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特開2022-55350ブートローダーモードの補助ブースト制御を備えた電源ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055350
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】ブートローダーモードの補助ブースト制御を備えた電源ユニット
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20220331BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H02M3/155 U
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021156564
(22)【出願日】2021-09-27
(31)【優先権主張番号】17/034,044
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521227078
【氏名又は名称】アステック インターナショナル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュー,チーハオ
(72)【発明者】
【氏名】ユー,チャン-チー
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー,カール
(72)【発明者】
【氏名】チャン,チュン-ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ポ-ツォ
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA03
5H730AS04
5H730AS05
5H730BB13
5H730BB14
5H730BB86
5H730EE57
5H730EE59
5H730FD01
5H730FD11
5H730FF09
5H730FG12
5H730XX15
5H730XX35
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ブートローダーモード中にマイクロコントローラベースのスイッチモード電源ユニットのスタンバイ出力に電力を継続的に供給するシステム、方法及び非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【解決手段】ブートローダーモードで電源ユニット100のスタンバイ出力負荷への電力の連続供給を容易にする補助ブーストコントローラ118を備えたDC入力電源ユニット100において、補助ブーストコントローラは、ブートローダーモードの一次コントローラ116から一次電力ブーストステージ114の制御を引き受ける。これにより、電源ユニット100又は一次コントローラ116の状態に関係なく、保護機能を備えたスタンバイ出力に電源を供給し続けることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧源から直流(DC)入力電圧を受け取るように構成された入力と、
前記入力に結合され、前記入力電圧の電磁干渉(EMI)を低減するように構成されたフィルタと、
前記フィルタと結合され、ブーストレギュレータ信号に基づいて前記フィルタの出力のステップアップを最小しきい値電圧に調整するように構成されたブーストステージ回路と、
前記ブーストステージ回路に結合され、前記ブーストレギュレータ信号を制御するように構成された一次コントローラと、
前記一次コントローラと結合され、ブートローダーモード中に前記ブーストレギュレータ信号の制御を引き受けるように構成されたブースト補助回路と、
前記ブーストステージ回路と結合され、バックレギュレータ信号に基づいて前記ブーストステージ回路の出力電圧の所定のDC出力電圧へのステップダウンを調整するように構成されたバックステージ回路と、
前記バックステージ回路に結合され、前記バックレギュレータ信号を制御するように構成された二次コントローラと、
前記ブーストステージ回路と結合され、前記ブーストステージ回路の出力電圧を公称DC出力電圧に調整するように構成されたバイアスモジュールと、
前記所定のDC出力電圧を負荷に供給するように構成された主出力と、
前記公称DC出力電圧を前記負荷に供給するように構成されたスタンバイ出力と、を備える、電源ユニット。
【請求項2】
前記ブーストステージ回路が、前記電圧が前記最小しきい値電圧よりも大きいときに、前記フィルタの前記出力を通過させ、前記フィルタの前記出力が前記最小しきい値電圧より小さいときに、前記フィルタの前記出力を前記最小しきい値電圧に増加させるように構成されたブーストステージを備える、請求項1に記載の電源ユニット。
【請求項3】
前記ブースト補助回路が、PSUが前記ブートローダーモードにないときにアイドル状態を維持し、前記一次コントローラによって開始されたブートローダー信号の受信に応答してブートローダーモードを開始するようにさらに構成される、請求項1に記載の電源ユニット。
【請求項4】
前記ブースト補助回路が、前記フィルタの前記出力の前記ステップアップを前記最小しきい値電圧に調整するように前記ブーストレギュレータ信号を駆動することによって、前記ブートローダーモード中に前記ブーストレギュレータ信号の制御を引き受けるように構成される、請求項1に記載の電源ユニット。
【請求項5】
前記バイアスモジュールが、前記ブートローダーモード中に、前記ブーストステージ回路の前記出力電圧を前記公称DC出力電圧に連続的に調整するようにさらに構成される、請求項4に記載の電源ユニット。
【請求項6】
前記一次コントローラが、前記ブートローダーモードを開始するための要求を受信することに応答して、前記ブートローダー信号をアサートするようにさらに構成される、請求項4に記載の電源ユニット。
【請求項7】
前記一次コントローラが、前記要求に応答してファームウェア更新を実行し、前記ファームウェア更新の完了時に前記ブートローダー信号をアサート解除するようにさらに構成される、請求項4に記載の電源ユニット。
【請求項8】
前記ブースト補助回路が、前記ブートローダーモード中に障害の発生を監視するようにさらに構成される、請求項1に記載の電源ユニット。
【請求項9】
前記ブースト補助回路が、マイクロコントローラまたはアナログ回路を含む、請求項1に記載の電源ユニット。
【請求項10】
前記ブーストステージ回路が、スイッチングレギュレータ回路を備える、請求項1に記載の電源ユニット。
【請求項11】
ブートローダーモードで電源ユニットのスタンバイ出力に継続的に電力を供給する方法であって、
前記電源ユニットの入力ポートによって、電圧源から直流(DC)入力電圧を受け取ることと、
電磁干渉(EMI)フィルタによって前記入力電圧をフィルタリングすることと、
前記電源の一次コントローラによって、前記ブーストレギュレータ信号を駆動して、ブーストステージ回路によるレギュレーションを制御することと、
前記ブーストステージ回路によって、前記フィルタリングされた入力電圧を、前記ブーストレギュレータ信号に基づいて最小しきい値電圧にステップアップするように調整することと、
前記ブートローダーモードを開始する要求を受信したことに応答して、前記一次コントローラによってブートローダー信号をアサートすることと、
前記ブートローダー信号のアサートの検出に応答して、前記一次コントローラに結合されたブースト補助回路によって、前記ブートローダーモードで前記電源ユニットの前記スタンバイ出力に前記電力を継続的に供給するために前記ブーストレギュレータ信号を駆動する制御を引き受けることと、を含む、方法。
【請求項12】
前記ブーストレギュレータ信号の前記駆動の制御を引き受ける前に、前記ブースト補助回路によって、前記ブートローダー信号の前記アサートを監視することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ブーストレギュレータ信号の前記駆動の制御を引き受けに応答して、前記ブースト補助回路によって、前記ブートローダー信号の前記アサート解除を監視することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ブートローダー信号のアサート解除の検出に応答して、前記ブースト補助回路によって、前記ブーストレギュレータ信号を駆動する制御を解放することと、
前記ブーストレギュレータ信号の制御の解放に応答して、前記電源の前記一次コントローラによって、前記ブーストステージ回路によるレギュレーションを維持するために前記ブーストレギュレータ信号を駆動する制御を再開することと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ブーストステージ回路が、スイッチングレギュレータ回路を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ブーストステージ回路が、前記電圧が前記最小しきい値電圧よりも大きいときに、前記フィルタの前記出力を通過させ、前記フィルタの前記出力が前記最小しきい値電圧より小さいときに、前記フィルタの前記出力を前記最小しきい値電圧に増加させるように構成されたブーストステージを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
低電圧直流(LVDC)入力電源ユニット用の補助ブースト制御回路であって、
アイドル状態のブートローダー信号のアサートを監視するための手段であって、前記ブートローダー信号は、前記電源ユニットの一次コントローラがブートローダーモードを開始していることを示す手段と、
前記ブートローダー信号のアサートに応答して、前記補助ブースト制御回路を前記アイドル状態から補助保護状態に遷移させる手段であって、前記補助ブースト制御回路は、入力を最小しきい値電圧にステップアップするためにブーストステージ回路のレギュレーションを制御するためのブーストレギュレータ信号の制御を引き受けるように構成される手段と、
を含む、補助ブースト制御回路。
【請求項18】
前記補助保護状態での前記ブートローダー信号のアサート解除を監視するための手段と、
前記ブートローダー信号の前記アサート解除に応答して、前記補助ブースト制御回路を前記補助保護状態から前記アイドル状態に戻すための手段と、
をさらに含む、請求項17に記載の補助ブースト制御回路。
【請求項19】
前記補助保護状態での障害状態を監視するための手段と、
前記補助ブースト制御回路を、前記補助保護状態から、前記障害状態応答に応答する障害状態に移行するための手段と、
をさらに含む、請求項17に記載の補助ブースト制御回路。
【請求項20】
前記障害状態は、過電流保護障害または過電圧保護障害のうちの1つまたは複数を含む、請求項17に記載の補助ブースト制御回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、電源ユニットの分野、特に、ブートローダーモード中にスタンバイ出力負荷への電力の連続供給を容易にするための補助ブースト制御を備えた直流(DC)入力スイッチモード電源ユニットに関連している。
【背景技術】
【0002】
スイッチモード電源(またはスイッチング電力変換器)は、電力を効率的に変換するためのスイッチングレギュレータを組み込んだ電子電源である。他の電源と同様に、スイッチモード電源は、電圧と電流の特性を変換しながら、直流(DC)または交流(AC)電源から、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバーコンピュータ、クラウドコンピューティングプラットフォーム、データセンター機器などのDC負荷に電力を転送する。リニア電源とは異なり、スイッチモード電源のパストランジスタは、無駄なエネルギーを最小限に抑えるために、低消費、フルオン、およびフルオフの状態を継続的に切り替える。電圧レギュレーションは、オンとオフとの時間の比率(デューティサイクルとも呼ばれる)を変更することによって実現される。
【0003】
スイッチモード電源を利用して、広範囲にわたって負荷に電力を供給することができる。つまり、「通常の」動作モードでは負荷に必要な電力が比較的大きくなる可能性があるが、「スタンバイ」動作モードでは負荷に必要な電力が比較的少なくなる可能性がある。例えば、LCDフラットパネルテレビ受信機は、通常の動作中に350ワットの動作電力を必要とする場合があるが、スタンバイモードでは公称量(例えば、1または2ワット)しか消費しない場合がある(すなわち、リモートコントロール回路をアクティブに保つためにLCDフラットパネルテレビが「オフ」になっているときなど)。
【0004】
スイッチモード電源は、例えば、一定の出力電圧を維持するために、例えば、マイクロコントローラなどの1つまたは複数のコントローラを使用して調整されることがよくある。実際、スイッチモード電源は、負荷によって引き出される電流を監視し、電力出力要件の変化に応じてスイッチングデューティサイクルを増減するデジタルコントローラを採用することがよくある。デジタル制御は、例えば、柔軟性、制御の再設計および統合の容易さ、構成要素の数およびコストの削減など、多くの利点があるため、アナログ制御よりも人気がある。デジタル制御の再設計は可能であるが、再設計を実装するには、ブートローダーが必要である。ブートローダー(またはブートローダープロシージャ)は、例えば、I2C、UARTなどの通信インターフェースを介してユーザアプリケーションコードを更新できるようにするコードの1ピースである。
【0005】
残念ながら、今日のスイッチモード電源は、ブートローダーモード中のブーストステージのレギュレーションがなく、電源が低い入力電圧でうまく機能しないことが多いため、ブートローダーモード中のスタンバイ出力負荷への継続的な電力供給をサポートしないことがよくある。したがって、ブートローダープロシージャは失敗するか、または出力負荷の中断を引き起こす傾向がある。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態は、他の利点の中でも、ブートローダーモード中にマイクロコントローラベースのスイッチモード電源ユニットのスタンバイ出力に電力を継続的に供給するためのシステム、方法、および非一時的コンピュータ可読媒体を提供することによって、当技術分野における前述または他の問題の1つまたは複数を解決する。
【0007】
いくつかの実装形態では、記載する技術は、電圧源からDC入力電圧を受け取るように構成された入力、所定のDC出力電圧を負荷に供給するように構成された主出力、および公称DC出力電圧を負荷に供給するように構成されたスタンバイ出力を含む電源ユニットを含む。電源ユニットは、フィルタ、ブーストステージ回路、一次コントローラ、ブースト補助回路、バックステージ回路、二次コントローラ、およびバイアスモジュールをさらに含む。フィルタは入力に結合され、入力電圧の電磁干渉(EMI)を低減するように構成される。ブーストステージ回路はフィルタに結合され、ブーストレギュレータ信号に基づいてフィルタの出力のステップアップを最小しきい値電圧に調整するように構成される。一次コントローラはブーストステージ回路に結合され、ブーストレギュレータ信号を制御するように構成される。ブースト補助回路は一次コントローラに結合され、ブートローダーモード中にブーストレギュレータ信号の制御を引き受けるように構成される。バックステージ回路は、ブーストステージ回路に結合され、ブーストステージ回路の出力電圧のステップダウンを、バックレギュレータ信号に基づいて所定のDC出力電圧に調整するように構成される。二次コントローラはバックステージ回路に結合され、バックレギュレータ信号を制御するように構成される。バイアスモジュールはブーストステージ回路に結合され、ブーストステージ回路の出力電圧を公称DC出力電圧に調整するように構成される。
【0008】
いくつかの実装形態では、記載された技術は、ブートローダーモードで電源ユニットのスタンバイ出力に電力を継続的に供給する方法を含む。本方法は、電源ユニットの入力ポートによって、電圧源から直流(DC)入力電圧を受け取ることと、電磁干渉(EMI)フィルタによって入力電圧をフィルタリングすることと、電源の一次コントローラによって、ブーストレギュレータ信号を駆動して、ブーストステージ回路によるレギュレーションを制御することと、を含む。本方法は、ブーストステージ回路によって、フィルタリングされた入力電圧を、ブーストレギュレータ信号に基づいて最小しきい値電圧にステップアップするように調整することと、ブートローダーモードを開始する要求を受信したことに応答して、一次コントローラによってブートローダー信号をアサートする(有効な状態にする)ことと、ブートローダー信号のアサートの検出に応答して、一次コントローラに結合されたブースト補助回路によって、ブートローダーモードで電源ユニットのスタンバイ出力に電力を継続的に供給するためにブーストレギュレータ信号を駆動する制御を引き受けることと、をさらに含む。
【0009】
いくつかの実装形態では、記載された技術は、低電圧直流(LVDC)入力電源ユニット用の補助ブースト制御回路を含む。補助ブースト制御回路は、アイドル状態のブートローダー信号のアサートを監視するための手段であって、ブートローダー信号は、電源ユニットの一次コントローラがブートローダーモードを開始していることを示す手段を含む。補助ブースト制御回路は、ブートローダー信号のアサートに応答して、補助ブースト制御回路をアイドル状態から補助保護状態に遷移させる手段であって、補助ブースト制御回路は、入力を最小しきい値電圧にステップアップするためにブーストステージ回路のレギュレーションを制御するためのブーストレギュレータ信号の制御を引き受けるように構成される手段をさらに含む。
【0010】
本出願の追加の特徴および利点は、以下の説明に記載され、部分的には説明から明らかであるか、またはそのような例示的な実施形態の実施によって学習され得る。
【0011】
上記および他の利点および特徴を得ることができる方法を説明するために、より具体的な説明が記載され、添付の図面に示されているその特定の例を参照することによって示される。これらの図面は典型的な例のみを示しており、その範囲を制限するものとは見なされないことを理解すること。実装は、添付の図面を使用して、追加の具体性と詳細とともに説明および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】いくつかの実装形態による、ブートローダーモード中に一次電力ブーストステージの制御を引き受けるための補助ブーストコントローラを含む例示的な電源ユニットを示すブロック図を示す。
図2】いくつかの実装形態による、マイクロコントローラの形式の一次コントローラの例示的な構成要素を示すブロック図を示す。
図3】いくつかの実装形態による、ブートローダーモードを開始および終了する例示的なプロセスを示す流れ図を示す。
図4】いくつかの実装形態による、一次電力ブーストステージのレギュレーションの制御を引き受けるために補助ブーストコントローラを操作するための例示的なプロセスを示す流れ図を示す。
図5】いくつかの実施形態による、補助ブーストコントローラの例示的な動作を示す状態図を示す。
図6】いくつかの実装形態による、「通常の」(または非ブートローダー)動作モードとブートローダーモードとの間の移行中に電源ユニットの様々な構成要素間で発生する信号の例を示す信号図を示している。
図7】いくつかの実装形態による、ブートローダーモードで電源ユニットのスタンバイ出力に電力を継続的に供給するための例示的なプロセスを示す流れ図を示す。
図8】いくつかの実装形態による、補助ブースト制御なしでブートローダーモードを開始する電源ユニットの中間電圧測定を示す例示的な波形を示す。
図9A】いくつかの実装形態による、例示的な波形を示し、補助ブースト制御を備えたブートローダーモードを開始および終了する電源ユニットの中間電圧測定を示す。
図9B】いくつかの実装形態による、例示的な波形を示し、補助ブースト制御を備えたブートローダーモードを開始および終了する電源ユニットの中間電圧測定を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。同様に、いくつかの構成要素および/または動作は、本技術の実施形態のいくつかの議論の目的のために、異なるブロックに分離されるか、または単一のブロックに組み合わされ得る。さらに、技術は様々な修正および代替形態に適しているが、特定の実施形態は、例として図面に示され、以下に詳細に記載されている。しかしながら、その意図は、技術を記載された特定の実施形態に限定することではない。それどころか、この技術は、添付の特許請求の範囲によって定義される技術の範囲内にある全ての修正、同等物、および代替物を網羅することを意図している。
【0014】
例示的な実装形態は、本開示が徹底的であり、当業者に範囲を十分に伝えるように提供される。本開示の実装形態の完全な理解を提供するために、特定の構成要素、デバイス、および方法の例など、多数の特定の詳細が記載されている。特定の詳細を採用する必要がないこと、例示的な実装形態を多くの異なる形態で具体化することができること、およびいずれも本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことは、当業者には明らかであろう。いくつかの例示的な実装形態では、周知のプロセス、周知のデバイス構造、および周知の技術は詳細には説明されない。
【0015】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実装形態を説明するためだけのものであり、限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図され得る。「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は包括的であり、したがって、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。本明細書に記載された方法ステップ、プロセス、および動作は、実行の順序として具体的に特定されない限り、必ずしも説明または図示された特定の順序でそれらの実行を必要とすると解釈されるべきではない。追加のまたは代替の工程が使用されてもよいことも理解されたい。
【0016】
第1、第2、第3などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層および/またはセクションを説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層および/またはセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層またはセクションを別の領域、層またはセクションと区別するためにのみ使用され得る。「第1」、「第2」などの用語、および他の数値用語は、本明細書で使用される場合、文脈によって明確に示されない限り、順序または順番を意味しない。したがって、以下で説明する第1の要素、構成要素、領域、層またはセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層またはセクションと呼ぶことができる。
【0017】
「内側(inner)」、「外側(outer)」、「真下(beneath)」、「下方(below)」、「下側(lower)」、「上方(above)」、「上部(upper)」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、図に示すように、1つの要素または特徴と別の1つまたは複数の要素または1つまたは複数の特徴との関係を説明するための説明を容易にするために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図され得る。例えば、図中のデバイスがひっくり返された場合、他の要素または特徴の「下方(below)」または「真下(beneath)」と記載された要素は、他の要素または特徴の「上方(above)」に配向される。したがって、例示的な用語「下方(below)」は、上方および下方の両方の向きを包含することができる。デバイスは、他の方法で方向づけられ(90度または他の向きに回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
【0018】
上記のように、スイッチモード電源は、例えば、一定の出力電圧を維持するために、例えば、マイクロコントローラなどの1つまたは複数のデジタルコントローラを使用して調整されることがよくある。さらに、デジタル制御の再設計を実行するには、ブートローダープロシージャを実装する必要がある。残念ながら、今日のスイッチモード電源は、ブートローダーモード中のブーストステージのレギュレーションがなく、電源が低い入力電圧でうまく機能しないことが多いため、ブートローダーモード中のスタンバイ出力負荷への継続的な電力供給をサポートしないことがよくある。したがって、ブートローダープロシージャは失敗するか、または出力負荷の中断を引き起こす傾向がある。
【0019】
本明細書に記載の技術は、ブートローダーモードで電源ユニットのスタンバイ出力負荷への電力の連続供給を容易にする補助ブースト制御回路(またはコントローラ)を備えたDC入力電源ユニットを対象としている。より具体的には、補助ブースト回路(またはコントローラ)は、ブートローダーモードの一次コントローラから一次電力ブーストステージの制御を引き受けるように構成され、これにより、電源ユニットまたは一次コントローラの状態に関係なく、保護機能を備えたスタンバイ出力に電源を供給し続けることができる。
【0020】
図1は、いくつかの実装形態による、ブートローダーモード中に一次電力ブーストステージ114の制御を引き受けるための補助ブーストコントローラ118を含む例示的な電源ユニット100を示すブロック図を示す。より具体的には、補助ブーストコントローラ118は、一次コントローラ116がブートローダーモードにあるときに、スタンバイ出力124を負荷(図示せず)に供給することをサポートするために一次電力ブーストステージ114の制御を引き受けるように構成される。図1の例に示されるように、電源ユニット100は、低電圧DC入力スイッチモード電源(SMPS)である。しかしながら、電源ユニット100は、ブートローダーモードで負荷へのスタンバイ出力を継続的にサポートする任意の電源であり得ることが理解される。
【0021】
図1の例に示されるように、電源ユニット100は、2段カスケードトポロジー(ブーストからバック)のブーストバックコンバータを備える。より具体的には、初期ブーストステージは、最小しきい値電圧よりも大きい電圧入力の通過を可能にするか、またはそのブースト機能を利用して入力電圧を最小しきい値電圧まで増加させるかのいずれかである。次に、バックステージは、最初のブーストステージから高められた(またはステップアップされた)電圧レベルを取得し、それらを安定した所定の出力電圧に変換する。
【0022】
電源ユニット100は、一次電力回路110および二次電力回路120を含む。一次電力回路110は、DC入力105、電磁干渉(EMI)フィルタ112、一次電力ブーストステージ114、一次コントローラ116、および補助ブーストコントローラ118を含む。二次電力回路110は、バイアスモジュール122、二次電力バックステージ124、および二次コントローラ126を含む。他の構成要素、モジュール、またはコントローラも可能である。
【0023】
動作中、電源ユニット100は、DC入力105を受け取り、EMIフィルタ112に供給する。EMIフィルタ112は、許容可能な所定のレベルにフィルタDC入力105を構成する。EMIの問題は、放射されるEMIの量が電磁両立性基準に準拠していない場合、電子機器の誤動作、保護デバイスの誤作動、またはレーダーおよび通信機器の不正確な動作を引き起こす可能性があることである。したがって、電源ユニット100の品質を保証するために適切なフィルタリングが必要である。スイッチモード電源、インバータ、および一般的に全てのパワーエレクトロニクスがEMIの源である。実際、EMIは、電流の切り替えが行われるときにほとんどの電気および電子機器によって生成される。いくつかの実装形態では、EMIは、導電性EMI、導電体、ワイヤ、および構成要素を通過するノイズの形をとることがある。EMIは、磁場または電波として空気中を伝わるノイズである放射EMIとして現れることもある。EMIフィルタ112の出力は、一次電力ブーストステージ114に供給される。
【0024】
一次電力ブーストステージ114は、EMIフィルタ112の出力を最小しきい値電圧までステップアップ(または増加)させる。図1の例に示されるように、ステップアップ(または増加)は、「通常の」(または非ブートローダー)動作モード中に一次コントローラ116によって提供されるブースト制御シグナリング115によって、およびブートローダーモード中に補助ブーストコントローラ118によって調整される。本明細書で論じられるように、ブートローダーは、例えば、I2C、UARTなどの通信インターフェースを介してユーザアプリケーションコードを更新できるようにするコードの1ピースである。電源ユニット100は、一次コントローラ116がブートローダー動作を実行しているとき、ブートローダーモードにあると言われる。したがって、ブースト制御シグナリング115は、「通常の」(または非ブートローダー)動作モード中に一次コントローラ116によって、およびブートローダーモード中に補助ブーストコントローラ118によって駆動される。
【0025】
一次コントローラ116は、一次電力ブーストステージ114の出力Vbulkを監視し、次に、「通常の」(または非ブートローダー)動作モード中に、ブースト制御シグナリング115を介して一次電力ブーストステージ114を調整するように構成されたマイクロコントローラまたは任意のデジタル回路であり得る。一次コントローラ116は、「通常の」(または非ブートローダー)動作モード中に一次電力ブーストステージ114に対するデジタル制御を提供する。本明細書で論じられるように、アナログ制御と比較して、デジタル制御には、柔軟性、制御の再設計の容易さ、統合の容易さ、構成要素の削減、構成要素のコストの削減などを含むがこれらに限定されない多くの利点がある。しかしながら、デジタル制御が再設計され、一次コントローラ116がブートローダープロシージャを実施するとき、すなわちブートローダーモード中に一次電力ブーストステージ114を調整できない場合、ブートローダープロシージャを実施する必要がある。ブートローダーモードの間、一次コントローラ116は、一次コントローラ116がブートローダーモードにあることを示すために、ブートローダー信号(図示せず)をアサートする。ブートローダーモードを開始および次いで終了する一次コントローラ116の動作を示す例が示され、図3を参照してより詳細に説明されている。さらに、一次コントローラ200の例が示され、図2を参照してより詳細に説明されている。
【0026】
補助ブーストコントローラ118は、スタンバイ出力132に電力を継続的に供給するために、ブートローダーモード中にブースト制御シグナリング115を介して一次電力ブーストステージ114を調整する制御を引き受けるように構成されたマイクロコントローラまたはデジタルまたはアナログ回路であり得る。図1の例には示されていないが、いくつかの実装形態では、一次コントローラ116および補助ブーストコントローラ118はそれぞれ、ブースト制御シグナリングを駆動する。そのような場合、ブースト制御シグナリングは一緒に結び付けられ、一次電力ブーストステージ114に供給され得る。
【0027】
いくつかの実装形態では、一次電力ブーストステージ114は、その入力(供給)からその出力(負荷)に電圧を(電流をステップダウンしながら)ステップアップするDC-DCブースト電力コンバータ(またはステップアップ電力コンバータ)であり得る。図1の例には示されていないが、一次電力ブーストステージ114は、少なくとも2つの半導体(ダイオードおよびトランジスタ)および少なくとも1つのエネルギー貯蔵要素(コンデンサ、インダクタ、またはその2つの組み合わせ)を含むスイッチモード電源(SMPS)のクラスであり得る。さらに、電圧リップルを低減するために、コンデンサで作られたフィルタ(インダクタと組み合わせて使用されることもある)をこのようなコンバータの出力(負荷側フィルタ)および入力(電源側フィルタ)に含めることができる。一次電力ブーストステージ114の出力Vbulkは、二次電力回路120に供給される。
【0028】
二次電力バックステージ124は、一次電力ブーストステージ114の出力Vbulkをステップダウン(または減少)して、主出力134を負荷(図示せず)に対して一定として調整または維持する。図1の例に示されるように、ステップダウン(または減少)は、二次コントローラ126によって提供されるバック制御シグナリング127によって調整される。二次コントローラ126は、二次電力バックステージ124の主出力134を監視し、次に、「通常の」(または非ブートローダー)動作モード中に、バック制御シグナリング127を介して二次電力バックステージ124を調整するように構成されたマイクロコントローラまたは任意のデジタル回路であり得る。
【0029】
いくつかの実装形態では、二次電力バックステージ124は、その入力(供給)からその出力(負荷)に電圧を(電流をステップアップしながら)ステップダウンするDC-DC電力コンバータ(またはステップダウンコンバータ)であり得る。図1の例には示されていないが、二次電力バックステージ114は、少なくとも2つの半導体(ダイオードおよびトランジスタ)および少なくとも1つのエネルギー貯蔵要素(コンデンサ、インダクタ、またはその2つの組み合わせ)を含むSMPSのクラスであり得る。ただし、最近の多くのバックコンバータは、同期整流のためにダイオードを第2のトランジスタに置き換える。電圧リップルを低減するために、コンデンサで作られたフィルタ(インダクタと組み合わせて使用されることもある)をこのようなコンバータの出力(負荷側フィルタ)および入力(電源側フィルタ)に含めることができる。
【0030】
バイアスモジュール122はまた、一次電力ブーストステージ114の出力Vbulkを受け取り、スタンバイ出力132を生成する。電源ユニット100を利用して、広範囲にわたって負荷に電力を供給することができる。例えば、「通常の」動作モードでは、比較的大量の電力が主出力134を介して負荷に供給され得るが、「スタンバイ」動作モードでは、比較的非常に少ない電力がスタンバイ出力132を介して負荷に供給され得る。上で論じたように、既存のスイッチモード電源は、ブートローダーモード中の一次電力ブーストステージ114に対するレギュレーションがなく、バイアスモジュールも低入力電圧でうまく機能できないため、ブートローダーモードでのスタンバイ出力負荷をサポートできない。有利には、補助ブーストコントローラ118は、電源ユニット100が、ブートローダーモード中にスタンバイ出力132を連続的に駆動する(またはそうでなければサポートする)ことを可能にする。
【0031】
図2は、いくつかの実装による、マイクロコントローラの形式の一次コントローラ200の例示的な構成要素を示すブロック図を示す。より具体的には、図2の例は、いくつかの実装形態による、メモリ210に格納されたフラッシュメモリマップ220の詳細図を含む一次コントローラ200を示す。一次コントローラ200は、図1の一次コントローラ116であり得るが、代替の構成が可能である。図2の例に示されるように、例示的な構成要素は、メモリ210、通信インターフェース230、および処理システム240を含む。追加またはより少ない構成要素が可能である。
【0032】
いくつかの実装形態では、一次コントローラ200は、メモリ210からソフトウェアを検索して実行するマイクロコントローラまたは他の回路であり得る。一次コントローラ200は、単一のデバイスまたはチップ内に実装され得る。図1を参照して説明したように、一次コントローラ200は、補助ブーストコントローラ、一次電力ブーストステージ、および二次コントローラを含む様々な構成要素と動作可能または通信可能に結合されている。
【0033】
図2の例に示されるように、メモリ210は、プログラムメモリ(またはコード212)およびデータメモリ(データ214)を含むことができる。本明細書で論じられる一次コントローラ200の機能、ならびに一次コントローラ200に関連する他の回路およびアルゴリズムは、ソフトウェアアルゴリズムとして実装することができ、ソフトウェアコードとして(例えば、コードメモリ212に)格納することができる。同様に、リアルタイムデータおよび事前定義された定数の値は、1つまたは複数の形式のデータメモリ(例えば、データメモリ214)に格納され得る。示されていないが、メモリ210は、フラッシュまたは不揮発性メモリ(NVM)を含む。例えば、フラッシュメモリを使用してマイクロコントローラのファームウェアコードを保持できる。そのような場合、電源投入時に、ブートローダーがフラッシュメモリの内容を読み取り、それを内部SRAMに書き込む。ファームウェアコードがSRAMに書き込まれた後、一次コントローラ200はSRAMから実行を開始する。図2の例、フラッシュメモリマップ220は、ブートローダー機能を用いたメモリ割り当てを示している。より具体的には、フラッシュメモリマップ220は、未使用セクション131、ユーザアプリケーションセクション232、ユーザアプリケーション割り込みベクトルテーブルセクション233、別の未使用セクション234、ブートローダーセクション235、およびブートローダー割り込みベクトルテーブル236を含むフラッシュメモリの様々なセクションを示す。
【0034】
通信インターフェース230は、他の通信デバイスとの通信を一緒に容易にする通信接続およびデバイスを含み得る。通信インターフェース230は、例えば、I2C、UARTなどのように、ユーザアプリケーションコードを更新することができる任意の通信インターフェースであり得る。処理システム240は、本明細書で論じられるように、一次電力ブーストステージ114を調整するための命令を検索および実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサコアを含むことができる。
【0035】
図3は、いくつかの実装形態による、ブートローダーモードを開始および終了する例示的なプロセス300を示す流れ図を示す。例示的なマイクロコントローラプロセス300は、例えば、図1の一次コントローラ116、図2の一次コントローラなどの一次コントローラ(またはマイクロプロセッサ)、またはそれに関連する1つもしくは複数のプロセッサ、モジュール、エンジン、もしくは構成要素によって様々な実装形態で実行され得る。
【0036】
まず、310で、一次コントローラはブートローダーモードを開始する要求を受信する。ブートローダーモードを開始するための要求は、外部システムによって開始され、例えば、I2Cインターフェース、UARTインターフェースなどのような通信インターフェースによって受信され得る。本明細書で論じられるように、ブートローダーモードを開始するための要求は、ユーザアプリケーションコードを更新するための要求を含む。320で、一次コントローラはブートローダーモードを開始する。
【0037】
決定330で、一次コントローラはファームウェア更新が必要かどうかを決定する。ファームウェア更新が必要な場合、340で、一次コントローラはブートローダー信号をアサートする。本明細書で論じられるように、ブートローダー信号のアサートは、ブートローダー信号をローに駆動している可能性がある。図8ならびに図9Aおよび図9Bを参照して、例を示し、説明する。ただし、ファームウェアの更新が必要ない場合は、370で、一次コントローラがフラッシュメモリ内のユーザアプリケーションにジャンプする。例えば、図2のフラッシュメモリのユーザアプリケーション割り込みベクトルテーブルのUSER_APPLICATION_BASE_ADDRESSを参照すること。
【0038】
350で、一次コントローラは要求に基づいてファームウェアを更新する。360で、一次コントローラはブートローダー信号をアサート解除する(有効な状態から解除する)。上記のように、ブートローダー信号のアサート解除は、ブートローダー信号をハイに駆動(または再駆動)する可能性がある。最後に、380で、一次コントローラはブートローダーモードを終了し、必要に応じてリセットする。例えば、一次コントローラをリセットすると、一次コントローラまたは電源ユニットを「通常の」(または非ブートローダー)動作モードに戻すことができる。
【0039】
図4は、いくつかの実装形態による、一次電力ブーストステージのレギュレーションの制御を引き受けるために補助ブーストコントローラを操作するための例示的なプロセス400を示す流れ図を示す。例示的なプロセス400は、例えば、図1の補助ブーストコントローラ118などの補助ブーストコントローラ、またはそれに関連する1つもしくは複数のプロセッサ、モジュール、エンジン、もしくは構成要素によって様々な実装形態で実行され得る。
【0040】
まず、410で、補助ブーストコントローラは一次コントローラからのブートローダー信号のアサートを監視する。決定420で、補助ブーストコントローラは、ブートローダー信号がアサートされているかどうかを決定する。ブートローダー信号が受信されない場合、プロセスは、410でブートローダー信号のアサートを監視し続ける。ブートローダー信号が受信されると、430で、補助ブーストコントローラは、例えば、ブーストレギュレータ信号を駆動してフィルタの出力のステップアップを最小しきい値電圧に調整することによって、一次電力ブーストステージを調整する制御を引き受ける。
【0041】
440で、補助ブーストコントローラは一次コントローラからのブートローダー信号のアサート解除を監視する。決定450で、補助ブーストコントローラは、ブートローダー信号がアサート解除されているかどうかを決定する。ブートローダー信号がアサート解除されると、460で、補助ブーストコントローラがブートローダー信号の制御を解放する。本明細書で論じられるように、次いで、一次コントローラはブートローダー信号の制御を引き受け得る。示されていないが、いくつかの実装形態では、プロセスは、次いで、410で一次コントローラからのブートローダー信号のアサートの監視に戻る。決定450でブートローダー信号がアサート解除されない場合、プロセスは、440でブートローダー信号のアサート解除の監視に戻る。
【0042】
図5は、いくつかの実施形態による、補助ブーストコントローラの例示的な動作を示す状態図500を示す。図5の例に示されるように、状態図500は、状態510、520、530、および540、エントリアクション522、532、および542、ならびに遷移条件515、525、535、545、536、および546を含む。状態図500に示される例示的な状態動作および遷移は、例えば、図1の補助ブーストコントローラ118などの補助ブーストコントローラ、またはそれに関連する1つもしくは複数のプロセッサ、モジュール、エンジン、もしくは構成要素によって様々な実施形態で実行され得る。追加のまたはより少ない状態、エントリアクション、および遷移条件が可能である。
【0043】
補助ブーストコントローラは、最初はオフ状態510にある。本明細書で論じられるように、オフ状態510の間、電源ユニットの全ての構成要素(補助ブーストコントローラを含む)は無効にされる。電源ユニットの電源を入れることは、補助ブーストコントローラをオフ状態510からアイドル状態520に遷移させる遷移条件515として機能する。アイドル状態520に入ると、エントリアクション522は、補助ブーストコントローラによって実行される。図5の例に示されるように、エントリアクション522は、ブートローダー信号のアサートの監視を含む。本明細書で論じられるように、電源ユニット100は、一次コントローラ116がブートローダー動作を実行しているとき、ブートローダーモードにあると言われる。ブートローダーは、例えば、I2C、UARTなどの通信インターフェースを介してユーザアプリケーションコードを更新できるようにするコードの1ピースである。
【0044】
アイドル状態520で動作している間、ブートローダー信号がアサートされていることの表示を検出することは、補助ブーストコントローラをアイドル状態520から補助保護状態530に遷移させる遷移条件525として機能する。本明細書で論じられるように、一次コントローラは、一次コントローラがブートローダーモードにあることを示すために、ブートローダー信号をアサートする。補助保護状態530に入ると、エントリアクション532は、補助ブーストコントローラによって実行される。図5の例に示されるように、エントリアクション532には、一次電力ブーストステージの制御を引き受けることを含む。示されていないが、エントリアクション532はまた、障害の発生の監視を含む。
【0045】
補助保護状態530において、障害の発生を検出することは、補助ブーストコントローラを補助保護状態530から障害状態540に遷移させる遷移条件535として機能する。障害状態540に入ると、エントリアクション542は、補助ブーストコントローラによって実行される。図5の例に示されるように、エントリアクション542には、1つまたは複数の障害動作の実行を含む。障害状態540において、リセットの発生を検出することは、補助ブーストコントローラを障害状態540からアイドル状態520に遷移させる遷移条件546として機能する。さらに、電源オフイベントの発生は、補助ブーストコントローラを任意の状態からオフ状態510に遷移させる遷移条件545として機能する。
【0046】
図6は、いくつかの実装形態による、「通常の」(または非ブートローダー)動作モードとブートローダーモードとの間の移行中に電源ユニットの様々な構成要素間で発生する信号の例を示す信号図600を示している。一次コントローラ、補助ブースト、および一次電力ブーストステージは、図1の一次コントローラ116、補助ブースト118、および一次電力ブーストステージ114であり得るが、代替の構成が可能である。
【0047】
最初に、一次コントローラは駆動ブーストレギュレータシグナリングをアサートして、一次電力ブースト状態のレギュレーションを制御する。ブートローダー要求を受信すると、一次コントローラは駆動ブーストレギュレータシグナリングをアサート解除し、ブートローダー信号をアサートする。ブートローダー信号は補助ブースト制御によって受信され、次に、ブートローダー信号がアサート解除されるまでブーストステージの制御を引き受ける。ブートローダー信号がアサート解除されると、補助ブーストは、駆動ブーストレギュレータシグナリングをアサート解除することにより、ブーストステージの制御を解放した。次いで、一次コントローラは、駆動ブーストレギュレータシグナリングを再度アサートすることにより、ブーストステージの制御を再開する。
【0048】
図7は、いくつかの実装形態による、ブートローダーモードで電源ユニットのスタンバイ出力に電力を継続的に供給するための例示的なプロセス700を示す流れ図を示す。例示的なプロセス700は、例えば、図1の電源ユニット100などの電源ユニット、またはそれに関連する1つもしくは複数のプロセッサ、モジュール、エンジン、もしくは構成要素によって様々な実装形態で実行され得る。
【0049】
まず、710で、電源ユニットは、電圧源からDC入力電圧を受け取る。720で、電源ユニットは、EMIのDC入力をフィルタリングする。730で、電源ユニットは、ブーストレギュレータ信号を駆動して、ブーストステージ回路によるレギュレーションを制御する。決定740で、電源ユニットは、ブートローダー信号がアサートされているかどうかを決定する。そうでない場合、プロセスは、ステップ710に戻る。それ以外の場合、750で、電源ユニットは、ブーストレギュレータ信号を駆動する制御を引き受けて、ブートローダーモードで電源ユニットのスタンバイ出力に電力を継続的に供給する。決定760で、電源ユニットは、ブートローダー信号がアサート解除されているかどうかを決定する。そうでない場合、プロセスは、ステップ710に戻る。それ以外の場合、770で、電源ユニットは、ブーストレギュレータ信号を駆動する制御を解放する。
【0050】
図8は、いくつかの実装形態による、補助ブースト制御なしでブートローダーモードを開始する電源ユニットの中間電圧測定を示す例示的な波形800を示す。より具体的には、図8の例に示されるように、電源ユニットに補助ブースト制御がない場合、一次電力ブーストステージ(Vbulk)の出力およびスタンバイ出力(VAUX)がレギュレーション外であるため、ブートローダープロシージャが失敗する可能性がある。
【0051】
図9Aおよび図9Bは、いくつかの実装形態による、例示的な波形900Aおよび900Bを示し、補助ブースト制御を備えたブートローダーモードを開始および終了する電源ユニットの中間電圧測定を示す。より具体的には、補助ブースト制御は、例えば、図1の補助ブーストコントローラ118などの補助ブーストコントローラによって提供することができる。図9Aおよび図9Bの例に示されるように、スタンバイ出力(VAUX)は、ブートローダーモードの開始および終了が適切に調整される。
【0052】
当業者によって理解されるように、本発明の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具体化することができる。したがって、本発明の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、本明細書では全て「回路」、「モジュール」、または「システム」と一般に呼ばれ得るソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができる。さらに、本発明の態様は、コンピュータ可読プログラムコードがその上に具体化された1つまたは複数のコンピュータ可読媒体に具体化されたコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。
【0053】
含まれる説明および図は、当業者に最良のモードを作成および使用する方法を教えるための特定の実施形態を示している。発明の原理を教える目的で、いくつかの従来の態様は単純化または省略されている。当業者は、本開示の範囲内にあるこれらの実施形態からの変形を理解するであろう。当業者はまた、上記の特徴を様々な方法で組み合わせて複数の実施形態を形成することができることを理解するであろう。結果として、本発明は、上記の特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲およびそれらの同等物によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
【外国語明細書】