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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054472
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】吸気マニホールド及び船外機
(51)【国際特許分類】
   F02M 35/10 20060101AFI20220331BHJP
   F02M 35/104 20060101ALI20220331BHJP
   F02M 35/16 20060101ALI20220331BHJP
   B63H 20/32 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
F02M35/10 101F
F02M35/10 301R
F02M35/104 A
F02M35/16 Z
B63H20/32 553
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020161543
(22)【出願日】2020-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000177612
【氏名又は名称】株式会社ミクニ
(74)【代理人】
【識別番号】100106312
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敬敏
(72)【発明者】
【氏名】大澤 尋史
(57)【要約】
【課題】耐圧強度、機械的強度等を確保して、通路抵抗も低減できる吸気マニホールド及びそれにより幅方向の小型化、薄型化が図れる船外機を提供する。
【解決手段】船外機のエンジンに適用される樹脂製の吸気マニホールドにおいて、扁平な輪郭をなすと共に吸気導入口21cを含むサージタンクTと、サージタンクの内部空間Sに連通する吸気通路p1,p2,p3,p4を画定する複数の分岐管P1,P2,P3,P4を備え、サージタンクTの輪郭壁11は、内部空間Sに向けて突出すると共に吸気通路側に向けて方向付けされた複数の突条部13a,13b,13cを含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンに適用される樹脂製の吸気マニホールドであって、
扁平な輪郭をなすと共に吸気導入口を含むサージタンクと、
前記サージタンクの内部空間に連通する吸気通路を画定する複数の分岐管を備え、
前記サージタンクの輪郭壁は、前記内部空間に向けて突出すると共に前記吸気通路側に向けて方向付けされた複数の突条部を含む、
ことを特徴とする吸気マニホールド。
【請求項2】
前記複数の突条部は、前記輪郭壁の内壁面との付け根領域が凹状に湾曲しかつ突出先端領域が凸状に湾曲する断面を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の吸気マニホールド。
【請求項3】
前記サージタンクの輪郭壁は、前記複数の分岐管が配列される面方向に沿って延在する第1延在壁と、前記第1延在壁に対向する第2延在壁と、前記第1延在壁と前記第2延在壁の外縁領域を連結して閉塞する外周壁を含み、
前記第1延在壁には、前記複数の突条部が設けられ、
前記第2延在壁には、前記吸気導入口が設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の吸気マニホールド。
【請求項4】
前記サージタンクから前記複数の分岐管を分岐させる複数の分岐壁を含み、
前記複数の突条部は、前記複数の分岐壁にそれぞれ対応して配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載に吸気マニホールド。
【請求項5】
前記複数の突条部と前記複数の分岐壁とは、それぞれ所定の隙間をおいて対向するように形成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の吸気マニホールド。
【請求項6】
前記複数の突条部は、前記吸気導入口と近接する領域に配置された近接突条部を含み、
前記近接突条部と前記分岐壁との前記隙間は、前記複数の突条部のうち前記近接突条部を除く他の突条部と前記分岐壁との前記隙間よりも大きく設定されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の吸気マニホールド。
【請求項7】
前記複数の突条部は、前記複数の分岐壁のそれぞれに向けて直線的に伸長するように形成されている、
ことを特徴とする請求項4ないし6いずれか一つに記載の吸気マニホールド。
【請求項8】
前記複数の突条部は、前記吸気導入口から前記複数の分岐壁のそれぞれに向けて流線的に湾曲して伸長するように形成されている、
ことを特徴とする請求項4ないし6いずれか一つに記載の吸気マニホールド。
【請求項9】
前記複数の突条部が設けられた前記輪郭壁の外壁面は、平坦に形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし8いずれか一つに記載に吸気マニホールド。
【請求項10】
前記複数の突条部が設けられた前記輪郭壁の外壁面は、溝状に凹んで形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし8いずれか一つに記載に吸気マニホールド。
【請求項11】
前記サージタンクの半体及び前記複数の分岐管の半体を画定する第1樹脂成形体と、前記サージタンクの半体及び前記複数の分岐管の半体を画定する第2樹脂成形体との振動溶着により形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし10いずれか一つに記載の吸気マニホールド。
【請求項12】
前記第1樹脂成形体は、前記複数の分岐管が配列される面方向に沿って延在する第1延在壁と、前記第1延在壁に設けられた前記複数の突条部と、環状の第1溶着部を含み、
前記第2樹脂成形体は、前記第1延在壁に対向する第2延在壁と、前記第2延在壁に設けられた前記吸気導入口と、前記第1溶着部と溶着される環状の第2溶着部を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の吸気マニホールド。
【請求項13】
吸気マニホールドを含むエンジンと、
前記エンジンを保持する胴体と、
前記エンジンの駆動力により回転させられるプロペラと、
前記エンジンを覆うエンジンカバーと、を備えた船外機であって、
前記吸気マニホールドは、請求項1ないし12いずれか一つに記載の吸気マニホールドである、
ことを特徴とする船外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば船外機等のエンジンの吸気系に適用される樹脂製の吸気マニホールドに関し、特に、扁平なサージタンクを備えた吸気マニホールド及びそれを搭載した船外機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の船外機としては、エンジン、胴体、プロペラ、船体への取付け部、エンジンカバー等を備え、エンジンが、吸気マニホールド、スロットルボデー、及びレゾネータを含む吸気系を備えたものが知られている。(例えば、特許文献1)。
また、他の船外機としては、エンジン、エンジンホルダ、ドライブシャフトハウジング、プロペラ、船体へ取り付けるブラケット装置、エンジンカバー等を備え、エンジンが、外気ダクト、消音器、スロットルボデー、吸気マニホールドを含む吸気系、吸気マニホールドとエンジン本体の間に配置された遮熱部材を備えたものが知られている(例えば、特許文献2)。
さらに、他の船外機としては、エンジン、エンジンホルダ、ドライブシャフトハウジング、プロペラ、船体へ取り付けるブラケット装置、エンジンカバー、シフト用の電動アクチュエータ等を備え、エンジンが、サイレンサボックス、サージタンク、スロットルボデー、吸気マニホールドを含む吸気系を備えたものが知られている(例えば、特許文献3)。
【0003】
上記従来の船外機において、吸気マニホールドは、所定の容積を画定すると共にスロットルボデーが取り付けられるサージタンクと、サージタンクから伸長してエンジンの吸気ポートに連通する吸気通路を画定する複数の分岐管を備えている。
そして、吸気マニホールドは、複数の分岐管が鉛直方向に配列されるように方向付けされてエンジンに固定され、外側からエンジンカバーで覆われている。
【0004】
ところで、船外機の幅を狭くして小型化を図る場合、エンジンカバーにより覆われる吸気マニホールドのサージタンクは船外機の幅方向において薄型化、すなわち、扁平に形成される必要がある。
しかしながら、サージタンクを単に扁平に形成すると、サージタンクを形成する平らな輪郭壁の機械的強度が低くなり耐圧強度が低下する虞がある。また、サージタンクに流れ込んだ吸気が各々の分岐管に流れる際に通路抵抗が増加し、又、各々の分岐管に一様に吸気が流れ込まない虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-229646号公報
【特許文献2】特開2015-676号公報
【特許文献3】特開2020-26150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、耐圧強度、機械的強度等を確保して、通路抵抗も低減できる吸気マニホールド及びそれにより幅方向の小型化及び薄型化を図れる船外機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の吸気マニホールドは、エンジンに適用される樹脂製の吸気マニホールドであって、扁平な輪郭をなすと共に吸気導入口を含むサージタンクと、サージタンクの内部空間に連通する吸気通路を画定する複数の分岐管を備え、サージタンクを画定する輪郭壁は、内部空間に向けて突出すると共に吸気通路側に向けて方向付けされた複数の突条部を含む、構成となっている。
【0008】
上記吸気マニホールドにおいて、複数の突条部は、輪郭壁の内壁面との付け根領域が凹状に湾曲しかつ突出先端領域が凸状に湾曲する断面を有する、構成を採用してもよい。
【0009】
上記吸気マニホールドにおいて、サージタンクの輪郭壁は、複数の分岐管が配列される面方向に沿って延在する第1延在壁と、第1延在壁に対向する第2延在壁と、第1延在壁と第2延在壁の外縁領域を連結して閉塞する外周壁を含み、第1延在壁には、複数の突条部が設けられ、第2延在壁には、吸気導入口が設けられている、構成を採用してもよい。
【0010】
上記吸気マニホールドにおいて、サージタンクから複数の分岐管を分岐させる複数の分岐壁を含み、複数の突条部は、複数の分岐壁にそれぞれ対応して配置されている、構成を採用してもよい。
【0011】
上記吸気マニホールドにおいて、複数の突条部と複数の分岐壁とは、それぞれ所定の隙間をおいて対向するように形成されている、構成を採用してもよい。
【0012】
上記吸気マニホールドにおいて、複数の突条部は、吸気導入口と近接する領域に配置された近接突条部を含み、近接突条部と分岐壁との隙間は、複数の突条部のうち近接突条部を除く他の突条部と分岐壁との隙間よりも大きく設定されている、構成を採用してもよい。
【0013】
上記吸気マニホールドにおいて、複数の突条部は、複数の分岐壁のそれぞれに向けて直線的に伸長するように形成されている、構成を採用してもよい。
【0014】
上記吸気マニホールドにおいて、複数の突条部は、吸気導入口から複数の分岐壁のそれぞれに向けて流線的に湾曲して伸長するように形成されている、構成を採用してもよい。
【0015】
上記吸気マニホールドにおいて、複数の突条部が設けられた輪郭壁の外壁面は、平坦に形成されている、構成を採用してもよい。
【0016】
上記吸気マニホールドにおいて、複数の突条部が設けられた輪郭壁の外壁面は、溝状に凹んで形成されている、構成を採用してもよい。
【0017】
上記吸気マニホールドにおいて、サージタンクの半体及び複数の分岐管の半体を画定する第1樹脂成形体と、サージタンクの半体及び複数の分岐管の半体を画定する第2樹脂成形体との振動溶着により形成されている、構成を採用してもよい。
【0018】
上記吸気マニホールドにおいて、第1樹脂成形体は、複数の分岐管が配列される面方向に沿って延在する第1延在壁と、第1延在壁に設けられた複数の突条部と、環状の第1溶着部を含み、第2樹脂成形体は、第1延在壁に対向する第2延在壁と、第2延在壁に設けられた吸気導入口と、第1溶着部と溶着される環状の第2溶着部を含む、構成を採用してもよい。
【0019】
本発明の船外機は、吸気マニホールドを含むエンジンと、エンジンを保持する胴体と、エンジンの駆動力により回転させられるプロペラと、エンジンを覆うエンジンカバーと、を備えた船外機であって、吸気マニホールドは、上記いずれかの構成をなす吸気マニホールドである、構成となっている。
【発明の効果】
【0020】
上記構成をなす吸気マニホールドによれば、小型化、薄型化を達成でき、耐圧強度、機械的強度等を確保でき、通路抵抗も低減することができる。また、上記構成をなす船外機によれば、幅方向の小型化、薄型化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の吸気マニホールドを含むエンジンが搭載された船外機を示すものであり、エンジンカバーを部分的に切断して水平方向から視た側面図である。
図2】本発明の吸気マニホールドを含むエンジンが搭載された船外機を示すものであり、エンジンカバーを部分的に切断して鉛直方向の上側から視た平面図である。
図3】本発明の吸気マニホールドを示すものであり、エンジン本体に取り付けられた状態でエンジンカバーと隣接する外側を斜めから視た外観斜視図である。
図4】本発明の吸気マニホールドを示すものであり、エンジン本体に取り付けられた状態でエンジン本体と隣接する内側を斜めから視た外観斜視図である。
図5】本発明の吸気マニホールドを形成する第1樹脂成形体と第2樹脂成形体とを分解して外側斜めから視た分解斜視図である。
図6】本発明の吸気マニホールドを構成する第1樹脂成形体と第2樹脂成形体とを分解して内側斜めから視た分解斜視図である。
図7】本発明の吸気マニホールドのサージタンクを部分的に切断した斜視断面図である。
図8】吸気マニホールドのサージタンクに設けられた複数の突条部と複数の分岐壁との関係を示す図である。
図9】複数の突条部の断面形態を示す部分断面図である。
図10】サージタンクから分岐管に至る経路において、吸気導入口21c側から視た吸気の流れを示す模式図である。
図11】サージタンクから分岐管に至る経路において、吸気導入口21c側から視た吸気の流れを示す模式図である。
図12】サージタンクに複数の突条部を設けた本発明と、複数の突条部を設けない構成とにおいて、耐圧強度の相違を示したグラフである。
図13】サージタンクに複数の突条部を設けた本発明と、複数の突条部を設けない構成とにおいて、圧力損失(通路抵抗)の相違を示したグラフである。
図14】吸気マニホールドのサージタンクに設けられた複数の突条部の他の実施形態を示す図である。
図15】複数の突条部の他の断面形態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本発明に係る吸気マニホールドは、樹脂材料を用いて形成され、エンジンの吸気系において吸気ダクトの下流に位置するスロットルボデーとエンジン本体のシリンダヘッドとの間に配置されるものであり、ここでは、一実施形態として船外機のエンジンに適用される場合について説明する。
【0023】
船外機は、船体の後部に装着されて推進力を発生するものであり、図1及び図2に示すように、胴体1、胴体1に固定されたエンジン2、エンジン2を覆うエンジンカバー3、胴体1の下方に配置されたプロペラ4、船体に取り付ける際に使用されるブラケット5、胴体1内に配置されてエンジン2の動力をプロペラ4に伝達する動力伝達系、燃料タンクを備えている。
ここでは、説明の便宜上、船外機が船体に装着された直立方向を鉛直方向Z、船外機の幅方向を水平方向X、推進力が生じる前後方向を水平方向Yで示す。
【0024】
エンジン2は、多気筒エンジン、ここでは直列4気筒の内燃エンジンであり、シリンダブロック、シリンダヘッド、オイルパン等を含むエンジン本体、エンジン本体に取り付けられた吸気系及び排気系を備えている。
吸気系は、外気導入ダクト、スロットルボデー、吸気マニホールドMを備えている。尚、吸気系は、必要に応じて、レゾネータ、消音器を備えていてもよい。
【0025】
一実施形態に係る吸気マニホールドMは、図3及び図4に示すように、サージタンクT及び複数(ここでは、四つ)の分岐管P1,P2,P3,P4を画定するべく、第1樹脂成形体10と第2樹脂成形体20とを振動溶着により一体的に接合して形成されている。
サージタンクTは、内部空間Sを画定し、分岐管P1,P2,P3,P4は、それぞれ吸気通路p1,p2,p3,p4を画定している。
【0026】
吸気マニホールドMは、図1に示すように、エンジン2に取り付けられた状態で、複数の分岐管P1~P4が鉛直方向Zに配列されるように方向付けられている。
吸気マニホールドMのサージタンクTは、図2に示すように、船外機の幅方向(水平方向X)においてエンジンカバー3と隣接して配置されるため、鉛直方向Zに延在する、すなわち、四つの分岐管P1~P4が配列される面方向に延在する扁平な輪郭をなすように形成されている。
【0027】
第1樹脂成形体10は、熱可塑性樹脂材料を用いて予め金型により成形されたものであり、図3ないし図6に示すように、サージタンクTの半体を画定する輪郭壁としての第1延在壁11及び外周壁12、第1延在壁11の内壁面11aに設けられた複数(ここでは、三つ)の突条部13a,13b,13c、分岐管P1~P4の半体を画定する四つの通路壁14a,14b,14c,14d、四つの通路壁14a~14dの分岐点からそれぞれ延びる複数(ここでは、三つ)の分岐壁15a,15b,15c、環状の第1溶着部16を備えている。
【0028】
第2樹脂成形体20は、熱可塑性樹脂材料を用いて予め金型により成形されたものであり、図3ないし図6に示すように、サージタンクTの半体を画定する輪郭壁としての第2延在壁21及び外周壁22、第2延在壁21に設けられた吸気導入口21c、第2延在壁21の外壁面21bに設けられたフランジ部23a,23b、分岐管P1~P4の半体を画定する四つの通路壁24a,24b,24c,24d、四つの通路壁24a~24dの分岐点からそれぞれ延びる複数(ここでは、三つ)の分岐壁25a,25b,25c、環状の第2溶着部26、エンジン本体に取り付けられるフランジ部27、エンジン本体にネジを用いて固定される複数のボス部28を備えている。
【0029】
第1延在壁11は、四つの分岐管P1~P4が配列される面方向(YZ面方向)に延在するように形成され、サージタンクTの内部空間Sを画定する内壁面11aと、船外機の外側に向かってエンジンカバー3に隣接するように配置される外壁面11bを有する。
内壁面11aは、図6ないし図8に示すように、内部空間Sに向けて突出する三つの突条部13a,13b,13cを備えている。
外壁面11bは、エンジンカバー3と僅かな隙間をおいて対向するため、図3及び図5に示すように、補強リブ等が無く平坦に形成されている。
外周壁12は、第1延在壁11の外縁領域から屈曲し、外周壁22と協働して、第1延在壁11と第2延在壁21の外縁領域を連結して閉塞するように形成されている。
【0030】
突条部13aは、図6ないし図9に示すように、第1延在壁11の内壁面11aから内部空間Sに向けて突出すると共に吸気通路p1,p2側に向けて方向付けされ、分岐壁15aに対応するように、分岐壁15aに向けて直線的に伸長するように形成されている。
また、突条部13aの下流端13aと分岐壁15aの上流端15aとは、突条部13aの伸長方向において、隙間C1をおいて対向するように形成されている。
【0031】
突条部13bは、図6ないし図9に示すように、第1延在壁11の内壁面11aから内部空間Sに向けて突出すると共に吸気通路p2,p3側に向けて方向付けされ、分岐壁15bに対応するように、分岐壁15bに向けて直線的に伸長するように形成されている。
また、突条部13bの下流端13bと分岐壁15bの上流端15bとは、突条部13bの伸長方向において、隙間C1をおいて対向するように形成されている。
【0032】
突条部13cは、図6ないし図9に示すように、第1延在壁11の内壁面11aから内部空間Sに向けて突出すると共に吸気通路p3,p4側に向けて方向付けされ、分岐壁15cに対応するように、分岐壁15cに向けて直線的に伸長するように形成されている。
また、突条部13cの下流端13cと分岐壁15cの上流端15cとは、突条部13cの伸長方向において、隙間C2をおいて対向するように形成されている。
【0033】
ここで、三つの突条部13a,13b,13cは、互いに平行に伸長するように配置され、又、図9に示すように、内壁面11aとの付け根領域Raが凹状に湾曲しかつ突出先端領域Taが凸状に湾曲する断面をなすように形成されている。
具体的には、第1延在壁11の板厚をThとするとき、突条部13a,13b,13cは、幅寸法Wが板厚の二倍(2Th)程度、内壁面11aからの突出高さHが板厚と同等(Th)程度となる断面形態に形成されている。
【0034】
また、突条部13cは、第1延在壁11と対向する第2延在壁21に設けられた吸気導入口21cと近接する領域に配置された近接突条部である。
そして、図8に示すように、近接突条部としての突条部13cの下流端13cと分岐壁15cの上流端15cとの隙間C2は、三つの突条部13a,13b,13cのうち突条部13cを除く他の突条部13a,13bの下流端13a,13bと分岐壁15a,15bの上流端15a,15bとの隙間C1よりも大きく設定されている。
【0035】
通路壁14aは、通路壁24aと協働して、吸気通路p1を画定する分岐管P1を形成する。
通路壁14bは、通路壁24bと協働して、吸気通路p2を画定する分岐管P2を形成する。
通路壁14cは、通路壁24cと協働して、吸気通路p3を画定する分岐管P3を形成する。
通路壁14dは、通路壁24dと協働して、吸気通路p4を画定する分岐管P4を形成する。
【0036】
分岐壁15aは、上流端15aが内部空間Sに臨むと共に、分岐壁25aと協働して、分岐管P1と分岐管P2とを分岐させる。
分岐壁15bは、上流端15bが内部空間Sに臨むと共に、分岐壁25bと協働して、分岐管P2と分岐管P3とを分岐させる。
分岐壁15cは、上流端15cが内部空間Sに臨むと共に、分岐壁25cと協働して、分岐管P3と分岐管P4とを分岐させる。
【0037】
第1溶着部16は、第1樹脂成形体10及び第2樹脂成形体20を一体化するべく、第2溶着部26に接合されて振動溶着される。
【0038】
第2延在壁21は、第1延在壁11に対向するように形成され、サージタンクTの内部空間Sを画定する内壁面21aと、エンジン本体と対向する外壁面21bを有する。
内壁面21aは、図5に示すように、吸気導入口21cとフランジ部23bに連続する凹部21dを除いて平坦に形成されている。
外壁面21bには、フランジ部23a,23b、複数の補強リブ23cが設けられている。
吸気導入口21cは、エンジン本体における配置関係上、分岐管P4寄りに配置されている。
したがって、吸気導入口21cから内部空間Sを経て四つの吸気通路p1~p4に延びる四つの吸気流れ経路の長さが同等になるように、分岐管P1~P4の長さが適宜設定されている。
【0039】
外周壁22は、第2延在壁21の外縁領域から屈曲し、外周壁12と協働して、第1延在壁11と第2延在壁21の外縁領域を連結して閉塞するように形成されている。
フランジ部23aは、スロットルボデーが接合されて取り付けられる領域である。
フランジ部23bは、アイドルスピードコントロールのためのバルブユニットが取り付けられる領域であり、エンジン仕様に応じて適宜使用されるものである。
【0040】
通路壁24aは、通路壁14aと協働して、吸気通路p1を画定する分岐管P1を形成する。
通路壁24bは、通路壁14bと協働して、吸気通路p2を画定する分岐管P2を形成する。
通路壁24cは、通路壁14cと協働して、吸気通路p3を画定する分岐管P3を形成する。
通路壁24dは、通路壁14dと協働して、吸気通路p4を画定する分岐管P4を形成する。
【0041】
分岐壁25aは、上流端25aが内部空間Sに臨むと共に、分岐壁15aと協働して、分岐管P1と分岐管P2とを分岐させる。
分岐壁25bは、上流端25bが内部空間Sに臨むと共に、分岐壁15bと協働して、分岐管P2と分岐管P3とを分岐させる。
分岐壁25cは、上流端25cが内部空間Sに臨むと共に、分岐壁15cと協働して、分岐管P3と分岐管P4とを分岐させる。
【0042】
第2溶着部26は、第1樹脂成形体10及び第2樹脂成形体20を一体化するべく、第1溶着部16に接合されて振動溶着される。
フランジ部27は、吸気マニホールドMをエンジン本体のシリンダヘッドに取り付けるためのものであり、四つの吸気ポートにそれぞれ連通する四つの通路27a、インジェクタIjをそれぞれ嵌め込む四つの嵌合孔27b、シリンダヘッドに捩じ込むボルトを通す孔27cを備えている。
ボス部28は、ネジを通して、吸気マニホールドMをエンジン本体に締結する部分である。
【0043】
上記吸気マニホールドMの製造方法については、先ず、第1樹脂成形体10及び第2樹脂成形体20が、それぞれ専用の金型により射出成型される。
そして、第1樹脂成形体10及び第2樹脂成形体20が接合されて、第1溶着部16が第2溶着部26に当接するように圧力が加えられつつ、振動溶着が施される。
この振動溶着において、溶着条件は、例えば、振動周波数は200Hz~250Hzであり、振幅は0.5mm~2.0mmの範囲である。
【0044】
次に、上記複数の突条部13a,13b,13cを備えた吸気マニホールドMの機能について、図7図10及び図11を参照しつつ説明する。
一般的に、直列4気筒エンジンにおいては、分岐管P1、P2,P3,P4に対応するシリンダを1番気筒,2番気筒,3番気筒,4番気筒とし、点火順序を例えば1-3-4-2とすると、各気筒の吸気行程に対応して、吸気通路p1、吸気通路p3、吸気通路p4、吸気通路p2の順番で吸気の流れが生じる。
【0045】
この前提条件の下に、吸気通路p1,p3,p4,p2への吸気の流れを模式的に説明すると、吸気導入口21cから導入された吸気は、図7に示すように、先ず第1延在壁11の内壁面11aに衝突するように内部空間Sに流れ込む。
そして、1番気筒が吸気行程のとき、吸気は、図10中の実線の矢印で示すように、突条部13b及び突条部13aを横切って流れた後に吸気通路p1に流れ込み、又、突条部13bを横切って突条部13aと分岐壁15a(25a)の隙間C1を通り抜けた後に吸気通路p1に流れ込む。
続いて、3番気筒が吸気行程のとき、吸気は、図10中の一点鎖線の矢印で示すように、突条部13c,13bに沿って吸気通路p3に流れ込み、又、突条部13c側に向かった後に折り返して、突条部13cと分岐壁15c(25c)の隙間C2を通り抜けた後に吸気通路p3に流れ込み、又、突条部13b,13a側に向かった後に折り返して、突条部13bを横切って吸気通路p3に流れ込み又は突条部13bと分岐壁15b(25b)の隙間C1を通り抜けた後に吸気通路p3に流れ込む。
【0046】
続いて、4番気筒が吸気行程のとき、吸気は、図11中の実線の矢印で示すように、突条部13cに沿って吸気通路p4に流れ込み、又、突条部13b,13a側に向かった後に折り返して、突条部13cと分岐壁15c(25c)の隙間C2を通り抜けた後に吸気通路p4に流れ込む。
続いて、2番気筒が吸気行程のとき、吸気は、図11中の一点鎖線の矢印で示すように、突条部13bを横切って流れた後に吸気通路p2に流れ込み、又、突条部13b,13a側に向かった後に折り返して、突条部13aと分岐壁15a(25a)の隙間C1を通り抜けた後に吸気通路p2に流れ込み、又、突条部13c,13bに沿って流れ、突条部13bと分岐壁15b(25b)の隙間C1を通り抜けた後に吸気通路p2に流れ込む。
このように、吸気は、内部空間Sに流れ込んだ後に、吸気行程を行う気筒に対応する吸気通路p1,p3,p4,p2に向けて、複数の突条部13a,13b,13cにより整流作用を受けつつ淀み無く流れ込む。
【0047】
上記吸気マニホールドMにおいては、第1延在壁11の内壁面11aから内部空間Sに向けて突出する複数の突条部13a,13b,13cが設けられているため、サージタンクTを扁平に形成しても、その耐圧強度及び機械的強度を高めることができ、又、第1延在壁11の外壁面11bが平坦に形成されているため、船外機の搭載された際にエンジンカバー3を隣接して配置することができる。それ故に、船外機の幅方向(水平方向X)の小型化、薄型化を達成することができる。
【0048】
また、複数の突条部13a,13b,13cが吸気通路p1,p2,p3,p4側に向けて方向付けされているため、吸気導入口21cから内部空間Sに流れ込んだ吸気を、吸気通路p1,p2,p3,p4に向けて導くように整流することができ、流れの淀みを抑制ないし防止でき、吸気の流れ損失、通路抵抗、圧力損失を低減することができ、複数の吸気通路p1,p2,p3,p4における吸気抵抗も平滑化され、燃焼室における吸気の充填効率を高めることができる。
【0049】
上記吸気マニホールドMにおいて、突条部13a、13b、13cは、内壁面11aとの付け根領域Raが凹状に湾曲しかつ突出先端領域Taが凸状に湾曲する断面をなすように形成されているため、吸気が突条部13a,13b,13cを横切って流れる際に、流れの剥離現象を抑制ないし防止でき、吸気の流れ損失、通路抵抗、圧力損失を低減することができ、燃焼室における吸気の充填効率を高めることができる。
【0050】
また、複数の突条部13,13b,13cと複数の分岐壁15a,15b,15cとは、所定の隙間C1,C2をおいて対向するように形成されているため、分岐壁15a,15b,15cの近傍において、吸気行程に対応する順番で、吸気通路p1,p3,p4,p2への吸気の流れを促進させることができる。
さらに、吸気導入口21cと近接する領域に配置された近接突条部(突条部13c)と分岐壁15cとの間の隙間C2が、他の突条部13a,13bと分岐壁15a,15bとの間の隙間C1よりも大きく設定されているため、他の突条部13a,13b側に向かった後に折り返してきた吸気を、分岐壁15cの近傍から吸気行程に対応する吸気通路p3又は吸気通路p4に向けて効率良く導くことができる。
【0051】
以上述べたように、扁平な輪郭をなすサージタンクTの輪郭壁である第1延在壁11の内壁面11aにおいて複数の突条部13a,13b,13cを設けたことにより、図12に示すように、突条部が無い場合に比べて、耐圧強度及び機械的強度を向上させることができる。
また、図13に示すように、突条部が無い場合は、特に分岐管P3の近傍におけるサージタンクT内の圧力損失が大きく、通路全体としての圧力損失も高めであったが、複数の突条部13a,13b,13cを設けたことにより、複数の分岐管P1,P2,P3,P4の近傍におけるサージタンクT内の圧力損失が平滑化され、吸気の整流作用により複数の吸気通路p1,p2,p3,p4における吸気抵抗も平滑化され、通路全体としての圧力損失も低減することができる。このように、圧力損失すなわち通路抵抗が低減されたことにより、燃焼室における吸気の充填効率を高めることができる。
【0052】
図14は、吸気マニホールドの他の実施形態を示すものであり、前述の複数の突条部13a,13b,13cの替わりに複数の突条部113a,113b,113cを採用した以外は、前述の実施形態と同一である。それ故に、前述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
この実施形態に係る吸気マニホールドM2は、第1樹脂成形体110と第2樹脂成形体20とを振動溶着により一体的に接合して形成されている。
【0053】
第1樹脂成形体110は、熱可塑性樹脂材料を用いて予め金型により成形されたものであり、輪郭壁としての第1延在壁11及び外周壁12、第1延在壁11の内壁面11aに設けられた複数(ここでは、三つ)の突条部113a,113b,113c、分岐管P1~P4の半体を画定する四つの通路壁14a,14b,14c,14d、四つの通路壁14a~14dの分岐点からそれぞれ延びる複数(ここでは、三つ)の分岐壁15a,15b,15c、環状の第1溶着部16を備えている。
【0054】
突条部113aは、第1延在壁11の内壁面11aから内部空間Sに向けて突出すると共に吸気通路p1,p2側に向けて方向付けされ、分岐壁15aに対応するように吸気導入口21cから分岐壁15aに向けて流線的に湾曲して伸長するように形成されている。
また、突条部113aの下流端113aと分岐壁15aの上流端15aとは、突条部113aの伸長方向において、隙間C3をおいて対向するように形成されている。
【0055】
突条部113bは、第1延在壁11の内壁面11aから内部空間Sに向けて突出すると共に吸気通路p2,p3側に向けて方向付けされ、分岐壁15bに対応するように吸気導入口21cから分岐壁15bに向けて流線的に湾曲して伸長するように形成されている。
また、突条部113bの下流端113bと分岐壁15bの上流端15bとは、突条部113bの伸長方向において、隙間C3をおいて対向するように形成されている。
【0056】
突条部113cは、第1延在壁11の内壁面11aから内部空間Sに向けて突出すると共に吸気通路p3,p4側に向けて方向付けされ、分岐壁15cに対応するように吸気導入口21cから分岐壁15cに向けて流線的に湾曲して伸長するように形成されている。
また、突条部113cの下流端113cと分岐壁15cの上流端15cとは、突条部113cの伸長方向において、隙間C4をおいて対向するように形成されている。
【0057】
ここで、三つの突条部113a,113b,113cは、図9に示すように、内壁面11aとの付け根領域Raが凹状に湾曲しかつ突出先端領域Taが凸状に湾曲する断面をなすように形成されている。
具体的には、第1延在壁11の板厚をThとするとき、突条部113a,113b,113cは、幅寸法Wが板厚の二倍(2Th)程度、内壁面11aからの突出高さHが板厚と同等(Th)程度となる断面形態に形成される。
【0058】
また、突条部113cは、第1延在壁11と対向する第2延在壁21に設けられた吸気導入口21cと近接する領域に配置された近接突条部である。
そして、図14に示すように、近接突条部としての突条部113cの下流端113cと分岐壁15cの上流端15cとの隙間C4は、三つの突条部113a,113b,113cのうち突条部113cを除く他の突条部113a,113bの下流端113a,113bと分岐壁15a,15bの上流端15a,15bとの隙間C3よりも大きく設定されている。
【0059】
上記吸気マニホールドM2においては、第1延在壁11の内壁面11aから内部空間Sに向けて突出する複数の突条部113a,113b,113cが設けられているため、前述の実施形態と同様に、耐圧強度及び機械的強度を高めることができ、又、船外機の幅方向(水平方向X)の小型化、薄型化を達成することができる。
また、吸気の流れ損失、通路抵抗、圧力損失を低減することができ、複数の吸気通路p1,p2,p3,p4における吸気抵抗も平滑化され、燃焼室における吸気の充填効率を高めることができる。
【0060】
図15は、吸気マニホールドのさらに他の実施形態を示すものであり、複数の突条部が設けられた輪郭壁としての第1延在壁11の外壁面11bの形状を変更したものである。
すなわち、突条部13,13b,13c(113a,11b,113c)が設けられた第1延在壁11の外壁面11bは、内側に向けて溝状に凹んだ溝状凹部11bを含むように形成されている。
この実施形態によれば、サージタンクTを画定する輪郭壁の板厚を全体的に均一にすることができ、機械的強度を確保しつつ、成形樹脂材料の流れが均一化されて、金型にて成形する際の成形性を高めることができる。
【0061】
上記実施形態においては、複数の突条部として三つの突条部13a,13b,13c(113a,113b,113c)を設けた場合を示したが、これに限定されるものではなく、必要に応じて突条部の個数を変更することができる。
また、上記実施形態においては、突条部の形態として、直線的に伸長する突条部13a,13b,13c、又は、湾曲して伸長する突条部113a,113b,113cを採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、吸気通路側に向けて方向付けされている限り、その他の形態をなす突条部を採用してもよい。
【0062】
上記実施形態においては、突条部として、輪郭壁の内壁面11aとの付け根領域Raが凹状に湾曲しかつ突出先端領域Taが凸状に湾曲する断面を有する突条部13a,13b,13c(113a,113b,113c)を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、吸気の流れを乱すことなく又サージタンクTの機能を害するものでなければ、その他の断面形態をなす突条部を採用してもよい。
【0063】
上記実施形態において、第1樹脂成形体10,110と第2樹脂成形体20とを振動溶着して得られる吸気マニホールドM,M2を示したが、これに限定されるものではなく、必要に応じて三つ又はそれ以上の樹脂成形体を振動溶着したものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上述べたように、本発明の吸気マニホールドによれば、小型化、薄型化を達成しつつ、耐圧強度、機械的強度等を確保でき、通路抵抗も低減することができるため、船外機のエンジンに適用することができるのは勿論のこと、その他のエンジンの吸気マニホールドとしても有用である。
【符号の説明】
【0065】
1 胴体
2 エンジン
3 エンジンカバー
4 プロペラ
M,M2 吸気マニホールド
T サージタンク
S 内部空間
P1,P2,P3,P4 分岐管
p1,p2,p3,p4 吸気通路
C1,C2,C3,C4 隙間
10 第1樹脂成形体
11 第1延在壁(輪郭壁)
11a 内壁面
11b 外壁面
11b 溝状凹部
12 外周壁(輪郭壁)
13a,13b 突条部
13c 突条部(近接突条部)
Ra 付け根領域
Ta 突出先端領域
15a,15b,15c 分岐壁
16 第1溶着部
20 第2樹脂成形体
21 第2延在壁(輪郭壁)
21c 吸気導入口
22 外周壁(輪郭壁)
25a,25b,25c 分岐壁
26 第2溶着部
110 第1樹脂成形体
113a,113b 突条部
113c 突条部(近接突条部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15