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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054399
(43)【公開日】2022-04-06
(54)【発明の名称】回転電気モータのためのコイル支持体
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/46 20060101AFI20220330BHJP
   H02K 3/47 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
H02K3/46 Z
H02K3/47
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021109955
(22)【出願日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】20198343
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】502149218
【氏名又は名称】エテル・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100220065
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン・プーシェ
(72)【発明者】
【氏名】ロワ・モレノ
(72)【発明者】
【氏名】マニッシュ・ミッタル
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミ・マラマシ
(72)【発明者】
【氏名】シリル・ヴィエネ
【テーマコード(参考)】
5H604
【Fターム(参考)】
5H604AA05
5H604AA08
5H604BB01
5H604BB08
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC04
5H604CC16
5H604QA06
(57)【要約】
【課題】回転電気モータのためのコイル支持体を提供すること。
【解決手段】本発明は、電気回転モータの固定子の予形成扁平コイル(30)のためのコイル支持体(10)に関する。コイル支持体(10)は、環状支持構造(12)と、支持構造(12)から上方に延在しかつ互いに離間されて、ポッティング作業の前にコイルを所定の位置に保持するための対応する複数のコイル受入部分(22)を形成する、複数のコラム(24a、24b)と、を備える。コイル受入部分(22)のそれぞれは、予形成扁平コイル(40)の下部を支持するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気回転モータの固定子の予形成扁平コイル(30)のためのコイル支持体(10)であって、環状支持構造(12)と、前記支持構造(12)から上方に延在しかつ互いに離間されてポッティング作業の前に前記予形成扁平コイルを所定の位置に保持するための対応する複数のコイル受入部分(22)を形成する複数のコラム(24a、24b)と、を備え、前記コイル受入部分(22)のそれぞれが、予形成扁平コイル(40)の下部を支持するように構成される、コイル支持体(10)。
【請求項2】
請求項1に記載のコイル支持体(10)であって、
前記下部が、前記予形成扁平コイル(40)の全高の半分におおよそ相当する、コイル支持体(10)。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコイル支持体(10)であって、
前記複数のコラムが、第1および第2のコラム(24a、24b)の群を含み、前記第1の群の前記コラム(24a)の最狭幅(d1)が、前記第2の群の前記コラム(24b)の最狭幅(d2)よりも大きく、前記第2の群の1つまたは複数の隣接するコラム(24b)が、前記第1の群の2つのコラム(24a)の間に配置される、コイル支持体(10)。
【請求項4】
3相回転モータに適している、請求項3に記載のコイル支持体(10)であって、
前記第1の群の前記コラム(24a)の前記最狭幅(d1)が、前記モータの異なる相に結線されるべき隣接するコイル(40a、40b、40c)間の3mmの最小隙間を確保するために、少なくとも3mmであり、前記第2の群の前記コラム(24b)の前記最狭幅(d2)が、前記モータの同じ相に結線されるべき隣接するコイル間の距離を縮めるために、1.5mm未満、好ましくは1mm未満である、コイル支持体(10)。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のコイル支持体(10)であって、
各コラム(24a、24b)の上方部分が、前記コイル支持体(10)に前記コイルが取り付けられたときに2つのコイル間に延在する第1の溝部分(26a)と前記第1の溝部分から径方向外方に延在する第2の溝部分(26b)とを含む予め定められた形状の溝(26)、好ましくはT形状の溝を備える、コイル支持体(10)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のコイル支持体(10)であって、
前記環状支持構造(12)の前記底部側が、中間輪状平坦面(14)を備え、いくつかのスタッド(15)が、前記中間輪状平坦面(14)から突出する、コイル支持体(10)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のコイル支持体(10)であって、
前記環状支持構造(12)の前記底部側が、前記中間輪状平坦面(14)のそれぞれの側に隣接する外側および内側の傾斜輪状表面(16、18)をさらに備える、コイル支持体(10)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のコイル支持体(10)であって、
前記環状支持構造(12)から径方向外方に延在する第1および第2の複数の絶縁シート支持体(20a、20b)をさらに備え、前記第1の複数の絶縁シート支持体(20a)が、前記第2の複数の絶縁シート支持体(20b)よりも径方向にさらに延在し、前記第1の複数の絶縁シート支持体(20a)のそれぞれが、円形の絶縁シート(45)が前記第1および第2の複数の絶縁シート支持体(20a、20b)に取り付けられたときに波形形状を有するように、前記第2の複数の絶縁シート支持体のうちの2つの絶縁シート支持体(20b)の間に配置される、コイル支持体(10)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のコイル支持体(10)であって、
各コラム(24a、24b)が、側面(28)と、前記側面(28)の後方部分に対して実質的に垂直に延在する肩(30)とを備える、コイル支持体(10)。
【請求項10】
請求項9に記載のコイル支持体(10)と、それらのそれぞれのコイル受入部分内の複数の予形成扁平コイル(40)とを備え、各予形成扁平コイル(40)の後方部分が、2つの隣接するコラムの肩(30)に寄り掛かる、コイル組立体(32)。
【請求項11】
円筒形の内壁(52)を有する固定子ハウジング(50)と、前記円筒形の内壁(52)の内側に取り付けられた請求項10に記載のコイル組立体(32)と、前記内壁(52)と前記コイル組立体(32)との間に取り付けられた波形絶縁シート(45)とを備える、回転電気モータのための固定子。
【請求項12】
請求項11に記載の固定子を備える回転電気モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、回転電気モータのためのコイル支持体に関し、そのようなコイル支持体を備える回転電気モータに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]電気モータの性能は、コイルの位置決めの影響を受ける。したがって、互いに対するコイルの正確な位置決め、および、コイル支持体に対するコイルの正確な位置決めは、最重要のものである。さらに、モータの磁気性能への影響を最小限に抑えながら、設置面積が減少した電気モータを提供することが望ましい。しかし、規制基準は、安全性の理由から、2つの導電部間の固体絶縁材料の表面に沿って最小限の沿面距離を必要とするが、これは、非常に限られた空間内で達成するのが困難な場合がある。
【0003】
[0003]コイルは一般に、例えばEP2717434で開示されているように、固定子の全ての構成要素、特にコイルを一緒にしっかりと固定するために合成樹脂を注入することにあるポッティング作業の前の電気モータの組立工程中にコイルの対応する歯に対してコイルが垂直方向中心に配置されることを確実にするために、スペーサを使用して固定子歯上に挿入される。しかし、そのようなスペーサの使用は、時間も費用もかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】EP2717434
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0004]したがって、本発明の目的は、製造するのが容易であり、また、いくつかの機能を統合することにより回転電気モータの全体的な費用を削減する、コイル支持体を提供することである。
【0006】
[0005]本発明の別の目的は、モータの磁気性能とモータの設置面積との比を増大させるコイル支持体を提供することである。
[0006]本発明のさらなる目的は、ポッティング作業の前にコイルを支持体上に容易に位置決めおよび接着することができる、コイル支持体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]これらの目的は、電気回転モータの固定子の予形成扁平コイル(preformed flat coil)のためのコイル支持体によって達成される。コイル支持体は、環状支持構造と、ポッティング作業の前に予形成扁平コイルを所定の位置に保持するための対応する複数のコイル受入部分を形成するように支持構造から上方に延在しかつ互いに離間された複数のコラムと、を備える。コイル受入部分のそれぞれは、予形成扁平コイルの下部を支持するように構成される。
【0008】
[0008]一実施形態では、予形成扁平コイルの下部は、予形成扁平コイルの全高の半分におおよそ相当する。
[0009]一実施形態では、複数のコラムは、第1および第2のコラムの群を含む。第1の群のコラムの最狭幅は、第2の群のコラムの最狭幅よりも大きい。第2の群の1つまたは複数の隣接するコラムは、第1の群の2つのコラムの間に配置される。
【0009】
[0010]一実施形態では、コイル支持体は、3相回転モータに適している。この点において、第1の群のコラムの最狭幅は、モータの異なる相に結線されるべき隣接するコイル間の3mmの最小隙間を確保するために、少なくとも3mmである。第2の群のコラムの最狭幅は、モータの同じ相に結線されるべき隣接するコイル間の距離を縮めるために、1.5mm未満、好ましくは1mm未満である。
【0010】
[0011]一実施形態では、各コラムの上方部分は、予め定められた形状の溝を備える。予め定められた形状は、コイル支持体にコイルが取り付けられたときに2つのコイル間に延在する第1の溝部分と第1の溝部分から径方向外方に延在する第2の溝部分とを備えるT形状の溝であることが好ましい。
【0011】
[0012]一実施形態では、環状支持構造の底部側は、中間輪状平坦面を備える。いくつかのスタッドが、中間輪状平坦面から突出する。
[0013]一実施形態では、環状支持構造の底部側は、中間輪状平坦面のそれぞれの側に隣接する、外側および内側の傾斜輪状表面をさらに備える。
【0012】
[0014]一実施形態では、コイル支持体は、環状支持構造から径方向外方に延在する第1および第2の複数の絶縁シート支持体をさらに備える。第1の複数の絶縁シート支持体は、第2の複数の絶縁シート支持体よりもさらに径方向に延在する。第1の複数の絶縁シート支持体のそれぞれは、円筒形の絶縁シートが第1および第2の複数の絶縁シート支持体に取り付けられたときに波形形状を有するように、第2の複数の絶縁シート支持体のうちの2つの絶縁シート支持体の間に配置される。
【0013】
[0015]一実施形態では、各コラムは、側面と、各コラムの側面の後方部分に対して実質的に垂直に延在する肩とを備える。
[0016]本発明の別の態様は、上記のコイル支持体と、それらのそれぞれのコイル受入部分内の複数の予形成扁平コイルとを備え、各予形成扁平コイルの後方部分が、隣接する2つのコラムの肩に寄り掛かる、コイル組立体に関する。コイルは、各コラムの上方部分上の溝に入れられた少量の液状瞬間接着剤を使用して所定の位置に接着される。
【0014】
[0017]本発明の別の態様は、円筒形の内壁を有する固定子ハウジングと、円筒形の内壁の内側に取り付けられた上記のコイル組立体と、固定子ハウジングの内壁とコイル組立体との間に取り付けられた波形絶縁シートとを備える、回転電気モータのための固定子に関する。
【0015】
[0018]本発明のさらなる態様は、上記の固定子を備える回転電気モータに関する。
[0019]本発明は、例として挙げられかつ図によって示されたいくつかの実施形態に関する説明により、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態によるコイル支持体の上面斜視図である。
図2図1のコイル支持体の底面斜視図である。
図3】コイル受入部分を示す、図1のコイル支持体の部分的な斜視図である。
図4】予形成扁平コイルが取り付けられた、図1のコイル支持体の斜視図である。
図5図4の部分的な上面図である。
図6】予形成扁平コイルが取り付けられた図1のコイル支持体を備える回転電気モータの固定子の斜視図である。
図7図6の上面図である。
図8図7の部分的な上面図である。
図9】コイル支持体のコイル受入部分の内側に取り付けられた予形成コイルを示す、図8の詳細な図である。
図10図6の断面斜視図である。
図11図6の部分的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0020]図1を参照すると、コイル支持体10は、3相回転モータに適している。この点において、コイル支持体10は、環状支持構造12と、支持構造12から上方に延在しかつ互いに離間された複数のコラム24a、24bとを備える。図3に特に示されるように、各コラム24a、24bの幅d1、d2は、実質的にU形状の受入部分を有する対応する複数のコイル受入部分22を形成するために、その上向き方向に沿って変化する。各コラム24a、24bは、側面28と、側面28に対して実質的に垂直に延在して肩30を形成する背面とを備える。これらのコラムの特異的な構成は、例えば図4および5で分かるように、コイルの背面をコラム24a、24bの肩30に押し付けることによりコイル支持体10上のコイル40を正確に調整することを可能にする。
【0018】
[0021]コイル40は、容易に作製され得る予形成扁平コイルのタイプのものであり、したがって、時々電線用絶縁体に損傷を与えたりスクラップを生じさせたりすることにより製造費用をより高くするという欠点を有する追加的な曲げ工程を必要とする予形成曲りコイルとは対照的に、それらの製造費用を削減する。予形成扁平コイル40は、コイル支持体10の上部からそれらのそれぞれのU形状の受入部分内に位置決めされ、受入部分は、コイルの全高の半分におおよそ相当する予形成扁平コイルの下部を支持しかつ正確に位置決めするように設計されている。
【0019】
[0022]コイル支持体10の複数のコラム24a、24bは、同じ形状の第1のコラム24aの群と、第1のコラム24aの群の形状とは異なる形状である同じ形状の第2の第2のコラム24bの群とに分割される。より具体的には、図3に示されるように、第1の群のコラム24aの最狭幅d1は、第2の群のコラム24bの最狭幅d2よりも大きい。
【0020】
[0023]コイル支持体10のこの例示的な実施形態によれば、第1のコラムの群は、6個のコラム24aを含み、第2のコラムの群は、12個のコラム24bを含む。第2の群のうちの隣接する2つのコラム24bは、第1の群の6個のコラム24aのうちの2つのコラム24aの各対の間に取り付けられる。第1および第2の群のコラムの数は、支持されかつ正確に位置決めされることを必要とする電気モータの予形成扁平コイルのサイズおよび数に応じて異なり得る。コイル支持体10は、モータの磁気性能とモータの設置面積との間の最適な比を有するように設計されている。
【0021】
[0024]図4に示されるように、対応する複数の予形成扁平コイル40が、コイル支持体10のそれぞれのコイル受入部分22内に位置決めされて、コンパクトなコイル組立体32を提供する。予形成扁平コイルは、それらの相接続に従ってグループ化されるように取り付けられる。より詳細には、図7を参照すると、隣接する3つの第1の相のコイル40aを含む群の第1の対が、直径方向において対向する形でコイル支持体10(図1)のコイル受入部分22に取り付けられ、隣接する3つの第2の相のコイル40bを含む群の第2の対が、第1の相のコイル40aの群の第1の対の隣でコイル支持体のコイル受入部分に取り付けられ、隣接する3つの第3の相のコイル40cを含む群の第3の対が、第2の相のコイル40bの群の第2の対の隣でコイル支持体のコイル受入部分に取り付けられる。
【0022】
[0025]隣接する第1の相のコイル40a、第2の相のコイル40b、および第3の相のコイル40cの群の各対はそれぞれ、互いに結線されかつ3相回転モータの相のそれぞれに電気的に接続されるように構成される。同じ相の隣接するコイルの電圧は類似し、したがって、コイルは、銅占積率を最大限に高め、それにより電気モータの磁気性能を最大限に高めるために、互いに近接して配置され得る。
【0023】
[0026]したがって、図3を参照すると、第2の群のコラム24bの最狭幅d2は、電気モータの同じ相に結線されるべき隣接するコイル間の距離を縮めるために、1.5mm未満、好ましくは1mm未満とされ得る。異なる相の隣接するコイルの場合、電気モータの故障をもたらし得る漏れ電流を回避するために、規制上の安全基準に従い、最小沿面距離を3mmとしなければならない。したがって、コラム24aの最狭幅d1は、約3mmである。したがって、コラム24a、24bは、規制上の安全基準に従いながらモータの性能とその設置面積との間の比を最適化するように設計されている。
【0024】
[0027]図9を参照すると、コイルがコイル支持体10に取り付けられ、固定子ハウジング50の内壁52とコイル支持体10との間に絶縁シート45が配置された状態でコイル支持体10が固定子ハウジング50の内側に取り付けられると、絶縁シート45の内側52と対応するコイルの背面との間に、対応するコイルの入力用電線のための電気的接続スペース35が作り出される。
【0025】
[0028]図8および11を参照すると、各コラム24a、24bの上方部分は、隣接するコイル受入部分22の両方に通じる第1の溝部分26aと第1の溝部分26aから径方向外方に延在する第2の溝部分26bとを有する実質的にT形状の溝26などの、予め定められた溝を備える。各コラム24a、24bのT形状の溝26は、液状瞬間接着剤を受け入れるように設計され、かつ、
- コイルをコイル支持体10に固定するために、各隣接するコイルの一方の側面とそれぞれのコラムの両方の側面28との間の間隙に流入するように、
また、
- コイルおよびコイル支持体を備えるコイル組立体32に絶縁シート45を固定するために、絶縁シート45と接触するように、
そのような接着剤を導くように設計される。
【0026】
[0029]オペレータは、U形状の受入部分を形成する2つの隣接するコラムの肩30に押し付けられたコイルを維持しながら、対応するコラム24a、24bの上方部分の溝26内に少量の液状瞬間接着剤を堆積させることにより、一度に1つのコイルをそれらのそれぞれのU形状の受入部分22内に接着する。
【0027】
[0030]図2を参照すると、環状支持構造12の底部側は、中間輪状平坦面14と、中間輪状平坦面14から突出するいくつかのスタッド15とを備える。環状支持構造12の底部側は、中間輪状平坦面14に隣接する外側および内側の傾斜輪状表面16、18をさらに備える。スタッド15は、固定子ハウジング50の底部表面上に位置するように構成される。これは、ポッティング作業中に合成樹脂が間隙を埋めることを確実にするために、コイル支持体10の底部側と固定子ハウジングの底部表面との間に間隙を作り出す。コイル支持体10の傾斜輪状表面16、18は、ポッティング作業中の気泡の形成を防ぐ。
【0028】
[0031]図2および5を参照すると、コイル支持体10は、環状支持構造12から径方向外方に延在する第1および第2の複数の絶縁シート支持体20a、20bをさらに備える。第1の複数の絶縁シート支持体20aは、第2の複数の絶縁シート支持体20bよりも径方向にさらに延在する。第1の複数の絶縁シート支持体20aのそれぞれは、第2の複数の絶縁シート支持体のうちの2つの絶縁シート支持体20bの間に配置される。各絶縁シート支持体の遠位端部は、上方に延在する部分20c(図10)を備えて、溝を形成する。絶縁シート45は、絶縁シート45の波形のまたは起伏する円形形状を生じさせるために各溝内に挿入され、それにより、固定子ハウジング50の内壁52とともに空間を作り出して、最適な絶縁を得るためのポッティング作業中に生じ得る気泡の除去を可能にする。
【0029】
[0032]上記のように、絶縁シート45は、接着作業に先立ってコイル支持体10に取り付けられ、その結果、オペレータがコイル支持体10の各コラム24a、24bのT形状の溝26を液状瞬間接着剤で連続的に満たすときに、液状瞬間接着剤は、第2の溝部分26b(図11)に沿って流れて絶縁シート45と接触して、絶縁シートをコイル支持体に固定する。
【0030】
[0033]図5および10を参照すると、絶縁シート支持体20bは、絶縁シート45の下方端部が固定子ハウジング50の底部表面に接触するのを防止する。したがって、合成樹脂は、ポッティング作業中に固定子の間隙にすっかり流入し、それにより固定子の全ての導電部間の絶縁を確実にすることができる。
【0031】
[0034]電気的接続スペース35は、コイルの中央からの電線出力のために、また、ポッティング作業に先立ってコイル間の接続を作るために、有利に使用され得る。
[0035]コイル支持体は、電気モータの全体的な製造費用を削減する積層造形プロセスによって有利に作製される。その点において、各コラム24a、24bの側面28は、外向きに傾斜し、内径は、上方へ連続的に増大する。この形状は、コラムの最狭幅が積層造形に適合するように1mm以上であることを保証する。
【符号の説明】
【0032】
10 コイル支持体
12 環状支持構造
14 中間輪状平坦面
15 スタッド
16 外側傾斜輪状表面
18 内側輪状表面
20 絶縁シート支持体
20a 第1の径方向延在部分
20b 第2の径方向延在部分
20c 上方に曲がっている部分、上方に延在する部分
22 コイル受入部分
24a 第1のコラムの群
24b 第2のコラムの群
26 T形状の溝
26a 第1の溝部分
26b 第2の溝部分
28 側面
30 肩
32 コイル組立体
35 電気的接続スペース
40 予形成扁平コイル
40a 第1の相のコイル
40b 第2の相のコイル
40c 第3の相のコイル
45 絶縁シート
50 固定子ハウジング
52 内壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】