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特開2022-54746発光ユニット、該発光ユニットを備えた灯具、該灯具を備えた照明装置、及び発光ユニットの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054746
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】発光ユニット、該発光ユニットを備えた灯具、該灯具を備えた照明装置、及び発光ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220331BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220331BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20220331BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220331BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20220331BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20220331BHJP
【FI】
F21S2/00 230
F21V23/00 160
F21V15/01 300
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020161937
(22)【出願日】2020-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】西岡 恒人
(72)【発明者】
【氏名】奥田 典明
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】躯体の剛性の向上及び軽量化を図りつつ、発光素子の放熱性の向上を図ることができる、発光ユニット、該発光ユニットを備えた灯具、該灯具を備えた照明装置、及び発光ユニットの製造方法を提供する。
【解決手段】発光ユニットは、金属板から成り、長尺で平板状の基部を有する躯体と、基部の一方の面上に敷設された絶縁層と、躯体と電気的に絶縁された状態で絶縁層に積層された導電層と、導電層に接続されて躯体に実装された発光素子と、発光素子と導電層とを接続させる接続部材と、発光素子と導電層とが接続される部分を除いた部分における導電層を覆うように敷設された保護層と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板から成り、長尺で平板状の基部を有する躯体と、
前記基部の一方の面上に敷設された絶縁層と、
前記躯体と電気的に絶縁された状態で前記絶縁層に積層された導電層と、
前記導電層に接続されて前記躯体に実装された発光素子と、
前記発光素子と前記導電層とを接続させる接続部材と、
前記発光素子と前記導電層とが接続される部分を除いた部分における前記導電層を覆うように敷設された保護層と、を備えている、発光ユニット。
【請求項2】
前記躯体は、
短手方向における前記基部の両端縁から長手方向に沿って屈曲して形成された一対の側部を有しており、
前記側部の先端部には、該先端部を湾曲させて折り返したカール部が形成されている、請求項1に記載の発光ユニット。
【請求項3】
前記躯体は、
短手方向における前記基部の一方の端縁から長手方向に沿って屈曲して形成された側部を有しており、
前記側部の先端部には、該先端部を湾曲させて折り返した第1カール部が形成され、
短手方向における前記基部の他方の端縁には、該端縁を湾曲させて折り返した第2カール部が形成されている、請求項1に記載の発光ユニット。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発光ユニットと、
前記発光素子を覆うように前記躯体に取り付けられる透光性のカバーと、を備えている、灯具。
【請求項5】
請求項4に記載の灯具と、
前記灯具が着脱自在に装着される照明器具と、を備えている、照明装置。
【請求項6】
請求項1に記載の発光ユニットの製造方法であって、
前記躯体となる長尺で平板状の基材の一方の面上に前記絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層に積層されるように前記導電層を形成する工程と、
前記導電層に積層されるように前記保護層を形成する工程と、
前記導電層に前記発光素子を接続して、該発光素子を前記躯体に実装する工程と、を有する、発光ユニットの製造方法。
【請求項7】
前記発光素子を実装した後、前記基材を折り曲げて、長尺で平板状の前記基部と、該基部の短手方向における端縁から屈曲した側部とを形成する工程を含む、請求項6に記載の発光ユニットの製造方法。
【請求項8】
前記保護層を形成した後であって、前記発光素子を実装する前に、前記基材を折り曲げて、長尺で平板状の前記基部と、該基部の短手方向における端縁から屈曲した側部とを形成する工程を含む、請求項6に記載の発光ユニットの製造方法。
【請求項9】
前記絶縁層を形成する前に、前記基材を折り曲げて、長尺で平板状の前記基部と、該基部の短手方向における端縁から屈曲した側部とを形成する工程を含む、請求項6に記載の発光ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、金属板から成る躯体を備えた発光ユニット、該発光ユニットを備えた灯具、該灯具を備えた照明装置、及び発光ユニットの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、発光素子の放熱性を向上させると共に、躯体の剛性を向上させた構成を有する照明装置が知られている。例えば特許文献1では、発光部と、発光部で発生した熱を伝達する伝熱部材と、を有するランプが開示されている。伝熱部材は、アルミニウム合金等の金属、又はセラミックス若しくは熱伝導性樹脂等の熱伝導率の高い材料から形成されている。伝熱部材は、平面状部と、曲板状部と、2本の架橋部とを有している。平板状部は、細長の平板状に形成され且つ厚み方向における配設面側に発光部が配設されている。架橋部は、平板状部と曲板状部とで囲まれる空間内に位置し、平面状部と曲板状部とを熱的に結合している。これにより、発光部で発生し平板状部に伝達した熱の熱伝導による放熱経路として、平板状部から架橋部を介して曲板状部に至る経路が確保されることにより、発光部の放熱性を向上させることができる。
【0003】
また、架橋部は、平板部の長さと略同じ細長の形状を有しており、伝熱部材の長手方向における全体に亘って延長されている。これにより、伝熱部材は、撓ませる方向に加わる力に対する剛性が向上し、該剛性によってランプの自重による撓みを低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5347085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された伝熱部材は、薄肉化に適さないダイカスト法によって製造される構成であり、軽量化し難く、質量が比較的大きいものとなってしまうおそれがある。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、躯体の剛性の向上及び軽量化を図りつつ、発光素子の放熱性の向上を図ることができる、発光ユニット、該発光ユニットを備えた灯具、該灯具を備えた照明装置、及び発光ユニットの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る発光ユニットは、金属板から成り、長尺で平板状の基部を有する躯体と、前記基部の一方の面上に敷設された絶縁層と、前記躯体と電気的に絶縁された状態で前記絶縁層に積層された導電層と、前記導電層に接続されて前記躯体に実装された発光素子と、前記発光素子と前記導電層とを接続させる接続部材と、前記発光素子と前記導電層とが接続される部分を除いた部分における前記導電層を覆うように敷設された保護層と、を備えているものである。
【0008】
本開示に係る灯具は、上記構成の発光ユニットと、前記発光素子を覆うように前記躯体に取り付けられるカバーと、を備えているものである。
【0009】
本開示に係る照明装置は、上記構成の灯具と、前記灯具が着脱自在に装着される照明器具と、を備えているものである。
【0010】
本開示に係る発光ユニットの製造方法は、上記構成の発光ユニットの製造方法であって、前記躯体となる長尺で平板状の基材の一方の面上に前記絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層に積層されるように前記導電層を形成する工程と、前記導電層に積層されるように前記保護層を形成する工程と、前記導電層に前記発光素子を接続して、該発光素子を前記躯体に実装する工程と、を有するものである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、躯体が金属板で構成されているため、剛性が高く軽量化を図ることができる。また、躯体と発光素子との間に配置した絶縁層によって、躯体と発光素子との密着性を高めることができる。これにより、躯体と発光素子との熱抵抗が小さくなり、熱伝導性を向上させることができ、躯体を介して発光素子の動作熱を効果的に放熱させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る発光ユニットを示した斜視図である。
図2図1に示したII部の拡大断面図である。
図3】実施の形態1に係る発光ユニットであって、図2に示す要部の変形例を示した拡大断面図である。
図4】実施の形態1に係る発光ユニットの製造工程を示した説明図である。
図5】実施の形態1に係る発光ユニットの異なる製造工程を示した説明図である。
図6】実施の形態1に係る発光ユニットの異なる製造工程を示した説明図である。
図7】実施の形態1に係る発光ユニットを備えた照明装置の一構成例を示した分解斜視図である。
図8】実施の形態1に係る発光ユニットを備えた灯具を示した縦断面図である。
図9】実施の形態2に係る発光ユニットを備えた灯具を示した縦断面図である。
図10】実施の形態3に係る発光ユニットを備えた灯具を示した縦断面図である。
図11】実施の形態4に係る発光ユニットを備えた灯具を示した縦断面図である。
図12】実施の形態5に係る発光ユニットを備えた灯具を示した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0014】
実施の形態1.
先ず、図1及び図2を参照して、本実施の形態1に係る発光ユニット1を説明する。図1は、実施の形態1に係る発光ユニット1を示した斜視図である。図2は、図1に示したII部の拡大断面図である。図1を含む各図において、説明の便宜上、発光ユニット1の長手方向をX軸方向とし、発光ユニット1の短手方向をY軸方向とし、X軸方向及びY軸方向に垂直な方向をZ軸方向とする。各図において示すZ2の矢印方向は重力方向である。なお、図1図3では、発光ユニット1を反転させた状態で示しているため、重力方向が上向きとなっている。
【0015】
(発光ユニット1)
発光ユニット1は、図1及び図2に示すように、長尺で平板状の基部20を有する躯体2と、基部20の一方の面上に敷設された絶縁層10と、躯体2と電気的に絶縁された状態で絶縁層10に積層された導電層11と、導電層11に接続されて躯体2に実装された発光素子12と、発光素子12と導電層11とを接属させる接続部材13と、発光素子12と導電層11とが接続される部分を除いた部分における導電層11を覆うように敷設された保護層14と、を有している。
【0016】
躯体2は、灯具101の全体を構造的に支えるものである。躯体2は、発光ユニット1の長手方向Xに沿って延びる長尺で平板状の基部20と、基部20の短手方向Yにおける両端縁から長手方向Xに沿って屈曲させて形成された一対の側部21と、を有している。躯体2は、図1に示すように、基部20と側部21とで、断面形状が略U字状とされている。
【0017】
躯体2は、鉄、アルミニウム、銀、銅、ニッケル等を含む金属材料が用いられ、板状に形成される。躯体2を構成する基材として、例えば、電気亜鉛メッキ鋼板(SECC)、溶融亜鉛メッキ鋼板(SGCC)、ステンレス鋼板(SUS)、アルマイト処理が施されたアルミ板等を採用できる。金属板から成る躯体2は、剛性が高く軽量である。
【0018】
躯体2の厚さ寸法及び躯体2の材質は、基材が折り曲げられた際に、絶縁層10、導電層11、発光素子12及び保護層14が剥離しない程度の弾性を有するように決定される。例えば、絶縁層10を構成する材料は、ヤング率が5GPa以下の弾性を有することが好ましい。また、躯体2を構成する材料は、線膨張係数が24×10ppm/K以下であることが好ましい。
【0019】
基部20には、照射側となる面上に、絶縁層10、導電層11、発光素子12及び保護層14が設けられている。基部20は、絶縁層10が設けられた範囲を発光素子12が配置される配置領域Aとし、その他の領域を非配置領域としている。長手方向Xにおける配置領域Aの長さは、一例として250mm~300mm以上である。
【0020】
側部21は、発光素子12を設けた側とは反対側に略90度の角度で屈曲させて形成されている。側部21の先端部には、該先端部を躯体2の内側に向かって湾曲させて折り返した略C字状のカール部22が形成されている。
【0021】
絶縁層10は、躯体2の基部20であって照射側の面上に敷設されている。絶縁層10は、充分な電気絶縁性が確保され、発光素子12から躯体2への必要な放熱性能が確保されるように形成される。絶縁層10は、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリブチレンテフタレート樹脂、ポリスチレンテレフタレート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を含む樹脂材料が用いられており、薄膜状に形成されている。なお、絶縁層10は、躯体2の基部20であって少なくとも照射側の面上に敷設されていればよく、躯体2のその他の部分に設けてもよい。
【0022】
絶縁層10の厚さ寸法は、発光素子12から躯体2への熱伝達性及び絶縁耐性(絶縁耐力)を考慮して決定される。絶縁層10の厚さ寸法は、例えば5μm以上80μm以下であることが好ましい。また、絶縁耐性は、例えば絶縁破壊電圧が4kV以上であることが好ましい。
【0023】
導電層11は、躯体2と電気的に絶縁された状態で絶縁層10に積層される。導電層11は、絶縁層10の領域内であって、一例として躯体2の長手方向Xに沿って3列で設けられている。導電層11は、発光素子12に点灯電力を供給するための供給経路であり、銅、銀、ニッケル、金、モリブデン等を含む材料を用いられ、配線回路として形成されている。
【0024】
発光素子12は、光源回路を構成するものである。発光素子12は、例えば面実装可能な発光ダイオード(Light Emitting Diode。以下「LED」という)であり、例えば波長が440~480nmの青色光を発するLEDチップ上に青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配してパッケージ化した擬似白色LED等が用いられる。なお、発光素子12は、LEDに限らず、例えばレーザダイオード(Laser Diode)、有機EL(Organic Electro-Luminescence)などを用いることができる。
【0025】
発光素子12は、素子本体12aと、素子本体12aを挟むように側面に配置された素子電極12bとを有している。素子電極12bは、素子本体12aへ通電及び起電力の検出に用いられる電極である。発光素子12は、配線回路である導電層11の面上であって、躯体2の長手方向Xに沿って一列に複数配置されている。発光素子12の素子電極12bと導電層11の一部とは、はんだ等の導電性の接続部材13を用いて電気的に接続されている。発光素子12は、電源部5から電力が供給されて発光する。なお、発光素子12の動作熱は、躯体2を介して外部空間等の放熱領域に向けて放熱される。
【0026】
発光素子12の個数や配置位置等は、発光ユニット1、後述する灯具101、照明装置100の設計仕様に応じて適宜決定される。例えば、発光素子12は、長手方向Xに沿って複数列を並行させた配置としてもよい。また、発光素子12は、千鳥状の配置のように長手方向Xに沿わないように配置してもよい。なお、図1では、発光素子12を一部省略して示しているが、実際には、躯体2の長手方向Xに沿って連続して実装されている。
【0027】
接続部材13は、例えば銀ペースト、金ペーストを用いてもよいし、チタニア、酸化亜鉛等の導電性フィラーを添加した樹脂を用いてもよい。また、接続部材13は、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film:ACF)を用いてもよい。
【0028】
保護層14は、レジスト層とも称され、絶縁層10、導電層11及び躯体2の基部20の一部を覆って保護すると共に、光の反射率を高めるために設けられている。保護層14は、発光素子12及び接続部材13が配置される箇所には敷設されていない。
【0029】
保護層14は、シリコーン、エポキシ、ポリエステル、フレタン、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレンテレフタレート等の樹脂のうち少なくとも1種類が基剤として用いられ、高反射物質として、酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硝子、窒化アルミニウム、シリカ、酸化ジルコニウム等のうち少なくとも1種類以上が含有されて形成される。
【0030】
上記のように発光ユニット1の躯体2は、電力を供給するための配線回路である導電層11が設けられ、発光素子12が実装される実装基板であると共に、実装された発光素子12の動作熱を放散させる機能を有する。発光素子12と躯体2とは、絶縁層10によって密着させる構成であるため、密着性が高く且つ熱抵抗が小さく熱伝導性が向上する。そのため、発光ユニット1は、発光素子12の動作熱を効果的に放熱させることができ、発光素子12の光出力の高出力化に寄与することができる。つまり、本実施の形態1に係る発光ユニット1は、長期に亘って信頼性の高い性能及び品質を維持できる。
【0031】
なお、図3は、実施の形態1に係る発光ユニット1であって、図2に示す要部の変形例を示した拡大断面図である。発光素子12は、図3に示すように、素子本体12aの下部であって、素子本体12aを配置した領域に収まるように素子電極12bを配置した構成としてもよい。このように構成することで、発光素子12の配置領域Aを小さくすることができるので、絶縁層10、導電層11及び保護層14を形成する材料を削減できる。また、躯体2の小型化及び軽量化を図ることもできるので、ひいては発光ユニット1を備えた灯具101及び照明装置100の小型化及び軽量化に繋がる。
【0032】
次に、本実施の形態1に係る発光ユニット1の製造方法を図1及び図2を参照しつつ、図4に基づいて説明する。図4は、実施の形態1に係る発光ユニット1の製造工程を示した説明図である。
【0033】
先ず、躯体2となる長尺で平板状の基材を用意する。基材は、例えば電気亜鉛メッキ鋼板(SECC)、溶融亜鉛メッキ鋼板(SGCC)、ステンレス鋼板(SUS)、アルマイト処理が施されたアルミ板等である。そして、基材の一方の面上に絶縁層10を形成する絶縁層形成工程S10を行う。絶縁層10は、塗布、塗装、印刷又は蒸着等の方法により形成される。絶縁層10が設けられた範囲は、発光素子12が実装される配置領域Aとなる。
【0034】
次に、絶縁層10に積層されるように導電層11を形成する導電層形成工程S11を行う。導電層11は、基材と電気的に絶縁された状態で絶縁層10に積層される。導電層11は、塗布、塗装、印刷又は蒸着等の方法により形成される。導電層11は、発光素子12に点灯電力を供給するための供給経路であり、銅、銀、ニッケル、金、モリブデン等を含む材料を用いられ、配線回路として形成されるものである。
【0035】
次に、導電層11に積層されるように保護層14を形成する保護層形成工程S12を行う。保護層14は、絶縁層10及び導電層11の全面を覆うと共に、基材の面上の一部を覆うように形成される。絶縁層10は、塗布、塗装、印刷又は蒸着等の方法により形成される。なお、保護層14は、導電層11のうち、発光素子12を実装する部分、及び発光素子12の素子電極12bと接続部材13とを電気的に接続する接続部分には形成しない。
【0036】
次に、導電層11に発光素子12を接続して、該発光素子12を基板に実装する実装工程S13を行う。実装工程S13では、発光素子12を基材の面上における配置領域Aに配置し、導電性の接続部材13を用いて、発光素子12の素子電極12bと導電層11の接続部分とを電気的に接続する。
【0037】
最後に、基材を折り曲げて、長尺で平板状の基部20と、基部20の短手方向Yにおける端縁から長手方向Xに沿って屈曲した側部21を形成すると共に、側部21の先端部を湾曲させて折り返したカール部22を形成する成形工程S14を行う。成形工程S14では、例えば順送プレス、単発プレスといったプレス加工の製造方法が用いられる。なお、成形工程S14は、絶縁層10、導電層11、発光素子12及び保護層14に対して衝撃及び応力を与えないように行われる。
【0038】
図4に示す発光ユニット1の製造方法では、成形工程S14の前に行われる絶縁層形成工程S10、導電層形成工程S11、保護層形成工程S12、及び実装工程S13の各工程で用いられる各設備は、平板状の基材に対応できるものであればよく、各設備は比較的簡便なものを用いることが可能であり、設備投資額の抑制効果が大きくなる。また、絶縁層形成工程S10~実装工程S13は平板状の基材を連続して取り扱う工程となるため、これらの工程で用いられる各設備を統合して各工程の機能を集約することも可能であり、設備の設置に要するスペースのコンパクト化が可能となる。また、折り曲げられていない平板状の基材は平面度が高く維持されており、実装工程S13において、印刷によって、発光素子12の素子電極12bと導電層11の接続に用いられる、はんだ、銀、金、又は、導電性粒子が含有した接着剤といった導電性の接続部材13を敷設する場合に好適である。
【0039】
図5及び図6は、実施の形態1に係る発光ユニット1の異なる製造工程を示した説明図である。図5に示す発光ユニット1の製造方法では、保護層14を形成した後であって、発光素子12を実装する前に、基材を折り曲げて、長尺で平板状の基部20と、基部20の短手方向Yにおける端縁から屈曲した側部21とを形成すると共に、側部21の先端部を湾曲させて折り返したカール部22を形成する成形工程S14を行うものである。
【0040】
図5に示す発光ユニット1の製造方法では、実装工程S13の前に、基材の変形を伴う成形工程S14が完了するので、実装工程S13で実装された発光素子12と導電層11とが接合する部分に対して応力を加えてしまうおそれがない。このため、発光素子12と導電層11とが接合する部分は、長期にわたって高い接続信頼性を持続する。
【0041】
図6に示す発光ユニット1の製造方法では、絶縁層10を形成する前に、基材を折り曲げて、長尺で平板状の基部20と、基部20の短手方向Yにおける端縁から屈曲した側部21とを形成すると共に、側部21の先端部を湾曲させて折り返したカール部22を形成する成形工程S14を行うものである。
【0042】
図6に示す発光ユニット1の製造方法では、基材の変形を伴う成形工程S14が完了した後に他の工程が行われるので、絶縁層10、導電層11、保護層14、及び発光素子12と導電層11とが接合する部分に対して応力を加えてしまうおそれがない。このため、絶縁層10、導電層11、及び保護層14は、長期にわたって高い品質を持続する。また、基材と絶縁層10との境界部、絶縁層10と導電層11との境界部、導電層11と保護層14との境界部、及び発光素子12と導電層11とが接合する部分は、長期にわたって高い接続信頼性を持続する。
【0043】
以上のように、本実施の形態1に係る発光ユニット1は、金属板から成り、長尺で平板状の基部20を有する躯体2と、基部20の一方の面上に敷設された絶縁層10と、躯体2と電気的に絶縁された状態で絶縁層10に積層された導電層11と、導電層11に接続されて躯体2に実装された発光素子12と、発光素子12と導電層11とを接続させる接続部材13と、発光素子12と導電層11とが接続される部分を除いた部分における導電層11を覆うように敷設された保護層14と、を備えている。
【0044】
よって、本実施の形態1に係る発光ユニット1は、躯体2が金属板で構成されているため、剛性が高く軽量化を図ることができる。また、躯体2と発光素子12との間に配置した絶縁層10によって、躯体2と発光素子12との密着性を高めることができる。これにより、躯体2と発光素子12との熱抵抗が小さくなり、熱伝導性を向上させることができ、躯体2を介して発光素子12の動作熱を効果的に放熱させることができる。更に、本実施の形態1に係る発光ユニット1は、躯体2を発光素子12が実装される実装基板として用いた構成であるため、発光ユニット1の製造工程が簡略化され、製造コストの削減に寄与することができる。
【0045】
(照明装置100)
次に、図7及び図8に基づいて、本実施の形態1に係る発光ユニット1を備えた灯具101、該灯具101を備えた照明装置100を説明する。図7は、実施の形態1に係る発光ユニット1を備えた照明装置の一構成例を示した分解斜視図である。図8は、実施の形態1に係る発光ユニット1を備えた灯具を示した縦断面図である。
【0046】
実施の形態1に係る照明装置100は、図7に示すように、長手方向Xに延びる長尺状であり、天井又は壁など被取付部103に取り付けられて、室内空間等の照明空間に光を照射するものである。照明装置100は、照明空間に光を照射する長尺の灯具101と、天井、壁又は床等の被取付部103に固定され、灯具101が着脱自在に取り付けられる長尺の照明器具102と、を備えている。
【0047】
灯具101は、図7及び図8に示すように、発光ユニット1と、カバー3と、電源部5と、バネ受具6と、を有している。照明器具102は、図7に示すように、器具本体部7と、端子台8と、取付バネ9と、を有している。
【0048】
(灯具101)
先ず、灯具101の各構成要素を図7及び図8に基づいて説明する。発光ユニット1の構成は、上記の通りである。カバー3は、透光性の材料を用いて形成され、発光ユニット1の発光素子12の周囲を覆う部材である。発光素子12から発光された光は、カバー3を介して室内空間等の照明空間に照射される。透光性の材料とは、例えば、ポリカーボネイト若しくはアクリル等の合成樹脂、又はガラス等である。カバー3は、使用される材料に応じて、射出成形、押出し成形、三次元積層造形等により形成される。
【0049】
カバー3は、図7及び図8に示すように、透光性の出射面及び出射面と対向する開口面を有する長尺の箱形に形成されている。具体的には、カバー3は、出射面となる長尺の透光部30と、透光部30の長手方向Xの両端の開口面を塞ぐ蓋部31と、透光部30の短手方向Yの両端に設けられた取付部4と、を有している。
【0050】
透光部30は、湾曲面部30aと、湾曲面部30aの短手方向Yの両端縁からそれぞれ被取付部103に向かって立ち上がって形成された壁面部30bと、を有している。図示した例の場合、透光部30は、縦断面形状が略U字状とされているが、例えばV字状、W字状、矩形状等でもよく、その他の形状でもよい。壁面部30bは、図2に示すように、Z1側の端縁が開口の内方側へ向くように形成されており、この先端縁に取付部4が設けられている。蓋部31は、接着等によって透光部30に取り付けられている。
【0051】
取付部4は、カバー3の長手方向Xに沿って形成されており、躯体2にカバー3を取り付けるために設けられている。取付部4は、図8に示すように、発光ユニット1を支持する支持部40と、発光ユニット1に保持させる保持部41と、でL字状に形成されている。
【0052】
支持部40は、カバー3の開口の一部を塞ぐようにカバー3の短手方向Yに延伸させて形成されている。支持部40の上面には、躯体2の基部20が載置される。支持部40は、カバー3の長手方向Xに沿って並行して形成されている。並行する2つの支持部40及び40の間には、発光ユニット1の発光素子12が湾曲面部30aに対向させて配置されている。
【0053】
保持部41は、躯体2の側部21に沿って形成されており、高さ方向の中間部分において壁面部30bの端縁が接続されている。保持部41の上端には、該上端を躯体2の内側に向かって湾曲させて形成した鉤状部42が設けられている。鉤状部42は、躯体2のカール部22に掛け止めるために設けられている。
【0054】
カバー3は、左右の取付部4の間に発光ユニット1が配置され、支持部40の上面に躯体2の基部20を載置させ、各鉤状部42をカール部22に掛け止めることによって、躯体2に取り付けることができる。なお、カバー3を躯体2に取り付けるには、取付部4を弾性変形させながら躯体2に取り付けてもよいし、カバー3を長手方向Xに沿ってスライドさせながら、躯体2に取り付けてもよい。
【0055】
カバー3は、鉤状部42がカール部22に掛け止められることによって、重力方向Z2の移動が規制される。また、カバー3は、保持部41が躯体2の側部21に突き当たることによって、短手方向Yの移動が規制される。また、灯具101は、カバー3を躯体2に取り付けられることによって剛性を高めることができる。
【0056】
電源部5は、端子台8から供給された電力を発光素子12に供給する電源としての機能と、点灯電力の制御を行う機能と、を有している。電源部5は、長尺状の電源ケースの内部に、発光素子12に供給するための電力を生成する電源回路を有する電源基板が収容された構成である。電源回路は、電源基板に実装された電子部品等で構成される。
【0057】
電源部5は、図7及び図8に示すように、基部20の照射側の面上に載置されて固定されている。電源部5は、照明器具102を被取付部103に取り付けるために用いられる吊りボルト(図示は省略)の位置を考慮して、吊りボルトと電源ケースが接触しない位置を選択して配置されている。電源部5は、端子台8と電線を介して接続され、導電層11と電線を介して接続されている。電源部5と導電層11と接続する電線は、躯体2の短手方向Yの端部を経由して配置してもよいし、躯体2に貫通孔を形成し、この貫通孔を経由して配置してもよい。なお、電源部5の動作熱は、躯体2を介して灯具101の外部空間等の放熱領域に向けて放熱される。
【0058】
バネ受具6は、躯体2の基部20の上面に設けられている。バネ受具6は、器具本体部7に設けられた取付バネ9と係合し、灯具101を照明器具102に取り付けるために設けられている。バネ受具6は、図7に示すように、取付バネ9に対応する位置であって、基部20の長手方向Xにおける両端にそれぞれ設けられている。なお、バネ受具6は、照明装置100の形状及び大きさに応じて、位置及び個数を適宜変更して設けるものとする。なお、図示は省略したが、照明器具102にバネ受具6を設け、灯具101に取付バネ9を設けてもよい。
【0059】
(照明器具102)
次に、照明器具102の各構成要素を図7に基づいて説明する。図示した照明器具102は、所謂V字タイプの直付型照明器具である。上記したように、照明器具102は、器具本体部7と、端子台8と、取付バネ9と、を有している。器具本体部7は、図7に示すように、長手方向Xに沿って延びる本体部7aと、本体部7aの両端に取り付けられた端板部7bと、を有している。本体部7aは、板金を折り曲げて形成されている。具体的には、本体部7aは、短手方向Yの断面形状が凹状となるように折り曲げられて形成され、長手方向Xに沿って延設させた凹部70を有している。また、本体部7aは、短手方向Yにおける凹部70の開口端縁から被取付部103に向かって斜め上方に折り曲げて形成され、長手方向Xに沿って延設させた斜面部71を有している。斜面部71は、灯具101から照射される光の一部を反射させて側方に配光するために設けられている。なお、本体部7aは、例えば樹脂材料を用いて形成するなど、金属以外の材料を用いて形成してもよい。
【0060】
凹部70は、長手方向Xに延びる平板状の天面部72と、短手方向Yにおける天面部72の両端縁から灯具101に向かって屈曲して形成された側面部73と、を有している。側面部73の端縁は、矩形の開口を形成する開口縁部となる。
【0061】
天面部72には、照明器具102を被取付部103に取り付けるための吊りボルト又はネジ等の接続部材を通す複数の取付孔(図示は省略)が形成されている。照明器具102は、天面部72が被取付部103に吊りボルト又はネジ等の接合部材で接合されることで、被取付部103に取り付けられる。また、天面部72には、外部電線を照明装置100の内部へ通すための通線孔が形成されている。外部電線は、照明装置100の内部で端子台8に接続される。なお、外部電線は、電力の供給を受けるための外部電源線が含まれている。また、外部電線は、照明装置100の外部と通信を行うための制御線を含んでもよい。
【0062】
端板部7bは、本体部7aの長手方向Xにおける両端面を塞ぐように、本体部7aの長手方向Xにおける両端部に取り付けられる。なお、端板部7bには、複数の照明装置100を長手方向Xに連結設置する場合に開放して送り電線を通すためのノックアウト7cを設けてもよい。
【0063】
照明器具102は、本体部7aの凹部70と端板部7bとで囲まれた部分が灯具装着部7dとなる。灯具装着部7dには、灯具101が着脱自在に装着される。灯具101は、開口から一部分が収容された状態で、灯具装着部7dに装着される。
【0064】
図7に示すように、灯具装着部7dの内部には、端子台8及び取付バネ9が設けられている。端子台8は、器具本体部7の天面部72に固定されている。端子台8は、建物等に設けられた固定配線(図示は省略)に接続されて、商用電源から電力供給を受けると共に、制御用の通信を中継するために設けられている。端子台8は、一端部にコネクタを有する電線8aを介して電源部5に接続される。
【0065】
取付バネ9は、バネ受具6と係合して、照明器具102に灯具101を取り付けるために設けられている。取付バネ9は、例えば、ステンレス等の弾性を有する材質であり、帯状の板材を湾曲させて形成した板バネである。取付バネ9は、基端部が天面部72に取り付けられており、灯具装着部7dの開口側に向かって突き出している。図示した例の場合、取付バネ9は、バネ受具6に対応する位置であって、天面部72の長手方向Xにおける両端にそれぞれ1つずつ設けられている。なお、取付バネ9は、図示した2つに限定されない。例えば、照明装置100の長手方向Xの長さが短い場合には、長手方向Xにおける一端側に取付バネ9を設け、長手方向Xにおける他端側にフックなどで固定する構成としてもよい。また、照明装置100の長手方向Xの長さが長い場合には、長手方向Xにおける両端と中央にそれぞれ取付バネ9を設けてもよい。要するに、取付バネ9は、照明装置100の形状及び大きさに応じて、位置及び個数を適宜変更して設けるものとする。
【0066】
なお、照明器具102は、図示した構成に限定されず、例えば斜面部71が設けられていないトラフタイプ若しくは笠付きタイプ等の直付型照明器具、又は埋込型の照明器具でもよい。
【0067】
実施の形態2.
次に、図9に基づいて、実施の形態2に係る発光ユニット1を備えた灯具101を説明する。図9は、実施の形態2に係る発光ユニット1を備えた灯具を示した縦断面図である。なお、実施の形態1で説明した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0068】
図9に示すように、実施の形態2に係る発光ユニット1も、長尺で平板状の基部20を有する躯体2と、基部20の一方の面上に敷設された絶縁層10と、躯体2と電気的に絶縁された状態で絶縁層10に積層された導電層11と、導電層11に接続されて躯体2に実装された発光素子12と、発光素子12と導電層11とを接続させる接続部材13と、発光素子12と導電層11とが接続される部分を除いた部分における導電層11を覆うように敷設された保護層14と、を有している。
【0069】
躯体2は、カバー3の長手方向Xに沿って延びる長尺で平板状の基部20と、短手方向Yにおける基部20の一方の端縁から長手方向Xに沿って屈曲して形成された側部21と、を有している。側部21は、発光素子12を設けた下面とは反対の上面側に屈曲されており、外方に向かって傾斜させて形成されている。側部21の先端部には、該先端部を躯体2の内側に向かって湾曲させて折り返した略C字状の第1カール部23が設けられている。また、短手方向Yにおける基部20の他方の端縁には、該端縁から基部20の上面に向かって湾曲させて折り返した略C字状の第2カール部24が設けられている。
【0070】
カバー3は、透光性の出射面及び出射面と対向する開口面を有する長尺の箱形に形成されている。具体的には、カバー3は、出射面となる長尺の透光部30と、透光部30の長手方向Xの両端の開口面を塞ぐ蓋部31(図7を参照)と、透光部30の短手方向Yの両端に設けられた取付部4と、を有している。
【0071】
透光部30は、湾曲面部30aと、湾曲面部30aの短手方向Yの両端縁からそれぞれ被取付部103に向かって立ち上がるように形成された壁面部30bと、を有している。壁面部30bは、図9に示すように、Z1側の端縁が開口の内方側へ向くように形成されており、この先端縁に取付部4が設けられている。蓋部31は、接着等によって透光部30に取り付けられている。
【0072】
取付部4は、カバー3の長手方向Xに沿って形成されており、躯体2にカバー3を取り付けるために設けられている。取付部4は、発光ユニット1を支持する支持部40と、発光ユニット1に保持させる保持部41と、でL字状に形成されている。
【0073】
支持部40は、カバー3の開口の一部を塞ぐようにカバー3の短手方向Yに延伸させて形成されている。支持部40の上面には、躯体2の基部20が載置される。支持部40は、カバー3の長手方向Xに沿って並行して形成されている。並行する2つの支持部40及び40の間には、発光ユニット1の発光素子12が湾曲面部30aに対向させて配置されている。
【0074】
保持部41は、高さ方向の中間部分に壁面部30bの端縁が接続されている。保持部41の上端には、該上端を躯体2の内側に向かって湾曲させて形成した鉤状部42が設けられている。鉤状部42は、躯体2の第1カール部23に掛け止めるために設けられている。また、保持部41の高さ方向の中間部には、躯体2の内側に向かって突き出す係止部43が設けられている。係止部43は、支持部40に向かって下方に傾斜させて設けられている。支持部40、保持部41及び係止部43で囲まれた空間には、第2カール部24が嵌め込まれる。なお、図示は省略したが、係止部43は、第2カール部24に保持される保持部41にのみ設ければよく、第1カール部23に保持される保持部41には設けなくてもよい。この場合、第1カール部23を形成する側の側部21は、係止部43を避ける必要がないため、図8に示すように、基部20の端縁から略90度の角度で屈曲させて形成すればよい。
【0075】
カバー3は、左右の取付部4の間に発光ユニット1が配置され、支持部40の上面に躯体2の基部20を載置させ、鉤状部42を第1カール部23に掛け止めると共に、支持部40、保持部41及び係止部43で囲まれた空間に第2カール部24を嵌め込むことによって、躯体2に取り付けることができる。カバー3を躯体2に取り付けるには、取付部4を弾性変形させながら躯体2に取り付けてもよいし、カバー3を長手方向Xに沿ってスライドさせながら、躯体2に取り付けてもよい。
【0076】
カバー3は、鉤状部42が第1カール部23に掛け止められていると共に、係止部43が第2カール部24の上面に突き当たることで、重力方向Z2の移動が規制される。また、カバー3は、支持部40、保持部41及び係止部43で囲まれた空間に第2カール部24が嵌め込まれていると共に、係止部43が側部21に突き当たることによって、短手方向Yの移動が規制される。また、灯具101は、カバー3を躯体2に取り付けられることによって剛性を高めることができる。
【0077】
因みに、本実施の形態2に係る発光ユニット1の製造方法も、図4図6に基づいて説明した通りである。また、実施の形態2に係る灯具101も、照明器具102に取り付けることによって、照明装置100を構成することができる。
【0078】
実施の形態3.
次に、図10に基づいて、実施の形態3に係る発光ユニット1を備えた灯具101を説明する。図10は、実施の形態3に係る発光ユニット1を備えた灯具を示した縦断面図である。なお、実施の形態1で説明した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0079】
図10に示すように、実施の形態3に係る発光ユニット1も、長尺で平板状の基部20を有する躯体2と、基部20の一方の面上に敷設された絶縁層10と、躯体2と電気的に絶縁された状態で絶縁層10に積層された導電層11と、導電層11に接続されて躯体2に実装された発光素子12と、発光素子12と導電層11とを接続させる接続部材13と、発光素子12と導電層11とが接続される部分を除いた部分における導電層11を覆うように敷設された保護層14と、を有している。
【0080】
躯体2は、カバー3の長手方向Xに沿って延びる長尺で平板状の基部20と、短手方向Yにおける基部20の両端縁から長手方向Xに沿って屈曲して形成された側部21と、を有している。側部21は、発光素子12を設けた下面とは反対の上面側に屈曲されており、外方に向かって上方に傾斜させて形成されている。側部21の先端部には、該先端部を基部20の下面側に向かって湾曲させて折り返した略C字状のカール部22が設けられている。
【0081】
カバー3は、透光性の出射面及び出射面と対向する開口面を有する長尺の箱形に形成されている。具体的には、カバー3は、出射面となる長尺の透光部30と、透光部30の長手方向Xの両端の開口面を塞ぐ蓋部31(図7を参照)と、透光部30の短手方向Yの両端に設けられた取付部4と、を有している。
【0082】
透光部30は、湾曲面部30aと、湾曲面部30aの短手方向Yの両端縁からそれぞれ被取付部103に向かって立ち上がるように形成された壁面部30bと、を有している。壁面部30bは、図10に示すように、Z1側の端縁が開口の内方側へ向くように形成されており、この先端縁に取付部4が設けられている。蓋部31は、接着等によって透光部30に取り付けられている。
【0083】
取付部4は、カバー3の長手方向Xに沿って形成されており、躯体2にカバー3を取り付けるために設けられている。取付部4は、発光ユニット1を支持する支持部40と、発光ユニット1に保持させる保持部41と、でL字状に形成されている。
【0084】
支持部40は、カバー3の開口の一部を塞ぐようにカバー3の短手方向Yに延伸させて形成されている。支持部40の上面には、躯体2の基部20が載置される。支持部40は、カバー3の長手方向Xに沿って並行して形成されている。並行する2つの支持部40及び40の間には、発光ユニット1の発光素子12が湾曲面部30aに対向させて配置されている。
【0085】
保持部41は、高さ方向の中間部分に壁面部30bの端縁が接続されている。保持部41の上端には、該上端を躯体2の内側に向かって湾曲させて形成した鉤状部42が設けられている。なお、鉤状部42は、必ずしも設ける必要はなく、省略してもよい。また、保持部41の高さ方向の中間部には、躯体2の内側に向かって突き出す係止部43が設けられている。係止部43は、支持部40に向かって下方に傾斜させて設けられている。支持部40、保持部41及び係止部43で囲まれた空間には、カール部22がそれぞれ嵌め込まれる。
【0086】
カバー3は、左右の取付部4の間に発光ユニット1が配置され、支持部40に躯体2の基部20を載置させ、支持部40、保持部41及び係止部43で囲まれた空間にカール部22をそれぞれ嵌め込むことによって、躯体2に取り付けることができる。カバー3を躯体2に取り付けるには、取付部4を弾性変形させながら躯体2に取り付けてもよいし、カバー3を長手方向Xに沿ってスライドさせながら、躯体2に取り付けてもよい。
【0087】
カバー3は、係止部43がカール部22の上面に突き当たることで、重力方向Z2の移動が規制される。また、カバー3は、支持部40、保持部41及び係止部43で囲まれた空間にカール部22が嵌め込まれることによって、短手方向Yの移動が規制される。また、灯具101は、カバー3を躯体2に取り付けられることによって剛性を高めることができる。
【0088】
因みに、本実施の形態3に係る発光ユニット1の製造方法も、図4図6に基づいて説明した通りである。また、実施の形態3に係る灯具101も、照明器具102に取り付けることによって、照明装置100を構成することができる。
【0089】
実施の形態4.
次に、図11に基づいて、実施の形態4に係る発光ユニット1を備えた灯具101を説明する。図11は、実施の形態4に係る発光ユニット1を備えた灯具を示した縦断面図である。なお、実施の形態1で説明した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0090】
図11に示すように、実施の形態4に係る発光ユニット1も、長尺で平板状の基部20を有する躯体2と、基部20の一方の面上に敷設された絶縁層10と、躯体2と電気的に絶縁された状態で絶縁層10に積層された導電層11と、導電層11に接続されて躯体2に実装された発光素子12と、発光素子12と導電層11とを接続させる接続部材13と、発光素子12と導電層11とが接続される部分を除いた部分における導電層11を覆うように敷設された保護層14と、を有している。
【0091】
躯体2は、カバー3の長手方向Xに沿って延びる長尺で平板状の基部20と、短手方向Yにおける基部20の両端縁から長手方向Xに沿って屈曲して形成された側部21と、を有している。側部21は、発光素子12を設けた下面側に屈曲されており、内方に向かって傾斜させて形成されている。側部21の先端部には、該先端部を基部20に向かって湾曲させて折り返した略C字状のカール部22が設けられている。
【0092】
カバー3は、透光性の出射面及び出射面と対向する開口面を有する長尺の箱形に形成されている。具体的には、カバー3は、出射面となる長尺の透光部30と、透光部30の長手方向Xの両端の開口面を塞ぐ蓋部31(図7を参照)と、透光部30の短手方向Yの両端に設けられた取付部4と、を有している。
【0093】
透光部30は、湾曲面部30aと、湾曲面部30aの短手方向Yの両端縁からそれぞれ被取付部103に向かって立ち上がるように形成された壁面部30bと、を有している。壁面部30bの上端縁には、取付部4が設けられている。
【0094】
取付部4は、カバー3の長手方向Xに沿って形成されており、躯体2にカバー3を取り付けるために設けられている。取付部4は、躯体2の基部20の上面側に配置された支持部40と、躯体2の基部20の下面側に配置された保持部41と、を有している。
【0095】
支持部40は、カバー3の開口の一部を塞ぐように、壁面部30bの上端縁からカバー3の短手方向Yに延伸させて形成されている。支持部40は、カバー3の長手方向Xに沿って並行させて形成されている。並行する2つの支持部40及び40の間には、発光ユニット1の発光素子12が湾曲面部30aに対向させて配置されている。
【0096】
支持部40の先端部には、該先端部からU字状に湾曲し、上方に向かって立ち上がる係合部44が形成されている。係合部44には、電源部5の電源ケースに固定されたL字状の係合片50が係合される。カバー3は、係合部44に係合片50が係合することで、躯体2にしっかりと固定させることができる。なお、電源部5の係合片50は、必ずしも設ける必要はなく、省略してもよい。
【0097】
保持部41は、支持部40の下面から、カバー3の短手方向Yの内方に向かって斜め下方に突き出し、その端部から斜め上方に湾曲させて鉤状に形成されている。支持部40と保持部41とで囲まれた空間には、躯体2の側部21とカール部22とが嵌め込まれ、保持部41の湾曲した下部にカール部22が配置される。
【0098】
カバー3は、左右の取付部4の間に発光ユニット1が配置され、支持部40と保持部41とで囲まれた空間に、側部21とカール部22とを嵌め込むことによって、躯体2に取り付けることができる。カバー3を躯体2に取り付けるには、取付部4を弾性変形させながら躯体2に取り付けてもよいし、カバー3を長手方向Xに沿ってスライドさせながら、躯体2に取り付けてもよい。
【0099】
カバー3は、係合部44の下端部又は支持部40が基部20の上面に突き当たることで、重力方向Z2の移動が規制される。また、カバー3は、支持部40と保持部41とで囲まれた空間に、側部21とカール部22とが嵌め込まれることによって、短手方向Yの移動が規制される。また、灯具101は、カバー3を躯体2に取り付けられることによって剛性を高めることができる。
【0100】
因みに、本実施の形態4に係る発光ユニット1の製造方法も、図4図6に基づいて説明した通りである。また、実施の形態4に係る灯具101も、照明器具102に取り付けることによって、照明装置100を構成することができる。
【0101】
実施の形態5.
次に、図12に基づいて、実施の形態5に係る発光ユニット1を備えた灯具101を説明する。図12は、実施の形態5に係る発光ユニット1を備えた灯具を示した縦断面図である。なお、実施の形態1で説明した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0102】
図12に示すように、実施の形態5に係る発光ユニット1も、長尺で平板状の基部20を有する躯体2と、基部20の一方の面上に敷設された絶縁層10と、躯体2と電気的に絶縁された状態で絶縁層10に積層された導電層11と、導電層11に接続されて躯体2に実装された発光素子12と、発光素子12と導電層11とを接続させる接続部材13と、発光素子12と導電層11とが接続される部分を除いた部分における導電層11を覆うように敷設された保護層14と、を有している。
【0103】
躯体2は、カバー3の長手方向Xに沿って延びる長尺で平板状の基部20と、短手方向Yにおける基部20の両端縁から長手方向Xに沿って屈曲して形成された側部21と、を有している。側部21は、基部20の両端縁から外方に向かって下方に傾斜させ、傾斜させた端部から斜め上方に屈曲させたV字状に形成されている。側部21の先端部には、該先端部を基部20の上面側に向かって湾曲させて折り返した略C字状のカール部22が設けられている。なお、図12に示す形態では、基部20にのみ保護層14を敷設した構成を示しているが、側部21及びカール部22に保護層14を敷設してもよい。
【0104】
カバー3は、透光性の出射面及び出射面と対向する開口面を有する長尺の箱形に形成されている。具体的には、カバー3は、出射面となる長尺の透光部30と、透光部30の長手方向Xの両端の開口面を塞ぐ蓋部31(図7を参照)と、透光部30の短手方向Yの両端に設けられた取付部4と、を有している。
【0105】
透光部30は、湾曲面部30aと、湾曲面部30aの短手方向Yの両端縁からそれぞれ被取付部103に向かって立ち上がるように形成された壁面部30bと、を有している。壁面部30bの端縁には、取付部4が設けられている。
【0106】
取付部4は、カバー3の長手方向Xに沿って形成されており、躯体2にカバー3を取り付けるために設けられている。取付部4は、躯体2の基部20の上面側に配置された支持部40と、躯体2の側部21に保持される保持部41と、カバー3の短手方向Yの移動を規制する規制部45と、を有している。
【0107】
支持部40は、カバー3の開口の一部を塞ぐように、壁面部30bの端縁からカバー3の短手方向Yに延伸させて形成されている。保持部41は、支持部40の先端部に設けられ、上下方向に沿って形成されている。保持部41は、上端部が支持部40の上面よりも上方に突き出すと共に、支持部40の下面よりも下方に突き出し、その下端部が側部21のV字の溝部に保持されている。
【0108】
保持部41の上端部には、電源部5の電源ケースに固定されたL字状の係合片50が係合される。カバー3は、保持部41の上端部に係合片50が係合することで、躯体2にしっかりと固定させることができる。なお、電源部5の係合片50は、必ずしも設ける必要はなく、省略してもよい。
【0109】
規制部45は、支持部40の中間部であって、該支持部40の下面から下方に突き出すように形成されている。カバー3は、支持部40、保持部41及び規制部45で下向きに開口を有する凹部が形成され、該凹部に内部に躯体2のカール部22が嵌め込まれることによって、短手方向Yの移動及び重力方向Z2の移動が規制される。
【0110】
カバー3を躯体2に取り付けるには、取付部4を弾性変形させながら躯体2に取り付けてもよいし、カバー3を長手方向Xに沿ってスライドさせながら、躯体2に取り付けてもよい。灯具101は、カバー3を躯体2に取り付けられることによって剛性を高めることができる。
【0111】
因みに、本実施の形態5に係る発光ユニット1の製造方法も、図4図6に基づいて説明した通りである。また、実施の形態5に係る灯具101も、照明器具102に取り付けることによって、照明装置100を構成することができる。
【0112】
以上、実施の形態に基づいて発光ユニット1、灯具101、照明装置100、及び発光ユニット1の製造方法を説明したが、上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。上記した構成は、一例であって、他の構成要素を含んでもよい。要するに、発光ユニット1、灯具101、照明装置100、及び発光ユニット1の製造方法は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【符号の説明】
【0113】
1 発光ユニット、2 躯体、3 カバー、4 取付部、5 電源部、6 バネ受具、7 器具本体部、7a 本体部、7b 端板部、7c ノックアウト、7d 灯具装着部、8 端子台、8a 電線、9 取付バネ、10 絶縁層、11 導電層、12 発光素子、12a 素子本体、12b 素子電極、13 接続部材、14 保護層、20 基部、21 側部、22 カール部、23 第1カール部、24 第2カール部、30 透光部、30a 湾曲面部、30b 壁面部、31 蓋部、40 支持部、41 保持部、42 鉤状部、43 係止部、44 係合部、45 規制部、50 係合片、70 凹部、71 斜面部、72 天面部、73 側面部、100 照明装置、101 灯具、102 照明器具、103 被取付部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12