(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055184
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】インクジェット印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/14 20060101AFI20220331BHJP
B41J 2/165 20060101ALI20220331BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
B41J2/14 501
B41J2/165 303
B41J2/14
B41J2/165 401
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020162632
(22)【出願日】2020-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】久保田 睦
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
【Fターム(参考)】
2C056EC23
2C056EC31
2C056JB04
2C056JB15
2C057AM40
(57)【要約】
【課題】インクジェット印刷装置において、インクジェットヘッドのノズル列の周囲からのインク排出性能を高める。
【解決手段】インクジェット印刷装置100は、インク(パージインクPI)を吐出するノズル列111a,112aを有するインクジェットヘッド111,112と、ノズル列111a,112aをワイプ方向D1にワイプするワイパ11とを備え、インクジェットヘッド111,112は、ノズル列111a,112aに隣接してワイプ方向D1に延びる溝C11~C13,C21~C23を有し、ワイプ方向Dに延びる溝C11~C13,C21~C23の少なくとも一部において、ワイプ方向D1に向かって幅W1,W2が徐々に狭くなっている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出するノズル列を有するインクジェットヘッドと、
前記ノズル列をワイプ方向にワイプするワイパとを備え、
前記インクジェットヘッドは、前記ノズル列に隣接して前記ワイプ方向に延びる溝を有し、
前記ワイプ方向に延びる前記溝の少なくとも一部において、前記ワイプ方向に向かって幅が徐々に狭くなっている
ことを特徴とするインクジェット印刷装置。
【請求項2】
前記溝の全体に亘って、前記ワイプ方向に向かって幅が徐々に狭くなっている
ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット印刷装置。
【請求項3】
前記インクジェットヘッドは、前記溝の前記ワイプ方向における先端が接続されたインク貯留部と、当該インク貯留部に配置され、インクを吸収するインク吸収体とを更に有する
ことを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット印刷装置。
【請求項4】
前記インクジェットヘッドは、前記溝に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、前記溝を流れる前記インク又は前記洗浄液を排出する廃液排出部とのうち少なくとも一方を更に有する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のインクジェット印刷装置。
【請求項5】
更に、前記ワイパのワイプ時に当該ワイパのワイプ速度を調整する速度調整部を有し、
前記速度調整部は、前記溝の幅に応じて前記ワイプ速度を調整し、前記溝が前記ワイプ方向に向かって幅が徐々に狭くなっている領域を、前記溝が前記ワイプ方向に向かって幅が徐々に狭くなっている領域以外よりも速い速度でワイプするように調整する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のインクジェット印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットヘッドをワイプするワイパを備えるインクジェット印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェット印刷装置において、インクジェットヘッドのノズル列からパージされたパージインクを、ワイパを用いてワイプする手法が知られている。また、ノズル列の周囲にインクを流す溝が形成されたインクジェットヘッドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、パージされたインクをワイプする際には、ノズル列が設けられたノズル面から掃けて溢れたインクが、ノズル面周囲の保護プレートやインクジェットヘッドの側面に付着することがある。また、ノズル列からインクが吐出される際に発生する浮遊ミストが、保護プレートなどに付着し、インク溜まりが発生することもある。
【0005】
このようにインクジェットヘッドに付着したインクが搬送の気流や振動などによって再びノズル面(ノズル列)に流入すると、吐出不良或いは用紙や搬送ベルトの汚れが引き起こされる。
【0006】
本発明の目的は、インクジェットヘッドのノズル列の周囲からのインク排出性能を高めることができるインクジェット印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様では、インクジェット印刷装置は、インクを吐出するノズル列を有するインクジェットヘッドと、前記ノズル列をワイプ方向にワイプするワイパとを備え、前記インクジェットヘッドは、前記ノズル列に隣接して前記ワイプ方向に延びる溝を有し、前記ワイプ方向に延びる前記溝の少なくとも一部において、前記ワイプ方向に向かって幅が徐々に狭くなっている。
【発明の効果】
【0008】
前記態様によれば、インクジェットヘッドのノズル列の周囲からのインク排出性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施の形態に係るインクジェット印刷装置を示す構成図である。
【
図2】一実施の形態に係るインクジェット印刷装置の主要な制御構成を示す図である。
【
図3】一実施の形態におけるワイプ位置にあるワイパ機構を示す正面図である。
【
図4】一実施の形態におけるワイパ機構を示す平面図である。
【
図6】一実施の形態におけるワイプ時のワイパを示す側面図である。
【
図7】一実施の形態におけるインクジェットヘッドを示す側面図である。
【
図8】一実施の形態におけるインクジェットヘッドを示す底面図である。
【
図9】一実施の形態における溝の幅を説明するための底面図である。
【
図10A】一実施の形態におけるワイプ時のパージインクの流れを説明するための底面図(その1)である。
【
図10B】一実施の形態におけるワイプ時のパージインクの流れを説明するための底面図(その2)である。
【
図10C】一実施の形態におけるワイプ時のパージインクの流れを説明するための底面図(その3)である。
【
図11】一実施の形態におけるインクジェットヘッドに付着したインクの流れを説明するための底面図である。
【
図12】一実施の形態の変形例におけるインクジェットヘッドを示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係るインクジェット印刷装置について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、一実施の形態に係るインクジェット印刷装置100を示す構成図である。
【0012】
図2は、インクジェット印刷装置100の主要な制御構成を示す図である。
【0013】
なお、
図1、及び後述する
図3~
図12に示す前後、上下、及び左右の各方向は、媒体の一例である用紙Pの印刷時における搬送方向を右方向、ワイパ11のワイプ方向を前方向とした場合の一例にすぎないが、例えば、前後方向及び左右方向が水平方向であり、上下方向が鉛直方向である。
【0014】
図1に示すように、インクジェット印刷装置100は、ワイパ機構1と、印刷部110と、吸着搬送部120と、外部給紙部130と、内部給紙部141~143と、搬送ローラ対151~155と、レジストローラ対156とを備える。なお、
図1には、外部給紙部130及び内部給紙部141~143から印刷部110へ続く搬送経路を太い実線で示す。
【0015】
また、
図2に示すように、インクジェット印刷装置100は、制御部161と、記憶部162と、操作パネル部163と、スキャナ164と、排紙部165とを備える。
【0016】
図1に示すように、印刷部110は、例えばライン型インクジェットヘッドである複数のインクジェットヘッド111を有する。インクジェットヘッド111の詳細については後述するが、
図4に示すように、インクジェットヘッド111は、用紙Pの搬送方向(右方向)に直交する主走査方向(前後方向)に沿って千鳥状に並べられた6個のインクジェットヘッド111が2組、計12個配置されている。すなわち、前後方向に沿って配列された1組のインクジェットヘッド111は、それぞれ左右方向における位置を交互にずらして配置されている。一例ではあるが、一方の組のインクジェットヘッド111は、2色(例えば、ブラック(K)及びシアン(C))のインクを吐出し、他方の組のインクジェットヘッド111は、上記一方の組とは異なる色の2色(例えば、マゼンタ(M)及びイエロー(Y))のインクを吐出する。なお、
図7から
図12は、簡略化のため1つのインクジェットヘッド111で1色のインクを吐出する場合の構造で説明する。
【0017】
図1に示すように、吸着搬送部120は、印刷部110に対向するように配置されている。搬送部120は、例えば用紙Pを吸着しながら、搬送ベルトによって用紙Pを搬送する。なお、吸着搬送部120は、
図1に示す印刷位置と、この印刷位置よりも下方の
図3に示すワイプ位置と、このワイプ位置よりも下方の図示しない待機位置とに移動可能であるとよい。また、
図1に示す印刷時におけるワイパ機構1は、印刷部110の下方から退避した位置にある。
【0018】
外部給紙部130及び内部給紙部141~143は、給紙トレイ131,141a,142a,143aと、スクレーパローラ132,141b,142b,143bと、ピックアップローラ133,141c,142c,143cとを有する。
【0019】
給紙トレイ131,141a,142a,143aには、複数の用紙Pが積載される。
【0020】
スクレーパローラ132,141b,142b,143bは、給紙トレイ131,141a,142a,143aに積載された複数の用紙Pのうち最上位に位置する用紙Pを繰り出して搬送する繰り出しローラである。
【0021】
ピックアップローラ133,141c,142c,143cは、スクレーパローラ132,141b,142b,143bによって繰り出された用紙Pを搬送する。
【0022】
搬送ローラ対151~155は、内部給紙部141~143からレジストローラ対156までの間の搬送経路に配置されている。
【0023】
レジストローラ対156には、外部給紙部130及び内部給紙部141~143から搬送される用紙Pが突き当てられる。これにより、用紙Pの斜行が修正される。
【0024】
図2に示す制御部161は、インクジェット印刷装置100全体の動作を制御する演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit)を有し、ワイパ駆動部40、印刷部110、吸着搬送部120等のインクジェット印刷装置100の各部の動作を制御する。なお、制御部161は、ワイパ駆動部40とともに、ワイパ11のワイプ時にワイパ11のワイプ速度を調整する速度調整部の一例として機能する。ワイプ速度の調整については後述する。
【0025】
記憶部162は、例えば、所定の制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、プロセッサが各種の制御プログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)、ハードディスク装置などである。
【0026】
操作パネル部163は、各種操作を行うための操作キー、タッチパネルや、各種情報を表示するディスプレイなどを有することでインクジェット印刷装置100の入力部及び表示部の一例として機能する。
【0027】
スキャナ164は、原稿から画像データを読み取る。
【0028】
排紙部165は、
図1には図示しないが、印刷部110によって印刷が行われた用紙Pが積載される排紙トレイと、この排紙トレイに用紙Pを排出する排出ローラとを有する。
【0029】
図3は、ワイプ位置にあるワイパ機構1を示す正面図である。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
図3~
図6に示す前後、上下、及び左右の各方向は、ワイパ機構1が
図3に示すように印刷部110と吸着搬送部120との間のワイプ位置にある状態の方向である。
【0034】
図4に示すように、ワイパ機構1は、ワイパユニット10と、2つのガイド部20と、インク受け部30と、ワイパ駆動部40とを備える。
【0035】
ワイパユニット10は、例えば4つのワイパ11と、これらのワイパ11を支持するワイパ支持部材12とを有する。
【0036】
上述のように、6個ずつ2組のインクジェットヘッド111が千鳥状に配置されていることによって、インクジェットヘッド111は、左右方向に計4列に並んでいる。そのため、4つのワイパ11のそれぞれが1列(3個)のインクジェットヘッド111のノズル面111b(後述する
図8参照)をワイプするために計4つ配置されている。
【0037】
ワイパ11は、インクジェットヘッド111よりも幅方向D2に大きく、
図5に示すようにワイパ支持部材12から上方に延出し、
図6に示すように湾曲した状態でワイプを行う。ワイパ11は、例えばワイパブレードである。また、ワイパ11は、インクジェットヘッド111との当接により弾性変形する弾性体である。ワイパ11は、ゴムなどの材料からなるとよい。
図5に示すように、ワイプ前のワイパ11の上端は、インクジェットヘッド111の底面よりも上方に位置する。これにより、ワイパ11は、ワイプ時に湾曲した状態でノズル面111bをワイプする。
【0038】
図4に示すように、ワイパ支持部材12には、4つのワイパ11が取り付けられている。また、
図4及び
図5に示すように、ワイパ支持部材12には、例えば、左右一対のネジ孔12a,12aが前後方向に貫通して設けられている。
【0039】
2つのガイド部20のそれぞれは、前後方向に延びる例えばネジ軸であり、ワイパ支持部材12のネジ孔12a,12aを貫通するように配置されている。そのため、ガイド部20が回転することによって、ワイパユニット10が前後方向に移動可能となる。
【0040】
インク受け部30は、
図6に示すパージインクPIなどのインクジェットヘッド111から紙粉や埃などとともに落下するインクを受ける。
【0041】
インク受け部30内のインクは、ワイパ機構1が
図1に示す退避位置において傾くことにより、
図4に示すインク受け部30の排出部30bから、図示はしないが、廃液経路を経て廃液収容部へ流れるとよい。インク受け部30は、例えば、上方に開口する直方体形状を呈する。そのため、インク受け部30の内部底面がインク受け面30aとなる。なお、インク受け部30は、ガイド部20の前端を回転可能に支持する。
【0042】
ワイパ駆動部40は、例えば2つのモータ41を有する。
【0043】
モータ41は、ワイパ11(ワイパユニット10)を駆動する駆動手段(アクチュエータ)の一例であり、例えば、ガイド部20に接着によって結合されている。モータ41は、ガイド部20を回転させることによって、上述のようにワイパユニット10を前後に移動させる。なお、単一のモータ41が、例えば駆動ベルトを回転させることによって、この駆動ベルト内のプーリを介して2つのガイド部20を回転させてもよい。或いは、単一のモータ41及び単一のガイド部20のみが配置され、この単一のガイド部20がワイパユニット10を前後方向に移動させてもよい。
【0044】
次に、インクジェットヘッド111について説明する。なお、
図7~
図11においては、
図5や
図6などよりもインクジェットヘッド111の各部を詳細に示す。
【0045】
図7は、インクジェットヘッド111を示す側面図である。
【0046】
図8は、インクジェットヘッド111を示す底面図である。
【0047】
図9は、溝C13の幅を説明するための底面図である。
【0048】
図7及び
図8に示すように、インクジェットヘッド111は、ノズル列111aと、ノズル面111bと、保護プレート111cと、取付部111d,111eと、インクポート111f,111gと、インク貯留部111h,111iと、インク吸収体111j,111kと、溝C11,C12,C13,C21,C22,C23とを有する。
【0049】
図8に示すノズル列111aは、インクジェットヘッド111の底面において前後方向に延び、インクを吐出する。
【0050】
ノズル面111bは、ノズル列111aの吐出口が設けられた面であり、例えばポリイミド樹脂によって形成されている。ノズル面111bは、上述のワイパ11によってワイプ方向D1にワイプされる。これにより、ノズル列111aもワイプされる。なお、ノズル面111bは、撥インク膜がコーティングされているとよい。
【0051】
保護プレート111cは、
図8に示すインクジェットヘッド111の底面と、
図7に示すインクジェットヘッド111の側面とに亘って設けられ、ノズル面111b(ノズル列111a)において開口する。なお、ノズル面111bは、保護プレート111cからわずかに上方に窪んだ位置に設けられている。保護プレート111cは、ノズル面111bと同様に、撥インク膜がコーティングされているとよい。
【0052】
図7に示す取付部111d,111eは、インクジェットヘッド111の前方及び後方に突出し、インクジェットヘッド111を図示しないヘッドホルダに取付けるために用いられる。
【0053】
インクポート111f,111gは、インクジェットヘッド111の上方に突出し、図示しないインクの循環経路に接続されている。
【0054】
インク貯留部111h,111iは、保護プレート111cにおいて、ノズル面111bの前後のそれぞれに上方に窪んで設けられている。ノズル面111bの前方のインク貯留部111hは、ワイプ方向D1に延びる溝C11~C13,C21~C23のワイプ方向D1における先端(前端)が、ワイプ方向D1に対して傾斜している傾斜部分(溝C11~C13,C21~C23に連続して設けられた溝)を介して接続され、ノズル面111bの後方のインク貯留部111iは、溝C11~C13,C21~C23のワイプ方向D1とは反対方向(後方)における端部(後端)が、ワイプ方向D1に対して傾斜している傾斜部分(溝C11~C13,C21~C23に連続して設けられた溝)を介して接続されている。
【0055】
インク吸収体111j,111kは、インク貯留部111h,111iに収容された例えばスポンジなどの多孔質部材であり、インクを吸収する。多孔質部材としては、スポンジのほか、紙、布なども挙げられる。
【0056】
なお、インク貯留部111h,111i及びインク吸収体111j,111kが省略され、後述する溝C11~C13,C21~C23を伝うインクがノズル列111aから離れた位置(例えば前端)でインクジェットヘッド111から落下する構成などが採用されてもよいが、インクジェットヘッド111の底面にインクが残るのを抑制するためには、インク貯留部111h,111i及びインク吸収体111j,111kが配置されることが望ましい。また、ワイパ11のワイプ方向D1におけるワイプ動作によってワイプ方向D1にインクが流れやすいため、特に、溝C11~C13,C21~C23のワイプ方向D1における先端に接続されたインク貯留部111h(インク吸収体111j)は配置されることが望ましい。
【0057】
溝C11~C13,C21~C23は、インクジェットヘッド111の底面の保護プレート111cにおいて、ノズル列111aに隣接してワイプ方向D1に延びる。また、溝C11~C13,C21~C23は、ノズル列111aを挟んだ左右両側のそれぞれに3つずつ互いに間隔を隔てて設けられている。溝C11~C13,C21~C23は、インクジェットヘッド111で使用されるインクが表面張力によって落下せず、且つ、インクが流れるように細かい幅や深さに形成されているとよい。なお、溝C11~C13,C21~C23は、インクジェットヘッド111の底面(例えば、ノズル面111bと保護プレート111cとを含む面)において、ノズル列111aを挟んだ左右両側の少なくとも片側において1つ以上設けられていればよい。そのため、保護プレート111cの配置が省略される場合には、溝C11~C13,C21~C23は、インクジェットヘッド111の保護プレート111c以外の底面に設けられればよい。
【0058】
図9に拡大して示すように、溝C13は、ワイプ方向D1における位置がノズル列111aと一致する対向領域Caよりも前後両側に長く、ノズル列111a(ワイプ方向D1)に平行に前後方向に延びる。なお、
図9では、溝C13以外の溝C11,C12,C21~C23の図示を省略し、ノズル面111bを2点鎖線で示す。
【0059】
また、溝C13のワイプ方向D1における先端(前端)及ワイプ方向D1とは反対方向における端部(後端)は、インク貯留部111h,111iに向かって前後方向に傾斜して延びる傾斜部分(溝)に接続されている。溝C13の後端の幅方向D2における幅W1は、溝C13の前端の幅方向D2における幅W2よりも広い。また、溝C13の全体に亘って、ワイプ方向D1に向かって幅が徐々に狭くなっている。そして、上述のように溝C13が対向領域Caよりも前後両側に長いため、溝C13は、対向領域Caの全体に限ってみても、ワイプ方向D1に向かって幅が徐々に狭くなっているといえる。なお、溝C13は、少なくとも一部において、ワイプ方向D1に向かって幅が徐々に狭くなっていればよいが(一部で幅が狭くなる場合、他の一部は幅が一定であるとよい)、望ましくは対向領域Caの少なくとも一部、より望ましくは対向領域Caの全体に亘って、ワイプ方向D1に向かって幅が徐々に狭くなっていることが望ましい。また、溝C13からインク貯留部111h,111iに向かって前後方向に傾斜して延びる傾斜部分は、インク貯留部111h,111iに向かって幅が徐々に狭くなっている。なお、
図9では、溝C13を例にして他の溝C11,C12,C21~C23の図示を省略しているが、他の溝C11,C12,C21~C23についても上述と同様のことがいえる。
【0060】
ところで、毛管力Pは、表面張力をσ、接触角をθ、毛細管半径をrとすると、「P=(2σ・cosθ)/r」の式で表される。そのため、溝C11~C13,C21~C23においてインクの排出性能を良好にするために毛管力Pを大きくするには、幅を狭くすることで毛細管半径rを小さくすることが望ましい。そのため、一例ではあるが、溝C11~C13,C21~C23の幅は、すべての位置で1mm未満の十分に狭い幅に設定されるとよい。
【0061】
また、溝C11~C13,C21~C23は、表面加工、表面コーティングなどの公知の手法によって親インク処理が施されているとよい。
【0062】
次に、ワイパ11を用いたワイプ動作について説明する。なお、このワイプ動作は、例えば、所定の印刷枚数ごと若しくは経過時間ごとに、又は
図2に示す操作パネル部163におけるユーザの操作に基づいて、行われるとよい。
【0063】
図10A~
図10Cは、ワイプ時のパージインクPIの流れを説明するための底面図である。
【0064】
まず、ワイパ11がインクジェットヘッド111のノズル列111a(ノズル面111b)をワイプする前に、
図3に示すように、吸着搬送部120が
図1に示す印刷位置よりも下方に移動し、ワイパ機構1が印刷部110と吸着搬送部120との間に移動する。また、インクジェットヘッド111は、ノズル列111aから
図6に示すようにパージインクPIを吐出する。これにより、ノズル列111aから吐出されたパージインクPIが複数箇所に集まって点在する。なお、
図10A~
図10Cではワイプされた後のパージインクPIのみ図示する。
【0065】
その後、
図10Aに示すように、ワイパ11がワイプ方向D1に移動する。これにより、ワイプされたパージインクPIは、紙粉や埃などとともにワイパ11を伝って、上述の
図4及び
図5に示すインク受け部30のインク受け面30aに重力方向に落下する。また、ワイプされたパージインクPIは、太線で示すように、毛細管現象で溝C11~C13,C21~C23に沿ってワイプ方向D1に流れる。このワイパ11のワイプ時において、パージインクPIは、溝C11~C13,C21~C23の少なくとも一部、望ましくは対向領域Caの少なくとも一部において、ワイパ11のワイプ速度よりも速い速度でインクが流れるとよい。インクが流れる速度は、インクの成分、溝C11~C13,C21~C23の親インク性などにもよるが、溝C11~C13,C21~C23の幅を十分に狭くすることによってワイプ速度よりも速い速度を実現するとよい。
【0066】
また、速度調整部の一例である上述の制御部161及びワイパ駆動部40は、例えばワイプ動作を早く完了させるために、溝C11~C13,C21~C23の幅に応じてワイプ速度を調整し、溝C11~C13,C21~C23がワイプ方向D1に向かって幅が徐々に狭くなっている領域(
図8の例では溝C11~C13,C21~C23の全体)を、ワイプ方向D1に向かって溝C11~C13,C21~C23の幅が徐々に狭くなっている領域以外(
図8の例では溝C11~C13,C21~C23以外の領域)よりも速い速度でワイプするように調整するとよい。
【0067】
図10Bに示すように、ワイパ11によって掻き取られたパージインクPIは、溝C11~C13,C21~C23を伝ってワイプ方向D1にインク貯留部111h(パージインクPIを吸収していることを表すためにインク吸収体111jを黒く図示)に流れる。また、ワイパ11によって掻き取られなかったパージインクPIも、ワイパ11に追従するように溝C11~C13,C21~C23を伝ってワイプ方向D1にインク貯留部111hに流れる。なお、
図10Aに示すように、ワイパ11によって掻き取られなかったパージインクPIの一部は、ワイプ方向D1とは反対方向(後方)に溝C11~C13,C21~C23を伝ってインク貯留部111i(パージインクPIを吸収していることを表すためにインク吸収体111kを黒く図示)に流れる。
【0068】
その後、
図10Cに示すように、ワイパ11によるノズル面111bのワイプが終了すると、溝C11~C13,C21~C23内のパージインクPIは、すべてインク貯留部111h,111i(インク吸収体111j,111k)に流れる。もし、パージインクPIがわずかに残っていたとしても、インクの表面張力で溝C11~C13,C21~C23内に留まるため、ノズル面111bに流入することは無い。
【0069】
ワイパ11がすべてのインクジェットヘッド111のノズル面111bをワイプした後には、インクジェットヘッド111がピエゾ素子を駆動させて各ノズルからインクを吐出させるフラッシング動作により、ノズルでのインクの混色を改善することが可能である。その後、
図3に示す吸着搬送部120が下方に移動し、ワイパ機構1が
図1に示す退避位置に移動する。この退避位置においては、ワイパ11がワイプ方向D1の後方に戻っていることが望ましい。吸着搬送部120は、印刷が行われる場合には印刷部110に近接する位置まで上昇し、印刷が行われない場合には更に下方の待機位置へ移動する。
【0070】
次に、インクジェットヘッド111に付着したインクの流れについて説明する。
【0071】
図11は、インクジェットヘッド111に付着したインクIKの流れを説明するための底面図である。
【0072】
図11に示すように、ワイパ11がワイプ動作を行っている場合に限らず、インクIKがインクジェットヘッド111に付着することがある。例えば、ワイパ11のワイプ後にワイパ11によって掻き取られずにインクジェットヘッド111の側面に付着したインクがインクジェットヘッド111の底面に伝ってくる場合や、ノズル列111aからインクIKが吐出される際に発生する浮遊ミストがインクジェットヘッド111の底面に付着し、インク溜まりが発生する場合がある。このようにインクジェットヘッド111に付着したインクIKは、用紙Pの搬送気流やインクジェット印刷装置100の振動などによってノズル列111aに流入するおそれがある。
【0073】
しかしながら、本実施の形態では、インクジェットヘッド111のノズル列111aを挟んだ左右両側のそれぞれに溝C11~C13,C21~C23が設けられているため、インクIKは、溝C11~C13,C21~C23によってせき止められることでノズル列111aに流入せず、且つ、溝C22,C23を伝ってインク貯留部111h(インク吸収体111j)に流れる。
【0074】
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
【0075】
図12は、本実施の形態の変形例におけるインクジェットヘッド112を示す底面図である。
【0076】
本変形例におけるインクジェットヘッド112は、
図7及び
図8に示す上述のインクジェットヘッド111と同様に、ノズル列112aと、ノズル面112bと、保護プレート112cと、取付部112d,112eと、インク貯留部112h,112iと、インク吸収体112j,112kと、溝C11~C13,C21~C23とを有する。なお、
図12には表れないが、インクジェットヘッド112は、インクジェットヘッド111のインクポート111f,111gと同様のインクポートを有する。
【0077】
また、インクジェットヘッド112は、更に、洗浄液供給路112Lと、洗浄液供給ポンプ112mと、廃液排出路112nと、廃液排出ポンプ112oとを有する。
【0078】
洗浄液供給路112L及び洗浄液供給ポンプ112mは、溝C11~C13,C21~C23に洗浄液を供給する洗浄液供給部の一例である。例えば、洗浄液供給路112Lは、インク貯留部112iに接続され、インクジェットヘッド112の上方に延びるダクトである。洗浄液供給ポンプ112mは、図示しない洗浄液供給タンクから洗浄液供給路112Lに洗浄液を供給する。なお、洗浄液は、溝C11~C13,C21~C23に溜まったインク(特に、油性インクよりも固着しやすい水性インク)の排出を促すものであればよいため、溝C11~C13,C21~C23からインクを剥離させる成分を有する液体のほか、水性インクの場合は、水などであってもよい。
【0079】
廃液排出路112n及び廃液排出ポンプ112oは、溝C11~C13,C21~C23を流れるインク又は洗浄液を排出する廃液排出部の一例である。例えば、廃液排出路112nは、インク貯留部112h(インク吸収体112j)に接続され、インクジェットヘッド112の上方に延びるダクトである。廃液排出ポンプ112oは、廃液排出路112nを介してインク貯留部112h(インク吸収体112j)から図示しない廃液タンクに廃液を排出する。なお、廃液排出路112n及び廃液排出ポンプ112oによって廃液を排出することができるため、インク吸収体112jが省略されてもよい。
【0080】
本変形例においては、洗浄液供給路112L及び洗浄液供給ポンプ112mが所定のタイミング(例えば、ワイプ動作後、所定の印刷枚数ごと、或いは経過時間ごと)又は
図2に示す操作パネル部163におけるユーザの操作に基づいて、洗浄液を供給する。この洗浄液は、インクジェットヘッド112から落下せずに、溝C11~C13,C21~C23を伝ってインク貯留部112h(インク吸収体112j)に流れる程度の量で供給されるとよい。
【0081】
なお、洗浄液供給路112L及び洗浄液供給ポンプ112mが配置されない場合には、ユーザは、例えば、ワイパ11のワイプ動作後に不織布などで溝C11~C13,C21~C23に溜まったインクを拭き取るとよい。
【0082】
また、洗浄液供給路112L及び洗浄液供給ポンプ112mが配置されない場合にも、廃液排出路112n及び廃液排出ポンプ112oが配置されていることによって、上述のワイパ11によるワイプ動作後にインク貯留部112h(インク吸収体112j)に貯留されたパージインクを排出することができる。
【0083】
また、洗浄液供給路112L及び洗浄液供給ポンプ112mが供給する洗浄液は、インク貯留部112h(インク吸収体112j)に貯留することができるため、廃液排出路112n及び廃液排出ポンプ112oを省略することも可能である。
【0084】
このように、インクジェットヘッド112は、洗浄液供給路112L及び洗浄液供給ポンプ112mを一例とする洗浄液供給部と、廃液排出路112n及び廃液排出ポンプ112oを一例とする廃液排出部とのうち少なくとも一方を有するとよい。
【0085】
以上説明した本実施の形態では、インクジェット印刷装置100は、インクIKを吐出するノズル列111a,112aを有するインクジェットヘッド111,112と、ノズル列111a,112aをワイプ方向D1にワイプするワイパ11とを備える。インクジェットヘッド111は、ノズル列111aに隣接してワイプ方向D1に延びる溝C11~C13,C21~C23を有する。ワイプ方向D1に延びる溝C11~C13,C21~C23の少なくとも一部において、ワイプ方向D1に向かって幅が徐々に狭くなっている。
【0086】
これにより、ワイパ11がワイプ動作を行っている際に、ワイパ11によって掻き取られたインクIK(パージインクPI)を、毛管力Pによって、溝C11~C13,C21~C23の幅が徐々に狭くなるワイプ方向D1に速く、溝C11~C13,C21~C23に伝わせて逃がすことができる。そのため、ワイパ11によって掻き取られたインクIKが、ノズル面111b,112b周囲の保護プレート111c,112cやインクジェットヘッド111,112の側面に付着し、搬送の気流や振動などによって再びノズル面111b,112b(ノズル列111a,112a)に流入するのを抑制することができる。また、溝C11~C13,C21~C23がインクジェットヘッド111の側面から流入するインクIKをせき止めることによって、インクIKがノズル列111aに流入するのを抑制することもできる。よって、本実施の形態によれば、インクジェットヘッド111,112のノズル列111a,112aの周囲からのインクIKの排出性能を高めることができる。これにより、インクジェットヘッド111,112の吐出不良或いは用紙Pや吸着搬送部120の搬送ベルトの汚れが引き起こされるのを防止することもできる。
【0087】
また、本実施の形態では、溝C11~C13,C21~C23の全体に亘って、ワイプ方向D1に向かって幅が徐々に狭くなっている。
【0088】
これにより、一部のみで溝C11~C13,C21~C23の幅が徐々に狭くなっている態様と比較して、毛管力Pによってワイプ方向D1により一層速く、ワイパ11によって掻き取られたインクIKを溝C11~C13,C21~C23に伝わせてワイプ方向D1に逃がすことができる。
【0089】
また、本実施の形態では、インクジェットヘッド111,112は、溝C11~C13,C21~C23のワイプ方向D1における先端が接続されたインク貯留部111h,112hと、このインク貯留部111h,112hに配置され、インクIKを吸収するインク吸収体111j,112jとを更に有する。
【0090】
これにより、溝C11~C13,C21~C23を伝うインクIKがインクジェットヘッド111,112の底面にとどまってノズル面111b,112bに再び流入するのを抑制することができる。
【0091】
また、本実施の形態では、インクジェット印刷装置100は、更に、ワイパ11のワイプ時にワイパ11のワイプ速度を調整する速度調整部(例えば、制御部161及びワイパ駆動部40)を有し、この速度調整部は、溝C11~C13,C21~C23の幅に応じてワイプ速度を調整し、溝C11~C13,C21~C23がワイプ方向D1に向かって幅が徐々に狭くなっている領域を、溝C11~C13,C21~C23がワイプ方向D1に向かって幅が徐々に狭くなっている領域以外よりも速い速度でワイプするように調整する。
【0092】
これにより、溝C11~C13,C21~C23においてワイプ速度を速めることで、ワイプ動作を早く完了させることができる。したがって、生産性を向上させることができる。
【0093】
また、本実施の形態では、溝C11~C13,C21~C23は、少なくとも一部において、ワイパ11のワイプ時にワイパ11のワイプ速度よりも速い速度でインクIKが流れる。
【0094】
これにより、ワイパ11によって掻き取られたインクIKを、ワイパ11よりも速く溝C11~C13,C21~C23に伝わせることができるため、ワイパ11によって掻き取られたインクIKをワイプする生産性を向上させることができる。
【0095】
また、本実施の形態の変形例では、インクジェットヘッド112は、溝C11~C13,C21~C23に洗浄液を供給する洗浄液供給部の一例である洗浄液供給路112L及び洗浄液供給ポンプ112mと、溝C11~C13,C21~C23を流れるインクIK又は洗浄液を排出する廃液排出部の一例である廃液排出路112n及び廃液排出ポンプ112oとのうち少なくとも一方を更に有する。
【0096】
そのため、洗浄液供給路112L及び洗浄液供給ポンプ112mが供給する洗浄液によって、溝C11~C13,C21~C23に溜まったインクの排出を促すことができる。これにより、インクが溝C11~C13,C21~C23を伝いやすくなり、インクをより確実に排出することができる。更には、特に、インクジェットヘッド112が複数配置されるライン型インクジェットヘッドなどの場合に、ユーザの手を煩わせずに容易に洗浄を行うことができる。また、廃液排出路112n及び廃液排出ポンプ112oが廃液を排出することによって、例えばインク吸収体112jに吸収されたインクIKを排出することができるため、溝C11~C13,C21~C23を伝うインクIKがインク貯留部112hにとどまることでノズル面112bに再び流入するのを抑制することができる。更には、インク吸収体112jの交換頻度を下げることもできる。
【0097】
なお、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0098】
[付記1]
インクを吐出するノズル列を有するインクジェットヘッドと、
前記ノズル列をワイプ方向にワイプするワイパとを備え、
前記インクジェットヘッドは、前記ノズル列に隣接して前記ワイプ方向に延びる溝を有し、
前記ワイプ方向に延びる前記溝の少なくとも一部において、前記ワイプ方向に向かって幅が徐々に狭くなっている
ことを特徴とするインクジェット印刷装置。
【0099】
[付記2]
前記溝の全体に亘って、前記ワイプ方向に向かって幅が徐々に狭くなっている
ことを特徴とする付記1記載のインクジェット印刷装置。
【0100】
[付記3]
前記インクジェットヘッドは、前記溝の前記ワイプ方向における先端が接続されたインク貯留部と、当該インク貯留部に配置され、インクを吸収するインク吸収体とを更に有する
ことを特徴とする付記1又は2記載のインクジェット印刷装置。
【0101】
[付記4]
前記インクジェットヘッドは、前記溝に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、前記溝を流れる前記インク又は前記洗浄液を排出する廃液排出部とのうち少なくとも一方を更に有する
ことを特徴とする付記1から3のいずれか記載のインクジェット印刷装置。
【0102】
[付記5]
更に、前記ワイパのワイプ時に当該ワイパのワイプ速度を調整する速度調整部を有し、
前記速度調整部は、前記溝の幅に応じて前記ワイプ速度を調整し、前記溝が前記ワイプ方向に向かって幅が徐々に狭くなっている領域を、前記溝が前記ワイプ方向に向かって幅が徐々に狭くなっている領域以外よりも速い速度でワイプするように調整する
ことを特徴とする付記1から4のいずれか記載のインクジェット印刷装置。
【符号の説明】
【0103】
1 ワイパ機構
10 ワイパユニット
11 ワイパ
12 ワイパ支持部材
12a ネジ孔
20 ガイド部
30 インク受け部
30a インク受け面
30b 排出部
40 ワイパ駆動部
41 モータ
100 インクジェット印刷装置
110 印刷部
111 インクジェットヘッド
111a ノズル列
111b ノズル面
111c 保護プレート
111d,111e 取付部
111f,111g インクポート
111h,111i インク貯留部
111j,111k インク吸収体
112 インクジェットヘッド
112a ノズル列
112b ノズル面
112c 保護プレート
112d,112e 取付部
112h,112i インク貯留部
112j,112k インク吸収体
112L 洗浄液供給路
112m 洗浄液供給ポンプ
112n 廃液排出路
112o 廃液排出ポンプ
120 吸着搬送部
130 外部給紙部
131 給紙トレイ
132 スクレーパローラ
133 ピックアップローラ
141,142,143 内部給紙部
141a,142a,143a 給紙トレイ
141b,142b,143b スクレーパローラ
141c,142c,143c ピックアップローラ
151~155 搬送ローラ対
156 レジストローラ対
161 制御部
162 記憶部
163 操作パネル部
164 スキャナ
165 排紙部
C11~C13,C21~C23 溝
Ca 対向領域
D1 ワイプ方向
D2 幅方向
IK インク
P 用紙
PI パージインク
W1,W2 幅