて、歯周病予防の効果が得られる。その結果、歯周病を予防し、歯周病に関係するといわれる糖尿病の予防効果も期待できる。
【0010】
アドバンスクレイは、総称ベントナイト(ナノクレイ)と言われているモンモリロナイトを超微粉化したクレイである。モンモリロナイトを超微粉化し、均一にマウスピース内に均一に分散したことにより、デトックス性や炎症や痛みを抑える抗菌性・殺菌性の効果を最大限に発揮することができる。
【0011】
アドバンスクレイはモンモリロナイトを10~300ナノメートル(nm)に超微細化したベントナイト(ナノクレイ)である。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の抗菌性マウスピースにおいて、前記アドバンスクレイは10~300nmとしたことを特徴とする。
【0013】
この発明の抗菌性マウスピースは、超微細化したモンモリロナイトを母材のシリコン樹脂中に均一に分散しているので、その抗菌性・殺菌性の性能を最大限に発揮することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の抗菌性マウスピースにおいて、前記シリコン樹脂100重量部に対しアドバンスクレイを5~30重量部としたことを特徴とする。
【0015】
シリコン樹脂部に対しアドバンスクレイの量が少ないと、抗菌性・殺菌性の性能を十分に得ることができない。また、シリコン樹脂部に対しアドバンスクレイの量が多すぎるとと、成型が困難になると共に、使用時の違和感を感じる等の快適性が悪くなる恐れがある。そのため、5~30重量部として、性能を落とさず快適に使用できる範囲の混合割合とした。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3に記載の抗菌性マウスピースにおいて、前記マウスピースは無呼吸用、歯ぎしり用、いびき用、スポーツ用であることを特徴とする。
【0017】
快適に使用できる抗菌性マウスピースという点では、シリコン樹脂に10~300nmに超微粉化し、5~30重量部を均一に均一に分散したことにより得られる。これにより、どの用度のマウスピースでも優れた抗菌性と殺菌性の性能が得られ且つ快適に使用できる。
【0018】
歯周病予防のマウスピースは上側歯用と下側歯用とを用いることが好ましい。また、抗菌性マウスピースにおいて、誤飲防止のため、口外に伸ばせる細片を付けておいても良い。
【発明の効果】
【0019】
この発明においては、抗菌性マウスピースは、超微細化されたアドバンスクレイを母材のシリコン樹脂中に均一に分散させているので、モンモリロナイトの抗菌性・殺菌性の性能を最大限に発揮することができる。それにより、睡眠中の口腔内細菌の増殖を抑制し、歯周病を予防することができ、歯周病に起因する狭心症や心筋梗塞、糖尿病。動脈硬化、ガン、肥満、骨粗忽症など予防することができる。口腔内細菌の増殖による疾病の予防と合わせて歯茎を強くできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は抗菌性マウスピースの上歯用の一例を示す斜視図である。
【0022】
この実施形態による抗菌性マウスピース1は、有効抗菌成分であるモンモリロナイトがナノメートル単位に超微粉化された10~300nmのアドバンスクレイがシリコン樹脂100重量部に対し5~30重量部含まれて成型されている。
10~300nm抗菌性マウスピース。
【0023】
シリコン樹脂は、摂取しても毒性が無く、70度の温度で可塑性が高まり成型が容易で冷却するとその方を維持することから使用される。この性質により、使用する者が自分の歯形に合った抗菌性マウスピースを得ることができる。
【0024】
アドバンスクレイは、総称ベントナイトと言われているモンモリロナイトを10~300nmの超微粉化している。これにより、モンモリロナイトの効能のデトックス、等の効果をマウスピースにおいても十分に得ることができる。
【0025】
モンモリロナイト(クレイ)は美容と健康にいい影響を与えてくれる要素がたくさんあり、デトックス、抗菌・殺菌、消臭、炎症や痛みを抑える、瘢痕形成・皮膚の再生の効能がある。
【0026】
アドバンスクレイの粒径を10~300nmとしたのは、細かすぎると微細化のコストがかかりすぎるのと樹脂中への均一分散が難しくなるからである。また粒径が300nm以上では殺菌・抗菌の効果が減衰される恐れがあるからである
【0027】
アドバンスクレイをシリコン樹脂100重量部に対し5~30重量部としたのは、5重量部未満では、モンモリロナイトの効能のデトックス、抗菌・殺菌、消臭等の効果をマウスピースにおいても十分に得ることができないからである。また、30重量部以下としたのは、使用時の違和感の軽減および成型時と型決定時の容易さからである。
【0028】
この発明の抗菌性マウスピースは、使用者が70度のお湯で30秒以上柔らかくなるまで入れた後、口に入れて上の歯または下の歯の先端が当たる位置まで強く噛み合わせて、5~6分して固くすることで、型を決める。他方の反対側の歯用の抗菌性マウスピースについても、同様にして、型を決める。
【0029】
以上のように、シリコン樹脂に、微粉砕化したアドバンスクレイを混入することにより、就寝時の細菌の増殖を抑制することが可能となる。人は起きているときは適時唾液が分泌されるので唾液の抗菌効果で細菌の増殖を抑制している。しかし、就寝時は睡眠のため唾液の分泌機能が低下して唾液が分泌されず、細菌の増殖環境が整ってしまうため口腔内の細菌種は300種類を超え、10億個以上にも細菌が増殖するため朝起きた時、口腔内の細菌により匂いや虫歯や歯肉炎をはじめ、無意識に飲み込んで体内に入ることによって成人病の原因にもなっていると報告されているが、これらの細菌類の増殖を抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0030】
1 抗菌性マウスピース
2 細片