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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054451
(43)【公開日】2022-04-06
(54)【発明の名称】ロータリバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/04 20060101AFI20220330BHJP
【FI】
F16K27/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155607
(22)【出願日】2021-09-24
(31)【優先権主張番号】2026544
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(71)【出願人】
【識別番号】521419248
【氏名又は名称】デーエムエン マシーネファブリーク ノールトウェイカーハウト ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カフェ、マキシミリアーン
(72)【発明者】
【氏名】フェルベート、バスティアーン
(72)【発明者】
【氏名】ファン リームプト、ゲーハードゥス ヨハネス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ペッケルセン、マティス フランツ
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051AA03
3H051BB02
3H051CC11
3H051CC13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロータリバルブのロータのシャフトの支持に関し、内周側および外周側のベアリング調整リングを必要としない解決策を提供する。
【解決手段】取り外し式のハウジングカバー3を備えたハウジング2と、ハウジング2内のロータ4とを備える。ロータ4は、ロータリバルブ1の清掃と検査とのためにアクセスできるようにハウジングカバー3をハウジング2から取り外して移動させることで、少なくとも部分的にハウジング2の外側に配置される。ロータ4のシャフト6の端部5が、ハウジングカバー3に支持されたベアリングアセンブリ7に装着される。ベアリングアセンブリ7のベアリング11、12は、シャフト6の長手方向を横切る方向に互いに移動可能で、ハウジングカバー3がハウジング2から離れるように移動するときに、ロータ4のシャフト6がハウジング2に対し水平方向となるように位置を調整可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能なハウジングカバー(3)を備えたハウジング(2)と、ハウジング(2)内のロータ(4)とを備え、ロータ(4)は、ロータリバルブ(1)の内部にアクセスできるようにハウジングカバー(3)をハウジング(2)から取り外して移動させることによって、少なくとも部分的にハウジング(2)の外側に配置可能とされ、ロータ(4)のシャフト(6)の端部(5)が、ハウジングカバー(3)に支持されたベアリングアセンブリ(7)に装着されており、ベアリングアセンブリ(7)は第1のベアリング(11)と第2のベアリング(12)とを含み、これらのベアリング(11)(12)は、ハウジングカバー(3)がハウジング(2)から離れるように移動するときに、ロータ(4)のシャフト(6)がハウジング(2)に対して水平方向に向くように位置を調整可能であり、第1のベアリング(11)と第2のベアリング(12)とは、シャフト(6)の長手方向を横切る方向に、互いに移動可能であるものにおいて、
第1のベアリング(11)と第2のベアリング(12)とのうちの少なくとも1つが、ロータ(4)のシャフト(6)に対して横方向に移動可能で、かつハウジングカバー(3)のベースフランジ(14)にねじ結合される調整フランジ(13)に取り付けられていることを特徴とするロータリバルブ。
【請求項2】
調整フランジ(13)とベースフランジ(14)とのねじ結合が、調整フランジ(13)の開口に形成されたねじ部と嵌合するねじを備えた少なくとも1つのボルト(15)を含み、この少なくとも1つのボルト(15)は、ベースフランジ(14)の開口の斜めの連結面(17)に接する、先細り形状の端部(16)を備えていることを特徴とする請求項1記載のロータリバルブ。
【請求項3】
調整フランジ(13)とベースフランジ(14)とのねじ結合が少なくとも3本のボルトを含み、各ボルト(15)が、調整フランジ(13)の開口に形成されたねじ部と嵌合するねじを備え、前記ボルト(15)は、ベースフランジ(14)の開口の斜めの連結面(17)に接する、先細り形状の端部(16)を備えていることを特徴とする請求項1または2記載のロータリバルブ。
【請求項4】
少なくとも3本のボルト(15)のうちの2つが、シャフト(6)の水平調整を行うために、ロータ(4)のシャフト(6)を通る水平面内における互いに反対の位置に存在し、これに対し第3のボルト(15)は、シャフト(6)の垂直方向の調整を行うために、ロータ(4)のシャフト(6)を通る垂直面内においてシャフト(6)よりも上に存在することを特徴とする請求項3記載のロータリバルブ。
【請求項5】
ロータリバルブ(1)の端部にセンターボルト(18)とロックプレート(19)とが設けられており、ロックプレート(19)は動作位置に配置可能であり、この動作位置において、ロックプレート(19)は、センターボルト(18)を回転させることによりロータ(4)と共にシャフト(6)が縦方向に動くことが可能となるようにセンターボルト(18)を支持することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載のロータリバルブ。
【請求項6】
ロックプレート(19)は、非動作位置において、センターボルト(18)よりも下に存在することを特徴とする請求項5に記載のロータリバルブ。
【請求項7】
ロックプレート(19)は、回転可能なロックプレート(19)を非動作位置と動作位置との間で移動させるためのロックプレートハンドル(20)を備えていることを特徴とする請求項5または6に記載のロータリバルブ。
【請求項8】
ロックプレート(19)が、ロータ(4)のシャフト(6)を収容するシャフトハブ(23)における1つまたは複数のノッチ(22)と噛み合う少なくとも1つの突起(21)を備えていることを特徴とする請求項7に記載のロータリバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロータリバルブに関し、特に、取り外し可能なハウジングカバーを備えたハウジングと、ハウジングカバーをハウジングから取り外して移動させることによってハウジングの外側に少なくとも部分的に配置可能な、ハウジング内のロータとを含むロータリバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなロータリバルブは、上記のようにロータを少なくとも部分的にハウジングの外側に配置させることで、ロータリバルブの内部をたとえば洗浄または検査することができる。ロータのシャフトの端部は、ハウジングカバーに支持されたベアリングアセンブリ装着される。このベアリングアセンブリは、第1のベアリングと第2のベアリングとを含む。これらのベアリングは、ハウジングカバーがハウジングから離れるときに、ロータのシャフトがハウジングに対して水平な方向に維持されるように、位置を調整できるようにされている。
【0003】
このようなロータリバルブは、特許文献1により知られている。この公知のロータリバルブでは、ベアリングアセンブリは、ベアリングハウジングと、ベアリング調整リングとを備える。各ベアリング調整リングは、ベアリングハウジングとねじ込み構造により噛み合って、ベアリングハウジングの内部で回転可能である。ベアリングアセンブリは、内側の第1の転がり軸受と、外側の第2の転がり軸受と、これらの軸受の間に配置された間隔リングとを含むことができ、これらはすべて、内周側ベアリング調整リングと外周側ベアリング調整リングとの間に配置される。ロータのシャフトが片端のみで支持されている場合のこのロータのシャフトの「落下」または「下向きの変位」の問題を回避するために、ベアリングアセンブリ全体が、ロータのシャフトを水平に保つように、傾斜可能である。このことは、ロータを少なくとも部分的にハウジングの外側に配置してロータリバルブの内部にアクセスできるようにするために、ハウジングカバーが取り外されてハウジングから離されるときに発生する。
【0004】
特許文献1で知られている構造の問題は、構造がかなり複雑であり、またロータのシャフトのレベルを維持することについての結果が、内周側ベアリング調整リングと外周側ベアリング調整リングとが互いに移動するのを避けるためのこれらのベアリング調整リング間におけるベアリングアッセンブリのロック効果に大きく依存することにある。
【0005】
特許文献2は、本件の請求項1の前提部のロータリバルブを開示しており、そこでは、第1の軸受および第2の軸受は、ロータのシャフトの長手方向に垂直な方向について、互いに移動可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ヨーロッパ特許出願公開第3000754号明細書
【特許文献2】アメリカ特許第6186164号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的の1つは、従来技術の欠点を回避し、内周側および外周側のベアリング調整リングを必要としない代替の解決策を提供することである。
【0008】
本発明による回転弁は、添付の特許請求の範囲における1つまたは複数の請求項の特徴を備えている。
【0009】
本発明の第1の態様では、第1のベアリングと第2のベアリングとのうちの少なくとも1つが、ロータのシャフトに対して横方向に移動可能で、かつハウジングカバーのベースフランジにねじ結合される調整フランジに取り付けられている。ベースフランジはハウジングカバーに対して位置的に固定されているので、調整フランジの前記横方向すなわち垂直方向の動きは、第2のベアリングに対する第1のベアリングの相対的な横方向の動きをもたらす。このようにして、ロータのシャフトが片端のみで支持されている場合に、第1のベアリングと第2のベアリングとの互いに対する位置決めを使用して、ロータのシャフトを水平に維持することができる。上述のベアリングは、転がり式のベアリングまたは他の適切なタイプのベアリングであり得る。
【0010】
調整フランジとベースフランジとの間のねじ接続を実現するための好ましい手法においては、ねじ接続が、調整フランジの開口に形成されたねじ部と嵌合するねじを備えた少なくとも1つのボルトを含み、この少なくとも1つのボルトは、ベースフランジの開口の斜めの連結面に接する、先細り形状の端部を備える。このボルトを回すことにより、位置固定式のベースフランジの開口の斜めの連結面と連携する先細り形状の端部が、調整フランジを、位置固定式のベースフランジに対し、この調整フランジの面内で移動させる。これは、特に鉛直方向の動きに当てはまるが、以下でさらに説明するように、水平方向に可能な動きにも関係する。
【0011】
調整フランジの面内での直交する2つの方向への調整フランジの移動を可能にするために、調整フランジとベースフランジとの間のねじ結合が少なくとも3本のボルトを含み、各ボルトが、調整フランジの開口に形成されたねじ部と嵌合するねじを備え、各ボルトは、ベースフランジの開口の斜めの連結面に接する、先細り形状の端部を備える。
【0012】
好ましくは、少なくとも3つのボルトのうちの2つは、シャフトの水平調整を行うために、ロータのシャフトを通る水平面内における互いに反対の位置に存在し、これに対し第3のボルトは、シャフトの垂直方向の調整を行うために、ロータのシャフトを通る垂直面内においてシャフトよりも上に存在する。この垂直面での移動には、前述の第3のボルトの反対側における第4のボルトは必要ない。これは、重力が、第3のボルトで実行できる方向とは反対の方向への任意の移動を支援するためである。しかしながら、垂直面での動きのために、そのような第3のボルトの反対側の第4のボルトを用いることも可能である。
【0013】
上記の特徴とは独立して、またはそれに加えて適用できる本発明の別の態様では、ロータリバルブの端部にセンターボルトとロックプレートとが設けられており、ロックプレートは動作位置に配置可能であり、この動作位置において、ロックプレートは、センターボルトを回転させることによりロータと共にシャフトが縦方向に動くことが可能となるようにセンターボルトを支持する。
【0014】
さらに、ロックプレートは、非動作位置において、センターボルトよりも下に存在して、センターボルトのねじへの意図しない損傷を回避することが好ましい。このようにすることで、重力は、ロックプレートを非動作位置に保つのに役立つ。そのため、ロックプレートを動作位置に配置する場合には、オペレータが意図的に取り扱う必要がある。
【0015】
好ましくは、ロックプレートは、回転可能なロックプレートを非動作位置と動作位置との間で移動させるためのロックプレートハンドルを備える。
【0016】
ロックプレートには、ロータのシャフトのシャフトハブにおける1つまたは複数のノッチと噛み合う少なくとも1つの突起が設けられていることが望ましい。このようにして、シャフトハブのノッチの1つに突起を噛み合わせることにより、ロータの回転をブロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】作動位置にあるロータリバルブを概略的に示す図である。
図2】非作動位置にあるロータリバルブを概略的に示す図である。
図3】本発明の実施の形態のロータリバルブの端部の一部を切り欠いて示す立体図である。
図4】第1のベアリングおよび第2のベアリングの垂直方向における2つの異なる位置を表す、本発明のロータリバルブの端部の垂直断面図である。
図5】第1のベアリングおよび第2のベアリングの水平方向における2つの異なる位置を表す、本発明のロータリバルブの端部の水平断面図である。
図6】取り外し可能なハウスカバー側のシャフトの端部の状態を側面の断面と正面とについて表した図である。
図7】取り外し可能なハウスカバー側のシャフトの端部の他の状態を側面の断面と正面とについて表した図である。
図8】取り外し可能なハウスカバー側のシャフトの端部のさらに他の状態を側面の断面と正面とについて表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を、添付の特許請求の範囲に関して限定されない、本発明のロータリバルブの例示的な実施形態の図面を参照して、さらに説明する。
【0019】
図において、同じ参照番号が用いられている場合は、常に、これらの番号は同じ部材を示す。
【0020】
最初に図1および2を参照すると、これらの図には、取り外し可能なハウジングカバー3(図2に示される)を備えたハウジング2と、ハウジング2内のロータ4とを備えるロータリバルブ1が示されている。ロータ4は、ハウジングカバー3をハウジング2から取り外して移動させることによって、少なくとも部分的にハウジングの外側に配置可能であり、それによって、たとえば洗浄または検査のためのロータリバルブ1の内部へのアクセスを可能にする。図1および図2はさらに、ロータ4のシャフト6の端部5が、ハウジングカバー3によって支持されたベアリングアセンブリ7に取り付けられていることを示している。
【0021】
図1によれば、ロータ4が完全にハウジング2の内部にあってハウジングカバー3がハウジング2に取り付けられている場合には、ロータ4のシャフト6は、通常はスリーブを介して、ハウジング2における取り外し可能および変位可能なハウジングカバー3が配置されている場所の反対側の位置のベアリング8の内部にも配置される。
【0022】
図2では、ロータ4が部分的にハウジング2の外側に配置されていることが示されている。これは、最初にハウジングカバー3をハウジング2から取り外し、続いて、たとえばガイドレール9を備えた構造物を使用して、たとえば摺動によって、ベアリングアセンブリ7とハウジングカバー3と備える端部10を移動させることで、実現することができる。しかし、この構造は必須ではなく、端部10をハウジング2から離す別の構成とすることもできる。
【0023】
ロータ4のシャフト6は、ハウジングカバー3によって支持されているベアリング7によってのみ支持されているときに、図2に示されるように、わずかな距離Dだけ落下または下方に移動する傾向がある。本発明では、ロータ4の落下または下方への移動の問題は、以下の説明および図面を参照してさらに示される特徴によって、対抗処置がなされる。
【0024】
図3は、ロータリバルブ1の端部10の詳細に関する。図3は、ベアリングアセンブリ7が第1のベアリング11および第2のベアリング12を備えることを示す。図2に示すようにハウジングカバー3が取り外されてハウジング2から離されるときに、第1および第2のベアリング11、12は、ロータ4のシャフト6をハウジング2に対して調心するように、位置調整可能である。ベアリングのこの調整可能性は、第1のベアリング11と第2のベアリング12との少なくとも一方が、シャフト6の長手方向に垂直な方向に移動可能であるという特徴によって、発現される。本質的に、これは、第1のベアリング11と第2のベアリング12とが、シャフト6の長手方向に対し垂直な方向に、互いに移動可能であることを意味する。これらの点は、図4および図5において、より明確に示されている。
【0025】
図3図4図5のすべては、第1のベアリング11が調整フランジ13に装着され、調整フランジ13が、ロータ4のシャフト6に対して横方向すなわち垂直方向に移動可能であるとともに、ハウジングカバー3における位置固定式のベースフランジ14にねじ接続されていることを示す。原理的には、これは、逆の構成とすることも可能である。
【0026】
それぞれの図において、調整フランジ13とベースフランジ14との間のねじ接続は、調整フランジ13の開口における対応ねじ部と嵌合するねじを備えた少なくとも1つのボルト15を含むことが示されている。これらのねじは、図示されていない。なぜなら、これらによるねじ結合の構成は明らかに当業者にとって常識であるためである。少なくとも1つのボルト15は、位置固定式のベースフランジ14の開口の斜めの連結面17に接する、先細り形状の端部16をさらに備えている。明確化のために、この連結面17による斜めの位置決めのための連結面17の角度は、尺度を変えて示されている。さらに、先細り形状の開口17と協働する2つのボルト15を用いた鏡像構造を用いることも可能である。これらの協調するボルト15と開口17とは、ロータ4のシャフト6に対する反対側にそれぞれ設けられる。このような構造は、図5(a)(b)を参照して、水平面内での移動として、以下において説明する。
【0027】
次に、図4(a)(b)に示されているものと図5(a)(b)に示されているものとの違いについて説明する。
【0028】
図4(a)(b)は、第1のベアリング11と第2のベアリング12との垂直方向の位置が互いに相違することを表す垂直断面図を示す。
【0029】
図4(a)では、ボルト15は、傾斜連結面17を有するベースフランジ14の開口の入口にあり、これにより、第1のベアリング11は、第2のベアリング12よりも距離Aだけわずかに高い位置にある。
【0030】
図4(b)では、ボルト15は、傾斜連結面17を有するベースフランジ14の開口に向けてねじ込まれ、これにより、第1のベアリング11は、第2のベアリング12よりも距離Bだけわずかに低い位置にある。
【0031】
したがって、図4(a)(b)の組み合わせは、ボルト15をベースフランジ14の開口に対して内外に移動させることにより、第1のベアリング11と第2のベアリング12との相対的な垂直位置を調整でき、したがってロータのシャフト6を水平に維持することができる。上述のように、第1のベアリング11と第2のベアリング12との相対的な位置調整は、先細り形状の開口17と協働する2つのボルト15を用いた鏡像構造で実施することもできる。これらのボルト15と開口17とは、ロータ4のシャフト6に関して互いに反対側に設けられる。
【0032】
図5(a)(b)は、図4(a)(b)を参照して説明した構造を示しているが、ここでは、それぞれのベアリング11、12を水平面内で移動させるものを示す。図5(a)(b)は、第1のベアリング11および第2のベアリング12についての、2つの異なる相対的な水平位置を表す水平断面図である。図5(a)(b)の構成にもとづく動作に関するさらなる議論は、図4(a)(b)を参照した上記の議論と同様であり、したがって簡潔のためにこの議論を省略する。図5(b)には、水平方向についての距離Cのずれが表されている。
【0033】
図4(a)(b)および図5(a)(b)の組み合わせによって、調整フランジ13とベースフランジ14との間のねじ接続が少なくとも3本のボルト15を含む、単純化した好ましい実施の形態を表す。各ボルト15は、調整フランジ13の開口のねじ部に対応するねじを有する。また各ボルト15は、ベースフランジ14の開口の斜めの連結面17に接する、先細り形状の端部16を備える。
【0034】
図5(a)(b)は、少なくとも3本のボルト15のうちの2つが、シャフト6の水平調整を行うために、ロータ4のシャフト6を通る水平面内において互いに反対の位置に存在することを示す。これに対し図4(a)(b)は、残りの第3のボルト15は、シャフト6の垂直方向の調整を行うために、ロータ4のシャフト6を通る垂直面内においてシャフト6よりも上に存在することを示す。もう一度繰り返すが、垂直方向の移動は、ロータ4のシャフト6の反対側に設けられた、先細り形状の端部16を有して開口17と協働する2つのボルト15を用いた鏡像構造によって、実施することもできる。
【0035】
図6(a)(b)、図7(a)(b)、図8(a)(b)に目を向けると、ロータリバルブ1の端部には、センターボルト18およびロックプレート19が設けられている。ロックプレート19は作動位置に配置可能である(図7(a)(b)および図8(a)(b)に示されるように)。この作動位置では、ロックプレート19はセンターボルト18を支持し、センターボルト18の回転によって、ロータ4と一緒の、シャフト6の長手方向の移動を可能にする。
【0036】
図6(a)(b)は、ロックプレート19は非作動位置ではセンターボルト18の下にあることを示す。図6(a)は、図6(b)の切断線E-Eに沿ったE-E断面図である。これは、ロータ4がシャフトハブ23の中で高速回転したときに起こり得るところの、センターボルト18のねじの偶発的な損傷を防ぐためのものである。
【0037】
さらに、ロックプレート19にはロックプレートハンドル20が設けられており、これは、図6(a)(b)に示される非動作位置と図7(a)(b)に示される動作位置との間でロックプレート19を移動させるためのものである。
【0038】
図7(a)は、図7(b)の切断線F-Fに沿ったF-F断面図である。図8(a)は、図8(b)の切断線G-Gに沿ったG-G断面図である。図7(a)(b)および図8(a)(b)は、ロックプレート19が、ロータ4のシャフト6を収容するシャフトハブ23における1つまたは複数のノッチ22に噛み合う、少なくとも1つの突起21を備えていることを示す。図7(a)(b)では、ロータ4に接続されたモータによってロータ4の回転がブロックされるため、ロックプレート19は、ロータ4の回転をブロックするようには配置されていない。図8(a)(b)では、ロータ4はモータから切り離されており、突起21(図7)の1つは、ロータ4のシャフト6のシャフトハブ23のノッチ22(図6)と噛み合って、ロータ4の回転をブロックする。
【0039】
本発明のロータリバルブの例示的な実施形態を参照して本発明を上述したが、本発明は、この特定の実施形態に限定されずに、本発明から逸脱することなく多くの方法で変更することができる。したがって、議論された例示的な実施形態は、それに従って添付の特許請求の範囲を厳密に解釈するために使用されてはならない。それどころか、本実施形態は、特許請求の範囲をこの例示的な実施形態に限定することを意図することなく、添付の特許請求の範囲の文言を説明することを単に意図されている。したがって、本発明の保護の範囲は、添付の特許請求の範囲に従ってのみ解釈され、請求項の文言における起こり得る曖昧さは、この例示的な実施形態を使用して解決されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8