(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054723
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】アルミ素材製雨樋カバー
(51)【国際特許分類】
E04D 13/064 20060101AFI20220331BHJP
【FI】
E04D13/064 502J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020161901
(22)【出願日】2020-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】594035460
【氏名又は名称】有限会社竹内快速鋸
(74)【代理人】
【識別番号】100066821
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 建治
(74)【代理人】
【識別番号】100180149
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 修
(72)【発明者】
【氏名】竹内 英治
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アルミ素材製上段雨樋カバー体とアルミ素材製下段雨樋、製造コストを安価にした雨樋カバーを提供する。
【解決手段】アルミ素材製上段雨樋カバー体aとアルミ素材製下段雨樋カバー体bと釘状止め具dからなり、アルミ素材製上段雨樋カバー体aが、所定傾斜角度の上段傾斜状カバー部1の後方端部に所定長さの止め具18を打込む屋根下打込み部3を垂直状に形成し、上段傾斜状カバー部1の前方端部2aに、下方に折曲する上段雨水誘導部6を形成し、上段雨水誘導部6と屋根下打込み部3とを接続する上段雨水誘導部6の下方部に補強リブ5を形成した。アルミ素材製下段雨樋カバー体bが、所定傾斜角度の下段傾斜状カバー部7の後方端部8に、下方に折曲する下段雨水誘導部9を、下段傾斜状カバー部7の前方端部に、下方に折曲する前方雨水誘導部11を形成した。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミ素材製上段雨樋カバー体とアルミ素材製下段雨樋カバー体と釘状止め具からなるアルミ素材製雨樋カバーAあって、
前記アルミ素材製上段雨樋カバー体が、所定の傾斜角度を有する上段傾斜状カバー部の後方端部に所定の長さの止め具を打込む屋根下打込み部を垂直状に形成せしめ、且前記上段傾斜状カバー部の前方端部に、下方に折曲する上段雨水誘導部を形成せしめ、前記上段雨水誘導部と前記屋根下打込み部とを接続せしめる前記上段雨水誘導部の下方部に補強リブが形成せしめられると共に、
前記アルミ素材製下段雨樋カバー体が、所定の傾斜角度を有する下段傾斜状カバー部の後方端部に、下方に折曲する下段雨水誘導部を、且前記下段傾斜状カバー部の前方端部に、下方に折曲する前方雨水誘導部を形成せしめられ、
前記アルミ素材製上段雨樋カバー体と、前記アルミ素材製下段雨樋カバー体が、排水兼調節接続体を介し前記アルミ素材製上段雨樋カバー体の上段雨水誘導部と、前記アルミ素材製下段雨樋カバー体の下段雨水誘導部との間に、排水兼調節接続体を構成する所定の長さの排水間隔調節部を介在せしめ、所定の間隔を有する排水部を設け、前記排水兼調節接続体を構成するボルトとナットを介して前記雨樋カバー体が接続せしめられ、
前記釘状止め具が、前記排水兼調節接続体を介し接続せしめられた前記アルミ素材製上段雨樋カバー体と、前記アルミ素材製下段雨樋カバー体の夫々の下方部位にして、且前記アルミ素材製下段雨樋カバー体の前方雨水誘導部から、前記下段雨水誘導部と、前記上段雨水誘導部と、前記補強リブの底部に沿って、且前記アルミ素材製上段雨樋カバー体の屋根下打込み部を貫通し、屋根下板材に打込み使用せしめられることを特徴とするアルミ素材製雨樋カバー。
【請求項2】
前記アルミ素材製上段雨樋カバー体の屋根下打込み部が、前記上段傾斜状カバー部よりも上方部に突設する上方打込み部を、前記補強リブよりも下方部に下方打込み部を夫々延設せしめることを特徴とする請求項1に記載のアルミ素材製雨樋カバー。
【請求項3】
前記排水兼調節接続体が、排水間隔調整部とボルトとナットの3部材から形成せしめられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミ素材製雨樋カバー。
【請求項4】
前記アルミ素材製上段雨樋カバー体の屋根下打込み部と、前記アルミ素材製下段雨樋カバー体の前方誘導部と下段雨水誘導部の内側部位にして、且前記釘状止め具の直下部に雨樋を配設せしめ、雨樋が落下しないよう支承部によって支持せしめられていることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のアルミ素材製雨樋カバー。
【請求項5】
前記アルミ素材製上段雨樋カバー体の上段傾斜状カバー部と前記屋根下打込み部の内側部に、遮蔽板の差込み穴部が形成せしめられていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に記載のアルミ素材製雨樋カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミ素材製雨樋カバーに関し、さらに言えば、建築物に適合して裁断せしめるカッティング作業を、確実且迅速に行うことができると共に、屋根に降ってきた雨水を確実に、しかも迅速に排水処理が可能な構造に形成せしめられた厚いアルミ素材製雨樋カバーの技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、樋受金具として、本件特許出願人が出願した下記特許文献1に係る特開2007-303207公報に記載のものがある。
【0003】
この特許文献1に記載の樋受金具の構成部材は、ステンレス製の雨樋カバーaと、前記雨樋カバーaの下方部に配設せしめられている雨樋dを下方より支える樋受本体cと、さらに前記雨樋カバーaを支える上方受け金具bと、前記雨樋カバーaと前記樋受本体cとを接続する連結金具iと、前記各構成部材を接続せしめるボルト10、26等がアルミ素材以外のステンレス資材製にて形成されている。
【0004】
さらに、特許文献1に開示された樋受金具は、該樋受金具を構成する雨樋カバーaが、上方受け金具bによってボルト10とナット13を介して下方より支持固定されるだけであると共に、該樋受金具を構成する雨樋カバーaの後方部の構造が、屋根3の下方壁板に釘打ち固定することができない構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、雨樋カバーをアルミ素材製上段雨樋カバー体とアルミ素材製下段雨樋カバー体とを別設して、製造を仕易く、カバーの構造をシンプル化して製造コストを安価にした。
【0007】
さらに本発明は、アルミ素材製上段雨樋カバー体が一体の後方端部と補強部の後方端部に垂直状に形成せしめられた厚目の屋根下打込み部に、複数の止め具を打込むことができる形状に形成せしめられることによって、雨樋カバーの上方受け金具を不使用にした。
【0008】
また、本発明は、前記アルミ素材製上段雨樋カバー体の前方部に、排水兼調節接続体にて接続せしめられたアルミ素材製下段雨樋カバー体の前方雨水誘導部から、前記アルミ素材製上段雨樋カバー体の下方部を通過して前記アルミ素材製上段雨樋カバー体の屋根下打込み部を貫通する釘もしくは釘形状をしている止め具を、雨樋カバーの屋根下板材に打込み固着して、雨樋カバーの製造費を著しく安価にすると共に、取付け工事費も著しく節減できるようにした。
【0009】
加えて、釘もしくは釘状止め具をアルミ素材製下段雨樋カバー体の前方雨水誘導部から、前記下段雨樋カバー体の下段雨水誘導部と上段雨水誘導部と屋根下打込み部を貫通せしめ屋根下板材に打込むことによって、本発明のアルミ素材製上段雨樋カバー体とアルミ素材製下段雨樋カバー体を強固に固着せしめるようにした。
【0010】
また本発明は、アルミ素材製上段雨樋カバー体の前方雨水誘導部と、屋根下打込み部の下方部とを接続する補強リブを形成せしめることによって、前記上段雨樋カバー体の上段傾斜状カバー部と、アルミ素材製下段雨樋カバー体の下段傾斜状カバー部に積雪が積り、雨樋カバー全体に大きな過重がかかっても、十分に耐え得ることができるようにした。
【課題を解決するための手段】
【0011】
課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、アルミ素材製上段雨樋カバー体aとアルミ素材製下段雨樋カバー体bと釘状止め具dからなるアルミ素材製雨樋カバーAであって、
前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aが、所定の傾斜角度を有する上段傾斜状カバー部1の後方端部2に所定の長さの止め具18を打込む屋根下打込み部3を垂直状に形成せしめ、且前記上段傾斜状カバー部1の前方端部2aに、下方に折曲する上段雨水誘導部6を形成せしめ、前記上段雨水誘導部6と前記屋根下打込み部3とを接続せしめる前記上段雨水誘導部6の下方部に補強リブ5が形成せしめられると共に、
前記アルミ素材製下段雨樋カバー体bが、所定の傾斜角度を有する下段傾斜状カバー部7の後方端部8に、下方に折曲する下段雨水誘導部9を、且前記下段傾斜状カバー部7の前方端部10に、下方に折曲する前方雨水誘導部11を形成せしめられ、
前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aと、前記アルミ素材製下段雨樋カバー体bが、排水兼調節接続体cを介し前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aの上段雨水誘導部6と、前記アルミ素材製下段雨樋カバー体bの下段雨水誘導部9との間に、排水兼調節接続体cを構成する所定の長さの排水間隔調節部13を介在せしめ、所定の間隔を有する排水部12を設け、前記排水兼調節接続体cを構成するボルト14とナット15を介して前記雨樋カバー体a、bが接続せしめられ、
前記釘状止め具dが、前記排水兼調節接続体cを介し接続せしめられた前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aと、前記アルミ素材製下段雨樋カバー体bの夫々の下方部位にして、且前記アルミ素材製下段雨樋カバー体bの前方雨水誘導部11から、前記下段雨水誘導部9と、前記上段雨水誘導部6と、前記補強リブ5の底部に沿って、且前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aの屋根下打込み部3を貫通し、屋根下板材に打込み使用せしめられることを特徴とするアルミ素材製雨樋カバーである。
【0012】
課題を解決するための手段として、請求項2に記載の発明は、前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aの屋根下打込み部3が、前記上段傾斜状カバー部1よりも上方部に突設する上方打込み部3aを、前記補強リブ5よりも下方部に下方打込み部3bを夫々延設せしめることを特徴とする請求項1に記載のアルミ素材製雨樋カバーである。
【0013】
課題を解決するための手段として、請求項3に記載の発明は、前記排水兼調節接続体cが、排水間隔調整部13とボルト14とナット15の3部材から形成せしめられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミ素材製雨樋カバーである。
【0014】
課題を解決するための手段として、請求項4に記載の発明は、前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aの屋根下打込み部3と、前記アルミ素材製下段雨樋カバー体bの前方誘導部11と下段雨水誘導部9の内側部位にして、且前記釘状止め具dの直下部に雨樋eを配設せしめ、雨樋eが落下しないよう支承部16によって支持せしめられていることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のアルミ素材製雨樋カバーである。
【0015】
課題を解決するための手段として、請求項5に記載の発明は、前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aの上段傾斜状カバー部1と前記屋根下打込み部3の内側部に、遮蔽板の差込み穴部17が形成せしめられていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に記載のアルミ素材製雨樋カバーである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、上述のとおりであって、殊に前記アルミ素材製雨樋カバーをアルミ素材製上段雨樋カバー体と、アルミ素材製下段雨樋カバー体とに夫々分設して形成することができるので、製造が仕易く、そのためコストが著しく安価となった。
【0017】
本発明は、さらに前記アルミ素材製上段雨樋カバー体の後方端部に複数の止め具を打込むことができる厚みを有する屋根下打込み部を形成したので、従来の雨樋カバーでは下方より支持支承せしめる上方受け金具を必要としていたのに対し、本発明は上方受け金具が全く不要となり、そのため材料費を著減せしめることができる利点がある。
【0018】
本発明は、上述のとおり、前記アルミ素材製下段雨樋カバー体の前方雨水誘導部から前記アルミ素材製上段雨樋カバー体の下方部を通過し、さらに屋根下打込み部を貫通する釘もしくは釘形状の止め具を前記雨樋カバーの屋根下板材に打込み固着することができるようにしたので、アルミ素材製雨樋カバーの製造費を著しく安価にして、前記雨樋カバーの取付け施工工事費を著減せしめることができる利点がある。
【0019】
本発明は、前述のとおり釘もしくは釘状止め具を前述のようにして貫通し、前記雨樋カバーの屋根下板材に打込み固定することができるようにしたので、アルミ素材製上段雨樋カバー体とアルミ素材製下段雨樋カバー体を強固に固着せしめることができる利点がある。
【0020】
本発明は、またアルミ素材製上段雨樋カバー体の裏面部と屋根下打込み部の下方部とを接続する補強リブを設けたので、前記雨樋カバー体上に大量の積雪が長時間載置するようなことがあっても、十分耐え得る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明のアルミ素材製雨樋カバーの正面図である。
【0022】
【
図2】同アルミ素材製雨樋カバーの一部切欠斜視図である。
【0023】
【
図3】同アルミ素材製雨樋カバーの一部切欠拡大縦断正面図である。
【0024】
【
図4】同アルミ素材製雨樋カバーに関する排水兼調節接続体の一部切欠拡大縦断正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の請求項1~5に記載の発明に関する実施の形態は、共通しているので、図面にもとづき以下のとおり一括して説明する。
【0026】
図において、Aはアルミ素材製雨樋カバーであって、アルミ素材製上段雨樋カバー体aとアルミ素材製下段雨樋カバー体bとから構成されている。
【0027】
前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aの構造について説明すると、図示するように屋根等に降ってきた雨水が流れやすい所定の傾斜角度を有する上段傾斜状カバー部1の後方端部2には、所定の長さの止め具18を打込む屋根下打込み部3が、後述する補強リブ5の後方端部とに接続し、且垂直状に形成されている。
【0028】
さらに、前記上段傾斜状カバー部1は、図面図示のように前記屋根下打込み部3に対し、後方端部2側を高く、前方端部2a側を低くして形成する。
【0029】
前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aの屋根下打込み部3は、図示するように、前記上段傾斜状カバー部1より上方部にして、且垂直状に厚目の上方打込み部3aを、止め具18が打込まれる大きさにて延設せしめる。さらに、前記上段傾斜状カバー部1の下方部に、後述する補強リブ5よりも、下方に延設せしめる複数の止め具18を打込むことができる厚目の下方打込み部3bを形成せしめる。
【0030】
前記した上方打込み部3aと前記下方打込み部3bは、図面図示のように、一体となって垂直状に形成されている。
【0031】
図において、6は前記上段傾斜状カバー部1の前方端部2aを、所定の長さだけ下方に折曲する上段雨水誘導部であり、該上段雨水誘導部6は、通常前記屋根下打込み部3と平行状にて形成されている。さらに前記上段雨水誘導部6には、下方部に貫通孔6aが形成されており、該貫通孔6aは後述する排水兼調節接続体cを構成するボルト14を貫通せしめるものである。
【0032】
図において、5は補強リブであり、前記上段傾斜状カバー部1より下方部位にして、前記屋根下打込み部3の下方部と、前記上段雨水誘導部6とを接続せしめ形成する。
【0033】
さらに前記補強リブ5は、稍中央部に、前記上段傾斜状カバー部1の裏面部4と接続する垂直状の垂直状補強リブ5aが形成せしめられている。
【0034】
以上がアルミ素材製上段雨樋カバー体aの構成である。
【0035】
つぎにアルミ素材製下段雨樋カバー体bの構成につき説明する。
【0036】
前記アルミ素材製下段雨樋カバー体bは、雨水が流れやすい所定の傾斜角度を有する下段傾斜状カバー部7を有し、該カバー部7の後方端部8には、所定の長さだけ下方に折曲する下段雨水誘導部9が形成せしめられ、且前記下段傾斜状カバー部7の前方端部10には、下方に所定の長さだけ折曲する前方雨水誘導部11が形成されている。そして前記下段雨水誘導部9の下方部には、貫通孔9aが形成されており、該貫通孔9aには、後述する止め具dを構成しているボルト14が貫通せしめる。9bは後述する排水兼調節接続体cが貫通する貫通孔が形成されている。
【0037】
さらに前記下段雨水誘導部9と前方雨水誘導部11とは、平行状に形成されている。11aは前記止め具dの貫通孔、11bは前記排水兼調節接続体cが貫通する貫通孔である。
【0038】
以上がアルミ素材製下段雨樋カバー体bの構成である。
【0039】
図において、cは排水兼調節接続体であり以下の構成からなっている。
【0040】
前記排水兼調節接続体cは、所定の長さの排水間隔調整部13とボルト14とナット15の3部材から構成されており、前記排水間隔調整部13は、前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aと前記アルミ素材製下段雨樋カバー体bとが、
図1のように組立てられる際に、上段雨水誘導部6と下段雨水誘導部9との間に、雨水をスムーズに排水せしめることができるように所定の間隔、例えば4mmの間隔が形成されるように介在せしめられるものである。材質は金属性もしくはゴム資材製等を使用するが限定しない。
【0041】
さらに排水兼調節接続体cは、ボルト14とナット15が使用されている。前記ボルト14は、
図3、4に図示するように前記上段雨水誘導部6と前記下段雨水誘導部9とに形成されている前記貫通孔6bから前記排水間隔調整部13の貫通孔13a内へ、さらに前記下段雨水誘導部9の貫通孔9bに貫通し、さらにナット15の雌ネジ部15aに螺入し螺着されるものである(
図4参照)。そして前記排水兼調節接続体cは、前記上段雨水誘導部6と前記下段雨水誘導部9に、所定間隔おきに複数取付け使用する。
【0042】
以上が排水兼調節接続体cの構成である。
【0043】
図において、dは釘もしくは釘形状をしている止め具であり、
図1、2、3に図示するように、前記アルミ素材製下段雨樋カバー体bの前方雨水誘導部11の貫通孔11aより、前記屋根下打込み部3の方向に向け、前記アルミ素材製下段雨樋カバー体bの下段雨水誘導部9の下方部に形成されている貫通孔9bを、さらに前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aの上段雨水誘導部6の下方に形成されている貫通孔6bを貫通せしめ、前記補強リブ5の下方底部5bに沿って前記した屋根下打込み部3の下方部に形成の貫通孔3cを貫通し屋根下壁板部に打込まれる(
図1、2)。
【0044】
図において、eは雨樋であり、以下のように配設される。
【0045】
すなわち、前記雨樋eは、前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aの屋根下打込み部3と、前記アルミ素材製下段雨樋カバー体bの前方雨水誘導部11の内側部位にして、前記釘状止め具dの直下部に、雨樋eが落下しないように、支承部16によって支持せしめられている。
【0046】
図において17は、遮蔽板(図示なし)の差込み穴部であり、該差込み穴部17が形成されている個所は、前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aの上段傾斜状カバー部1と前記屋根下打込み部3との交叉部の内側部と、前記上段傾斜状カバー部1と前記垂直状補強リブ5aとの交叉部の内側部と、前記上段雨樋カバー体aの上段雨水誘導部6の裏面部に形成されている。
【0047】
前記遮蔽板(図面なし)は、取付けられた前記アルミ素材製雨樋カバーAの左右両端部と前記雨樋eの左右両端部に形成された隙間から鳥類等が侵入するのを防止するためのものである。
【0048】
図において16は、雨樋eを取付けるシンプルな少し太目の銅線もしくは所定の幅員を有する板状の支承部であり、
図1に図示するように前記支承部16の一端部は、前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aの下方打込み部3bに接続し、他端部は前記下段雨樋カバー体bの前方雨水誘導部11に接続され、前記雨樋eが落下しないよう支承し且支持している。
【0049】
<アルミ素材製雨樋カバーAの取付け施工方法>
本発明のアルミ素材製雨樋カバーAは、前記したアルミ素材製上段雨樋カバー体aとアルミ素材製下段雨樋カバー体bとを夫々所定の長さに切断工具を介してカットする。
【0050】
そして屋根下壁板材に水糸(図面なし)を張って高低差を決める。
【0051】
次に、所定の長さに切断された前記両カバー体a、bの間に、前記排水兼調節接続体cを構成する約4mm長さの前記排水間隔調整部13を介在せしめ、介在後ボルト14とナット15を介して接続せしめる。
【0052】
前記のボルト14とナット15の接続につき具体的に説明すると、
図1、2、4に図示するように、前記上段雨樋カバー体aの上段雨水誘導部6の貫通孔6bにボルト14を貫通し、ついで排水間隔調整部13の貫通孔13aを貫通し、ついで前記下段雨水誘導部9の貫通孔9bを貫通し、前記ナット15を螺着せしめる。その結果、各図に図示するように、流れ落ちてきた落葉(図面なし)は侵入することなく、下段雨樋カバー体bへと流され、降ってきた雨水の大半が排水部12から排水して雨樋e内に落下する排水部12が形成される。
【0053】
前記のようにして組立てられた両カバー体a、bは、
図1、2、3、4のように上段傾斜状カバー部1と下段傾斜状カバー部7とが、同一方向にして、且下段傾斜状カバー部7が若干低くなって組立てられる(
図1、2、3、4)。
【0054】
しかる後、前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aの屋根下打込み部3の上方打込み部3aと下方打込み部3bを屋根下板材に密着し、前記止め具18を所定の間隔おきに複数本打込み、前記雨樋カバーAを強固に固着せしめる。
【0055】
前記の作業後は、前記止め具dを、前記アルミ素材製下段雨樋カバー体bの前方雨水誘導部11の貫通孔11bより下段雨水誘導部9の貫通孔9aを貫通せしめ、さらに上段雨水誘導部6の貫通孔6bを貫通し、さらに下方打込み部3bの貫通孔3cを貫通し屋根下壁板材に打込んでやる。
【0056】
つぎに、前記雨樋eを前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aの屋根下打込み部3と、前記アルミ素材製下段雨樋カバー体bの前方雨水誘導部11の内側部位にして、且前記釘状止め具dの直下部に、雨樋eが落下しないように支承部16の一端部を前記屋根下打込み部3の下方打込み部3bに接続せしめ、他端部を前記前方雨水誘導部11に接続する。そのため前記雨樋eは、落下することがない。
【0057】
本発明は、遮蔽板(図示なし)が、前記アルミ素材製上段雨樋カバー体aの上段傾斜状カバー部1と前記屋根下打込み部3との交叉部の内側部と、前記上段傾斜状カバー部1と前記補強リブ5aとの交叉部の内側部と、前記下段雨樋カバー体bの下段傾斜状カバー部7の裏面部に形成されている差込み穴部17によって強固に固着される。
【0058】
以上本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
【符号の説明】
【0059】
A アルミ素材製雨樋カバー
a アルミ素材製上段雨樋カバー体
b アルミ素材製下段雨樋カバー体
c 排水兼調節接続体
d 止め具
e 雨樋
1 上段傾斜状カバー部
2 後方端部
2a 前方端部
3 屋根下打込み部
3a 上方打込み部
3b 下方打込み部
3c 貫通孔
4 裏面部
5 補強リブ
5a 垂直状補強リブ
5b 下方底部
6 上段雨水誘導部
6a 貫通孔
6b 貫通孔
7 下段傾斜状カバー部
8 後方端部
9 下段雨水誘導部
9a 貫通孔
9b 貫通孔
10 前方端部
11 前方雨水誘導部
11a 貫通孔
11b 貫通孔
12 排水部
13 排水間隔調節部
13a 貫通孔
14 ボルト
15 ナット
15a 雌ネジ部
16 支承部
17 差込み穴部
18 止め具