(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055189
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】高所落下防止装置
(51)【国際特許分類】
A62B 35/00 20060101AFI20220331BHJP
【FI】
A62B35/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020162640
(22)【出願日】2020-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】520376719
【氏名又は名称】福光運輸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】秋元 正行
【テーマコード(参考)】
2E184
【Fターム(参考)】
2E184JA01
2E184KA11
2E184LA03
(57)【要約】
【課題】トラック荷台、特にルーフパネル上での荷役作業中おける労働安全規則に準じる安全対策措置として、簡単な構造によって高所作業における安全を確保することができるコンパクトで強靭な転落防止装置を提供することを目的とする。
【解決手段】運送車両(2)のルーフパネル(11)等での高所作業における落下を防止する高所落下防止装置(1)であって、運送車両(2)の車輪を上面に乗り上げることで固定する踏み板(4)と、前記踏み板(4)から立設した主支柱(5)を備え、前記主支柱(5)は上方に向けて伸縮移動可能で所定の高さに固定可能な昇降支柱を有し、前記昇降支柱の上端側に安全ブロック(20)を有していることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運送車両(2)のルーフパネル(11)等での高所作業における落下を防止する高所落下防止装置(1)であって、
運送車両(2)の車輪を上面に乗り上げることで固定する踏み板(4)と、前記踏み板(4)から立設した主支柱(5)を備え、
前記主支柱(5)は上方に向けて伸縮移動可能で所定の高さに固定可能な昇降支柱を有し、前記昇降支柱の上端側に安全ブロック(20)を有していることを特徴とする高所落下防止装置。
【請求項2】
前記安全ブロック(20)は引き出し可能なワイヤーロープ(23)を有し、前記ワイヤロープ(23)の先端にフック(22)を有していることを特徴とする請求項1に記載の高所落下防止装置。
【請求項3】
前記昇降支柱は、前記主支柱(5)に昇降可能に設けた中径昇降支柱(6)と、前記中径昇降支柱(6)に昇降可能に設けた小径昇降支柱(7)を設けてあり、前記主支柱(5)、中径昇降支柱(6)及び小径昇降支柱(7)の相互間の高さを固定する固定手段は、ロックピン(17)であり、前記ロックピン(17)に振れ止め防止用の締結ワイヤロープ(18)を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の高所落下防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックやトレーラ等の輸送車両における荷役作業中に、荷役作業者が荷台等から転落することを防止する落下防止装置に関し、特に運転室(キャブ)上のルーフパネル上等に乗って高所作業をする場合や狭い工場内での荷役作業中において、作業者の落下を防止する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
労働安全規則第518条には、高さが2メートル以上の箇所で作業を行う場合において、墜落により労働者に危険が及ぶおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない規則が規定されている。
作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等、墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならないとされている。
一般的にトラックの荷台は地面から概ね1m程度であるが、積載物の大きさによってはその上に立って作業を行うこともあり、さらにはルーフパネル上での高所作業を必要とする場合には、地面から2m以上の高所での作業が生じ、墜落による危険が予測される。
【0003】
従来例を示す
図5において、トラック2のあおり25に支柱26を前後に取付けるタイプのものでは、あおり25自体の強度に影響されることとなってしまう。
また、支柱26の高さが強度上高く取れず、作業者が落下した際に親綱27が伸びきってしまって地面と衝突してしまうおそれがある。さらに、作業中にあおり25が倒せないことなどの作業上の問題点も有った。
【0004】
そこで、トラックの側方の地面上に、トラック側面に沿って一対の昇降支柱を立設し、昇降支柱先端間に適当な張力で親綱が張架され、この親綱に安全帯ロープのフックをかけることで安全を図る転落防止設備もある(特許文献1参照)。
またトラック側面に横付けできる別の自動車の荷台上に伸縮可能な支柱を設け、その支柱上端に、支柱周りに回転できる水平アームを設け、この水平アーム先端に安全ブロックを連結した状態で、輸送車両に対する荷役作業での墜落防止を行う設備もある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-291863号公報
【特許文献2】特開2002-104776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記した特許文献1の場合の転落防止設備は、トラックの側面の地面に一対の昇降支柱を設置する必要があり、狭い工場内や外部の作業場所の規模によっては設置ができない場合がある。
特にトラックでは高所作業であるルーフパネル上での作業には、支柱の高さが低くて高所作業には用いられない装置であった。
また、上記した特許文献2の場合の落下防止設備においては、転落防止設備を荷台に設けた専用の自動車を用意する手間があり、狭い工場内や限られた広さの荷役作業場においての車両に横付けする専用の自動車の利用は難しいものであった。
【0007】
また、トラックの荷台上に親綱を張る場合に、その支持棒等をトラックに備え付けるものとすれば、トラック走行の障害となることが懸念される。
特に大型トラック等は、その車幅が一般的な道路幅や車線幅と整合するように構成されているものもあり、狭い道路を通過する場合などは、殆ど車幅に余裕がない状態で通過する場合も少なくない。
【0008】
このようなトラックにおいては、車幅方向に突き出た親綱支持装置を新たに搭載することは、現実的ではない。
また、荷台への荷物や積載物の積み下ろしには、作業者のみならずリフト等の積み下ろし機材や種々の吊り上げ重機等を用いる場合もあるので、荷台周辺の空間を広く使うこととなる。
このため、例え車幅方向に延伸されない支持棒であっても、常時親綱支持装置を荷台周辺に備えるものとすることは困難である。
このため、荷台やルーフパネル上での作業時にも設置可能でコンパクトな高所落下防止装置が好ましい。
【0009】
そこで、親綱を使わずに、一端が荷台上の作業者の腰ベルトに固定された安全ロープの他端をトラック付属の昇降タラップに固定したり、ダンプのハッチに掛けたりすると、荷台が広いことから安全ロープの長さが長く伸びてしまい、荷台からの落下防止の役にはたたない。
また、親綱を荷台上に斜めに張ったとしても、同様に安全ロープの長さが長くなるので、上述のように荷台からの落下防止の機能を果たさない場合がある。
【0010】
このように、荷台やルーフパネル上からの落下時に作業者を適切に吊り上げることが可能な安全ロープは、適切な位置に必要な作業時のみに作動することが可能であって、このようなトラックの荷台やルーフパネル上での作業の安全性を確保するための高所落下防止装置は従来知られていない。
【0011】
そこで、本発明は従来の問題点に鑑みてなされたもので、トラック荷台、特にルーフパネル上での荷役作業中おける労働安全規則に準じる安全対策措置として、作業者が移動自在で車両と塀等の間の隙間が1m以内の狭い作業空間しかない場所においても設置が容易で、しかも軽量かつ強靭でコンパクトな構造によって、トラックの高所作業における安全を確保することができる高所落下防止装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る高所落下防止装置は、運送車両(2)のルーフパネル(11)等での高所作業における落下を防止する高所落下防止装置(1)であって、運送車両(2)の車輪を上面に乗り上げることで固定する踏み板(4)と、前記踏み板(4)から立設した主支柱(5)を備え、前記主支柱(5)は上方に向けて伸縮移動可能で所定の高さに固定可能な昇降支柱を有し、前記昇降支柱の上端側に安全ブロック(20)を有していることを特徴とする。
例えば、さらに具体的な形態としては運送車両の車輪を上面に載置して地表面に対して固定する踏み板と、該踏み板に固設し上方に向けて伸びる主支柱と、主支柱内に摺動可能に保持する中径昇降支柱および該昇降支柱に内挿する小径昇降支柱を備え、前記主支柱と中径・小径昇降支柱同士は、互いに伸縮移動した位置で対向し開孔するピン孔を穿設し、伸縮位置で連通したピン孔同士にロックピンを挿通し、前記主支柱および中径・小径昇降支柱を互いに固定し、前記小径昇降支柱は上端部に安全ブロックを設け、前記踏み板は上面に複数のフランジを固定し、該フランジの各々に回転自在に保持されたキャスターを設けた例が挙げられる。
【0013】
本発明においては、前記安全ブロック(20)は引き出し可能なワイヤーロープ(23)を有し、前記ワイヤロープ(23)の先端にフック(22)を有していてもよい。
【0014】
また、本発明において、前記昇降支柱は、前記主支柱(5)に昇降可能に設けた中径昇降支柱(6)と、前記中径昇降支柱(6)に昇降可能に設けた小径昇降支柱(7)を設けてあり、前記主支柱(5)、中径昇降支柱(6)及び小径昇降支柱(7)の相互間の高さを固定する固定手段は、ロックピン(17)であり、前記ロックピン(17)に振れ止め防止用の締結ワイヤロープ(18)を設けてあってもよい。
【発明の効果】
【0015】
運送車両のルーフパネル等での高所作業における落下を防止する高所落下防止装置において、本発明は主支柱が踏板を介して車輪の下側に固定されるので安定している。
また、例えば小径および中径の昇降支柱を互いに摺動可能に主支柱に内挿することで、支柱全体を強靭な高所落下防止装置として構成できる。
主支柱を例えば溶接等で固定した踏み板は、運送車両の車輪を上面に乗り上げるように載置して地表面に対して固定するので、各支柱を安全確実に地表面に対して固定できる。
また主支柱と中径・小径昇降支柱同士は、互いに伸縮移動した位置で開孔するピン孔内にロックピンを挿通するだけで、高さ位置を容易に設定し固定できる。
小径昇降支柱の上端に安全ブロックを設けることで、運送車両の高所であるルーフパネル上での安全作業が可能となるし、親綱を車両全体に張る煩わしい作業が必要ないので、広い作業面積を確保できる。
中径・小径昇降支柱を主支柱内に収納する例では高所落下防止装置を小さく軽量でコンパクトな装置にし得るし、運送車両への移動設置作業もキャスターを利用して容易に移動し設置できる効果がある。
さらに、中径または小径の昇降支柱に挿通するロックピンに振れ止め用の締結ワイヤロープを備えておけば、該ワイヤロープを昇降タラップ等に締結することで、高所落下防止装置の振れ止め防止機能として作用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る高所落下防止装置の使用例を示す側面から見た全体概要図を示す。
【
図2】
図1の高所落下防止装置を示す全体概要図を示す。
【
図3】
図1の高所落下防止装置を示す斜視図を示す。
【
図4】本発明の高所落下防止装置を作業者が移動する状態を示す概要図を示す。
【
図5】従来の落下防止装置の設置状態を示す全体概要図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明による高所落下防止装置の構造例を実施例の
図1乃至
図4に基づいて説明する。
【0018】
本発明の高所落下防止装置1は、
図1に示すようにトラック2の荷台3や運転室10の側部に配置して使用するもので、該高所落下防止装置1の基本は、踏み板4、主支柱5、中径昇降支柱6および小径昇降支柱7等から構成されている。
【0019】
主支柱5は円柱材、または
図2および
図3で示すように、角筒内に円筒案内部を備えた角材で形成することが好ましく、主支柱5の下端を平板状の踏み板4に固定し、該踏み板4を地表面に設置することにより主支柱5が立設するようになっている。
前記中径昇降支柱6は、断面四角型を成す主支柱5の内側に設けられた円筒案内部に挿入され、その中径昇降支柱6内部に小径昇降支柱7が組み込まれ、中径・小径昇降支柱6,7は互いに上下方向に摺動可能となる。
この摺動構造により、前記小径昇降支柱7と中径昇降支柱6を互いに摺動させて上方に伸ばしても、強度のある角材からなる主支柱5内を摺動案内することで、高所落下防止装置1の全体の強度を強靭に構成でき、支柱を上方に高く伸ばして使用したとしても撓つて曲がる危険性は少ない。
【0020】
前記踏み板4は矩形の金属製板材で形成されているとともに、
図3に示すように、縦幅Y-Yがトラック2の車輪(前輪8又は後輪9)、すなわち、タイヤの軸方向の断面幅より長く形成されている。
また、横幅X-Xがタイヤの前後方向における接地面の長さよりも幅広く形成されている。
本実施例では、横幅X-Xを500mm、縦幅Y-Yを700mmとしている。
また、前記主支柱5に中径昇降支柱6および小径昇降支柱7を上方に最も延びた状態で設定固定した場合には、トラック2の全高より上方高く伸びるように構成されている。
【0021】
主支柱5と踏み板4は、複数のアングル4aの溶接にて補強固定されている。
また、踏み板4に対する支柱5の固定位置は、踏み板4の上面において一方側に偏った位置の略中間位置、すなわち、踏み板4の縦幅Y-Y方向における一方側寄りで、横幅X-X方向の略中間位置に配置されている。
したがって、
図3に示すように、踏み板4の中央上面位置には所定の広い空間が確保され、この空間がトラック2の前輪(タイヤ)8又は後輪9を載置できる載置面13となっている。
【0022】
高所落下防止装置1は
図3の斜視図に示すように、踏み板4の上面の一方側寄り略中間位置に主支柱5を立設固定している一方、同じ踏み板4上面の一方側寄りの左右にフランジ14を各1個設けている。
この各フランジ14には回転自在に保持されたキャスター15が各1個軸支された状態で設けられている。
このキャスター15、15は、踏み板4をキャスター15の取付側に傾倒することで車輪が地表面と接触する。
その結果、キャスター15を動輪として利用することで、高所落下防止装置1を所定のトラック2の側方位置まで容易に転動させて移動することができる。
【0023】
前記主支柱5と中径昇降支柱6および小径昇降支柱7は、それぞれの側部にピン孔16を縦軸一列方向に複数各々開孔している。
このピン孔16の各開孔位置を互いに合わせ、連通状態にし、そこにロックピン17を挿入することで、主支柱5と中径昇降支柱6および小径昇降支柱7を所定の伸縮位置に設定し固定できる。
主支柱5と中径昇降支柱6および小径昇降支柱7の伸縮位置を変更する場合は、ロックピン17をピン孔16から抜き、主支柱5または中径・小径昇降支柱6,7を所定の伸縮高さ位置に調整した後、ロックピン17を再度ピン孔16に挿入し、図示しないナット等で固定することで高さを変更し固定できる。
また必要に応じて、主支柱5と中径昇降支柱6または小径昇降支柱7の伸縮高さに合わせて用いるロックピン17に締結ワイヤロープ18を設け、この締結ワイヤロープ18を車両の昇降タラップ12等に締結することで、高所落下防止装置1の振れ止め防止機能として作用させることができる。
【0024】
小径昇降支柱7の最上部には、カラビナ等の吊り金具19を介して安全ブロック20が吊り下げ状態で設けられている。
該安全ブロック20には、ブロック本体21に巻き取られているワイヤロープ23を備え、ワイヤロープ23の先端にフック22を取り付け、該フック22を作業員Mの腰部に着けた安全帯Sに連結して使用するものである。
更に、フック22の先にワイヤロープ引き出し用ロープ24を備えておけば、作業員Mの通常の歩行速度移動に伴って、ブロック本体21からワイヤロープ23をゆっくり引き出すことができる。
逆に、作業員Mがブロック本体21に近づくことにより、余分なワイヤロープ23がブロック本体21内に巻回されているスプリング力によって自動的に巻き取られるようになっている。
そして、作業員Mの落下時等には、ワイヤロープ23が一定速度以上で引き出されるため、ブロック本体21に内蔵されたロック機構が自動的に働いて、ワイヤロープ23のそれ以上の引出しが阻止され、落下事故を防止できるようになっている。
【0025】
次に高所落下防止装置1の使用状態について説明する。
先ず、荷物の積み下ろし等を行う作業現場に停車させたトラック2の前輪8の前後近傍位置に、作業者Mは
図4に示すようにキャスター15を利用して高所落下防止装置1を移動させる。
この時、高所落下防止装置1の踏み板4の主支柱5が、前輪8の軸方向外側に位置するようにトラック2の車両下面に挿入し、主支柱5がトラック2の側方位置に起立するように地表面に配置する。
この高所落下防止装置1の移動設置作業は、工場内等に車両が入ると作業空間が狭くなる場合でも、高所落下防止装置1を車両のタイヤの前後に差し込むことができる空間広さが確保できるならば設置でき、作業者一人でも容易に行える。
【0026】
その後、トラック2を前方もしくは後方へ移動させ、前輪8が踏み板4の載置面13上に載置した位置で停止させる。
これにより、踏み板4はトラック2の荷重で地表面に押圧され、主支柱5の起立状態が安定保持される。
【0027】
次に、主支柱5から中径昇降支柱6と小径昇降支柱7を上方に伸ばし、ロックピン17、17をピン孔16、16に挿入して中径昇降支柱6と小径昇降支柱7および主支柱5を所定の伸縮高さ位置に設定して固定する。
この時、ルーフパネル11上での作業を行う場合では、小径昇降支柱7の先端がルーフパネル11の高さを超えた高さに設定する。
次いで、安全ブロック20から露出しているフック22をワイヤロープ引き出し用ロープ24を用いて下方に引くことで、フック22を作業者Mの腰部に装着された安全帯Sに引っ掛けることが可能となる。
その後、ワイヤロープ引き出し用ロープ24をフック22から取り外す。
【0028】
そして、作業者Mはトラック2の運転室10横部に備えられた昇降タラップ12を昇ることで、ルーフパネル11上に移動することができる。
この時、風等で高所落下防止装置1が横振れする可能性がある場合には、昇降タラップ12や他の引っ掛け部材にロックピン17に設けられた締結ワイヤロープ18を引っ掛けることで、より安全に使用することができる。
この作業時では、安全ブロック20のフック22は、作業者Mの上方移動に従ってワイヤロープ23が巻き取られて作業者Mと伴って移動する。
その後、作業者Mはルーフパネル11上や荷台3上において荷づくりや玉掛け等の所定の作業を行う。
この所定の作業が終了すると、作業者Mは昇降タラップ12を降りて作業を終了する。
この時も、フック22は作業者Mと共にゆっくり移動して落下を防止できる。
【0029】
上記の構成により、本実施例では、作業者Mは踏み板4上にトラック2の前輪8を載せるだけの簡単な設定固定作業によって、高所落下防止装置1の主支柱5および中径昇降支柱6および小径昇降支柱7を強靭に安定して起立固定できる。
小径昇降支柱7の上部に設けた安全ブロック20から引き出されたフック22に作業者Mの安全帯Sを掛けることにより、作業者Mが誤って高所のルーフパネル11や荷台3から転落しかけたとしても、ワイヤロープ23が一定速度以上で引き出され、安全ブロック20のロック機構が自動的に働いて、それ以上のワイヤロープ23の引出しが阻止されるので、トラック2からの落下事故を防止でき、作業者Mは地表面への衝突を回避できる。
【符号の説明】
【0030】
1 高所落下防止装置
2 トラック(運送車両)
3 荷台
4 踏み板、4a アングル
5 主支柱
6 中径昇降支柱
7 小径昇降支柱
8 前輪
9 後輪
10 運転室(キャブ)
11 ルーフパネル
12 昇降タラップ
13 載置面
14 フランジ
15 キャスター
16 ピン孔
17 ロックピン
18 締結ワイヤロープ
19 吊り金具
20 安全ブロック
21 ブロック本体
22 フック
23 ワイヤロープ
24 ワイヤロープ引き出し用ロープ
25 側部あおり板
26 支柱
27 親綱
M 作業者
S 安全帯