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特開2022-54483NMN含有抗酸化組成物及びその調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054483
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】NMN含有抗酸化組成物及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20220331BHJP
   A23L 33/13 20160101ALI20220331BHJP
   A23L 33/15 20160101ALI20220331BHJP
   A23L 33/17 20160101ALI20220331BHJP
【FI】
A23L33/10
A23L33/13
A23L33/15
A23L33/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020161566
(22)【出願日】2020-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】520195235
【氏名又は名称】曙光ライフテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】郭 婉琳
【テーマコード(参考)】
4B018
【Fターム(参考)】
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018LE05
4B018MD01
4B018MD07
4B018MD18
4B018MD19
4B018MD23
4B018MD44
4B018ME02
4B018MF02
(57)【要約】
【課題】優れた抗酸化、老化防止効果、人体に対する無害化、製品の品質の安定性を両立させることが難しいという従来の老化防止製品の欠陥を克服するための、NMN含有抗酸化組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】10~13質量部のニコチンアミドモノヌクレオチド、0.02~0.06質量部のコエンザイムQ10、0.2~0.5質量部のプラズマローゲン、0.8~2.0質量部の核酸、0.05~1質量部のアミノ酸、0.2~0.5質量部のビタミン、及び0.005~0.08質量部の微量元素を含む原材料から調製されるNMN含有抗酸化組成物及びその調製方法を開示する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分として、10~13質量部のニコチンアミドモノヌクレオチド、0.02~0.06質量部のコエンザイムQ10、0.2~0.5質量部のプラズマローゲン、0.8~2.0質量部の核酸、0.05~1質量部のアミノ酸、0.2~0.5質量部のビタミン及び0.005~0.08質量部の微量元素を含む原材料から調製されることを特徴とするNMN含有抗酸化組成物。
【請求項2】
有効成分として、前記ニコチンアミドモノヌクレオチドは、10~12.8質量部であり、
及び/又は、有効成分として、前記コエンザイムQ10は、0.028~0.06質量部であり、
及び/又は、有効成分として、前記プラズマローゲンは、0.24~0.45質量部であり、
及び/又は、前記核酸は、RNA及び/又はDNAを含み、
及び/又は、有効成分として、前記核酸は0.92~1.92質量部であり、
及び/又は、前記アミノ酸は、L-トリプトファン及び/又はL-チロシンを含み、
及び/又は、有効成分として、前記アミノ酸は、0.08~0.48質量部であり、
及び/又は、前記ビタミンは、リボフラビン、ナイアシン、ピリドキシン塩酸塩、ビタミンEおよびビタミンCからなる群より選ばれる一つ又は複数の組み合わせを含み、
及び/又は、有効成分として、前記ビタミンは0.25~0.3質量部であり、
及び/又は、前記微量元素は、亜鉛、マンガン、およびセレンからなる群より選ばれる一つ又は複数の組み合わせを含み、前記亜鉛の由来は、好ましくは亜鉛含有酵母であり、前記亜鉛含有酵母中の亜鉛の含有量は、好ましくは10質量%であり、前記マンガンの由来は、好ましくはマンガン含有酵母であり、前記マンガン含有酵母中のマンガンの含有量は、好ましくは5質量%であり、前記セレンの由来はセレン含有酵母であり、前記セレン含有酵母中のセレンの含有量は、好ましくは0.2質量%であり、
及び/又は、有効成分として、前記微量元素は0.005~0.06質量部であり、
及び/又は、前記抗酸化組成物の原材料は、さらに副材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のNMN含有抗酸化組成物。
【請求項3】
有効成分として、前記ニコチンアミドモノヌクレオチドは、10.64質量部、12質量部、又は12.8質量部であり、
及び/又は、有効成分として、前記コエンザイムQ10は、0.06質量部、0.048質量部、又は0.026質量部であり、
及び/又は、有効成分として、前記プラズマローゲンは、0.45質量部、0.24質量部、又は0.26質量部であり、
及び/又は、有効成分として、前記核酸は、0.92質量部、又は1.92質量部であり、
及び/又は、有効成分として、前記アミノ酸は、0.08質量部、0.14質量部、又は0.48質量部であり、
及び/又は、有効成分として、前記ビタミンは、0.26質量部、0.28質量部、又は0.3質量部であり、
及び/又は、有効成分として、前記微量元素は、0.00642質量部、又は0.0525質量部であり、
及び/又は、前記抗酸化組成物の原材料が、さらに副材料を含む場合、前記副材料は0.2~0.5質量部であり、前記副材料は0.38質量部であり、
及び/又は、前記抗酸化組成物が、さらに副材料を含む場合、前記副材料はステアリン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載のNMN含有抗酸化組成物。
【請求項4】
10~12.8質量部のニコチンアミドモノヌクレオチド、0.028~0.06質量部のコエンザイムQ10、0.24~0.45質量部のプラズマローゲン、0.92~1.92質量部の核酸、0.08~0.48質量部のアミノ酸、0.25~0.3質量部のビタミン及び0.005~0.06質量部の微量元素を含む原材料から調製されることを特徴とする請求項1に記載のNMN含有抗酸化組成物。
【請求項5】
10~12.8質量部のニコチンアミドモノヌクレオチド、0.028~0.06質量部のコエンザイムQ10、0.24~0.45質量部のプラズマローゲン、0.92~1.92質量部の核酸、0.08~0.48質量部のアミノ酸、0.25~0.3質量部のビタミン及び0.005~0.06質量部の微量元素の原材料から調製されることを特徴とする請求項1に記載のNMN含有抗酸化組成物。
【請求項6】
10.64質量部のNMN、0.06質量部のコエンザイムQ10、0.45質量部のプラズマローゲン、0.96質量部のDNA、0.96質量部のRNA、0.28質量部のL-トリプトファン、0.2質量部のL-チロシン、0.06質量部のリボフラビン、0.06質量部のナイアシン、0.04質量部のピリドキシン塩酸塩、0.06質量部のビタミンC、0.06質量部のビタミンE、10質量%亜鉛を含む0.15質量部の亜鉛含有酵母、5質量%マンガンを含む0.15質量部のマンガン含有酵母、及び0.2質量%セレンを含む0.15質量部のセレン含有酵母の原材料から調製され、
又は、12質量部のNMN、0.048質量部のコエンザイムQ10、0.24質量部のプラズマローゲン、0.96質量部のDNA、0.96質量部のRNA、0.08質量部のL-トリプトファン、0.06質量部のL-チロシン、0.04質量部のリボフラビン、0.06質量部のナイアシン、0.04質量部のピリドキシン塩酸塩、0.06質量部のビタミンC、0.06質量部のビタミンE、10質量%の亜鉛を含む0.06質量部の亜鉛含有酵母、5質量%のマンガンを含むマ0.06質量部のマンガン含有酵母、及び0.2質量%のセレンを含む0.06質量部のセレン含有酵母の原材料から調製され、
又は、12.8質量部のNMN、0.028質量部のコエンザイムQ10、0.26質量部のプラズマローゲン、0.46質量部のDNA、0.46質量部のRNA、0.04質量部のL-トリプトファン、0.04質量部のL-チロシン、0.06質量部のリボフラビン、0.08質量部のナイアシン、0.04質量部のピリドキシン塩酸塩、0.06質量部のビタミンC、0.06質量部のビタミンE、10質量%の亜鉛を含む0.06質量部の亜鉛含有酵母、5質量%のマンガンを含む0.06質量部のマンガン含有酵母、及び0.2質量%のセレンを含む0.06質量部のセレン含有酵母の原材料から調製される、ことを特徴とする請求項1に記載のNMN含有抗酸化組成物。
【請求項7】
前記抗酸化組成物の剤形は、固体剤または液剤であり、当該固体剤は、好ましくはカプセル剤、錠剤、丸剤または顆粒剤であり、当該液剤は、好ましくは経口液剤であることを特徴とする請求項1に記載のNMN含有抗酸化組成物。
【請求項8】
前記抗酸化組成物の各原材料を混合する工程を含むことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の抗酸化組成物の調製方法。
【請求項9】
前記調製方法は、さらに、混合前に、前記抗酸化組成物の各原材料を別々に篩にかけ、例えば、60メッシュの篩にかける工程を含み、
及び/又は、前記調製方法は、さらに、造粒、乾燥及び整粒工程を含み、
及び/又は、前記調製方法は、さらに、前記抗酸化組成物を固体剤または液剤に製造する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の抗酸化組成物の調製方法。
【請求項10】
前記調製方法は、さらに、乾燥した原材料を別々に60メッシュの篩にかけ、次に選別された原材料を配合比率で秤量し、均一に混合する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の抗酸化組成物の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康食品の技術分野に関し、具体的には、NMN含有抗酸化組成物及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活水準が改善されるにつれて、健康長寿に対する関心は日増しに高まっている。同時に、様々な種類の老化防止薬も持続的に市場に登場しているが、その効果は異なっている。また、現在の社会的高齢化問題は深刻になったため、高い効果を有する老化防止複合薬の詳細な研究は、「健康な高齢化」の目標達成に必ず役に立つようになる。
【0003】
NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、コエンザイムIとも呼ばれる)は、トリカルボン酸回路の重要な補酵素で、糖、脂肪、アミノ酸の代謝を促進し、エネルギー合成に関与し、細胞代謝、酸化還元、タンパク質の転写など千種類以上の重要な生理学的反応に関与する重要な活性物質である。しかしながら、加齢に伴い、NAD+レベルは低下し続け、細胞代謝も影響を受ける。人体で、NAD+は、NAD+合成の前駆体であるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)によって合成される。2013年にDavid Sinclair教授は、「Cell」雑誌に、下記の内容が記載された文章を発表した。すなわち、マウスにNMNを投与して、NADを1週間増加させた後、22ヶ月齢のマウス(60歳の人間に相当する)は前と全く異なり、ミトコンドリアのホメオスタシスや筋肉の健康などの主要な指標が、6ヶ月齢であるマウス(20歳の人間に相当する)と同じレベルを示し、マウスの寿命は20%延長された。したがって、NMN含有アンチエイジング製品が実現された。
【0004】
現在、市販されているNMN老化防止製品は、ほとんどNMNと一部の漢方薬との組み合わせであり、体の機能をある程度高めることができるが、使用効果は理想的ではなく、老化防止効果を強化する必要がある。優れた老化防止効果を達成するために、一部の老化防止製品は、強力な抗酸化特性を備えた工業用成分を使用している。これは、短期間で効果があるが、長期間の使用は人体に非常に有害である。また、一部の老化防止製品にはビタミン型の抗酸化剤が添加されたが、製品の安定性が劣っている。
【0005】
したがって、従来技術における老化防止製品の、優れた抗酸化、老化遅延効果、人体に対する危害化、製品の品質の安定性を両立させることが難しいという欠陥を解決するために、抗酸化且つ老化遅延の組成物の開発が至急に要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の解決しようとする技術的課題は、優れた抗酸化、老化防止効果、人体に対する無害化、製品の品質の安定性を両立させることが難しいという従来の老化防止製品の欠陥を克服するための、NMN含有抗酸化組成物及びその製造方法を提供することである。本発明によって提供される抗酸化組成物は、特定の成分と特定の配合比率、合理的配合により、優れた抗酸化と老化防止効果、人体に対する無害化、製品の品質の安定性を両立できるという利点があり、また、使用しやすく、吸収効果がよく、不良や副作用がない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明は、以下の解決手段によって上記の技術的問題を解決する。
本発明は、有効成分として、10~13質量部のニコチンアミドモノヌクレオチド、0.02~0.06質量部のコエンザイムQ10、0.2~0.5質量部のプラズマローゲン、0.8~2.0質量部の核酸、0.05~1質量部のアミノ酸、0.2~0.5質量部のビタミン及び0.005~0.08質量部の微量元素を含む原材料から調製されるNMN含有抗酸化組成物を提供する。
【0008】
好ましくは、有効成分として、前記ニコチンアミドモノヌクレオチドは、10~12.8質量部であり、例えば、10.64質量部、12質量部、又は12.8質量部である。
【0009】
好ましくは、有効成分として、前記コエンザイムQ10は、0.028~0.06質量部であり、例えば0.06質量部、0.048質量部、又は0.026質量部である。
【0010】
好ましくは、有効成分として、前記プラズマローゲンは、0.24~0.45質量部であり、例えば、0.45質量部、0.24質量部、又は0.26質量部である。
【0011】
好ましくは、有効成分として、前記核酸は0.92~1.92質量部であり、例えば0.92質量部、又は1.92質量部である。
【0012】
好ましくは、有効成分として、前記アミノ酸は、0.08~0.48質量部であり、例えば0.08質量部、0.14質量部、又は0.48質量部である。
【0013】
好ましくは、有効成分として、前記ビタミンは0.25~0.3質量部であり、例えば0.26質量部、0.28質量部、又は0.3質量部である。
【0014】
好ましくは、有効成分として、前記微量元素は0.005~0.06質量部、例えば0.00642質量部、又は0.0525質量部である。
【0015】
好ましくは、前記抗酸化組成物は、有効成分として、10~12.8質量部のニコチンアミドモノヌクレオチド、0.028~0.06質量部のコエンザイムQ10、0.24~0.45質量部のプラズマローゲン、0.92~1.92質量部の核酸、0.08~0.48質量部のアミノ酸、0.25~0.3質量部のビタミン、0.005~0.06質量部の微量元素を含む原材料から調製される。
【0016】
好ましくは、前記抗酸化組成物は、有効成分として、10~12.8質量部のニコチンアミドモノヌクレオチド、0.028~0.06質量部のコエンザイムQ10、0.24~0.45質量部のプラズマローゲン、0.92~1.92質量部の核酸、0.08~0.48質量部のアミノ酸、0.25~0.3質量部のビタミン、0.005~0.06質量部の微量元素の原材料から調製される。
【0017】
本発明において、前記プラズマローゲンの由来は、鶏ムネ肉プラズマローゲン粉末であってもよい。
【0018】
好ましくは、前記核酸は、RNA及び/又はDNAを含む。ここで、前記DNAの由来は鮭白子抽出物であってもよく、前記RNAの由来はビール酵母抽出物であってもよい。
【0019】
好ましくは、前記アミノ酸は、L-トリプトファン及び/又はL-チロシンを含む。
【0020】
好ましくは、前記ビタミンは、リボフラビン(VB2)、ナイアシン(VB3)、ピリドキシン塩酸塩(VB6)、ビタミンE及びビタミンCからなる群より選ばれる一つ又は複数の組み合わせを含む。
【0021】
好ましくは、前記微量元素は、亜鉛、マンガン及びセレンからなる群より選ばれる一つ又は複数の組み合わせを含む。ここで、前記亜鉛の由来は、亜鉛含有酵母であってもよく、前記亜鉛含有酵母中の亜鉛の含有量は10質量%であることが好ましい。前記マンガンの由来はマンガン含有酵母であってもよく、前記マンガン含有酵母中のマンガンの含有量は5質量%であることが好ましい。前記セレンの由来はセレン含有酵母であってもよく、前記セレン含有酵母中のセレンの含有量は0.2質量%であることが好ましい。
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、前記抗酸化組成物は、有効成分として、10.64質量部のNMN、0.06質量部のコエンザイムQ10、0.45質量部のプラズマローゲン、0.96質量部のDNA、0.96質量部のRNA、0.28質量部のL-トリプトファン、0.2質量部のL-チロシン、0.06質量部のリボフラビン(VB2)、0.06質量部のナイアシン、0.04質量部のピリドキシン塩酸塩、0.06質量部のビタミンC、0.06質量部のビタミンE、0.15質量部の亜鉛含有酵母(前記亜鉛含有酵母中の亜鉛含有量が10質量%である)、0.15質量部のマンガン含有酵母(前記マンガン含有酵母中のマンガンの含有量が5質量%である)、0.15質量部のセレン含有酵母(前記セレン含有酵母中のセリンの含有量が0.2質量%である)の原材料から調製される。
【0023】
本発明の別の好ましい実施形態では、前記抗酸化組成物は、有効成分として、12質量部のNMN、0.048質量部のコエンザイムQ10、0.24質量部のプラズマローゲン、0.96質量部のDNA、0.96質量部のRNA、0.08質量部のL-トリプトファン、0.06質量部のL-チロシン、0.04質量部のリボフラビン(VB2)、0.06質量部のナイアシン、0.04質量部のピリドキシン塩酸塩(VB6)、0.06質量部のビタミンC(L-アスコルビン酸P)、0.06質量部のビタミンE、0.06質量部の亜鉛含有酵母(前記亜鉛含有酵母中の亜鉛の含有量が10質量%である)、0.06質量部のマンガン含有酵母(前記マンガン含有酵母中のマンガンの含有量が5質量%である)、0.06質量部のセレン含有酵母(前記セレン含有酵母中のセレンの含有量が0.2質量%である)の原材料から調製される。
【0024】
本発明の別の好ましい実施形態では、前記抗酸化組成物は、有効成分として、12.8質量部のNMN、0.028質量部のコエンザイムQ10、0.26質量部のプラズマローゲン、0.46質量部のDNA、0.46質量部のRNA、0.04質量部のL-トリプトファン、0.04質量部のL-チロシン、0.06質量部のリボフラビン(VB2)、0.08質量部のナイアシン、0.04質量部のピリドキシン塩酸塩(VB6)、0.06質量部のビタミンC(L-アスコルビン酸P)、0.06質量部のビタミンE、0.06質量部の亜鉛含有酵母(前記亜鉛含有酵母中の亜鉛の含有量が10質量%である)、0.06質量部のマンガン含有酵母(前記マンガン含有酵母中のマンガンの含有量が5質量%である)、0.06質量部のセレン含有酵母(前記セレン含有酵母中のセレンの含有量が0.2質量%である)の原材料から調製される。
【0025】
本発明において、前記抗酸化組成物の原材料には、さらに本分野の公知の副材料を含んでもよく、前記副材料は、例えばステアリン酸カルシウムである。
【0026】
ここで、前記副材料の質量部は、当該分野の公知により設定することができ、例えば、有効成分として、0.2~0.5質量部、また例えば0.38質量部である。
【0027】
本発明において、前記抗酸化組成物の剤形は、当該分野の公知の剤形、例えば、固体剤又は液剤である。ここで、固体剤は、カプセル剤、錠剤、丸剤又は顆粒剤であってもよく、前記液剤は、経口液剤であってもよい。
【0028】
また、本発明は、前記抗酸化組成物の各原材料を混合する工程を含む前記抗酸化組成物の調製方法を提供する。
【0029】
本発明の好ましい実施形態では、前記調製方法は、さらに、混合前に、前記抗酸化組成物の各原材料を別々に篩にかける工程を含み、例えば、60メッシュの篩にかける。
【0030】
本発明の好ましい実施形態では、前記調製方法は、さらに、乾燥した原材料を別々に60メッシュの篩にかけ、次に篩にかけた原材料を配合比率で秤量し、均一に混合する工程を含む。
【0031】
本発明において、前記調製方法は、当該分野の公知の工程に従い、さらに、造粒、乾燥及び整粒工程を含むことができる。
【0032】
また、前記調製方法は、当該分野の公知の工程に従い、前記抗酸化組成物を固体剤又は液剤に製造する工程を含むことができる。
【0033】
当該分野の常識に基づく、上記の好ましい条件を任意に組み合わせて、本発明の好ましい例を得ることができる。
【0034】
本発明で使用される試薬及び原材料は、すべて市販で入手できる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の積極的・進歩的な効果は、以下の通りである。
1)本発明により提供される技術的手段では、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)は、体のエネルギー代謝を活性化させ、体の酸化ストレス応答を改善する役割を果たすことができる。同時に、コエンザイムQ10、プラズマローゲン、核酸、アミノ酸、ビタミン、及び微量元素との相乗効果により、抗酸化、老化遅延、及び代謝速度の向上など優れた効果が得られ、また組成物中の各成分の構造が安定で、得られた対応する製品の変質や破損が起こりにくい。同時に、各成分は安全で人体に有益であり、優れた抗酸化と老化防止効果、人体に対する無害化、製品の品質の安定性を両立できるという利点がある。
【0036】
2)本発明で提供される技術的手段では、特定の成分の特定の配合比率を採用することにより、その組み合わせが合理で、配合が好適で、使用しやすく、吸収効果がよく、不良や副作用がない。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施例における技術的手段を明確かつ完全に説明するが、これら説明される実施例は、すべての実施例ではなく、本発明の実施例の一部にすぎないことは明らかである。本発明の実施例に基づいて、創造的な労働なしの前提で、当業者によって得られる他のすべての実施例は、本発明の保護範囲内にあるはずである。
【0038】
以下の実施例で使用される試薬は、特に説明のない限り、従来の生化学試薬商店で購入できる。ここで、NMNはYikelai Biotechnology(Shanghai)Co.,Ltdから購入したものである。以下の例では、特定の条件のない実験方法は、従来の方法と条件、又は製品仕様書に従って選択される。
【0039】
この実験では、実験マウスの肝臓中のSOD、MDA、及びGSH-Pxの含有量を検出して、マウスのモデリング状況と薬の保護効果を評価した。
【0040】
T-SOD試薬キット、MDA試薬キット、及びGSH-Px試薬キットはすべて南京建成生物会社から購入した。
【0041】
マウスは哺乳動物であり、ヒトの老化に関連する機序と老化防止薬の開発の研究に最も広く使用されているモデル生物である。D-ガラクトース(D-galactose,D-gal)の長期腹腔内注射は、体の老化を引き起こす可能性がある。この方法で製造された老化モデルは、人体の自然老化に非常に類似している。老化モデルが正常に製造された後、生体の生化学的及び生理学的指標の変化は、いずれも自然老化と非常に類似している。したがって、D-ガラクトース老化モデルは最も典型的な老化研究モデルとして、体の老化効果の研究に広く使用されている。
【0042】
活性酸素種(Reactive oxygen species,ROS)は、酸化システムによって生成されるROS官能基を含む化合物であり、体内で最も重要なフリーラジカルである。体の老化過程において、生成されるROSの量はクリアランスの量よりも多く、蓄積されたROSは臓器や組織を損傷し、体の老化を加速化させる。
スーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide Dismutase,SOD)は、生体由来の活性物質であり、代謝過程において生体内で産生する有害物質を排除することができ、SODを一定量補給することにより、特別な老化防止効果をもたらす。
グルタチオンペルオキシダーゼ(Glutathione peroxidase,GSH-Px)は、体内に広く存在する重要なペルオキシダーゼ分解酵素である。GSH-Pxの活性中心はセレノシステインであり、その活力は体のセレンレベルを反映することができる。
セレンはGSH-Px酵素系の組成分で、GSHをGSSGに触媒し、有毒な過酸化物を無毒なヒドロキシル化合物に還元し、それにより、過酸化物の損傷から細胞膜の構造と機能を保護する。
マロンジアルデヒド(Malonic Dialdehyde,MDA)は、膜脂質過酸化の最も重要な生成物の1つである。過剰なMDAの生成は、膜の損傷を悪化させ、細胞毒性を示す。そのため、MDAは老化検出の重要な指標となる。
【0043】
老化する体内でのROSの生成と除去は両者とも肝臓と密接な関係がある。老化の過程において、肝臓のSOD活性が大幅に低下され、過酸化脂質MDAの含有量が増加されるため、ROSを除去する肝臓の能力が低下され、ROSの蓄積を促進させ、体の老化を加速化させる。肝臓は、グルタチオン(GSH)等の抗酸化酵素の合成にとっても重要な器官である。同様に、老化はGSHの酵素活性に影響を与える。
【実施例0044】
〔実施例1〕
組成物カプセル剤の調製
(1)活性原材料:10.64gのNMN、0.6gのコエンザイムQ10水溶液(コエンザイムQ10の含有量は10質量%である)、0.45gのプラズマローゲン、0.96gのDNA、0.96gのRNA、0.28gのL-トリプトファン、0.2gのL-チロシン、0.06gのリボフラビン(VB2)、0.06gのナイアシン、0.04gのピリドキシン塩酸塩(VB6)、0.06gのビタミンC(L-アスコルビン酸P)、0.06gの乾燥ビタミンE、0.15gの亜鉛含有酵母(亜鉛の含有量は10質量%である)、0.15gのマンガン含有酵母(マンガンの含有量は5質量%である)、0.15gのセレン含有酵母(セレンの含有量は0.2質量%である)。
(2)副材料:0.38gのステアリン酸カルシウム
(3)調製方法:
乾燥した原材料と副材料をそれぞれ60メッシュの篩にかけた後、選別された原材料を配合比率で秤量し、同時に関連する副材料を加えて、均一に混合した。造粒、乾燥、整粒等の工程の後、公知の方法によってカプセルに充填して、カプセル剤を得た。
各カプセル剤において、内容物の理論的な質量は260mgであり、NMNの理論的な含有量は182mgである。
【0045】
〔実施例2〕
組成物カプセル剤の調製
(1)活性原材料:12gのNMN、0.48gのコエンザイムQ10水溶液(コエンザイムQ10の含有量は10質量%である)、0.24gのプラズマローゲン、0.96gのDNA、0.96gのRNA、0.08gのL-トリプトファン、0.06gのL-チロシン、0.04gのリボフラビン(VB2)、0.06gのナイアシン、0.04gのピリドキシン塩酸塩(VB6)、0.06gのビタミンC(L-アスコルビン酸P)、0.06gの乾燥ビタミンE、0.06gの亜鉛含有酵母(亜鉛の含有量は10質量%である)、0.06gのマンガン含有酵母(マンガンの含有量は5質量%である)、0.06gのセレン含有酵母(セレンの含有量は0.2質量%である)。
(2)副材料:0.38gのステアリン酸カルシウム
(3)調製方法:
乾燥した原材料と副材料をそれぞれ60メッシュの篩にかけた後、選別された原材料を配合比率で秤量し、同時に関連する副材料を加えて、均一に混合した。造粒、乾燥、整粒等の工程の後、公知の方法によってカプセルに充填して、カプセル剤を得た。
各カプセル剤において、内容物の理論的な質量は260mgであり、NMNの理論的な含有量は200mgである。
【0046】
〔実施例3〕
組成物カプセル剤の調製
(1)活性原材料:12.8gのNMN、0.28gのコエンザイムQ10水溶液(コエンザイムQ10の含有量は10質量%である)、0.26gのプラズマローゲン、0.46gのDNA、0.46gのRNA、0.04gのL-トリプトファン、0.04gのL-チロシン、0.06gのリボフラビン(VB2)、0.08gのナイアシン、0.04gのピリドキシン塩酸塩(VB6)、0.06gのビタミンC(L-アスコルビン酸P)、0.06gの乾燥ビタミンE、0.06gの亜鉛含有酵母(亜鉛の含有量は10質量%である)、0.06gのマンガン含有酵母(マンガンの含有量は5質量%である)、0.06gのセレン含有酵母(セレンの含有量は0.2質量%である)。
(2)副材料:0.38gのステアリン酸カルシウム
(3)調製方法:
乾燥した原材料と副材料をそれぞれ60メッシュの篩にかけた後、選別された原材料を配合比率で秤量し、同時に関連する副材料を加えて、均一に混合した。造粒、乾燥、整粒等の工程の後、公知の方法によってカプセルに充填して、カプセル剤を得た。
各カプセル剤において、内容物の理論的な質量は260mgであり、NMNの理論的な含有量は219mgである。
【0047】
〔比較例1〕
NMN+副材料組成物
実施例3との相違点は、組成物の組成が異なる点にあり、組成物は15.22gのNMN及び0.38gのステアリン酸カルシウムからなり、実施例3と同様な調製方法で調製した。
各カプセル剤において、内容物の理論的な質量は260mgであり、NMNの理論的な含有量は230mgである。
【0048】
〔試験例1〕
組成物の安定性試験
安定性の調査試験において、実施例1~3で得られたカプセル剤を12ヶ月間の長期保存条件下(30℃±2℃、RH65%±5%)に置いた。クロマトグラフィーにより、0ヶ月、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月後の製剤におけるNMNの含有量を測定した。クロマトグラフィーの条件は以下の通りである。
【0049】
カラム:Welch Ultimate AQ-C18(5μm、4.6×250mm);バッファー:0.05mol/Lリン酸水素二アンモニウム:10%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液=91:1、リン酸でpHを3.6に調整し;移動相:アセトニトリル:バッファー=8:92;流速:1.0mL/分;検出波長:254nm;カラム温度:30℃;注入量:10μL;実行時間:40分;希釈剤:超純水。
【0050】
試験結果を以下の表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
上記の試験結果から、本発明の実施例1~3で調製されたNMN含有抗酸化組成物は良好な製剤安定性を有し、NMN含有量は0~3ヶ月以内にほとんど損失がなく、12ヶ月に亘っても依然として高いままであることが分かった。これは、本発明の実施例の調製方法及び原材料成分の間の相乗的相互作用が、NMN含有抗酸化組成物中のNMN及び原材料成分の安定性の改善に効果的であることを示した。
【0053】
〔試験例2〕
組成物の老化防止効果の測定
開示された抗酸化及び老化防止組成物の製剤をマウスで試験して、その効果及び安全性を測定した。
【0054】
80匹の成体マウスを選択し、マウスをすべて動物室で2週間適応性飼育を行い、12時間の1日リズムにより光を調整した。飼育期間中、マウスに食と水を自由に摂取させ、飼育環境温度は20℃~22℃に、相対湿度は50%~60%に維持した。
【0055】
2週間の適応期間の後、実験を行い、体重に応じてマウスを正常群、モデル群(D-gal 100mg/kg/日、代表的な投与量)、及び対照群(比較例1のNMN+副材料組成物50mg/kg/日、代表的な投与量)、実験群1、2及び3(それぞれ実施例1、2及び3で調製した製品組成物を50mg/kg/日で使用し、代表的な投与量)に分けた。群あたり20匹であった。
【0056】
モデルの構築:正常群を除いて、他の群には毎日100mg/kg体重のD-galを腹腔内注射し、正常群には同じ投与量及び方法で生理食塩水を腹腔内注射し、10週間続け、亜急性老化モデルを構築した。
【0057】
7週目から、対照群と実験群にはそれぞれ対応する試験薬NMN+副材料組成物、製品組成物を経口投与し、投与量は上記の通りである。正常群とモデル群には生理食塩水を100mg/kg体重で経口投与し、4週間続け、10週間後の実験終了時に、すべての実験マウスを自由に水分を摂取させ、絶食で殺処分した。
【0058】
マウスを殺処分した後、肝臓組織を収集し、0.1g肝臓組織を2mLEpチューブに正確に量り、0.9mLの予備冷却した生理食塩水を加え、均一にスラリー化し、遠心分離し、上清を収集して、分注した。つまり10質量%のホモジネートが調製された。まずホモジネートのタンパク質濃度を測定し、次にT-SOD、MDA、及びGSH-Pxの含有量を、対応する各試薬キットの製品仕様書の操作マニュアルに従って厳密に測定した。
【0059】
実験結果を以下の表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】
注:
正常群との比較:#は、有意差がある(0.01<P <0.05)ことを示し、##は、非常に有意差がある(P<0.01)ことを示す。
モデル群との比較:*は、有意差がある(0.01 <P<0.05)ことを示し、 **は、非常に有意差がある(P<0.01)ことを示す。
【0062】
上記実験データから分かるように、(1)モデル群と比較して、NMN+副材料で処理された対照群マウスは、肝組織中の有益因子T-SOD含有量がモデル群よりも高く、正常群のレベルに近い。これに対して、モデル群と比較して、本発明の実施例1、2及び3の製品組成物で処理された実験群のマウスは、T-SOD含有量がモデル群よりもはるかに高く、正常群及び対照群を超えていた。
(2)モデル群と比較して、NMN+副材料組成物で処理された対照群のマウスは、肝臓組織中のGSH-Px含有量がモデル群よりもわずかに高かった。これに対して、モデル群と比較して、本発明の実施例1、2、及び3の製品組成物で処理された実験群マウスは、GSH-Pxの含有量がモデル群よりも高く、ほぼ正常群のレベルに近い。
(3)モデル群と比較して、NMN+副材料で処理された対照群マウスは、MDA因子含有量がモデル群よりも低く、これに対して、モデル群と比較して、本発明の実施例1、2及び3の製品組成物で処理された実験群のマウスは、肝組織中のMDA因子含有量がモデル群よりも低く、正常群のレベルに近い。
【0063】
以上の実験結果から示されるように、本発明の製品組成物及び比較例1のNMN+副材料の組成物はいずれも老化マウスの肝臓に抗酸化効果を生じ、老化マウスの肝臓の健康を保護して、それに保護効果を及ぼすが、本発明の製品組成物は、各成分間の相乗効果により、比較例1のNMN+副材料組成物よりも優れた抗酸化効果を有する。
【0064】
以上の実験結果から示されるように、本発明の製品組成物及び比較例1のNMN+副材料の組成物はいずれも老化マウスの肝臓に抗酸化効果を生じ、老化マウスの肝臓の健康を保護して、それに保護効果を及ぼすが、本発明の製品組成物は、各成分間の相乗効果により、比較例1のNMN+副材料組成物よりも優れた抗酸化効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、NMN含有抗酸化組成物及びその調製方法に利用できる。