IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 豊疆智能(深▲セン▼)有限公司の特許一覧

特開2022-54428農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用
<>
  • 特開-農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用 図1
  • 特開-農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用 図2
  • 特開-農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用 図3
  • 特開-農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用 図4
  • 特開-農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用 図5
  • 特開-農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用 図6
  • 特開-農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用 図7
  • 特開-農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用 図8
  • 特開-農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用 図9
  • 特開-農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054428
(43)【公開日】2022-04-06
(54)【発明の名称】農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20220330BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20220330BHJP
【FI】
A01B69/00 303K
G05D1/02 N
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146099
(22)【出願日】2021-09-08
(31)【優先権主張番号】202011023261.7
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521294313
【氏名又は名称】豊疆智能(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】沈 威
(72)【発明者】
【氏名】馬 祝林
(72)【発明者】
【氏名】王 佳斌
(72)【発明者】
【氏名】姚 遠
(72)【発明者】
【氏名】呉 迪
【テーマコード(参考)】
2B043
5H301
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043BA02
2B043BA09
2B043BB01
2B043DA17
2B043EA16
2B043EA32
2B043EB05
2B043EC02
2B043EC13
2B043EC15
2B043ED02
2B043ED12
2B043ED13
2B043EE01
2B043EE05
2B043EE06
5H301AA03
5H301AA10
5H301BB01
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD06
5H301DD15
5H301GG07
5H301JJ01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用を提供する。
【解決手段】農機の自動Uターン方法は、Uターン指令を受信した後、プロセッサによって農機のコントローラに減速指令を送信することで、前記農機が減速するように制御し、前記農機は、作業領域の1つの作業航路に位置し、前記作業領域は、少なくとも2つの前記作業航路を含み、1つの前記作業航路に沿って走行する前記農機が転向してはじめて、次の前記作業航路に入ることができるステップと、前記農機が設定値まで減速されると、前記プロセッサによって、前記農機の前記コントローラに転向指令を送信することで、前記農機を制御して転向させるステップと、前記農機が転向して新たな作業航路に入った後、前記農機が新たな作業航路に沿って作業を継続できるように前記農機の方向を正に修正するステップと、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Uターン指令を受信した後、プロセッサによって農機のコントローラに減速指令を送信することで、前記農機が減速するように制御し、前記農機は、作業領域の1つの作業航路に位置し、前記作業領域は、少なくとも2つの前記作業航路を含み、1つの前記作業航路に沿って走行する前記農機が転向してはじめて、次の前記作業航路に入ることができるステップと、
前記農機が設定値まで減速されると、前記プロセッサによって、前記農機の前記コントローラに転向指令を送信することで、前記農機を制御して転向させるステップと、
前記農機が転向して新たな作業航路に入った後、前記農機が新たな作業航路に沿って作業を継続できるように前記農機の方向を正に修正するステップと、を備えることを特徴とする農機の自動Uターン方法。
【請求項2】
上記の方法では、転向する過程において、前記コントローラにより前記農機の作業部が持ち上げられるように制御し、且つ新たな作業航路に入った後に、前記作業部を制御して復帰させることを特徴とする請求項1に記載の農機の自動Uターン方法。
【請求項3】
上記の方法では、前記農機が設定された角度に転向された後、前記プロセッサで加速指令を前記農機の前記コントローラに送信することで、前記農機が加速して転向するように制御するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の農機の自動Uターン方法。
【請求項4】
上記の方法では、前記作業領域内の2つの作業位置と2つの端部によって、前記農機の前記作業航路が決定されることを特徴とする請求項1に記載の農機の自動Uターン方法。
【請求項5】
前記作業エリア内を前記農機が直進走行する走行経路に基づいて、2つの作業位置をそれぞれ特定することで、前記作業航路の航方向を特定するステップと、
前記農機が前記作業航路の一端部まで走行し、且つUターンして、もう1つの前記作業航路の他端部まで走行するように制御することで、前記作業航路の端部を特定し、さらに前記作業航路を特定するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の農機の自動Uターン方法。
【請求項6】
上記の方法では、2つの作業位置と2つの端部を操作者が手動で決定することによって、前記作業航路を確定することを特徴とする請求項4に記載の農機の自動Uターン方法。
【請求項7】
上記の方法では、前記プロセッサによって取得された前記農機の位置変化によって、前記Uターン指令が自動的に生成されることを特徴とする請求項4に記載の農機の自動Uターン方法。
【請求項8】
農機からの外部情報と、前記農機の内部情報とを受信するための受信ユニットと。
前記受信ユニットが取得した情報に基づいて、前記農機の運行速度及び前記農機の転向角度を含む結論を生成する処理ユニットと、
前記処理ユニットが生成した前記結論に基づいて、前記農機が1つの作業領域における1つの作業航路の末端でUターンして、次の前記作業航路に移動するように、前記農機の運行速度及び転向角度を制御するための制御ユニットと、
を備えることを特徴とする農機の自動Uターンシステム。
【請求項9】
前記受信ユニットがUターン指令を受信した後に、前記処理ユニットは、まず、前記制御ユニットに減速指令を送信して、前記農機の速度を設定値まで減速させ、次に、前記制御ユニットに転向指令を送信して、前記農機の走行方向を設定された向きに変更するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の農機の自動Uターンシステム。
【請求項10】
前記農機が前記制御ユニットにより制御されて転向する時に、前記処理ユニットは、前記制御ユニットに加速指令を送信して、前記農機の転向を加速することを特徴とする請求項9に記載の農機の自動Uターンシステム。
【請求項11】
経路計画ユニットをさらに備え、前記経路計画ユニットは、前記受信ユニットに通信可能に接続され、前記受信ユニットにより受信された前記農機が前記作業領域内の走行経路の2つの作業位置と前記作業領域内の2つの端部とに基づいて、前記作業航路を確定することを特徴とする請求項8~10の何れか一項に記載の農機の自動Uターンシステム。
【請求項12】
前記受信ユニットは、モバイル端末装置に統合されて、作業員が前記モバイル端末装置で前記農機を操作することを特徴とする請求項8~10の何れか一項に記載の農機の自動Uターンシステム。
【請求項13】
少なくとも1つの農機を制御するモバイル端末装置であって、
前記農機の外部情報と前記農機の内部情報とを受信するための少なくとも1つの受信ユニットと、
前記受信ユニットが取得した情報に基づいて、前記農機の運行速度及び前記農機の転向角度を含む結論を生成し、且つ前記結論を前記農機の制御ユニットに送信する処理ユニットと、を備え、
前記制御ユニットは、前記処理ユニットが生成した前記結論に基づいて、前記農機が1つの作業領域における1つの作業航路の末端でUターンして、次の前記作業航路に移動するように、前記農機の運行速度及び転向角度を制御することを特徴とする端末装置。
【請求項14】
前記受信ユニットがUターン指令を受信した後に、前記処理ユニットは、まず、前記制御ユニットに減速指令を送信して、前記農機の速度を設定値まで減速させ、次に、前記制御ユニットに転向指令を送信して、前記農機の走行方向を設定された向きに変更するように構成されることを特徴とする請求項13に記載の端末装置。
【請求項15】
前記農機が前記制御ユニットにより制御されて転向する時に、前記処理ユニットは、前記制御ユニットに加速指令を送信して、前記農機の転向を加速するように構成されることを特徴とする請求項14に記載の端末装置。
【請求項16】
経路計画ユニットをさらに備え、前記経路計画ユニットは、前記受信ユニットに通信可能に接続され、前記受信ユニットが受信した前記農機が前記作業領域内の走行経路の2つの作業位置と前記作業領域内の2つの端部とに基づいて、前記作業航路を確定することを特徴とする請求項13~15の何れか一項に記載の端末装置。
【請求項17】
前記受信ユニットの少なくとも一部として、作業員から指令を受信するために用いられる表示ユニットをさらに備えることを特徴とする請求項13~15の何れか一項に記載のモバイル端末装置。
【請求項18】
農機主体と、自動Uターンシステムとを備え、
前記農機主体は、走行ユニットと、駆動ユニットと、転向ユニットと、作業部と、制御ユニットと、を含み、
前記作業部と前記走行ユニットは、それぞれ前記駆動ユニットに駆動可能に接続されており、前記転向ユニット、前記走行ユニット、前記駆動ユニット及び前記作業部は、それぞれ前記制御ユニットに制御可能に接続されており、
前記自動Uターンシステムは、受信ユニット及び処理ユニットを含み、前記受信ユニットは、前記農機からの外部情報及び前記農機の内部情報を受信し、前記処理ユニットは、前記受信ユニットが取得した情報に基づいて、農機の運行速度及び転向角度を含む結論を生成し、
前記制御ユニットは、前記処理ユニットが生成した前記結論に基づいて、前記農機が1つの作業領域における1つの作業航路の末端でUターンして、次の前記作業航路に移動するように、前記農機の前記走行ユニット及び前記転向ユニットを制御することを特徴とする自動Uターンシステムを持つ農機。
【請求項19】
前記受信ユニットがUターン指令を受信した後に、前記処理ユニットは、まず、前記制御ユニットに減速指令を送信して、前記農機の速度を設定値まで減速させ、次に、前記制御ユニットに転向指令を送信して、前記農機の走行方向を設定された向きに変更するように構成されることを特徴とする請求項18に記載の農機。
【請求項20】
前記農機が前記制御ユニットにより制御されて転向する時に、前記処理ユニットは、前記制御ユニットに加速指令を送信して、前記農機の転向を加速するように構成されることを特徴とする請求項19に記載の農機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農機の自動運転分野に関し、特に、農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムの発展に基づいて、自動運転が可能になった。現在、完全な無人路面運転はまだ実現が難しく、インテリジェント運転機能は主に補助機能として現れている。しかし、農業機械の分野では、伝統的な農業機械化による耕作には多くの人力と物力が必要であり、農業分野での自動運転は、普通の路面運転のように多くの要因を考慮する必要がなく、障害の少ない運転と作業を考慮することになり、活発な発展状態にある。
【0003】
現在の農機が直線走行方式を採用することが多いが、農地の面積は限られているため、農機が一定の距離を走行した後、Uターンして作業する必要がある。Uターンは直線走行の農機にとって難易度の高い動作であり、通常は、専門の作業員によって隣で農機を制御して手動で調整する。
【0004】
Uターンは通常の転向とは違って、農機の前進中に障害物が発生した場合、ホイールのわずかな転向によって障害物を回避したり、障害物を直接に乗り越えたりすることができるが、Uターンは通常の転向に比べてより複雑になっている。どのように農機の自動Uターンを実現するかは、農機の無人化運転と作業において重要なステップとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、農機が作業領域で自動Uターンを実現できるような農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用を提供することにある。
【0006】
本発明のもう1つの目的は、周りの環境に応じて経路を自動的に計画して、自動的にUターンするための条件を作ることができる農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用を提供することにある。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、Uターンが必要かどうかを自動的に判断できる農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、関連ユーザが農機の自動Uターンシステムを有する農機の動作経路を端末装置で観察し、且つ前記農機をリアルタイムに制御することができる農機の自動Uターン方法、農機の自動Uターンシステム及びその応用を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、本発明に係る農機の自動Uターン方法は、Uターン指令を受信した後、プロセッサによって農機のコントローラに減速指令を送信することで、前記農機が減速するように制御し、前記農機は、作業領域の1つの作業航路に位置し、前記作業領域は、少なくとも2つの前記作業航路を含み、1つの前記作業航路に沿って走行する前記農機が転向してはじめて、次の前記作業航路に入ることができるステップと、
前記農機が設定値まで減速されると、前記プロセッサによって、前記農機の前記コントローラに転向指令を送信することで、前記農機を制御して転向させるステップと、
前記農機が転向して新たな作業航路に入った後、前記農機が新たな作業航路に沿って作業を継続できるように前記農機の方向を正に修正するステップと、を備える。
【0010】
本発明の一実施例によれば、上記の方法では、転向する過程において、前記コントローラにより前記農機の作業部が持ち上げられるように制御し、且つ新たな作業航路に入った後に、前記作業部を制御して復帰させる。
【0011】
本発明の一実施例によれば、上記の方法では、前記農機が設定された角度に転向された後、前記プロセッサで加速指令を前記農機の前記コントローラに送信することで、前記農機が加速して転向するように制御するステップをさらに含む。
【0012】
本発明の一実施例によれば、上記の方法では、前記作業領域内の2つの作業位置と2つの端部によって、前記農機の前記作業航路が決定される。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記農機の自動Uターン方法、前記作業エリア内を前記農機が直進走行する走行経路に基づいて、2つの作業位置をそれぞれ特定することで、前記作業航路の航方向を特定するステップと、前記農機が前記作業航路の一端部まで走行し、且つUターンして、もう1つの前記作業航路の他端部まで走行するように制御することで、前記作業航路の端部を特定し、さらに前記作業航路を特定するステップと、をさらに含む。
【0014】
本発明の一実施例によれば、上記の方法では、2つの作業位置と2つの端部を操作者が手動で決定することによって、前記作業航路を確定する。
【0015】
本発明の一実施例によれば、上記の方法では、前記プロセッサによって取得された前記農機の位置変化によって、前記Uターン指令が自動的に生成される。
【0016】
本発明の他の態様によれば、本発明に係る農機の自動Uターンシステムは、農機からの外部情報と、前記農機の内部情報とを受信するための受信ユニットと、
前記受信ユニットが取得した情報に基づいて、前記農機の運行速度及び前記農機の転向角度を含む結論を生成する処理ユニットと、
前記処理ユニットが生成した前記結論に基づいて、前記農機が1つの作業領域における1つの作業航路の末端でUターンして、次の前記作業航路に移動するように、前記農機の運行速度及び転向角度を制御するための制御ユニットと、を備える。
【0017】
本発明の一実施例によれば、前記受信ユニットがUターン指令を受信した後に、前記処理ユニットは、まず、前記制御ユニットに減速指令を送信して、前記農機の速度を設定値まで減速させ、次に、前記制御ユニットに転向指令を送信して、前記農機の走行方向を設定された向きに変更するように構成される。
【0018】
本発明の一実施例によれば、前記農機が前記制御ユニットにより制御されて転向する時に、前記処理ユニットは、前記制御ユニットに加速指令を送信して、前記農機の転向を加速する。
【0019】
本発明の一実施例によれば、前記農機の自動Uターンシステムは、経路計画ユニットをさらに備え、前記経路計画ユニットは、前記受信ユニットに通信可能に接続され、前記受信ユニットが受信した前記農機が前記作業領域内の走行経路の2つの作業位置と前記作業領域内の2つの端部とに基づいて、前記作業航路を確定する。
【0020】
本発明の一実施例によれば、前記受信ユニットは、モバイル端末装置に統合されて、作業員が前記モバイル端末装置で前記農機を操作する。
【0021】
本発明の他の態様によれば、本発明に係る端末装置は、少なくとも1つの農機を制御し、前記農機の外部情報と前記農機の内部情報とを受信するための少なくとも1つの受信ユニットと、前記受信ユニットが取得した情報に基づいて、前記農機の運行速度及び前記農機の転向角度を含む結論を生成し、且つ前記結論を前記農機の制御ユニットに送信する処理ユニットと、を備え、前記制御ユニットは、前記処理ユニットが生成した前記結論に基づいて、前記農機が1つの作業領域における1つの作業航路の末端でUターンして、次の前記作業航路に移動するように、前記農機の運行速度及び転向角度を制御する。
【0022】
本発明の他の態様によれば、本発明に係る自動Uターンシステムを持つ農機は、農機主体と、自動Uターンシステムとを備え、前記農機主体は、走行ユニットと、駆動ユニットと、転向ユニットと、作業部と、制御ユニットと、を含み、前記作業部と前記走行ユニットは、それぞれ前記駆動ユニットに駆動可能に接続されており、前記転向ユニット、前記走行ユニット、前記駆動ユニット及び前記作業部は、それぞれ前記制御ユニットに制御可能に接続されており、
前記自動Uターンシステムは、受信ユニット及び処理ユニットを含み、前記受信ユニットは、前記農機からの外部情報及び前記農機の内部情報を受信し、前記処理ユニットは、前記受信ユニットが取得した情報に基づいて、農機の運行速度及び転向角度を含む結論を生成し、前記制御ユニットは、前記処理ユニットが生成した前記結論に基づいて、前記農機が1つの作業領域における1つの作業航路の末端でUターンして、次の前記作業航路に移動するように、前記農機の前記走行ユニット及び前記転向ユニットを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一好適な実施形態に係る農機の自動Uターン方法を模式的に示す図である。
図2】本発明の一好適な実施形態に係る農機の自動Uターン方法を模式的に示す図である。
図3】本発明の一好適な実施形態に係る農機の自動Uターン方法を模式的に示す図である。
図4】本発明の一好適な実施形態に係る農機の自動Uターン方法を模式的に示す図である。
図5】本発明の一好適な実施形態に係る農機の自動Uターン方法を模式的に示す図である。
図6】本発明の一好適な実施形態に係る農機の自動Uターン方法を模式的に示す図である。
図7】本発明の一好適な実施形態に係る農機の自動Uターン方法を模式的に示す図である。
図8】本発明の一好適な実施形態による農機の自動Uターン方法のフローチャートである。
図9】本発明の一好適な実施形態による農機の自動Uターンシステムのブロック図である。
図10】本発明の一好適な実施形態による農機の自動Uターンシステムを持つ農機の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を開示して、当業者が本発明を実現できるように記載する。以下の記載における好ましい実施例はあくまで例示であって、当業者は他の自明な変形を想到し得るものである。以下の説明において規定された本発明の基本原理は、他の実施形態、変形方式、改善案、均等案、及び本発明の精神及び範囲から逸脱していない他の技術案に適用され得る。
【0025】
当業者であれば、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等の用語で示す方位や位置関係は、図面に示す方位や位置関係に基づくものであると理解すべきであり、本発明を容易に説明し、説明を簡単にするためだけであり、係る装置や素子は、特定の方位を持ち、特定の位置関係で操作しなければならないことを指示または暗示することではない。したがって、上記の用語は本発明に対する制限として理解されない。
【0026】
「一」という用語は「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」と理解されるべきであり、つまり、ある実施例では、1つの素子の数は1つでもよいが、他の実施形態では、その素子の数は複数でもよく、「一」という用語は、数の制限として理解されない。
【0027】
図1図7は、本発明の一好適な実施形態に係る農機の自動Uターン方法を模式的に示す図である。
【0028】
前記農機の自動Uターン方法によれば、農機がある作業領域sにおいて自動Uターンして、前記作業領域sでの自動走行を完了することができる。なお、前記農機は、他の作業領域sに移動されて作業しても、自動的にUターンすることができる。
【0029】
詳細には、前記農機の自動Uターン方法は、
前記作業領域s内での1つの作業経路を確定するステップと、
前記農機が1つの作業航路Rから次の作業航路Rに入るように、前記農機を制御して前記作業領域sの端部で自動的にUターンさせるステップと、を備える。
【0030】
本実施形態では、前記作業領域s内での前記作業経路を確定するには、以下の方法を採用することができる。
【0031】
先ず、前記農機が前記作業領域s内に初めて入り、且つ直進走行する際に、1つのA位置を一旦決定する。次に、前記農機がA位置を経過して、前に直進して一定の距離を走行した後に、1つのB位置を決定し、2点で1直線を決定することで、前記農機の前記作業領域s内での1つの前記作業航路Rを決定する。このように、前記作業領域s内において、前記作業航路Rに平行な他の前記作業航路Rを複数自動的に決定することができる。
【0032】
前記農機が前記作業領域sの一方の端部まで継続的に直線に沿って走行すると、この位置を田頭Aと確定する。その後、前記農機が田頭Aの位置で自動的にUターンして、次の前記作業航路Rに沿って前記作業領域sの他方の端部まで継続的に走行すると、この位置を田頭Bとする。このように、前記作業領域s内における前記農機の前記作業経路を特定することができる。
【0033】
なお、前記農機の前記作業領域sにおける前記作業経路は、自動で定められてもよいし、手動で定められてもよい。例えば、1つの衛星地図により前記作業領域sの範囲を特定し、その後、前記農機に対して前記作業経路を自動的に計画してもよいし、作業員が手動で前記農機を制御して前記作業領域sのエッジに回って1周走行させて、予めインストールされたプログラムにより前記農機に対して前記作業経路を自動に計画してもよい。
【0034】
本実施形態では、前記農機は、前記作業領域sを自動的に走行するものであり、作業員は、端末装置により、前記作業領域s内での前記農機の位置を知ることができる。前記作業領域s内での前記農機の移動に伴って、前記農機の座標がリアルタイムに取得されて前記端末装置に表示される。作業員は、表示された前記農機が通る経路上にマークしてA位置を取得し、A位置から一定の距離(例えば、5m離間した)を離れた経路上にマークしてB位置を取得することで、前記農機の直線である前記作業航路Rを決定することができる。
【0035】
さらに、前記農機が前記作業領域のエッジ位置に近いところまで走行した場合、作業員は、前記田頭Aを前記端末装置において特定できる。前記田頭Aは、直線である。これは、前記農機が前記作業航路Rでも次の前記作業航路Rでも、何れも直線上の前記田頭Aの位置でUターンすることを意味する。前記農機は、前記田頭Aの位置で自動的にUターンしてから、次の前記作業航路Rに入り、前記田頭Aから離れる方向に向かって直線に沿って走行を継続する。前記農機が前記作業領域のもう1つのエッジ位置に近いところまで走行した場合、作業員は、前記端末装置において前記田頭Bを特定することができる。前記田頭Bは、直線である。これは、前記農機が前記作業航路Rでも次の前記作業航路Rでも、何れも直線上の前記田頭Bの位置でUターンすることを意味する。
【0036】
なお、開始段階に、前記農機は、前記作業領域sの縁に沿って移動するように制御され、A位置の特定は、前記農機が一定の時間を移動した後でもよいし、前記農機が移動し始める時であってもよい。つまり、A位置は、1つの前記作業航路Rの開始位置であってもよいし、前記作業航路Rの非端点の位置であってもよい。作業員にとって、農機が前記作業領域sに入ったばかりで、A位置を特定してもよいし、前記農機を一定の距離移動させた後にA位置を特定してもよい。
【0037】
勿論、各前記作業航路Rの特定は、衛星地図に依存して、前記農機に対して自動的に計画して形成してもよい。
【0038】
前記Uターンステップは、以下のステップをさらに含む。
【0039】
Uターン指令を受信した後、前記農機が予定値に減速するよう制御するステップ。
前記農機のハンドルが予定値まで回動するように制御するステップ。
前記農機が他の1つの前記作業航路Rに入るまで、前記農機を予定値まで加速させるステップ。
前記農機のハンドルを正に戻すステップ。
【0040】
詳しくは、前記Uターンステップでは、前記農機がUターンする必要があり、かつ、前記農機が開始した走行速度が速ければ、減速を行う必要があり、その後、Uターンを行う。これにより、移動速度が速すぎるときに、Uターンの難度が増加することを避ける。
【0041】
前記Uターン指令を受信したのは、電子制御ユニットECUなどのプロセッサであってもよい。前記プロセッサは、作業員からの指令を受信することで、前記農機にUターンさせてもよいし、前記農機の自動ナビゲーションシステムが検出したデータに基づいて指令を自動的に送信することで、Uターンしてもよい。例えば、前記農機の自動ナビゲーションシステムは、前記農機が既に前記作業航路Rの端部まで走行し、Uターンしないと、前記作業領域sを出て、外へ走行すると判断する場合、作業員にとって、前記端末装置で関連するアプリケーションをコントロールすることで、前記農機がUターンするタイミングを制御でき、非常に便利である。また、前記農機が障害物や突発的な状況によって制御できない場合には、前記農機が田頭に達していないときにUターンするように制御することができる。
【0042】
前記電子制御ユニットECUは、指令を受信すると、例えば、全車コントローラVCUなどのコントローラに減速指令を送信する。現在、前記農機の速度が予め設定された値を超えると、前記全車コントローラVCUは、前記農機の走行ユニットを制御して減速又は加速させる。前記全車コントローラVCUは、前記農機が減速するように、前記農機のアクセルペダルモータを制御して設定値まで回転させる。前記農機の速度が所定の数値まで減速されると、前記電子制御ユニットECUは、フィードバックを受けると、前記全車コントローラVCUに作業部を持ち上げる指令を送信して、前記農機の作業部がUターンする時に前記作業領域sに対する作業を停止させるようにする。前記全車コントローラVCUは、前記農機の速度が所定の値まで減速されない場合、前記農機のアクセルペダルモータを設定値まで回転させるように制御して、前記農機に対して減速を行なう。
【0043】
前記全車コントローラVCUは、前記農機の作業部を持ち上げるように制御しつつ、前記農機を制御して転向させて、Uターンを行うようにしてもよい。前記農機のハンドルが設定値まで回動し、且つそれを前記電子制御ユニットECUにフィードバックすると、前記電子制御ユニットECUは、前記全車コントローラVCUに1つの加速指令を与えることができる。前記全車コントローラVCUは、前記農機のハンドルが設定値まで回動していない場合、設定値になるまで前記ハンドルの回動を継続させる。前記電子制御ユニットECUからの指令は、前記全車コントローラVCUに送信される。前記全車コントローラVCUは、前記農機のアクセルペダルモータを設定値まで回転させるように制御して、前記農機が加速してUターンすることを開始するようにする。
【0044】
前記電子制御ユニットECUは、前記農機のリアルタイム位置情報に基づいて、前記農機が現在どの前記作業航路Rにあるかを知ることができる。前記農機が前の前記作業航路Rから次の作業航路Rに入った場合、前記電子制御ユニットECUは、前記全車コントローラVCUに制御指令を送信し、前記全車コントローラVCUにて前記ハンドルを正に戻す。これにより、前記農機は、新たな前記作業航路Rに沿って直進走行することができる。
【0045】
また、前記農機が新たな前記作業航路Rに入った後、前記電子制御ユニットECUは、前記農機の作業部の下部が正常の作業位置に到達するように、前記全車コントローラVCUに指令を下す。なお、前記農機がUターンする時に、前記作業部はUターンを妨害すると、前記作業部が持ち上げられる。例えば、土中を探って、土中作業が必要な作業部は持ち上げられる必要がある。前記作業部がUターン過程の全体に妨害しないのであれば、前記作業部は必ずしも調整する必要はない。また、前記農機の作業部は必ずしも持ち上げる必要がなく、作動が停止されれば、Uターンステップへの妨害を低減できる場合がある点に留意されたい。
【0046】
なお、前記全車コントローラVCUは、前記農機の転向を制御する際に、必ずしも前記農機のハンドルを直接に制御しなく、前記農機の内部の転向システムを制御してもよい。勿論、実際の操作者をシミュレートし、外部機器を介して直接に農機のハンドルを操作してもよい。
【0047】
図8は、本発明の前記農機のUターン方法の1つの具体例を示している。
【0048】
前記農機のUターン方法は、まず、前記端末装置の1つのAPPによってUターンを決定し、その後、前記電子制御ユニットECUに減速指令を送信し、前記全車コントローラVCUが具体的な動作を実行するように実施されてもよい。
【0049】
詳しくは、前記全車コントローラVCUは、前記農機の前記走行ユニットを設定値に達するまで減速させ、且つ前記電子制御ユニットECUにフィードバックする。これに伴い、前記電子制御ユニットECUは、前記全車コントローラVCUにUターン指令を送信する。前記全車コントローラVCUは、前記農機の作業部が持ち上げられるように制御した後、ハンドルが設定値まで回動するようにハンドルの転向を制御してUターンさせる。その後、これを前記電子制御ユニットECUにフィードバックする。前記電子制御ユニットECUは、これに伴い、前記全車コントローラVCUに加速指令を送信する。前記全車コントローラVCUは、前記農機の前記走行ユニットが設定値まで加速するように制御する。この過程では、ハンドルが回動した角度を維持し、作業部は持ち上がったままである。
【0050】
前記電子制御ユニットECUは、前記作業領域sの相関データと前記農機の現在位置とに基づいて前記農機が次の前記作業航路Rに入ったか否かを判断し、そうであればUターンを停止する。前記全車コントローラVCUは、新たな作業航路Rに沿った直進走行を継続するように、前記農機のハンドルを元の位置に戻してもよい。前記農機のハンドルを正に戻した後、前記農機の作業部も制御されて元の位置に戻る。したがって、前記農機は、前記作業領域s内での作業を継続することができる。
【0051】
前記農機は、前記田頭Aの位置でUターンを行うと、次の前記作業航路Rに入った後、新たな前記作業航路Rの田頭Bの位置でUターンを再度行うことが可能となり、これにより、前記作業領域s全体に対する作業が完了できる。
【0052】
注意すべきことは、前記農機のUターン過程における予想される制御速度と転向角度の決定は、それが受信したUターン指令と現時点での前記農機及び前記作業領域sの関連パラメータによって決定され得る。
【0053】
例えば、前記作業領域sの単一の前記作業航路Rの幅がより狭い場合、前記農機は、Uターンする過程においてその転向角度を小さく制御する必要がある。そうでないと、1つの前記作業航路Rを遺漏し易い。例えば、前記農機は、最初に、第1の前記作業航路R内で作業していたが、Uターンする時に回転幅が大きすぎるため、直接に第3の作業航路Rに入り、第1の作業航路Rと第3の作業航路Rとの間に位置する第2の作業航路Rを逃してしまった可能性がある。
【0054】
例えば、前記農機のサイズが大きく、且つ前記農機の走行速度が速ければ、Uターン過程では、前記農機が方向転換時の速度が小さくなるように、前記農機の速度をより良く制御する必要がある。
【0055】
なお、前記作業領域s内の前記作業航路Rは必ずしも直線型ではなく、前記作業航路Rの経路は、必要に応じて選択または設定されてもよく、例えば、曲線型である。
【0056】
図9をさらに参照すると、本発明の別の態様によれば、本発明は、1つの受信ユニット10、1つの処理ユニット20及び1つの制御ユニット30を含む農機の自動Uターンシステム1を提供している。受信ユニット10は、処理ユニット20に通信可能に接続されている。処理ユニット20は、制御ユニット30に通信可能に接続されている。
【0057】
受信ユニット10は、外部情報または農機の内部からの情報を受信するためのものであり、処理ユニット20は、受信ユニット10が受信した情報に基づいて指令を生成する。制御ユニット30は、処理ユニット20が生成した指令に基づいて、前記農機の作業または走行を制御する。
【0058】
詳細には、前記農機がUターンを必要とする場合、受信ユニット10は、Uターン指令を受信し、且つそれを処理ユイット20に伝送する。処理ユニット20は、受信ユニット10により取得された情報(前記Uターン指令、前記農機自身のパラメータ情報及び前記作業領域sのパラメータ情報を含む)に基づいて、一結論を出し、且つ当該結論を制御ユニット30に送信する。前記結論は、前記農機の運行速度及び前記農機のハンドルの転向角度を含む。制御ユニット30は、処理ユニット20が出した結論に基づいて、前記農機がスムーズにUターンして次の前記作業航路に入るように、前記農機を制御する。
【0059】
注意すべきことは、前記農機がUターンする時に、転向角度が大きすぎると、予期せぬ作業航路Rに入る可能性がある一方で、転向角度が小さすぎると、現在の作業航路Rから離れられなくなり、新たな作業航路R内で作業ができなくなる可能性があるので、農機の転向角度をタイムリーに調整する必要がある。
【0060】
本実施形態では、受信ユニット10は、衛星測位システムを介して農機に関する地理位置情報をリアルタイムに受信する。転向過程では、前記農機の運行方向が次の作業航路R内に入らない場合、前記農機は次の作業航路R内に入ることができるように引き続き転向する。
【0061】
さらに、処理ユニット20は、受信ユニット10からのフィードバックをリアルタイムに受信する。処理ユニット20は、まず、制御ユニット30に減速指令を送信し、その後、前記農機が設定値まで減速した後、受信ユニット10はこの状況を処理ユニット20にフィードバックする。続いて、処理ユニット20は、制御ユニット30に転向指令及び作業部の持ち上げ指令を送信する。これにより、前記農機は、制御ユニット30により転向が制御され、且つ転向過程において作業部の持ち上げ状態を維持する。そして、前記農機の転向角度が設定値に達した後、受信ユニット10は、この状況を制御ユニット30にフィードバックする。その結果、前記農機は、制御されて、加速して転向し、且つ次の作業航路Rに進んだ後、受信ユニット10は処理ユニット20にフィードバックする。続いて、処理ユニット20は、前記農機が制御ユニット30により制御されて転向された前記走行ユニットを正に戻すように、正に戻す指令を制御ユニット30に送信する。その後、処理ユニット20は、前記農機が新たな作業航路Rに入った後に作業を再開することができるように、作業指令を制御ユニット30に送信する。
【0062】
さらに、前記農機の自動Uターンシステム1は、作業領域s内の前記農機の走行経路、即ち、前記作業航路Rを計画するための経路計画ユニット40をさらに含む。
【0063】
勿論、経路計画ユニット40は必要ではないが、受信ユニット10は、作業領域sの関連履歴データから、作業領域sに関するパラメータを取得することができる。従って、処理ユニット20は、走行経路を自動的に計画してもよいし、前記作業領域sに関連する履歴データベースから直接に他の農機が前記作業領域s内を走行することによって形成された走行経路を取得しても良い。
【0064】
本実施形態では、受信ユニット10によって情報を受信すると、経路計画ユニット40は、前記作業領域sと前記農機に関する前記作業航路Rを形成する。経路計画ユニット40は、受信ユニット10と処理ユニット20とにそれぞれ通信可能に接続されている。
【0065】
受信ユニット10は、作業員からの少なくとも2つのマーク位置と2つの田頭位置とに関連する情報を受信し、且つ経路計画ユニット40に送信して、経路計画ユニット40にて少なくとも1つの作業航路Rを決定する。そして、前記作業領域s全体の大きさと前記農機の作業範囲とに基づいて前記作業航路Rの幅を決定する。これにより、前記作業領域s内の複数の前記作業航路Rが決定される。勿論、ここでの作業領域s内の複数の前記作業航路Rの決定方法が例示的なものである。前記作業領域s全体の大きさの決定は、直接に衛星測位装置によって決定されてもよく、作業領域sのエッジを一周するように作業員が制御して決定されてもよい。
【0066】
なお、受信ユニット10と処理ユニット20は、前記農機に設けられてもよいし、前記農機から独立して設けられてもよい。例えば、受信ユニット10と処理ユニット20は、それぞれ制御ユニット30とリモート通信接続を維持する。なお、受信ユニット10と処理ユニット20は、前記端末装置に統合されてもよい。作業員は、前記端末装置によって、前記農機に指令を送信することができる。
【0067】
本発明の別の態様によれば、図1図7に示すように、本発明は、前記農機に通信可能に接続されるように構成された端末装置2000を提供している。
【0068】
端末装置2000は、少なくとも受信ユニット10と処理ユニット20とを備えてもよい。受信ユニット10は、前記農機からの情報と作業員からの操作情報を受信する。処理ユニット20は、受信ユニット10が受信した情報に基づいて結論を出し、且つ前記農機の制御ユニット30に送信する。制御ユニット30は、前記農機の走行ユニット、転向ユニット、及び作業部を制御して、前記農機が順調に転向を完了させるように構成されている。
【0069】
端末装置2000は、表示ユニット50を備えてもよい。受信ユニット10及び処理ユニット20は、表示ユニット50に通信可能に接続される。表示ユニット50は、受信ユニット10が受信した情報を表示できるし、処理ユニット20が現時点で下した指令を表示してもよい。
【0070】
なお、端末装置2000は、例えば、携帯電話、タブレットなどのモバイル端末装置であってもよい。端末装置2000は、1つの農機を制御するだけでなく、複数の農機を制御することもできる。そして、前記農機のタイプは、異なっていてもよい。前記農機は、草刈り機、種まき機、田植え機や散薬機などであるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
本発明の別の態様によれば、図1図7及び図9図10に示すように、本発明は、前記自動Uターンシステム1を持つ農機1000を提供する。農機1000は、農機本体2と自動Uターンシステム1とを備える。ここで、自動Uターンシステム1は、農機本体2にインストールされている。農機本体2は、走行ユニット100、駆動ユニット200、転向ユニット300、制御ユニット30及び作業部400を含む。走行ユニット100は、駆動ユニット200、転向ユニット300、制御ユニット30及び作業部400を動かして移動させるためのものである。駆動ユニット200は、走行ユニット100、転向ユニット300及び作業部400を駆動するために用いられる。走行ユニット100、駆動ユニット200、転向ユニット300及び作業部400は、制御ユニット30に制御可能に接続される。
【0072】
自動Uターンシステム1は、受信ユニット10と、処理ユニット20と、制御ユニット30とを備えていてもよい。受信ユニット10は、農機1000からの外部情報と、農機1000の内部情報を受信するために用いられる。処理ユニット20は、受信ユニット10が取得した情報に基づいて、農機の運行速度及び転向角度を含む結論を生成する。制御ユニット30は、処理ユニット20により生成された前記結論に基づいて、農機1000が前記作業領域sの現在の作業航路Rの末端で転向して、次の作業航路Rに移動するように、農機1000の走行ユニット100及び転向ユニット300を制御する。
【0073】
受信ユニット10がUターンを確定した指令を受信すると、処理ユニット20は、まず、制御ユニット30に減速指令を送信して、前記農機の速度を設定値まで減速させる。次に、制御ユニット30に転向指令を送信して、前記農機の走行方向を設定された向きに変更するように構成される。農機1000が制御ユニット30により転向が制御されると、処理ユニット20は、制御ユニット30に加速指令を送信して、農機1000の転向を加速するように構成される。
【0074】
なお、前の作業航路Rと後の作業航路Rは必ずしも互いに隣接しているとは限らない。両者の間は、間隔があいていてもよい。例えば、前記作業領域sには、全部で5行ある。第1行、第3行、及び第5行には既に植物が植えられており、現在は第2行と第4行に対して作業が必要であり、前の作業航路Rである第2行と後の作業航路Rである第4行とは互いに間隔をあけている。農機1000は、自動Uターンシステム1の指導の下で、第二行から第四行へのUターンを完了することができる。
【0075】
上記の説明及び図面に示された本発明の実施例は、本発明を限定するものではなく、例としてのみ用いられることを当業者は理解すべきである。本発明の目的は、完全かつ効果的に実現されている。本発明の機能及び構造原理は、実施形態において示され、説明されており、本発明の実施形態は、上記の原理から逸脱することなく、任意の変形または変更があってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10