(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054809
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220331BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020162023
(22)【出願日】2020-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】520168055
【氏名又は名称】avatarin株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】深堀 昂
(72)【発明者】
【氏名】梶谷 ケビン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】ロボットを活用した商品の広告技術を提供する。
【解決手段】広告サーバ10は、複数の広告を記憶する記憶部11と、固定されていないロボットの位置に関する位置関連情報を取得する取得部12と、位置関連情報に基づいて、複数の広告の中から、表示すべき広告を選択する選択部13と、選択された広告を、ロボットを操作するユーザが利用する端末装置に表示する制御を行う表示制御部14とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の広告を記憶する記憶部と、
固定されていないロボットの位置に関する位置関連情報を取得する第1取得部と、
前記位置関連情報に基づいて、複数の前記広告の中から、表示すべき広告を選択する選択部と、
選択された広告を、前記ロボットを操作するユーザが利用する端末装置に表示する制御を行う表示制御部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記選択部は、
前前記位置関連情報の変化に応じて、変化後の前記位置関連情報に応じた新たな広告を選択する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記端末装置には、前記ロボットのカメラで撮影された画像が表示され、
前記表示制御部は、
選択された広告を、前記画像に重畳して前記端末装置に表示する制御を行う、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザの属性をあらわすユーザ属性情報を取得する第2取得部をさらに備え、
前記選択部は、
前記位置関連情報及び前記ユーザ属性情報に基づいて、前記広告を選択する、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザによる前記ロボットの操作履歴をあらわすロボット操作履歴情報を取得する第3取得部をさらに備え、
前記選択部は、
前記位置関連情報及び前記ロボット操作履歴情報に基づいて、前記広告を選択する、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数の広告を記憶する記憶部を備えたコンピュータが、
固定されていないロボットの位置に関する位置関連情報を取得するステップと、
前記位置関連情報に基づいて、複数の前記広告の中から、表示すべき広告を選択するステップと、
選択された広告を、前記ロボットを操作するユーザが利用する端末装置に表示する制御を行うステップと
を含む情報処理方法。
【請求項7】
複数の広告を記憶する記憶部を備えたコンピュータに、
固定されていないロボットの位置に関する位置関連情報を取得するステップと、
前記位置関連情報に基づいて、複数の前記広告の中から、表示すべき広告を選択するステップと、
選択された広告を、前記ロボットを操作するユーザが利用する端末装置に表示する制御を行うステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを用いたテレビ会議システムが普及し、顔を見ながら話すだけでなく、遠隔地にいるユーザがカメラの向きや位置を操作することができるテレプレゼンスロボットが知られている。
【0003】
特許文献1には、遠隔地にいるユーザに対して撮影画像を提供するカメラ付き移動体(テレプレゼンスロボット)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
テレプレゼンスロボット(以下、単に「ロボット」という。)は、様々な分野での活用が期待されている。例えば、ショッピングモールなどの店にロボットを設置し、遠隔地に住むユーザがロボットを操作して分身として使うことで、直接店に足を運ばなくても、その店の商品を見たり、購入したりすることが可能となると考えられる。
ロボットが設置される店側としては、ロボットを利用して遠隔地からリモート来店してくれたユーザに対し、効率的に店内の商品を広告したいという要望があるが、このような要望に応える技術は未だ提案されていない。
【0006】
本発明は以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、ロボットを活用した商品の広告技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、複数の広告を記憶する記憶部と、固定されていないロボットの位置に関する位置関連情報を取得する第1取得部と、位置関連情報に基づいて、複数の広告の中から、表示すべき広告を選択する選択部と、選択された広告を、ロボットを操作するユーザが利用する端末装置に表示する制御を行う表示制御部とを具備することを要旨とする。
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、複数の広告を記憶する記憶部を備えたコンピュータが、固定されていないロボットの位置に関する位置関連情報を取得するステップと、位置関連情報に基づいて、複数の広告の中から、表示すべき広告を選択するステップと、選択された広告を、ロボットを操作するユーザが利用する端末装置に表示する制御を行うステップとを含むことを要旨とする。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、複数の広告を記憶する記憶部を備えたコンピュータに、固定されていないロボットの位置に関する位置関連情報を取得するステップと、位置関連情報に基づいて、複数の広告の中から、表示すべき広告を選択するステップと、選択された広告を、ロボットを操作するユーザが利用する端末装置に表示する制御を行うステップとを実行させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ロボットを活用した商品の広告技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る広告システムのネットワーク構成を示す図である。
【
図2】広告システムの概要を説明するためのイメージ図である。
【
図3】ユーザの端末装置に表示される広告画面を例示した図である。
【
図4】広告サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図7】広告サーバ及び端末装置に実装されているコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【
図8】ロボットに実装されているコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【
図9】広告サーバによって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】変形例に係る広告サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。また、以下においては、理解を容易にするために、情報処理装置(又はコンピュータ)を利用して本発明が実現される実施の形態を例にとって説明するが、本発明はそれに限定されない。
【0013】
A.本実施形態
図1は、本実施形態に係る広告システム1のネットワーク構成を示す図である。広告システム1は、固定されていない複数のロボット30と、各ロボット30を操作可能な端末装置20と、端末装置20に広告を提供する広告サーバ10を備える。各ロボット30と、端末装置20と、広告サーバ10とは、ネットワークNを介して相互通信可能となっている。なお、
図1では3台のロボット30と、1台の端末装置20と、1台の広告サーバ10を例示しているが、ロボット30、端末装置20及び広告サーバ10の台数はそれぞれ任意である。
【0014】
ネットワークNのうちの1つまたは複数の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよい。ネットワークNは、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(Ad Hoc Network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network:LAN)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(Metropolitan Area Network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDNs(Integrated Service Digital Networks)、無線LANs、LTE(Long Term Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などの近距離無線通信、衛星通信など、または、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。
【0015】
<広告システム1の概要>
図2は、広告システム1の概要を説明するためのイメージ図である。
ロボット30は、例えばショッピングモールに設置されている。ユーザは、端末装置20を操作することで、ショッピングモールに設置されているロボット30にリモートアクセスし、ショッピングモール内の店を訪れる。ユーザは、端末装置20を操作することで、例えばお気に入りのスポーツ店に向けてロボット30を移動させる(ステップS1)。ここで、スポーツ店は、ショッピングモールの特定の広告エリア(例えば南フロアなど)Ar1に入っている。ロボット30が広告エリアAr1に入ると、広告サーバ10は、ロボット30の位置に応じた広告(例えば、各種スポーツ用品に関する広告など)Ad1をデータベース(後述)から取得し、ユーザの端末装置20に表示する(ステップS2)。
【0016】
図3は、ユーザの端末装置20に表示される広告画面D1を例示した図である。
広告画面D1には、ロボット30のカメラによって撮影された画像(スポーツ店など)P1ととともに、スポーツに関する広告Ad1が重畳して表示される。
【0017】
広告Ad1としては、例えばスポーツ店が取り扱うおすすめ商品の詳細な説明情報が含まれる。一例として、おすすめ商品がバスケットシューズの場合には、その機能や素材、大きさ、色、重さ、値段、在庫の有無などの説明情報が広告Ad1に含まれる。
【0018】
ユーザに広告Ad1を提供することで、より多くのユーザに、お店が取り扱う商品を購入(または購入を検討)してもらうことが可能となる。なお、本明細書において「広告」とは、商品やサービス、さらにはアイデアについての情報伝達活動、もしくは情報伝達の媒体や伝達内容を意味する。
【0019】
その後、ユーザは、端末装置20を操作することで、お気に入りのペットショップに向けてロボット30を移動させる(ステップS3)。ここで、ペットショップは、ショッピングモールの特定の広告エリア(例えば東フロアなど)Ar2に入っている。ロボット30が広告エリアAr2に入ると、広告サーバ10は、ロボット30の位置に応じた広告(例えばペット用品に関する広告など)Ad2をデータベース(後述)から取得し、ユーザの端末装置20に表示する(ステップS4)。
【0020】
かかる広告システム1によれば、ショッピングモールなどに設置されたロボット30にアクセスすることで、リモート来店したユーザの端末装置20には、ロボット30の位置に応じた広告が表示される。ユーザは、自分の分身であるロボット30の位置に応じて、自身が気に入った商品などの広告を、きわめて容易、かつ迅速に取得することができる。以下、広告サーバ10、端末装置20、ロボット30の構成について説明する。
【0021】
<構成>
広告サーバ10は、ロボット30を操作するユーザの端末装置20に広告を表示する制御を行う装置である。広告サーバ10は、サーバコンピュータなどの情報処理装置により構成される。広告サーバ10は、1つの情報処理装置により構成されてもよいし、例えばクラウドコンピューティングやエッジコンピューティングなど、複数の情報処理装置により構成されてもよい。なお、広告サーバ10の詳細な機能については後述する。
【0022】
端末装置20は、ロボット30の操作などのために、ユーザにより使用される情報処理装置である。端末装置20は、ユーザからの指示の入力を受け付ける入力部と、ユーザが操作するロボット30のカメラで撮影された画像や広告サーバ10から送信される広告などを表示する表示部と、ネットワークNを介して広告サーバ10やロボット30との間で種々のデータを送受信する通信部と、を有する。
【0023】
端末装置20は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistants)、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、特定用途の操作系などの汎用または専用の情報処理装置である。端末装置20は、ロボット30の操作のための専用の情報処理装置により構成されてもよい。
【0024】
ロボット30は、例えばテレプレゼンスロボット又はアバターロボットで構成され、車輪等の移動部を有していてもよい。ロボット30は、カメラやマイクなどを含む画像・音声入力部と、端末装置20による遠隔操作が可能な駆動部と、ネットワークNを介して広告サーバ10や端末装置20との間で種々のデータを送受信する通信部と、を有する。ロボット30は、様々な場所に配置され、例えばショッピングモールなどに1台または複数台設置される。これらロボット30は、固定されていないロボットであり、固定されていないとは、ロボット30が車輪等の移動のための駆動部を有する移動型である場合と、人が装着でき、マニピュレータ等の動作のための駆動部を有する装着型である場合とを含む。
【0025】
移動型のロボットは、例えば特許文献1に示されている。移動型ロボットの移動部は、一輪、二輪又は多輪により走行するもの、キャタピラにより走行するもの、レールの上を走行するもの、飛び跳ねて移動するもの、二足歩行、四足歩行又は多足歩行するもの、スクリューにより水上又は水中を航行するもの及びプロペラ等により飛行するものを含む。装着型のロボットは、例えばMHD Yamen Saraiji, Tomoya Sasaki, Reo Matsumura, Kouta Minamizawa and Masahiko Inami, "Fusion: full body surrogacy for collaborative communication," Proceeding SIGGRAPH '18 ACM SIGGRAPH 2018 Emerging Technologies Article No. 7.にて公開されている。さらに、ロボット30は、自動走行又は半自動走行可能な車両や重機であったり、ドローンや飛行機であったりを含む。また、ロボット30は、スポーツスタジアム等に設置され、レールの上を移動可能なカメラを備えたロボットを含む。また、ロボット30は、宇宙空間に打ち上げられる衛星型ロボットであって、姿勢制御やカメラの撮影方向の制御が可能なロボットを含む。
【0026】
ロボット30は、ユーザ認証に成功した端末装置20からの指令に基づいて動作する。ここで、ユーザ認証は、公知の手法で行われてよく、ユーザ認証のための情報は、事前に登録されていてよい。
【0027】
(広告サーバ10の機能的構成)
図4は、広告サーバ10の機能的構成を示すブロック図である。
広告サーバ10は、主な機能の構成として、記憶部11、取得部12、選択部13、表示制御部14を有する。広告サーバ10が有する機能は、広告サーバ10のプロセッサが、記憶部11に記憶された広告制御プログラムなどを実行することよって実現れる。なお、広告サーバ10は、
図4に示す機能に限らず、コンピュータが一般的に有する機能、及び他の機能を有してもよい。
【0028】
記憶部11は、ユーザデータベースDB1と、広告データベースDB2とを含んで構成される。
ユーザデータベースDB1には、ユーザごとに、ユーザID、ユーザ属性情報、ロボット操作履歴情報などを含むユーザ情報が登録されている。
【0029】
図5は、ユーザ情報を例示した図である。
ユーザIDは、各ユーザを識別するための情報である。ユーザ属性情報は、ユーザ名や性別、年齢や家族構成、住所、連絡先、勤務先、年収、趣味、嗜好など、ユーザの属性に関わる情報を含む。ロボット操作履歴情報は、過去一定期間分のロボット30の操作履歴をあらわす情報である。ロボット操作履歴情報には、操作したロボット30を特定するロボットIDや、ロボット30の利用日時や場所、ロボット30の操作によって実現した内容(例えば、特定商品の購入など)をあらわす情報などが含まれる。
【0030】
広告データベースDB2には、広告ID、種別情報、広告概要情報、広告エリア情報、広告データなどを含む広告が複数登録されている。
【0031】
図6は、広告を例示した図である。
広告IDは、各広告を識別するための情報である。種別情報は、広告の種類をあらわす情報であり、本実施形態では、静止画を利用した静止画広告、動画を利用した動画広告などである。
【0032】
広告概要情報は、広告の概要をインデックス的にあらわす情報であり、例えば、「スポーツ関係」、「ペット関係」、「食品関係」、「娯楽関係」、「金融関係」・・・などである。
広告エリア情報は、広告を表示すべき地域(すなわち、広告エリア)をあらわす情報である。広告エリア情報は、例えば緯度/経度や、住所などによって特定されている。広告サーバ10は、ロボット30が、いずれかの広告エリアに入ったことを検出すると、この広告エリアに対応づけられている広告(例えば、ペット用品の広告)を、ユーザの端末装置20に表示する。広告データは、広告を表示するためソースデータである。
【0033】
図4に戻り、取得部12は、ロボット30の現在位置に関する位置関連情報を取得する。ロボット30の位置関連情報は、例えば緯度/経度、任意に設定された座標情報、又はその他の形式により表現され、広告サーバ10がロボット30と通信を行うことで取得することができる。一例として、取得部12は、ロボット30に搭載されたGPS(Global Positioning System)装置などを利用することで、ロボット30の位置関連情報を取得する。なお、ロボット30の位置関連情報は、基地局又は通信機器(例えば、ルータ)などを使用して、又はその他の方法(例えばビーコン)により取得してもよい。また、ロボット30の位置関連情報の取得タイミングは、任意に設定可能であり、例えば定期(数秒間隔など)または不定期に設定してもよい。取得されたロボット30の位置関連情報は、記憶部11に格納されるとともに、選択部13に供給される。
【0034】
選択部13は、取得部12から供給される位置関連情報及び広告データベースDB2を参照することで、表示すべき広告を選択する。
一例を挙げて説明すると、選択部13は、位置関連情報に示されるロボット30の現在位置が、広告データベースDB2に格納されるいずれかの広告エリア(例えば、広告エリアAr1)に入ったか否かを判断する。選択部13は、いずれかの広告エリアに入ったと判断すると、その広告エリアに対応付けられている広告を、広告データベースDB2から選択し、表示制御部14に送る。
【0035】
なお、選択部13は、取得部12から供給される位置関連情報の変化に応じて、広告エリアが変化したことを検知すると、変化後の位置関連情報に応じた新たな広告を選択する。具体的には、選択部13は、変化前の広告エリアに対応付けられている広告から、変化後の広告エリアに対応付けられている広告に切り替える。この結果、例えば
図2を用いて説明したように、ロボット30の位置に応じた最適な広告の表示が可能となる。
【0036】
ここで、広告エリアに対応付けられている広告が複数ある場合には、それらすべての広告を選択してもよい。すべての広告を選択する代わりに、一部の広告のみを選択してもよい。一部の広告を選択する場合には、予め優先順位を設定してもよい。例えば、各広告についてこれまでの広告回数をカウントしておき、広告回数が少ないもの(あるいは多いもの)から順番にN(≧2)個まで選択するようにしてもよい。
【0037】
表示制御部14は、選択部13から供給される広告を、ロボット30を操作するユーザの端末装置20に表示する制御を行う。具体的には、表示制御部14は、ロボット30を操作するユーザの端末装置20に広告を送信することで、当該広告をユーザの端末装置20に表示する。
【0038】
(広告サーバ10及び端末装置20の物理的構成)
図7は、広告サーバ10及び端末装置20に実装されているコンピュータ(情報処理装置)200のハードウェア構成を示す図である。
【0039】
コンピュータ200は、演算部に相当するCPU(Central Processing Unit)210aと、記憶部に相当するRAM(Random Access Memory)210bと、記憶部に相当するROM(Read only Memory)210cと、通信部210dと、入力部210eと、表示部210fと、出力部210gと、を有する。これらの各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続される。なお、本例ではコンピュータ200が一台のコンピュータで構成される場合について説明するが、コンピュータ200は、複数のコンピュータが組み合わされて実現されてもよい。また、
図7で示す構成は一例であり、コンピュータ200はこれら以外の構成を有してもよいし、これらの構成のうち一部を有さなくてもよい。
【0040】
CPU210aは、RAM210b又はROM210cに記憶されたプログラムの実行に関する制御やデータの演算、加工を行う制御部である。CPU210aは、ロボット30を利用して広告表示を行うためのプログラム(広告制御プログラム)を実行する演算部である。CPU210aは、入力部210eや通信部210dから種々のデータを受け取り、データの演算結果を表示部210fに表示したり、出力部210gから音声出力したり、RAM210bに格納したりする。
【0041】
RAM210bは、記憶部のうちデータの書き換えが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されてよい。RAM210bは、CPU210aが実行する各種のプログラムといったデータを記憶してよい。なお、これらは例示であって、RAM210bには、これら以外のデータが記憶されていてもよいし、これらの一部が記憶されていなくてもよい。
【0042】
ROM210cは、記憶部のうちデータの読み出しが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されてよい。ROM210cは、例えば広告制御プログラムや、書き換えが行われないデータを記憶してよい。
【0043】
通信部210dは、ネットワークNを介してコンピュータ200を他の機器に接続するインターフェースである。
【0044】
入力部210eは、ユーザからデータの入力を受け付けるものであり、例えば、キーボード及びタッチパネルを含んでよい。また、入力部210eは、音声入力のためのマイクを含んでよい。
【0045】
表示部210fは、CPU210aによる演算結果を視覚的に表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されてよい。表示部210fは、ロボット30のカメラで撮影された画像や、広告などを表示してよい。
【0046】
出力部210gは、音声を出力するためのものであり、例えば音声デコーダやスピーカを含んでよい。
【0047】
広告制御プログラムは、RAM210bやROM210c等のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、通信部210dにより接続されるネットワークNを介して提供されてもよい。コンピュータ200では、CPU210aが広告制御プログラムを実行することにより、ロボット30を利用して広告を表示する機能が実現される。なお、これらの物理的な構成は例示であって、必ずしも独立した構成でなくてもよい。例えば、コンピュータ200は、CPU210aとRAM210bやROM210cが一体化したLSI(Large-Scale Integration)を備えていてもよい。
【0048】
(ロボット30の物理的構成)
図8は、ロボット30に実装されているコンピュータ(情報処理装置)300のハードウェア構成を示す図である。
コンピュータ300は、演算部に相当するCPU310aと、記憶部に相当するRAM310bと、記憶部に相当するROM310cと、通信部310dと、入力部310eと、表示部310fと、駆動部310gと、カメラ310hと、を有する。これらの各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続される。なお、
図8で示す構成は一例であり、コンピュータ300はこれら以外の構成を有してもよいし、これらの構成のうち一部を有さなくてもよい。
【0049】
CPU310aは、RAM310b又はROM310cに記憶されたプログラムの実行に関する制御やデータの演算、加工を行う制御部である。CPU310aは、ロボット30を利用して広告表示を行うためのプログラム(広告制御プログラム)を実行する演算部である。CPU310aは、入力部310eや通信部310dから種々のデータを受け取り、データの演算結果を表示部310fに表示したり、RAM310bに格納したりする。また、CPU310aは、駆動部310gを制御し、ロボット30の動作を制御する。
【0050】
RAM310bは、記憶部のうちデータの書き換えが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されてよい。RAM310bは、CPU310aが実行する各種のプログラムを記憶してよい。なお、これらは例示であって、RAM310bには、これら以外のデータが記憶されていてもよいし、これらの一部が記憶されていなくてもよい。
【0051】
ROM310cは、記憶部のうちデータの読み出しが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されてよい。ROM310cは、例えば広告制御プログラムや、書き換えが行われないデータを記憶してよい。
【0052】
通信部310dは、ネットワークNを介してロボット30を他の機器に接続するインターフェースである。
【0053】
入力部310eは、ユーザからデータの入力を受け付けるものであり、例えば、タッチパネルを含んでよい。また、入力部310eは、音声入力のためのマイクを含んでよい。
【0054】
表示部310fは、CPU310aによる演算結果を視覚的に表示するものであり、例えば、LCDにより構成されてよい。端末装置20がカメラを備える場合、表示部310fは、端末装置20のカメラで撮影された画像を表示してもよい。
【0055】
駆動部310gは、遠隔操作可能なアクチュエータを含み、車輪等の移動部やマニピュレータ等を含む。ロボット30が移動型のロボットである場合、駆動部310gは、少なくとも車輪等の移動部を含むが、マニピュレータを含んでもよい。ロボット30が装着型である場合、駆動部310gは、少なくともマニピュレータを含む。
【0056】
カメラ310hは、静止画又は動画を撮像する撮像素子を含み、撮像した静止画又は動画を、通信部310dを介して表示部310fや端末装置20に送信する。
【0057】
広告制御プログラムは、RAM310bやROM310c等のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、通信部310dにより接続されるネットワークNを介して提供されてもよい。ロボット30では、CPU310aが広告制御プログラムを実行することにより、ロボット30を利用して広告を表示するために必要な機能が実現される。なお、これらの物理的な構成は例示であって、必ずしも独立した構成でなくてもよい。例えば、ロボット30は、CPU310aとRAM310bやROM310cが一体化したLSIを備えていてもよい。
【0058】
<処理フロー>
図9は、本実施形態に係る広告サーバ10によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローは、広告サーバ10が、広告制御プログラムなどを実行することで実現される。前提として、ユーザは、端末装置20を利用することで、ショッピングモールに設置されているロボット30をリモート操作することが許可されており、
図2を用いて説明したような広告表示が行われる場合を想定する。
【0059】
ユーザは、端末装置20を利用してショッピングモールに設置されているロボット30を操作することで、お気に入りのスポーツ店に向けてロボット30を移動させる。
広告サーバ10の取得部12は、ロボット30の位置関連情報の取得を開始する(ステップSa1)。広告サーバ10は、ロボットの位置関連情報に基づき、いずれかの広告の表示タイミングが到来したか否かを判断する(ステップSa2)。具体的には、広告サーバ10の選択部13は、位置関連情報に示されるロボット30の現在位置が、広告データベースDB2に格納されているいずれかの広告エリアに入ったか否かを判断する。
【0060】
広告サーバ10は、ロボット30の現在位置が、いずれの広告エリアにも入っていない場合には、広告の表示タイミングは到来していないと判断し(ステップSa2;NO)、ステップSa1に戻る。
【0061】
一方、広告サーバ10は、ロボット30の現在位置が、いずれかの広告エリアに入っている場合には、広告の表示タイミングが到来したと判断し(ステップSa2;YES)、ステップSa3に進む。
【0062】
ステップSa3に進むと、広告サーバ10の選択部13は、ロボット30が入った広告エリア(例えば、広告エリアAr1)を特定するとともに、その広告エリアに対応付けられている広告を、広告データベースDB2から選択し、表示制御部14に送る。
【0063】
表示制御部14は、選択された広告を、ロボット30を操作するユーザの端末装置20に送信し、当該広告をユーザの端末装置20に表示する(ステップSa4)。
【0064】
その後、広告サーバ10は、端末装置20への広告表示を終了すべきか否かを判断する(ステップSa5)。一例として、広告サーバ10は、ユーザがロボット30のリモート操作を終了したか否かを判断する。広告サーバ10は、ユーザがロボット30のリモート操作を終了した場合には、端末装置20への広告表示を終了すべきと判断し(ステップSa5;YES)、処理を終了する。
【0065】
一方、広告サーバ10は、ユーザがロボット30のリモート操作を終了していない場合には、端末装置20への広告表示を終了すべきでないと判断し(ステップSa5;NO)、ステップSa6に進む。
【0066】
ステップSa6に進むと、広告サーバ10は、新たな広告の表示タイミングが到来したか否かを判断する。具体的には、広告サーバ10の選択部13は、取得部12から供給される位置関連情報の変化に応じて、広告エリアが変化したか否かを判断する。選択部13は、広告エリアが変化していない場合には、新たな広告の表示タイミングは到来していないと判断し(ステップSa6;NO)、ステップSa5に戻る。
【0067】
一方、選択部13は、広告エリアが変化している場合には、新たな広告の表示タイミングが到来したと判断し(ステップSa6;YES)、ステップSa7に進む。
【0068】
ステップSa7に進むと、選択部13は、変化後の広告エリア(例えば、広告エリアAr2)を特定するとともに、その広告エリアに対応付けられている広告を、広告データベースDB2から選択し、表示制御部14に送る。
【0069】
表示制御部14は、選択された広告を、ロボット30を操作するユーザの端末装置20に送信し、当該広告をユーザの端末装置20に表示する(ステップSa8)。そして、広告サーバ10は、ステップSa5に戻り、端末装置20への広告表示を終了すべきか否かを判断する。なお、この後の動作については、既に上記で説明したため割愛する。
【0070】
以上説明したように、本実施形態によれば、リモート来店したユーザの端末装置20には、ロボット30の位置に応じた広告が表示される。ユーザは、自分の分身であるロボット30の位置に応じて、自身が気になる商品などの広告を、きわめて容易、かつ迅速に取得することができる。一方、店側は、商品に興味等を持ったユーザに対し、効率よく広告を提供することができ、商品の販売機会を確実に捉えて売上に繋げることが可能となる。
【0071】
B.変形例
上述した本実施形態では、ロボット30の位置関連情報に基づいて、表示すべき広告を選択した。これに対し、変形例では、ロボット30の位置関連情報だけでなく、ユーザ属性情報や、ユーザのロボット操作履歴情報を利用して、表示すべき広告を選択する点で異なる。
【0072】
図10は、変形例に係る広告サーバ10aの機能的構成を示すブロック図である。
図10に示す広告サーバ10aは、第1取得部12a、第2取得部12b、第3取得部12cを備えている点で、
図4に示す広告サーバ10と異なる。その他の構成は同様であるため、対応する部分には同一符号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0073】
図10に示すように、取得部12は、第1取得部12aと、第2取得部12bと、第3取得部12cとを含んで構成される。
【0074】
第1取得部12aは、本実施形態に係る取得部12と同様、ロボット30の現在位置に関する位置関連情報を取得する。
第2取得部12bは、ユーザデータベースDB1に登録されているユーザ情報を参照することで、ユーザ属性情報を取得する(
図5参照)。前述したように、ユーザ属性情報は、ユーザ名や性別、年齢や家族構成、住所、連絡先、勤務先、年収、趣味、嗜好などを含む。第2取得部12bは、ユーザ属性情報の一部のみ(例えば、年齢や性別など)を取得してもよいが、全部を取得してもよい。
【0075】
第3取得部12cは、ユーザデータベースDB1に登録されているユーザ情報を参照することで、ロボット操作履歴情報を取得する(
図5参照)。前述したように、ロボット操作履歴情報は、ユーザが操作したロボット30を特定するロボットIDや、ロボット30の利用日時や場所、ロボット30の操作によって実現した内容(例えば、特定商品の購入など)をあらわす情報などを含む。第3取得部12cは、ロボット操作履歴情報の一部のみ(例えば、ロボット30の操作によって実現した内容など)を取得してもよいが、全部を取得してもよい。
【0076】
取得部12は、このようにして取得した位置関連情報、ユーザ属性情報、ロボット操作履歴情報を、選択部13に供給する。
【0077】
選択部13は、取得部12から供給される位置関連情報、ユーザ属性情報、ロボット操作履歴情報に基づき、表示すべき広告を選択する。一例として、選択部13は、(1)位置関連情報とユーザ属性情報、または(2)位置関連情報とロボット操作履歴情報、もしくは(3)位置関連情報とユーザ属性情報とロボット操作履歴情報を利用して、表示すべき広告を選択する。例えば、位置関連情報から、ロボット30が特定の広告エリア(例えば、スポーツフロア)に入り、かつ、ロボット操作履歴情報から、前回のロボット30の操作において特定商品(例えば、トレーニンググッズ)を購入していることが判明した場合には、トレーニングウェアをお勧めするような広告を、広告データベースDB2から選択する。このように、ロボット30の位置関連情報だけでなく、ユーザ属性情報や、ユーザのロボット操作履歴情報を利用して広告を選択することで、より適した広告を、より適したタイミングでユーザの端末装置20に表示することが可能となる。
【0078】
以上説明した本実施形態及び変形例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各要素同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
さらに、本実施形態及び変形例において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【符号の説明】
【0079】
1…広告システム、10,10a…広告サーバ、11…記憶部、12…取得部、12a…第1取得部、12b…第2取得部、12c…第3取得部、13…選択部、14…表示制御部、20…端末装置、30…ロボット、DB1…ユーザデータベース、DB2…広告データベース