(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055269
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】レコードジャケット専用額縁
(51)【国際特許分類】
A47G 1/06 20060101AFI20220331BHJP
【FI】
A47G1/06 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020173595
(22)【出願日】2020-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】520400944
【氏名又は名称】田中 等斎
(72)【発明者】
【氏名】田中 等斎
【テーマコード(参考)】
3B111
【Fターム(参考)】
3B111BC02
(57)【要約】
【課題】従来市場に普及していたレコード盤ジャケットを室内装飾として表示し、かつ傷付きや汚れから保護させる事が可能なレコード盤ジャケット専用の額縁を提供する。
【解決手段】該額縁の外観は表面、上下左右側面を透明板で構成した透明カバー1であり、額縁としてのデザインは持たない。該額縁の外形の大きさはLPレコードジャケットの各辺315ミリに対し各辺323ミリ、奥行は22ミリとレコードジャケットに近い大きさでの構成とした。これらの事により壁などに表示した際にレコードジャケットの雰囲気を損なうことの少ない、非常に簡潔な外観を成している。額装方法はレコードジャケット9押さえ枠カバー2押さえ枠3を透明カバー1に収納し、ねじ5を4本ねじ止めすることで完成であり、一般家庭にて簡単に行える。また、この構成によりレコードジャケットは全面が透明カバー1と壁に保護されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レコード盤ジャケットを収納する額縁であって、前記額縁は、透明板により四角形な皿状に形成された透明カバー1と、前記透明カバー1の内部に収納される押さえ枠3と、前記押さえ枠を内部に収納する押さえ枠カバー2とを備え、前記透明カバー1と前記押さえ枠カバー2の側面に形成した透孔A6透孔B7にねじ5を挿通し、前記押さえ枠3にねじ止めしたことを特徴とするレコードジャケット用の額縁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案はレコード盤ジャケットを収納し室内装飾として使用するためのレコードジャケット専用額縁に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、レコードジャケットを飾る際にはレコードジャケットそのままを棚などに置いて飾っていた。
【0003】
レコードジャケットを額縁に入れて飾る際には一般的な縁のある額縁を使用していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在は生産されていない音楽用のレコード盤。そのジャケットのデザインには優れた物が多く愛好家は家庭において大切に保管している。写真や絵画でデザインされた物や好きなアーティストの姿が映っていて持ち主にとっては思い入れのある物も多いものである。この優れたデザインのレコードジャケットをレコードの収納の為だけの物としておくのは勿体無く部屋の装飾に使用したいと考える愛好家は多い。飲食店の内装にもレコードジャケットが装飾として使用されているのをよく見かける。
【0005】
この際、レコードジャケットをそのまま棚などに置いて飾ると、落下などによる損傷、汚れ、などの可能性がある。すでに廃盤となっている製品であり、趣味性の高い物なので大切にしたいのはユーザーにとって気がかりな所である。
【0006】
一方、一般的な額縁を使用すると保護という点では安心できるが、表示した際の外観という点においては、額縁の存在感とレコードジャケットの存在感が組み合わされて本来のレコードジャケットの持っている雰囲気が変わってしまうという問題が発生する。額縁の縁の色、デザインに対してレコードジャケットの色、デザインとの相性。額縁の全体の大きさによるレコードジャケットのサイズ感の喪失。これらの理由からレコードジャケットというよりも1枚の絵画という感じになってしまう。レコードジャケットの存在感を装飾に使用したいユーザーにとっては一般的な額縁では気分が出ないのである。レコードジャケットを保護しつつ、雰囲気を大切にした表示ができるという両方の観点からユーザーが満足できる額縁が無かった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
該額縁はレコードジャケットを収納し飾った際に外から見える部分は透明カバーと前記透明カバー側面部のねじの頭部のみであることを特徴とする。この透明カバーの中にレコードジャケットも含め、該額縁を構成する全ての部品が収納される。一般的な額縁の縁に当たる部分は、該額縁においては前面側である透明板へ同一素材の透明板を接着固定して形成している。これにより透明カバーは正方形の受け皿といった形状を成している。この形状であることがレコードジャケットの雰囲気を損なわず、保護しつつ、収納し表示する事を可能にしている。
【0008】
該額縁は押さえ枠カバーを備える。透明カバーの上下左右側面から押さえ枠が透けて見えてしまう事による外観上の支障を避けるために設けた。該額縁の側面部を押さえ枠カバーで綺麗に見せる事により、レコードジャケットの表示をより際立てている。白色の紙製で透明カバーの内側にすっぽり収まる大きさに設計されている。
【0009】
該額縁は押さえ枠を備える。透明カバーの内側に収めた押さえ枠カバーのさらに内側へすっぽり収まる大きさで、角材を使用し四隅を固定した中抜き構造の形状であることを特徴とする。この部品が該額縁の骨組みとなる。左右側面に雌ねじを備え、透明カバー、押さえ枠カバーの透孔を通したねじをこの雌ねじにねじ止めする事により、構成部品全ての組み立てが完成する。この状態で壁などに表示することができる。
【0010】
押さえ枠の内側に吊るし紐を備える。該額縁を壁などに表示する際に使用する。飾る対象の壁などに設置された金具へこの紐を掛けて表示する。本発明は以上の構成よりなるレコードジャケット用額縁である。
【発明の効果】
【0011】
該額縁に収納されるレコードジャケットは前面、上面、下面、左面、右面の5面を透明カバーで囲まれ、裏側は壁面となり、傷つき、汚れから全面が保護されている。
【0012】
該額縁の透明カバーの前面と縁部を同一の素材を使用して形成した事により該額縁自体の外観の軽快さに役立っている、さらに縁部を一般的な額縁の縁と比較すると、幅、奥行き共に薄く、デザインも無く、色も持たない透明である。これらの事によりレコードジャケットのサイズ感、デザインの雰囲気を損なう事は非常に少ない額縁となっている。また、この縁にデザインが無いということは従来一般的な額縁に必要であった中に表示するレコードジャケットのデザインと額縁との相性を思案しなければならないという発想そのものが必要無いという利点も併せ持つ。
【0013】
押さえ枠の内側に吊るし紐を設けた事により該額縁を壁に表示した際、該額縁と壁との間に吊るし紐が見えてしまうことは無くなる。さらに該額縁が壁に貼り付く様に隙間無く表示する事も可能にしている。これらの事は、壁に表示した際レコードジャケットがより際立つ事となり、綺麗に見せることに貢献している。ユーザーの思惑に近い状態で飾る事ができる。
【0014】
透明カバーと押さえ枠の組み合わせによる該額縁は額装が簡単であるという利点も併せ持つ。従来一般的な額縁は一作品に一額縁が必要であるが、複数の額縁を所有することは使用していない額縁の収納場所の確保という課題が発生してしまう。該額縁は中に収納するレコードジャケットを入れ替えて飾り変える事が簡単にできる構造となっている。このため該額縁を一つ用意しておけば、ユーザーは季節によって気分によって気軽に中のレコードジャケットを飾り変えることが可能である。趣味で所有しているレコードジャケットがインテリアに活用できる事になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】本発明の(2)押さえ枠カバーの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
レコードジャケット9が収納される透明カバー1の寸法の説明。透明カバーには透明アクリル板厚さ2mmを使用した。レコードジャッケット9の一般的な大きさとしては一辺が310mmから315mmの正方形、厚さはレコード1枚収納の物で約5mmであった。この事から該額縁に収納するLPレコードジャケットの大きさは316mmまでの正方形、厚さ7mmまでの物と限定した。透明カバー1のレコードジャケット9の収納部内寸、寸法aは各辺319mmプラスマイナス3mm、深さ寸法bは20mmプラスマイナス2mmとした。該透明カバー1の左右側面にはねじ5が通る透孔A6を備える。透孔A6の径はφ6である。
結果として透明カバー1の外形寸法cは323mmプラスマイナス3mm、寸法dは22mmプラスマイナス2mmとなる。
[選択図][
図1]
【0017】
押さえ枠3の材質は木材を使用した。骨組みとして必要な強度確保と吊るす事を考えた際、できるだけ軽量であることが望ましいという目的に沿っていれば木材に限るものでは無い。4隅の固定方法は外周と前後にはみ出さなければどんな方法でも良いが、ここも軽量であることを優先し接着を採用した。左右側面に設置した雌ねじは何度もくり返しての使用に対応するため金属製の埋めねじを用い、押さえ枠3の外にはみ出さないように内蔵している。ねじサイズはJIS規格M4を採用している。押さえ枠3のサイズは外寸、寸法gは各辺309mmプラスマイナス3mm、厚さ寸法hは9mmプラスマイナス1mmとした。押さえ枠3の製造方法、材質に関しては他の方法、例えば樹脂製の一体成型という事も考えられる。コスト、製造の容易さにより比較検討し変更して良い部品である。
[選択図][
図1]
【0018】
押さえ枠カバー2の寸法eは各辺314mmプラスマイナス2mmの四角形に寸法fである9mmプラスマイナス1mm幅の側面部11を有している。この側面部11を折り、押さえ枠3に被せた状態で透明カバー1に収納できる構造としている。押さえ枠カバー2の材質は厚さ0.15ミリ程度の紙製であるので透明カバー1、押さえ枠3の公差内での寸法の固体差への対応は可能である。標準では白色を準備するが、表示する壁の色、レコードジャケットの色によりユーザーが任意の色に変更することも考えられる。側面にはφ6の透孔B7を有する。
[選択図][
図1][
図3]
【0019】
吊るし紐4は押さえ枠3の内側に金具を使用して固定設置されている。吊るし紐4は押さえ枠3からはみ出さない長さに設定されている事で壁などに表示した際に該吊るし紐4も壁に設けられた金具も外から見え無くしている。
[選択図][
図1]
【0020】
該額縁の額装の際組立に使用されるねじ5は、銀色のメッキされた物かステンレス製などの銀色の化粧ねじを使用する。額縁全体のすっきりとした印象を崩さないためにはこの銀色が適している。工具を使用せず、指で扱える化粧ねじを使用すれば額装はより簡単に行える。これに変えて低頭タイプのねじを使用すると額縁からの出っ張りが少なくよりすっきりとした外観となる。この低頭タイプのねじを使用する際はねじを回す工具、ドライバーが必要となる。化粧ねじも低頭タイプのねじも、日曜品店などで販売されている一般的な物を使用する。ねじサイズは押さえ枠に備えられた雌ねじに合わせJIS規格M4である。
[選択図][
図1]
【0021】
該額縁を使用した発明の実施方法を説明する。押さえ枠3の上に押さえ枠カバー2を被せる。その上にレコードジャケット9の表示面を上にして置く、さらにその上から透明カバー1を被せるようにはめる、側面の透孔A6透孔B7を通し、押さえ枠3に設けた雌ねじへ4本のねじ5をねじ止めする。以上で組み立ては完成となる。押さえ枠カバー2、押さえ枠3、の厚さは全ての部品を組み立てた際に透明カバー1の後ろからはみ出さない様組み立てられる設計である。壁への表示はユーザーが任意の位置にもうけた金具へ該額縁の吊るし紐4を掛ける事で本発明の意図した姿での表示が完了する。この際使用する金具は壁面からの突出を9ミリまでとする事で表示された該額縁の内側で押さえ枠カバー2の裏側に金具が接触しない。
【符号の説明】
【0022】
1 透明カバー
2 押さえ枠カバー
3 押さえ枠
4 吊るし紐
5 ねじ
6 透孔A
7 透孔B
8 雌ねじ
9 レコードジャケット