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特開2022-55303インテリジェントデンタルケアシステム及びそのインテリジェント歯磨き装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055303
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】インテリジェントデンタルケアシステム及びそのインテリジェント歯磨き装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/22 20060101AFI20220331BHJP
   A46B 13/02 20060101ALI20220331BHJP
   A61C 17/34 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
A61C17/22 B
A46B13/02
A61C17/34 K
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092355
(22)【出願日】2021-06-01
(31)【優先権主張番号】109133662
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】503378235
【氏名又は名称】国立台湾科技大学
【氏名又は名称原語表記】National Taiwan University of Science and Technology
【住所又は居所原語表記】No.43, Sec.4, Keelung Rd., Taipei, 106, Taiwan,
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】鄭正元
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼冠勳
(72)【発明者】
【氏名】陳奕安
(72)【発明者】
【氏名】ハムザ,アザム
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA07
3B202AB06
3B202AB08
3B202GA02
3B202GA07
3B202GB09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数種の検知ユニットを備え、口腔及び歯の状態を検出でき、ユーザが歯磨きするとき、健康状況に関連するデータを得ることができ、歯磨き装置自体の移動状態も検出できるインテリジェントデンタルケアシステム及びそのインテリジェント歯磨き装置を提供する。
【解決手段】動作装置200に実行されるコンピュータゲームプログラムと組合せることで、ユーザが口腔及び歯の状態に応じて歯磨きするようにガイドする。ユーザの健康状態を分析するように、検知ユニットにより検出されるデータを、動作装置200を介してクラウドサーバー装置300に転送することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部と第2端部を含む把持部材と、
ブラシヘッドと、前記ブラシヘッドに接続される接続部と、前記ブラシヘッドに設けられる複数のブラシ毛とを含む歯磨き部材と、
前記把持部材に設けられる第1プロセッサと、
前記把持部材に設けられると共に、前記第1プロセッサに電気的に接続されるドライバと、
前記ドライバ及び前記歯磨き部材に接続されると共に、前記把持部材の前記第1端部から外へ延伸する伝動部材と、
前記把持部材に設けられ、前記第1プロセッサに電気的に接続される第1無線送受信モジュールと、
前記把持部材内に設けられ、前記第1プロセッサに電気的に接続されると共に、前記把持部材の位置を検出して変位信号を発生させる変位検出モジュールと、
前記歯磨き部材の前記ブラシヘッド面に設けられ、前記第1プロセッサに電気的に接続されると共に、歯磨き者の唾液を検出して生理学的信号を発生させる唾液検知モジュールと、
前記第1プロセッサに電気的に接続され、前記ブラシヘッドから前記歯磨き者の口腔の画像を取得し、画像信号を発生させる撮像モジュールとを備えるインテリジェント歯磨き装置であって、
前記接続部は前記第1端部に取り外し可能にように接続され、
前記ドライバのトルクは、前記伝動部材を介して前記歯磨き部材に回転させるか、又は振動させるように前記歯磨き部材に転送され、
前記変位信号及び前記生理学的信号は、前記第1無線送受信モジュールを介して前記第1プロセッサに転送される、
ことを特徴とするインテリジェント歯磨き装置。
【請求項2】
前記唾液検知モジュールは、血液検出器と、pH検出器と、血糖検出器とを備え、
前記生理学的信号は、血液濃度信号と、酸アルカリ値信号と、血糖濃度信号とを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント歯磨き装置。
【請求項3】
前記唾液検知モジュールは前記歯磨き部材の前記ブラシヘッド面に取り外し可能に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント歯磨き装置。
【請求項4】
前記伝動部材は、前記第1端部から、前記ケーシングと反対する方向へ延伸しており、
前記接続部は、前記伝動部材に套設され、
前記伝動部材は、前記ブラシヘッドの内部まで延伸しており、
前記撮像モジュールは、前記伝動部材に設けられ、
前記ブラシヘッドは、前記撮像モジュールに対応する第1透明窓を有し、
前記ブラシヘッドの外部の光線が前記第1透明窓を透過して前記撮像モジュールに入る、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント歯磨き装置。
【請求項5】
前記延伸部に設けられると共に、前記第1プロセッサに電気的に接続される発光モジュールをさらに備え、
前記ブラシヘッドは、前記発光モジュールに対応する第2透明窓をさらに有し、
前記発光モジュールから発出される光が前記第2透明窓を透過して前記ブラシヘッドから発出される、
ことを特徴とする請求項4に記載のインテリジェント歯磨き装置。
【請求項6】
前記把持部材の前記ケーシングに設けられると共に、前記第1プロセッサに電気的に接続される電源モジュールをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント歯磨き装置。
【請求項7】
前記把持部材が分離可能に置かれた、充電モジュールを有する受けスタンドをさらに備え、
前記把持部材が前記受けスタンドに置かれるとき、前記充電モジュールは、前記電源モジュールに電気的に接続し、前記電源モジュールに充電する、
ことを特徴とする請求項6に記載のインテリジェント歯磨き装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のインテリジェント歯磨き装置と、
第2プロセッサと、表示モジュールと、記憶モジュールと、第2無線送受信モジュールとを含む動作装置とを備えるインテリジェントデンタルケアシステムであって、
前記表示モジュール、前記記憶モジュール及び前記第2無線送受信モジュールは、前記第2プロセッサに電気的に接続され、
前記変位信号及び前記生理学的信号は前記第1無線送受信モジュールから前記第2無線送受信モジュールに転送され、
前記変位信号は前記第2プロセッサに転送され、
前記第2プロセッサは前記記憶モジュールからコンピュータゲームをロードして実行し、
前記変位信号は前記コンピュータゲームに入力される
ことを特徴とするインテリジェントデンタルケアシステム。
【請求項9】
クラウドサーバー装置をさらに備え、
前記動作装置は、第3無線送受信モジュールをさらに備え、
健康状態分析を行うように、前記生理学的信号は前記第3無線送受信モジュールを介して前記クラウドサーバー装置に転送される、
ことを特徴とする請求項8に記載のインテリジェントデンタルケアシステム。
【請求項10】
前記動作装置は、前記変位信号及び前記画像信号に基づいて前記歯磨き者の歯構造データを得り、
前記動作装置は、前記歯構造データに基づいて制御信号を発生させ、前記制御信号を前記インテリジェント歯磨き装置に転送し、
前記インテリジェント歯磨き装置は、前記制御信号に基づいて歯磨きする、
ことを特徴とする請求項8に記載のインテリジェントデンタルケアシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デンタルケアの技術分野に関し、特にインテリジェントデンタルケアシステム及びそのインテリジェント歯磨き装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歯洗浄は、個人の健康に大きな影響を与えており、歯洗浄の最も基本的な習慣は、毎日の朝と夜に歯磨きすることである。一般的な歯ブラシで歯磨きする以外、電動歯ブラシを使用して歯磨きすることができる。しかし、ユーザが歯磨きするとき、自分の口腔及び歯の状況を把握できないため、特に必要がある部位を丁寧に磨かず、その結果、例えば虫歯、歯周病などの歯及び口腔の病気を引き起こすことが多い。
【発明の概要】
【0003】
これに鑑みて、本発明は、複数種の検知ユニットを備え、口腔及び歯の状態を検出でき、ユーザが歯磨きするとき、健康状況に関連するデータを得ることができ、歯磨き装置自体の移動状態も検出できるインテリジェントデンタルケアシステム及びそのインテリジェント歯磨き装置を提供することを目的とする。本発明によれば、コンピュータゲームと組合せることで、ユーザが口腔及び歯の状態に応じて歯磨きするようにガイドすることができる。
【0004】
本発明は、上記のインテリジェント歯磨き装置と動作装置とを備えるインテリジェントデンタルケアシステムを提供することを別の目的とする。前記動作装置は、第2プロセッサと、表示モジュールと、記憶モジュールと、第2無線送受信モジュールとを備え、前記表示モジュール、前記記憶モジュール及び前記第2無線送受信モジュールが前記第2プロセッサに電気的に接続され、前記変位信号及び前記生理学的信号が前記第1無線送受信モジュールから前記第2無線送受信モジュールに転送され、前記変位信号が前記第2プロセッサに転送され、前記第2プロセッサが前記記憶モジュールからコンピュータゲームをロードして実行し、前記変位信号が前記コンピュータゲームに入力される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の一実施例におけるインテリジェント歯磨き装置の正面図である。
図2図1のインテリジェント歯磨き装置の分解図である。
図3図2のインテリジェント歯磨き装置の側面図である。
図4】本発明の一実施例におけるインテリジェントデンタルケアシステムを示すブロック図である。
図5】本発明のインテリジェントデンタルケアシステムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
第1端部と第2端部を含む把持部材と、
ブラシヘッドと、前記ブラシヘッドに接続される接続部と、前記ブラシヘッドに設けられる複数のブラシ毛とを含む歯磨き部材と、
前記把持部材に設けられる第1プロセッサと、
前記把持部材に設けられると共に、前記第1プロセッサに電気的に接続されるドライバと、
前記ドライバ及び前記歯磨き部材に接続されると共に、前記把持部材の前記第1端部から外へ延伸する伝動部材と、
前記把持部材に設けられ、前記第1プロセッサに電気的に接続される第1無線送受信モジュールと、
前記把持部材内に設けられ、前記第1プロセッサに電気的に接続されると共に、前記把持部材の位置を検出して変位信号を発生させる変位検出モジュールと、
前記歯磨き部材の前記ブラシヘッド面に設けられ、前記第1プロセッサに電気的に接続されると共に、歯磨き者の唾液を検出して生理学的信号を発生させる唾液検知モジュールと、
前記第1プロセッサに電気的に接続され、前記ブラシヘッドから前記歯磨き者の口腔の画像を取得し、画像信号を発生させる撮像モジュールとを備えるインテリジェント歯磨き装置であって、
前記接続部は前記第1端部に取り外し可能にように接続され、
前記ドライバのトルクは、前記伝動部材を介して前記歯磨き部材に回転させるか、又は振動させるように前記歯磨き部材に転送され、
前記変位信号及び前記生理学的信号は、前記第1無線送受信モジュールを介して前記第1プロセッサに転送される、
ことを特徴とするインテリジェント歯磨き装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、
前記唾液検知モジュールは、血液検出器と、pH検出器と、血糖検出器とを備え、
前記生理学的信号は、血液濃度信号と、酸アルカリ値信号と、血糖濃度信号とを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント歯磨き装置である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、
前記唾液検知モジュールは前記歯磨き部材の前記ブラシヘッド面に取り外し可能に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント歯磨き装置である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、
前記伝動部材は、前記第1端部から、前記ケーシングと反対する方向へ延伸しており、
前記接続部は、前記伝動部材に套設され、
前記伝動部材は、前記ブラシヘッドの内部まで延伸しており、
前記撮像モジュールは、前記伝動部材に設けられ、
前記ブラシヘッドは、前記撮像モジュールに対応する第1透明窓を有し、
前記ブラシヘッドの外部の光線が前記第1透明窓を透過して前記撮像モジュールに入る、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント歯磨き装置である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、
前記延伸部に設けられると共に、前記第1プロセッサに電気的に接続される発光モジュールをさらに備え、
前記ブラシヘッドは、前記発光モジュールに対応する第2透明窓をさらに有し、
前記発光モジュールから発出される光が前記第2透明窓を透過して前記ブラシヘッドから発出される、
ことを特徴とする請求項4に記載のインテリジェント歯磨き装置である。
【0011】
請求項6に記載の発明は、
前記把持部材の前記ケーシングに設けられると共に、前記第1プロセッサに電気的に接続される電源モジュールをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント歯磨き装置である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、
前記把持部材が分離可能に置かれた、充電モジュールを有する受けスタンドをさらに備え、
前記把持部材が前記受けスタンドに置かれるとき、前記充電モジュールは、前記電源モジュールに電気的に接続し、前記電源モジュールに充電する、
ことを特徴とする請求項6に記載のインテリジェント歯磨き装置である。
【0013】
請求項8に記載の発明は、
請求項1~7のいずれか1項に記載のインテリジェント歯磨き装置と、
第2プロセッサと、表示モジュールと、記憶モジュールと、第2無線送受信モジュールとを含む動作装置とを備えるインテリジェントデンタルケアシステムであって、
前記表示モジュール、前記記憶モジュール及び前記第2無線送受信モジュールは、前記第2プロセッサに電気的に接続され、
前記変位信号及び前記生理学的信号は前記第1無線送受信モジュールから前記第2無線送受信モジュールに転送され、
前記変位信号は前記第2プロセッサに転送され、
前記第2プロセッサは前記記憶モジュールからコンピュータゲームをロードして実行し、
前記変位信号は前記コンピュータゲームに入力される
ことを特徴とするインテリジェントデンタルケアシステムである。
【0014】
請求項9に記載の発明は、
クラウドサーバー装置をさらに備え、
前記動作装置は、第3無線送受信モジュールをさらに備え、
健康状態分析を行うように、前記生理学的信号は前記第3無線送受信モジュールを介して前記クラウドサーバー装置に転送される、
ことを特徴とする請求項8に記載のインテリジェントデンタルケアシステムである。
【0015】
請求項10に記載の発明は、
前記動作装置は、前記変位信号及び前記画像信号に基づいて前記歯磨き者の歯構造データを得り、
前記動作装置は、前記歯構造データに基づいて制御信号を発生させ、前記制御信号を前記インテリジェント歯磨き装置に転送し、
前記インテリジェント歯磨き装置は、前記制御信号に基づいて歯磨きする、
ことを特徴とする請求項8に記載のインテリジェントデンタルケアシステムである。
【0016】
図1図2及び図3を参照する。それらは、本発明のインテリジェント歯磨き装置の一実施例が示される。図2に示すように、本発明のインテリジェント歯磨き装置100は、把持部材10と、歯磨き部材20と、受けスタンド30とを備える。
【0017】
図1に示すように、把持部材10は、例えば円筒状又は楕円筒状であり得る筒状のケーシングを有し、ユーザの手部が把持するために用いられる。把持部材10は、歯磨き部材20が接続される第1端部11と、第2端部12とを有する。把持部材10の第2端部12は、受けスタンド30に置くことができる。歯磨き部材20は、ブラシヘッド21と、接続部22と、複数のブラシ毛23とを有し、接続部22は、ブラシヘッド21に接続され、第1端部11に取り外し可能に接続され、前記ブラシ毛23は、ブラシヘッド21に設けられる。接続部22の形状は把持部11にマッチングすることができる。接続部22において歯磨き部材20は、弾性及び可撓性を有すると共に、後述する歯磨きするための回転又は振動を発生させ易くなる材質を使用することができる。
【0018】
図2図3及び図4を参照する。本発明のインテリジェント歯磨き装置100は、第1プロセッサ40と、ドライバ50と、伝動部材60と、変位検出モジュール70と、唾液検出モジュール80と、撮像モジュール90と、第1発光モジュール110と、電源モジュール120とを備える。把持部材10のケーシング内に回路基板13が設けられ、第1プロセッサ40及び変位検出モジュール70が回路基板13に設けられ、図2に示すように、ケーシングの表面に電源スイッチ及び速度制御ボタンが設けられ、電源スイッチ及び速度制御ボタンが第1プロセッサ40に電気的に接続され、電源スイッチ及び速度制御ボタンを押圧することで、制御信号を発生させることができ、制御信号が第1プロセッサ40に転送され、第1プロセッサ40は、電源のオンオフを制御し、歯磨き部材20の回転又は振動の速度を制御することができる。
【0019】
ドライバ50は、把持部材10のケーシング内に設けられ、伝動部材60は、ケーシング内に設けられると共に、ドライバ50に接続され、図2及び図3に示すように、伝動部材60が把持部材10の第1端部11からケーシングの外部まで延伸しており、歯磨き部材20が伝動部材60に套設され、伝動部材60が歯磨き部材20の内部まで延伸している。
本実施例では、ドライバ50が電動モータであり、伝動部材60が延伸棒であり、ドライバ50がトルクを伝動部材60の回転又は伝動部材60の延伸方向に直交する振動に伝動モジュールにより変換し、それにより、歯磨き部材20が回転又は振動を発生させて歯磨きすることができる。
【0020】
図4に示すように、電源モジュール120は、把持部材10のケーシングに設けられると共に、第1プロセッサ40に電気的に接続され、電源モジュール120の電力が第1プロセッサ40を介してドライバ50及び変位検出モジュール70、唾液検出モジュール80、撮像モジュール90及び第1発光モジュール110に供給される。電源モジュール120は、充電可能な電池である。電源モジュール120は、把持部材10の第2端部12に近いように設けられ、前述したように、第2端部12が受けスタンド30に置くことができ、受けスタンド30内には商用電力に接続される充電モジュール31が設けられ、第2端部12及び受けスタンド30は、それぞれ金属導電性シート又はコイルが設けられ、それぞれ電源モジュール120及び充電モジュールに接続され、第2端部12が受けスタンド30に置かれると、金属導電性シートの接触又はコイルの電磁相互作用により、受けスタンド30の充電モジュール31が電源モジュール120に充電することができる。
【0021】
変位検出モジュール70は、把持部材10内の回路基板に設けられる。変位検出モジュール70は、加速度計と、ジャイロスコープとを備え、ユーザが把持部材10を把持して歯磨きするとき、加速度計とジャイロスコープは、把持部材10の移動及び回転の方向を検出し、変位信号を発生させることができ、変位信号が第1プロセッサ40に転送される。
【0022】
図2図3及び図4に示すように、唾液検出モジュール80は、血液検出器と、pH検出器と、血糖検出器とを含み、唾液に接触して唾液の血液含有量、酸アルカリ値及び血糖値を検出して、複数の生理学的信号を発生させる。従って、唾液検出モジュール80が歯磨き部材20に設けられ、ユーザが歯磨き部材20を口腔に挿入して歯磨きするとき、同時に唾液を検出することができる。
図3に示すように、本実施例では、ブラシヘッド21のブラシ毛23が設けられた面には凹部211が形成され、凹部211がブラシ毛23で囲まれてもよく、唾液検出モジュール80は、凹部211に設けられ、ブラシヘッド21から取り外すことができる。ブラシ毛23がしばらく使用されるため、一部が欠落するか、又は曲がる場合、ユーザが歯磨き部材20を交換するが、唾液検出モジュール80をブラシヘッド21から取り外し、新しい歯磨き部材20に取り付けることができ、それにより、再利用することができる。
唾液検出モジュール80から生じる生理学的信号を第1プロセッサ40に転送するように、歯磨き部材20にリードが設けられてもよく、又は、生理学的信号を第1プロセッサ40に転送するように、唾液検出モジュール80に無線伝送ユニットが設けられてもよい。
【0023】
撮像モジュール90は、口腔及び歯の画像を取得することに用いられ、第1発光モジュール110は、口腔に対して照明光を発出させ、撮像モジュール90と第1発光モジュール110とが連携することで、ユーザが歯磨きすると同時に、ユーザの口腔画像を得ることができ、従って、撮像モジュール90及び第1発光モジュール110が好ましくは歯磨き部材20に対応する位置に設けられる。
前述したように、伝動部材60は、把持部材10の第1端部11を経由して歯磨き部材20の内部まで延伸しており、接続部22を経由してブラシヘッド21の内部まで延伸しており、従って、本実施例では、撮像モジュール90及び第1発光モジュール110は、ブラシヘッド21の位置に対応するように、伝動部材60の末端に近い箇所に設けられる。
ブラシヘッド21のブラシ毛23が設けられた面には、第1透明窓212及び第2透明窓213が設けられ、伝動部材60が歯磨き部材20の内部まで延伸したとき、撮像モジュール90が第1透明窓212に対応し、第1発光モジュール110が第2透明窓213に対応し、第1発光モジュール110から発出される光が第2透明窓213を透過してブラシヘッド21の外部に照射し、ブラシヘッド21の外部の光が第1透明窓212を透過して撮像モジュール90に入って画像を発生させる。
撮像モジュール90及び第1発光モジュール110が第1プロセッサ40に電気的に接続されるように、伝動部材60の内部にリードが設けられてもよく、電源モジュール120の電力が第1プロセッサ40を介して撮像モジュール90及び第1発光モジュール110に転送することができ、撮像モジュール90から生じる画像信号がリードを介して第1プロセッサ40に転送することができる。
第1発光モジュール110は、複数の発光ユニットを備えることができ、発光ユニットが可視光を発出することができ、撮像モジュール90が受信して可視光画像を発生させ、発光ユニットが特殊波長の光を発出させることもでき、歯に照射した後、歯のプラークが特殊な色になるため、口腔内のプラーク分布の画像を得る。
【0024】
また、歯磨き部材20のブラシヘッド21には、ユーザが歯磨きするときに歯肉と歯に印加する圧力を検出する圧力センサーがさらに設けられてもよい。
【0025】
図4及び図5に示すように、本発明のインテリジェント歯磨き装置100は、把持部材10内の回路基板に設けられると共に、第1プロセッサ40に電気的に接続される第1通信モジュール130をさらに備え、変位検出モジュール70から生じる変位信号、唾液検出モジュール80から生じる生理学的信号、撮像モジュール90から生じる画像信号が第1プロセッサ40に転送されると、第1プロセッサ40は、変位信号、生理学的信号及び画像信号を、第1通信モジュール130を介して動作装置200に転送する。
【0026】
図4及び図5に示すように、本発明のインテリジェントデンタルケアシステムは、本発明のインテリジェント歯磨き装置100と、動作装置200と、クラウドサーバー装置300とを備える。動作装置200は、第2プロセッサ210と、表示モジュール220と、記憶モジュール230と、第2通信モジュール240と、第3通信モジュール250とを備える。
記憶モジュール230に歯磨きゲームのプログラムコードが記憶され、ユーザが動作装置200に歯磨きゲームを実行すると、第2プロセッサ210が記憶モジュール230からプログラムコードをロードして実行し、ゲームの画面を表示モジュール220に表示する。例えば、各歯の位置に異なる化け物を設定し、ユーザがゲームロールを設定することができ、各歯を磨くとき、ゲームロールが各化け物と戦うことをゲーム画面に表示し、ユーザが各歯に対する磨き動作を完了させると、化け物が殺され、ステージクリアしてスコアをゲットし、磨きやすい歯、例えば門歯又は犬歯の場合は、戦いやすい化け物を設定し、ステージクリアのスコアを低くすることができるが、磨きにくい歯、例えば後臼歯の場合は、すごい化け物を設定し、ステージクリアのスコアを高くすることができる。
【0027】
前述したように、インテリジェント歯磨き装置100から生じる変位信号、生理学的信号及び画像信号が動作装置200に転送され、変位信号、生理学的信号及び画像信号が記憶モジュール230に記憶することができる。
動作装置200が変位信号を得ると、現在のインテリジェント歯磨き装置100の位置を算出することができ、それ応じて、ゲームロールの位置するステージを歯磨きゲームに表示し、ユーザがインテリジェント歯磨き装置100を使用する移動軌跡を得ることができ、複数の生理学的信号は、歯磨きゲームに応用することもでき、例えば口腔のある位置で血液濃度が高いことが検出される場合、口腔の前記部位に出血の可能性があることが示され、ユーザが前記部位を磨いて出血を悪化させることを回避するために、ユーザがインテリジェント歯磨き装置100を前記部位の歯まで移動させると、歯磨きゲームがステージクリアの宝物をリアルタイムに提供することができ、ゲームロールが前記部位に到達した直後、化け物を殺してステージクリアすることができる。
同様に、画像信号は、歯磨きゲームに応用することができ、前述したように、特殊波長の光線によりプラークを検出できるので、プラークが形成された歯の場合は、ユーザが正常な状況より丁寧に磨くことが望まれ、従って、歯磨きゲームは、ゲーム画面において、プラークを有する歯部位に対応する位置にスコアが高い化け物をリアルタイムに生じ、ユーザに前記部位の歯をより丁寧かつ完全に磨かせることができる。
上記圧力センサーから生じる圧力信号は、動作装置200に転送された後、歯磨きゲームに応用することもでき、例えば歯磨き力が大きすぎると、ゲームロールのヒットポイントを減少させることができる。
【0028】
また、動作装置200は、変位信号、生理学的信号及び画像信号を、第3通信モジュール250を介してクラウドサーバー装置300に転送することができる。クラウドサーバー装置300は、画像信号に基づいて口腔の三次元モデルを構築し、例えば虫歯、歯肉又は口腔出血、歯肉嚢胞などの口腔病気の位置をマーキングすることができ、クラウドサーバー装置300は、またユーザの歯科医にオンラインで通信できることで、歯科医は、リアルタイムに診断することができる。
クラウドサーバー装置300は、毎日、動作装置200から転送される変位信号からユーザの歯磨き習慣の情報を分析できると共に、歯磨き習慣の情報をユーザの歯科医に転送でき、歯科医は、口腔の三次元画像を参照してユーザに歯磨き習慣を矯正させることができる。生理学的信号がクラウドサーバー装置300に転送された後、唾液の酸アルカリ値及び血糖値をユーザの毎日の健康データの参照とすることができる。
【0029】
別の実施例では、ユーザが把持部材10を手で把持して歯磨きする必要があり、従って、把持部材10に体温センサー、ハートリズムセンサー及び血圧センサーなどが設けられてもよく、ユーザが把持部材10を把持するとき、同時にユーザの体温データ、ハートリズムデータ及び血圧値などの他の生理学的信号を検出し、同期に動作装置200を介してクラウドサーバー装置300に転送することができる。
【0030】
別の実施例では、歯磨き部材20に超音波ユニットが設けられてもよく、ユーザが歯磨き部材20を口腔に置くとき、超音波ユニットは、発振して歯石を緩め、歯磨きすると同時に歯石を除去することができる。
【0031】
別の実施例では、歯磨き部材20に歯磨き剤の収納スペースが設けられてもよく、前述した撮像モジュール90により取得される口腔画像を参照することで、例えば、プラークを有する歯又は特に黄色の歯など、特に強い歯磨きを必要とする位置に歯磨き部材20が移動するとき、第1プロセッサ40は、把持部材10に設けられるコンパクトポンプが加圧して歯磨き剤を歯磨き部材20から押し出するように制御し、プラークを解消する又は強く歯磨きするという効果を実現する。
【0032】
受けスタンド30には、把持部材10を置くためのスロットのほか、動作装置200を置くためのスロットが設けられてもよく、ユーザが把持部材10を持つと、動作装置200を受けスタンド30に置くことができ、受けスタンド30の動作装置200を置くためのスロットが充電回路に接続して動作装置200に充電することができ、動作装置200がまたインテリジェント歯磨き装置100とオンラインで通信する。
【0033】
別の実施例では、インテリジェント歯磨き装置100は、伝動部材60に設けられると共に、第1発光モジュール110の対向面に位置する第2発光モジュールをさらに備える。伝動部材60が歯磨き部材20に設けられる場合、第2発光モジュールは、ブラシヘッド21の裏面に対応し、裏面とは、ブラシヘッド21のブラシ毛23が設けられた面に対向する面であり、ブラシヘッド21の裏面には第3透明窓が設けられてもよく、第2発光モジュールから発出される光が第3透明窓を透過して発出することができる。
第2発光モジュールがブラシヘッド21の裏面に設けられるため、歯磨きするとき、第2発光モジュールが口腔の粘膜に向いており、ユーザの口腔に、例えば口腔の炎症化膿や口腔癌などの症状の患部があると、第2発光モジュールが治療用の光を発出させ、歯磨きすると同時に患部に照射して治療する。
【0034】
別の実施例では、インテリジェント歯磨き装置100の受けスタンド30は、第3プロセッサと、表示モジュールと、記憶モジュールとを備え、歯磨きゲームが受けスタンド30の記憶モジュールに記憶され、第3プロセッサによりロードされて実行され、ゲーム画面が表示モジュールに表示され、前述した変位信号、生理学的信号及び画像信号が第1通信モジュールにより受けスタンド30に転送されて歯磨きゲームに組合せられる。本実施例のインテリジェント歯磨き装置100は、動作装置200とオンラインで通信しなくても、同様に歯磨きゲームを行ってユーザが歯磨きするようにガイドすることができる。
【0035】
また、別の実施例では、本発明のインテリジェント歯磨き装置100は、異なる部位の歯に対して、各歯の状態に適するように磨くことができる。
前述したように、本発明のインテリジェント歯磨き装置100は、変位検出モジュール70及び撮像モジュール90を有し、従って、ユーザが本発明のインテリジェント歯磨き装置100を初めて使用するとき、ユーザが口腔内に本発明のインテリジェント歯磨き装置100を移動させると共に、変位検出モジュール70及び撮像モジュール90がそれぞれ各歯の位置及び各歯の画像を検出でき、動作装置200に転送でき、アプリケーションプログラムと連携して口腔内の歯構造の各データ、例えば各歯の位置座標、歯の幅及び長さ、歯の間の幅、噛み合い面の面積などを構築することができる。
【0036】
口腔内の歯構造の各データの構築が完了した後、ユーザが再び本発明のインテリジェント歯磨き装置100を使用して歯磨きするとき、動作装置200は、インテリジェント歯磨き装置100から転送される変位信号に基づいて、現在のインテリジェント歯磨き装置100がどの位置の歯まで移動したかが分かり、それに応じて、異なる歯磨きモードで歯磨きし、例えば、ドライバ50の回転周波数を変えることで、ブラシヘッド21が異なる周波数で振動するようにし、又は、インテリジェント歯磨き装置100が歯の間の位置に移動するとき、ドライバ50は、ブラシヘッド21が大きい振幅で振動するように駆動することができ、歯の間の深い部位を磨くことができる。
また、インテリジェント歯磨き装置100が歯と歯肉の接続部位に移動するとき、ドライバ50は、ブラシヘッド21が大きい圧力で歯と歯肉の接続部位を磨くように駆動することができ、プラークが重なって歯石を形成することを回避し、歯周病を予防する。また、ユーザが歯の美白を行おうとするとき、前述した歯磨き剤を押し出すことができ、ドライバ50は、ブラシヘッド21が高い周波数で振動して、歯面を密に磨くように駆動し、研磨及び美白の効果を実現する。
【0037】
インテリジェント歯磨き装置100が様々なモードで歯磨きするとき、撮像モジュール90は、口腔及び歯の画像を取得し、動作装置200は、撮像モジュール90から転送される画像信号に基づいて、各歯の磨き状態を判断し、次回歯磨きするとき、各歯に対してドライバ50の作動を調整してブラシヘッド21の動作を変える根拠とする。従って、本発明のインテリジェント歯磨き装置100は、ユーザの口腔状態に対して学習を行い、各歯に対して最適な歯磨きモードを得、歯磨きするとき、それぞれの歯に対して、最適なモードで歯磨きし、スマート歯磨きの目的を実際に実現する。
【0038】
本発明のインテリジェント歯磨き装置は、歯磨きするとき、同時にインテリジェント歯磨き装置の変位、唾液の状態を検出して口腔の画像を取得することができ、検出した変位信号、生理学的信号及び画像信号を動作装置により実行される歯磨きゲームに組合せることで、ユーザが歯磨きするようにガイドし、動作装置は、さらに、変位信号、生理学的信号及び画像信号をクラウドサーバー装置に転送して分析し、分析した結果を歯科医に診断参照として提供し、ユーザに全方位的な歯磨きガイドを提供すると共に、ユーザが自体の健康状態をリアルタイムに監視することができる。
【0039】
以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施範囲を限定するためのものではなく、本発明の出願特許範囲及び発明の内容に基づいて行われた簡単な等価変化や修飾は、全て本発明の特許に含まれる範囲に属する。
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