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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054934
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】段ボール用受注管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220331BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220331BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20220331BHJP
【FI】
G06Q30/06
H04N1/00 350
H04N1/00 Z
G06F3/0481
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020162216
(22)【出願日】2020-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】514318862
【氏名又は名称】アールエフシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100155608
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 崇
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 紘
【テーマコード(参考)】
5C062
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5C062AA14
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC38
5C062AF16
5C062BD06
5E555AA22
5E555BA02
5E555BA68
5E555BB02
5E555BC08
5E555DB03
5E555DB56
5E555DB58
5E555DC13
5E555DC21
5E555DD07
5E555DD08
5E555EA11
5E555FA00
5L049BB54
(57)【要約】
【課題】受信した注文書の画像データに基づく注文情報の登録処理におけるヒューマンエラーを効果的に抑制することが可能な段ボール用受注管理システムを提供する。
【解決手段】この段ボール用受注管理システム1は、顧客から送信された段ボールの注文書の画像データ50を受信する受信部2と、注文書の画像データ50を表示する表示部31と、表示部31に表示された注文書に含まれる注文情報Rの入力操作を受け付ける入力部32と、入力された注文情報Rの登録処理を行う情報処理部33と、を含む情報処理端末3とを備える。情報処理部33は、注文書の画像データ50を表示する注文書画面61と、入力内容を表示する受注画面62とを表示部31に表示させるとともに、入力作業中の注文情報CRに対応する注文書画面61上の位置に、識別標識63を表示させる処理を行うように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客から送信されたケース状またはシート状の段ボールの注文書の画像データを受信する受信部と、
前記注文書の画像データを表示する表示部と、前記表示部に表示された前記注文書に含まれる注文情報の入力操作を受け付ける入力部と、入力された前記注文情報の登録処理を行う情報処理部と、を含む情報処理端末とを備え、
前記情報処理部は、前記注文書の画像データを表示する注文書画面と、入力内容を表示する受注画面とを前記表示部に表示させるとともに、入力作業中の前記注文情報に対応する前記注文書画面上の位置に、識別標識を表示させる処理を行うように構成されている、段ボール用受注管理システム。
【請求項2】
前記情報処理部は、入力作業中の前記注文情報に対応する位置に前記識別標識を表示させるとともに、前記注文書の画像データに含まれる非入力作業中の前記注文情報に対して前記識別標識を非表示とする処理を行うように構成されている、請求項1に記載の段ボール用受注管理システム。
【請求項3】
前記注文書は、1件の前記注文情報が単位行ごとに表示される書式で作成されており、
前記識別標識は、入力作業中の前記注文情報が記載された行を表すライン状または枠状の画像を含む、請求項1または2に記載の段ボール用受注管理システム。
【請求項4】
前記情報処理部は、前記受注画面における1件の前記注文情報の登録が完了すると、前記注文書画面における前記識別標識の表示位置を次の行に移動させる処理を行うように構成されている、請求項3に記載の段ボール用受注管理システム。
【請求項5】
前記情報処理部は、
前記注文書の画像データにおける、1行目の前記注文情報の第1位置座標の入力と、2行目の前記注文情報の第2位置座標の入力とを、前記入力部を介して受け付け、
受け付けた座標情報に基づいて、入力作業中の前記注文情報に対応する位置に前記識別標識を表示させるように構成されている、請求項3または4に記載の段ボール用受注管理システム。
【請求項6】
前記情報処理部は、前記受注画面において前記注文情報に含まれる入力項目に対する情報入力を受け付けると、前記注文書画面における前記識別標識に対応する位置に、入力された情報を表示させる処理を行うように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の段ボール用受注管理システム。
【請求項7】
前記情報処理部は、登録された前記注文情報の検証処理を実行するように構成され、
前記検証処理は、同一の前記注文情報に対して、前記入力部を介した複数回の登録処理を受け付け、受け付けた複数の登録内容を照合する処理を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の段ボール用受注管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、段ボール用受注管理システムに関し、特に、注文情報が記載された注文書の画像データを受信して登録処理を行う段ボール用受注管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、注文情報が記載された注文書の画像データを受信して登録処理を行う段ボール用受注管理システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、FAX(facsimile)受信手段と、FAX受信手段により受信したFAX文書から相手先コードなどの情報を読み取るOCR(Optical character recognition)機能を有する相手先認識手段とを備える受信FAX管理システムが開示されている。受信FAX管理システムは、発信者のFAX番号、FAXヘッダ部の記録された情報、あるいはOCR機能により、受信したFAX文書の相手先を自動認識してイメージデータベースに格納する。受信した注文FAXを表示するとき、画面の右側に元のイメージデータを表示し、画面の左側にOCR機能により読み取られた注文データを表示する。オペレータは、画面右側のイメージデータを適宜拡大したりスクロールしながら、画面左側の注文データが正しく入力されているかを確認し、間違っていればマウスやキーボード等を用いて修正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-165076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般文書と異なり、注文書では、入力ミスがそのまま誤発注などにつながるため、入力ミスを極力抑止する必要がある。このような注文書の登録処理の用途としては、OCR機能によるイメージデータの読み取りでは十分な精度が得られず、オペレータによる確認および修正作業が不可欠である。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の受信FAX管理システムでは、画面上に注文書のイメージデータと注文データとを表示させ、オペレータが表示内容を確認して修正作業を行うが、段ボールの注文書では、1枚の注文書中に複数件の注文が記載される形式が一般的であり、オペレータが、入力している注文情報と、イメージデータ中の他の注文情報とを見誤るヒューマンエラーを抑制できないという課題がある。特に、印字されたFAX用紙から注文内容を読み取って端末に入力を行っていた従来方式の作業に慣れたオペレータは、画面表示された注文書の読み取りに不慣れであり、拡大やスクロールを伴う場合には、注目している注文情報が画面中で移動するため、他の注文情報と見誤ることによる入力ミスや、誤入力された情報の見逃しにつながる可能性が高い。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、受信した注文書の画像データに基づく注文情報の登録処理におけるヒューマンエラーを効果的に抑制することが可能な段ボール用受注管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一の局面による段ボール用受注管理システムは、顧客から送信されたケース状またはシート状の段ボールの注文書の画像データを受信する受信部と、注文書の画像データを表示する表示部と、表示部に表示された注文書に含まれる注文情報の入力操作を受け付ける入力部と、入力された注文情報の登録処理を行う情報処理部と、を含む情報処理端末とを備え、情報処理部は、注文書の画像データを表示する注文書画面と、入力内容を表示する受注画面とを表示部に表示させるとともに、入力作業中の注文情報に対応する注文書画面上の位置に、識別標識を表示させる処理を行うように構成されている。
【0009】
なお、注文情報とは、顧客が注文を行う商品の、商品名、商品番号、商品の形状、商品の材質、商品の数量、商品の納期、商品の納入場所など、注文内容を特定する情報である。入力作業中の注文情報に対応する位置とは、入力作業中の注文情報の記載箇所に隣り合う位置や重なる位置、あるいは他の注文情報との相対位置関係から入力作業中の注文情報を区別して認識できる位置、を含む広い概念である。また、識別標識とは、アイコン、マーク、ライン、枠、着色部、アニメーション(点滅、グラデーションなど)など、画面上で着目部位を他の部位に対して視覚的に区別して認識できるようにする表示全般を含む広い概念である。
【0010】
この発明の一の局面による段ボール用受注管理システムでは、上記のように、情報処理部は、注文書の画像データを表示する注文書画面と、入力内容を表示する受注画面とを表示部に表示させるとともに、入力作業中の注文情報に対応する注文書画面上の位置に、識別標識を表示させる処理を行う。これにより、注文書画面に表示された注文書を見ながらオペレータが入力作業(あるいはチェック作業)を行う際、識別標識を目印にして、現在着目している注文情報の入力作業やチェック作業を行うことができる。識別標識は、入力作業中の注文情報に対応する位置に表示されるので、オペレータが入力作業中の注文情報を、注文書に記載された他の注文情報から容易かつ確実に区別できる。そのため、注文情報を見誤ることによる入力ミスや、誤入力された情報の見逃しを効果的に抑制できる。この結果、受信した注文書の画像データに基づく注文情報の登録処理におけるヒューマンエラーを効果的に抑制することができる。
【0011】
上記一の局面による段ボール用受注管理システムにおいて、好ましくは、情報処理部は、入力作業中の注文情報に対応する位置に識別標識を表示させるとともに、注文書の画像データに含まれる非入力作業中の注文情報に対して識別標識を非表示とする処理を行うように構成されている。このように構成すれば、入力作業中の注文情報に対応する位置にのみ識別標識が表示されるので、同じような注文情報が複数記載されることのある注文書においても、入力作業中の注文情報を見誤ることなく認識できる。
【0012】
上記一の局面による段ボール用受注管理システムにおいて、好ましくは、注文書は、1件の注文情報が単位行ごとに表示される書式で作成されており、識別標識は、入力作業中の注文情報が記載された行を表すライン状または枠状の画像を含む。このように構成すれば、単位行ごとに注文を処理する際に、入力作業中の行が識別標識によって特定されるので、入力作業中の注文情報を容易かつ確実に認識できる。また、印字されたFAX用紙から注文内容を読み取って端末に入力を行っていた従来方式の作業においては、オペレータが、FAX用紙の入力作業中の行(注文情報)に定規を当てることで、誤読取を抑制することが広く行われていた。上記構成によれば、従来方式の作業において定規を当てることに類似したライン状または枠状の識別標識が注文書画面に表示されるので、従来方式の作業に慣れたオペレータに対する親和性が高く、利便性を向上させることができる。
【0013】
この場合において、好ましくは、情報処理部は、受注画面における1件の注文情報の登録が完了すると、注文書画面における識別標識の表示位置を次の行に移動させる処理を行うように構成されている。このように構成すれば、1件の注文情報の登録が完了すると、識別標識が自動的に次の行に移動するので、識別標識を移動させるための入力作業が不要であり、オペレータの作業負荷を効果的に抑制できる。
【0014】
上記識別標識は、入力作業中の注文情報が記載された行を表すライン状または枠状の画像を含む構成において、好ましくは、情報処理部は、注文書の画像データにおける、1行目の注文情報の第1位置座標の入力と、2行目の注文情報の第2位置座標の入力とを、入力部を介して受け付け、受け付けた座標情報に基づいて、入力作業中の注文情報に対応する位置に識別標識を表示させるように構成されている。ここで、同一の顧客は、同一の書式の注文書を用いて発注を行うことから、注文書の1行目の位置に基づいて最初の注文情報の位置が特定される。そして、1行目の位置と2行目の位置との差分から行間隔を取得できる。最初の注文情報の位置と行間隔とに基づいて、3行目以降の任意の行の注文情報に対しても識別標識を表示させることができる。以上の座標情報について、オペレータが、予め注文書の1行目の位置と2行目の位置とを入力して登録しておくだけの簡単な作業で、受信した注文書の画像データにおける任意の行に対応する位置に識別標識を表示させることができる。
【0015】
上記一の局面による段ボール用受注管理システムにおいて、好ましくは、情報処理部は、受注画面において注文情報に含まれる入力項目に対する情報入力を受け付けると、注文書画面における識別標識に対応する位置に、入力された情報を表示させる処理を行うように構成されている。このように構成すれば、受注画面に入力した情報を識別標識に対応する位置に表示させることにより、入力した情報と、注文書に記載されている情報とを直ちに見比べることができる。そのため、オペレータは、注文情報の登録処理の最中にオペレータが入力した情報が誤っていないかどうかを自然に確認することができるので、ヒューマンエラーをより一層効果的に抑制することができる。また、受注画面と注文書画面とを交互に見比べることなく、入力した情報を注文書画面上でセルフチェックすることができるので、オペレータの作業負荷を効果的に軽減できる。
【0016】
上記一の局面による段ボール用受注管理システムにおいて、好ましくは、情報処理部は、登録された注文情報の検証処理を実行するように構成され、検証処理は、同一の注文情報に対して、入力部を介した複数回の登録処理を受け付け、受け付けた複数の登録内容を照合する処理を含む。このように構成すれば、同一の注文情報に対して同一または複数のオペレータが複数回にわたって登録処理を行い、登録内容を相互に照合することによって、入力ミスをより確実に発見できる。単に複数回のチェックを行うのではなく、登録処理自体を複数回行うことによって、チェック時の見逃しを抑制できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、受信した注文書の画像データに基づく注文情報の登録処理におけるヒューマンエラーを効果的に抑制することが可能な段ボール用受注管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態による段ボール用受注管理システムの全体構成を示した模式図である。
図2】注文書画面および受注画面の表示例を示した図である。
図3】フルサイズの受注画面の例を示した図である。
図4】注文情報の入力時における画面表示処理を説明するための図である。
図5】識別標識の表示位置を設定するための位置座標入力画面の例を示した図である。
図6】受信FAX一覧画面の例を示した模式図である。
図7】入力された注文情報の第1検証処理を説明するための模式図である。
図8】2つの画像レイヤーを含む注文請書画像(A)と、3つの画像レイヤーを含む注文請書画像(B)とのレイヤー構造を説明するための図である。
図9】第2画像レイヤーの例を示した模式図である。
図10】注文請書画像の例を示した模式図である。
図11】第3画像レイヤーの例を示した模式図である。
図12】段ボール用受注管理システムにおける業務の流れを示した模式図である。
図13】注文情報の登録処理を示したフローチャートである。
図14】注文情報の検証処理を示したフローチャートである。
図15】シート注文書の例を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
まず、図1図11を参照して、本実施形態による段ボール用受注管理システム1の構成について説明を行う。図1に示すように、段ボール用受注管理システム1は、顧客からFAX送信されたケース状またはシート状の段ボールの注文書の画像データ50を受信して、注文の登録処理を行うとともに、受信した注文書の画像データ50を管理するシステムである。
【0021】
段ボール用受注管理システム1は、受信部2と、情報処理端末3とを備える。また、図1に示す段ボール用受注管理システム1は、さらに受注登録管理サーバ4を備える。
【0022】
(受信部)
受信部2は、顧客から送信されたケース状またはシート状の段ボールの注文書の画像データ50を受信するように構成されている。受信部2は、電話回線を通じてFAX送信された注文書の画像データ50を受信するように構成されている。受信部2は、FAXモデムを含み、電話回線を通じて受信したFAX信号を変換してFAX画像データを生成する。受信部2により受信したFAX画像のうち、注文書が記録されたFAX画像が、注文書の画像データ50である。また、受信部2は、受注登録管理サーバ4または情報処理端末3から、送信すべきFAX画像データを取得すると、取得したFAX画像データをFAX信号に変換して電話回線を通じて送信する。たとえば受信部2は、受信した注文書の画像データ50に対する受注登録が完了したことを顧客(発注者)に通知するための後述する注文請書画像70を、顧客に送信する処理を行う。
【0023】
(受注登録管理サーバ)
受注登録管理サーバ4は、受信部2により受信した注文書の画像データ50を発信者(顧客)毎に記録して管理するように構成されている。受注登録管理サーバ4は、顧客からFAX送信されてきた注文書の画像データ50を、受信部2から取得する。受注登録管理サーバ4は、注文書の画像データ50に加えて、発信者番号通知機能に基づく発信者のFAX番号、FAXヘッダ情報を受信部2から取得する。FAXヘッダ情報には、発信者のFAX番号、送信日時、発信者の名称、頁数などが含まれうる。
【0024】
受注登録管理サーバ4は、画像データを記録する画像用データベース42を備えている。画像用データベース42には、発信者(顧客)毎に個別のフォルダが作成されている。受注登録管理サーバ4は、発信者のFAX番号またはFAXヘッダ情報に基づいて、受信した注文書の画像データ50を該当する発信者(顧客)のフォルダに仕分けて記録するように構成されている。
【0025】
受注登録管理サーバ4は、段ボール用受注管理システム1において登録された注文情報Rを管理するように構成されている。注文書の画像データ50が受信されると、段ボール用受注管理システム1は、情報処理端末3により、注文書に記載された注文情報Rの登録処理を行う。受注登録管理サーバ4は、登録された注文情報Rを記録する登録用データベース41を備えている。受注登録管理サーバ4は、ネットワークを介して情報処理端末3と接続されている。受注登録管理サーバ4は、情報処理端末3からのアクセス要求に応じて、画像用データベース42に記録した注文書の画像データ50を情報処理端末3に送信する。登録担当者(オペレータ)が、情報処理端末3を用いて、注文書に記載された注文情報Rの登録処理の作業を行う。受注登録管理サーバ4は、登録処理によって入力された注文情報Rを情報処理端末3から受信する。受注登録管理サーバ4は、受信した注文情報Rと、その注文情報Rに対して割り当てた受注番号Abとを関連付けた受注登録データ41aを、登録用データベース41に記録するように構成されている。受注番号Abは、1件の注文情報Rに対して1つ割り当てられるユニークな識別情報である。
【0026】
また、受注登録管理サーバ4は、注文書の画像データ50に受注登録が完了したことを示す情報を追記することにより生成した注文請書画像70を画像用データベース42に記録するように構成されている。受注登録管理サーバ4は、受信部2を介して、生成された注文請書画像70を注文書の発信者(顧客)に返信するように構成されている。受注登録管理サーバ4は、複数の注文請書画像70を一括で送信すること、および個々の注文請書画像70に登録担当者のコメントなどを付与して個別送信すること、が可能である。
【0027】
受注登録管理サーバ4は、プロセッサ、メモリ、不揮発性の記憶装置、通信インターフェースなどを含むコンピュータにより構成されている。記憶装置に記憶された受注登録管理用ソフトウェアをプロセッサが実行することにより、コンピュータが受注登録管理サーバ4として機能する。コンピュータの構成は公知であり、詳細な説明は省略する。
【0028】
(情報処理端末)
情報処理端末3は、受注登録管理サーバ4により受信された注文書の画像データ50に記載された注文情報Rの登録処理を行うように構成されている。段ボール用受注管理システム1は、少なくとも1つの情報処理端末3を備える。図1の例では、複数(3つ)の情報処理端末3が設けられた例を示している。情報処理端末3の構成は基本的に同一であるので、複数の情報処理端末3のうちの1つを例に挙げて説明を行う。
【0029】
情報処理端末3は、注文書の画像データ50を表示する表示部31と、表示部31に表示された注文書に含まれる注文情報Rの入力操作を受け付ける入力部32と、入力された注文情報Rの登録処理を行う情報処理部33と、を含む。注文情報Rの登録処理は、注文書の画像データ50を表示部31に表示させ、注文書の画像データ50に記載された注文情報Rの入力を入力部32を介して受け付けることにより、情報処理部33が注文情報Rを取得し、取得した注文情報Rを情報処理部33から受注登録管理サーバ4に送信すること、を含む。
【0030】
情報処理端末3は、PC(Personal Computer)などの処理端末から構成される。情報処理部33が、CPU(Central Processing Unit)、HDD(Hard Disc Drive)、メモリ、および通信インターフェースなどを含むPC本体により構成される。CPUが、HDDに格納された制御プログラムを実行することによって、情報処理部33としての機能を実行する。表示部31は、たとえば液晶モニタなどの画像表示装置からなり、情報処理部33の画像出力に基づき画面表示を行う。入力部32は、登録担当者の操作入力を受け付けるキーボードおよびマウスなどからなる。
【0031】
本実施形態では、情報処理部33は、注文情報Rの登録処理に際して、注文書の画像データ50を表示する注文書画面61と、入力内容を表示する受注画面62とを表示部31に表示させるように構成されている。情報処理部33は、受注登録管理サーバ4により受信されたFAXデータを一覧表示させる受信FAX一覧画面60(図6参照)を表示部31に表示させることが可能に構成されている。情報処理部33は、受信FAX一覧画面60において、注文情報Rの登録処理を実行する1つのFAXデータ(注文書の画像データ50)の選択を受け付ける。
【0032】
情報処理部33は、選択された注文書の画像データ50を情報処理部33が受注登録管理サーバ4から取得し、注文書画面61に表示させる。受注画面62は、注文書に記載された注文情報Rを入力するための入力欄が設けられた画面である。登録担当者が、注文書画面61に表示させた注文書の画像データ50の記載内容(注文情報R)を読み取り、入力部32を介して受注画面62へ情報入力を行うことにより、情報処理部33が注文情報Rを取得する。
【0033】
情報処理部33は、注文書画面61と受注画面62とを並べて表示させる。このとき、情報処理部33は、図1の中央の情報処理端末3のように、1つの表示部31に注文書画面61と受注画面62との両方を表示させてもよいし。図1の右側の情報処理端末3のように、マルチディスプレイの形態で、第1表示部31aと第2表示部31bとにそれぞれ注文書画面61と受注画面62とを表示させてもよい。
【0034】
また、情報処理端末3は、受注登録管理サーバ4に登録された受注登録データ41aを表示部31に表示させる処理を行うように構成されている。表示された受注登録データ41aにより、登録担当者が、受注内容の閲覧、確認を行うことができる。
【0035】
(注文書画面および受注画面)
図2に示すように、注文書画面61には、注文書の画像データ50が表示される。
【0036】
注文書には、1件または複数件の注文情報Rが含まれる。注文書の書式は、規格等により定められているわけではないが、段ボール商品の商慣行として一定の書式(フォーマット)が存在している。すなわち、注文書は、1件の注文情報Rが単位行ごとに表示される書式で作成される。図2の例では、1行につき1件の注文情報Rが記載されている。なお、注文情報Rの項目が多い場合などは、複数行単位(たとえば2行単位)で1件の注文情報Rが記載されていてもよい。単位行の間隔が一定であればよい。
【0037】
図2は、ケース注文書の例を示している。注文書の画像データ50には、画像中の上方かつ左右方向の中央に「ケース注文書」という記載が配置されている。
【0038】
注文書には、注文情報Rの他、顧客を特定するための注文者情報R1(たとえば、会社名、個人名、電話番号およびFAX番号など)が記載されている。注文情報Rは、顧客からのケース状またはシート状の段ボール(商品)の注文内容を表す情報である。注文情報Rは、注文する段ボールの商品を特定するための商品情報Ra(たとえば、商品名、商品番号など)、注文する段ボールの納入先を特定するための納入先情報Rb(たとえば、納入場所)、注文する段ボールの数量を特定するための数量情報Rc、注文する段ボールの納期を特定するための納期情報Rd、および、注文する段ボールに関しての備考を示した備考情報Re、注文者側の発注番号情報Rfといった項目を含んでいる。
【0039】
図2の例では、注文書の画像データ50には、注文者情報R1である「×××段ボール株式会社」と、注文者側の発注番号情報Rfである「201703」とが記載されている。また、注文書の画像データ50には、商品情報Raとして「商品番号」項目および「商品名」項目、納入先情報Rbとして「納入場所」項目、数量情報Rcとして「数量」項目、納期情報Rdとして「納期」項目および「時間」項目、備考情報Reとして「備考」項目、が記載されている。図2の例では、ケース注文書は、最大10件(10単位行)の注文情報Rを含み得る書式で記載され、1件目~8件目までの注文情報Rが記載されている。
【0040】
受注画面62には、注文情報Rに含まれる各項目に対応した複数の入力欄62a~62gが表示される。複数の入力欄62a~62gは、受注画面62において縦方向に沿って並べて表示されている。受注画面62は、登録処理において注文書に含まれる注文情報Rが入力される入力用画面である。注文が受注登録データ41aとして登録された後は、受注画面62は、登録された受注内容を表示することにより、閲覧、確認用の表示画面としての機能を有する。
【0041】
本実施形態では、情報処理部33は、登録処理時には、受注画面62の画面サイズを減少させることにより注文書画面61と受注画面62とを並べて表示させる。そして、情報処理部33は、登録処理時以外では、受注画面62の画面サイズを登録処理時よりも大きくさせて表示させるように構成されている。
【0042】
図3は、登録処理時以外で表示可能なフルサイズの受注画面62の例を示す。フルサイズの受注画面62は、表示部31の表示領域の略全体にわたって表示される。フルサイズの受注画面62には、登録された受注登録データ41aやこれに付随する各種情報が表示される。
【0043】
受注登録データ41aは、注文書の画像データ50に記載された注文情報Rに基づいて登録される段ボールの受注に必要な情報である。具体的には、受注登録データ41aは、商品情報Ra、納入先情報Rb、注文者情報R1に対応する顧客番号R11、数量情報Rc、納期情報Rd、および、備考情報Reなどを含む情報である。注文者情報R1、注文情報R(商品情報Ra、納入先情報Rb、数量情報Rc、納期情報Rd、および、備考情報Re)は、注文書の画像データ50に記載された内容である。また、受注登録データ41aは、登録を担当した担当者情報Aaと、注文情報Rごとに割り振られる受注番号Abとを含む。
【0044】
図2に示したように、情報処理部33は、登録処理時には、注文書画面61を受注画面62よりも大きいサイズで表示させる。図2の例では、表示部31の表示領域のうち、約2/3の範囲に注文書画面61が表示され、残りの約1/3の範囲に受注画面62が表示されている。
【0045】
登録処理時の受注画面62には、商品情報Raの入力欄62a、納入先情報Rbの入力欄62b、数量情報Rcの入力欄62c、納期情報Rdの入力欄62d、備考情報Reの入力欄62e、発注番号情報Rfの入力欄62f、注文者情報R1(顧客番号R11)の入力欄62gが少なくとも表示される。また、受注画面62には、ログイン処理に基づき、登録を担当する担当者情報Aaが予め表示される。同様に、入力欄62gには、FAX受信時に発信者FAX番号またはFAXヘッダ情報に基づいて特定された注文者情報R1(顧客番号R11)が予め表示される。
【0046】
また、情報処理部33は、注文書画面61と受注画面62とを、別々のウィンドウ形式で表示する。登録担当者は、注文書画面61および受注画面62の位置(どちらを左側に表示し、どちらを右側に表示するか)およびサイズを、任意に変更できる。注文書画面61に表示された設定保存ボタン61cを入力することによって、登録処理時における注文書画面61および受注画面62の位置およびサイズが記憶される。画面位置およびサイズの設定情報は、登録担当者に個別に割り当てられた担当者情報Aaに関連付けて受注登録管理サーバ4に記録される。いずれかの情報処理端末3を利用して登録担当者がログイン処理を行うことで、画面位置およびサイズの設定情報が読み出されて当該情報処理端末3において反映される。
【0047】
図2において、注文書画面61は、画像データ50の表示領域の他、種別選択ボタン61a、標識選択ボタン61b、設定保存ボタン61c、ガイド設定ボタン61d、終了ボタン61e、完了ボタン61fなどを含む。
【0048】
注文書画面61の種別選択ボタン61aは、注文書に記載された注文情報Rの種別の選択入力を受け付けるボタンである。受注される注文には、ケース状の段ボール商品の注文と、シート状の段ボール商品の注文とがある。ケース状の段ボール商品は、段ボールに必要な印字(会社名や梱包される商品名など)が施され、ケース状に組み立てられるように切り込みや折り曲げ線が付与された段ボールである。シート状の段ボール商品は、折り曲げ線の形成、カットが行われる前のシート状態の段ボールである。注文種別に応じて、入力すべき注文情報Rの内容(項目)が異なる。登録担当者が注文書からいずれの種別(ケース受注、シート受注)の注文であるかを判別し、種別選択ボタン61aで注文種別を選択入力すると、注文種別に応じた入力欄が受注画面62に表示される。
【0049】
登録担当者は、注文書の画像データ50を見ながら、注文書に記載された注文情報Rについて1件ずつ受注画面62に入力を行う。1件の注文情報Rの入力が完了すると、情報処理部33(図1参照)は、入力された注文情報Rを受注登録管理サーバ4(図1参照)に送信する。受注登録管理サーバ4は、受信した注文情報Rに受注番号Ab(図1参照)を割り当てて記録するとともに、割り当てた受注番号Abを情報処理部33に送信する。情報処理部33は、受注番号Abを受信すると、該当する注文情報Rに対応する注文書画面61の位置に、受注番号Abを表示(図4参照)して、その注文情報Rについての登録処理が完了したことを登録担当者に報知する。受注番号Abを表示すると、情報処理部33は、受注画面62をクリアして次の1件の注文情報Rの入力を受け付ける。図2の例では、1件目~8件目までの注文情報Rの入力が完了すると、その注文書に対する登録処理が完了する。全ての注文情報Rについて登録作業が完了した場合、登録担当者は、注文書画面61の完了ボタン61fを入力する。完了ボタン61fの入力を受け付けた情報処理部33は、注文書の画像データ50の登録処理が完了したことを受注登録管理サーバ4に通知し、受注登録データ41aに後述する未チェックフラグを付与して記録させる。なお、注文書の画像データ50の登録処理が完了する前に途中で登録作業を中断する場合、終了ボタン61eが入力されると、未チェックフラグが付与されることなく注文書画面61を閉じることができる。
【0050】
ここで、本実施形態では、情報処理部33(図1参照)は、図2に示したように、入力作業中の注文情報CRに対応する注文書画面61上の位置に、識別標識63を表示させる処理を行うように構成されている。識別標識63は、注文書画面61に表示された注文書の画像データ50上で、現在入力作業が行われている注文情報Rの記載位置を、登録担当者が視覚的に識別することを補助するためのガイド表示である。識別標識63は、注文書の画像データ50上に重畳させて表示される。以下、説明の便宜上、注文書の画像データ50に記載された注文情報Rのうち、入力作業中の注文情報を「注文情報CR」として異なる符号を付して区別する。
【0051】
識別標識63の表示形態は、特に限定されない。たとえば、識別標識63は、入力作業中の注文情報CRが記載された行を表すライン状または枠状の画像を含む。図2に示す例では、識別標識63が、入力作業中の注文情報CRが記載された行を表すライン状の画像(ガイドライン)である例を示す。すなわち、情報処理部33は、入力作業中の注文情報CRが記載された行の下側(入力作業中の注文情報CRが記載された行と、その下の行との間)に、注文情報CRが記載された行に沿って画像中の左右方向に延びるガイドラインを表示させる処理を行う。
【0052】
本実施形態では、情報処理部33は、識別標識63を、注文書の画像データ50に記載された画像情報に対して強調表示させる処理を行うように構成されている。強調表示は、たとえば、画像中の他の表示に対して表示色を異ならせることや、表示態様を動的に変化させることを含む。たとえば、FAX受信した注文書の画像データ50は、通常、白黒の画像データであるため、情報処理部33は、識別標識63を白色および黒色以外の色で表示する。識別標識63の表示色は、たとえば赤色である。図2では、便宜的に、識別標識63の表示色が異なることを、識別標識63にハッチングを付すことにより表現している。また、情報処理部33は、たとえば識別標識63を点滅させたり、時間経過に伴って色彩を変化させるなどの処理を行ってもよい。
【0053】
また、情報処理部33は、入力作業中の注文情報CRに対応する位置に識別標識63を表示させるとともに、注文書の画像データ50に含まれる非入力作業中の注文情報Rに対して識別標識63を非表示とする処理を行うように構成されている。すなわち、注文書の画像データ50に含まれる各注文情報R(各単位行)の各々に同時に識別標識63を表示させるのではなく、入力作業中の1つの注文情報CRに対してだけ識別標識63を表示させる。入力作業前の注文情報Rまたは入力作業済みの注文情報Rには、識別標識63は表示されない。
【0054】
さらに、図4に示すように、情報処理部33は、受注画面62において注文情報Rに含まれる入力項目に対する情報入力を受け付けると、注文書画面61における識別標識63に対応する位置に、入力された情報Tを表示させる処理を行うように構成されている。入力された情報Tは、注文書の画像データ50上に重畳させて表示(ポップアップ表示)される。識別標識63に対応する位置は、識別標識63の表示位置付近であって、入力作業中の注文情報CRの記載位置とは重ならない位置である。図4の例では、入力された情報Tが、識別標識63の下側で識別標識63と隣接する位置に表示される。より具体的には、情報処理部33は、注文書画面61の左右方向において、注文情報Rに含まれる入力項目の記載位置と同じ位置であって、識別標識63の下側となる位置に、入力された情報Tを表示させる処理を行うように構成されている。たとえば図4では、入力作業中の3件目の注文情報CRのうち、数量情報Rcである「300(枚)」が受注画面62(入力欄62c)において入力されたとき、画像データ50中の数量情報Rcの列と同じ左右位置で、かつ識別標識63の下側に隣接する位置(すなわち、入力された数量情報Rcの記載位置の直下の位置)に、入力された情報T(「300」)がテキストボックス形式で表示される。
【0055】
したがって、登録処理中、登録担当者が注文情報CRに含まれる商品情報Ra、納入先情報Rb、数量情報Rc、納期情報Rdおよび備考情報Reを1項目ずつ入力すると、情報処理部33は、それぞれの情報が入力されたタイミングで、それぞれの情報の記載位置の直下となる位置に、入力された情報Tをテキストボックス形式でポップアップ表示させる。
【0056】
注文情報CRに含まれる全ての項目の入力が完了し、登録担当者が1件の注文情報CRの入力を確定させると、上記の通り受注番号Abが割り当てられる。情報処理部33は、割り当てられた受注番号Abを、入力作業中の注文情報CRと同一の単位行の記載エリア外の位置に表示することにより、1件の注文情報CRの登録処理を完了させる。図4の例では、受注番号Abは、注文情報Rの記載エリア外の右端位置であるが、左端位置でもよい。
【0057】
情報処理部33は、受注画面62における1件の注文情報Rの登録が完了すると、注文書画面61における識別標識63の表示位置を次の行(次の単位行)に移動させる処理を行うように構成されている。たとえば最上行である1件目の注文情報Rの登録が完了し、受注番号Abの表示処理を行うと、情報処理部33は、識別標識63の表示位置を2件目(2行目)の注文情報Rの下側に移動させる。図4の例の場合、3件目(3行目)の注文情報CRの入力作業中の例を示しているので、次は4件目(4行目)の注文情報Rが入力作業中の注文情報CRとなって、4行目の注文情報Rの下側に識別標識63が移動される。
【0058】
以上のようにして、注文書画面61および受注画面62による注文情報Rの登録処理が行われる。
【0059】
(表示位置の決定方法)
ここで、注文書画面61において、識別標識63の表示位置を決定する方法について説明する。本実施形態では、情報処理部33は、注文書の画像データ50における注文情報Rの先頭行(1行目)の位置情報、および単位行の間隔の情報を予め取得し、取得した情報に基づいて、入力作業中の注文情報CRに対応する表示位置を決定し、識別標識63を表示させるように構成されている。
【0060】
情報処理部33は、図5に示すように、注文書の画像データ50における、1行目の注文情報Rの第1位置座標Q1の入力と、2行目の注文情報Rの第2位置座標Q2の入力とを、入力部32を介して受け付けるように構成されている。そして、情報処理部33は、受け付けた座標情報に基づいて、入力作業中の注文情報CRに対応する位置に識別標識63を表示させるように構成されている。
【0061】
図5は、位置座標入力画面64を示す。情報処理部33(図1参照)は、位置座標入力画面64において注文書の画像データ50を表示させ、入力部32(図1参照)を介して、1行目の注文情報Rに対して識別標識63を表示すべき位置の指定と、2行目の注文情報Rに対して識別標識63を表示すべき位置の指定と、を受け付ける。位置の指定は、登録担当者が、たとえば入力部32であるマウスを使用して、ポインタを指定位置に配置した状態でクリックを行うことにより、位置の指定が行われる。情報処理部33は、クリックされた1行目の指定位置の第1位置座標Q1と、クリックされた2行目の指定位置の第2位置座標Q2と、を取得する。なお、注文書の画像データ50の縦方向の位置座標をY座標とし、横方向の位置座標をX方向とすると、第1位置座標Q1および第2位置座標Q2は、Y座標値を特定できればよく、X座標値は任意である。情報処理部33は、取得された第1位置座標Q1および第2位置座標Q2に、それぞれ識別標識63を仮表示させる。
【0062】
位置座標入力画面64には、位置座標の微調整ボタン64aが表示されうる。情報処理部33は、仮表示させた識別標識63の位置に、上向きおよび下向きの微調整ボタン64aを表示させる。登録担当者が入力部32により微調整ボタン64aを入力(クリック)すると、情報処理部33は、指定された方向へ、識別標識63の表示位置を1ドットまたは数ドット単位で微小移動させる。
【0063】
また、位置座標入力画面64には、行数入力欄64bが表示される。登録担当者は、注文書に含まれる最大の行数(注文情報Rの最大件数)を数値入力する。情報処理部33は、行数入力欄64bへの入力値に基づき、識別標識63を表示させる際の最大行数を取得する。図5の例では、最大行数は10行である。
【0064】
このようにして、情報処理部33は、第1位置座標Q1に基づいて、注文書の画像データ50における注文情報Rの先頭行(1行目)の位置情報を取得する。情報処理部33は、第1位置座標Q1および第2位置座標Q2に基づいて、注文書の画像データ50における行間隔を取得する。情報処理部33は、2行目以降の注文情報Rの入力作業が行われる際に、識別標識63を行間隔分ずつ下方向に移動(オフセット)させることにより、各行の注文情報Rに対応した位置へ識別標識63を表示させる。
【0065】
なお、商品情報Ra、納入先情報Rb、数量情報Rc、納期情報Rdおよび備考情報Reを入力した際に、入力された情報T(図4参照)を表示する位置についても、識別標識63と同様に予め設定しておくことができる。この場合、情報処理部33は、図4に示した注文書画面61において、ガイド設定ボタン61dの入力操作に応じて、入力部32を介して、各入力項目の記載位置の指定を受け付ける。情報処理部33は、ポインタがクリックされた時のX座標置を、入力項目ごとに取得する。情報処理部33は、識別標識63のY座標値と、入力項目ごとのX座標値とに基づいて、入力された情報Tの表示位置の座標情報を取得できる。
【0066】
上述の通り、注文書の書式は決まっており、大多数の顧客は注文書のテンプレートに注文を入力するか、あるいはテンプレートに手書きで注文を記入することにより、注文書を作成する。顧客毎の注文書のバリエーションは、それほど多くなく、たとえば2~3種類、多くても5種類程度のパターンに特定しうる。そのため、本実施形態の段ボール用受注管理システム1(図1参照)は、顧客が利用するテンプレートの種類に応じて、複数の座標情報を予め登録し、選択可能に構成されている。たとえば図5の例では、形式登録欄64cにおいて、顧客毎に、形式1~3の3種類の座標情報を登録可能とした例を示している。登録された各座標情報は、注文者情報R1(顧客番号R11)と関連付けて受注登録管理サーバ4(図1参照)に記録される。
【0067】
情報処理部33(図1参照)は、図4に示したように、注文書画面61の標識選択ボタン61bにおいて、登録済みの座標情報のいずれを使用するかの選択を受け付け可能である。標識選択ボタン61bはプルダウンメニューの形式で表示され、登録担当者が登録済みの座標情報(たとえば形式1~3)のいずれかを選択することができる。情報処理部33は、選択された座標情報に基づいて、識別標識63の表示処理を行う。
【0068】
したがって、注文書画面61が表示されるとき、入力欄62gに予め表示された注文者情報R1(顧客番号R11)に関連付けられた座標情報が自動的に取得される。たとえば形式1~3のように座標情報が複数ある場合、初期設定として登録された所定の座標情報(たとえば形式1に登録された座標情報)が取得され、識別標識63の表示処理が行われる。自動取得された座標情報(形式1)が、注文書画面61を表示させた注文書の画像データ50の書式と一致していない場合に、登録担当者が、標識選択ボタン61bを操作することによって、注文書の画像データ50の書式と一致する座標情報が選択され、これにより識別標識63の表示が更新される。
【0069】
(受注データのチェック処理)
段ボール用受注管理システム1は、受注登録管理サーバ4に記憶された受注登録データ41aに対して、別のチェック担当者により受注内容のチェック作業を行うための機能を有している。すなわち、情報処理部33は、登録された注文情報Rの検証処理を実行するように構成されている。
【0070】
本実施形態では、段ボール用受注管理システム1には、複数種類の検証処理が予め設定されており、顧客、注文内容または選択入力などに応じて、実行される検証処理の種類を選択可能とされている。具体的には、段ボール用受注管理システム1は、注文情報Rの複数回入力による第1検証処理と、チェックマーク入力方式による第2検証処理と、を選択可能に構成されている。
【0071】
〈第1検証処理〉
第1検証処理は、同一の注文情報Rに対して、入力部32を介した複数回の登録処理を受け付け、受け付けた複数の登録内容を照合する処理である。
【0072】
図7に示すように、たとえば2回の登録処理を行う場合、第1の登録担当者により1つの注文書の画像データ50(図2参照)についての注文情報Rが入力された後、第1の登録担当者とは異なる第2の登録担当者が、同一の注文書の画像データ50についての注文情報Rの入力を別個に行う。それぞれの注文情報Rの入力は、同一または別個の情報処理端末3で行われる。受注登録管理サーバ4は、1回目の登録処理で受け付けた注文情報Rに基づいて作成した受注登録データ41aに未チェックフラグを付与して記録する。2回の登録処理によって入力された2種類の登録内容が完全に一致する場合には、受注登録管理サーバ4における受注登録データ41aの未チェックフラグがチェック完了フラグに書き換えられる。一方、2回の登録処理によって入力された2種類の登録内容に一致しない箇所がある場合、情報処理部33は、登録内容が一致しないことを示すエラー表示を行い、登録担当者に確認および修正を促す。修正により登録内容が完全一致した場合、上記のように受注登録データ41aの未チェックフラグがチェック完了フラグに変更される。
【0073】
第1検証処理が完了すると、注文請書画像70の作成が行われる。注文請書画像70は、注文書の画像データ50に基づいて作成される注文請書の画像である。情報処理部33は、図1に示したように、注文書の画像データ50に対して、その注文書の画像データ50に記載された全ての注文情報Rに対して、対応する受注番号Abが少なくとも書き込まれた注文請書画像70を作成して、受注登録管理サーバ4に記憶させる。
【0074】
具体的には、図8(A)に示すように、注文書の画像データ50を含む第1画像レイヤー51に、受注登録データ41aを含む第2画像レイヤー52を重ねることにより、注文請書画像70が作成される。第1画像レイヤー51は、注文書の画像データ50のみを含み、注文書の原本データが記録されたレイヤーである。
【0075】
情報処理部33(図1参照)は、注文書の画像データ50における文字を認識することにより、画像上での文字の位置座標(X座標値、Y座標値)を取得するように構成されている。また、情報処理部33は、注文書の画像データ50上の文字を認識することにより、注文書の画像データ50上の文字の記載領域の外側エリアである空白部も認識する。
【0076】
そして、情報処理部33(図1参照)は、図9に示すように、受注登録データ41aを第2画像レイヤー52にテキストデータとして書き込むように構成されている。具体的には、情報処理部33は、受注登録データ41aのうちの、担当者情報Aa(担当者名)、顧客番号R11および受注番号Abを、第2画像レイヤー52に書き込む。複数の受注番号Abは、それぞれの受注番号Abが割り当てられた注文情報Rと隣り合う位置(同一の行内)に配置される。なお、図9では、便宜的に、第1画像レイヤー51に記録された情報についても、破線で図示している。
【0077】
情報処理部33は、さらに、注文を受領した旨を示す受領情報52aをテキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。受領情報52aは、たとえば、「ご注文いただき誠にありがとうございました。」という文言である。また、情報処理部33は、「株式会社AAA」という社印のイメージデータ52bを第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。
【0078】
このように、情報処理部33は、図10に示すように、受注番号Abと、受領情報52aとを、注文書の画像データ50にテキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込んだ注文請書画像70を作成する。そして、情報処理部33は、注文請書画像70を注文請書画像70として、受注登録管理サーバ4(図1参照)の画像用データベース42に記憶させるように構成されている。
【0079】
なお、注文請書画像70において、第1画像レイヤー51と第2画像レイヤー52とは、ビューワーソフトウェアにより、重畳した状態で表示できるだけでなく、個別に表示可能である。図10の注文請書画像70において注文書の文字に担当者情報Aa、顧客番号R11および受注番号Abが重なっていたとしても、第2画像レイヤー52を一時的に非表示にして、第1画像レイヤー51の注文書(原本)の文字を確認可能である。
【0080】
〈第2検証処理〉
第2検証処理は、受注登録データ41aに基づいて作成された注文請書画像70に対して、チェック担当者がチェックを行い、チェックしたことを示すチェックマーク53a(図11参照)を注文請書画像70の別レイヤーに記録する処理である。そのため、第2検証処理が行われる場合、受注登録データ41aの検証が完了する前に、図10に示した注文請書画像70が仮作成される。
【0081】
第2検証処理では、情報処理部33は、図8(B)に示すように、第1画像レイヤー51および第2画像レイヤー52に加えて、注文請書画像70に対するチェックが行われたことを示すチェックマーク53aを含む第3画像レイヤー53を重ねるように構成されている。
【0082】
具体的には、情報処理部33は、登録担当者とは別のチェック担当者の入力を受け付けることにより、受注登録管理サーバ4から注文請書画像70を情報処理部33に送信させて、表示部31の注文書画面61に注文請書画像70を表示させ、対応する受注登録データ41aを受注画面62に表示させるように構成されている。
【0083】
そして、チェック担当者が、受注画面62に表示された受注登録データ41aと、注文請書画像70における記載内容とを比較することにより、受注登録データ41aのチェックを行う。情報処理部33は、図11に示すように、チェック担当者の第3画像レイヤー53上への入力受付(ポインタでのクリック)により、チェックに問題が無かった項目に対してチェックマーク53aを第3画像レイヤー53に書き込むように構成されている。情報処理部33は、注文請書画像70における各項目の上にチェックマーク53aを第3画像レイヤー53に書き込むように構成されている。また、情報処理部33は、チェック担当者の第3画像レイヤー53への入力受付により、チェック担当者の担当者情報53b(たとえば、名前)を第3画像レイヤー53に書き込むように構成されている。なお、受注登録データ41aにも、チェックを完了したことを書き込むためのチェックボックスが設けられてもよい。この場合、チェック担当者は、チェックに問題が無かった項目に対してチェックボックスにチェックを入力する。
【0084】
これにより、情報処理部33は、図8(B)に示すように、第3画像レイヤー53を含む注文請書画像70を作成する。なお、第3画像レイヤー53を非表示にすることにより、チェックマーク53aが非表示にされた注文請書画像70を取得することが可能である。第3画像レイヤー53に記入されるチェック項目は予め設定されている。全てのチェック項目にチェックマークが記入された注文請書画像70が作成されると、受注登録管理サーバ4は、登録用データベース41における受注登録データ41aの未チェックフラグをチェック完了フラグに書き換える。
【0085】
以上のようにして、受注登録データ41aの記録(注文情報Rの登録処理)が完了し、いずれかの検証処理が実行済みとなった場合、段ボール用受注管理システム1(図1参照)は、作成された注文請書画像70を、注文書を発送した顧客に対してFAX送信するように構成されている。すなわち、図1に示すように、受注登録管理サーバ4が、チェック完了フラグが記録された受注登録データ41aの注文請書画像70が存在する場合に、情報処理端末3を介して送信指示を取得すると、受注登録データ41aに記録された注文者情報R1に基づいて、顧客に対してFAX送信を行う。注文請書画像70が第3画像レイヤー53を含む場合、送信されるFAXデータでは第3画像レイヤー53が非表示とされる。
【0086】
(業務の流れ)
次に、図12を参照して、段ボール用受注管理システム1での業務の流れについて説明する。なお、以下では、第1検証処理を行うケースについて例示する。
【0087】
図12の業務W1において、登録担当者は、情報処理端末3から受注登録管理サーバ4にアクセスし、受信FAX一覧画面60(図6参照)を表示させ、未処理のFAXデータを選択する。
【0088】
図6に示した受信FAX一覧画面60は、受信FAXデータが選択可能に一覧表示されるデータ表示領域60aを含む。登録担当者は、データ表示領域60aにおいて、担当する顧客からの受信FAXデータの中から、未処理の1つのFAXデータを選択する。未処理のFAXデータは、受信FAXデータの「状態」カラム60eにおいて、未処理を示す「未」の表示がされる。なお、受注登録管理サーバ4では、いずれかの情報処理端末3において登録処理中のFAXデータは、登録処理中であることを示す「中」の表示がされ、他の情報処理端末3からのアクセスが制限される。そのため、同一の注文書に対して、別々の情報処理端末3により同時並行で登録処理が行われることが回避される。
【0089】
選択された未処理の注文書の画像データ50が画面中の画像表示領域60bに表示される。登録担当者は、表示された注文書の画像データ50についての登録処理を行う場合、「左へ拡大」または「右へ拡大」のいずれかの拡大表示ボタン60cを入力することで、登録処理を行う表示に遷移させる。「左へ拡大」の拡大表示ボタン60cを入力すると、図2に示したように表示領域の左側へ注文書画面61が配置され、注文書の画像データ50が拡大表示される。図示省略するが、「右へ拡大」の拡大表示ボタン60cを入力すると、表示領域の右側へ注文書画面61が配置され、注文書の画像データ50が拡大表示される。いずれの場合も、注文書画面61とは反対側にサイズを減少させた受注画面62が表示される。
【0090】
なお、受信FAX一覧画面60において、受注処理済みのFAXデータを選択して、フルサイズの受注画面62(図3参照)に遷移できる。フィルタ設定部60dにおいて、受信日に基づいてデータ表示領域60aに表示させる受信FAXデータの範囲を絞り込むフィルタリングが可能である。また、フィルタ設定部60dでは、「得意先」、「状態」、「受注日」、「受注番号」などの検索条件を入力して、検索条件に該当する受信FAXデータだけをデータ表示領域60aに表示させることができる。
【0091】
図12の業務W2において、登録担当者が、注文書画面61(図2参照)に表示された注文書の画像データ50に記載された注文情報Rの登録処理を行う。図2において、登録担当者は、入力部32(図1参照)を操作して、注文書画面61に表示される識別標識63により示された注文情報Rを1件(1行)ずつ入力する。注文書の画像データ50に記載された全ての注文情報Rの入力が完了し、全ての注文情報Rに対して受注番号Ab(図4参照)が割り当て表示されると、入力が完了する。登録用データベース41は、1回目の登録処理で受け付けた受注登録データ41aに未チェックフラグを付与して記録する。
【0092】
図12の業務W3および業務W4において、検証処理が行われる。すなわち、業務W2における第1の登録担当者とは別の第2の登録担当者(チェック担当者)が、登録内容について検証する業務を行う。
【0093】
業務W3において、第2の登録担当者は、情報処理端末3から受注登録管理サーバ4にアクセスし、受信FAX一覧画面60(図6参照)を表示させる。受信FAX一覧画面60において、担当する顧客からの受信FAXデータの中から、未チェックフラグが付与された1つのFAXデータを選択する。なお、未チェックフラグが付与されたFAXデータは、受信FAXデータの「状態」カラム60eにおいて、情報入力(登録処理)が完了しているがチェック(検証処理)がされていないことを示す「完」の表示がされる。
【0094】
選択された未チェックの注文書の画像データ50が画面中の表示領域に表示されると、第2の登録担当者は、いずれかの拡大表示ボタン60cを入力することで、登録処理を行う表示に遷移させる。そして、第2の登録担当者は、業務W4において検証処理を行う。第1検証処理が行われる場合、第2の登録担当者は、2回目の登録処理を行う。2回目の登録処理は、上記した業務W2と同様の登録処理である。
【0095】
検証処理において登録内容にエラーが存在する場合、業務W5において、第2の登録担当者(第1の登録担当者でもよい)は、入力した受注登録データ41aの確認および修正を行う。
【0096】
登録内容にエラーが存在しない場合、受注登録管理サーバ4により、受注登録データ41aの未チェックフラグがチェック完了フラグに変更される。受信FAX一覧画面60(図6参照)では、チェック完了フラグが付された受信FAXデータについては、「状態」カラム60eにおいて、チェックが終了したことを示す「終」の表示がされる。情報処理端末3(図1参照)は、注文書の画像データ50を記録した第1画像レイヤー51と、各注文情報Rに対して割り当てられた受注番号Ab、受領情報52aおよび社印のイメージデータ52bを記録した第2画像レイヤー52とを含んだ注文請書画像70を生成し、受注登録管理サーバ4に送信する。
【0097】
登録担当者は、作業W6において、受信FAX一覧画面60(図6参照)で「終」の表示がされた(チェック完了フラグが付された)受信FAXデータについて、注文請書画像70の送信指示を入力する。検証処理が完了し「終」の表示がされた受信FAXデータが複数件存在する場合、登録担当者は、それらの受信FAXデータを複数選択することで、注文請書画像70を一括で送信させる指示を行うことができる。また、登録担当者は、「終」の表示がされた受信FAXデータを個別に選択することで、選択された注文請書画像70にさらにコメントなどを追加した上で送信させる指示を行うことができる。受注登録管理サーバ4は、注文請書画像70を画像用データベース42に記憶し、情報処理端末3を介して送信指示を受信すると、指示内容に応じて注文請書画像70を顧客に対してFAX送信する。
【0098】
なお、第2検証処理が行われる場合、業務W4において、仮の注文請書画像70が生成され、チェック担当者によるチェック作業が実施され、全てのチェック項目に対するチェックマーク53aの入力が完了すると、受注登録管理サーバ4により、受注登録データ41aの未チェックフラグがチェック完了フラグに変更される。この場合、注文請書画像70に、チェックマーク53aや担当者情報53bが記録された第3画像レイヤー53が追加記録され画像用データベース42に記憶される。受注登録管理サーバ4は、情報処理端末3を介して受信した送信指示に応じて、第3画像レイヤー53を非表示化した注文請書画像70を顧客に対してFAX送信する。
【0099】
(注文情報の登録処理のフローチャート)
次に、図13を参照して、注文情報Rの登録処理における情報処理部33の処理の流れを説明する。注文情報Rの登録処理は、上記のように、受信FAX一覧画面60(図6参照)において、未処理のFAXデータを選択して拡大表示ボタン60cを入力することで、開始される。なお、段ボール用受注管理システム1の各部については、図1を参照するものとする。注文書画面61および受注画面62については、図2および図4を参照するものとする。
【0100】
図13のステップS1において、情報処理部33は、図2に示した注文書画面61および受注画面62を表示部31に並べて表示させる。この際、情報処理部33は、担当者情報Aaに関連付けて受注登録管理サーバ4に記録された画面位置およびサイズの設定情報に基づいて、登録担当者に対応した位置およびサイズで注文書画面61および受注画面62を表示させる。
【0101】
ステップS2において、情報処理部33は、種別選択ボタン61a(図2参照)の入力を受け付ける。情報処理部33は、ケース受注およびシート受注のうち、入力された受注種別に応じた入力欄を受注画面62に表示させる。
【0102】
ステップS3において、情報処理部33は、注文書画面61に識別標識63(図2参照)を表示させる。この際、情報処理部33は、登録済みの座標情報のうちから、初期設定として登録されている座標情報(たとえば、形式1)を受注登録管理サーバ4から取得して、1行目の注文情報Rに対応する位置に、識別標識63を表示させる。なお、識別標識63の表示位置が、注文書画面61に表示されている注文書の書式と一致しない場合、登録担当者は、注文書画面61の標識選択ボタン61b(図2参照)から、注文書の書式に対応した座標情報を選択する。情報処理部33は、選択された座標情報を受注登録管理サーバ4から取得して、注文書画面61における識別標識63を更新表示させる。座標情報の選択受け付けおよび識別標識63の更新表示の処理については、図13では省略する。
【0103】
ステップS4において、情報処理部33は、入力部32を介して、1件の注文情報Rの情報入力を受け付ける。この際、注文情報Rに含まれる各項目(商品情報Ra、納入先情報Rb、数量情報Rc、納期情報Rdおよび備考情報Re)への入力が行われる度に、情報処理部33は、識別標識63に対応する位置に、入力された情報T(図4参照)を表示させる処理を行う。
【0104】
1件の注文情報Rの情報入力が完了すると、ステップS5において、情報処理部33は、入力された1件の注文情報Rを受注登録管理サーバ4に送信するとともに、割り当てられた受注番号Abを受信する。情報処理部33は、注文書画面61において、入力された1件の注文情報Rの記載位置と隣り合う位置に、受信した受注番号Ab(図4参照)を表示する。これにより、1件の注文情報Rの登録作業が完了する。
【0105】
ステップS6において、情報処理部33は、注文書画面61における識別標識63を、次の単位行の位置へ移動させて表示させる。また、情報処理部33は、次の注文情報Rの入力を受け付けるように、受注画面62の各入力欄をクリアする。
【0106】
ステップS7において、情報処理部33は、注文書画面61に表示させた注文書の画像データ50についての注文登録処理を終了するか否かを判断する。情報処理部33は、注文書画面61における完了ボタン61f(図4参照)が入力された場合、注文登録処理を終了する。完了ボタン61fが入力されない場合、情報処理部33は、処理をステップS4に戻す。ステップS4~ステップS6が繰り返されることにより、注文書の各行に記載された注文情報Rの登録が1件ずつ順番に行われる。全ての注文情報Rの入力が完了し、登録担当者が完了ボタン61fを入力することにより、登録処理が完了する。情報処理部33は、受注登録管理サーバ4の登録用データベース41における受注登録データ41aに登録処理の完了を示す未チェックフラグを記録する制御を行う。受信FAX一覧画面60(図6参照)において、未チェックフラグが記録されFAXデータの「状態」カラム60eに「完」が表示される。
【0107】
(検証処理のフローチャート)
次に、図14を参照して、注文情報Rの検証処理における情報処理部33の処理の流れを説明する。注文情報Rの検証処理は、上記のように、受信FAX一覧画面60(図6参照)において、未チェックフラグが記録されたFAXデータを選択(「状態」カラム60eに「完」が表示された行を選択)して拡大表示ボタン60cを入力することで、開始される。段ボール用受注管理システム1の各部については、図1を参照し、注文書画面61および受注画面62については、図2および図4を参照する。
【0108】
図14のステップS11において、情報処理部33は、第1検証処理および第2検証処理のうち、いずれを行うかを選択する。たとえば注文者情報R1に応じて、検証処理が選択される。たとえばシート受注の場合には第1検証処理が選択されるなど、受注種別に応じて検証処理が選択される。たとえばチェック担当者の入力操作に応じて検証処理が選択される。
【0109】
第1検証処理を行う場合、ステップS12において、2回目の登録処理が行われる。登録処理の内容は、図13に示したステップS1~S7と同様であるので、説明を省略する。
【0110】
ステップS13において、情報処理部33は、1回目の登録処理により登録用データベース41に記録された受注登録データ41aと、2回目の登録処理により新たに入力された注文情報Rとを照合し、2回の登録処理によって入力された2種類の登録内容が完全に一致するか否かを判断する。
【0111】
2回の登録処理によって入力された2種類の登録内容が一致しない場合には、情報処理部33は、図14のステップS14において、エラー表示を行うとともに、入力情報の修正を受け付ける。修正を受け付けた後、情報処理部33は、ステップS13の判断を再度行う。
【0112】
ステップS13で2種類の登録内容が完全に一致した場合には、情報処理部33は、ステップS15において、受注登録管理サーバ4の登録用データベース41における受注登録データ41aの未チェックフラグをチェック完了フラグに書き換える制御を行う。これにより、第1検証処理が完了する。検証処理が終了したFAXデータは、受信FAX一覧画面60(図6参照)において、「状態」カラム60eの表示が「終」に変更される。
【0113】
一方、ステップS11において第2検証処理が選択された場合、情報処理部33は、ステップS21において、第1画像レイヤー51および第2画像レイヤー52を含む仮の注文請書画像70(図10参照)を表示部31の注文書画面61に表示させ、対応する受注登録データ41aを受注画面62に表示させる。
【0114】
ステップS22において、情報処理部33は、注文請書画像70に第3画像レイヤー53(図8参照)を作成し、注文書画面61上で、予め設定されたチェック項目に対するチェック入力を受け付ける。情報処理部33は、入力部32を介してチェック項目への入力を受け付けると、ステップS23において、注文書画面61に表示させた注文請書画像70(第3画像レイヤー53)上の入力位置に、チェックマーク53a(図11参照)を表示および記録する。
【0115】
ステップS24において、情報処理部33は、全てのチェック項目に対する入力が完了したか否かを判断する。未チェック項目が存在する場合、情報処理部33は、処理をステップS22に戻し、チェックマーク53aの入力を受け付ける。全てのチェック項目に対する入力が完了した場合、情報処理部33は、ステップS25において、注文請書画像70の第3画像レイヤー53に、チェック担当者の担当者情報53bを記録して、第3画像レイヤー53を含む注文請書画像70(図11参照)を作成(上書き)する。
【0116】
ステップS26において、情報処理部33は、受注登録管理サーバ4における受注登録データ41aの未チェックフラグをチェック完了フラグに書き換える制御を行う。これにより、第2検証処理が完了する。検証処理が終了したFAXデータは、受信FAX一覧画面60(図6参照)において、「状態」カラム60eの表示が「終」に変更される。
【0117】
なお、いずれかの検証処理が完了し、受注登録データ41aにチェック完了フラグが記録されると、受注登録管理サーバ4は、情報処理端末3からFAX送信指示を受信することにより、顧客に対して注文請書画像70の送信を行う。
【0118】
以上により、検証処理が行われる。
【0119】
(シート注文書の例)
上記した説明では、ケース注文書を例にした。図15を参照して、シート注文書について説明する。
【0120】
図15に示す注文書の画像データ50には、紙面上方かつ紙面左右方向の中央に「シート注文書」という記載が配置されている。注文書の画像データ50には、注文者情報R1(「XXX段ボール株式会社」)と、注文情報Rとが配置されている。
【0121】
図15の例では、注文情報Rは、商品情報Raとして、「フルート」、「紙質(ライナー)」、「紙質(中芯)」、「シート寸法」および「罫線」の各項目を含む。ケース注文書では、「商品番号」や「商品名」によって寸法や形状が特定されるのに対して、シート注文書では、「シート寸法」および「罫線」によって寸法や形状が注文毎に異なる。この「シート寸法」および「罫線」の受注内容にミスがあると、納品された段ボールシートからケースを製造できなくなるため、誤入力を防止する必要性が極めて高い。上記した第1検証処理をシート注文の場合に選択するように情報処理部33を構成することは、シート注文書におけるミスの抑制に効果的である。
【0122】
図15の例では、注文情報Rは、納入先情報Rbとして、「納入場所」の項目を含む。注文情報Rは、数量情報Rcとして、「枚数」の項目を含む。注文情報Rは、納期情報Rdとして、「納期」および「時間」の各項目を含む。また、注文情報Rは、発注番号情報Rf(「401703」)を含む。なお、図15では備考情報Reの項目を記載していないが、注文情報Rが備考情報Reを含んでいてもよい。シート注文書は、図2に示したケース注文書と比べて項目数が多いので、1件の注文情報Rが、たとえば上下2行に分かれて記載されていてもよい。この場合、シート注文書の画像データ50には、1件の注文情報Rが、2行を単位とする単位行毎に記載される。
【0123】
シート注文書の画像データ50は、たとえば上記のようなものである。図示は省略するが、図2の注文書画面61において、シート注文書の種別選択ボタン61aが入力された場合、受注画面62において、商品情報Raである「フルート」、「紙質(ライナー)」、「紙質(中芯)」、「シート寸法」および「罫線」の各入力欄、納入先情報Rbである「納入場所」の入力欄62b、数量情報Rcである「枚数」の入力欄62c、納期情報Rdである「納期」および「時間」の入力欄62d、発注番号情報Rfの入力欄62f、備考情報Reの入力欄62eが表示される。注文種別に応じて、商品情報Raの入力欄が異なる一方、納入先情報Rb、数量情報Rc、納期情報Rd、発注番号情報Rf、備考情報Reの各入力欄は共通で表示されうる。
【0124】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0125】
本実施形態では、上記のように、情報処理部33は、注文書の画像データ50を表示する注文書画面61と、入力内容を表示する受注画面62とを表示部31に表示させるとともに、入力作業中の注文情報CRに対応する注文書画面61上の位置に、識別標識63を表示させる処理を行う。これにより、注文書画面61に表示された注文書を見ながら登録担当者が入力作業(あるいはチェック作業)を行う際、識別標識63を目印にして、現在着目している注文情報Rの入力作業やチェック作業を行うことができる。識別標識63は、入力作業中の注文情報CRに対応する位置に表示されるので、登録担当者が入力作業中の注文情報CRを、注文書に記載された他の注文情報Rから容易かつ確実に区別できる。そのため、注文情報Rを見誤ることによる入力ミスや、誤入力情報の見逃しを効果的に抑制できる。この結果、受信した注文書の画像データ50に基づく注文情報Rの登録処理におけるヒューマンエラーを効果的に抑制することができる。
【0126】
また、段ボール業界では、IT化が遅れており、本願出願時点においても、FAX受信した紙の注文書を保存したり、確認を要する注文書を過去の1年分位の紙の山から探し出す作業が行われている。本実施形態の段ボール用受注管理システム1によれば、ペーパーレス化と共に、過去のデータの検索に要する時間短縮を図ることができる。また、全て受注管理に関わる一連の作業が情報処理端末3の画面上で操作できる為に、登録担当者のテレワークが可能である。
【0127】
また、本実施形態では、さらに、情報処理部33は、入力作業中の注文情報CRに対応する位置に識別標識63を表示させるとともに、注文書の画像データ50に含まれる非入力作業中の注文情報Rに対して識別標識63を非表示とする処理を行うように構成されている。このように構成すれば、入力作業中の注文情報CRに対応する位置にのみ識別標識63が表示されるので、同じような注文情報Rが複数記載されることのある注文書においても、入力作業中の注文情報CRを見誤ることなく認識できる。
【0128】
また、本実施形態では、さらに、注文書は、1件の注文情報Rが単位行ごとに表示される書式で作成されており、識別標識63は、入力作業中の注文情報CRが記載された行を表すライン状または枠状の画像を含む。このように構成すれば、単位行ごとに注文を処理する際に、入力作業中の行が識別標識63によって特定されるので、入力作業中の注文情報CRを容易かつ確実に認識できる。また、印字されたFAX用紙から注文内容を読み取って端末に入力を行っていた従来方式の作業においては、登録担当者が、FAX用紙の入力作業中の行(注文情報R)に定規を当てることで、誤読取を抑制することが広く行われていた。上記構成によれば、従来方式の作業において定規を当てることに類似したライン状または枠状の識別標識63が注文書画面61に表示されるので、従来方式の作業に慣れた登録担当者に対する親和性が高く、利便性を向上させることができる。
【0129】
また、本実施形態では、さらに、情報処理部33は、受注画面62における1件の注文情報Rの登録が完了すると、注文書画面61における識別標識63の表示位置を次の行に移動させる処理を行うように構成されている。このように構成すれば、1件の注文情報Rの登録が完了すると、識別標識63が自動的に次の行に移動するので、識別標識63を移動させるための入力作業が不要であり、登録担当者の作業負荷を効果的に抑制できる。
【0130】
また、本実施形態では、さらに、情報処理部33は、注文書の画像データ50における、1行目の注文情報Rの第1位置座標Q1の入力と、2行目の注文情報Rの第2位置座標Q2の入力とを、入力部32を介して受け付け、受け付けた座標情報に基づいて、入力作業中の注文情報CRに対応する位置に識別標識63を表示させるように構成されている。ここで、同一の顧客は、同一の書式の注文書を用いて発注を行うことから、注文書の1行目の位置に基づいて最初の注文情報Rの位置が特定される。そして、1行目の位置と2行目の位置との差分から行間隔を取得できる。最初の注文情報Rの位置と行間隔とに基づいて、3行目以降の任意の行の注文情報Rに対しても識別標識63を表示させることができる。以上の座標情報について、登録担当者が、予め注文書の1行目の位置と2行目の位置とを入力して登録しておくだけの簡単な作業で、受信した注文書の画像データ50における任意の行に対応する位置に識別標識63を表示させることができる。
【0131】
また、本実施形態では、さらに、情報処理部33は、受注画面62において注文情報Rに含まれる入力項目に対する情報入力を受け付けると、注文書画面61における識別標識63に対応する位置に、入力された情報Tを表示させる処理を行うように構成されている。このように構成すれば、受注画面62に入力した情報Tを識別標識63に対応する位置に表示させることにより、入力した情報Tと、注文書に記載されている情報とを直ちに見比べることができる。そのため、登録担当者は、注文情報Rの登録処理の最中に登録担当者が入力した情報Tが誤っていないかどうかを自然に確認することができるので、ヒューマンエラーをより一層効果的に抑制することができる。また、受注画面62と注文書画面61とを交互に見比べることなく、入力した情報Tを注文書画面61上でセルフチェックすることができるので、登録担当者の作業負荷を効果的に軽減できる。
【0132】
また、本実施形態では、さらに、情報処理部33は、登録された注文情報Rの検証処理を実行するように構成され、検証処理は、同一の注文情報Rに対して、入力部32を介した複数回の登録処理を受け付け、受け付けた複数の登録内容を照合する処理を含む。このように構成すれば、同一の注文情報Rに対して同一または複数の登録担当者が複数回にわたって登録処理を行い、登録内容を相互に照合することによって、入力ミスをより確実に発見できる。単に複数回のチェックを行うのではなく、登録処理自体を複数回行うことによって、チェック時の見逃しを抑制できる。
【0133】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0134】
たとえば、上記実施形態では、段ボール用受注管理システム1に、複数の情報処理端末3と、受注登録管理サーバ4とを設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。段ボール用受注管理システム1には、少なくとも1つの情報処理端末3が設けられていればよい。情報処理端末3とは別個の受注登録管理サーバ4を設けなくてもよい。たとえば小規模なユーザの場合、1つの情報処理端末3が受信部2と接続され、その情報処理端末3において登録用データベース41や画像用データベース42が構築されていてもよい。この構成では、情報処理端末3が上記した受注登録管理サーバ4と同等の処理をさらに行う。また、上記実施形態では、受信部2を情報処理端末3と別個に設けた例を示したが、情報処理端末3が受信部2を内蔵していてもよい。
【0135】
また、上記実施形態では、識別標識63を注文情報CRが記載された単位行に対するアンダーラインとして表示する例を示したが、本発明はこれに限られない。識別標識63は、注文情報CRが記載された単位行を囲む枠線であってもよい。識別標識63は、単位行の位置を指し示す矢印などの図形画像であってもよい。
【0136】
また、上記実施形態では、入力作業中の注文情報CRに対応する位置に識別標識63を表示させ、非入力作業中の注文情報Rに対して識別標識63を非表示とする例を示したが、本発明はこれに限られない。注文書の画像データ50に含まれる複数または全ての注文情報Rに対して識別標識63を表示させてもよい。さらに、全ての注文情報Rに対して識別標識63を表示させた上で、入力作業中の注文情報CRに対する識別標識63について色彩を変更する、ラインの太さを大きくするなど、入力作業中の注文情報CRに対する識別標識63の表示態様を他の識別標識63と異ならせてもよい。
【0137】
また、上記実施形態では、1件の注文情報Rの登録が完了すると、注文書画面61における識別標識63の表示位置を次の行に変更させる例を示したが、本発明はこれに限られない。全ての注文情報Rに対して識別標識63を表示しておくことで、識別標識63の表示位置を移動させないようにしてもよい。入力作業中の注文情報CRに対する識別標識63の表示態様を他の識別標識63と異ならせる場合、注文情報Rの登録が完了するたびに、表示態様を異ならせる識別標識63を変更してもよい。
【0138】
また、上記実施形態では、注文書は、1件の注文情報Rが単位行ごとに表示される書式で作成される例を示したが、本発明はこれに限られない。注文書において、注文情報Rが行列状に記載されていてもよい。たとえば単位行ごとに記載される注文情報Rが、左右2列に並んでいてもよい。識別標識63の表示位置は、位置座標入力画面64(図5参照)において列の位置(X座標値)を予め登録しておくことによって、行列形式でも適切に特定しうる。
【0139】
また、上記実施形態では、位置座標入力画面64(図5参照)において、1行目の注文情報Rの第1位置座標Q1の入力と、2行目の注文情報Rの第2位置座標Q2の入力とを受け付け、受け付けた座標情報に基づいて識別標識63の表示位置を特定する例を示したが、本発明はこれに限られない。座標情報の入力は、数値入力でもよい。情報処理部33は、注文書の画像データ50に対して画像認識処理を行うことによって、座標の入力を受け付けることなく座標情報を取得してもよい。
【0140】
また、上記実施形態では、受注画面62において注文情報Rに含まれる入力項目に対する情報入力を受け付けると、注文書画面61における識別標識63に対応する位置に、入力された情報Tを表示させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、入力された情報Tを表示させなくてもよい。
【0141】
また、上記実施形態では、検証処理は、同一の注文情報Rに対して、入力部32を介した複数回の登録処理を受け付け、受け付けた複数の登録内容を照合する第1検証処理を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。情報処理部33が検証処理を行わなくてもよい。情報処理部33が第1検証処理と第2検証処理とのいずれかを選択しなくてもよい。情報処理部33が第1検証処理だけを行うように構成されていてもよいし、情報処理部33が第2検証処理だけを行うように構成されていてもよい。反対に、検証処理は、第1検証処理および第2検証処理に加えて、別の第3検証処理をさらに含んでいてもよい。
【0142】
また、上記実施形態では、登録担当者の操作によって情報処理端末3から送信指示が受注登録管理サーバ4に送信されることにより、注文請書画像70を(手動で)顧客に送信する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、登録処理(検証処理)が完了した注文請書画像70を自動的に送信してもよい。注文請書画像70を電子メールで顧客に送信してもよい。
【0143】
また、上記実施形態では、情報処理端末3は、第1画像レイヤー51、第2画像レイヤー52および/または第3画像レイヤー53を重ねることにより注文請書画像70を作成するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、注文書の画像データ50に受注登録データ、受領情報を直接書き込んでもよい。第3画像レイヤー53に付与したチェックマーク53aについても、たとえば薄い色(半透過表示)など視認性を損なわない態様で注文書の画像データ50に直接書き込んでもよい。
【0144】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、情報処理部33の処理をフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、情報処理端末の処理動作を、イベントごとに処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0145】
1 段ボール用受注管理システム
2 受信部
3 情報処理端末
31 表示部
32 入力部
33 情報処理部
50 注文書の画像データ
61 注文書画面
62 受注画面
63 識別標識
R 注文情報
CR 入力作業中の注文情報
Q1 第1位置座標
Q2 第2位置座標
T 入力された情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15