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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054715
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/14 20060101AFI20220331BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20220331BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20220331BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20220331BHJP
   G03G 15/02 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
G03G21/14
G03G15/00 303
G03G15/01 Y
G03G15/08 229
G03G15/02 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020161890
(22)【出願日】2020-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】住田 純也
(72)【発明者】
【氏名】三村 千栄子
【テーマコード(参考)】
2H077
2H200
2H270
2H300
【Fターム(参考)】
2H077BA07
2H077DB08
2H077GA13
2H077GA15
2H200FA08
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA29
2H200GA44
2H200GA47
2H200GA56
2H200GB15
2H200HA12
2H200HA29
2H200HB03
2H200HB28
2H200JA02
2H200JA29
2H200LA19
2H200LA24
2H200PA05
2H200PA10
2H200PA13
2H200PA26
2H270KA04
2H270KA19
2H270MA02
2H270MA15
2H270MA25
2H270MA28
2H270MB04
2H270MC01
2H270MC13
2H270MC15
2H270MC29
2H270MC35
2H270MC39
2H270MC48
2H270MC70
2H270MD10
2H270MH07
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
2H300EB04
2H300EB07
2H300EB12
2H300EB27
2H300EF02
2H300EG05
2H300EJ09
2H300EJ14
2H300EJ25
2H300EJ29
2H300EJ33
2H300EJ39
2H300EL01
2H300EL10
2H300FF08
2H300GG29
2H300HH24
2H300QQ04
2H300QQ10
2H300QQ11
2H300QQ14
2H300QQ32
2H300TT03
2H300TT04
2H300TT06
(57)【要約】
【課題】現像ローラを感光ドラムに接触させるときに、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着するのを抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、感光ドラム50と、帯電装置(スコロトロン帯電器52)と、現像ローラ61と、離間機構と、制御部2とを備える。制御部2は、現像ローラ61を、感光ドラム50から離間する離間位置から、感光ドラム50に接触する接触位置に移動させる場合、帯電装置に、帯電バイアスとして、シートSに画像を形成する画像形成処理を実行するときに印加する第1帯電バイアスよりも絶対値が大きい第2帯電バイアスを印加して感光ドラム50を帯電させる接触準備処理と、現像ローラ61が、感光ドラム50の、第2帯電バイアスが印加された帯電装置により帯電された部分に接触するタイミングで、現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる接触処理とを実行可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムと、
前記感光ドラムを帯電させる帯電装置と、
前記感光ドラムの表面に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像ローラと、
前記現像ローラを、前記感光ドラムに接触する接触位置と、前記感光ドラムから離間する離間位置との間で移動させる離間機構と、
制御部と、を備える画像形成装置であって、
前記制御部は、
前記現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に移動させる場合、
前記帯電装置に、帯電バイアスとして、シートに画像を形成する画像形成処理を実行するときに印加する第1帯電バイアスよりも絶対値が大きい第2帯電バイアスを印加して前記感光ドラムを帯電させる接触準備処理と、
前記現像ローラが、前記感光ドラムの、前記第2帯電バイアスが印加された前記帯電装置により帯電された部分に接触するタイミングで、前記現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に移動させる接触処理と、を実行可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記接触準備処理において、前記現像ローラに、前記画像形成処理を実行するときに印加する第1現像バイアスよりも絶対値が小さい第2現像バイアスを印加することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記感光ドラムを第1速度で回転させる第1回転処理と、前記感光ドラムを前記第1速度よりも遅い第2速度で回転させる第2回転処理と、を実行可能であり、
前記第2回転処理の実行中に前記現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に移動させる場合、前記接触準備処理において、前記第2帯電バイアスの絶対値を、前記第1回転処理の実行中に前記現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に移動させる場合よりも大きくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記現像ローラを前記接触位置から前記離間位置に移動させる場合、
前記帯電装置に、帯電バイアスとして、前記第1帯電バイアスよりも絶対値が大きい第3帯電バイアスを印加して前記感光ドラムを帯電させる離間準備処理と、
前記現像ローラが、前記感光ドラムの、前記第3帯電バイアスが印加された前記帯電装置により帯電された部分と接触しているタイミングで、前記現像ローラを前記接触位置から前記離間位置に移動させる離間処理と、を実行可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記離間準備処理において、前記現像ローラに、前記画像形成処理を実行するときに印加する第1現像バイアスよりも絶対値が小さい第3現像バイアスを印加することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記感光ドラムを第1速度で回転させる第1回転処理と、前記感光ドラムを前記第1速度よりも遅い第2速度で回転させる第2回転処理と、を実行可能であり、
前記第2回転処理の実行中に前記現像ローラを前記接触位置から前記離間位置に移動させる場合、前記離間準備処理において、前記第3帯電バイアスの絶対値を、前記第1回転処理の実行中に前記現像ローラを前記接触位置から前記離間位置に移動させる場合よりも大きくすることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記帯電装置は、放電ワイヤと、前記放電ワイヤと前記感光ドラムとの間に設けられたグリッド電極とを有するスコロトロン帯電器であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記放電ワイヤに印加するバイアスを制御することにより、帯電バイアスを制御することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記グリッド電極に印加するバイアスを制御することにより、帯電バイアスを制御することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記感光ドラムの表面に形成されたトナー像をシートに転写する転写装置を備え、
前記制御部は、前記現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させる場合、前記転写装置に、前記画像形成処理を実行するときに印加する第1転写バイアスよりも絶対値が小さい、または、前記第1転写バイアスとは逆の極性の、第2転写バイアスを印加する転写抑制処理を実行可能であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記転写装置は、前記感光ドラムとの間でシートを挟む転写ローラであることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
感光ドラムと、
前記感光ドラムを帯電させる帯電装置と、
前記感光ドラムの表面に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像ローラと、
前記現像ローラを、前記感光ドラムに接触する接触位置と、前記感光ドラムから離間する離間位置との間で移動させる離間機構と、
制御部と、を備える画像形成装置であって、
前記制御部は、
前記現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に移動させる場合、
少なくとも前記帯電装置により、前記感光ドラムの表面に、前記感光ドラムの表面電位と前記現像ローラの表面電位との電位差が、シートに画像を形成する画像形成処理を実行する場合よりも大きい接触領域を形成する接触領域形成処理と、
前記現像ローラが前記接触領域に接触するタイミングで、前記現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に移動させる接触処理と、を実行可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記接触領域形成処理において、前記現像ローラの表面電位を、前記画像形成処理を実行する場合の前記感光ドラムの表面電位に対し、電位差が大きくなるように変更することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記感光ドラムを第1速度で回転させる第1回転処理と、前記感光ドラムを前記第1速度よりも遅い第2速度で回転させる第2回転処理と、を実行可能であり、
前記第2回転処理の実行中に前記現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に移動させる場合、前記接触領域形成処理において、前記接触領域の、前記感光ドラムの表面電位と前記現像ローラの表面電位との電位差を、前記第1回転処理の実行中に前記現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に移動させる場合よりも大きくすることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記制御部は、
前記現像ローラを前記接触位置から前記離間位置に移動させる場合、
少なくとも前記帯電装置により、前記感光ドラムの表面に、前記感光ドラムの表面電位と前記現像ローラの表面電位との電位差が、前記画像形成処理を実行する場合よりも大きい離間領域を形成する離間領域形成処理と、
前記現像ローラが前記離間領域と接触しているタイミングで、前記現像ローラを前記接触位置から前記離間位置に移動させる離間処理と、を実行可能であることを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記離間領域形成処理において、前記現像ローラの表面電位を、前記画像形成処理を実行する場合の前記感光ドラムの表面電位に対し、電位差が大きくなるように変更することを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記制御部は、
前記感光ドラムを第1速度で回転させる第1回転処理と、前記感光ドラムを前記第1速度よりも遅い第2速度で回転させる第2回転処理と、を実行可能であり、
前記第2回転処理の実行中に前記現像ローラを前記接触位置から前記離間位置に移動させる場合、前記離間領域形成処理において、前記離間領域の、前記感光ドラムの表面電位と前記現像ローラの表面電位との電位差を、前記第1回転処理の実行中に前記現像ローラを前記接触位置から前記離間位置に移動させる場合よりも大きくすることを特徴とする請求項15または請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記帯電装置は、放電ワイヤと、前記放電ワイヤと前記感光ドラムとの間に設けられたグリッド電極とを有するスコロトロン帯電器であることを特徴とする請求項12から請求項17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記制御部は、前記放電ワイヤに印加する電圧、または、前記放電ワイヤに流す電流を制御することにより、前記感光ドラムの表面電位を制御することを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記制御部は、前記グリッド電極に印加する電圧、または、前記グリッド電極に流す電流を制御することにより、前記感光ドラムの表面電位を制御することを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記感光ドラムの表面に形成されたトナー像をシートに転写する転写装置を備え、
前記制御部は、前記現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させる場合、前記転写装置に印加する電圧を制御することにより、前記感光ドラム上のトナーを、前記画像形成処理を実行する場合よりも前記転写装置に引き寄せられにくくする転写抑制処理を実行可能であることを特徴とする請求項12から請求項20のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項22】
前記転写装置は、前記感光ドラムとの間でシートを挟む転写ローラであることを特徴とする請求項21に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ローラを感光ドラムに対して接触または離間させることが可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、現像ローラを感光ドラムに対して接触または離間させることが可能なものが知られている(特許文献1)。この技術では、制御部は、現像ローラを感光ドラムに対して接触または離間させる際に印加する現像バイアスを、画像形成時に用いる現像バイアスよりも現像ローラ上のトナーが感光ドラム側に移動しにくい電界を発生させる現像バイアスに切り換えるように制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-106152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来技術では、現像ローラを感光ドラムに接触させるときに、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着するのを十分に抑制することができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、現像ローラを感光ドラムに接触させるときに、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着するのを抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するための画像形成装置は、感光ドラムと、感光ドラムを帯電させる帯電装置と、感光ドラムの表面に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像ローラと、現像ローラを、感光ドラムに接触する接触位置と、感光ドラムから離間する離間位置との間で移動させる離間機構と、制御部と、を備える。
そして、制御部は、現像ローラを離間位置から接触位置に移動させる場合、帯電装置に、帯電バイアスとして、シートに画像を形成する画像形成処理を実行するときに印加する第1帯電バイアスよりも絶対値が大きい第2帯電バイアスを印加して感光ドラムを帯電させる接触準備処理と、現像ローラが、感光ドラムの、第2帯電バイアスが印加された帯電装置により帯電された部分に接触するタイミングで、現像ローラを離間位置から接触位置に移動させる接触処理と、を実行可能である。
また、制御部は、現像ローラを離間位置から接触位置に移動させる場合、少なくとも帯電装置により、感光ドラムの表面に、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差が、シートに画像を形成する画像形成処理を実行する場合よりも大きい接触領域を形成する接触領域形成処理と、現像ローラが接触領域に接触するタイミングで、現像ローラを離間位置から接触位置に移動させる接触処理と、を実行可能である。
【0007】
このような構成によれば、現像ローラを感光ドラムに接触させるときに、現像ローラを、感光ドラムの表面のうち、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差を大きくした部分に接触させることができる。これにより、現像ローラを感光ドラムに接触させるときに、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着するのを抑制することができる。
【0008】
前記した画像形成装置において、制御部は、接触準備処理において、現像ローラに、画像形成処理を実行するときに印加する第1現像バイアスよりも絶対値が小さい第2現像バイアスを印加する構成とすることができる。
また、制御部は、接触領域形成処理において、現像ローラの表面電位を、画像形成処理を実行する場合の感光ドラムの表面電位に対し、電位差が大きくなるように変更する構成とすることができる。
【0009】
これによれば、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差をより大きくすることができる。これにより、現像ローラを感光ドラムに接触させるときに、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着するのをより抑制することができる。
【0010】
前記した画像形成装置において、制御部は、感光ドラムを第1速度で回転させる第1回転処理と、感光ドラムを第1速度よりも遅い第2速度で回転させる第2回転処理と、を実行可能であってもよい。
この構成で、制御部は、第2回転処理の実行中に現像ローラを離間位置から接触位置に移動させる場合、接触準備処理において、第2帯電バイアスの絶対値を、第1回転処理の実行中に現像ローラを離間位置から接触位置に移動させる場合よりも大きくする構成とすることができる。
また、制御部は、第2回転処理の実行中に現像ローラを離間位置から接触位置に移動させる場合、接触領域形成処理において、接触領域の、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差を、第1回転処理の実行中に現像ローラを離間位置から接触位置に移動させる場合よりも大きくする構成とすることができる。
【0011】
これによれば、第1回転処理の実行中よりも、現像ローラを感光ドラムに接触させるときに、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着しやすい第2回転処理の実行中に、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差をより大きくすることができる。これにより、第2回転処理の実行中に、現像ローラを感光ドラムに接触させるときに、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着するのを効果的に抑制することができる。
【0012】
前記した画像形成装置において、制御部は、現像ローラを接触位置から離間位置に移動させる場合、帯電装置に、帯電バイアスとして、第1帯電バイアスよりも絶対値が大きい第3帯電バイアスを印加して感光ドラムを帯電させる離間準備処理と、現像ローラが、感光ドラムの、第3帯電バイアスが印加された帯電装置により帯電された部分と接触しているタイミングで、現像ローラを接触位置から離間位置に移動させる離間処理と、を実行可能である構成とすることができる。
また、制御部は、現像ローラを接触位置から離間位置に移動させる場合、少なくとも帯電装置により、感光ドラムの表面に、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差が、画像形成処理を実行する場合よりも大きい離間領域を形成する離間領域形成処理と、現像ローラが離間領域と接触しているタイミングで、現像ローラを接触位置から離間位置に移動させる離間処理と、を実行可能である構成とすることができる。
【0013】
これによれば、現像ローラを感光ドラムから離間させるときに、現像ローラを、感光ドラムの表面のうち、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差を大きくした部分から離間させることができる。これにより、現像ローラを感光ドラムから離間させるときに、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着するのを抑制することができる。
【0014】
前記した画像形成装置において、制御部は、離間準備処理において、現像ローラに、画像形成処理を実行するときに印加する第1現像バイアスよりも絶対値が小さい第3現像バイアスを印加する構成とすることができる。
また、制御部は、離間領域形成処理において、現像ローラの表面電位を、画像形成処理を実行する場合の感光ドラムの表面電位に対し、電位差が大きくなるように変更する構成とすることができる。
【0015】
これによれば、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差をより大きくすることができる。これにより、現像ローラを感光ドラムから離間させるときに、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着するのをより抑制することができる。
【0016】
前記した画像形成装置において、制御部は、感光ドラムを第1速度で回転させる第1回転処理と、感光ドラムを第1速度よりも遅い第2速度で回転させる第2回転処理と、を実行可能であってもよい。
この構成で、制御部は、第2回転処理の実行中に現像ローラを接触位置から離間位置に移動させる場合、離間準備処理において、第3帯電バイアスの絶対値を、第1回転処理の実行中に現像ローラを接触位置から離間位置に移動させる場合よりも大きくする構成とすることができる。
また、制御部は、第2回転処理の実行中に現像ローラを接触位置から離間位置に移動させる場合、離間領域形成処理において、離間領域の、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差を、第1回転処理の実行中に現像ローラを接触位置から離間位置に移動させる場合よりも大きくする構成とすることができる。
【0017】
これによれば、第1回転処理の実行中よりも、現像ローラを感光ドラムから離間させるときに、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着しやすい第2回転処理の実行中に、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差をより大きくすることができる。これにより、第2回転処理の実行中に、現像ローラを感光ドラムから離間させるときに、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着するのを効果的に抑制することができる。
【0018】
前記した画像形成装置において、帯電装置は、放電ワイヤと、放電ワイヤと感光ドラムとの間に設けられたグリッド電極とを有するスコロトロン帯電器である構成とすることができる。
【0019】
前記した画像形成装置において、制御部は、放電ワイヤに印加するバイアスを制御することにより、帯電バイアスを制御する構成とすることができる。
また、制御部は、放電ワイヤに印加する電圧、または、放電ワイヤに流す電流を制御することにより、感光ドラムの表面電位を制御する構成とすることができる。
【0020】
前記した画像形成装置において、制御部は、グリッド電極に印加するバイアスを制御することにより、帯電バイアスを制御する構成とすることができる。
また、制御部は、グリッド電極に印加する電圧、または、グリッド電極に流す電流を制御することにより、感光ドラムの表面電位を制御する構成とすることができる。
【0021】
前記した画像形成装置は、感光ドラムの表面に形成されたトナー像をシートに転写する転写装置を備えていてもよい。
この構成で、制御部は、現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる場合、転写装置に、画像形成処理を実行するときに印加する第1転写バイアスよりも絶対値が小さい、または、第1転写バイアスとは逆の極性の、第2転写バイアスを印加する転写抑制処理を実行可能である構成とすることができる。
また、制御部は、現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる場合、転写装置に印加する電圧を制御することにより、感光ドラム上のトナーを、画像形成処理を実行する場合よりも転写装置に引き寄せられにくくする転写抑制処理を実行可能である構成とすることができる。
【0022】
これによれば、現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させるときに、感光ドラムに付着してしまったトナーが転写装置に引き寄せられるのを抑制することができる。
【0023】
前記した画像形成装置において、転写装置は、感光ドラムとの間でシートを挟む転写ローラである構成とすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、現像ローラを感光ドラムに接触させるときに、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】画像形成装置の概略構成を示す図である。
図2】感光ドラムと現像ローラの離間と接触の状態を説明する図である。
図3】現像ローラを離間位置から接触位置に移動させ、画像形成処理を実行する場合の制御を説明する図(a),(b)である。
図4】現像ローラを離間位置から接触位置に移動させ、画像形成処理を実行する場合の制御を説明する図(a),(b)である。
図5】現像ローラを離間位置から接触位置に移動させ、画像形成処理を実行する場合の制御を説明する図(a),(b)である。
図6】現像ローラを接触位置から離間位置に移動させる場合の制御を説明する図(a),(b)である。
図7】現像ローラを接触位置から離間位置に移動させる場合の制御を説明する図(a),(b)である。
図8】第1実施形態における制御部の処理を示すフローチャートである。
図9】第1実施形態における制御部の処理を示す、図8に続くフローチャートである。
図10】第1実施形態における制御部の処理を示すタイミングチャートである。
図11】第2実施形態における制御部の処理を示すフローチャートである。
図12】第2実施形態における制御部の処理を示す、図11に続くフローチャートである。
図13】第2実施形態における制御部の処理を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、シートSにカラー画像またはモノクロ画像を形成可能なカラープリンタであり、筐体10と、シート供給部20と、画像形成部30と、制御部2とを備える。
【0027】
シート供給部20は、供給トレイ21と、供給機構22とを備える。シート供給部20は、供給トレイ21に収容されたシートSを供給機構22によって1枚ずつ画像形成部30に供給する。シートSは、画像形成装置1で画像を形成することができる媒体であって、普通紙、封筒、葉書、薄紙、厚紙、光沢紙、樹脂シート、シール等を含む。
【0028】
画像形成部30は、シートSに画像を形成する機能を有している。画像形成部30は、露光ユニット40と、複数の感光ドラム50と、複数の帯電装置としてのスコロトロン帯電器52と、複数のドラムクリーニングローラ54と、複数の現像カートリッジ60と、転写ユニット70と、定着ユニット80とを備える。
【0029】
複数の感光ドラム50は、イエローに対応する感光ドラム50Yと、マゼンタに対応する感光ドラム50Mと、シアンに対応する感光ドラム50Cと、ブラックに対応する感光ドラム50Kとを含む。感光ドラム50Y,50M,50C,50Kは、シートSの搬送方向の上流から下流に向かってこの順に並んで配置されている。本明細書および図面においては、各色に対応して設けられた部材について、色を区別する場合には、符号にY,M,C,Kを付し、色を区別しない場合には、符号にY,M,C,Kを付さない。
【0030】
スコロトロン帯電器52、ドラムクリーニングローラ54および現像カートリッジ60は、複数の感光ドラム50のそれぞれに1つずつ対応して設けられている。
スコロトロン帯電器52は、帯電バイアスVgが印加されることにより感光ドラム50の表面を一様に正帯電させる。各スコロトロン帯電器52は、コロナ放電を起こさせる放電ワイヤ52Aと、放電ワイヤ52Aと感光ドラム50との間に設けられたグリッド電極52Bとを有している。
【0031】
露光ユニット40は、図示しない光源、偏向器、レンズ、反射鏡などを備える。露光ユニット40は、帯電後の感光ドラム50の表面に一点鎖線で示す画像データに基づく光ビームを出射することで、感光ドラム50の表面を露光し、感光ドラム50の表面に静電潜像を形成する。
【0032】
現像カートリッジ60は、それぞれ現像ローラ61を有している。現像カートリッジ60内には、正帯電性のトナーが収容されている。複数の現像カートリッジ60は、現像ローラ61Yを有し、イエローのトナーが収容された現像カートリッジ60Yと、現像ローラ61Mを有し、マゼンタのトナーが収容された現像カートリッジ60Mと、現像ローラ61Cを有し、シアンのトナーが収容された現像カートリッジ60Cと、現像ローラ61Kを有し、ブラックのトナーが収容された現像カートリッジ60Kとを含む。
【0033】
現像ローラ61は、現像バイアスVbが印加された状態で対応する感光ドラム50と接触することにより、感光ドラム50の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して感光ドラム50の表面にトナー像を形成する。
【0034】
各現像カートリッジ60は、実線で示す、現像ローラ61が対応する感光ドラム50に接触する接触位置にある位置と、仮想線で示す、現像ローラ61が対応する感光ドラム50から離間する離間位置にある位置との間で移動可能に支持されている。
【0035】
ドラムクリーニングローラ54は、ドラムクリーニングバイアスVdcが印加されることにより、感光ドラム50の表面に付着したトナーを回収可能である。なお、画像形成装置1は、感光ドラム50上の、ドラムクリーニングローラ54で回収しきれなかったトナーを、接触位置にある現像ローラ61により回収し、現像カートリッジ60内に収容可能である。
【0036】
感光ドラム50、スコロトロン帯電器52およびドラムクリーニングローラ54は、支持部材55に支持されている。また、各現像カートリッジ60は、支持部材55に対して着脱可能である。支持部材55は、筐体10のカバー11を開くことで形成される開口を通して筐体10に対し着脱可能である。これにより、感光ドラム50や現像カートリッジ60の交換が可能となっている。
【0037】
転写ユニット70は、供給トレイ21と感光ドラム50との間に設けられている。転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、転写装置としての転写ローラ74と、ベルトクリーナ75とを備える。搬送ベルト73は、無端状のベルトであり、駆動ローラ71と従動ローラ72との間に張設されている。搬送ベルト73は、外側の面が感光ドラム50に接触するように配置されている。
【0038】
転写ローラ74は、複数の感光ドラム50のそれぞれに1つずつ対応して設けられている。転写ローラ74は、搬送ベルト73の内側であって、対応する感光ドラム50との間で搬送ベルト73および搬送ベルト73により搬送されるシートSを挟むように配置されている。転写ローラ74は、転写バイアスVtが印加されることにより、感光ドラム50の表面に形成されたトナー像を感光ドラム50と搬送ベルト73との間を搬送されるシートSに転写する。
【0039】
ベルトクリーナ75は、搬送ベルト73の表面に付着したトナーを回収可能である。ベルトクリーナ75は、ケース75Aと、ベルトクリーニングローラ75Bとを有している。ベルトクリーニングローラ75Bは、搬送ベルト73の表面に接触して搬送ベルト73の表面に付着したトナーを回収する。ベルトクリーニングローラ75Bに付着したトナーは、ケース75A内に蓄積される。
【0040】
定着ユニット80は、シートSの搬送方向における感光ドラム50および転写ユニット70の下流側に設けられている。定着ユニット80は、加熱ローラ81と、加熱ローラ81に対向して配置された加圧ローラ82とを備える。シートSの搬送方向における定着ユニット80の下流側には、搬送ローラ15と、排出ローラ16が設けられている。
【0041】
画像形成部30は、感光ドラム50の表面を、スコロトロン帯電器52により一様に正帯電した後、露光ユニット40から出射される光ビームにより露光する。これにより、感光ドラム50の表面に画像データに基づく静電潜像が形成される。次に、画像形成部30は、感光ドラム50上に形成された静電潜像に現像ローラ61からトナーを供給する。これにより、感光ドラム50上にトナー像が形成される。
【0042】
次に、画像形成部30は、シート供給部20から供給されたシートSを搬送ベルト73によって搬送しながら感光ドラム50と転写ローラ74との間を通過させることで、感光ドラム50上に形成されたトナー像をシートSに転写する。これにより、シートSにトナー像が形成される。その後、画像形成部30は、トナー像が転写されたシートSを加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過させることで、シートSにトナー像を定着する。これにより、シートSに画像が形成される。
【0043】
画像が形成されたシートSは、搬送ローラ15により搬送され、排出ローラ16により排出トレイ13に排出される。
【0044】
図2に示すように、画像形成装置1は、モータ3と、離間機構5とをさらに備える。
離間機構5は、現像ローラ61を接触位置と離間位置との間で移動させる機構である。詳しくは、離間機構5は、現像カートリッジ60を移動させることにより、現像ローラ61を接触位置と離間位置との間で移動させる。
【0045】
離間機構5は、モータ3からの駆動力を伝達して離間機構5を駆動させると現像ローラ61が離間位置から接触位置へ、または、接触位置から離間位置へ移動し、モータ3からの駆動力の伝達を遮断して離間機構5を停止させると現像ローラ61の移動が停止するように構成されている。現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる場合には、離間機構5を駆動させ、現像ローラ61が接触位置に移動したタイミングで離間機構5を停止させる。また、現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる場合には、離間機構5を駆動させ、現像ローラ61が離間位置に移動したタイミングで離間機構5を停止させる。なお、このような離間機構5の具体的な構成は、公知であるため、本明細書では詳細な説明は省略する。
【0046】
モータ3は、感光ドラム50などを駆動させるモータである。モータ3は、図示しない出力軸の回転速度を切替可能に構成されている。詳しくは、モータ3は、回転速度を、第1回転速度と、第1回転速度よりも遅い第2回転速度との間で切替可能である。本実施形態において、第1回転速度は、第2回転速度の略半分の回転速度である。このため、以下では、第1回転速度を半速と呼び、第2回転速度を全速と呼ぶ。
【0047】
なお、画像形成装置1が備えるモータは、1つだけであってもよいし、複数であってもよい。モータを複数備える場合、モータ3は、例えば、感光ドラム50や転写ユニット70などのシートSの搬送系を駆動させるプロセスモータと、現像ローラ61や離間機構5を駆動させる現像モータと、定着ユニット80を駆動させる定着モータとを含む。
【0048】
制御部2は、CPU、ROM、RAMなどを有し、予め用意されたプログラムなどに従い、印刷指令の受信などに応じて様々な処理を実行するように構成されている。制御部2は、離間機構5を制御して、カラーモードと、モノクロモードと、全離間モードとを実行可能である。
【0049】
詳しくは、制御部2は、例えば、印刷指令や画像データを含む印刷ジョブが入力される前の待機状態にある場合や、感光ドラム50や搬送ベルト73をクリーニングする場合などには、全離間モードを実行する。制御部2は、全離間モードにおいては、すべての現像ローラ61Y,61M,61C,61Kを、対応する感光ドラム50Y,50M,50C,50Kから離間する離間位置とする。
【0050】
また、制御部2は、シートSにカラー画像を形成するカラーモードにおいては、すべての現像ローラ61Y,61M,61C,61Kを、対応する感光ドラム50Y,50M,50C,50Kに接触する接触位置とする。また、制御部2は、シートSにモノクロ画像を形成するモノクロモードにおいては、ブラック用の現像ローラ61Kのみを感光ドラム50Kに接触する接触位置とし、その他の現像ローラ61Y,61M,61Cについては、対応する感光ドラム50Y,50M,50Cから離間する離間位置とする。
【0051】
制御部2は、シートSに画像を形成する画像形成処理を実行可能である。制御部2は、画像形成処理を実行する場合、スコロトロン帯電器52に帯電バイアスVgとして第1帯電バイアスVg1を印加し、現像ローラ61に現像バイアスVbとして第1現像バイアスVb1を印加し、転写ローラ74に転写バイアスVtとして第1転写バイアスVt1を印加する。本実施形態において、第1帯電バイアスVg1および第1現像バイアスVb1は、トナーの帯電極性と同じ極性の正のバイアスであり、第1転写バイアスVt1は、トナーの帯電極性とは逆の極性の負のバイアスである。
【0052】
制御部2は、放電ワイヤ52Aに印加するバイアスを制御することにより、間接的に帯電バイアスVgとしてのグリッド電極52Bのバイアスを制御し、これによって、感光ドラム50の表面電位を制御する。なお、制御部2は、放電ワイヤ52Aに印加するバイアスを制御する場合、放電ワイヤ52Aに印加する電圧を目標値に制御することにより感光ドラム50の表面電位を制御する構成であってもよいし、放電ワイヤ52Aに流す電流を目標値に制御することにより感光ドラム50の表面電位を制御する構成であってもよい。
【0053】
ここで、本明細書においては、特に断りがない限り、感光ドラム50の表面電位は、感光ドラム50の未露光部分の表面電位を意味するものとする。
【0054】
制御部2は、画像形成処理を実行する場合、まず、画像形成に用いる現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる。詳しくは、カラーモードの場合、すべての現像ローラ61Y,61M,61C,61Kを離間位置から接触位置に移動させ、モノクロモードの場合、現像ローラ61Kのみを離間位置から接触位置に移動させる。その後、画像形成処理を実行し、画像形成処理が終了した場合、画像形成に用いた現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる。
【0055】
制御部2は、現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる場合、接触準備処理としての接触領域形成処理と、接触処理とを実行可能である。
【0056】
接触領域形成処理は、スコロトロン帯電器52により、感光ドラム50の表面に接触領域A1を形成する処理である。詳しくは、制御部2は、接触領域形成処理において、スコロトロン帯電器52に、帯電バイアスVgとして第2帯電バイアスVg2を印加して感光ドラム50を帯電させる。第2帯電バイアスVg2は、画像形成処理を実行するときに印加する第1帯電バイアスVg1よりも絶対値が大きいバイアスである。
【0057】
接触領域A1は、感光ドラム50の表面のうち、第2帯電バイアスVg2が印加されたスコロトロン帯電器52により帯電された部分であり、感光ドラム50の表面電位と現像ローラ61の表面電位との電位差が画像形成処理を実行する場合よりも大きい領域である。
【0058】
接触処理は、現像ローラ61が、感光ドラム50の接触領域A1に接触するタイミングで、現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる処理である。
【0059】
より詳しく説明すると、図3(a)に示すように、制御部2は、現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる場合、スコロトロン帯電器52に印加する帯電バイアスVgを、第1帯電バイアスVg1から第2帯電バイアスVg2に変更する。帯電バイアスVgが第2帯電バイアスVg2に変更されると、図3(b)に示すように、感光ドラム50の表面に、感光ドラム50の表面電位と現像ローラ61の表面電位との電位差が大きい、接触領域A1(図にドットのハッチングで示す部分)が形成される。
【0060】
次に、制御部2は、スコロトロン帯電器52に第2帯電バイアスVg2を印加した時点から第1時間T1が経過したときに離間機構5を駆動させる。これにより、現像ローラ61が離間位置から接触位置に向けて移動し始める。
【0061】
ここで、感光ドラム50の表面のうち、スコロトロン帯電器52と対向する位置をP0、接触位置に位置する現像ローラ61と接触する位置をP1として、第1時間T1は、当該第1時間T1が経過したときに離間機構5の駆動を開始することで、位置P0が感光ドラム50の回転により移動して、位置P1において離間位置から仮想線で示す接触位置に移動した現像ローラ61とちょうど接触するような時間以上の時間として設定されている。本実施形態では、第1時間T1は、感光ドラム50の表面の位置P0が、感光ドラム50の回転により位置P1に移動するまでの時間として設定されている。
【0062】
スコロトロン帯電器52に第2帯電バイアスVg2を印加した時点から第1時間T1が経過したときに離間機構5を駆動させることで、図4(a)に示すように、現像ローラ61は、接触位置に到達したときに、感光ドラム50の表面のうち、接触領域A1に接触する。
【0063】
その後、図4(b)に示すように、制御部2は、画像形成処理を実行する前に、スコロトロン帯電器52に印加する帯電バイアスVgを第2帯電バイアスVg2から第1帯電バイアスVg1に変更する。このとき、制御部2は、感光ドラム50と現像ローラ61が接触している状態で電位が急変するのを避けるため、帯電バイアスVgを、第2帯電バイアスVg2から第1帯電バイアスVg1へと、絶対値が徐々に減少するように変更する。
【0064】
帯電バイアスVgが第1帯電バイアスVg1に変更されると、その後は、図5(a)に示すように、感光ドラム50の表面に接触領域A1が形成されなくなる。その後、図5(b)に示すように、制御部2は、感光ドラム50の表面を、第1帯電バイアスVg1が印加されたスコロトロン帯電器52により帯電し、露光ユニット40より露光し、第1現像バイアスVb1が印加された現像ローラ61からトナーを供給して感光ドラム50上にトナー像を形成する。そして、制御部2は、感光ドラム50上に形成されたトナー像をシートSに転写する。
【0065】
制御部2は、現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる場合、離間準備処理としての離間領域形成処理と、離間処理とを実行可能である。
【0066】
離間領域形成処理は、スコロトロン帯電器52により、感光ドラム50の表面に離間領域A2を形成する処理である。詳しくは、制御部2は、離間領域形成処理において、スコロトロン帯電器52に、帯電バイアスVgとして第3帯電バイアスVg3を印加して感光ドラム50を帯電させる。第3帯電バイアスVg3は、画像形成処理を実行するときに印加する第1帯電バイアスVg1よりも絶対値が大きいバイアスである。
【0067】
離間領域A2は、感光ドラム50の表面のうち、第3帯電バイアスVg3が印加されたスコロトロン帯電器52により帯電された部分であり、感光ドラム50の表面電位と現像ローラ61の表面電位との電位差が画像形成処理を実行する場合よりも大きい領域である。
【0068】
離間処理は、現像ローラ61が、感光ドラム50の離間領域A2と接触しているタイミングで、現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる処理である。
【0069】
より詳しく説明すると、図6(a)に示すように、制御部2は、現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる場合、スコロトロン帯電器52に印加する帯電バイアスVgを、第1帯電バイアスVg1から第3帯電バイアスVg3に変更する。このとき、制御部2は、感光ドラム50と現像ローラ61が接触している状態で電位が急変するのを避けるため、帯電バイアスVgを、第1帯電バイアスVg1から第3帯電バイアスVg3へと、絶対値が徐々に増加するように変更する。
【0070】
帯電バイアスVgが第3帯電バイアスVg3に変更されると、図6(b)に示すように、感光ドラム50の表面に、感光ドラム50の表面電位と現像ローラ61の表面電位との電位差が大きい、離間領域A2(図にドットのハッチングで示す部分)が形成される。
【0071】
次に、制御部2は、スコロトロン帯電器52に第3帯電バイアスVg3を印加した時点から第2時間T2が経過したときに離間機構5を駆動させる。これにより、現像ローラ61が接触位置から離間位置に向けて移動し始める。
【0072】
ここで、第2時間T2は、感光ドラム50の表面の位置P0が、感光ドラム50の回転により位置P1に移動するまでの時間以上の時間として設定されている。本実施形態では、第2時間T2は、感光ドラム50の表面の位置P0が、感光ドラム50の回転により位置P1に移動するまでの時間に所定の時間を加えた時間として設定されている。
【0073】
図7(a)に示すように、スコロトロン帯電器52に第3帯電バイアスVg3を印加した時点から第2時間T2が経過したときに離間機構5を駆動させることで、現像ローラ61は、感光ドラム50の表面の離間領域A2に接触した状態から離間し始め、離間位置に到達する。
【0074】
その後、図7(b)に示すように、制御部2は、スコロトロン帯電器52に印加する帯電バイアスVgを第3帯電バイアスVg3から第1帯電バイアスVg1に変更する。帯電バイアスVgが第1帯電バイアスVg1に変更されると、感光ドラム50の表面に離間領域A2が形成されなくなる。
【0075】
ここで、本実施形態においては、第3帯電バイアスVg3は、第2帯電バイアスVg2と同じ値とする。そのため、以下では、第3帯電バイアスVg3も第2帯電バイアスVg2と表す。
【0076】
制御部2は、現像ローラ61を接触位置と離間位置との間で移動させる場合、転写抑制処理を実行可能である。詳しくは、制御部2は、現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる場合と、現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる場合に、それぞれ、転写抑制処理を実行する。
【0077】
転写抑制処理は、転写ローラ74に印加する電圧を制御することにより、感光ドラム50上のトナーを、画像形成処理を実行する場合よりも転写ローラ74に引き寄せられにくくする処理である。詳しくは、制御部2は、転写抑制処理において、転写ローラ74に、画像形成処理を実行するときに印加する第1転写バイアスVt1よりも絶対値が小さい第2転写バイアスVt2を印加する。具体的には、制御部2は、転写抑制処理において、転写ローラ74に印加する転写バイアスVtを0Vとする。すなわち、本実施形態において、第2転写バイアスVt2は0Vである。
【0078】
現像ローラ61を接触位置と離間位置との間で移動させる場合に転写抑制処理を実行することにより、感光ドラム50上のトナーは、搬送ベルト73に転写されることなく、感光ドラム50と転写ローラ74との間の転写位置を通過し、ドラムクリーニングローラ54や現像ローラ61によって回収される。感光ドラム50は、回転方向における転写位置とドラムクリーニングローラ54との間の位置で、図示しない除電装置により表面電位(絶対値)が所定以下まで下げられる。
【0079】
なお、制御部2は、ドラムクリーニングローラ54によって感光ドラム50上のトナーを回収する場合、ドラムクリーニングローラ54に、ドラムクリーニングバイアスVdcとして第1ドラムクリーニングバイアスVdc1を印加する。第1ドラムクリーニングバイアスVdc1は、トナーの帯電極性とは逆の極性の負のバイアスである。
【0080】
また、制御部2は、シートSへの画像の形成が終了した場合に、ドラムクリーニングローラ54に回収されたトナーを感光ドラム50上に排出し、感光ドラム50上から搬送ベルト73に転写して、ベルトクリーナ75で回収するクリーニング処理を実行可能である。制御部2は、クリーニング処理を実行する場合、ドラムクリーニングローラ54に、ドラムクリーニングバイアスVdcとして第2ドラムクリーニングバイアスVdc2を印加して、ドラムクリーニングローラ54上のトナーを感光ドラム50に排出する。また、制御部2は、クリーニング処理を実行する場合、感光ドラム50上のトナーを搬送ベルト73上に移動させるため、転写ローラ74に転写バイアスVtとして第1転写バイアスVt1を印加する。第2ドラムクリーニングバイアスVdc2は、トナーの帯電極性と同じ極性の正のバイアスである。本実施形態においては、第1ドラムクリーニングバイアスVdc1と第2ドラムクリーニングバイアスVdc2は、絶対値が等しい。
【0081】
制御部2は、第1回転処理の一例としての全速処理と、第2回転処理の一例としての半速処理とを実行可能である。
【0082】
全速処理は、モータ3を全速(第1回転速度)で駆動させて、感光ドラム50を第1速度で回転させる処理である。制御部2は、例えば、シートSとしての普通紙に画像を形成する場合、全速処理を実行して感光ドラム50などを速い速度で駆動させつつ、接触領域形成処理、接触処理、画像形成処理、離間領域形成処理および離間処理を実行可能である。
【0083】
また、半速処理は、モータ3を半速(第2回転速度)で駆動させて、感光ドラム50を第1速度よりも遅い第2速度で回転させる処理である。制御部2は、例えば、シートSとしての封筒や厚紙に画像を形成する場合、半速処理を実行して感光ドラム50などを遅い速度で駆動させつつ、接触領域形成処理、接触処理、画像形成処理、離間領域形成処理および離間処理を実行可能である。
【0084】
制御部2は、半速処理の実行中に現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる場合、接触領域形成処理において、接触領域A1の、感光ドラム50の表面電位と現像ローラ61の表面電位との電位差を、全速処理の実行中に現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる場合よりも大きくする。
【0085】
詳しくは、制御部2は、半速処理の実行中に現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる場合、接触領域形成処理において、第2帯電バイアスVg2の絶対値を、全速処理の実行中に現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる場合よりも大きくする。具体的には、制御部2は、全速処理の実行中に現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる場合、接触準備処理において、第2帯電バイアスVg2をVg21とする。また、制御部2は、半速処理の実行中に現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる場合、接触準備処理において、第2帯電バイアスVg2を、Vg21よりも絶対値が大きいVg22とする。
【0086】
また、制御部2は、半速処理の実行中に現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる場合、離間領域形成処理において、離間領域A2の、感光ドラム50の表面電位と現像ローラ61の表面電位との電位差を、全速処理の実行中に現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる場合よりも大きくする。
【0087】
詳しくは、制御部2は、半速処理の実行中に現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる場合、離間領域形成処理において、第2帯電バイアスVg2(第3帯電バイアスVg3)の絶対値を、全速処理の実行中に現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる場合よりも大きくする。具体的には、制御部2は、全速処理の実行中に現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる場合、離間準備処理において、第2帯電バイアスVg2をVg21とする。また、制御部2は、半速処理の実行中に現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる場合、離間準備処理において、第2帯電バイアスVg2をVg22とする。
【0088】
次に、第1実施形態における制御部2の処理について、フローチャートおよびタイミングチャートを参照しながらさらに詳しく説明する。画像形成装置1は、印刷ジョブが入力される前の待機状態にあるとき、すべての現像ローラ61(61Y,61M,61C,61K)が離間位置に位置する。
【0089】
図8および図10に示すように、印刷ジョブが入力された場合、制御部2は、モータ3を駆動させて感光ドラム50を回転させるとともに、スコロトロン帯電器52に帯電バイアスVgとして第1帯電バイアスVg1を印加し、転写ローラ74に転写バイアスVtとして第2帯電バイアスVg2を印加し(転写バイアスVtを0Vのままとし)、ドラムクリーニングローラ54にドラムクリーニングバイアスVdcとしてトナー回収時の第1ドラムクリーニングバイアスVdc1を印加する(S111,t11)。
【0090】
次に、制御部2は、半速処理の実行中であるか否かを判定する(S112)。半速処理の実行中でない場合(S112,No)、すなわち、全速処理の実行中である場合、制御部2は、第2帯電バイアスVg2をVg21に設定する(S113)。また、半速処理の実行中である場合(S112,Yes)、制御部2は、第2帯電バイアスVg2をVg21よりも大きいVg22に設定する(S114)。
【0091】
次に、制御部2は、スコロトロン帯電器52に帯電バイアスVgとして第2帯電バイアスVg2を印加し、現像ローラ61に現像バイアスVbとして第1現像バイアスVb1を印加する(S121,t12)。制御部2は、全速処理の実行中である場合、実線で示すように、スコロトロン帯電器52に第2帯電バイアスVg21を印加し、半速処理の実行中である場合、仮想線で示すように、スコロトロン帯電器52に第2帯電バイアスVg22を印加する。
【0092】
なお、タイミングチャートでは、同じ時間軸で、全速処理の場合を実線で示し、半速処理の場合で全速処理の場合と異なるところを仮想線で示しているが、実際の時間軸のスケールは異なる。すなわち、半速処理の場合の時間軸は、全速処理の場合の略2倍の長さである。
【0093】
次に、制御部2は、スコロトロン帯電器52に第2帯電バイアスVg2を印加した時点(t12)から第1時間T1が経過したか否かを判定する(S122)。そして、第1時間T1が経過した場合(S122,Yes)、制御部2は、離間機構5を駆動させ(ONとし)(S123)、現像ローラ61を離間位置から接触位置に向けて移動させていく(t13~t14)。制御部2は、カラーモードの場合、すべての現像ローラ61Y,61M,61C,61Kを離間位置から接触位置に向けて移動させていき、モノクロモードの場合、現像ローラ61Kのみを離間位置から接触位置に向けて移動させていく。現像ローラ61が接触位置に移動した場合(S124,Yes)、制御部2は、離間機構5を停止させる(OFFとする)(S125)。
【0094】
次に、制御部2は、スコロトロン帯電器52に印加する帯電バイアスVgを第2帯電バイアスVg2から第1帯電バイアスVg1へと徐々に減少させていく(S126,t15~t16)。そして、帯電バイアスVgが第1帯電バイアスVg1になった場合(S127,Yes)、その後、制御部2は、画像形成処理を開始する。画像形成処理を開始すると、制御部2は、転写ローラ74に転写バイアスVtとして第1転写バイアスVt1を印加する(S131,t21)。
【0095】
図9および図10に示すように、シートSへの画像形成が終了した場合(S132,Yes)、制御部2は、転写ローラ74に転写バイアスVtとして第2転写バイアスVt2を印加する(転写バイアスVtを0Vとする)(S133,t22)。
【0096】
次に、制御部2は、スコロトロン帯電器52に印加する帯電バイアスVgを第1帯電バイアスVg1から第2帯電バイアスVg2へと徐々に増加させていく(S141,t31~t32)。制御部2は、全速処理の実行中である場合、帯電バイアスVgを第2帯電バイアスVg21に向けて増加させていき、半速処理の実行中である場合、帯電バイアスVgを第2帯電バイアスVg22に向けて増加させていく。
【0097】
そして、帯電バイアスVgが第2帯電バイアスVg2になった場合(S142,Yes)、制御部2は、スコロトロン帯電器52に第2帯電バイアスVg2を印加した時点(t32)から第2時間T2が経過したか否かを判定する(S143)。そして、第2時間T2が経過した場合(S143,Yes)、制御部2は、離間機構5をONとし(S144)、現像ローラ61を接触位置から離間位置に向けて移動させていく(t35~t36)。現像ローラ61が離間位置に移動した場合(S145,Yes)、制御部2は、離間機構5をOFFとする(S146)。
【0098】
次に、制御部2は、スコロトロン帯電器52に印加する帯電バイアスVgを第2帯電バイアスVg2から第1帯電バイアスVg1に変更する(S147,t37)。
【0099】
次に、制御部2は、クリーニング処理を実行する。具体的には、制御部2は、転写ローラ74に転写バイアスVtとして第1転写バイアスVt1を印加し、ドラムクリーニングローラ54にドラムクリーニングバイアスVdcとしてトナー排出時の第2ドラムクリーニングバイアスVdc2を印加する(S151,t41)。
【0100】
次に、ドラムクリーニングローラ54から感光ドラム50へのトナーの排出が終了した場合(S152,Yes)、制御部2は、ドラムクリーニングローラ54に印加するドラムクリーニングバイアスVdcを第2ドラムクリーニングバイアスVdc2から第1ドラムクリーニングバイアスVdc1に変更する(S153,t42)。
【0101】
その後、ベルトクリーナ75により、搬送ベルト73上のトナーや、感光ドラム50上から搬送ベルト73に転写されたトナーの回収が終了した場合(S154,Yes)、制御部2は、帯電バイアスVg、現像バイアスVb、転写バイアスVt、ドラムクリーニングバイアスVdcをOFFとし、感光ドラム50を停止させる(S161,t43)。
【0102】
以上説明した第1実施形態によれば、現像ローラ61を感光ドラム50に接触させるときに、現像ローラ61を、感光ドラム50の表面のうち、感光ドラム50の表面電位と現像ローラ61の表面電位との電位差を大きくした部分である接触領域A1に接触させることができる。これにより、現像ローラ61を感光ドラム50に接触させるときに、現像ローラ61上のトナーが感光ドラム50に付着するのを抑制することができる。これにより、シートS(特に余白となるべき部分)に感光ドラム50上のトナーが付着して汚れるのを抑制することができる。
【0103】
また、現像ローラ61を感光ドラム50から離間させるときに、現像ローラ61を、感光ドラム50の表面のうち、感光ドラム50の表面電位と現像ローラ61の表面電位との電位差を大きくした部分である離間領域A2から離間させることができる。これにより、現像ローラ61を感光ドラム50から離間させるときに、現像ローラ61上のトナーが感光ドラム50に付着するのを抑制することができる。これにより、シートSに感光ドラム50上のトナーが付着して汚れるのを抑制することができる。
【0104】
また、現像ローラ61を接触位置と離間位置との間で移動させる場合に転写抑制処理を実行するので、現像ローラ61を接触位置と離間位置との間で移動させるときに、感光ドラム50に付着してしまったトナーが転写ローラ74に引き寄せられて搬送ベルト73に付着するのを抑制することができる。これにより、搬送ベルト73が汚れるのを抑制することができる。また、シートSの裏面に搬送ベルト73上のトナーが付着して汚れるのを抑制することができる。
【0105】
また、半速処理の実行中の接触領域形成処理において、第2帯電バイアスVg2を、全速処理の実行中よりも大きくするので、全速処理の実行中よりも、現像ローラ61を感光ドラム50に接触させるときに、現像ローラ61上のトナーが感光ドラム50に付着しやすい半速処理の実行中に、感光ドラム50の表面電位と現像ローラ61の表面電位との電位差をより大きくすることができる。これにより、半速処理の実行中に、現像ローラ61を感光ドラム50に接触させるときに、現像ローラ61上のトナーが感光ドラム50に付着するのを効果的に抑制することができる。
【0106】
また、半速処理の実行中の離間領域形成処理において、第2帯電バイアスVg2を、全速処理の実行中よりも大きくするので、全速処理の実行中よりも、現像ローラ61を感光ドラム50から離間させるときに、現像ローラ61上のトナーが感光ドラム50に付着しやすい半速処理の実行中に、感光ドラム50の表面電位と現像ローラ61の表面電位との電位差をより大きくすることができる。これにより、半速処理の実行中に、現像ローラ61を感光ドラム50から離間させるときに、現像ローラ61上のトナーが感光ドラム50に付着するのを効果的に抑制することができる。
【0107】
次に、第2実施形態について説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態と同じ点について、例えば、同一の要素に同一の符号を付すなどして詳細な説明は省略し、第1実施形態と異なる点について詳細に説明する。
【0108】
本実施形態において、制御部2は、接触領域形成処理において、スコロトロン帯電器52と現像ローラ61とにより、感光ドラム50の表面に、感光ドラム50の表面電位と現像ローラ61の表面電位との電位差が、画像形成処理を実行する場合よりも大きい接触領域A1を形成する。詳しくは、制御部2は、接触領域形成処理において、帯電バイアスVgを変更するだけでなく、さらに、現像バイアスVbを変更する。
【0109】
具体的には、制御部2は、接触領域形成処理(接触準備処理)において、スコロトロン帯電器52に、第2帯電バイアスVg2を印加するとともに、現像ローラ61に、画像形成処理を実行するときに印加する第1現像バイアスVb1よりも絶対値が小さい第2現像バイアスVb2を印加する。これにより、制御部2は、接触領域形成処理において、現像ローラ61の表面電位を、画像形成処理を実行する場合の感光ドラム50の表面電位に対し、電位差が大きくなるように変更する。
【0110】
制御部2は、スコロトロン帯電器52に第2帯電バイアスVg2を印加し、現像ローラ61に第2現像バイアスVb2を印加した後、第1実施形態と同様に、現像ローラ61が、接触領域A1に接触するタイミングで、現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる接触処理を実行する。
【0111】
制御部2は、現像ローラ61が接触位置に移動し、画像形成処理を実行する前に、スコロトロン帯電器52に印加する帯電バイアスVgを第2帯電バイアスVg2から第1帯電バイアスVg1に変更するとともに、現像ローラ61に印加する現像バイアスVbを第2現像バイアスVb2から第1現像バイアスVb1に変更する。このとき、制御部2は、感光ドラム50と現像ローラ61が接触している状態で電位が急変するのを避けるため、帯電バイアスVgを変更する場合と同様に、現像バイアスVbを、第2現像バイアスVb2から第1現像バイアスVb1へと、絶対値が徐々に増加するように変更する。
【0112】
制御部2は、帯電バイアスVgを第1帯電バイアスVg1に変更し、現像バイアスVbを第1現像バイアスVb1に変更した後、画像形成処理を実行する。
【0113】
また、本実施形態において、制御部2は、離間領域形成処理において、スコロトロン帯電器52と現像ローラ61とにより、感光ドラム50の表面に、感光ドラム50の表面電位と現像ローラ61の表面電位との電位差が、画像形成処理を実行する場合よりも大きい離間領域A2を形成する。詳しくは、制御部2は、離間領域形成処理において、帯電バイアスVgを変更するだけでなく、さらに、現像バイアスVbを変更する。
【0114】
具体的には、制御部2は、離間領域形成処理(離間準備処理)において、スコロトロン帯電器52に、第2帯電バイアスVg2(第3帯電バイアスVg3)を印加するとともに、現像ローラ61に、画像形成処理を実行するときに印加する第1現像バイアスVb1よりも絶対値が小さい第3現像バイアスVb3を印加する。これにより、制御部2は、離間領域形成処理において、現像ローラ61の表面電位を、画像形成処理を実行する場合の感光ドラム50の表面電位に対し、電位差が大きくなるように変更する。
【0115】
制御部2は、離間領域形成処理において、現像ローラ61に印加する現像バイアスVbを第1現像バイアスVb1から第3現像バイアスVb3に変更する場合、感光ドラム50と現像ローラ61が接触している状態で電位が急変するのを避けるため、帯電バイアスVgを変更する場合と同様に、現像バイアスVbを、第1現像バイアスVb1から第3現像バイアスVb3へと、絶対値が徐々に減少するように変更する。
【0116】
制御部2は、スコロトロン帯電器52に第2帯電バイアスVg2(第3帯電バイアスVg3)を印加し、現像ローラ61に第3現像バイアスVb3を印加した後、第1実施形態と同様に、現像ローラ61が、感光ドラム50の離間領域A2と接触しているタイミングで、現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる離間処理を実行する。
【0117】
ここで、本実施形態においては、第3現像バイアスVb3は、第2現像バイアスVb2と同じ値とする。そのため、以下では、第3現像バイアスVb3も第2現像バイアスVb2と表す。
【0118】
次に、第2実施形態における制御部2の処理について、フローチャートおよびタイミングチャートを参照しながら説明する。
図11および図13に示すように、印刷ジョブが入力された場合、制御部2は、感光ドラム50を回転させるとともに、スコロトロン帯電器52に第1帯電バイアスVg1を印加し、転写ローラ74に第2転写バイアスVt2を印加し、ドラムクリーニングローラ54に第1ドラムクリーニングバイアスVdc1を印加する(S111,t11)。
【0119】
ステップS112~S114の処理を実行した後、制御部2は、スコロトロン帯電器52に第2帯電バイアスVg2を印加するとともに、現像ローラ61に第2現像バイアスVb2を印加する(S221,t12)。
【0120】
そして、制御部2は、スコロトロン帯電器52に第2帯電バイアスVg2を印加した時点(t12)から第1時間T1が経過した場合(S122,Yes)、離間機構5をONとし(S123)、現像ローラ61を離間位置から接触位置に向けて移動させていく(t13~t14)。現像ローラ61が接触位置に移動した場合(S124,Yes)、制御部2は、離間機構5をOFFとする(S125)。
【0121】
次に、制御部2は、スコロトロン帯電器52に印加する帯電バイアスVgを第2帯電バイアスVg2から第1帯電バイアスVg1へと徐々に減少させていく(S126,t15~t16)。また、帯電バイアスVgが第1帯電バイアスVg1になった場合(S127,Yes)、制御部2は、現像ローラ61に印加する現像バイアスVbを第2現像バイアスVb2から第1現像バイアスVb1へと徐々に増加させていく(S228,t17~t18)。そして、現像バイアスVbが第1現像バイアスVb1になった場合(S229,Yes)、その後、制御部2は、画像形成処理を開始する(S131)。
【0122】
図12および図13に示すように、画像形成が終了し(S132,Yes)、転写ローラ74に第2転写バイアスVt2を印加した(S133,t22)後、制御部2は、スコロトロン帯電器52に印加する帯電バイアスVgを第1帯電バイアスVg1から第2帯電バイアスVg2へと徐々に増加させていく(S141,t31~t32)。また、帯電バイアスVgが第2帯電バイアスVg2になった場合(S142,Yes)、制御部2は、現像ローラ61に印加する現像バイアスVbを第1現像バイアスVb1から第2現像バイアスVb2へと徐々に減少させていく(S241,t33~t34)。そして、現像バイアスVbが第2現像バイアスVb2になった場合(S242,Yes)、制御部2は、スコロトロン帯電器52に第2帯電バイアスVg2を印加した時点(t32)から第2時間T2が経過したか否かを判定する(S143)。
【0123】
第2時間T2が経過した場合(S143,Yes)、制御部2は、離間機構5をONとし(S144)、現像ローラ61を接触位置から離間位置に向けて移動させていく(t35~t36)。現像ローラ61が離間位置に移動した場合(S145,Yes)、制御部2は、離間機構5をOFFとする(S146)。
【0124】
次に、制御部2は、スコロトロン帯電器52に印加する帯電バイアスVgを第2帯電バイアスVg2から第1帯電バイアスVg1に変更するとともに、現像ローラ61に印加する現像バイアスVbを第2現像バイアスVb2から第1現像バイアスVb1に変更する(S247,t37)。その後、制御部2は、クリーニング処理(ステップS151~S154の処理)を実行した後、バイアスVg,Vb,Vt,VdcをOFFとし、感光ドラム50を停止させる(S161,t43)。
【0125】
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに説明すると、接触領域形処理において、スコロトロン帯電器52に第1帯電バイアスVg1よりも大きい第2帯電バイアスVg2を印加し、さらに、現像ローラ61に第1現像バイアスVb1よりも小さい第2現像バイアスVb2を印加するので、接触領域A1の、感光ドラム50の表面電位と現像ローラ61の表面電位との電位差をより大きくすることができる。これにより、現像ローラ61を感光ドラム50に接触させるときに、現像ローラ61上のトナーが感光ドラム50に付着するのをより抑制することができる。
【0126】
また、離間領域形処理において、スコロトロン帯電器52に第1帯電バイアスVg1よりも大きい第2帯電バイアスVg2を印加し、さらに、現像ローラ61に第1現像バイアスVb1よりも小さい第2現像バイアスVb2を印加するので、離間領域A2の、感光ドラム50の表面電位と現像ローラ61の表面電位との電位差をより大きくすることができる。これにより、現像ローラ61を感光ドラム50から離間させるときに、現像ローラ61上のトナーが感光ドラム50に付着するのをより抑制することができる。
【0127】
以上、実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。
【0128】
前記実施形態では、第3帯電バイアスVg3が第2帯電バイアスVg2と同じ値であったが、これに限定されず、異なる値であってもよい。例えば、現像ローラがゴムローラである場合、現像ローラが感光ドラムに接触するときには、離間するときよりも、現像ローラが感光ドラムに強く押圧されることで、現像ローラが変形し、現像ローラと感光ドラムとの接触面積が大きくなる可能性がある。そして、接触面積が大きくなると、現像ローラと感光ドラムとの間で電荷のやりとりが促進され、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差が小さくなって、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着しやすくなる可能性がある。そこで、接触時に離間時よりもトナーが感光ドラムに付着しやすくなる場合には、接触時の第2帯電バイアスVg2の絶対値を、離間時の第3帯電バイアスVg3の絶対値よりも大きくしてもよい。すなわち、接触時の感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差を、離間時よりも大きくしてもよい。
【0129】
また、離間時に接触時よりもトナーが感光ドラムに付着しやすくなる場合には、離間時の第3帯電バイアスVg3の絶対値を、接触時の第2帯電バイアスVg2の絶対値よりも大きくしてもよい。
【0130】
また、前記第2実施形態では、第3現像バイアスVb3が第2現像バイアスVb2と同じ値であったが、これに限定されず、異なる値であってもよい。例えば、接触時に離間時よりもトナーが感光ドラムに付着しやすくなる場合には、接触時の第2現像バイアスVb2の絶対値を、離間時の第3現像バイアスVb3の絶対値よりも小さくしてもよい。また、離間時に接触時よりもトナーが感光ドラムに付着しやすくなる場合には、離間時の第3帯電バイアスVg3の絶対値を、接触時の第2帯電バイアスVg2の絶対値よりも小さくしてもよい。
【0131】
また、前記第2実施形態では、図13に示したように、スコロトロン帯電器52に第2帯電バイアスVg2を印加した時点(t32)から第2時間T2が経過した場合に、現像ローラ61を接触位置から離間位置に向けて移動させ始めたが、これに限定されない。例えば、現像ローラ61に第2現像バイアスVb2を印加した時点(t34)から第3時間が経過した場合に、離間機構5をONとして、現像ローラ61を接触位置から離間位置に向けて移動させ始めてもよい。第3時間は、現像ローラ61が離間領域A2と接触しているタイミングで、現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させることができるような時間に設定される。
【0132】
また、前記第2実施形態では、図13に示したように、現像ローラ61を接触位置と離間位置との間で移動させる場合に、帯電バイアスVgを変更した後、現像バイアスVbを変更したが、これに限定されない。例えば、現像バイアスを変更した後、帯電バイアスを変更してもよい。また、帯電バイアスと現像バイアスを同時に変更してもよい。
【0133】
また、画像形成装置が設置された環境の湿度が低いと、トナーの帯電量(絶対値)が大きくなり、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着しやすくなると考えられる。そこで、例えば、湿度が閾値以下の場合、接触準備処理において、第2帯電バイアスの絶対値を、湿度が閾値より高い場合よりも大きくしてもよい。すなわち、湿度が低い場合、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差を大きくしてもよい。
【0134】
また、湿度が高いと、トナーの帯電量(絶対値)が小さくなり、帯電極性とは逆の極性に帯電するトナーの量が増えることがある。この場合に感光ドラムの表面電位(絶対値)が大きいと、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着しやすくなると考えられる。そこで、例えば、湿度が閾値以上の場合、接触準備処理において、第2帯電バイアスの絶対値を、湿度が閾値未満の場合よりも小さくしてもよい。すなわち、湿度が高い場合、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差を小さくしてもよい。
【0135】
また、トナーは、その特性に応じて感光ドラムに付着しやすくなる時期が異なる場合がある。例えば、トナーによっては、現像カートリッジの使用時間が長くなるにつれて感光ドラムに付着しやすくなる特性のものがある。このような特性のトナーを使用する場合には、現像カートリッジを新品に交換してからの経過時間や印刷枚数、現像ローラの回転回数などが閾値以上の場合、接触準備処理において、第2帯電バイアスの絶対値を、閾値未満の場合よりも大きくしてもよい。すなわち、現像カートリッジの使用時間が長い場合、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差を大きくしてもよい。
【0136】
また、例えば、トナーによっては、現像カートリッジを新品に交換してから、当該現像カートリッジの交換が必要となるまでの所定の期間の途中で最も感光ドラムに付着しやすくなり、その時期が過ぎると感光ドラムへの付着しやすさが低下するような特性のものもある。このような特性のトナーを使用する場合には、トナーが感光ドラムに付着しやすくなる時期は感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差を初期(現像カートリッジ交換時)の電位差よりも大きくし、当該時期が経過した後は感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差を、当該時期の電位差よりも小さくしたり、初期の電位差に戻したりするように制御してもよい。
【0137】
また、感光ドラムの使用時間が長くなると、表面の感光層の摩耗などによる感光ドラムの劣化により、帯電しても感光ドラムの表面電位(絶対値)が小さくなり、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着しやすくなると考えられる。そこで、例えば、感光ドラムを新品に交換してからの経過時間や印刷枚数、回転回数などが閾値以上の場合、接触準備処理において、第2帯電バイアスの絶対値を、閾値未満の場合よりも大きくしてもよい。すなわち、感光ドラムの使用時間が長い場合、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差を大きくしてもよい。
【0138】
また、感光ドラムは、感光層の種類によっては、温度が低いと、帯電しても感光ドラムの表面電位(絶対値)が小さくなるものがあり、この場合、現像ローラ上のトナーが感光ドラムに付着しやすくなると考えられる。そこで、例えば、温度が閾値以下の場合、接触準備処理において、第2帯電バイアスの絶対値を、閾値より高い場合よりも大きくしてもよい。すなわち、温度が低い場合、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差を大きくしてもよい。
【0139】
なお、以上は、接触準備処理(接触領域形成処理)の場合だけでなく、離間準備処理(離領域形成処理)の場合も同様である。また、以上において、感光ドラムの表面電位と現像ローラの表面電位との電位差を変更するのに、帯電バイアスを変更するだけでなく、さらに、現像バイアスを変更してもよい。
【0140】
また、前記実施形態では、制御部2は、放電ワイヤ52Aに印加するバイアスを制御することにより帯電バイアスVgを制御する構成であったが、これに限定されない。例えば、制御部2は、グリッド電極52Bに印加するバイアスを制御することにより、直接的に帯電バイアスVgとしてのグリッド電極52Bのバイアスを制御し、これによって、感光ドラム50の表面電位を制御する構成であってもよい。また、制御部2は、グリッド電極52Bに印加するバイアスを制御する場合、グリッド電極52Bに印加する電圧を目標値に制御することにより感光ドラム50の表面電位を制御する構成であってもよいし、グリッド電極52Bに流す電流を目標値に制御することにより感光ドラム50の表面電位を制御する構成であってもよい。
【0141】
また、前記実施形態では、転写抑制処理を実行する場合に転写ローラ74に印加する第2転写バイアスVt2を0Vとしたが、これに限定されず、第2転写バイアスVt2を、0Vではない、絶対値が第1転写バイアスVt1よりも小さいバイアス、例えば、負の第1転写バイアスVt1よりも大きい負のバイアスとしてもよい。また、第2転写バイアスVt2を、第1転写バイアスVt1とは逆の極性の正のバイアスとしてもよい。また、前記実施形態では、制御部2が転写抑制処理を実行する構成であったが、転写抑制処理を実行しない構成であってもよい。
【0142】
また、前記実施形態では、転写装置が転写ローラ74である構成を例示したが、これに限定されず、例えば、転写装置は、転写チャージャなどであってもよい。
【0143】
また、前記実施形態では、帯電装置がスコロトロン帯電器52である構成を例示したが、これに限定されず、例えば、帯電装置は、コロトロン帯電器であってもよい。また、帯電装置は、帯電ローラなどであってもよい。
【0144】
また、前記実施形態では、全速処理(第1回転処理)と半速処理(第2回転処理)とを実行可能であり、例えば、接触準備処理において、第2帯電バイアスVg2を全速処理の場合と半速処理の場合とで変更する構成であったが、これに限定されない。画像形成装置は、第1回転処理と第2回転処理を実行しない構成、すなわち、感光ドラムの速度を変更しない構成であってもよい。
【0145】
また、前記実施形態では、現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる場合、離間領域形成処理(離間準備処理)と、その後の離間処理とを実行可能な構成であったが、これに限定されない。例えば、画像形成装置は、現像ローラを接触位置から離間位置に移動させる場合、帯電装置に、画像形成処理を実行するときと同じ帯電バイアスを印加しながら、離間機構により現像ローラを感光ドラムから離間させる構成であってもよい。
【0146】
また、前記実施形態では、画像形成装置として、カラープリンタを例示したが、これに限定されず、例えば、画像形成装置は、モノクロ画像のみを形成可能なモノクロプリンタであってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、例えば、複写機や複合機などであってもよい。
【0147】
また、前記実施形態では、正帯電性のトナーを用いて画像を形成する画像形成装置を例示したが、これに限定されず、負帯電性のトナーを用いて画像を形成する画像形成装置に本発明を適用してもよい。言い換えると、バイアスの正負は、前記実施形態とは逆であってもよい。
【0148】
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0149】
1 画像形成装置
2 制御部
5 離間機構
50 感光ドラム
52 スコロトロン帯電器
61 現像ローラ
A1 接触領域
S シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13