(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054777
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】緩衝包装袋及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 81/03 20060101AFI20220331BHJP
【FI】
B65D81/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020161979
(22)【出願日】2020-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 信之
【テーマコード(参考)】
3E066
【Fターム(参考)】
3E066AA38
3E066BA02
3E066CA01
3E066CB03
3E066CB04
3E066HA01
3E066KA04
3E066LA01
(57)【要約】
【課題】二重フィルムを用いた緩衝梱包袋において、保護の必要な部分だけに二重フィルムを用いることにより、材料の無駄を省いた緩衝梱包袋を提案するものである。
【解決手段】表面外層フィルム2と表面内層フィルム3とから構成される表面フィルムSFと、裏面内層フィルム4と裏面外層フィルム5とから構成される裏面フィルムBFとを、それぞれの内層フィルムを対向させて周縁部をシールして形成された緩衝包装袋1であって、表裏面の外層フィルム2、5と表裏面の内層フィルム3、4から構成される複層部分6と、表裏面の外層フィルムが存在せず、表裏面の内層フィルムのみから構成される単層部分7とを有し、表裏面の外層フィルムに設けた空気封入孔13から、表裏面それぞれの外層フィルムと内層フィルムの間に空気を注入することにより、緩衝作用を発揮する空気層14を形成することを可能とした緩衝包装袋である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面外層フィルムと表面内層フィルムとから構成される表面フィルムと、裏面内層フィルムと裏面外層フィルムとから構成される裏面フィルムとを、それぞれの内層フィルムを対向させて周縁部をシールして形成された緩衝包装袋であって、
表裏面の外層フィルムと表裏面の内層フィルムから構成される複層部分と、表裏面の外層フィルムが存在せず、表裏面の内層フィルムのみから構成される単層部分とを有し、
表裏面の外層フィルムに設けた空気封入孔から、表裏面それぞれの外層フィルムと内層フィルムの間に空気を注入することにより、緩衝作用を発揮する空気層を形成することを可能とした緩衝包装袋。
【請求項2】
前記空気封入孔は、表裏面の外層フィルムに設けた十字型の切れ目であって、空気封入孔を取り囲むようにシール部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の緩衝包装袋。
【請求項3】
前記複層部分の、単層部分と反対側の端部に、空気封入孔と、被包装品を挿入するための開口部とを配置し、開口部に平行する閉じた空間を形成するデッドシール部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝包装袋。
【請求項4】
前記表裏面の外層フィルムおよび内層フィルムは、それぞれガスバリア層を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の緩衝包装袋。
【請求項5】
表面外層フィルムに空気封入孔を穿孔した後、表面内層フィルムと表面外層フィルムとを重ね合わせ、空気封入孔の周縁とトップシール部と左右のサイドシール部と境界シール部を形成して部分的に複層部分を有する表面フィルムを形成し、
裏面外層フィルムに空気封入孔を穿孔した後、裏面内層フィルムと裏面外層フィルムとを重ね合わせ、空気封入孔の周縁とトップシール部と左右のサイドシール部と境界シール部を形成して部分的に複層部分を有する裏面フィルムを形成し、
表面フィルムの内層フィルムと裏面フィルムの内層フィルム同士を対向させてサイドシール部とボトムシール部を形成することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の緩衝包装袋の製造方法。
【請求項6】
表面外層フィルム、表面内層フィルム、裏面内層フィルム、裏面外層フィルムをそれぞれの巻出軸から連続的に巻き出し、
表面外層フィルムに空気封入孔を穿孔した後、表面内層フィルムと表面外層フィルムとを重ね合わせ、空気封入孔の周縁と境界シール部とトップシール部を形成して表面フィルムを形成し、
裏面外層フィルムに空気封入孔を穿孔した後、裏面内層フィルムと裏面外層フィルムとを重ね合わせ、空気封入孔の周縁と境界シール部とトップシール部を形成して裏面フィルムを形成し、
表面フィルムの内層フィルムと裏面フィルムの内層フィルム同士を対向させてサイドシール部とボトムシール部とを形成した後、個々の包装袋に裁断することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の緩衝包装袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納物に対する外部からの衝撃を緩和することのできる緩衝包装袋及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
収納物を衝撃から保護するために、緩衝性を持たせた包装袋が知られている。多数の小気泡を連ねた気泡緩衝材をそのまま袋に加工したものや、気泡緩衝材や発泡スチロールシートと、クラフト紙とを貼り合わせた複合材を封筒に加工したものなどは、よく目にするところである。しかしこれらの材料は、いずれも高価なものであり、商品の価格を押し上げる要因となっている。
【0003】
特許文献1に記載された緩衝梱包袋は、内装フィルムと外装フィルムから構成される二重フィルムを対向させ、袋状に加工したものであり、内装フィルムと外装フィルムの間に空気を封入することにより、緩衝性を発揮するようにした緩衝梱包袋である。
【0004】
特許文献1に記載された緩衝梱包袋は、4枚のフィルムのみから構成されており、高価な気泡緩衝材や発泡スチロールシートを必要としないので、従来品と比較すればコスト面における有利性を発揮するものである。
【0005】
しかしながら、この緩衝梱包袋は、その構造上、収納物全体を収納しなければならないものである。しかし物品によっては、そのごく一部だけを保護すれば良いような物もあり、そのような場合には、無駄が多かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は、二重フィルムを用いた緩衝梱包袋において、保護の必要な部分だけに二重フィルムを用いることにより、材料の無駄を省いた緩衝梱包袋を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、表面外層フィルムと表面内層フィルムとから構成される表面フィルムと、裏面内層フィルムと裏面外層フィルムとから構成される裏面フィルムとを、それぞれの内層フィルムを対向させて周縁部をシールして形成された緩衝包装袋であって、表裏面の外層フィルムと表裏面の内層フィルムから構成される複層部分と、表裏面の外層フィルムが存在せず、表裏面の内層フィルムのみから構成される単層部分とを有し、表裏面の外層フィルムに設けた空気封入孔から、表裏面それぞれの外層フィルムと内層フィルムの間に空気を注入することにより、緩衝作用を発揮する空気層を形成することを可能とした緩衝包装袋である。
【0009】
本発明に係る緩衝包装袋は、空気層を形成して緩衝作用を発揮し得る複層部分を必要な部分のみに形成することができるため、材料の無駄を省くことができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、前記空気封入孔が、表裏面の外層フィルムに設けた十
字型の切れ目であって、空気封入孔を取り囲むようにシール部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の緩衝包装袋である。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、前記複層部分の、単層部分と反対側の端部に、空気封入孔と、被包装品を挿入するための開口部とを配置し、開口部に平行する閉じた空間を形成するデッドシール部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝包装袋である。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記表裏面の外層フィルムおよび内層フィルムが、それぞれガスバリア層を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の緩衝包装袋である。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、表面外層フィルムに空気封入孔を穿孔した後、表面内層フィルムと表面外層フィルムとを重ね合わせ、空気封入孔の周縁とトップシール部と左右のサイドシール部と境界シール部を形成して部分的に複層部分を有する表面フィルムを形成し、裏面外層フィルムに空気封入孔を穿孔した後、裏面内層フィルムと裏面外層フィルムとを重ね合わせ、空気封入孔の周縁とトップシール部と左右のサイドシール部と境界シール部を形成して部分的に複層部分を有する裏面フィルムを形成し、表面フィルムの内層フィルムと裏面フィルムの内層フィルム同士を対向させてサイドシール部とボトムシール部を形成することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の緩衝包装袋の製造方法である。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、表面外層フィルム、表面内層フィルム、裏面内層フィルム、裏面外層フィルムをそれぞれの巻出軸から連続的に巻き出し、表面外層フィルムに空気封入孔を穿孔した後、表面内層フィルムと表面外層フィルムとを重ね合わせ、空気封入孔の周縁と境界シール部とトップシール部を形成して表面フィルムを形成し、裏面外層フィルムに空気封入孔を穿孔した後、裏面内層フィルムと裏面外層フィルムとを重ね合わせ、空気封入孔の周縁と境界シール部とトップシール部を形成して裏面フィルムを形成し、表面フィルムの内層フィルムと裏面フィルムの内層フィルム同士を対向させてサイドシール部とボトムシール部とを形成した後、個々の包装袋に裁断することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の緩衝包装袋の製造方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る緩衝包装袋は、表裏面の外層フィルムと内層フィルムの間に空気層を形成することにより、内容物を衝撃から保護する緩衝作用を発揮する。高価な気泡緩衝材や発泡スチロールシート等を用いず、2枚のフィルムのみから構成される緩衝材であり、しかも内容物に応じて、保護が必要な部分だけに空気層を設けることができるので、コスト面において非常に有利である。
【0016】
全面に亘って空気層を設ける従来の緩衝包装袋に比較して、必要な部分だけに空気層を設けるため、充填する空気の量が少なくて済み、従って空気を封入するサイクルタイムも短くなり、作業効率が向上する。
【0017】
空気層による緩衝効果は、十分に大きいため、外箱や段ボールケースを省略することがきる場合もある。
【0018】
請求項2に記載の発明のように、空気封入孔を十字型の切れ目とした場合には、空気封入孔の構造が簡単で済み、作業効率も向上する。また、空気封入孔を取り囲むようにシール部を形成することにより、空気封入後の密封シールが容易となり、シール時の空気の逃げを最小限に抑制することが可能となる。
【0019】
請求項3に記載の発明のように、複層部分の、単層部分と反対側の端部に、空気封入孔と、被包装品を挿入するための開口部とを配置した場合、空気封入作業性が良好であり、また開口部に平行する閉じた空間を形成するデッドシール部を設けることにより、開口部を最終シールする際の作業性が安定する。
【0020】
請求項4に記載の発明のように、表裏面の外層フィルムおよび内層フィルムが、それぞれガスバリア層を含む場合には、空気層内の空気の漏れを最小限に留めることが可能となり、包装体の保存性が高まる。
【0021】
請求項5に記載の発明の方法によれば、被包装品の形状に合わせて緩衝包装袋を作製することが可能であり、特注品や一品生産にも対応することが出来る。
【0022】
また、請求項6に記載の発明の方法によれば、本発明に係る緩衝包装袋を製造する場合、一般的な2軸の製袋機を用いる場合には3工程必要であったものが、1工程で能率良く生産することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明に係る緩衝包装袋の一実施態様を示した平面説明図である。
【
図2】
図2は、
図1のA-A´断面を模式的に示した断面説明図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した緩衝包装袋に被包装品を収納して、空気を充填、密封した状態を示した平面模式図である。
【
図4】
図4は、
図3のB-B´断面を模式的に示した断面説明図である。
【
図5】
図5は、請求項5に記載した、緩衝包装袋の製造方法を示した模式説明図である。
【
図6】
図6は、請求項6に記載した、緩衝包装袋の製造方法を示した模式説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下図面を参照しながら、本発明に係る緩衝包装袋及びその製造方法について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る緩衝包装袋の一実施態様を示した平面説明図である。また
図2は、
図1のA-A´断面を模式的に示した断面説明図である。
【0025】
本発明に係る緩衝包装袋1は、表面外層フィルム2と表面内層フィルム3とから構成される表面フィルム(SF)と、裏面内層フィルム4と裏面外層フィルム5とから構成される裏面フィルム(BF)とを、それぞれの内層フィルムを対向させて周縁部をシールして形成された緩衝包装袋である。
【0026】
表裏面の外層フィルム2、5と表裏面の内層フィルム3、4から構成される複層部分6と、表裏面の外層フィルムが存在せず、表裏面の内層フィルム3、4のみから構成される単層部分7とを有することを特徴とする。
【0027】
表裏面の外層フィルム2、5に設けた空気封入孔13から、表裏面それぞれの外層フィルム2、5と内層フィルム3、4の間に空気を注入することにより、緩衝作用を発揮する空気層14を複層部分6のみに部分的に形成することを可能としたことを特徴とする。
【0028】
この例では、表裏面の外層フィルム2、5に設けた十字型の切れ目を空気封入孔13とし、空気封入孔13を取り囲むようにシール部が形成されている。また、複層部分6の、単層部分7と反対側の端部に、空気封入孔13と、被包装品を挿入するための開口部17を配置し、さらに開口部17に平行する閉じた空間を形成するデッドシール部16が設けられている。
【0029】
図3は、
図1に示した緩衝包装袋1に被包装品20を収納して、空気を充填、密封した状態を示した平面模式図である。また
図4は、
図3のB-B´断面を模式的に示した断面説明図である。この例では、被包装品20の上部は、保護すべき部分であり、下部は、保護の必要のない部分である。表裏面の外層フィルム2、5と内層フィルム3、4の間には空気層14が形成され、被包装品20の上部が保護されている。表裏面の外層フィルム2、5は空気の圧力によって膨らむが、逆に表裏面の内層フィルム3、4は、空気の圧力によって被包装品の表面に圧着される。
【0030】
この緩衝包装袋1に被包装品20を包装する手順としては、開口部17を開口させて被包装品20を挿入し、開口部17をシールして最終シール部18を形成した後、空気封入孔13から空気を封入し、次いで空気封入孔シール部11をシールして空気層14を形成するのが一般的である。しかし、
図1に示した例のように、開口部17に平行したデッドシール部16が存在する場合には、空気充填後に、開口部17をシールすることも場合によってはできる。また、ボトムシール部8を開口部17とすることもできる。
【0031】
緩衝包装袋1に用いる材料について説明する。表裏面の外層フィルムとしては、最外層/シーラント層の2層構成あるいは、最外層/ガスバリア層/シーラント層の3層構成とする。表裏面の内層フィルムとしては、シーラント層単層または、シーラント層/中間層/シーラント層の3層構成とする。中間層は、ガスバリア層でも良い。
【0032】
最外層及び中間層としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PET)、ナイロンフィルム(Ny)、延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(OPP)等の一般的な耐熱性フィルムの他、ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルム(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム(PEN)、ポリ塩化ビニリデン樹脂フィルム(PVDC)、ポリカーボネート樹脂フィルム(PC)等を用いることができる。
【0033】
ガスバリア層としては、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム、ガスバリア性ナイロンフィルム、ガスバリア性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のガスバリア性フィルムや、PETフィルム等にアルミニウム等の金属を蒸着した金属蒸着フィルムや、PETフィルムに酸化アルミニウムや酸化珪素等の無機酸化物を蒸着させた無機酸化物蒸着フィルム、あるいは、ポリ塩化ビニリデンコーティング、水溶性樹脂と無機層状化合物を含有する被膜や金属アルコキシドあるいはその加水分解物とイソシアネート化合物を反応させた被膜からなる樹脂層などのガスバリアコーティング層、あるいはアルミニウム箔等の金属箔などを用いることができる。
【0034】
シーラント層としては、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等が使用される。
【0035】
これらのフィルムは、ドライラミネート接着法や、接着性樹脂を用いた押し出しラミネート法によって貼り合わせて使用される。
【0036】
図5は、請求項5に記載した、緩衝包装袋1の製造方法を示した模式説明図である。まず表面外層フィルム2に空気封入孔13を穿孔した後、表面内層フィルム3と表面外層フィルム2とを重ね合わせ、空気封入孔13の周縁とトップシール部10と左右のサイドシール部9と境界シール部12を形成して部分的に複層部分を有する表面フィルム(SF)を形成し、次いで裏面外層フィルム5に空気封入孔13を穿孔した後、裏面内層フィルム4と裏面外層フィルム5とを重ね合わせ、空気封入孔13の周縁とトップシール部10と左右のサイドシール部9と境界シール部12を形成して部分的に複層部分を有する裏面フィルム(BF)を形成する。最後に表面フィルム(SF)の内層フィルム3と裏面フィルム(BF)の内層フィルム4を対向させてサイドシール部9とボトムシール部8を形成することにより、緩衝包装袋1が完成する。
【0037】
この方法は、所定の寸法に切断した枚葉フィルムを用いて緩衝包装袋を作製する手順を示したものでもあり、任意の寸法の緩衝包装袋を作製することができる。従って、緩衝包装袋の試作や、一品生産的な生産に応用することができる。
【0038】
一方
図6は、緩衝包装袋を連続的に大量に生産する方法を示したものであり、請求項6に記載した、緩衝包装袋の製造方法を示した模式説明図である。この方法においては、表面外層フィルム2、表面内層フィルム3、裏面内層フィルム4、裏面外層フィルム5をそれぞれの巻出軸31、32、33、34から連続的に巻き出し、空気封入孔作成部35において表面外層フィルム2に空気封入孔13を穿孔した後、表面内層フィルム3と表面外層フィルム2とを重ね合わせ、第1シール部36、第2シール部37、冷却部38を経て空気封入孔13の周縁と境界シール部12とトップシール部10を形成して表面フィルム(SF)を形成する。
【0039】
同時に空気封入孔作成部35において裏面外層フィルム5に空気封入孔13を穿孔した後、裏面内層フィルム4と裏面外層フィルム5とを重ね合わせ、第1シール部36、第2シール部37、冷却部38を経て空気封入孔13の周縁と境界シール部12とトップシール部10を形成して裏面フィルム(BF)を形成する。
【0040】
次いで、表面フィルム(SF)の内層フィルム3と裏面フィルム(BF)の内層フィルム4を対向させて、第1シール部39、第2シール部40、冷却部41によってサイドシール部9とボトムシール部8とを形成した後、裁断部42において個々の包装袋に裁断することにより、緩衝包装袋1が完成する。
【0041】
この方法によれば、従来一般的な2軸製袋機によると、3工程必要であった製袋工程が1工程で済み、生産効率が飛躍的に向上する。
【符号の説明】
【0042】
1・・・緩衝包装袋
2・・・表面外層フィルム
3・・・表面内層フィルム
SF・・・表面フィルム
4・・・裏面内層フィルム
5・・・裏面外層フィルム
BF・・・裏面フィルム
6・・・複層部分
7・・・単層部分
8・・・ボトムシール部
9・・・サイドシール部
10・・・トップシール部
11・・・空気封入孔シール部
12・・・境界シール部
13・・・空気封入孔
14・・・空気層
15・・・収納部
16・・・デッドシール部
17・・・開口部
18・・・最終シール部
20・・・被包装品
30・・・製袋工程図
31・・・表面外層フィルム巻出
32・・・表面内層フィルム巻出
33・・・裏面内層フィルム巻出
34・・・裏面外層フィルム巻出
35・・・空気封入孔作成部
36・・・第1シール部
37・・・第2シール部
38・・・冷却部
39・・・第1シール部
40・・・第2シール部
41・・・冷却部
42・・・裁断部