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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055178
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】可搬式検査用コンテナ
(51)【国際特許分類】
   G21F 7/03 20060101AFI20220331BHJP
   G21F 7/015 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
G21F7/03
G21F7/015
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020162625
(22)【出願日】2020-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】520376683
【氏名又は名称】有限会社放名技研
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】江川 輝秀
(57)【要約】
【課題】 放射線を遮断できるだけなく、搬送可能であり、搬送先でクレームで吊るし上げて設置でき、感染拡大予防の機能を備えた可搬式検査用コンテナを提供する。
【解決手段】 ボックス本体11を構成する小ボックス本体の屋根の四隅に設けられたフックにロープを取り付け、クレーンで吊り上げ・下げできる構造にしたことから、搬送車両に載せて搬送し、搬送先で地面に載置することができる。撮影検査装置77が設置された撮影室85は、陰圧に保たれ、感染拡大予防機能を持つ。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ本体と、
前記コンテナ本体内に設けられ、放射線遮蔽板で囲まれ、撮影検査装置が配設される撮影室と、
前記撮影室への前記被検者が入る第1のドアと、
前記撮影室に隣接して前記コンテナ本体内に設けられ、前記撮影室内を操作者が見るための窓を備え、前記撮影検査装置を操作する操作者が使用する操作室と、
コンテナ本体の屋根付近設けられ、クレーンによって前記コンテナ本体を吊るし上げて地面に載置する際にロープを取り付けるフックと
を有する可搬式検査用コンテナ。
【請求項2】
前記撮影室内を陰圧にする空調装置
をさらに有する請求項1に記載の可搬式検査用コンテナ。
【請求項3】
前記撮影室に隣接し、前記コンテナ本体外部から被検者が入る第2のドアと、前記被検者が待機するスペースとを備えた前室
を前記コンテナ本体内にさらに有し、
前記第1のドアは、前記前室から前記撮影室に前記被検者が入るために用いられている
請求項2に記載の可搬式検査用コンテナ。
【請求項4】
前記コンテナ本体は、2つの小コンテナ本体を組み合わせて構成されている
請求項3に記載の可搬式検査用コンテナ。
【請求項5】
前記撮影室には、前記コンテナ本体外から前記撮影室に前記被検者が入る第3のドアが設けられている
請求項1または請求項2に記載の可搬式検査用コンテナ。
【請求項6】
前記撮影室には、前記コンテナ本体から前記被検者が出る第4のドアが設けられている
請求項1~5のいずれかに記載の可搬式検査用コンテナ。
【請求項7】
前記第3のドアは、撮影検査装置を出し入れ可能なサイズを有している
請求項6に記載の可搬式検査用コンテナ。
【請求項8】
前記コンテナ本体の外径は、縦×横×高=5800mm×4750mm×2800mmの前後約20%の範囲であり、
前室は、縦×横=2488mm×1360mmの前後約20%の範囲であり、
操作室は、縦×横=2058mm×1360mmの前後約20%の範囲であり、
撮影室は、縦×横=5478mm×3056mmの前後約20%の範囲である
請求項3に記載の可搬式検査用コンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療検査装置を収容する可搬式検査用コンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療現場では、CT、MR、PET(Positron Emission Tomography)等の放射線を伴う医療検査装置が用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、このような医療検査装置の設置スペース及び被爆対応ではない診療所等においても、利用したいという要請がある。
また、COVIT19等の感染拡大等に伴い、医療検査装置においても、感染予防対策をしたいという要請がある。
また、病院等で、医療検査装置を交換等する際に約1週間の設置工事期間を要するが、その間に臨時で使用できる設備があると便利である。
【0004】
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みてなされ、放射線の遮断機能を備え、搬送可能であり、搬送先でクレームで吊るし上げて設置できる可搬式検査用コンテナを提供することを目的とする。
また、本発明は、感染拡大予防の機能を備えた可搬式検査用コンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の可搬式検査用コンテナは、コンテナ本体と、前記コンテナ本体内に設けられ、放射線遮蔽板で囲まれ、撮影検査装置が配設される撮影室と、前記撮影室への前記被検者が入る第1のドアと、前記撮影室に隣接して前記コンテナ本体内に設けられ、前記撮影室内を操作者が見るための窓を備え、前記撮影検査装置を操作する操作者が使用する操作室と、コンテナ本体の屋根付近設けられ、クレーンによって前記コンテナ本体を吊るし上げて地面に載置する際にロープを取り付けるフックとを有する。
【0006】
好適には、前記撮影室内を陰圧にする空調装置をさらに有する。
【0007】
好適には、前記撮影室に隣接し、前記コンテナ本体外部から被検者が入る第2のドアと、前記被検者が待機するスペースとを備えた前室を前記コンテナ本体内にさらに有し、前記第1のドアは、前記前室から前記撮影室に前記被検者が入るために用いられている。
好適には、前記コンテナ本体は、2つの小コンテナ本体を組み合わせて構成されている。
【0008】
好適には、前記撮影室には、前記コンテナ本体外から前記撮影室に前記被検者が入る第3のドアが設けられている。
【0009】
好適には、前記撮影室には、前記コンテナ本体から前記被検者が出る第4のドアが設けられている。
【0010】
好適には、前記第3のドアは、撮影検査装置を出し入れ可能なサイズを有している。
【0011】
好適には、前記コンテナ本体の外径は、縦×横×高=5800mm×4750mm×2800mmの前後約20%の範囲であり、前室は、縦×横=2488mm×1360mmの前後約20%の範囲であり、操作室は、縦×横=2058mm×1360mmの前後約20%の範囲であり、撮影室は、縦×横=5478mm×3056mmの前後約20%の範囲である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、放射線の遮断機能を備え、搬送可能であり、搬送先でクレームで吊るし上げて設置できる可搬式検査用コンテナを提供することができる。
また、本発明によれば、感染拡大予防の機能を備えた可搬式検査用コンテナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は本発明の第1実施形態に係る可搬式検査用コンテナの正面図である。
図2図2は本発明の実施形態に係る可搬式検査用コンテナの背面図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る可搬式検査用コンテナの右側面である。
図4図4は本発明の実施形態に係る可搬式検査用コンテナの左側面である。
図5図5は本発明の実施形態に係る可搬式検査用コンテナの平面図である。
図6図6は、本発明の実施形態の可搬式検査用コンテナの内部の間取り図である。
図7図7は、本発明の第2実施形態の可搬式検査用コンテナの内部の間取り図である。
図8図8は、クレーンによってコンテナ本体を吊るし上げて地面に載置する工程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係る可搬式検査用コンテナについて説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の実施形態に係る可搬式検査用コンテナ1の正面図である。図2は本発明の実施形態に係る可搬式検査用コンテナ1の背面図である。図3は本発明の実施形態に係る可搬式検査用コンテナ1の右側面である。図4は本発明の実施形態に係る可搬式検査用コンテナ1の左側面である。図5は本発明の実施形態に係る可搬式検査用コンテナ1の平面図である。図6は、本発明の実施形態の可搬式検査用コンテナ1の内部の間取り図である。
【0015】
図1図6に示すように、可搬式検査用コンテナ1のボックス本体11はボックス型であり、可搬式である。
ボックス本体11は、図5及び図6に示す分割線Aで2つの小コンテナ本体に分割可能であり、搬送時には2つの小コンテナに分割して搬送され、設置場所において、図1図6に示すように、当該2つの小コンテナ本体を結合して組み合わせて構成されている。
図1に示すように、ボックス本体11の正面に位置する正面壁21には、後述する前室への入り口となる第2のドア23が設けられている。
図2に示すように、ボックス本体11の背面に位置する背面壁31には、後述する撮影室への出入りとなる第3のドア33が設けられている。
【0016】
図3に示すように、ボックス本体11の左側面壁41には窓は設けられていない。
図4に示すように、ボックス本体11の右側側面51には前室に設けられた窓53と、操作室に設けられた窓55とがある。
【0017】
図1図6に示すように、ボックス本体11の屋根61の四隅にはフック631,632,633,634が設けられている。また、図示はされないが、2つの小コンテナ本体の結合部分に、一方の小コンテナ本体に設けられたフックと、他方の小コンテナ本体に設けられたフックとがある。
ボックス本体11を設置する際に、各小コンテナ本体の屋根の四隅に設けられたフックにロープを取り付け、クレーン71で搬送車両から吊るし上げて地面に載置する。そして、2つの小コンテナ本体を結合してボックス本体11を形成する。
【0018】
図6に示すように、ボックス本体11内には、例えば、前室81、操作室83、撮影室85及び空調機械室87が設けられている。
【0019】
前室81は、撮影室85に隣接し、ボックス本体11外部から被検者が入る第2のドア23と、被検者が待機するスペースとを備えている・
【0020】
操作室83は、撮影室85に隣接してボックス本体11内に設けられ、撮影室85内を操作者が見るための窓を備え、撮影室85内の撮影検査装置77を操作する操作者が使用する。
【0021】
撮影室85は、放射線遮蔽板で囲まれ、撮影検査装置77が配設される。前室81と撮影室85との間には、前室81から撮影室85に被検者が入る第1のドアが設けられている。
【0022】
空調機械室87は、操作室83に隣接して設けられ、前室81及び撮影室85内を陰圧にする空調装置が収容されている。なお、空調機械室87は、撮影室85のみを陰圧にしてもよい。
空調機械室87は、差圧ダンバーいより、5-20Paに陰圧調整している。
可搬式検査用コンテナ1では、空調装置で前室81及び撮影室85内を陰圧にするため、室内の空気や空気感染する可能性のある細菌が外部に流出しないようにできる。そのため、万が一、被検者が感染症に感染していた場合でも、可搬式検査用コンテナ1の外部に菌が漏れることがなく、空気感染することはない。
【0023】
ボックス本体11の形状は、例えばプレハブ住宅の規格サイズである。
ボックス本体11の外径は、縦×横×高=5800mm×4750mm×2800mmであり、
前室81は、縦×横=2488mm×1360mmであり、
操作室83は、縦×横=2058mm×1360mmであり、
撮影室85は、縦×横=5478mm×3056mmである。
【0024】
ボックス本体11、前室81、操作室83及び撮影室85の上述したサイズは一例であり、例えば前後約20%の範囲で変更可能である。
【0025】
また、屋根61は、亜鉛メッキ鋼板である。
また、撮影室85の内装は、化粧ケイカル等が用いられる。
また、撮影室85を囲む放射線遮蔽板は鉛製である。
【0026】
以下、可搬式検査用コンテナ1の設置方法について説明する。
可搬式検査用コンテナ1は、設置場所とは異なる生産場所で製造される。
そして、搬送時に、ボックス本体11を形成する前の2つの小コンテナ本体の屋根の四隅に設けられたにロープが取り付けられ、クレーンで搬送車両から吊るし上げてトラックの荷台に載置され、固定される。
【0027】
そして、2つの小コンテナ本体は、トラックで設置場所まで搬送される。
当該設置場所において、小ボックス本体の屋根の四隅に設けられたフックにロープを取り付け、クレーンで搬送車両から吊るし上げて設置場所に載置される。そして、2つの小コンテナ本体が結合され、ボックス本体11となり、固定される。
そして、図6に示すように、第2のドア23の前に踊り場95とスロープ97が取り付けられる。
【0028】
以下、可搬式検査用コンテナ1を用いた検査について説明する。
図6に示すように、検査台に横たわった被検者が、スロープ97及び踊り場95を移動して第2のドア23を通って前室81に移動する。
そして、順番がくると、第2のドア23を開いて撮影室85内に移動し、撮影検査装置77による検査位置にセットされる。撮影検査装置77による検査前に、第2のドア23を閉じられる。
【0029】
操作室83にいる操作者が、窓越しに撮影室85内を見ながら、撮影検査装置77を操作して検査を行う。
【0030】
検査が終わると、被検者は、検査台から降り、第3のドア33からボックス本体11外に出る。
【0031】
以上説明したように、可搬式検査用コンテナ1によれば、ボックス本体11を構成する2つの小コンテナ本体の四隅に設けられたフックにロープを取り付け、クレーンで吊り上げ・下げできる構造にしたことから、搬送車両に載せて搬送し、搬送先で地面に載置することができる。
そのため、診療所内に撮影検査装置77を設置するスペースがなかったり、被爆防止機能がない場合でも、診療所の外の空きスペースに可搬式検査用コンテナ1を載置することで、撮影検査装置77を用いた検査を行うことができる。
【0032】
また、病院等で、医療検査装置を交換等する際に約1週間の設置工事期間を要するが、臨時で可搬式検査用コンテナ1を設置することで、設置工事期間でも撮影検査装置77を用いた検査を行うことができる。
【0033】
また、可搬式検査用コンテナ1によれば、空調機械室87に設けられた空調装置により、撮影室85等を陰圧にできるため、感染拡大防止効果を発揮できる。
【0034】
<第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態のボックス本体11内に設けられた部屋を説明すための図である。
図7に示すように、第2実施形態では、前室81が設けられていなく、ボックス本体11の外部との出入り口が撮影室85に設けられている。
被検者は、第2のドア123から撮影室85に入り、第3のドア133からボックス本体11外部に出る。
図8は、クレーンによってコンテナ本体11を吊るし上げて地面に載置する工程を説明するための図である。
図8に示すように、ボックス本体11を設置する際に、ボックス本体11の屋根61の四隅に設けられたフックにロープを取り付け、クレーン71で搬送車両から吊るし上げて地面に載置する。
【0035】
第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮できる。
【0036】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
例えば、可搬式検査用コンテナ1の形状、並びに可搬式検査用コンテナ1内の間取りは、上述したものには限定されない。
また、フック631,632,633,634の取り付け位置や数等は上述したものには限定されない。
【0037】
また、上述した実施形態では、可搬式検査用コンテナ1の全体が事前に組み立てられて搬送される場合を例示したが、一部を搬送先で組み込むような構成にしてもよい。
また、撮影検査装置77は搬送前にボックス本体11内に固定されてもよいし、搬送先でボックス本体11内に搬入されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、医療検査装置を収容する可搬式検査用コンテナの分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1…可搬式検査用コンテナ
21…正面壁
23…第2のドア
31…背面壁
33…第3のドア
41…左側面壁
51…右側側面
53、54…窓
61…屋根
631,632,633,634…フック
77…撮影検査装置
81…前室
83…操作室
85…撮影室

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8