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特開2022-54440フィルム廃棄物を再処理する方法及び再処理設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054440
(43)【公開日】2022-04-06
(54)【発明の名称】フィルム廃棄物を再処理する方法及び再処理設備
(51)【国際特許分類】
   C08J 11/06 20060101AFI20220330BHJP
   B29B 7/46 20060101ALI20220330BHJP
   B29B 7/66 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
C08J11/06
B29B7/46 ZAB
B29B7/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021152126
(22)【出願日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】20198472
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】501164665
【氏名又は名称】コペリオン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】マリーナ マッタ
(72)【発明者】
【氏名】ヨッヘン ショーファー
(72)【発明者】
【氏名】レオニート リバー
【テーマコード(参考)】
4F201
4F401
【Fターム(参考)】
4F201AA50
4F201AC01
4F201AL16
4F201AR06
4F201AR12
4F201AR15
4F201BA01
4F201BA02
4F201BC01
4F201BC02
4F201BC03
4F201BC12
4F201BC17
4F201BC26
4F201BD05
4F201BK13
4F201BK26
4F201BK36
4F201BK42
4F201BK46
4F201BK80
4F201BP11
4F201BP26
4F201BP31
4F201BQ16
4F401AA09
4F401AA15
4F401AA24
4F401AD07
4F401BA13
4F401CA14
4F401CA25
4F401CA59
4F401CB28
4F401CB34
4F401FA01Z
4F401FA06Z
4F401FA08Z
(57)【要約】
【課題】簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい、フィルム廃棄物を再処理する方法を創出する。
【解決手段】フィルム廃棄物(M)を再処理する方法において、フィルム廃棄物(M)は粉砕装置(4)によってリサイクル材料(M)に粉砕される。リサイクル材料(M)は供給装置(5)によって多軸スクリュー機械(6)に供給される。多軸スクリュー機械(6)では、リサイクル材料(M)は材料溶解物(M)に可塑化され、原材料(R)に加工される。原材料(R)は再び、フィルムの製造のために製造設備に供給され得る。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム廃棄物を再処理する方法であって、以下のステップ:
-フィルム廃棄物(M)を提供し、
-前記フィルム廃棄物(M)を粉砕装置(4)によってリサイクル材料(M)に粉砕し、
-前記リサイクル材料(M)を供給装置(5)によって多軸スクリュー機械(6)に供給し、
-前記リサイクル材料(M)を前記多軸スクリュー機械(6)によって材料溶解物(M)に可塑化し、及び
-前記材料溶解物(M)を前記多軸スクリュー機械(6)によって原材料(R)に加工する、ステップを有する方法。
【請求項2】
前記粉砕が温度Tで行われ、ここでT≦100℃、特にT≦90℃、特にT≦80℃、特にT≦70℃である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リサイクル材料(M)はかさ密度ρを有し、ここで10g/dm≦ρ≦300g/dm、特に15g/dm≦ρ≦250g/dm、特に20g/dm≦ρ≦200g/dmである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記リサイクル材料(M)は篩(77)によって篩に掛けられ、
前記篩(77)は特に篩サイズSを有し、ここで1mm≦S≦50mm、特に5mm≦S≦35mm、特に10mm≦S≦20mmである、ことを特徴とする請求項1~3の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項5】
前記供給装置(5)は搬送装置(13)を有する、ことを特徴とする請求項1~4の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項6】
前記供給装置(5)は計量装置(14)を有する、ことを特徴とする請求項1~5の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項7】
前記供給装置(5)は供給スクリュー機械(15)を有する、ことを特徴とする請求項1~6の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項8】
前記供給スクリュー機械(15)は自由断面積(A)を有し、前記多軸スクリュー機械(6)は自由断面積(A)を有し、ここでA>A、特に1.3≧A/A≧5、特に1.5≧A/A≧4、特に1.7≧A/A≧3.5、及び特に1.8≧A/A≧3である、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記供給スクリュー機械(15)はスクリュー外径(Da1)を有し、前記多軸スクリュー機械(6)はスクリュー外径(Da2)を有し、ここでDa1≧Da2、特に1.05≧Da1/Da2≧1.9、特に1.1≧Da1/Da2≧1.7、特に1.15≧Da1/Da2≧1.5である、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記供給スクリュー機械(15)はスクリュー外径(Da1)及びスクリュー内径(Di1)を有し、ここでDa1/Di1≧1.7、特にDa1/Di1≧1.8、特にDa1/Di1≧1.9である、ことを特徴とする請求項7~9の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項11】
前記供給装置(5)は前記リサイクル材料(M)を圧縮するための吸引装置(16)を有する、ことを特徴とする請求項1~10の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項12】
前記多軸スクリュー機械(6)において前記材料溶解物(M)の脱気を行う、ことを特徴とする請求項1~11の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項13】
前記リサイクル材料(M)は前記多軸スクリュー機械(6)において平均滞留時間tを有し、ここで15s≧t≧90s、特に20s≧t≧70s、特に25s≧t≧50sである、ことを特徴とする請求項1~12の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項14】
フィルタリング装置(7)により前記原材料(R)をフィルタリングする、ことを特徴とする請求項1~13の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項15】
フィルム廃棄物を再処理する再処理設備であって、
-前記フィルム廃棄物(M)をリサイクル材料(M)に粉砕する粉砕装置(4)、
-前記リサイクル材料(M)を供給する供給装置(5)、及び
-前記リサイクル材料(M)を材料溶解物(M)に可塑化して、前記材料溶解物(M)を原材料(R)に加工する多軸スクリュー機械(6)、を有する再処理設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は欧州特許出願EP20198472.1の優先権を主張し、これによりその内容は参照によって組み込まれる。
【0002】
本発明は、フィルム廃棄物(フィルム屑材料)を再処理する方法及び再処理設備に関する。
【背景技術】
【0003】
フィルムの製造は、販売するのに適さない廃棄物を生成する。このフィルム廃棄物は高価な方法で処分しなければならず、それは環境を汚染し、処分コストをもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE102013208993A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい、フィルム廃棄物を再処理する方法を創出するという目的に基づく。特に、フィルム廃棄物は100%リサイクルされ、それで廃棄物ゼロ生成が可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は請求項1の特徴を有する方法によって達成される。フィルム廃棄物は、粉砕装置によりリサイクル材料に裁断される。フィルム廃棄物はフィルムの製造によって生じる。製造されたフィルムは、少なくとも1つの層、好ましくは複数の層を有する。例えば、フィルムは複合フィルムとして形成される。特に、フィルムは少なくとも1つのポリマー材料、好ましくは複数のポリマー材料を有する。例えば、フィルム廃棄物は、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)及び/又はエチレンビニールアルコール共重合体(EVOH)を有する。粉砕装置は、例えばシュレッダーとして構成される。特に、粉砕装置は少なくとも1つのカッター、好ましくは複数のカッターを有する。少なくとも1つのカッター又は複数のカッターは特に回転駆動される。好ましくは、複数のカッターは反対方向に回転駆動される。
【0007】
リサイクル材料は次に、供給装置によって多軸スクリュー機械に送られる。多軸スクリュー機械は特に共回転(同速回転)2軸スクリュー機械として設計される。多軸スクリュー機械は、そこに形成された複数のハウジング穴を有するハウジングを有する。複数の処理要素軸がハウジング穴に配置されている。処理要素軸は関連する回転軸の周りに回転駆動できる。処理要素軸は特に同じ方向に、すなわち同じ回転方向に回転駆動できるように、及び/又はしっかり噛み合うように設計されている。処理要素軸は、分岐ギヤを介して駆動モータにより回転駆動される。多軸スクリュー機械はスクリュー外径Da2及びスクリュー内径Di2を有し、好ましくはDa2/Di2≧1.5、特にDa2/Di2≧1.55、特にDa2/Di2≧1.6である。特に、1.5≦Da2/Di2≦1.9が当てはまる。
【0008】
リサイクル材料は、多軸スクリュー機械によって溶解材料に可塑化される。その後、溶解材料は多軸スクリュー機械によって加工される。可塑化及び/又は加工は、特に混合、溶解、均質化及び/又は脱気(ガス抜き)のステップを有する。少なくとも1つの添加剤が多軸スクリュー機械に供給され得る。好ましくは、少なくとも1つの添加剤は可塑化中及び/又は加工中に溶解材料に混合される。少なくとも1つの添加剤は特に、タルク、充填材、バージン材料、安定剤、例えば抗酸化物質及び/又は紫外線安定剤、着色剤及び/又はバスターバッチを有する。少なくとも1つの添加剤は、特に計量装置及び/又は供給スクリュー機械により供給される。供給スクリュー機械は例えばサイド供給スクリュー機械として設計される。サイド供給スクリュー機械は特に2軸で設計される。好ましくは、供給スクリュー機械のスクリュー外径は多軸スクリュー機械のスクリュー外径に最大限でも(せいぜい)等しい。加工から生じる原材料はフィルムの製造のために再利用できる。例えば、原材料は、顆粒化されて顆粒として及び/又は直接、フィルム製造設備に供給される。
【0009】
特に、フィルム廃棄物を再処理する方法は循環方法又は閉ループ方法の一部である。閉ループ方法は好ましくは、以下のステップを有する。
-原材料をフィルム製造設備に供給する、
-フィルムの製造及びフィルム廃棄物の関連する生成、
-本発明に従うフィルム廃棄物の再処理、及び
-加工した原材料をフィルム製造設備に供給する。
【0010】
加工のために、加工される原材料の100%まで、特に20%~80%の割合、及び特に40%~60%の割合がフィルムの製造に供給され得る。再処理される原材料の割合はフィルムの製造において調節できる。ポリエチレンのポリアミドに対する割合は制御できる。高価なポリアミドの使用は減少され得る。再処理される原材料の品質は高く、再処理される原材料は多数の製品で使用できるので、再処理される原材料(リサイクレート)は柔軟に使用できる。
【0011】
請求項2に従う方法は、簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい再処理を保証する。粉砕が多くても温度Tで生じるという事実のために、フィルム廃棄物の溶解及び/又は劣化が避けられる。温度Tは特に、フィルム廃棄物の溶解温度及び/又は劣化温度より低い。好ましくは、フィルム廃棄物は粉砕の前に及び/又は粉砕中に冷却される。好ましくは、フィルム廃棄物は粉砕装置内で冷却される。粉砕装置は例えば、そこに配置されたカッターを備えた冷却ローラ又は冷却シャフトを有する。
【0012】
請求項3に従う方法は、簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい再処理を保証する。かさ密度ρは、リサイクル材料の簡単な更なる加工を可能にする。リサイクル材料は特にフレーク、破片・断片及び/又はペレットとして形成される。
【0013】
請求項4に従う方法は、簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい再処理を保証する。篩サイズSはリサイクル材料の簡単な更なる加工を保証する。篩サイズSは篩の網目サイズの特性を示す。特に、篩は粉砕装置に一体化されている。粉砕装置は好ましくは、篩を通過しなかったリサイクル材料の再粉砕のための再循環システムを有する。
【0014】
請求項5に従う方法は、簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい再処理を保証する。搬送装置はリサイクル材料を粉砕装置から多軸スクリュー機械に搬送する。搬送装置は好ましくは、空気圧であるように構成されている。特に、搬送装置は搬送ライン及び/又は気流生成装置、例えばブロワーを有する。好ましくは、搬送装置はリサイクル材料を粉砕装置から計測装置に搬送する機能を有する。この目的のために、特に搬送ラインは粉砕装置から計測装置に延びる。
【0015】
請求項6に従う方法は、簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい再処理を保証する。計測装置は、多軸スクリュー機械への後続の供給のためにリサイクル材料の正確な計測を可能にする。計測装置は重量測定であるように又は体積測定であるように設計されている。重量測定による計測装置は特に計量機(weighing machine)、好ましくはベルト計量機(belt weigher)を有する。重量測定による計測装置は、フワフワした又は軽くてフワフワしたリサイクル材料を計量するのに特に適している。計測装置は特に供給スクリュー機械に開口している。
【0016】
請求項7に従う方法は、簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい再処理を保証する。供給スクリュー機械は、リサイクル材料を簡単に多軸スクリュー機械に供給することができる。特に、供給スクリュー機械はサイド供給スクリュー機械として構成されている。サイド供給スクリュー機械は多軸スクリュー機械に連結しており、多軸スクリュー機械に横に開口している。
【0017】
供給スクリュー機械は、少なくとも2つのハウジング穴が形成されたハウジングを有する。スクリュー軸がハウジング穴の各々に配置されており、それでそれは回転軸の周りに回転駆動できる。スクリュー軸は特に同じ方向に回転駆動できる。スクリュー軸は駆動モータ及び分岐ギヤによって駆動される。スクリュー軸は軸断面で見て円錐形であってもよい。さらに、スクリュー軸は断面で見て箱プロフィール及び/又はスラストエッジプロフィールを有してもよい。特に、供給スクリュー機械は2軸設計である。
【0018】
請求項8に従う方法は、簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい再処理を保証する。供給スクリュー機械の自由断面積(自由断面領域)Aが多軸スクリュー機械の自由断面積Aより大きい事実のため、リサイクル材料は簡単に多軸スクリュー機械に供給され得る。自由断面積は一般に、ハウジング又はハウジング内壁と処理要素軸又はスクリュー軸の間の自由領域(空き領域)として定められる。
【0019】
請求項9に従う方法は、簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい再処理を保証する。供給スクリュー機械のスクリュー外径Da1が多軸スクリュー機械のスクリュー外形Da2と少なくとも同じ大きさである事実のため、リサイクル材料の多軸スクリュー機械への簡単な供給が可能になる。Da1/Da2が大きいほど、特に供給スクリュー機械の自由断面積Aの、多軸スクリュー機械の自由断面積Aに対する比が大きくなる。
【0020】
請求項10に従う方法は、簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい再処理を保証する。Da1/Di1が大きいほど、供給スクリュー機械の自由断面積Aが大きくなる。大きめのDa1/Di1はリサイクル材料の供給を簡単化する。特に、以下が当てはまる:2.0≦Da1/Di1≦2.9。
【0021】
請求項11に従う方法は、簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい再処理を保証する。吸引装置のために、軽いフワフワしたリサイクル材料は圧縮される。吸引装置は特に供給スクリュー機械に連結している。吸引装置は特に真空ポンプ及び少なくとも1つのフィルタを有する。少なくとも1つのフィルタは、供給スクリュー機械のハウジング穴と真空ポンプの間に配置されており、それにより空気がリサイクル材料から吸い出され、圧縮されたリサイクル材料は供給スクリュー機械又はハウジング穴に留まる。好ましくは、少なくとも1つのフィルタはフィルタインサートとして設計され、供給スクリュー機械のハウジング内に配置されている。
【0022】
請求項12に従う方法は、簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい再処理を保証する。脱気が、可塑化中及び/又は加工中及び/又は排出中に行われる。特に、脱気は可塑化後に、均質化中及び/又は調合中及び/又は加工中及び/又は排出中に行われる。脱気のために、好ましくは共留剤(entraining agent)、例えば水が使用される。脱気は脱気装置、特に真空脱気装置により実行される。脱気は絶対圧力pで行われ、1mbar≦p≦100mbar、特に1mbar≦p≦20mbarである。脱気装置は好ましくは、真空ポンプ及び/又はセパレーター(分離器)を有する。セパレーターは特に冷却される。セパレーターは好ましくは、エチレンビニールアルコール共重合体に分ける及び/又は水に分ける機能を有する。
【0023】
請求項13に従う方法は、簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい再処理を保証する。多軸スクリュー機械におけるリサイクル材料又は溶解材料又は加工された原材料の短い平均滞留時間tのために、リサイクル材料又は溶解材料又は原材料の劣化が避けられ、それで原材料は最高の品質基準を有するフィルムの製造を可能にする。平均滞留時間は例えば色インジケーター(変色指示薬)により決定され得る。
【0024】
請求項14に従う方法は、簡単で、コスト効率が高く、環境に優しい再処理を保証する。フィルタリング(濾過)は原材料の高品質及び/又は均質を保証する。好ましくは、フィルタリングは少なくとも1つの溶解物フィルタにより実施される。好ましくは、フィルタリング装置は少なくとも2つの溶解物フィルタを備えた篩チェンジャーとして設計される。
【0025】
本発明は、フィルム廃棄物を簡単に、コスト効率が高く、環境に優しく再処理する再処理設備を創出するという目的にさらに基づく。
【0026】
この目的は、請求項15の特徴を有する再処理設備によって達成される。本発明に従う再処理設備の利点は、既に記載した本発明に従う方法の利点に一致する。再処理設備は特に、請求項1~14と関連して記載した少なくとも1つの特徴及び本発明に従う方法によってさらに発展させることもできる。
【0027】
再処理設備は好ましくは閉ループ製造設備の一部である。閉ループ製造設備は、フィルム製造設備と本発明に従う再処理設備を有する。フィルム製造設備で生成されるフィルム廃棄物は再処理設備に送られる。再処理設備で作られる原材料は、必要に応じて更なる原材料(バージン材料)と共にフィルム製造設備に供給される。
【0028】
本発明の更なる特徴、利点及び詳細は実施形態の以下の記載から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】フィルム製造設備とフィルム廃棄物を再処理する再処理設備を有する閉ループ製造設備の概略図を示す図である。
図2】粉砕装置、供給装置、多軸スクリュー機械及びフィルタリング装置を備えた再処理設備の概略部分断面図である。
図3】供給装置の供給スクリュー機械、多軸スクリュー機械及びフィルタリング装置を備えた再処理設備の概略部分断面平面図である。
図4図3における切断線IV-IVに沿う供給スクリュー機械を通る断面図である。
図5】吸引装置を示す供給スクリュー機械の部分断面側面図である。
図6図3における切断線VI-VIに沿う多軸スクリュー機械を通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
閉ループ製造設備1は、フィルム製造設備2と再処理設備3を有する。フィルム製造設備2は、非再処理の原材料R(バージン材料)から及び加工された原材料RからフィルムFを製造するために使用される。フィルム製造設備2は通常の方法で設計されている。フィルムFの製造中に生じるフィルム廃棄物Mは再処理設備3に供給される。再処理設備3は、フィルム廃棄物Mを原材料Rに再処理するよう機能する。原材料Rは、原材料Rと共に、フィルム製造設備2に比例的に供給される。
【0031】
再処理設備3は、粉砕装置4、供給装置5、多軸スクリュー機械6及びフィルタリング装置7を有する。
【0032】
粉砕装置4は、フィルム廃棄物Mをリサイクル材料Mに粉砕する機能を有する。粉砕装置4はハウジング8を有し、ハウジング内にはそこに配置されたカッター10を有する2つのローラ9,9’が回転軸周りに回転可能に設置されている。ローラ9,9’は、駆動モータ(あまり詳細には示さない)により反対の回転方向に回転駆動される。フィルム廃棄物Mを供給するための供給開口11がハウジング8内に形成されている。供給開口11は、フィルム廃棄物Mを供給するためにフィルム製造設備2に接続できる。排出開口12がハウジング8にさらに形成されており、それを介してリサイクル材料Mが供給装置5に供給される。粉砕装置4は例えばシュレッダーとして構成されている。
【0033】
粉砕装置4は篩77を有する。篩77はハウジング8に一体化されている。篩77は、ローラ9,9’と排出開口12の間に配されている。篩は篩サイズSを有し、1mm≦S≦50mm、特に5mm≦S≦35mm、特に10mm≦S≦20mmである。振動を生成するために、篩77はより詳細には示さない振動機構に結合されている。篩77を通過しなかったリサイクル材料Mを戻すために、粉砕装置4は再循環システム78を有する。再循環システム78により、篩77を通過せず篩77上に残ったリサイクル材料Mはローラ9,9’の前に搬送して戻され、それでこのリサイクル材料Mが再粉砕される。再循環は例えば空気圧により実行される。
【0034】
供給装置5は、空気圧搬送装置13、重量測定による計量装置14、供給スクリュー機械15及び吸引装置16を有する。
【0035】
空気圧搬送装置13は、排出開口12が開口している搬送ライン17を有する。搬送ライン17は気流生成装置18に接続している。気流生成装置18は例えばブロワーである。気流生成装置18は、リサイクル材料Mを粉砕装置4から重量測定による計量装置14に空気圧により搬送するために搬送ライン17内で気流Lを生成する。
【0036】
重量測定による計量装置14は、供給開口20が形成されているハウジング19を有する。搬送ライン17は供給開口20に開口している。ベルト計量機21がハウジング19内に配置されている。ベルト計量機21は、リサイクル材料Mの計量及び供給スクリュー機械15への計量供給のために機能する。この目的のために、排出開口12がハウジング19に形成されている。
【0037】
供給スクリュー機械15はサイド供給スクリュー機械として設計されている。供給スクリュー機械15は、2つの相互貫入したハウジング穴24,24’が形成されているハウジング23を有する。断面では、ハウジング穴24,24’は水平な8の字の形状を有する。ハウジング穴24,24’では、関連するスクリュー軸25,25’が回転軸26,26’周りに回転可能に配置されている。スクリュー軸25,25’を回転駆動させるために、供給スクリュー機械15は駆動モータ27及び分岐ギヤ28を有する。リサイクル材料Mを供給するために、供給スクリュー機械15は、ハウジング23内に形成された供給開口30に開口するホッパー29を有する。スクリュー軸25,25’は、駆動モータ27及び分岐ギヤ28によって同じ回転方向に回転駆動される。
【0038】
スクリュー軸25,25’は、スクリュー外径Da1及びスクリュー内径Di1を有し、ここでDa1/Di1≧1.7、特にDa1/Di1≧1.8、特にDa1/Di1≧1.9である。スクリュー軸25,25’は断面で見たとき箱型プロフィールを有する。箱型プロフィールは図4に示されている。箱型プロフィールは、供給スクリュー機械15の自由断面積Aを増加させる。自由断面積Aは、ハウジング23とスクリュー軸25,25’の間の断面領域である。自由断面積A図4に示されている。
【0039】
吸引装置16はリサイクル材料Mをコンパクトにする(圧縮する)よう機能する。吸引装置16はフィルタインサート31及び真空ポンプ32を有する。真空ポンプ32はフィルタインサート31に接続している。フィルタインサート31は、フレーム型基体及びそこに配置された少なくとも1つのフィルタエレメントを有する。フィルタインサート31は例えば特許文献1に従って形成される。フィルタインサート31はハウジング23の貫通孔33に配置されている。真空ポンプ32は、フィルタインサート31を介してハウジング穴24,24’と流れ接続している。結局、ハウジング穴24,24’から空気を排出し又はハウジング穴24,24’に通気孔を付けることが可能である。
【0040】
多軸スクリュー機械6は、リサイクル材料Mを材料溶解物Mに可塑化して材料溶解物Mを原材料Rに加工する機能を有する。多軸スクリュー機械6は、共回転する2軸スクリュー機械として設計されている。多軸スクリュー機械6は、連続して配置された複数のハウジング部分35~43で形成されたハウジング34を有する。ハウジングセクション35~43は互いに接続して、ハウジング34を形成する。2つのハウジング穴44,44’が、互いに平行であって互いに入り込むようにハウジング34内に形成されており、それらは断面が水平な8の字の形状を有する。ハウジング穴44,44’に同軸に配置されているのが、関連する回転軸47,47’の周りに駆動モータ46によって回転駆動される2つの処理要素軸45,45’である。分岐ギヤ48及び連結部(継手)49が、処理要素軸45,45’と駆動モータ46の間に配置されている。処理要素軸45,45’は駆動モータ46によって回転軸47,47’の周りに同じ方向に、すなわち同じ回転方向に駆動される。
【0041】
多軸スクリュー機械6は、搬送方向50に順に、スクリュー機械は、取り込み領域51、可塑化領域52、均質化領域53、供給領域54、混合領域55及び排出領域56を有する。
【0042】
取り込み領域51では、ハウジング部分36は側面に供給開口57を有する。供給開口57は、断面が水平な8の字の形状を有する。供給スクリュー機械15はハウジング34に横に接続しており、それでスクリュー軸25,25’は供給開口57に開口している(通じている)。通気口58が、リサイクル材料Mのより容易な供給のためにハウジングセクション35に形成されている。取り込み領域51では、処理要素軸45,45’は、関連する軸60,60’に回転しないように固定して配置された、リサイクル材料Mを運ぶ機能を有するスクリュー要素59,59’を有する。
【0043】
可塑化領域52では、リサイクル材料Mが溶かされる。溶解のために、混練要素61,61’が、可塑化領域52における軸60,60’に回転しないように固定して配置されている。混練要素61,61’は混練円盤として設計されている。好ましくは、混練ブロックが可塑化領域52における軸60,60’に配置され、それらは互いに一体的に形成された複数の混練円盤を有する。可塑化領域52では、リサイクル材料が溶かされて材料溶解物Mを形成する。
【0044】
均質化領域53では、材料溶解物Mは均質化され、脱気される。均質化領域53では、混練要素62,62’が、軸60,60’に回転固定の態様で配置されている。混練要素62,62’は特に混練円盤として設計されている。好ましくは、混練ブロックが均質化領域53に配置され、それらは一体的に互いに接続した複数の混練円盤から形成されている。
【0045】
添加物Aは供給領域54に供給される。この目的のために、供給開口67がハウジング部分39に形成されており、そこに供給ホッパー68が通じている。添加物Aは例えば、より詳細には示さない重量測定による計測装置を介して供給ホッパー68に、及び/又はより詳細には示さない供給スクリュー機械を介して多軸スクリュー機械6に供給される。供給領域54では、スクリュー要素69,69’が軸60,60’に回転固定の態様で配置されている。
【0046】
混合領域55では、添加物Aは溶かされ、材料溶解物Mに混ぜられ、混合物は均質化されて原材料Rになる。混合領域55では、混練要素70,70’が軸60,60’に回転固定の態様で配置されている。混練要素70,70’は好ましくは混練円盤として設計されている。混合領域55では、例えば互いに一体化して接続した混練円盤から形成された混練ブロックが配置されている。
【0047】
排出領域56では、原材料Rを排出するために、スクリュー要素71,71’が軸60,60’に回転固定の態様で配置されている。脱気開口63がハウジング部分42に形成されている。脱気開口63は真空脱気装置64に接続しており、それで原材料Rは真空脱気装置64によって脱気開口63を介して脱気される。真空脱気装置64は、セパレーター66を介して脱気開口63に接続した真空ポンプ65を有する。セパレーター66は冷却システムによって冷却される。ハウジング34を閉鎖する、排出開口73を形成するノズル板72が最後のハウジング部分43に配置されている。
【0048】
多軸スクリュー機械6の処理要素軸45,45’は、スクリュー外径Da2及びスクリュー内径Di2を有する。多軸スクリュー機械6は自由断面積Aを有する。自由断面積Aは、ハウジング34と処理要素軸45,45’の間の自由領域(空き領域)である。自由断面積A図6に示されている。
【0049】
自由断面積A及びAに対して、A>A、特に1.3≧A/A≧5、特に1.5≧A/A≧4、特に1.7≧A/A≧3.5、及び特に1.8≧A/A≧3である。
【0050】
スクリュー外径Da1及びDa2に対して、Da1≧Da2、特に1.05≧Da1/Da2≧1.9、特に1.1≧Da1/Da2≧1.7、特に1.15≧Da1/Da2≧1.5である。
【0051】
フィルタリング装置7は多軸スクリュー機械6に接続しており、また排出開口73に接続している。フィルタリング装置7は篩チェンジャーとして設計されている。フィルタリング装置7は、ハウジング75内に移動可能に配置された2つの溶解物フィルタ74,74’を有する。フィルタリングされた原材料Rは排出ライン76を介してフィルム製造設備2に供給される。
【0052】
以下では、フィルム廃棄物Mの再処理を記載する。
【0053】
フィルム製造設備2によるフィルムFの製造の間、フィルム廃棄物Mが発生する。フィルム廃棄物Mは粉砕装置4によって粉砕されて、リサイクル材料Mが形成される。逆回転駆動されるローラ9,9’のカッター10がフィルム廃棄物Mを裁断する。リサイクル材料Mは破片・断片、フレーク及び/又はペレットとして存在する。リサイクル材料Mはかさ密度ρを有し、ここで10g/dm≦ρ≦300g/dm、特に15g/dm≦ρ≦250g/dm、特に20g/dm≦ρ≦200g/dmである。
【0054】
粉砕は温度Tで行われ、ここでT≦100℃、特にT≦90℃、特にT≦80℃、特にT≦70℃である。必要ならば、粉砕装置4又はフィルム廃棄物Mは冷却される。温度Tはフィルム廃棄物Mの劣化を防止する。温度Tはフィルム廃棄物Mの溶解温度及び/又は劣化温度以下である。
【0055】
粉砕後に、リサイクル材料Mは篩77によって篩に掛けられる。篩77上に残ったリサイクル材料Mは、再循環システム78によってローラ9,9’の前に搬送して戻され、再粉砕される。
【0056】
次いで、リサイクル材料Mは、空気圧搬送装置13により粉砕装置4から重量測定による計量装置14に搬送される。重量測定による計量装置14では、リサイクル材料Mはベルト計量機21によって重さを量られ、所望の投与量でホッパー29を介して供給スクリュー機械15に供給される。
【0057】
吸引装置16により、リサイクル材料Mはハウジング穴24,24’に押し込まれる又は圧縮される。この目的のために、真空ポンプ32によって空気がフィルタインサート31を介してハウジング穴24,24’から除去される。スクリュー軸25,25’によって、圧縮されたリサイクル材料Mは供給開口57を介して多軸スクリュー機械6のハウジング穴44,44’に供給される。スクリュー軸25,25’の箱型プロフィールのために、供給スクリュー機械15は比較的大きな自由断面積Aを有する。結局、圧縮されたリサイクル材料Mは比較的大きな処理量(スループット)で多軸スクリュー機械6に供給され得る。
【0058】
圧縮されたリサイクル材料Mは、取り込み領域51において多軸スクリュー機械6のハウジング穴44,44’に入る。添加物Aが取り込み領域51に供給されてもよい。リサイクル材料Mは搬送方向50に可塑化領域52に搬送される。リサイクル材料Mから漏れる空気は通気口58を通って排出され得る。
【0059】
可塑化領域52では、リサイクル材料Mは混練要素61,61’によって溶かされ、材料溶解物Mは後続の均質化領域53において均質化される。
【0060】
供給領域54では、添加物Aが供給開口67を介して材料溶解物Mに供給される。添加物Aは例えばタルク、充填材、バージン材料、安定剤、着色剤及び/又はバスターバッチである。したがって、原材料R(バージン材料)が添加物Aとして供給され得る。
【0061】
混合領域55では、添加物Aが溶かされ、材料溶解物Mに混ぜられ、混合物が均質化される。
【0062】
材料溶解物M又は結果生じる原材料Rから漏れるガスは、真空脱気装置64によって排出される。脱気は1mbar~100mbarの絶対圧力で行われる。排出されたガスはセパレーター66を通過する。セパレーター66は冷却される。エチレンビニールアルコール共重合体(EVOH)及び/又は水がセパレーター66で分離される。より効率的な脱気のために、共留剤がハウジング穴44,44’に供給され得る。例えば、水が共留剤として供給され得る。必要ならば、添加物Aが供給される前に材料溶解物Mが脱気されてもよい。脱気は、真空脱気装置64に対応する真空脱気装置によって実行されてもよい。
【0063】
生じる原材料Rは次に、排出領域56を介して排出開口73を通って多軸スクリュー機械6から排出される。
【0064】
リサイクル材料M又は材料溶解物M又は原材料Rは、供給開口57から排出開口73まで多軸スクリュー機械6における平均滞留時間tを有する。以下の式が平均滞留時間tに当てはまる:15s≧t≧90s、特に20s≧t≧70s、特に25s≧t≧50s。排出される原材料Rは次にフィルタリング装置7によってフィルタリングされる。この目的のために、原材料Rは溶解物フィルタ74を通過しなければならない。溶解物フィルタ74を通過することで、原材料Rの均質化が改善される。
【0065】
フィルタリングされた原材料Rは顆粒化されて顆粒として又は直接、フィルム製造設備2に供給される。加えて、再処理されなかった原材料Rはフィルム製造設備2に供給される。
【0066】
したがって、フィルム製造設備2及び再処理設備3は閉ループにおいて閉ループ製造設備1として稼働される。再処理設備3によって、フィルム廃棄物Mの好ましくは少なくとも60%、特に少なくとも80%、特に少なくとも99%が再処理される。これは本質的にフィルムFの廃棄物ゼロ生成を保証する。
【0067】
一般に、以下のことが当てはまる。
閉ループ製造設備1及び/又はフィルム製造設備2及び/又は再処理設備3は、フィルムFの製造を制御するための、及び/又は、フィルム廃棄物Mを再処理するための制御装置を有する。フィルム廃棄物Mを再処理するための本発明に従う方法が制御装置によって実行され得るように、制御装置は設計される。
【符号の説明】
【0068】
4 粉砕装置
5 供給装置
6 多軸スクリュー機械
フィルム廃棄物
リサイクル材料
材料溶解物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】