(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055361
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】DUX4の発現を調節するための医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7115 20060101AFI20220331BHJP
A61P 21/04 20060101ALI20220331BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220331BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20220331BHJP
C12N 15/113 20100101ALI20220331BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20220331BHJP
【FI】
A61K31/7115
A61P21/04
A61P43/00 111
A61P43/00 105
A61K48/00
C12N15/113 Z ZNA
C12N15/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157665
(22)【出願日】2021-09-28
(31)【優先権主張番号】P 2020162671
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002956
【氏名又は名称】田辺三菱製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 新司
(72)【発明者】
【氏名】屋代 貴志
(72)【発明者】
【氏名】荒木 友
(72)【発明者】
【氏名】金川 峻幸
(72)【発明者】
【氏名】岡垣 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】古川 博之
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA13
4C084NA14
4C084ZA941
4C084ZA942
4C084ZB211
4C084ZB212
4C084ZC411
4C084ZC412
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA18
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA94
4C086ZB21
4C086ZC41
(57)【要約】
【課題】Double homeobox 4(DUX4)遺伝子が異常発現した個体の、DUX4を正常化させるための医薬組成物を提供すること。
【解決手段】12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであって、
少なくとも8個の連続する核酸塩基配列であって、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列の5’末端から126~147位、232~248位、1306~1325位または1480~1495位におけるその等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、
前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列におけるその等長部分に少なくとも90%相補性を有し、
前記少なくとも8個の連続する核酸塩基配列が配列番号1の核酸塩基配列の5’末端から1480~1495位におけるその等長部分に相補的である核酸塩基配列を含む場合は、前記修飾オリゴヌクレオチドは配列番号1の核酸塩基の5’末端から1480位の塩基の相補塩基を3’末端に有する核酸塩基配列からなる、
修飾オリゴヌクレオチドまたはその医薬的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであって、
少なくとも8個の連続する核酸塩基配列であって、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列の5’末端から126~147位、232~248位、1306~1325位または1480~1495位におけるその等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、
前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列におけるその等長部分に少なくとも90%相補性を有し、
前記少なくとも8個の連続する核酸塩基配列が配列番号1の核酸塩基配列の5’末端から1480~1495位におけるその等長部分に相補的である核酸塩基配列を含む場合は、前記修飾オリゴヌクレオチドは配列番号1の核酸塩基の5’末端から1480位の塩基の相補塩基を3’末端に有する核酸塩基配列からなる、
修飾オリゴヌクレオチドまたはその医薬的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物。
【請求項2】
前記修飾オリゴヌクレオチドのうち1つ以上の修飾ヌクレオチドが修飾糖を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記修飾糖が、二環式糖、2’-O-メトキシエチルで修飾された糖、および2’-O-メチルで修飾された糖からなる群から選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記二環式糖が、LNA、GuNA、ALNA[Ms]、ALNA[mU]、ALNA[ipU]、ALNA[Oxz]、およびALNA[Trz]からなる群から選択される、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであって、
少なくとも8個の連続する核酸塩基配列であって、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列の5’末端から1472~1495位におけるその等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、
前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列におけるその等長部分に少なくとも90%相補性を有し、
前記修飾オリゴヌクレオチドがGuNA、ALNA[Ms]、ALNA[mU]、ALNA[ipU]、ALNA[Oxz]、およびALNA[Trz]から選択される修飾糖を含むヌクレオシドを少なくとも1つ含む、
修飾オリゴヌクレオチドまたはその医薬的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物。
【請求項6】
前記修飾オリゴヌクレオチドがさらに、2’-O-メトキシエチルで修飾された糖、および/または2’-O-メチルで修飾された糖を含む、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記修飾オリゴヌクレオチドのうち少なくとも1つの修飾ヌクレオチドが修飾核酸塩基を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記修飾オリゴヌクレオチドにおいて、少なくとも1つのヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である、請求項1~8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記修飾ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、請求
項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記修飾オリゴヌクレオチドが、
1)ギャップセグメントと、
2)5’ウイングセグメントと、
3)3’ウイングセグメント、を含み、
前記ギャップセグメントが、前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントとの間に位置付けられ、
前記5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントのヌクレオシドのいずれもが、少なくとも1つの修飾糖を含み、
前記ギャップセグメントのヌクレオシドは、修飾糖を含まないヌクレオシドのみであるか、または、修飾糖を含む1または2個のヌクレオシドを含み、それ以外は修飾糖を含まないヌクレオシドである、
請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記修飾オリゴヌクレオチドが、
配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列の
5’末端から128~143位の核酸塩基配列、
5’末端から232~247位の核酸塩基配列、
5’末端から233~248位の核酸塩基配列、
5’末端から1309~1323位の核酸塩基配列、または
5’末端から1480~1495位の核酸塩基配列、
に相補的な核酸塩基配列からなる、請求項1~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記修飾オリゴヌクレオチドが、
gtggcgatgc ccgggt(配列番号75)、
gagattcccg cnggtg(配列番号78:nは5-メチルシトシンを示す)、
ngagattcccgccggt(配列番号2:nは5-メチルシトシンを示す)、
gnagttctccgcggt(配列番号3:nは5-メチルシトシンを示す)、または
gnntagacagcgtngg(配列番号4:nは5-メチルシトシンを示す)
の塩基配列からなる、請求項1~12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
GlsMlsMlsTdsAdsGdsAdsCdsAdsGdsCdsGdsTdsMlsGlsGl;
で示される、請求項13に記載の医薬組成物。
式中、
各核酸塩基が下記記号:
A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、M=5-メチルシトシン、
に従って示され;
各糖部分が下記記号:
l=LNA、d=2’-デオキシリボース、
に従って示され;
各ヌクレオシド間結合が下記記号:
s=ホスホロチオエートに従って示される。
【請求項15】
前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
GmsMmsMmsTdsAdsGdsAdsCdsAdsGdsCdsGdsTdsMmsGmsGm;
で示される、請求項13に記載の医薬組成物。
式中、
各核酸塩基が下記記号:
A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、M=5-メチルシトシン、
に従って示され;
各糖部分が下記記号:
m=ALNA[Ms]、d=2’-デオキシリボース、
に従って示され;
各ヌクレオシド間結合が下記記号:
s=ホスホロチオエートに従って示される。
【請求項16】
前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
GmsMmsAmsGdsTdsTdsCdsTdsCdsCdsGdsCdsGmsGmsTm;
で示される、請求項13に記載の医薬組成物。
式中、
各核酸塩基が下記記号:
A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、M=5-メチルシトシン、に
従って示され;
各糖部分が下記記号:
m=ALNA[Ms]、d=2’-デオキシリボース、
に従って示され;
各ヌクレオシド間結合が下記記号:
s=ホスホロチオエート
に従って示される。
【請求項17】
前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
MlsGlsAlsGdsAdsTdsTdsCdsCdsCdsGdsCdsCdsGlsGlsTl;
で示される、請求項13に記載の医薬組成物。
式中、
各核酸塩基が下記記号:
A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、M=5-メチルシトシン、
に従って示され;
各糖部分が下記記号:
l=LNA、d=2’-デオキシリボース、
に従って示され;
各ヌクレオシド間結合が下記記号:
s=ホスホロチオエート
に従って示される。
【請求項18】
前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
【化1】
によって示される、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
【化2】
によって示される、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
【化3】
によって示される、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
【化4】
によって示される、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項22】
DUX4関連疾患の治療、予防、またはその進行の遅延化のための、請求項1~21のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記DUX4関連疾患が顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーである、請求項22に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物におけるDUX4 mRNAおよび蛋白質の発現を低減するための医薬組成物に関する。本発明の方法は、DUX4関連疾患、例えば、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(facioscapulohumeral muscular dystrophy: FSHD)を治療し、予防し、または軽減するために有用である。
【背景技術】
【0002】
顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)は、全世界で20,000分の1、欧州では7,500分の1の概算頻度で発症する筋ジストロフィーであり、筋ジストロフィーの中で、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィーに次いで3番目に多い疾患である。初発症状は、顔面や上肢・肩甲部・上肢帯の筋力低下で、進行とともに下肢帯、下肢にも障害が及び、約20%の症例で40歳までに車椅子生活となる(壮年期になっても軽度の顔面筋罹患のみの場合もある)。疼痛や神経性難聴および網膜症の合併も多い。約9割の患者は、20歳までに発症する。重症患者(約4%)では乳児期から筋力低下を示す。
【0003】
FSHDは原因遺伝子により、FSHD1とFSHD2という2つの型に分類される。FSHD1型は、FSHD患者全体の約95%を占める。FSHD1型患者では、4q35のD4Z4リピート領域が遺伝的に短縮しており(1~10個のD4Z4リピート)、これによりD4Z4リピート領域にコードされているDUX4の異常発現が起こる(健常人ではDUX4は発現しない)。FSHD2型は、FSHD患者全体の約5%で、SMCHD1(DNAメチル化酵素)変異によりDUX4の異常発現が起こる。DUX4は転写因子様の機能を持ち、下流にコードされる筋細胞のアポトーシスや筋萎縮を引き起こす遺伝子群を発現させる。DUX4の異常発現は4qAと4qBの2つの対立遺伝子のうち、4qAといわれる対立遺伝子を保有することによる。4qAに存在するポリアデニレーションサイトがDUX4 mRNAの安定化に必要である(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。
【0004】
アンチセンス技術は、ある種の遺伝子産物の発現を調節するための有効な手段として明らかになりつつあり、したがって、DUX4を調節するための、いくつかの治療的、診断的、及び研究的適用に比類なく有用であることが判明する可能性がある。
【0005】
DUX4 miRNA をコードするアデノ随伴ウイルスを用いて、DUX4遺伝子の
発現を抑制する方法が報告されている(特許文献1)が、該アデノ随伴ウイルスを調製するのは煩雑であり、また必要とされる全身の筋肉へ送達することは困難である。
【0006】
DUX4 shRNAをコードするレンチウイルスを用いて、DUX4遺伝子の発現を抑制する方法が報告されている(非特許文献2)が、該レンチウイルスを調製するのは煩雑であり、また必要とされる全身の筋肉へ送達することは困難である。さらに、四頭筋や僧帽筋細胞でのinvitroでの遺伝子抑制作用は21%、44%の残存活性があり、十分な効果とはいえない。
【0007】
複数のDUX4に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを連結した化合物が報告されている(特許文献2)が、修飾オリゴヌクレオチドではなく、またその阻害効果は十分とはいえない。
【0008】
DUX4 mRNAのスプライシング部位に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチド
化合物が報告されている(特許文献3)が、これらの化合物はイントロンを含むプレmRNA選択的であるため成熟mRNAに対しては阻害効果が弱く、またLipofection法によるノックダウンのため、生体へ投与することは困難である。
【0009】
現在行われているFSHD治療法としては、対症療法としてのリハビリテーション(ストレッチや運動)、NSAIDsの投与、呼吸ケアなどであるが、効果は不十分で患者の負担は大きい。したがって、FSHDを処置するための医薬組成物を提供することが、本明細書における目的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2013/016352号
【特許文献2】国際公開第2017/007886号
【特許文献3】米国公開第2012/0225034号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Snider et al.,PLoS 2010,Vol.6(10) p1
【非特許文献2】Ferreboeuf et al.,HumanMolecular Genetics 2013,Vol.23(1),p171
【非特許文献3】Sacconi et al.,Biochim.Biophys.Acta 2015,p607
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、DUX4の発現を阻害するための、並びにDUX4関連疾患および/またはその症状を処置する、つまり、治療する、予防する、遅延させる、または改善させるための、医薬組成物を提供することにある。本明細書に開示される医薬組成物は、SNPなどの変異型DUX4やDUX4のスプライシングバリアントをも阻害する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
ある種の実施態様は、動物(ヒトを含む)においてDUX4の発現を低減させるための医薬組成物であって、本明細書に記載される、DUX4を標的とする修飾オリゴヌクレオチドを含有する医薬組成物を提供する。
ある種の実施態様は、動物(ヒトを含む)においてDUX4関連疾患を治療、予防、またはその進行の遅延化するための医薬組成物であって、本明細書に記載される、DUX4を標的とする修飾オリゴヌクレオチドを含有する医薬組成物を提供する。
【0014】
ある種の実施態様は、DUX4を標的とする修飾オリゴヌクレオチドを含有する化合物または医薬組成物を動物に投与して、核内リボヌクレアーゼ(RNase Hなど)を介するノックダウンする方法を提供する。また、当該修飾オリゴヌクレオチドを含有する化合物を投与して、DUX4 mRNAの転写やDUX4蛋白質の翻訳を阻害する方法を提供する。修飾オリゴヌクレオチドは筋肉に分布するのが好ましく、特に骨格筋に分布するのが好ましい。
【0015】
ある種の実施態様は、FSHDを有する動物を処置する方法を提供する。ある種の実施態様では、本発明の方法は、さらに本明細書に記載される、DUX4を標的とする修飾オリゴヌクレオチドを含む、治療有効量の化合物または医薬組成物を動物に投与することを含む。ある種の実施態様では、本発明の方法は、FSHD1および/またはFSHD2を有する動物を特定することを含む。
【0016】
ある種の実施態様は、筋萎縮・筋力低下を処置する、つまり、治療する、予防する、遅延させる、または改善させる方法を提供する。顔面頬部、肩、上腕部の筋力低下による、表情が乏しい/目を開けたまま寝る/上肢の挙上困難/翼状肩甲を緩和または悪化を遅延させることである。また、腰帯,下肢の筋力低下を防止し、更に、神経性難聴および網膜症の合併を防ぐことが好ましい。
【0017】
ある種の実施態様では、DUX4 mRNAは、GenBank受託番号NM_001293798.2に記載の配列(配列表の配列番号1として本明細書に組み込まれる)を有する。配列表の配列番号1のDUX4 mRNAのスプライシングバリアントは、DUX4-FL1またはDUX4の成熟mRNAともいう。ある種の実施態様では、DUX4
mRNAは、GenBank受託番号NM_001306068.2に記載の配列(配列表の配列番号5として本明細書に組み込まれる)を有する。配列表の配列番号5のDUX4 mRNAのスプライシングバリアントは、DUX4-FL2ともいう。ある種の実施態様では、DUX4は、GenBank受託番号NM_001363820.1に記載の配列(配列表の配列番号6として本明細書に組み込まれる)を有する。配列表の配列番号6のDUX4 mRNAのスプライシングバリアントは、DUX4-sともいう。ある種の実施態様では、DUX4は、上記スプライシングバリアントのSNPをいう。
【0018】
本開示は、以下の項[1]~[23]に記載の非限定な番号付けされた実施態様に関するものであるが、これらに限定されない。
【0019】
項[1] 12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであって、
少なくとも8個の連続する核酸塩基配列であって、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列の5’末端から126~147位、232~248位、1306~1325位または1480~1495位におけるその等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、
前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列におけるその等長部分に少なくとも90%相補性を有し、
前記少なくとも8個の連続する核酸塩基配列が配列番号1の核酸塩基配列の5’末端から1480~1495位におけるその等長部分に相補的である核酸塩基配列を含む場合は、前記修飾オリゴヌクレオチドは配列番号1の核酸塩基の5’末端から1480位の塩基の相補塩基を3’末端に有する核酸塩基配列からなる、
修飾オリゴヌクレオチドまたはその医薬的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物。
【0020】
項[2] 前記修飾オリゴヌクレオチドのうち1つ以上の修飾ヌクレオチドが修飾糖を含む、項[1]に記載の医薬組成物。
【0021】
項[3] 前記修飾糖が、二環式糖、2’-O-メトキシエチルで修飾された糖、および2’-O-メチルで修飾された糖からなる群から選択される、項[2]に記載の医薬組成物。
【0022】
項[4] 前記二環式糖が、LNA、GuNA、ALNA[Ms]、ALNA[mU]、ALNA[ipU]、ALNA[Oxz]、およびALNA[Trz]からなる群から選択される、項[3]に記載の医薬組成物。
【0023】
項[5] 12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであって、
少なくとも8個の連続する核酸塩基配列であって、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列の5’末端から1472~1495位におけるその等長部分に相補的で
ある核酸塩基配列を含み、
前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列におけるその等長部分に少なくとも90%相補性を有し、
前記修飾オリゴヌクレオチドがGuNA、ALNA[Ms]、ALNA[mU]、ALNA[ipU]、ALNA[Oxz]、およびALNA[Trz]から選択される修飾糖を含むヌクレオシドを少なくとも1つ含む、
修飾オリゴヌクレオチドまたはその医薬的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物。
【0024】
項[6] 前記修飾オリゴヌクレオチドがさらに、2’-O-メトキシエチルで修飾された糖、および/または2’-O-メチルで修飾された糖を含む、項[5]に記載の医薬組成物。
【0025】
項[7] 前記修飾オリゴヌクレオチドのうち少なくとも1つの修飾ヌクレオチドが修飾核酸塩基を含む、項[1]~項[6]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0026】
項[8] 前記修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、項[7]に記載の医薬組成物。
【0027】
項[9] 前記修飾オリゴヌクレオチドにおいて、少なくとも1つのヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である、項[1]~項[8]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0028】
項[10] 前記修飾ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、項[9]に記載の医薬組成物。
【0029】
項[11] 前記修飾オリゴヌクレオチドが、
1)ギャップセグメントと、
2)5’ウイングセグメントと、
3)3’ウイングセグメント、を含み、
前記ギャップセグメントが、前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントとの間に位置付けられ、
前記5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントのヌクレオシドのいずれもが、少なくとも1つの修飾糖を含み、
前記ギャップセグメントのヌクレオシドは、修飾糖を含まないヌクレオシドのみであるか、または、修飾糖を含む1または2個のヌクレオシドを含み、それ以外は修飾糖を含まないヌクレオシドである、
項[1]~項[10]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0030】
項[12] 前記修飾オリゴヌクレオチドが、
配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列の
5’末端から128~143位の核酸塩基配列、
5’末端から232~247位の核酸塩基配列、
5’末端から233~248位の核酸塩基配列、
5’末端から1309~1323位の核酸塩基配列、または
5’末端から1480~1495位の核酸塩基配列、
に相補的な核酸塩基配列からなる、項[1]~項[11]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0031】
項[13] 前記修飾オリゴヌクレオチドが、
gtggcgatgc ccgggt(配列番号75)、
gagattcccg cnggtg(配列番号78:nは5-メチルシトシンを示す)、
ngagattcccgccggt(配列番号2:nは5-メチルシトシンを示す)、
gnagttctccgcggt(配列番号3:nは5-メチルシトシンを示す)、または
gnntagacagcgtngg(配列番号4:nは5-メチルシトシンを示す)
の塩基配列からなる、項[1]~項[12]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0032】
項[14] 前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
GlsMlsMlsTdsAdsGdsAdsCdsAdsGdsCdsGdsTdsMlsGlsGl;
で示される、項[13]に記載の医薬組成物。
式中、
各核酸塩基が下記記号:
A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、M=5-メチルシトシン、
に従って示され;
各糖部分が下記記号:
l=LNA、d=2’-デオキシリボース、
に従って示され;
各ヌクレオシド間結合が下記記号:
s=ホスホロチオエートに従って示される。
【0033】
項[15] 前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
GmsMmsMmsTdsAdsGdsAdsCdsAdsGdsCdsGdsTdsMmsGmsGm;
で示される、項[13]に記載の医薬組成物。
式中、
各核酸塩基が下記記号:
A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、M=5-メチルシトシン、
に従って示され;
各糖部分が下記記号:
m=ALNA[Ms]、d=2’-デオキシリボース、
に従って示され;
各ヌクレオシド間結合が下記記号:
s=ホスホロチオエートに従って示される。
【0034】
項[16] 前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
GmsMmsAmsGdsTdsTdsCdsTdsCdsCdsGdsCdsGmsGmsTm;
で示される、項[13]に記載の医薬組成物。
式中、
各核酸塩基が下記記号:
A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、M=5-メチルシトシン、に
従って示され;
各糖部分が下記記号:
m=ALNA[Ms]、d=2’-デオキシリボース、
に従って示され;
各ヌクレオシド間結合が下記記号:
s=ホスホロチオエート
に従って示される。
【0035】
項[17] 前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
MlsGlsAlsGdsAdsTdsTdsCdsCdsCdsGdsCdsCdsGlsGlsTl;
で示される、項[13]に記載の医薬組成物。
式中、
各核酸塩基が下記記号:
A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、M=5-メチルシトシン、
に従って示され;
各糖部分が下記記号:
l=LNA、d=2’-デオキシリボース、
に従って示され;
各ヌクレオシド間結合が下記記号:
s=ホスホロチオエート
に従って示される。
【0036】
項[18] 前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
【化1】
によって示される、項[14]に記載の医薬組成物。
【0037】
項[19] 前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
【化2】
によって示される、項[15]に記載の医薬組成物。
【0038】
項[20] 前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
【化3】
によって示される、項[16]に記載の医薬組成物。
【0039】
項[21] 前記修飾オリゴヌクレオチドが、下式:
【化4】
によって示される、項[17]に記載の医薬組成物。
【0040】
項[22] DUX4関連疾患の治療、予防、またはその進行の遅延化のための、項[1]~項[21]のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0041】
項[23] 前記DUX4関連疾患が顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーである、項[22]に記載の医薬組成物。
【発明の効果】
【0042】
本発明により、DUX4遺伝子の異常発現に起因する顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーなどの疾患の処置に有効な修飾オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】各種DUX4修飾オリゴヌクレオチド投与によるDUX4遺伝子発現の抑制効果を示す図面である。
【
図2】各種DUX4修飾オリゴヌクレオチド投与によるDUX4遺伝子発現の抑制効果を示す図面である。
【
図3】DUX4修飾オリゴヌクレオチド投与による、用量依存的なDUX4遺伝子発現の抑制効果を示す図面である。
【
図4】各種DUX4修飾オリゴヌクレオチド投与によるDUX4遺伝子発現の抑制効果を示す図面である。
【
図5】DUX4修飾オリゴヌクレオチド(化合物番号3)投与による、DUX4 TgマウスにおけるクレアチンキナーゼおよびDUX4 mRNAの抑制効果を示す図面である。
【
図6】DUX4修飾オリゴヌクレオチド(化合物番号123、化合物番号247、および化合物番号113)投与による、DUX4 TgマウスにおけるクレアチンキナーゼおよびDUX4 mRNAの抑制効果を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
前述の概要及び以下の詳細な説明の両方とも例示的且つ説明的なものに過ぎず、請求される本発明を制限するものではないことを理解されたい。本明細書では、別段の記載がない限り、単数形の使用は複数形を含む。本明細書では、別段の記載がない限り、「または」の使用は「及び/または」を意味する。さらに、用語「含むこと(including)」並びに他の形態、例えば「含む(includes)」及び「含まれる(included)」の使用は、限定的なものではない。さらに、別段の記載がない限り、「要素」などの用語は、1つのユニットを含む要素と1つを超えるサブユニットを含む要素を包含する。
【0045】
本明細書で使用されるセクションの見出しは、構成上の目的のためだけであり、記載される主題を制限するものとして解釈されるべきでない。これらに限定されないが、特許、特許出願、記事、書籍及び論文を含めた、本出願で引用されるすべての文書または文書の一部分は、本明細書で論じる文書の一部分に関して、及びその全体が、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0046】
(定義)
具体的な定義が与えられない限り、本明細書に記載の分析化学、有機合成化学、並びに医化学及び薬化学に関連して利用される命名法、及びそれらの手順及び技法は、当技術分野で周知であり、一般に使用されるものである。標準的な技法を、本明細書中で使用する化学合成及び化学分析に使用することができる。許容される場合、本明細書の開示の全体を通して言及される、すべての特許、出願、公開出願及び他の刊行物、国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)などのデータベースを通して入手可能なGenBank受託番号及び関連する配列情報並びに他のデータは、本明細書に論じる文書の一部分に関して、及びその全体が、参照により組み込まれる。
また、本明細書は、電子フォーマットの配列表と共に出願するが、当該電子フォーマット中に記載する配列表の情報は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。
【0047】
別段の指示がない限り、以下の用語は以下の意味を有する。
【0048】
「核酸」は、モノマーのヌクレオチドから成る分子を指す。核酸の例としては、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、一本鎖核酸、二本鎖核酸、低分子干渉リボ核酸(siRNA)及びマイクロRNA(miRNA)が挙げられるが、これらに限定されない。核酸は、これらの要素の組み合わせを単一分子中に含むこともできる。
【0049】
「核酸塩基」は、別の核酸の塩基と対形成することができる複素環部分を意味する。核酸塩基には、「修飾核酸塩基」と「非修飾核酸塩基」がある。
【0050】
「核酸塩基配列」は、任意の糖結合または核酸塩基修飾と無関係の、連続的な核酸塩基
の順序を意味する。
【0051】
「ヌクレオシド」は、糖に連結した核酸塩基を意味する。ある種の実施態様では、ヌクレオシドはリン酸基に連結している。
【0052】
「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドの糖部分と共有結合したリン酸基などを有するヌクレオシドを意味する。天然に存在するヌクレオチドは糖部分がリボースまたはデオキシリボースであり、リン酸基を介してホスホジエステル結合により共有結合している。
【0053】
「オリゴマー化合物」または「オリゴマー」は、核酸分子の少なくとも一領域にハイブリダイズすることができる、連結モノマーサブユニットのポリマーを意味する。
【0054】
「オリゴヌクレオチド」は、各ヌクレオシド及び各ヌクレオシド間結合が、互いに独立して、修飾されていても修飾されていなくてもよい、連結したヌクレオシドのポリマーを意味する。
【0055】
「非修飾ヌクレオチド」は、天然に存在する核酸塩基、糖部分及びヌクレオシド間結合から成るヌクレオチドを意味する。ある種の実施態様では、非修飾ヌクレオチドはRNAヌクレオチド(すなわちβ-D-リボヌクレオシド)またはDNAヌクレオチド(すなわちβ-D-デオキシリボヌクレオシド)であるが、これらに限定されない。
【0056】
「修飾ヌクレオチド」は、独立に、修飾糖部分、修飾ヌクレオシド間結合または修飾核酸塩基を有するヌクレオチドを意味する。「修飾ヌクレオシド」は、独立に、修飾糖部分または修飾核酸塩基を有するヌクレオシドを意味する。
【0057】
「ヌクレオシド間結合」は、ヌクレオシド間の化学結合を指す。
【0058】
「連結したヌクレオシド」は、ヌクレオシド間結合によって結合または連結している、隣接ヌクレオシドを意味する。
【0059】
「天然に存在するヌクレオシド間結合」は、3’-5’ホスホジエステル結合を意味する。
【0060】
「修飾ヌクレオシド間結合」は、天然に存在するヌクレオシド間結合(すなわち、ホスホジエステルヌクレオシド間結合)からの置換または任意の変化を指す。例えば、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合があるが、これに限定されない。
【0061】
「ホスホロチオエートヌクレオシド間結合」は、非架橋酸素原子の1つを硫黄原子で置き換えることによってホスホジエステル結合が修飾される、ヌクレオシド間の結合を意味する。ホスホロチオエート結合は、当該修飾ヌクレオシド間結合の1例である。
【0062】
「修飾核酸塩基」は、アデニン、シトシン、グアニン、チミジンまたはウラシル以外の任意の核酸塩基を指す。例えば、5-メチルシトシンがあるが、これに限定されない。「非修飾核酸塩基」は、プリン塩基のアデニン(A)及びグアニン(G)、並びにピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を意味する。
【0063】
「修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1つの当該修飾ヌクレオシド及び/または当該修飾ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを意味する。
「塩」とは酸に含まれている1つ以上の解離しうる水素イオンを、金属イオンやアンモニウムイオンなどの陽イオンで置換した化合物の総称であり、修飾オリゴヌクレオチドの
塩としては、ホスホロチオエート結合のチオ(S)基または修飾核酸塩基内の官能基(例えば、アミノ基)上で、無機物イオン(例えば、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン)と形成される塩(例えば、ナトリウム塩、マグネシウム塩)を挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
「糖」または「糖部分」は、天然糖部分または修飾糖部分を意味する。
【0065】
「天然糖部分」は、DNA(2’-H)またはRNA(2’-OH)中に見られる糖を意味する。
【0066】
「修飾糖」は、天然糖部分からの置換または変化を指す。修飾糖としては、例えば、置換糖部分及び代用糖部分が挙げられる。
【0067】
「置換糖部分」は、RNAまたはDNAの天然糖以外のフラノシルを意味する。
【0068】
「2’-O-メトキシエチル」(2’-MOE及び2’-O(CH2)2-OCH3も同様)は、フラノシル環の2’位のO-メトキシ-エチル修飾を指す。2’-O-メトキシエチル修飾された糖は修飾糖である。
【0069】
「2’-O-メトキシエチルヌクレオチド」は、2’-O-メトキシエチル修飾された糖部分を含むヌクレオチドを意味する。
【0070】
「2’-O-メチル」(2’-OMe及び2’-OCH3も同様)は、フラノシル環の2’位のO-メチル修飾を指す。2’-O-メチル修飾された糖は修飾糖である。
【0071】
「2’-O-メチルヌクレオチド」は、2’-O-メチル修飾された糖部分を含むヌクレオチドを意味する。
【0072】
「代用糖部分」のための「糖代用物」は、糖ユニット(フラノース環)のみの置き換えを示すことが意図される。糖代用物は、ヌクレオシドの天然に存在する糖部分を置き換えることができ、その結果、得られたヌクレオシドサブユニットは、互いに連結して、及び/または他のヌクレオシドと連結して、相補的オリゴマー化合物とハイブリダイズすることができるオリゴマー化合物を形成することができる。そうした構造体は、フラノシルと異なる数の原子を含む環(例えば、4、6もしくは7員環);非酸素原子(例えば、炭素、硫黄もしくは窒素)とのフラノシルの酸素の置き換え;または原子数の変化と酸素の置き換えの両方を含む。そうした構造体は、置換糖部分に関して記載されたものに対応する置換を含むこともできる(例えば、さらなる置換基を任意に含む6員の炭素環式二環式糖代用物)。糖代用物は、より複雑な糖の置き換えも含む(例えば、非環系のペプチド核酸)。糖代用物としては、これらに限定されないが、モルホリノ、シクロヘキセニル及びシクロヘキシトールが挙げられる。
【0073】
「二環式糖」は、同一環上に存在する2つの異なる炭素原子の架橋によって修飾されるフラノシル環を意味する。好ましくは、「二環式糖」は、フラノシル環の2’位と4’位が架橋によって修飾された修飾糖を意味する。「二環式核酸」は、ヌクレオシドまたはヌクレオチドのフラノース部分が、「二環式糖」を含む、ヌクレオシドまたはヌクレオチドを指す。
【0074】
「LNA」は、一般的に2’,4’-ロックト核酸(locked nucleic acid)と呼称さ
れるヌクレオシドまたはヌクレオチドを意味し、例えば、一般式:
【化5】
[式中、
Bは、核酸塩基であり;
XおよびYは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基の保護基、置換されてもよいリン酸基、リン部分または支持体への共有結合等である]
で表されるヌクレオシドまたはヌクレオチドを挙げられる(WO98/39352を参照)。典型的な具体例は、下記式:
【化6】
で示されるヌクレオチドまたはヌクレオチドを挙げられる。
【0075】
「GuNA」は、下記式:
【化7】
[式中、Bは核酸塩基であり、R
3、R
4、R
5、R
6は各々独立して水素原子、または1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-6アルキル基であり、R
7、R
8はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基の保護基、置換されてもよいリン酸基、リン部分または支持体への共有結合等であり、そしてR
9、R
10、R
11は各々独立して水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-6アルキル基、またはアミノ基の保護基である。]
で表されるヌクレオシドまたはヌクレオチドである。(例えば、国際公開第2014/046212号、国際公開第2017/047816号を参照)。
【0076】
「ALNA[mU]」は、下記一般式(I):
【化8】
[式中、
Bは、核酸塩基であり;
R
1、R
2、R
3およびR
4は各々独立して、水素原子、または1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基であり;
R
5およびR
6は各々独立して、水素原子、水酸基の保護基、または置換されてもよいリン酸基、リン部分または支持体への共有結合等であり;
mは、1または2であり;
Xは、下記式(II-1):
【化9】
で示される基であり;
式(II-1)中に記載の記号:
【化10】
は、2’-アミノ基との結合点を示し;
R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方が1つ以上の置換基で置換されてもよい
メチル基である。]
で表されるヌクレオシドまたはヌクレオチドである(例えば、WO2020/100826を参照)。典型的な具体例は、R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方が無置換のメチル基である、ヌクレオシドまたはヌクレオチドである。
【0077】
「ALNA[ipU]」は、上記の「ALNA[mU]」において定義する一般式(I)で表されるヌクレオシドまたはヌクレオチドであって、該式中、
Xが、下記式(II-1):
【化11】
で示される基であり;
R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方が1つ以上の置換基で置換されてもよいイソプロピル基である(例えば、WO2020/100826を参照)。典型的な具体例は、R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方が無置換のイソプロピル基である、ヌクレオシドまたはヌクレオチドである。
【0078】
「ALNA[Trz]」は、上記の「ALNA[mU]」において定義する一般式(I
)で表されるヌクレオシドまたはヌクレオチドであって、該式中、
Xが、下記式(II-2):
【化12】
で示される基であり;
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよいトリアゾリル基である(例えば、WO2020/100826を参照)。典型的な具体例は、Aが、1または複数のメチル基を
有してもよいトリアゾリル基、より具体的には1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾー
ル-3-イル基である、ヌクレオシドまたはヌクレオチドである。
【0079】
「ALNA[Oxz]」は、上記の「ALNA[mU]」において定義する一般式(I)で表されるヌクレオシドまたはヌクレオチドであって、該式中、
Xが、下記式(II-2):
【化13】
で示される基であり;
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよいオキサジアゾリル基である(例えば、WO2020/100826を参照)。典型的な具体例は、Aが、1または複数のメチル
基を有してもよいオキサジアゾリル基、より具体的には、5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル基である、ヌクレオシドまたはヌクレオチドである。
【0080】
「ALNA[Ms]」は、上記の「ALNA[mU]」において定義する一般式(I)で表されるヌクレオシドまたはヌクレオチドであって、該式中、
Xが、下記式(II-3):
【化14】
で示される基であり;
Mは、1つ以上の置換基で置換されていてもよいメチル基で置換された、スルホニル基である(例えば、WO2020/100826を参照)。典型的な具体例は、Mが無置換のメチル基で置換されたスルホニル基である、ヌクレオシドまたはヌクレオチドである。
【0081】
「5-メチルシトシン」は、5位に結合したメチル基で修飾されたシトシンを意味する。5-メチルシトシンは修飾核酸塩基である。
【0082】
「一本鎖オリゴヌクレオチド」は、相補鎖とハイブリダイズしていないオリゴヌクレオチドを意味する。
【0083】
「DUX4」は、Double homeobox4ともいわれる転写因子の核酸または蛋白質を意味する。DUX4には、例えば、DUX4遺伝子から転写される各種スプライシングバリアント、またはその一塩基置換体(SNP)が挙げられるが、当該バリアント及び/またはSNPであってもよい。
【0084】
DUX4 mRNAには多くのスプライシングバリアントが報告されている。ヒトDUX4-s(配列表の配列番号6)はエクソン1内の非典型的なスプライシングドナーサイ
トにより、短いエクソン1(エクソン1s)、エクソン2、エクソン3からなり、毒性のない短いDUX4蛋白質をコードする。ヒトDUX4-FLはエクソン1、エクソン2、エクソン3からなり、全長のDUX4蛋白質をコードする。DUX4-FLには、イントロン1を含まない成熟mRNAであるDUX4-FL1(配列表の配列番号1)とイントロン1を含むDUX4-FL2(配列表の配列番号5)があるが、いずれも全長のDUX4蛋白質をコードし、筋肉に発現した場合、FSHDの原因とされる(前記非特許文献2を参照)。
【0085】
DUX4 mRNAは正常な精巣にも発現しているが、DUX4-FLに加え、エクソン1、エクソン2、エクソン6、エクソン7のスプライシングバリアント、および/またはエクソン1、エクソン2、エクソン4、エクソン5、エクソン6、エクソン7のスプライシングバリアントが発現する(前記非特許文献1を参照)。
【0086】
DUX4蛋白質は転写因子として機能するが、DUX4によって転写が調節される遺伝子としては、例えばMBD3L2、ZSCAN4、TRIM43、DEFB103、ZNF217などが挙げられる(前記非特許文献2を参照)。
【0087】
本発明の修飾オリゴヌクレオチドの標的とするDUX4 mRNAは、例えばヒトDUX4が好ましく、DUX4-FLがより好ましく、配列表の配列番号1に記載するDUX4-FL1がより一層好ましい。また、本発明のDUX4に対する修飾オリゴヌクレオチドの標的部位としては、エクソン1、イントロン1、エクソン2、イントロン2、エクソン3が好ましい。
【0088】
DUX4遺伝子は、転座などの染色体異常により他の遺伝子と融合して発現することが知られている。他の遺伝子としては、例えばIGH(Yasudaら、Nature Genetics 48(5),
569(2016))、CIC(Yoshimotoら、Cancer research 77, 2927(2017))、EWSR1
(Sirventら、Cancer Genetics and Cytogenetics 195, 12(2009))が報告されており、
それぞれB細胞性急性リンパ性白血病、分化円形細胞肉腫、胎児性横紋筋肉腫などの原因遺伝子と考えられている。本発明の修飾オリゴヌクレオチドには、これらの融合遺伝子を標的とする化合物も含まれる。
【0089】
「DUX4の発現」は、DUX4をコードする遺伝子から転写されたmRNAのレベル
、またはそのmRNAから翻訳された蛋白質のレベルを意味する。DUX4の発現は、ノーザンまたはウェスタンブロット、PCRなどの当技術分野で既知の方法によって決定することができる。
【0090】
「DUX4核酸」は、DUX4をコードする任意の核酸を意味する。例えば、ある種の実施態様では、DUX4核酸は、DUX4をコードするDNA配列、(イントロン及びエクソンを含むゲノムDNAを含めた)DUX4をコードするDNAから転写されるRNA配列、並びにDUX4をコードするmRNA前駆体またはスプライシングされた成熟mRNAを含む。また、ある種の実施態様ではDUX4遺伝子と他の遺伝子の融合による生じる遺伝子のDNA配列、RNA配列を含む。
【0091】
「DUX4 mRNA」は、DUX4蛋白質をコードするmRNAを意味する。
【0092】
「連続的な核酸塩基」、「連続する核酸塩基」は、互いに直接隣接する核酸塩基を意味する。
【0093】
「相補的」は、第一の核酸と第二の核酸の核酸塩基間の対形成に対する能力を意味する。
【0094】
「完全に相補的(相補性ともいう)」または「100%相補的(相補性ともいう)」は、第一の核酸の核酸塩基配列の各核酸塩基のすべてが、第二の核酸の第二の核酸塩基配列中に相補的核酸塩基を有することを意味する。ある種の実施態様では、第一の核酸は修飾オリゴヌクレオチドであり、標的核酸が第二の核酸である。
【0095】
「ハイブリダイゼーション」は、相補的核酸分子のアニーリングを意味する。ある種の実施態様では、相補的核酸分子としては、修飾オリゴヌクレオチド及び標的核酸が挙げられる。
【0096】
「特異的にハイブリダイズ可能」は、所望の効果を誘導するのに十分な相補性度を修飾オリゴヌクレオチドと標的核酸の間に有し、一方で、特異的結合が所望される条件下、すなわち、インビボアッセイ及び治療的処置の場合の生理的条件下で、非標的核酸に対して最少の効果しか呈さない、または全く効果を示さない修飾オリゴヌクレオチドを指す。
【0097】
「ミスマッチ」または「非相補的核酸塩基」は、第一の核酸の核酸塩基が、第二の核酸または標的核酸の対応する核酸塩基と対形成できない場合を指す。
【0098】
「ターゲティングする」または「標的とする」は、標的核酸に特異的にハイブリダイズし、所望の効果を誘導する修飾オリゴヌクレオチドの設計及び選択の過程を意味する。
【0099】
「標的核酸」、「標的RNA」及び「標的RNA転写産物」はすべて、修飾オリゴヌクレオチドが標的とすることができる核酸を指す。ある種の実施態様では、標的核酸はDUX4核酸の領域を含む。
【0100】
「標的セグメント」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的とする、標的核酸のヌクレオチド配列を意味する。「5’標的部位」は、標的セグメントの最も5’側のヌクレオチドを指す。「3’標的部位」は、標的セグメントの最も3’側のヌクレオチドを指す。
【0101】
「活性標的領域」または「標的領域」は、1種または複数の活性な修飾オリゴヌクレオチドが標的にする領域を意味する。「活性な修飾オリゴヌクレオチド」は、標的核酸レベルまたは蛋白質レベルを低減させる修飾オリゴヌクレオチドを意味する。
【0102】
「アンチセンス阻害」は、修飾オリゴヌクレオチドの非存在下での標的核酸レベルまたは標的蛋白質レベルと比較して、標的核酸に相補的な修飾オリゴヌクレオチドの存在下での標的核酸レベルまたは標的蛋白質レベルが低減することを意味する。
【0103】
「siRNA」は、標的核酸の対応する領域またはセグメントに対するハイブリダイゼーションを可能にする核酸塩基配列を有する二本鎖RNAオリゴヌクレオチドを意味する。
【0104】
「shRNA」は、標的核酸の対応する領域またはセグメントに対するハイブリダイゼーションを可能にする核酸塩基配列を有するヘアピン型の一本鎖RNAオリゴヌクレオチドを意味する。
【0105】
「snoRNA」は、核小体に存在するノンコーディングRNAで、標的RNA核酸の対応する領域またはセグメントに対するハイブリダイゼーションを可能にする核酸塩基配列を有し、標的RNA核酸のメチル化やシュードウリジン化の化学修飾を導く、一本鎖オリゴヌクレオチドを意味する。
【0106】
「miRNA」は、他の遺伝子の発現を調節するノンコーディングRNAであり、標的核酸の対応する領域またはセグメントに対するハイブリダイゼーションを可能にする核酸塩基配列を有する一本鎖または二本鎖RNAオリゴヌクレオチドを意味する。
【0107】
「キャップ構造」または「末端キャップ部分」は、修飾オリゴヌクレオチドのいずれかの末端に組み込まれた化学修飾を意味する。
【0108】
「化学的に異質な領域」は、同じ修飾オリゴヌクレオチド内の別の領域と何らかの点で化学的に異なる修飾オリゴヌクレオチド内の領域を指す。例えば、2’-O-メトキシエチルヌクレオチドを有する領域は、2’-O-メトキシエチル修飾されていないヌクレオチドを有する領域と化学的に異なる。
【0109】
「キメラ修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも2つの化学的に異質な領域を有する修飾オリゴヌクレオチドを意味する。
【0110】
「モチーフ」は、修飾オリゴヌクレオチド中の化学的に異質な領域のパターンを意味する。
【0111】
「ギャップマー」は、RNase Hによる切断を支援する複数のヌクレオシドを有する内部領域が、1つまたは複数のヌクレオシドを有する外部領域間に位置し、内部領域を構成するヌクレオシドが、外部領域を構成するヌクレオシド(複数可)と化学的に異なる、修飾オリゴヌクレオチドを意味する。内部領域は、「ギャップセグメント」と言うことができ、外部領域は「ウイングセグメント」と言うことができる。ギャップセグメントより5’に存在するウイングセグメントを「5’ウイングセグメント」と言うことができ、ギャップセグメントより3’に存在するウイングセグメントを「3’ウイングセグメント」と言うことができる。
【0112】
「直接隣接する」は、直接隣接する要素間に介在性の要素がないことを意味する。
【0113】
「核内リボヌクレアーゼ」は、核内で見られるリボヌクレアーゼを意味する。核内リボヌクレアーゼとしては、これらに限定されないが、RNase H1及びRNase H2を含めたRNase H、二本鎖RNaseドローシャ、並びに他の二本鎖RNaseが挙げられる。
【0114】
ある種の実施態様では、ギャップマーは、それぞれヌクレオシドの数が1つから8つである5’及び3’ウイングセグメント、および両ウイングセグメントの間に位置し、且つそれらに直接隣接する、ヌクレオシドの数が6個以上であるギャップセグメントであって、修飾糖を含まないヌクレオシドのみを含むか、または、修飾糖を含む1または2個のヌクレオシドを含み、それ以外は修飾糖を含まないヌクレオシドであるギャップセグメントを有する修飾オリゴヌクレオチドを意味する。
【0115】
「薬剤」は、動物に投与された場合に、治療的利益を与えることができる活性物質を意味する。「第一の薬剤」は、本発明の治療用化合物を意味する。例えば、第一の薬剤は、DUX4をターゲティングする修飾オリゴヌクレオチドでもよい。「第二の薬剤」は、本発明の第二の治療用化合物(例えば、DUX4をターゲティングする第二の修飾オリゴヌクレオチド)及び/またはDUX4をターゲティングしない治療用化合物を意味する。
【0116】
「医薬的に許容可能な塩」は、修飾オリゴヌクレオチドの生理学的及び医薬的に許容可能な塩、すなわち、修飾オリゴヌクレオチドの所望の生物活性を保持し、望ましくない毒性効果をそれに与えない塩を意味する。
【0117】
「希釈剤」は、薬理学的活性を欠くが、医薬的に必要なまたは望ましい、組成物中の成分を意味する。例えば、注射される組成物中の希釈剤は、液体、例えば生理食塩水でもよい。
【0118】
「DUX4関連疾患」は、DUX4 mRNAもしくはDUX4蛋白質、またはDUX4遺伝子の転座による融合遺伝子のmRNAもしくは蛋白質の異常発現に起因する疾患をいう。顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、B細胞性急性リンパ性白血病、分化円形細胞肉
腫、胎児性横紋筋肉腫などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
「顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー」または「FSHD」は、顔面・肩甲・上腕筋の筋力低下から発症する筋ジストロフィーを意味する。ヒトでは、主として第4番染色体のテロメア(染色体の末端)近傍にあるゲノム反復配列(D4Z4)の短縮を伴い、その結果ゲノム構造に変化を来し、本来筋(前駆)細胞では発現していないDUX4遺伝子が異所性に発現され細胞死を引き起こすと考えられている(FSHD1)。また、一部のFSHD患者で、遺伝子発現を抑制するゲノム構造制御因子の一つのSMCHD1に遺伝子変異が見つかっている(FSHD2)。
【0120】
FSHDは、進行性筋衰弱および筋線維消失に関連する筋ジストロフィーの一種である。主に下半身が冒されるデュシェンヌ型筋ジストロフィーおよびベッカー型筋ジストロフィーとは異なり、FSHDは、上半身、主として顔面筋、肩甲筋、および上腕筋において発症する。しかしながら、骨盤、腰、下肢において発症する場合もある。FSHDの症状は、10歳~26歳になってから現れることが多いが、それよりもずっと後になって発症することも稀ではない。場合によっては、全く発症しないこともある。症状は軽度であり、悪化速度も非常に遅いことが通例である。顔面筋衰弱が一般的であり、眼瞼下垂、口笛不能、顔の表情変化の減少、憂鬱または怒り顔表情、語を発音する困難、肩甲筋衰弱(肩甲骨の目立ち(翼状肩甲)および撫肩等の変形の原因となる)、下肢衰弱、聴力損失、および心臓病のおそれ等がありうる。
【0121】
「活性医薬剤」は、動物に投与された場合に治療的利益を提供する、医薬組成物中の物質(複数可)を意味する。例えば、ある種の実施態様では、DUX4を標的とする修飾オリゴヌクレオチドは活性医薬剤である。
【0122】
「同時に投与される」は、両方の薬剤に起因する薬理学的効果が同時に患者に発現する任意の様式での、2つの薬剤の共投与を指す。同時投与は、両方の薬剤が、単一の医薬組成物中で、同じ剤形中で、または同じ投与経路によって投与されることを必要としない。両方の薬剤に起因する薬理学的効果は、同時に発現する必要はない。該薬理学的効果は、ある一定期間内に重複する必要があるだけで、同一の広がりを持つ必要はない。
【0123】
「投与すること」は、薬剤を動物に与えることを意味し、これらに限定されないが、医療専門家による投与及び自己投与が挙げられる。
【0124】
「改善」は、関連する疾患、障害または状態の少なくとも1つの指標、徴候または症状を減らすことを指す。指標の重度は、当業者に既知の主観的または客観的尺度によって決定することができる。
【0125】
「動物」は、ヒト、またはこれらに限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタを含めた非ヒト動物、並びにこれらに限定されないが、サル及びチンパンジーを含めた非ヒト霊長類を指す。
【0126】
「共投与」は、個体への2つ以上の薬剤の投与を意味する。2つ以上の薬剤は、単一の医薬組成物中に存在してもよいし、別々の医薬組成物中に存在してもよい。2つ以上の薬剤のそれぞれは、同じまたは異なる投与経路を介して投与することができる。共投与は、並行的または逐次的投与を包含する。
【0127】
「用量」は、単回投与で、または特定の期間で与えられる、医薬剤の特定の量を意味する。ある種の実施態様では、用量は、1、2またそれ以上のボーラス、錠剤、または注射で投与することができる。例えば、皮下投与が所望されるある種の実施態様では、所望の用量は、単回の注射に容易に収容されない容量を必要とするので、所望の用量を達成するのに2以上の注射を使用することができる。ある種の実施態様では、医薬剤は、注入によって、長期間にわたってまたは持続的に投与される。用量は、時間、日、週または月あたりの医薬剤の量として記載され得る。
【0128】
「有効量」または「治療有効量」は、薬剤を必要としている個体において所望の生理的転帰を実現するのに十分である、活性医薬剤の量を意味する。有効量は、処置される個体の健康及び身体状態、処置される個体の分類群、組成物の製剤、個体の医学的状態の評価並びに他の関連する因子に応じて、個体の間で変動し得る。
【0129】
「顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)を有する動物を特定する」は、FSHDの障害もしくは状態と診断された動物を特定すること、またはFSHDの障害または状態になりやすい動物を特定することを意味する。例えば、家族歴がある個体は、FSHDの障害または状態になりやすい可能性がある。
そうした特定は、個体の病歴及び標準的な臨床的な検査または評価を調べることを含めた、任意の方法によって達成することができる。なお、FSHDは発症機序により、FSHD1とFSHD2が知られているが、両者を含む。
【0130】
「個体」は、処置または療法について選択されたヒトまたは非ヒト動物を意味する。
【0131】
「筋強直症」は、随意収縮または電気刺激後の異常に遅い筋肉弛緩を意味する。
【0132】
「非経口投与」は、注射または注入を介する投与を意味する。非経口投与としては、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与または頭蓋内投与、例えば、髄腔内または脳室内投与が挙げられる。投与は、持続的または長期的でもよいし、短期的
または断続的でもよい。
【0133】
「医薬組成物」は、個体への投与に適した物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物は1種または複数の活性薬剤及び滅菌水溶液を含み得る。
【0134】
「予防する」は、数分から無期限の期間にわたって、疾患、障害もしくは好ましくない健康状態、または当該疾患、障害もしくは好ましくない健康状態に関連する1つ以上の症
状、の発症または発生を遅延させるかまたは未然に防ぐことを意味する。予防するは、疾患、障害または好ましくない健康状態を発生する危険性を低減させることも意味する。
【0135】
「治療する」は、疾患、障害もしくは好ましくない健康状態、または当該疾患、障害もしくは好ましくない健康状態に関連する1つ以上の症状、を軽減するか、もしくは排除するか、または、当該疾患、障害、もしくは好ましくない健康状態自体の1つもしくはそれ以上の原因を部分的に解消するかまたは根絶することを意味する。
【0136】
「処置する」は、上記予防または治療を含むと意図する。例えば、当該疾患、障害または好ましくない健康状態の変化または向上をもたらすために、本発明の医薬組成物を投与することをも包含する。
【0137】
「プロドラッグ」は、内在性酵素もしくは他の化学物質または条件の作用によって、体またはその細胞内で活性型に変換される不活性型で調製される治療剤を意味する。
【0138】
「副作用」は、所望の効果以外の、処置に起因し得る生理応答を意味する。ある種の実施態様では、副作用としては、注射部位反応、肝機能検査の異常、腎機能異常、肝毒性、腎毒性、中枢神経系異常、ミオパシー及び倦怠が挙げられる。例えば、血液中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)またはγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)レベルの上昇は、肝毒性または肝機能異常を示し得る。例えば、ビリルビンの上昇は、肝毒性または肝機能異常を示し得る。また、尿たんぱくの上昇、血液中のクレアチニン、尿素窒素(UN)の上昇は、腎毒性または腎機能異常を示し得る。
【0139】
「皮下投与」は、皮膚の真下の投与を意味する。
【0140】
「治療有効量」は、個体に治療的利益を与える薬剤量を意味する。
【0141】
(具体的実施態様)
実施態様
下記に示すある種の具体的実施態様は、これらに限定するものではないが、DUX4の発現を阻害するための化合物、該化合物を用いる方法、及び該化合物を含有する医薬組成物を提供する。
【0142】
ある種の実施態様は、DUX4をターゲティングする修飾オリゴヌクレオチドを含有する化合物を動物に投与することを含む、動物においてDUX4の発現を低減させる方法を提供する。
【0143】
ある種の実施態様は、DUX4遺伝子の転写を阻害、もしくはDUX4 mRNAの翻訳を阻害、またはDUX4 mRNAの切断を導くことによって、病原性のあるDUX4転写因子の蓄積を妨げるために、修飾オリゴヌクレオチドを投与する方法を提供する。
【0144】
ある種の実施態様は、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーを有する動物の処置方法であっ
て、以下の工程を含む方法を提供する:a)顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーを有する前記動物を特定すること、及びb)治療有効量の、DUX4を標的とする修飾オリゴヌクレオチドを含有する化合物を、前記動物に投与すること。
【0145】
ある種の実施態様は、それを必要とする対象において筋強直症を軽減させる方法を提供する。この方法は、DUX4 mRNAに相補的な修飾オリゴヌクレオチドを対象に投与することを含み、修飾オリゴヌクレオチドは、DUX4 mRNAに結合した場合に、リボヌクレアーゼまたは核内リボヌクレアーゼを活性化し、それによって、筋強直症を軽減させる。ある種の実施態様では、対象は、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーを有するか、有する疑いがあり、またはDUX4 mRNAを高発現するか、ヒトの第4番染色体にある、D4Z4リピートの数が減少しているか、もしくはSMCHD1(DNAメチル化酵素)変異を有するか、有する疑いがある。
【0146】
ある種の実施態様では、本発明の方法で使用する修飾オリゴヌクレオチドはキメラである。ある種の実施態様では、本発明で使用する方法の修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーである。
【0147】
本明細書に記載する本発明の方法のある種の実施態様では、投与は皮下投与である。ある種の実施態様では、投与は静脈内または筋肉内の投与である。
【0148】
ある種の実施態様では、本発明の方法で使用する修飾オリゴヌクレオチドは、DUX4
mRNAのDUX4蛋白質コード領域、イントロン、5’UTRまたは3’UTRを標的とする。ある種の実施態様では、本発明の方法で使用する修飾オリゴヌクレオチドは、DUX4 mRNAのエクソン1、エクソン2、エクソン3、イントロン1、イントロン2を標的とする。
【0149】
本明細書に記載する本発明の方法のある種の実施態様では、DUX4 mRNAは核内リボヌクレアーゼのRNase H1により切断される。
【0150】
本発明の方法のある種の実施態様では、DUX4 mRNAは筋組織で低減される。ある種の実施態様では、スプライシングバリアントであるDUX4-FL1(配列表の配列番号1)、DUX4-FL2(配列表の配列番号5)が優先的に低減される。
【0151】
ある種の実施態様では、DUX4 mRNAは、GenBank受託番号NM_001293798.2に記載の配列(配列表の配列番号1として本明細書に組み込まれる)を有する。配列表の配列番号1のスプライシングバリアントは、DUX4-FL1またはDUX4の成熟mRNAともいう。ある種の実施態様では、DUX4 mRNAは、GenBank受託番号NM_001306068.2に記載の配列(配列表の配列番号5として本明細書に組み込まれる)を有する。配列表の配列番号5のスプライシングバリアントは、DUX4-FL2ともいう。ある種の実施態様では、DUX4は、GenBank受託番号NM_001363820.1に記載の配列(配列表の配列番号6として本明細書に組み込まれる)を有する。配列表の配列番号6のスプライシングバリアントは、DUX4-sともいう。ある種の実施態様では、DUX4 mRNAは、上記スプライシングバリアントのSNPを有するものである。
【0152】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであり、かつ配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から126~147位、232~248位、1306~1325位または1472~1495位の等長部分に相補的である少なくとも8個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列である修飾オリゴヌクレオチドを含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施
態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであり、かつ配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から126~147位、232~248位、1306~1325位または1472~1495位の等長部分に相補的である少なくとも9個、10個、11個または12個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列である修飾オリゴヌクレオチドを含む核酸塩基配列を有する。
修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から126~147位、232~248位、1306~1325位または1472~1495位の等長部分に相補的である少なくとも8個の連続する核酸塩基配列からなってもよいし、当該核酸塩基配列に加え、5’末端側および/または3’末端側に付加配列を有してもよい。
【0153】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から126~147位の等長部分に相補的である少なくとも8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個または22個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列であり、30残基以内の修飾オリゴヌクレオチドである。
【0154】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から232~248位の等長部分に相補的である少なくとも8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個または17個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列であり、30残基以内の修飾オリゴヌクレオチドである。
【0155】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から1306~1325位の等長部分に相補的である少なくとも8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個または20個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列であり、30残基以内の修飾オリゴヌクレオチドである。
【0156】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から1472~1495位の等長部分に相補的である少なくとも8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個または24個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列であり、30残基以内の修飾オリゴヌクレオチドである。
【0157】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から126~147位の等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、等長部分において配列表の配列番号1に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、12~29残基、12~28残基、12~27残基、12~26残基、12~25残基、12~24残基、12~23残基、12~22残基、12~21残基、12~20残基、12~19残基、12~18残基、12~17残基、12~16残基、12~15残基、12~14残基、13~29残基、13~28残基、13~27残基、13~26残基、13~25残基、13~24残基、13~23残基、13~22残基、13~21残基、13~20残基、13~19残基、13~18残基、13~17残基、13~16残基、13~15残基、13~14残基、14~29残基、14~28残基、14~27残基、14~26残基、14~25残基、14~24残基、14~23残基、14~22残基、14~21残基、14~20残基、14~19残
基、14~18残基、14~17残基、14~16残基、14~15残基の前記修飾オリゴヌクレオチドである。
【0158】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から232~248位の等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、等長部分において配列表の配列番号1に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、12~29残基、12~28残基、12~27残基、12~26残基、12~25残基、12~24残基、12~23残基、12~22残基、12~21残基、12~20残基、12~19残基、12~18残基、12~17残基、12~16残基、12~15残基、12~14残基、13~29残基、13~28残基、13~27残基、13~26残基、13~25残基、13~24残基、13~23残基、13~22残基、13~21残基、13~20残基、13~19残基、13~18残基、13~17残基、13~16残基、13~15残基、13~14残基、14~29残基、14~28残基、14~27残基、14~26残基、14~25残基、14~24残基、14~23残基、14~22残基、14~21残基、14~20残基、14~19残基、14~18残基、14~17残基、14~16残基、14~15残基の前記修飾オリゴヌクレオチドである。
【0159】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から1306~1325位の等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、等長部分において配列表の配列番号1に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、12~29残基、12~28残基、12~27残基、12~26残基、12~25残基、12~24残基、12~23残基、12~22残基、12~21残基、12~20残基、12~19残基、12~18残基、12~17残基、12~16残基、12~15残基、12~14残基、13~29残基、13~28残基、13~27残基、13~26残基、13~25残基、13~24残基、13~23残基、13~22残基、13~21残基、13~20残基、13~19残基、13~18残基、13~17残基、13~16残基、13~15残基、13~14残基、14~29残基、14~28残基、14~27残基、14~26残基、14~25残基、14~24残基、14~23残基、14~22残基、14~21残基、14~20残基、14~19残基、14~18残基、14~17残基、14~16残基、14~15残基の前記修飾オリゴヌクレオチドである。
【0160】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から1472~1495位の等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、等長部分において配列表の配列番号1に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、12~29残基、12~28残基、12~27残基、12~26残基、12~25残基、12~24残基、12~23残基、12~22残基、12~21残基、12~20残基、12~19残基、12~18残基、12~17残基、12~16残基、12~15残基、12~14残基、13~29残基、13~28残基、13~27残基、13~26残基、13~25残基、13~24残基、13~23残基、13~22残基、13~21残基、13~20残基、13~19残基、13~18残基、13~17残基、13~16残基、13~15残基、13~14残基、14~29残基、14~28残基、14~27残基、14~26残基、14~25残基、14~2
4残基、14~23残基、14~22残基、14~21残基、14~20残基、14~19残基、14~18残基、14~17残基、14~16残基、14~15残基からなる前記修飾オリゴヌクレオチドである。
【0161】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであり、かつ配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から128~143位、233~248位、1309~1323位または1480~1495位の等長部分に相補的である少なくとも8個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列である修飾オリゴヌクレオチドを含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであり、かつ配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から128~143位、233~248位、1309~1323位または1480~1495位の等長部分に相補的である少なくとも9個、10個、11個、12個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列である修飾オリゴヌクレオチドを含む核酸塩基配列を有する。
【0162】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から128~143位の等長部分に相補的である少なくとも8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、または16個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列であり、30残基以内の修飾オリゴヌクレオチドである。
【0163】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から233~248位の等長部分に相補的である少なくとも8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個または16個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列であり、30残基以内の修飾オリゴヌクレオチドである。
【0164】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から1309~1323位の等長部分に相補的である少なくとも8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個または15個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列であり、30残基以内の修飾オリゴヌクレオチドである。
【0165】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から1480~1495位の等長部分に相補的である少なくとも8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個または16個の連続する核酸塩基配列であって、配列番号1の核酸塩基の5’末端から1480位の塩基の相補塩基を3’末端に有する核酸塩基配列からなる、30残基以内の修飾オリゴヌクレオチドである。
【0166】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から128~143位の等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、等長部分において配列表の配列番号1に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、12~29残基、12~28残基、12~27残基、12~26残基、12~25残基、12~24残基、12~23残基、12~22残基、12~21残基、12~20残基、12~19残基、12~18残基、12~17残基、12~16残基、12~15残基、12~14残基、13~29残基、13~28残基、13~27残基、13~26残基、13~25残基、13~24残基、13~23残
基、13~22残基、13~21残基、13~20残基、13~19残基、13~18残基、13~17残基、13~16残基、13~15残基、13~14残基、14~29残基、14~28残基、14~27残基、14~26残基、14~25残基、14~24残基、14~23残基、14~22残基、14~21残基、14~20残基、14~19残基、14~18残基、14~17残基、14~16残基、14~15残基の前記修飾オリゴヌクレオチドである。
【0167】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から233~248位の等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、等長部分において配列表の配列番号1に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、12~29残基、12~28残基、12~27残基、12~26残基、12~25残基、12~24残基、12~23残基、12~22残基、12~21残基、12~20残基、12~19残基、12~18残基、12~17残基、12~16残基、12~15残基、12~14残基、13~29残基、13~28残基、13~27残基、13~26残基、13~25残基、13~24残基、13~23残基、13~22残基、13~21残基、13~20残基、13~19残基、13~18残基、13~17残基、13~16残基、13~15残基、13~14残基、14~29残基、14~28残基、14~27残基、14~26残基、14~25残基、14~24残基、14~23残基、14~22残基、14~21残基、14~20残基、14~19残基、14~18残基、14~17残基、14~16残基、14~15残基の前記修飾オリゴヌクレオチドである。
【0168】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から1309~1323位の等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、等長部分において配列表の配列番号1に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、12~29残基、12~28残基、12~27残基、12~26残基、12~25残基、12~24残基、12~23残基、12~22残基、12~21残基、12~20残基、12~19残基、12~18残基、12~17残基、12~16残基、12~15残基、12~14残基、13~29残基、13~28残基、13~27残基、13~26残基、13~25残基、13~24残基、13~23残基、13~22残基、13~21残基、13~20残基、13~19残基、13~18残基、13~17残基、13~16残基、13~15残基、13~14残基、14~29残基、14~28残基、14~27残基、14~26残基、14~25残基、14~24残基、14~23残基、14~22残基、14~21残基、14~20残基、14~19残基、14~18残基、14~17残基、14~16残基、14~15残基の前記修飾オリゴヌクレオチドである。
【0169】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から1480~1495位の等長部分に相補的である核酸塩基配列であって、配列番号1の核酸塩基の5’末端から1480位の塩基の相補塩基を3’末端に有する核酸塩基配列からなり、等長部分において配列表の配列番号1に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、12~29残基、12~28残基、12~27残基、12~26残基、12~25残基、12~24残基、12~23残基、12~22残基、12~21残基、12~20残基、12~19残基、1
2~18残基、12~17残基、12~16残基、12~15残基、12~14残基、13~29残基、13~28残基、13~27残基、13~26残基、13~25残基、13~24残基、13~23残基、13~22残基、13~21残基、13~20残基、13~19残基、13~18残基、13~17残基、13~16残基、13~15残基、13~14残基、14~29残基、14~28残基、14~27残基、14~26残基、14~25残基、14~24残基、14~23残基、14~22残基、14~21残基、14~20残基、14~19残基、14~18残基、14~17残基、14~16残基、14~15残基からなる前記修飾オリゴヌクレオチドである。
【0170】
ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号1の以下の領域のいずれか1つを標的とする:5’末端から126~141、126~143、127~142、127~143、127~144、127~146、128~143、128~144、128~147、232~245、232~247、233~246、233~247、233~248、234~247、234~248、1304~1323、1306~1321、1306~1324、1307~1323、1307~1324、1307~1325、1307~1326、1308~1323、1308~1324、1308~1322、1308~1325、1309~1323、1309~1324、1309~1325、1309~1322、1310~1323、1310~1324、1472~1485、1472~1486、1472~1487、1472~1488、1473~1487、1473~1488、1473~1489、1474~1488、1474~1489、1475~1490、1476~1490、1476~1491、1476~1495、1477~1495、1478~1496、1479~1495、1479~1496、1479~1498、1480~1494、1480~1495、1480~1496、1480~1497または1480~1499位。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号1の以下の領域のいずれか1つを標的とする:5’末端から128~143、232~247、233~248、1309~1323及び1480~1495位。
【0171】
ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から126~141、126~143、127~142、127~143、127~144、127~146、128~143、128~144、128~147、232~245、232~247、233~246、233~247、233~248、234~247、234~248、1304~1323、1306~1321、1306~1324、1307~1323、1307~1324、1307~1325、1307~1326、1308~1323、1308~1324、1308~1322、1308~1325、1309~1323、1309~1324、1309~1325、1309~1322、1310~1323、1310~1324、1472~1485、1472~1486、1472~1487、1472~1488、1473~1487、1473~1488、1473~1489、1474~1488、1474~1489、1475~1490、1476~1490、1476~1491、1476~1495、1477~1495、1478~1496、1479~1495、1479~1496、1479~1498、1480~1494、1480~1495、1480~1496、1480~1497または1480~1499位を標的とする。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から128~143、232~247、233~248、1309~1323または1480~1
495位を標的とする。
【0172】
ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から126~141、126~143、127~142、127~143、127~144、127~146、128~143、128~144、128~147、232~245、232~247、233~246、233~247、233~248、234~247、234~248、1304~1323、1306~1321、1306~1324、1307~1323、1307~1324、1307~1325、1307~1326、1308~1323、1308~1324、1308~1322、1308~1325、1309~1323、1309~1324、1309~1325、1309~1322、1310~1323、1310~1324、1472~1485、1472~1486、1472~1487、1472~1488、1473~1487、1473~1488、1473~1489、1474~1488、1474~1489、1475~1490、1476~1490、1476~1491、1476~1495、1477~1495、1478~1496、1479~1495、1479~1496、1479~1498、1480~1494、1480~1495、1480~1496、1480~1497または1480~1499位を標的とする。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から128~143、232~247、233~248、1309~1323または1480~1495位を標的とする。
【0173】
ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から126~141、126~143、127~142、127~143、127~144、127~146、128~143、128~144、128~147、232~245、232~247、233~246、233~247、233~248、234~247、234~248、1304~1323、1306~1321、1306~1324、1307~1323、1307~1324、1307~1325、1307~1326、1308~1323、1308~1324、1308~1322、1308~1325、1309~1323、1309~1324、1309~1325、1309~1322、1310~1323、1310~1324、1472~1485、1472~1486、1472~1487、1472~1488、1473~1487、1473~1488、1473~1489、1474~1488、1474~1489、1475~1490、1476~1490、1476~1491、1476~1495、1477~1495、1478~1496、1479~1495、1479~1496、1479~1498、1480~1494、1480~1495、1480~1496、1480~1497または1480~1499位を標的とする。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から128~143、232~247、233~248、1309~1323または1480~1495位を標的とする。
【0174】
ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から126~141、126~143、127~142、127~143、127~144、127~146、128~143、128~144、128~147、232~245、232~247、233~246、233~247、233~248、234~247、234~248、1304~1323、1306~1321、1306~1324、1307~1323、1307~1324、1307~1325、1307~1326、1308~1323、1308~1324、1308~1322、1308~1325、1309~1323、1309~1324、1309~1325、1309~1322、1310~1323、1310~1324、1472~1485、1472~1486、1472~1487、1472~1488、1473~1487、1473~1488、1473~1489、1474~1488、1474~1489、1475~1490、1476~1490、1476~1491、1476~1495、1477~1495、1478~1496、1479~1495、1479~1496、1479~1498、1480~1494、1480~1495、1480~1496、1480~1497または1480~1499位を標的とする。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から128~143、232~247、233~248、1309~1323または1480~1495位を標的とする。
【0175】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から126~141、126~143、127~142、127~143、127~144、127~146、128~143、128~144、128~147、232~245、232~247、233~246、233~247、233~248、234~247、234~248、1304~1323、1306~1321、1306~1324、1307~1323、1307~1324、1307~1325、1307~1326、1308~1323、1308~1324、1308~1322、1308~1325、1309~1323、1309~1324、1309~1325、1309~1322、1310~1323、1310~1324、1472~1485、1472~1486、1472~1487、1472~1488、1473~1487、1473~1488、1473~1489、1474~1488、1474~1489、1475~1490、1476~1490、1476~1491、1476~1495、1477~1495、1478~1496、1479~1495、1479~1496、1479~1498、1480~1494、1480~1495、1480~1496、1480~1497または1480~1499位の等長部分に相補的である核酸塩基配列を含む修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から128~143、232~247、233~248、1309~1323、1480~1495位の等長部分に相補的である核酸塩基配列を含む修飾オリゴヌクレオチドである。
【0176】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号2~4、7~64、69~97、102~112のいずれか1つに記載される核酸塩基配列を含む修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号2~4、75、78のいずれか1つに記載される核酸塩基配列を含む修飾オリゴヌクレオチドである。
【0177】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号2~4、7~64、69~97、102~112のいずれか1つに記載される核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは配列表の配列番号2~4、75、78のいずれか1つに記載される核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドである。
【0178】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号2、3、4、75、または78のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0179】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号2、3、4、75、または78のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0180】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号2、3、4、75、または78のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0181】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号2、3、4、75、または78のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0182】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号2、3、4、75、または78のいずれか1つに記載される核酸塩基配列からなる核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0183】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号2、3、4、75、または78のいずれか1つに記載される核酸塩基配列からなる核酸塩基配列を有する。
【0184】
ある種の実施態様では、動物はヒトである。
【0185】
ある種の実施態様では、投与は非経口投与を含む。
【0186】
ある種の実施態様では、化合物は一本鎖の修飾オリゴヌクレオチドである。
【0187】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定した場合に、配列表の配列番号1の前記いずれか1つの領域の等長部分に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である。ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定した場合に、配列表の配列番号1の前記いずれか1つの領域の等長部分に対して100%相補的である。
【0188】
ある種の実施態様では、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。ある種の実施態様では、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0189】
ある種の実施態様では、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド
は修飾糖を含む。ある種の実施態様では、少なくとも1つの修飾糖は二環式糖である。ある種の実施態様では、少なくとも1つの修飾糖は、2’-O-メトキシエチル、2’-O-メチルおよび/または4’-(CH2)n-O-2’架橋(式中、nは1または2である)を含む。
【0190】
ある種の実施態様では、前記修飾オリゴヌクレオチドの糖部分は少なくとも1つの二環式糖である修飾糖を含む。ある種の実施態様では、少なくとも1つの修飾糖はLNA、GuNA、ALNA[Ms]、ALNA[mU]、ALNA[ipU]、ALNA[Oxz]、および/またはALNA[Trz]である。
【0191】
ある種の実施態様では、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含む。ある種の実施態様では、修飾核酸塩基は5-メチルシトシンである。
【0192】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、以下を含む:a)連結したデオキシヌクレオシドから成るギャップセグメント;b)連結したヌクレオシドから成る5’ウイングセグメント;及びc)連結したヌクレオシドから成る3’ウイングセグメント。ギャップセグメントは5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-O-メチル修飾糖、2’-O-メトキシエチル修飾糖または2環式糖などの修飾糖を含む。
【0193】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、以下を含む:a)1または2個の2’-O-メチル修飾糖や2’-O-メトキシエチル修飾糖などの修飾糖を含むヌクレオシドを含み、それ以外は修飾糖を含まないヌクレオシドであるギャップセグメント;b)連結したヌクレオシドを含む5’ウイングセグメント;及びc)連結したヌクレオシドを含む3’ウイングセグメント。ギャップセグメントは5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-O-メチル修飾糖、2’-O-メトキシエチル糖または2環式糖などの修飾糖を含む。
【0194】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、以下を含む:a)ヌクレオシドの数が6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは16個であるギャップセグメントであって、前記ヌクレオシドは修飾糖を含まないヌクレオシドのみであるか、または2’-O-メチル修飾糖や2’-O-メトキシエチル修飾糖などの修飾糖を含むヌクレオシドを1または2個含み、それ以外は修飾糖を含まないヌクレオシドである、ギャップセグメント;b)ヌクレオシドの数が2、3、4、5、6または7個である5’ウイングセグメント;及びc)ヌクレオシドの数が2、3、4、5、6、7または8個である3’ウイングセグメント。
ここで、ギャップセグメントは5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-O-メチル修飾糖、2’-O-メトキシエチル糖または2環式糖を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合を含み、前記修飾オリゴヌクレオチド中のシトシンの一部または全部は5’-メチルシトシンであってもよい。
【0195】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、ギャップマーを構成するヌクレオシドの数は12個、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30個である。
【0196】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、ヌクレオシドの糖部分に於いて、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル及び/または4’-(
CH2)n-O-2’架橋(式中、nは1または2である)を含む。
【0197】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、ヌクレオシドの糖部分に於いて、LNA、GuNA、ALNA[Ms]、ALNA[mU]、ALNA[ipU]、ALNA[Oxz]、および/またはALNA[Trz]を含む。
【0198】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、これは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであり、かつ配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から126~147位、232~248位、1306~1325位または1472~1495位の等長部分に相補的である少なくとも8個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列である修飾オリゴヌクレオチドを含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであり、かつ配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から126~147位、232~248位、1306~1325位または1472~1495位の等長部分に相補的である少なくとも9個、10個、11個または12個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列である修飾オリゴヌクレオチドを含む核酸塩基配列を有する。
【0199】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から126~147位の等長部分に相補的である少なくとも8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個または22個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列であり、30残基以内の修飾オリゴヌクレオチドである。
【0200】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から232~248位の等長部分に相補的である少なくとも8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個または17個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列であり、30残基以内の修飾オリゴヌクレオチドである。
【0201】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から1306~1325位の等長部分に相補的である少なくとも8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個または20個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列であり、30残基以内の修飾オリゴヌクレオチドである。
【0202】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から1472~1495位の等長部分に相補的である少なくとも8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個または24個の連続する核酸塩基配列を含む核酸塩基配列であり、30残基以内の修飾オリゴヌクレオチドである。
【0203】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドのギャップマーであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から126~147位の等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、等長部分において配列表の配列番号1に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、12~29残基、12~28残基、12~27残基、12~26残基、12~25残基、12~24残基、12~23残基
、12~22残基、12~21残基、12~20残基、12~19残基、12~18残基、12~17残基、12~16残基、12~15残基、12~14残基、13~29残基、13~28残基、13~27残基、13~26残基、13~25残基、13~24残基、13~23残基、13~22残基、13~21残基、13~20残基、13~19残基、13~18残基、13~17残基、13~16残基、13~15残基、13~14残基、14~29残基、14~28残基、14~27残基、14~26残基、14~25残基、14~24残基、14~23残基、14~22残基、14~21残基、14~20残基、14~19残基、14~18残基、14~17残基、14~16残基、14~15残基の前記修飾オリゴヌクレオチドである。
【0204】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドのギャップマーであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から233~248位の等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、等長部分において配列表の配列番号1に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、12~29残基、12~28残基、12~27残基、12~26残基、12~25残基、12~24残基、12~23残基、12~22残基、12~21残基、12~20残基、12~19残基、12~18残基、12~17残基、12~16残基、12~15残基、12~14残基、13~29残基、13~28残基、13~27残基、13~26残基、13~25残基、13~24残基、13~23残基、13~22残基、13~21残基、13~20残基、13~19残基、13~18残基、13~17残基、13~16残基、13~15残基、13~14残基、14~29残基、14~28残基、14~27残基、14~26残基、14~25残基、14~24残基、14~23残基、14~22残基、14~21残基、14~20残基、14~19残基、14~18残基、14~17残基、14~16残基、14~15残基の前記修飾オリゴヌクレオチドである。
【0205】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドのギャップマーであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から1309~1323位の等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、等長部分において配列表の配列番号1に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、12~29残基、12~28残基、12~27残基、12~26残基、12~25残基、12~24残基、12~23残基、12~22残基、12~21残基、12~20残基、12~19残基、12~18残基、12~17残基、12~16残基、12~15残基、12~14残基、13~29残基、13~28残基、13~27残基、13~26残基、13~25残基、13~24残基、13~23残基、13~22残基、13~21残基、13~20残基、13~19残基、13~18残基、13~17残基、13~16残基、13~15残基、13~14残基、14~29残基、14~28残基、14~27残基、14~26残基、14~25残基、14~24残基、14~23残基、14~22残基、14~21残基、14~20残基、14~19残基、14~18残基、14~17残基、14~16残基、14~15残基の前記修飾オリゴヌクレオチドである。
【0206】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドのギャップマーであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から1472~1495位の等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、等長部分において配列表の配列番号1に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、12~29残基、12~28
残基、12~27残基、12~26残基、12~25残基、12~24残基、12~23残基、12~22残基、12~21残基、12~20残基、12~19残基、12~18残基、12~17残基、12~16残基、12~15残基、12~14残基、13~29残基、13~28残基、13~27残基、13~26残基、13~25残基、13~24残基、13~23残基、13~22残基、13~21残基、13~20残基、13~19残基、13~18残基、13~17残基、13~16残基、13~15残基、13~14残基、14~29残基、14~28残基、14~27残基、14~26残基、14~25残基、14~24残基、14~23残基、14~22残基、14~21残基、14~20残基、14~19残基、14~18残基、14~17残基、14~16残基、14~15残基の前記修飾オリゴヌクレオチドである。この場合、5’ウイングセグメントおよび/または3’ウイングセグメントに含まれるオリゴヌクレオチドは少なくとも1つのGuNA、ALNA[Ms]、ALNA[mU]、ALNA[ipU]、ALNA[Oxz]およびALNA[Trz]から選択される修飾糖を含むヌクレオシドを少なくとも1つ含み、さらに、2’-O-メトキシエチルで修飾された糖、および/または2’-O-メチルで修飾された糖を含んでもよい。
【0207】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドのギャップマーであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から1480~1495位の等長部分に相補的である核酸塩基配列であって、配列番号1の核酸塩基の5’末端から1480位の塩基の相補塩基を3’末端に有する核酸塩基配列からなり、等長部分において配列表の配列番号1に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、12~29残基、12~28残基、12~27残基、12~26残基、12~25残基、12~24残基、12~23残基、12~22残基、12~21残基、12~20残基、12~19残基、12~18残基、12~17残基、12~16残基、12~15残基、12~14残基、13~29残基、13~28残基、13~27残基、13~26残基、13~25残基、13~24残基、13~23残基、13~22残基、13~21残基、13~20残基、13~19残基、13~18残基、13~17残基、13~16残基、13~15残基、13~14残基、14~29残基、14~28残基、14~27残基、14~26残基、14~25残基、14~24残基、14~23残基、14~22残基、14~21残基、14~20残基、14~19残基、14~18残基、14~17残基、14~16残基、14~15残基からなる前記修飾オリゴヌクレオチドである。
【0208】
ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、配列表の配列番号1の以下の領域のいずれか1つを標的とする:5’末端から126~141、126~143、127~142、127~143、127~144、127~146、128~143、128~144、128~147、232~245、232~247、233~246、233~247、233~248、234~247、234~248、1304~1323、1306~1321、1306~1324、1307~1323、1307~1324、1307~1325、1307~1326、1308~1323、1308~1324、1308~1322、1308~1325、1309~1323、1309~1324、1309~1325、1309~1322、1310~1323、1310~1324、1472~1485、1472~1486、1472~1487、1472~1488、1473~1487、1473~1488、1473~1489、1474~1488、1474~1489、1475~1490、1476~1490、1476~1491、1476~1495、1477~1495、1478~1496、1479~1495、1479~1496、1479~1498、1480~1494、1480~1495、1480~1496、1480~1497または1480~1499位。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオ
チドはギャップマーであり、配列表の配列番号1の以下の領域のいずれか1つを標的とする:5’末端から128~143、232~247、233~248、1309~1323及び1480~1495位。
【0209】
ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から126~141、126~143、127~142、127~143、127~144、127~146、128~143、128~144、128~147、232~245、232~247、233~246、233~247、233~248、234~247、234~248、1304~1323、1306~1321、1306~1324、1307~1323、1307~1324、1307~1325、1307~1326、1308~1323、1308~1324、1308~1322、1308~1325、1309~1323、1309~1324、1309~1325、1309~1322、1310~1323、1310~1324、1472~1485、1472~1486、1472~1487、1472~1488、1473~1487、1473~1488、1473~1489、1474~1488、1474~1489、1475~1490、1476~1490、1476~1491、1476~1495、1477~1495、1478~1496、1479~1495、1479~1496、1479~1498、1480~1494、1480~1495、1480~1496、1480~1497または1480~1499位を標的とする。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、標的領域に対して相補的な少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から128~143、232~247、233~248、1309~1323または1480~1495位を標的とする。
【0210】
ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、標的領域に対して相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5‘末端から126~141、126~143、127~142、127~143、127~144、127~146、128~143、128~144、128~147、232~245、232~247、233~246、233~247、233~248、234~247、234~248、1304~1323、1306~1321、1306~1324、1307~1323、1307~1324、1307~1325、1307~1326、1308~1323、1308~1324、1308~1322、1308~1325、1309~1323、1309~1324、1309~1325、1309~1322、1310~1323、1310~1324、1472~1485、1472~1486、1472~1487、1472~1488、1473~1487、1473~1488、1473~1489、1474~1488、1474~1489、1475~1490、1476~1490、1476~1491、1476~1495、1477~1495、1478~1496、1479~1495、1479~1496、1479~1498、1480~1494、1480~1495、1480~1496、1480~1497または1480~1499位を標的とする。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、標的領域に対して相補的な少なくとも10個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から128~143、232~247、233~2
48、1309~1323または1480~1495位を標的とする。
【0211】
ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、標的領域に対して相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から126~141、126~143、127~142、127~143、127~144、127~146、128~143、128~144、128~147、232~245、232~247、233~246、233~247、233~248、234~247、234~248、1304~1323、1306~1321、1306~1324、1307~1323、1307~1324、1307~1325、1307~1326、1308~1323、1308~1324、1308~1322、1308~1325、1309~1323、1309~1324、1309~1325、1309~1322、1310~1323、1310~1324、1472~1485、1472~1486、1472~1487、1472~1488、1473~1487、1473~1488、1473~1489、1474~1488、1474~1489、1475~1490、1476~1490、1476~1491、1476~1495、1477~1495、1478~1496、1479~1495、1479~1496、1479~1498、1480~1494、1480~1495、1480~1496、1480~1497または1480~1499位を標的とする。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、標的領域に対して相補的な少なくとも12個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から128~143、232~247、233~248、1309~1323または1480~1495位を標的とする。
【0212】
ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、標的領域に対して相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有する。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から126~141、126~143、127~142、127~143、127~144、127~146、128~143、128~144、128~147、232~245、232~247、233~246、233~247、233~248、234~247、234~248、1304~1323、1306~1321、1306~1324、1307~1323、1307~1324、1307~1325、1307~1326、1308~1323、1308~1324、1308~1322、1308~1325、1309~1323、1309~1324、1309~1325、1309~1322、1310~1323、1310~1324、1472~1485、1472~1486、1472~1487、1472~1488、1473~1487、1473~1488、1473~1489、1474~1488、1474~1489、1475~1490、1476~1490、1476~1491、1476~1495、1477~1495、1478~1496、1479~1495、1479~1496、1479~1498、1480~1494、1480~1495、1480~1496、1480~1497または1480~1499位を標的とする。ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、標的領域に対して相補的な少なくとも14個の連続的な核酸塩基を含有する相補的領域を含む核酸塩基配列を有し、標的領域は、配列表の配列番号1の5’末端から128~143、232~247、233~248、1309~1323または1480~1495位を標的とする。
【0213】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から126~141、126~143、127~142、127~143、127~144、127~146、128~143、128~144、128~147、232~245、232~247、233~246、233~247、233~248、234~247、234~248、1304~1323、1306~1321、1306~1324、1307~1323、1307~1324、1307~1325、1307~1326、1308~1323、1308~1324、1308~1322、1308~1325、1309~1323、1309~1324、1309~1325、1309~1322、1310~1323、1310~1324、1472~1485、1472~1486、1472~1487、1472~1488、1473~1487、1473~1488、1473~1489、1474~1488、1474~1489、1475~1490、1476~1490、1476~1491、1476~1495、1477~1495、1478~1496、1479~1495、1479~1496、1479~1498、1480~1494、1480~1495、1480~1496、1480~1497または1480~1499位の等長部分に相補的である核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、配列表の配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から128~143、232~247、233~248、1309~1323、1480~1495位の等長部分に相補的である核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドである。
【0214】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、配列表の配列番号2~4、7~64、69~97、102~112のいずれか1つに記載される核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、配列表の配列番号2~4、75、78のいずれか1つに記載される核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドである。
【0215】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、化合物番号1~112、114~132、137~246のいずれか1つに記載される修飾オリゴヌクレオチドである。また、ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、化合物番号1~3、123、157、204、221、231のいずれか1つに記載される修飾オリゴヌクレオチドである。
【0216】
本明細書中、ヌクレオチドを表す「Gls」等の記号において、左側位置に示す略号は核酸塩基部分を意味し、中央位置に示す略号は糖部分を意味し、そして、右側位置に示す略号はヌクレオシド間結合の様式を意味する。
【0217】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、下式:
GlsMlsMlsTdsAdsGdsAdsCdsAdsGdsCdsGdsTdsMlsGlsGl;
で示される修飾オリゴヌクレオチドであって、
式中
各核酸塩基が下記記号:
A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、M=5-メチルシトシン、
に従って示され;
各糖部分が下記記号:
l=LNA、d=2’-デオキシリボース、
に従って示され;
各ヌクレオシド間結合が下記記号:
s=ホスホロチオエート
に従って示される、修飾オリゴヌクレオチドである。
【0218】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、
下式:
GmsMmsMmsTdsAdsGdsAdsCdsAdsGdsCdsGdsTdsMmsGmsGm;
で示される修飾オリゴヌクレオチドであって、
式中、
各核酸塩基が下記記号:
A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、M=5-メチルシトシン、
に従って示され;
各糖部分が下記記号:
m=ALNA[Ms]、d=2’-デオキシリボース、
に従って示され;
各ヌクレオシド間結合が下記記号:
s=ホスホロチオエートに従って示される、修飾オリゴヌクレオチドである。
【0219】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、下式:
GmsMmsAmsGdsTdsTdsCdsTdsCdsCdsGdsCdsGmsGmsTm;
で示される修飾オリゴヌクレオチドであって、
式中、
各核酸塩基下記記号:
A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、M=5-メチルシトシン、
に従って示され;
各糖部分が下記記号:
m=ALNA[Ms]、d=2’-デオキシリボース、
に従って示され;
各ヌクレオシド間結合が下記記号:
s=ホスホロチオエート
に従って示される、修飾オリゴヌクレオチドである。
【0220】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーであり、下式:
MlsGlsAlsGdsAdsTdsTdsCdsCdsCdsGdsCdsCdsGlsGlsTl;
に従って示される修飾オリゴヌクレオチドであって、
式中、
各核酸塩基が下記記号:
A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、M=5-メチルシトシン、
に従って示され;
各糖部分が下記記号:
l=LNA、d=2’-デオキシリボース、
に従って示され;
各ヌクレオシド間結合が下記記号:
s=ホスホロチオエート、
に従って示される、修飾オリゴヌクレオチドである。
【0221】
ある種の実施態様は、DUX4関連疾患の動物において、DUX4 mRNA及び/またはDUX4蛋白質のレベル(例えば、筋肉内レベル)を低減させる方法であって、DUX4に対する修飾オリゴヌクレオチドの有効量を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0222】
ある種の実施態様は、FSHDの動物において、DUX4 mRNA及び/またはDUX4蛋白質のレベル(例えば、筋肉内レベル)を低減させる方法であって、DUX4に対
する修飾オリゴヌクレオチドの有効量を動物に投与することを含む方法を提供する。また、ある種の実施態様は、FSHDの動物において、筋障害を低減させる及び/または運動機能を改善する方法であって、DUX4に対する修飾オリゴヌクレオチドの有効量を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0223】
ある種の実施態様は、FSHDの処置、つまり、治療、予防、改善、軽減する方法であって、DUX4に対する修飾オリゴヌクレオチドの有効量を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0224】
ある種の実施態様は、FSHDの各種症状(例えば、顔面筋衰弱、眼瞼下垂、口笛不能、顔の表情変化の減少、憂鬱または怒り顔表情、語を発音する困難、肩甲筋衰弱(翼状肩甲、撫肩等の変形)、下肢衰弱、聴力損失、および心臓病)の予防、改善、軽減する方法であって、DUX4に対する修飾オリゴヌクレオチドの有効量を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0225】
ある種の実施態様は、B細胞性急性リンパ性白血病などの動物において、DUX4遺伝子がIGH遺伝子と融合することにより生じるmRNA及び/または蛋白質のレベル(例えば、血中のB細胞内レベル)を低減させる方法であって、DUX4に対する修飾オリゴヌクレオチドの有効量を動物に投与することを含む方法を提供する。また、ある種の実施態様は、B細胞性急性リンパ性白血病などの処置、つまり、治療、予防、改善、軽減する方法であって、DUX4に対する修飾オリゴヌクレオチドの有効量を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0226】
ある種の実施態様は、分化円形細胞肉腫などの動物において、DUX4遺伝子がCIC遺伝子と融合することにより生じるmRNA及び/または蛋白質のレベル(例えば、肉腫内レベル)を低減させる方法であって、DUX4に対する修飾オリゴヌクレオチドの有効量を動物に投与することを含む方法を提供する。また、ある種の実施態様は、分化円形細胞肉腫などの処置、つまり、治療、予防、改善、軽減する方法であって、DUX4に対する修飾オリゴヌクレオチドの有効量を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0227】
ある種の実施態様は、胎児性横紋筋肉腫などの動物において、DUX4遺伝子がEWSR1遺伝子と融合することにより生じるmRNA及び/または蛋白質のレベル(例えば、肉腫内レベル)を低減させる方法であって、DUX4に対する修飾オリゴヌクレオチドを動物に投与することを含む方法を提供する。また、ある種の実施態様は、胎児性横紋筋肉腫などの処置、つまり、治療、予防、改善、軽減する方法であって、DUX4に対する修飾オリゴヌクレオチドの有効量を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0228】
ある種の実施態様は、副作用の少ないDUX4関連疾患の治療、予防、改善、軽減する方法であって、DUX4に対する修飾オリゴヌクレオチドを動物に投与することを含む方法を提供する。ある種の実施態様では、副作用としては、注射部位反応、肝機能検査の異常、腎機能異常、肝毒性(病理組織学的異常所見:肝細胞の変性壊死、肝細胞肥大等)、腎毒性(病理組織学的異常所見等)、中枢神経系異常、ミオパシー及び倦怠が挙げられる。例えば、血液中のALT、AST、γ-GTP、GLDH、ALP(アルカリフォスファター
ゼ)またはTBA(total bile acids)レベルの上昇は、肝毒性または肝機能異常を示し得
る。例えば、ビリルビンの上昇は、肝毒性または肝機能異常を示し得る。また、尿たんぱくの上昇、血液中のクレアチニン、もしくはUNの上昇は、腎毒性または腎機能異常を示し得る。
【0229】
ある種の実施態様は、本明細書に記載の治療方法のいずれかで使用するための医薬の製造における、本明細書に記載される任意の化合物または該化合物を含有する医薬組成物の
使用を提供する。例えば、ある種の実施態様はFSHDを処置する、つまり、治療する、予防する、遅延させるまたは改善させるための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物または該化合物を含有する医薬組成物の使用を提供する。ある種の実施態様は、DUX4の発現を阻害する、並びにDUX4関連疾患及び/またはその症状を処置する、つまり、治療する、予防する、遅延させるまたは改善させるための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物または該化合物を含有する医薬組成物の使用を提供する。ある種の実施態様は、動物においてDUX4の発現を低減させるための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物または該化合物を含有する医薬組成物の使用を提供する。ある種の実施態様は、動物において、優先的にDUX4-FL mRNAのレベル(例えば、筋肉内レベル)を低減させる、筋強直症を軽減させるための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物または該化合物を含有する医薬組成物の使用を提供する。ある種の実施態様は、FSHDを有する動物を処置するための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物または該化合物を含有する医薬組成物の使用を提供する。ある種の実施態様は、筋硬直、筋強直症、顔面筋衰弱、眼瞼下垂、口笛不能、顔の表情変化の減少、憂鬱または怒り顔表情、語を発音する困難、肩甲筋衰弱(翼状肩甲、撫肩等の変形)、下肢衰弱、聴力損失、および心臓病を含めた、FSHDの発生と関係がある1つ以上の症状及び転帰を処置するための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物または該化合物を含有する医薬組成物の使用を提供する。ある種の実施態様は、DUX4遺伝子の転写、DUX4 mRNAの翻訳、DUX4 mRNAの切断を導くことによってDUX4蛋白質の発現を妨げるための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物または該化合物を含有する医薬組成物の使用を提供する。
【0230】
ある種の実施態様は、本明細書に記載のようにFSHDを処置する、つまり、治療する、予防するまたは改善させるキットであって、a)本明細書に記載の化合物、及び任意にb)本明細書に記載のさらなる薬剤または療法を含む、キットを提供する。キットは、FSHDを処置する、つまり、治療する、予防する、または改善させる目的でキットを使用するための説明書またはラベルをさらに含むことができる。
【0231】
ある種の実施態様は、本明細書に記載の治療方法のいずれかで使用するための医薬の製造における、本明細書に記載される任意の化合物または該化合物を含有する医薬組成物の使用を提供する。例えば、ある種の実施態様はFSHDを処置する、つまり、治療する、改善させる、または予防するための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物または該化合物を含有する医薬組成物の使用を提供する。ある種の実施態様は、DUX4の発現を阻害する並びにDUX4関連疾患及び/またはその症状を処置する、つまり、治療する、予防する、遅延させるまたは改善させるための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物または該化合物を含有する医薬組成物の使用を提供する。ある種の実施態様は、動物においてDUX4の発現を低減させるための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物または該化合物を含有する医薬組成物の使用を提供する。ある種の実施態様は、動物において、優先的にDUX4-FL mRNAのレベル(例えば、筋肉内レベル)を低減させる、筋強直症を軽減させるための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物または該化合物を含有する医薬組成物の使用を提供する。ある種の実施態様は、FSHDを有する動物を処置するための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物または該化合物を含有する医薬組成物の使用を提供する。ある種の実施態様は、筋硬直、筋強直症、顔面筋衰弱、眼瞼下垂、口笛不能、顔の表情変化の減少、憂鬱または怒り顔表情、語を発音する困難、肩甲筋衰弱(翼状肩甲、撫肩等の変形)、下肢衰弱、聴力損失、および心臓病を含めた、FSHDの発生と関係がある1つ以上の症状及び転帰を処置するための、本明細書に記載の化合物または該化合物を含有する医薬組成物を提供する。ある種の実施態様は、配列表の配列番号2~4、7~64、69~97もしくは102~112の核酸塩基配列からなる核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチド、または化合物番号1~112、114~132もしくは137~246の化合物を提供する。
【0232】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、5’から3’の方向で記載される場合、それが標的とする標的核酸の標的セグメントの逆相補鎖を含む核酸塩基配列を有する。ある種のそのような実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、5’から3’の方向で記載される場合、それが標的とする標的核酸の標的セグメントの逆相補鎖を含む核酸塩基配列を有する。
【0233】
ある種の実施態様では、DUX4を標的とする本明細書に記載の修飾オリゴヌクレオチドは、12~30ヌクレオチドの長さである。換言すれば、いくつかの実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは12~30残基の連結した核酸塩基である。他の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12~29残基、12~28残基、12~27残基、12~26残基、12~25残基、12~24残基、12~23残基、12~22残基、12~21残基、12~20残基、12~19残基、12~18残基、12~17残基、12~16残基、12~15残基、12~14残基、13~29残基、13~28残基、13~27残基、13~26残基、13~25残基、13~24残基、13~23残基、13~22残基、13~21残基、13~20残基、13~19残基、13~18残基、13~17残基、13~16残基、13~15残基、13~14残基、14~29残基、14~28残基、14~27残基、14~26残基、14~25残基、14~24残基、14~23残基、14~22残基、14~21残基、14~20残基、14~19残基、14~18残基、14~17残基、14~16残基、14~15残基の連結した核酸塩基から成る修飾オリゴヌクレオチドを含む。ある種のそのような実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30残基の連結した核酸塩基の長さ、または上記の値の任意の2つによって定められた範囲から成る修飾オリゴヌクレオチドを含む。ある種の実施態様では、これらの長さのいずれかの修飾オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載の例示的修飾オリゴヌクレオチドのいずれかの核酸塩基配列の少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18または少なくとも19残基の連続的な核酸塩基(例えば、配列表の配列番号2~4、7~64、69~97もしくは102~112)のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも8個の連続的な核酸塩基を含む。
【0234】
活性を無くすことなく、アンチセンスオリゴヌクレオチドなどのアンチセンス化合物の長さを増やすもしくは減らすこと及び/またはミスマッチ塩基を導入することができる。例えば、Woolfet al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA89
:7305-7309,1992)によれば、13~25核酸塩基長の一連のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、卵母細胞インジェクションモデルにおいて、それらが標的RNAの切断を誘導する能力について試験し、アンチセンスオリゴヌクレオチドの末端付近に8または11個のミスマッチ塩基を有する25核酸塩基長のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ミスマッチを含まないアンチセンスオリゴヌクレオチドよりも程度が少ないとはいえ、標的mRNAの特異的な切断を導くことができることが報告されている。同様に、標的特異的な切断は、1または3つのミスマッチを有するものを含めて、13核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して達成されたことが報告されている。
【0235】
Gautschi et al.(J.Natl.Cancer Inst.93:46
3-471,March 2001)によれば、bcl-2 mRNAに対して100%
の相補性を有し、bcl-xL mRNAに対して3つのミスマッチを有するオリゴヌクレオチドが、インビトロ及びインビボにおいてbcl-2とbcl-xLの両方の発現を低減させる能力を示たことが報告されている。さらに、このオリゴヌクレオチドは、インビボで、強力な抗腫瘍活性を示したことが報告されている。
【0236】
標的核酸、標的領域及びヌクレオチド配列
DUX4をコードするヌクレオチド配列としては、限定されないが、以下の配列が挙げられる。
・GenBank受託番号NM_001293798.2に記載の配列(配列表の配列番号1として本明細書に組み込まれる)。配列表の配列番号1のスプライシングバリアントは、DUX4-FL1またはDUX4の成熟mRNAともいう。
・GenBank受託番号NM_001306068.2に記載の配列(配列表の配列番号5として本明細書に組み込まれる)。配列表の配列番号5のスプライシングバリアントは、DUX4-FL2ともいう。
・GenBank受託番号NM_001363820.1に記載の配列(配列表の配列番号6として本明細書に組み込まれる)。配列表の配列番号6のスプライシングバリアントは、DUX4-sともいう。
・上記各スプライシングバリアントのSNP。
本明細書に含まれる実施例の配列表の各配列番号に記載される配列は、糖部分、ヌクレオシド間結合または核酸塩基に対するいかなる修飾とも無関係である。したがって、配列表の配列番号で定められた修飾オリゴヌクレオチドは、独立に、糖部分、ヌクレオシド間結合または核酸塩基に対する1つまたは複数の修飾を含むことができる。化合物番号で記載される修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列とモチーフの組み合わせを示す。
【0237】
ある種の実施態様では、標的領域は標的核酸の構造的に定められた領域である。例えば、標的領域は、3’UTR、5’UTR、エクソン、イントロン、エクソン/イントロン接合部、コード領域、翻訳開始領域、翻訳終結領域または他の定められた核酸領域の1つ以上を包含し得る。DUX4についての構造的に定められた領域は、NCBIなどの配列データベースから受託番号によって得ることができ、そうした情報は、参照により本明細書に組み込まれる。ある種の実施態様では、標的領域は、標的領域内のある標的セグメントの5’標的部位から標的領域内の別の標的セグメントの3’標的部位までの配列を包含し得る。
【0238】
ターゲティングは、修飾オリゴヌクレオチドがハイブリダイズして、その結果所望の効果が生じる、少なくとも1つの標的セグメントの決定を含む。ある種の実施態様では、所望の効果は、mRNA標的核酸レベルの低減である。ある種の実施態様では、所望の効果は、標的核酸にコードされる蛋白質のレベルの低減、または標的核酸と関係がある表現型の変化である。
【0239】
標的領域は、1つまたは複数の標的セグメントを含むことができる。標的領域内の複数の標的セグメントは、重複していてもよい。あるいは、それらは、重複していなくてもよい。ある種の実施態様では、標的領域内の標的セグメントは、約300個以下のヌクレオチドによって分離される。ある種の実施態様では、標的領域内の標的セグメントは、標的核酸の250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20もしくは10ヌクレオチドである、または、およそこれらの数のヌクレオチドである、または、これらの数以下のヌクレオチドである、または前述の値の任意の2つによって定められた範囲である、多数のヌクレオチドによって分離される。ある種の実施態様では、標的領域内の標的セグメントは、標的核酸の5以下または約5以下のヌクレオチドによって分離される。ある種の実施態様では、標的セグメントは連続的である。本明細書に列挙される5’標的部位または3’標的部位のいずれかである出発核酸を有する範囲により定められる標的領域が意図される。
【0240】
適切な標的セグメントは、5’UTR、コード領域、3’UTR、イントロン、エクソンまたはエクソン/イントロン接合部内に見出すことができる。開始コドンまたは終止コ
ドンを含む標的セグメントも適切な標的セグメントである。適切な標的セグメントは、開始コドンまたは終止コドンなどのある種の構造的に定められた領域を特異的に排除することができる。
【0241】
適切な標的セグメントの決定は、ゲノム全体にわたる、他の配列との標的核酸の配列の比較を含むことができる。例えば、BLASTアルゴリズムを使用して、異なる核酸間の類似領域を特定することができる。この比較は、選択された標的核酸以外の配列(すなわち、非標的配列またはオフターゲット配列)に非特異的様式でハイブリダイズし得る修飾オリゴヌクレオチド配列の選択を防ぐことができる。
【0242】
活性標的領域内の修飾オリゴヌクレオチドの(例えば、標的核酸レベルの低減パーセントで定められるような)活性の変動があり得る。ある種の実施態様では、DUX4 mRNAのレベルの低減は、DUX4蛋白質発現の阻害の指標となる。DUX4蛋白質のレベルの低減も、標的mRNA発現の阻害の指標となる。さらに、表現型の変化、例えば、筋強直症を軽減させること、また筋障害を低減させることは、DUX4 mRNA及び/または蛋白質の発現の阻害の指標となり得る。
【0243】
ハイブリダイゼーション
いくつかの実施態様では、ハイブリダイゼーションは、本明細書に開示される修飾オリゴヌクレオチドとDUX4核酸の間で生じる。ハイブリダイゼーションの最も一般的なメカニズムは、核酸分子の相補的核酸塩基間の水素結合(例えば、ワトソン‐クリック、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン型水素結合)を伴う。ハイブリダイゼーションの強さは融解温度Tmで表すことができる。Tmとは、ハイブリダイゼーションした二重鎖核酸の50%が単鎖核酸に解離する温度であり、溶液の塩条件、核酸の長さや塩基配列などにより異なるが、Tm値が高いほどハイブリダイゼーションは強い。
【0244】
ハイブリダイゼーションは様々な条件下で生じる。ストリンジェント条件は配列依存的であり、ハイブリダイズすることになる核酸分子の性質及び組成によって決定される。
【0245】
配列が標的核酸に特異的にハイブリダイズ可能かどうかを決定する方法は、当技術分野で周知である(Sambrooke and Russell,Molecular C
loning:A Laboratory Manual,3rd Ed.,2001)。
ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドはDUX4核酸と特異的にハイブリダイズ可能である。
【0246】
相補性
所望の効果が生じる(例えば、DUX4核酸などの標的核酸のアンチセンス阻害)ように、修飾オリゴヌクレオチドの十分な数の核酸塩基が標的核酸の対応する核酸塩基と水素結合することができる場合、修飾オリゴヌクレオチド及び標的核酸は互いに相補的である。
【0247】
修飾オリゴヌクレオチドは、介在または隣接するセグメントがハイブリダイゼーション事象に関与しないように(例えば、ループ構造、ミスマッチまたはヘアピン構造)、DUX4核酸の1つまたは複数のセグメントにわたってハイブリダイズすることができる。
【0248】
ある種の実施態様では、本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドまたはその特定の部分は、DUX4核酸、標的領域、標的セグメントまたはそれらの特定の部分に対して、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%相補的である。ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、DUX4核酸、標的領域、標的セグメントまたはそれらの特定の部分に対して、少なくとも
90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%相補的であり、本明細書に記載の例示的修飾オリゴヌクレオチドのいずれかの核酸塩基配列の少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18または少なくとも19個の連続的な核酸塩基(例えば、配列表の配列番号2、3、4、7~64、69~97または102~112のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも8個の連続的な核酸塩基)を含む。標的核酸との修飾オリゴヌクレオチドの相補性パーセントは、慣例的方法を使用して決定することができ、修飾オリゴヌクレオチド全体にわたって測定される。
【0249】
例えば、修飾オリゴヌクレオチドの20個の核酸塩基のうちの18個が、標的領域に対して相補的であり、したがって特異的にハイブリダイズすると思われる修飾オリゴヌクレオチドは、90パーセントの相補性に相当する。この例では、残りの非相補的核酸塩基は、クラスター化されていてもよいし、相補的核酸塩基が挟まれていてもよく、互いにまたは相補的核酸塩基と連続的である必要はない。標的核酸領域との修飾オリゴヌクレオチドの相補性パーセントは、当技術分野で既知のBLASTプログラム(basiclocal alignmentsearch tools)及びPowerBLASTプログラム(Altschulet al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403
410;Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,6
49656)を使用して、慣例的に決定することができる。相同性パーセント、配列同一性または相補性は、例えば、ギャッププログラム(WisconsinSequence
Analysis Package,Version 8 for Unix,Genet
ics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)によって、Smith and Waterman(Ad
v.Appl.Math.,1981,2,482 489)のアルゴリズムを使用する
デフォルト設定を使用して決定することができる。
【0250】
非相補的核酸塩基の部位は、修飾オリゴヌクレオチドの5’末端でもよいし、3’末端でもよい。あるいは、非相補的核酸塩基(複数可)は、修飾オリゴヌクレオチドの内部の位置でもよい。2つ以上の非相補的核酸塩基が存在する場合は、これらは、連続的(すなわち連結された)でもよいし、非連続的でもよい。一実施態様では、非相補的核酸塩基は、ギャップマー修飾オリゴヌクレオチドのウイングセグメント中に位置する。
【0251】
ある種の実施態様では、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30核酸塩基長である、またはこれらの核酸塩基長までの修飾オリゴヌクレオチドは、標的核酸、例えばDUX4核酸またはその特定の部分に対する、3つ以下、2つ以下または1つ以下の非相補的核酸塩基(複数可)を含む。
【0252】
本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、標的核酸の一部分に対して相補的なものも含む。本明細書で使用する場合、「部分」は、標的核酸の領域またはセグメント内の定められた数の連続的(すなわち連結された)核酸塩基を指す。「部分」は、修飾オリゴヌクレオチドの定められた数の連続的な核酸塩基を指すこともできる。ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、標的セグメントの少なくとも8核酸塩基部分に相補的である。ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、標的セグメントの少なくとも10核酸塩基部分に相補的である。ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、標的セグメントの少なくとも15核酸塩基部分に相補的である。標的セグメントの少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なく
とも18、少なくとも19、少なくとも20もしくはそれ以上の核酸塩基部分、またはこれらの値の任意の2つによって定められた範囲に相補的な修飾オリゴヌクレオチドも意図される。
【0253】
同一性
本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドは、特定のヌクレオチド配列、配列表の配列番号もしくは特定の化合物番号によって表される化合物またはそれらの部分に対して、定められた同一性パーセントを有することもできる。本明細書で使用する場合、修飾オリゴヌクレオチドは、それが同じ核酸塩基対合能力を有する場合、本明細書に開示される配列と同一である。例えば、開示されるDNA配列のチミジンの代わりにウラシルを含むRNAは、ウラシルとチミジンの両方ともアデニンと対になるので、そのDNA配列と同一であると考えられる。本明細書に記載の修飾オリゴヌクレオチドの短縮及び延長バージョン及び本明細書で提供される修飾オリゴヌクレオチドに対して同一でない塩基を有する化合物も意図される。同一でない塩基は互いに隣接していてもよいし、修飾オリゴヌクレオチド全体にわたって分散していてもよい。修飾オリゴヌクレオチドの同一性パーセントは、比較される配列に対して同一の塩基対合を有する塩基の数に従って計算される。
【0254】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドまたはその部分は、本明細書に開示される例示的修飾オリゴヌクレオチドもしくは配列表の配列番号またはそれらの部分の1つまたは複数と、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一である。
【0255】
修飾
ヌクレオシドは塩基-糖の組み合わせ物である。ヌクレオシドの核酸塩基(塩基としても知られる)部分は、通常は、複素環塩基部分である。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合したリン酸基をさらに含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むヌクレオシドについては、リン酸基は、糖の2’、3’または5’ヒドロキシル部分に連結し得る。オリゴヌクレオチドは、隣接ヌクレオシドが互いに共有結合することを介して形成されて、直鎖状のポリマーオリゴヌクレオチドを形成する。オリゴヌクレオチド構造内で、リン酸基は、一般に、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合を形成すると言われる。
【0256】
修飾オリゴヌクレオチドにおける修飾は、ヌクレオシド間結合、糖部分または核酸塩基に対する置換または変化を包含する。修飾修飾オリゴヌクレオチドは、例えば、細胞取り込みの増強、核酸標的に対する親和性の増強、ヌクレアーゼの存在下での安定性の増大または阻害活性の増大などの望ましい特性が理由で、天然型よりも好ましいことが多い。
【0257】
修飾ヌクレオシド間結合
RNA及びDNAの天然に存在するヌクレオシド間結合は、3’-5’ホスホジエステル結合である。1つまたは複数の修飾された、すなわち天然に存在しない、ヌクレオシド間結合を有する修飾オリゴヌクレオチドは、例えば、細胞取り込みの増強、標的核酸に対する親和性の増強及びヌクレアーゼの存在下での安定性の増大などの望ましい特性が理由で、天然に存在するヌクレオシド間結合を有する修飾オリゴヌクレオチドよりも選択されることが多い。
【0258】
修飾ヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドは、リン原子を保持するヌクレオシド間結合及びリン原子を有さないヌクレオシド間結合を含む。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合としては、これらに限定されないが、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホルアミデート及びホスホロチオエートの1つ以上が挙げ
られる。リン含有及び非リン含有結合の調製方法は周知である。
【0259】
ある種の実施態様では、DUX4核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間結合を含む。ある種の実施態様では、修飾ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0260】
修飾糖部分
本発明修飾オリゴヌクレオチドは、それを構成する少なくとも1つのヌクレオシドが修飾糖を含むものが好ましく用いられる。本発明において修飾糖とは、糖部分が修飾されたものをいい、当該修飾糖を1つ以上含む修飾オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ安定性の増強、結合親和性の増大等の有利な特徴を有する。修飾糖のうち少なくとも一つは、二環式糖または置換糖部分を有することが好ましい。
【0261】
修飾糖を有するヌクレオシドの例としては、これらに限定されないが、5’-ビニル、5’-メチル(RまたはS)、4’-S、2’-F、2’-OCH3、2’-OCH2CH3、2’-OCH2CH2F及び2’-O(CH2)2OCH3置換基を含むヌクレオシドが挙げられる。2’位の置換基は、アリル、アミノ、アジド、チオ、O-アリル、O-C1~C10アルキル、OCF3、OCH2F、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2-O-N(Rm)(Rn)、O-CH2-C(=O)-N(Rm)(Rn)及びO-CH2-C(=O)-N(Rl)-(CH2)2-N(Rm)(Rn)(式中、各Rl、Rm及びRnは独立に、Hまたは置換もしくは無置換のC1~C10アルキルである)から選択することもできる。
【0262】
二環式糖を有するヌクレオシドの例としては、これらに限定されないが、4’と2’のリボシル環原子の間の架橋を含むヌクレオシドが挙げられる。ある種の実施態様では、本明細書で提供されるオリゴヌクレオチドは、架橋が以下の式の1つを含む、1つまたは複数の二環式糖を有するヌクレオシドを含む:4’-(CH2)-O-2’(LNA);4’-(CH2)-S-2’;4’-(CH2)2-O-2’(ENA);4’-CH(CH3)-O-2’及び4’-CH(CH2OCH3)-O-2’(及びそれらの類似物。米国特許7,399,845号を参照されたい);4’-C(CH3)(CH3)-O-2’(及びそれらの類似物。WO2009/006478号を参照されたい);4’-CH2-N(OCH3)-2’(及びそれらの類似物。WO2008/150729号を参照されたい);4’-CH2-O-N(CH3)-2’(及びそれらの類似物。US2004-0171570号を参照されたい);4’-CH2-N(R)-O-2’(式中、Rは、H、C1~C12アルキルまたは保護基である)(米国特許7,427,672号を参照されたい);4’-CH2-C(H)(CH3)-2’(及びそれらの類似物。Chattopadhyayaet al.,J.Org.Chem.,2009,74,
118-134を参照されたい);並びに4’-CH2-C(=CH2)-2’(及びそれらの類似物。WO2008/154401号を参照されたい)。
【0263】
さらなる二環式糖を有するヌクレオシドが、発表文献に報告されている(例えば:Srivastavaet al.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129(2
6)8362-8379;Friedenet al.,NucleicAcids Research,2003,21,6365-6372;Elayadiet al.,C
urr.OpinionInvens.Drugs,2001,2,558-561;Braasch et al.,Chem.Biol.,2001,8,1-7;Orum
et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.,2001,3,239-243;Wahlestedt etal.,Proc.Natl.Acad.Sci.
U.S.A.,2000,97,5633-5638;Singhet al.,Che
m.Commun.,1998,4,455-456;Koshkinet al.,T
etrahedron,1998,54,3607-3630;Kumaret al.
,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219-2222;Singhet al.,;米国特許US7,399,845号;6,770,748号;
6,525,191号;6,268,490号;米国US2008-0039618号;US2007-0287831号;US2004-0171570号;US2009-0012281号;WO2010/036698;WO 2009/067647号;WO2009/067647号;WO2007/134181号;WO2005/021570号;
WO2004/106356号;WO94/14226号;WO 2009/006478
号;WO2008/154401号;及びWO2008/150729号を参照されたい)。前述の二環式糖を有するヌクレオシドのそれぞれは、例えばα-L-リボフラノース及びβ-D-リボフラノースを含む1つまたは複数の立体化学的糖配置を有して、調製することができる。
【0264】
二環式糖を有するヌクレオシドのGuNAはグアニジン架橋を有する人工ヌクレオシドとして報告されている(WO2014/046212号、WO2017/047816号を参照されたい)。二環式ヌクレオシドのALNA[Ms]、ALNA[mU]、ALNA[ipU]、ALNA[Trz]及びALNA[Oxz]は架橋型人工核酸アミノLNA(ALNA)として報告されている(例えば、WO2020/100826を参照)。
【0265】
ある種の実施態様では、二環式糖を有するヌクレオシドは、ペントフラノシル糖部分の4’と2’の炭素原子の間に架橋を含み、これらには限定されないが、-[C(Ra)(Rb)]n-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-C(=NRa)-、-C(=O)-、-C(=S)-、-N(Ra)-、-O-、-Si(Ra)2-及び-S(=O)x-から独立に選択される1つまたは1つから4つの連結基を含む架橋が含まれ、式中、Xは0、1または2であり;nは1、2、3または4であり;各Ra及びRbは、独立に、H、保護基、ヒドロキシル、C1~C12アルキル、置換C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、置換C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、置換C2~C12アルキニル、芳香環基、置換芳香環基、複素環基、置換複素環基、C5~C7脂環基、置換C5~C7脂環基、ハロゲン、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、COOJ1、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)2-J1)またはスルホキシル(S(=O)-J1)であり、
各J1及びJ2は、独立に、H、C1~C12アルキル、置換C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、置換C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、置換C2~C12アルキニル、芳香環基、置換芳香環基、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、複素環基、置換複素環基、C1~C12アミノアルキル、置換C1~C12アミノアルキルまたは保護基である。
【0266】
ある種の実施態様では、二環式糖部分の架橋は、-[C(Ra)(Rb)]n-、-[C(Ra)(Rb)]n-O-、-C(RaRb)-N(R)-O-または-C(RaRb)-O-N(R)-である。ある種の実施態様では、架橋は、4’-CH2-2’、4’-(CH2)2-2’、4’-(CH2)3-2’、4’-CH2-O-2’(この場合の二環式糖を有するヌクレオシドをLNAともいう)、4’-(CH2)2-O-2’、4’-CH2-O-N(R)-2’及び4’-CH2-N(R)-O-2’-であり、式中、各Rは独立に、H、保護基またはC1~C12アルキルである。
【0267】
ある種の実施態様では、二環式糖部分の架橋は、4’-CH2-O-2’-(LNA)または-CH2-N(R)-であり、式中、各Rは独立に-SO2-CH3(ALNA[Ms])、-CO-NH-CH3(ALNA[mU])、1,5-ジメチル-1,2,4-ト
リアゾール-3-イル(ALNA[Trz])、-CO-NH-CH(CH3)2(AL
NA[ipU])、5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル(ALNA[
Oxz])である(例えば、WO2020/100826を参照)。
【0268】
ある種の実施態様では、二環式糖を有するヌクレオシドは、異性体立体配置によってさらに定義される。例えば、4’-(CH2)-O-2’架橋を含むヌクレオシドは、α-L-立体配置で存在してもよいし、β-D-立体配置で存在してもよい。
【0269】
ある種の実施態様では、二環式糖を有するヌクレオシドは、4’-2’架橋を有するものを含み、そうした架橋としては、これらに限定されないが、α-L-4’-(CH2)-O-2’、β-D-4’-CH2-O-2’、4’-(CH2)2-O-2’、4’-CH2-O-N(R)-2’、4’-CH2-N(R)-O-2’、4’-CH(CH3)-O-2’、4’-CH2-S-2’、4’-CH2-CH(CH3)-2’及び4’-(CH2)3-2’(式中、Rは、H、保護基、C1~C12アルキル、またはC1~C12アルキルで置換されてもよいウレアもしくはグアニジンである)が挙げられる。
【0270】
ある種の実施態様では、二環式糖を有するヌクレオシドは以下の式を有する:
【化15】
式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
T
a及びT
bはそれぞれ独立に、水素原子、水酸基の保護基、置換されてもよいリン酸基、リン部分または支持体への共有結合等であり;
Z
aは、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、置換C
1~C
6アルキル、置換C
2~C
6アルケニル、置換C
2~C
6アルキニル、アシル、置換アシル、置換アミド、チオールまたは置換チオールである。
【0271】
ある種の実施態様では、置換基のそれぞれは独立に、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJc、NJcJd、SJc、N3、OC(=X)Jc及びNJeC(=X)NJcJd(式中、各Jc、Jd及びJeは独立に、H、C1~C6アルキルまたは置換C1~C6アルキルであり、XはOまたはNJcである)から独立に選択される置換基で一置換または多置換される。
【0272】
ある種の実施態様では、二環式糖を有するヌクレオシドは以下の式を有する:
【化16】
式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
T
a及びT
bはそれぞれ独立に、水素原子、水酸基の保護基、置換されてもよいリン酸基、リン部分または支持体への共有結合等であり;
Z
bは、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、置換C
1~C
6アルキル、置換C
2~C
6アルケニル、置換C
2~C
6アルキニルまたは置換アシル(C(=O)-)である。
【0273】
ある種の実施態様では、二環式糖を有するヌクレオシドは以下の式を有する:
【化17】
式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
T
a及びT
bはそれぞれ独立に、水素原子、水酸基の保護基、置換されてもよいリン酸基、リン部分または支持体への共有結合等であり;
R
dは、C
1~C
6アルキル、置換C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、置換C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニルまたは置換C
2~C
6アルキニルであり;
各q
a、q
b、q
c及びq
dは独立に、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、置換C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、置換C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニルまたは置換C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6アルコキシル、置換C
1~C
6アルコキシル、アシル、置換アシル、C
1~C
6アミノアルキルまたは置換C
1~C
6アミノアルキルである。
【0274】
ある種の実施態様では、二環式糖を有するヌクレオシドは以下の式を有する:
【化18】
式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
T
a及びT
bはそれぞれ独立に、水素原子、水酸基の保護基、置換されてもよいリン酸基、リン部分または支持体への共有結合等であり;
q
a、q
b、q
e及びq
fはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C
1~C
12アルキル、置換C
1~C
12アルキル、C
2~C
12アルケニル、置換C
2~C
12アルケニル、C
2~C
12アルキニル、置換C
2~C
12アルキニル、C
1~C
12アルコキシ、置換C
1~C
12アルコキシ、OJ
j、SJ
j、SOJ
j、SO
2J
j、NJ
jJ
k、N
3、CN、C(=O)OJj、C(=O)NJ
jJ
k、C(=O)J
j、O-C(=O)NJ
jJ
k、N(H)C(=NH)NJ
jJ
k、N(H)C(=O)-NJ
jJ
kもしくはN
(H)C(=S)NJ
jJ
kであり;
または、q
e及びq
fは共に=C(q
g)(q
h)であり;
q
g及びq
hはそれぞれ独立に、H、ハロゲン、C
1~C
12アルキルもしくは置換C
1~C
12アルキルである。
【0275】
4’-CH2-O-2’架橋を有する、アデニン、シトシン、グアニン、5-メチル-シトシン、チミン及びウラシル二環式ヌクレオシド(LNAともいう)の合成及び調製は、それらのオリゴマー化及び核酸認識特性と共に記載されている(Koshkinet
al.,Tetrahedron,1998,54,3607-3630)。二環式糖を有するヌクレオシドの合成は、WO98/39352及びWO99/14226にも記載されている。
【0276】
4’-CH2-O-2’(この場合の二環式ヌクレオシドをLNAともいう)及び4’-CH2-S-2’などの4’-2’架橋基を有する様々な二環式ヌクレオシドの類似物も、調製されている(Kumaret al.,Bioorg.Med.Chem.Le
tt.,1998,8,2219-2222)。核酸ポリメラーゼの基質として使用するための、二環式ヌクレオシドを含むオリゴデオキシリボヌクレオチド二本鎖の調製も記載されている(Wengelet al.,WO99/14226)。さらに、2’-アミ
ノ-BNA(この場合の二環式ヌクレオシドをALNAともいう)、すなわち立体構造的に制限された高親和性オリゴヌクレオチド類似物の合成が、当技術分野で記載されている(Singhet al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035-1
0039)。さらに、2’-アミノ-及び2’-メチルアミノ-BNAが調製されており、相補的なRNA鎖及びDNA鎖との二本鎖の熱安定性が以前に報告されている。
【0277】
ある種の実施態様では、二環式糖を有するヌクレオシドは以下の式を有する:
【化19】
式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
T
a及びT
bはそれぞれ独立に、水素原子、水酸基の保護基、置換されてもよいリン酸基、リン部分または支持体への共有結合等であり;
各q
i、q
j、q
k及びq
lは独立に、H、ハロゲン、C
1~C
12アルキル、置換C
1~C
12アルキル、C
2~C
12アルケニル、置換C
2~C
12アルケニル、C
2~C
12アルキニル、置換C
2~C
12アルキニル、C
1~C
12アルコキシル、置換C
1~C
12アルコキシル、OJ
j、SJ
j、SOJ
j、SO
2J
j、NJ
jJ
k、N
3、CN、C(=O)OJ
j、C(=O)NJ
jJ
k、C(=O)J
j、O-C(=O)NJ
jJ
k、N(H)C(=NH)NJ
jJ
k、N(H)C(=O)NJ
jJ
kまたはN(H)C(=S)NJ
jJ
kであり;
q
i及びq
jまたはq
l及びq
kは共に=C(q
g)(q
h)であり、式中、q
g及びq
hはそれぞれ独立に、H、ハロゲン、C
1~C
12アルキルまたは置換C
1~C
12アルキルである。
【0278】
4’-(CH2)3-2’架橋及びアルケニル類似物架橋4’-CH=CH-CH2-2’を有する1つの炭素環式二環式ヌクレオシドが記載されている(Frieret a
l.,NucleicAcids Research,1997,25(22),442
9-4443及びAlbaeket al.,J.Org.Chem.,2006,71
,7731-7740)。炭素環式二環式ヌクレオシドの合成及び調製も、そのオリゴマー化及び生化学的な研究と共に記載されている(Srivastavaet al.,J
.Am.Chem.Soc.2007,129(26),8362-8379)。
【0279】
ある種の実施態様では、二環式糖を有するヌクレオシドとしては、これらに限定されないが、以下に示すような、
(A)α-L-メチレンオキシ(4’-CH2-O-2’)BNA、
(B)β-D-メチレンオキシ(4’-CH2-O-2’)BNA、
(C)エチレンオキシ(4’-(CH2)2-O-2’)BNA、
(D)アミノオキシ(4’-CH2-O-N(R)-2’)BNA、
(E)オキシアミノ(4’-CH2-N(R)-O-2’)BNA、
(F)メチル(メチレンオキシ)(4’-CH(CH3)-O-2’)BNA(拘束エチルまたはcEtとも言われる)、
(G)メチレン-チオ(4’-CH2-S-2’)BNA、
(H)メチレン-アミノ(4’-CH2-N(R)-2’)BNA、
(I)メチル炭素環式(4’-CH2-CH(CH3)-2’)BNA、
(J)プロピレン炭素環式(4’-(CH2)3-2’)BNA、及び
(K)ビニルBNAが挙げられる。
【0280】
【化20】
式中、Bxは塩基部分であり、Rは独立に、保護基、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6アルコキシである。
【0281】
ある種の実施態様(LNA)では、二環式糖を有するヌクレオシドは以下の一般式:
【化21】
[式中、
Bは、核酸塩基であり;
XおよびYは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基の保護基、置換されてもよいリン酸基、リン部分または支持体への共有結合等]で表されるヌクレオシドを挙げることができる(WO98/39352を参照)。典型的な具体例は、下記式:
【化22】
で示されるヌクレオチドを挙げることができる。
【0282】
ある種の実施態様(GuNA)では、二環式を含むヌクレオシドは下記一般式:
【化23】
[式中、Bは核酸塩基であり、R
3、R
4、R
5、R
6は各々独立して水素原子、または1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-6アルキル基であり、R
7、R
8はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基の保護基、置換されてもよいリン酸基、リン部分または支持体への共有結合等であり、そしてR
9、R
10、R
11は各々独立して水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-6アルキル基、またはアミノ基の保護基である。]
で表されるヌクレオシドである(例えば、国際公開第2014/046212号、国際公開第2017/047816号を参照)。
【0283】
ある種の実施態様(ALNA[mU])では、二環式糖を含むヌクレオシドは下記一般式(I):
【化24】
[式中、
Bは、核酸塩基であり;
R
1、R
2、R
3およびR
4は各々独立して、水素原子、または1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基であり;
R
5およびR
6は各々独立して、水素原子、水酸基の保護基、置換されてもよいリン酸
基、リン部分または支持体への共有結合等であり;
mは、1または2であり;
Xは、下記式(II-1):
【化25】
で示される基であり;
式(II-1)中に記載の記号:
【化26】
は、2’-アミノ基との結合点を示し;
R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方が1つ以上の置換基で置換されてもよい
メチル基である。]
で表されるヌクレオシドである(例えば、WO2020/100826を参照)。典型的な具体例は、R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方が無置換のメチル基である、ヌクレオシドである。
【0284】
ある種の実施態様(ALNA[ipU])では、二環式糖を含むヌクレオシドは上記のALNA[mU]において定義する一般式(I)を有するヌクレオシドであって、該式中、
Xが、下記式(II-1):
【化27】
で示される基であり;
R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方が1つ以上の置換基で置換されてもよいイソプロピル基である(例えば、WO2020/100826を参照)。典型的な具体例は、R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方が無置換のイソプロピル基である、ヌクレオシドである。
【0285】
ある種の実施態様(ALNA[Trz])では、二環式を含むヌクレオシドは上記一般式(I)を有するヌクレオシドであって、該式中、Xが、下記式(II-2):
【化28】
で示される基であり;
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよいトリアゾリル基である(例えば、WO2020/100826を参照)。ALNA[Trz]の典型的な具体例は、Aが、1または複数のメチル基を有してもよいトリアゾリル基であり、より具体的には、1,5-ジ
メチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル基である、ヌクレオシドである。
【0286】
ある種の実施態様(ALNA[Oxz])では、上記のALNA[mU]において定義する一般式(I)を有するヌクレオシドであって、該式中、
Xが、下記式(II-2):
【化29】
で示される基であり;
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよいオキサジアゾリル基である(例えば、WO2020/100826を参照)。典型的な具体例は、Aが1または複数のメチル基を有してもよいオキサジアゾリル基であり、より具体的には、5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル基である、ヌクレオシドまたはヌクレオチドである。
【0287】
ある種の実施態様(ALNA[Ms])では、二環式を含むヌクレオシドは上記一般式(I)を有するヌクレオシドであって、該式中、Xが、下記一般式(II-3):
【化30】
で示される基であり;
Mは、1つ以上の置換基で置換されていてもよいメチル基で置換された、スルホニル基である(例えば、WO2020/100826を参照)。ALNA[Ms]の典型的な具体例は、Mが無置換のメチル基で置換されたスルホニル基である、ヌクレオシドである。
【0288】
ある種の実施態様では、ヌクレオシドは、糖代用物とのリボシル環の置き換えによって修飾される。そうした修飾としては、これらに限定されないが、代用環系(DNA類似物と言われることもある)、例えば、モルホリノ環、シクロヘキセニル環、シクロヘキシル環またはテトラヒドロピラニル環、例えば以下の式のうちの1つを有するものとのリボシル環の置き換えが挙げられる:
【化31】
【0289】
ある種の実施態様では、以下の式を有する糖代用物が選択される:
【化32】
式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
T
3及びT
4はそれぞれ独立に、テトラヒドロピランヌクレオシド類似物をオリゴマー化合物に連結するヌクレオシド間連結基、またはT
3及びT
4の一方は、テトラヒドロピランヌクレオシド類似物をオリゴマー化合物もしくはオリゴヌクレオチドに連結するヌクレオシド間連結基であり、T
3及びT
4の他方は、H、ヒドロキシル保護基、連結共役基または5’もしくは3’-末端基であり;
q
1、q
2、q
3、q
4、q
5、q
6及びq
7はそれぞれ独立に、H、C
1~C
6アルキル、置換C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、置換C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニルまたは置換C
2~C
6アルキニルであり;
R
1及びR
2の一方は水素であり、他方はハロゲン、置換または無置換のアルコキシ、NJ
1J
2、SJ
1、N
3、OC(=X)J
1、OC(=X)NJ
1J
2、NJ
3C(=X)NJ
1J
2及びCN(式中、XはO、SまたはNJ
1であり、各J
1、J
2及びJ
3は独立に、HまたはC
1~C
6アルキルである)から選択される。
【0290】
ある種の実施態様では、q1、q2、q3、q4、q5、q6及びq7はそれぞれHである。ある種の実施態様では、q1、q2、q3、q4、q5、q6及びq7の少なくと
も1つはH以外である。ある種の実施態様では、q1、q2、q3、q4、q5、q6及びq7の少なくとも1つはメチルである。ある種の実施態様では、R1及びR2の一方がFであるTHPヌクレオシドが提供される。ある種の実施態様では、R1がフルオロであり、且つR2がHであり;R1がメトキシであり、且つR2がHであり、及びR1がメトキシエトキシであり、且つR2がHである。
【0291】
そうした糖代用物としては、これらに限定されないが、当技術分野で、ヘキシトール核酸(HNA)、アルトリトール核酸(ANA)及びマンニトール核酸(MNA)と言われるものが挙げられる(Leumann,C.J.,Bioorg.&Med.Chem
.,2002,10,841-854を参照されたい)。
【0292】
ある種の実施態様では、糖代用物は、5つを超える原子及び1つを超えるヘテロ原子を有する環を含む。例えば、モルホリノ糖部分を含むヌクレオシド及びオリゴマー化合物でのその使用が報告されている(例えば、Braaschet al.,Biochemi
stry,2002,41,4503-4510;並びに米国特許5,698,685;5,166,315;5,185,444;及び5,034,506を参照されたい)。
【0293】
本明細書で使用する場合、用語「モルホリノ」は以下の構造を有する糖代用物を意味する:
【化33】
【0294】
ある種の実施態様では、例えば、上記のモルホリノ構造から様々な置換基を付加するまたは変えることによって、モルホリノを修飾することができる。そうした糖代用物は、本明細書で「修飾モルホリノ」と言われる。
【0295】
ある種の実施態様では、オリゴヌクレオチドは、天然に存在するヌクレオシドのペントフラノシル残基の代わりに6員シクロヘキセニルを有するヌクレオシドである、1つまたは複数の修飾シクロヘキセニルヌクレオシドを含む。修飾シクロヘキセニルヌクレオシドとしては、これらに限定されないが、当技術分野で記載されたものが挙げられる(例えば、共有に係る、2010年4月10日に公開されたWO2010/036696、Robeynset al.,J.Am.Chem.Soc.,2008,130(6),19
79-1984;Horvathet al.,TetrahedronLetters
,2007,48,3621-3623;Nauwelaerts et al.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129(30),9340-9348;Guet
al.,Nucleosides,Nucleotides& Nucleic Acids,2005,24(5-7),993-998;Nauwelaerts etal.
,Nucleic AcidsResearch,2005,33(8),2452-2
463;Robeyns et al.,Acta Crystallographica
,Section F:StructuralBiology and Crystall
ization Communications,2005,F61(6),585-5
86;Guet al.,Tetrahedron,2004,60(9),2111-
2123;Guet al.,Oligonucleotides,2003,13(6
),479-489;Wanget al.,J.Org.Chem.,2003,68
,4499-4505;Verbeureet al.,NucleicAcids Research,2001,29(24),4941-4947;Wangetal.,J.Org.Chem.,2001,66,8478-82;Wang et al.,Nucleosides,Nucleotides & Nucleic Acids,200
1,20(4-7),785-788;Wanget al.,J.Am.Chem.,
2000,122,8595-8602;WO06/047842号;及びWO01/049687号を参照されたい;それぞれのテキストは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0296】
ある種の修飾シクロヘキセニルヌクレオシドは以下の式を有する:
【化34】
式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
T
3及びT
4はそれぞれ独立に、シクロヘキセニルヌクレオシド類似物をオリゴヌクレオチド化合物に連結するヌクレオシド間連結基であり、またはT
3及びT
4の一方は、テトラヒドロピランヌクレオシド類似物をオリゴヌクレオチド化合物に連結するヌクレオシド間連結基であり、T
3及びT
4の他方は、H、ヒドロキシル保護基、連結共役基もしくは5’-もしくは3’-末端基であり;
q
1、q
2、q
3、q
4、q
5、q
6、q
7、q
8及びq
9はそれぞれ独立に、H、C
1~C
6アルキル、置換C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、置換C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、置換C
2~C
6アルキニルまたは他の糖置換基である。
【0297】
オリゴヌクレオチドに組み込むためのヌクレオシドを修飾するのに使用することができる、多くの他の二環式及び三環式の糖代用環系が当技術分野で既知である(例えば、総説:Leumann,ChristianJ.,Bioorg.& Med.Chem.,
2002,10,841-854を参照されたい)。そうした環系は、活性を増強するために様々なさらなる置換を受けることができる。
【0298】
修飾糖の調製方法は当業者に周知である。そうした修飾糖の調製を教示するいくつかの
代表的なU.S.特許は、これらに限定されないが、U.S.:4,981,957;5,118,800;5,319,080;5,359,044;5,393,878;5,446,137;5,466,786;5,514,785;5,519,134;5,567,811;5,576,427;5,591,722;5,597,909;5,610,300;5,627,053;5,639,873;5,646,265;5,670,633;5,700,920;5,792,847及び6,600,032並びにWO2005/121371号が挙げられ、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0299】
修飾糖部分を有するヌクレオチドでは、核酸塩基部分(天然、修飾またはそれらの組み合わせ)は、適切な核酸標的とのハイブリダイゼーションの間維持される。
【0300】
修飾核酸塩基
核酸塩基(または塩基)の修飾または置換は、天然に存在するまたは合成の非修飾核酸塩基と構造的に識別可能であり、こうした非修飾核酸塩基とさらに機能的に互換性がある。天然及び修飾核酸塩基の両方とも、水素結合に関与することができる。そうした核酸塩基修飾は、ヌクレアーゼ安定性、結合親和性またはいくつかの他の有益な生物学的特性を修飾オリゴヌクレオチドに与えることができる。修飾核酸塩基は、例えば5-メチルシトシン(5-me-C)などの合成及び天然の核酸塩基を含む。5-メチルシトシン置換を含めたある種の核酸塩基置換は、標的核酸に対する修飾オリゴヌクレオチドの結合親和性を増大させるのに特に有用である。例えば、5-メチルシトシン置換は、核酸の二本鎖安定性を0.6~1.2℃増大させることが示されている(Sanghvi,Y.S.,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,eds.,Antisense Research and Applications,CRC Press,Boca Raton,1993,pp.276-278)。
【0301】
さらなる修飾核酸塩基としては、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6-メチル及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2-プロピル及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及びシトシン、5-プロピニル(-C≡C-CH3)ウラシル及びシトシン並びにピリミジン塩基の他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル及び他の8-置換アデニン及びグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル及び他の5-置換ウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン及び7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノ-アデニン、8-アザグアニン及び8-アザアデニン、7-デアザグアニン及び7-デアザアデニン、3-デアザグアニン及び3-デアザアデニンが挙げられる。
【0302】
複素環塩基部分は、プリンまたはピリミジン塩基が他の複素環、例えば、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン及び2-ピリドンで置き換えられているものを含むこともできる。修飾オリゴヌクレオチドの結合親和性を増大させるのに特に有用な核酸塩基としては、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン及びN-2、N-6及びO-6置換プリン(2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル及び5-プロピニルシトシンを含める)が挙げられる。
【0303】
ある種の実施態様では、DUX4核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾核酸塩基を含む。ある種の実施態様では、DUX4核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾核酸塩基を含む。ある種の実施態様では、修飾核酸塩基は5-メチルシトシンである。ある種の実施態様では、各シトシンは5-メ
チルシトシンである。
【0304】
ある種の修飾オリゴヌクレオチドモチーフ
ある種の実施態様では、DUX4核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドは、修飾オリゴヌクレオチドに、阻害活性の増強、標的核酸に対する結合親和性の増大またはインビボヌクレアーゼによる分解に対する抵抗性などの特性を与えるために、パターンまたはモチーフに配置される化学修飾サブユニットを有する。
【0305】
キメラ修飾オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼによる分解に対する抵抗性の増大、細胞取り込みの増大、標的核酸に対する結合親和性の増大及び/または阻害活性の増大を与えるために、典型的には少なくとも1つの修飾領域を含む。キメラ修飾オリゴヌクレオチドの第二領域は、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を切断する細胞内エンドヌクレアーゼRNase Hに対する基質として任意に働くことができる。
【0306】
ギャップマーモチーフを有する修飾オリゴヌクレオチドは、キメラ修飾オリゴヌクレオチドである。ギャップマーでは、RNaseH切断を支援する複数のヌクレオチドを有する内部領域は、内部領域のヌクレオシドと化学的に異なる複数のヌクレオチドを有する外部領域間に位置する。ギャップマーモチーフを有する修飾オリゴヌクレオチドの場合には、ギャップセグメントは、エンドヌクレアーゼによる切断の基質として一般に働くが、ウイングセグメントは修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマー領域は、それぞれ異なる領域を含む糖部分のタイプによって区別される。いくつかの実施態様では、ギャップマー領域を区別するのに使用される糖部分のタイプは、β-D-リボヌクレオシド、β-D-デオキシリボヌクレオシド、2’-修飾ヌクレオシド(このような2’-修飾ヌクレオシドは、中でも、2’-MOE及び2’-O-CH3を含むことができる)並びに二環式糖修飾ヌクレオシド(このような二環式糖修飾ヌクレオシドは、LNA、GuNA、ALNA[Ms]、ALNA[mU]、ALNA[ipU]、ALNA[Trz]及び/またはALNA[Oxz]を有するものを含むことができる)を含むことができる。ウイング-ギャップ-ウイングモチーフは、「X-Y-Z」としてしばしば記載され、「X」は5’ウイング領域の長さを表し、「Y」はギャップ領域の長さを表し、「Z」は3’ウイング領域の長さを表す。本明細書で使用する場合、「X-Y-Z」として記載されるギャップマーは、ギャップセグメントが5’ウイングセグメント及び3’ウイングセグメントのそれぞれに直接隣接する位置するような立体配置を有する。したがって、5’ウイングセグメントとギャップセグメントの間またはギャップセグメントと3’ウイングセグメントの間に、介在性ヌクレオチドは存在しない。本明細書に記載の修飾オリゴヌクレオチドのうちのいずれかは、ギャップマーモチーフを有し得る。いくつかの実施態様ではXとZは同じであり、他の実施態様ではこれらは異なる。好ましい実施態様では、Yは8から16個のヌクレオチドである。X、YまたはZは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30個またはそれ以上のヌクレオチドのいずれかであり得る。したがって、ギャップマーとしては、これらに限定されないが、例えば、2-10-3、2-14-2、2-15-2、2-16-2、3-6-7、3-7-5、3-8-3、3-8-4、3-8-5、3-9-2、3-9-3、3-9-4、3-9-5、3-9-8、3-10-2、3-10-3、3-10-4、3-11-3、3-12-3、3-14-3、4-7-4、4-7-5、4-8-3、4-8-4、4-9-3、4-10-3、5-6-4、5-6-5、5-7-3、5-7-4、5-8-3、5-8-4、または7-6-3が挙げられる。
【0307】
ある種の実施態様では、DUX4核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドは3-10-3ギャップマーモチーフを持つ。ある種の実施態様では、DUX4核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドは3-9-3ギャップマーモチーフを持つ。ある種の実施態様では
、DUX4核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドは3-9-4ギャップマーモチーフを持つ。ある種の実施態様では、DUX4核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドは3-8-5ギャップマーモチーフを持つ。
【0308】
ある種の実施態様では、これらのギャップマーの修飾オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載の例示的修飾オリゴヌクレオチドのいずれかの核酸塩基配列の少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29または、少なくとも30個の連続的な核酸塩基(例えば、配列表の配列番号2,3,4、7~64、69~97または102~112のいずれか1つに記載される核酸塩基配列の少なくとも8個の連続的な核酸塩基)を含む。
【0309】
ある種の実施態様では、本発明はオリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物を提供する。ある種の実施態様では、そうしたオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の化学修飾を含む。ある種の実施態様では、化学修飾オリゴヌクレオチドは1つまたは複数の修飾糖を含む。ある種の実施態様では、化学修飾オリゴヌクレオチドは1つまたは複数の修飾核酸塩基を含む。ある種の実施態様では、化学修飾オリゴヌクレオチドは1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間結合を含む。ある種の実施態様では、化学修飾(糖修飾、核酸塩基修飾及び/または結合修飾)は、パターンまたはモチーフを定める。ある種の実施態様では、糖部分、ヌクレオシド間結合及び核酸塩基の化学修飾のパターンは、それぞれ互いに無関係である。したがって、オリゴヌクレオチドは、その糖修飾モチーフ、ヌクレオシド間結合モチーフ及び/または核酸塩基修飾モチーフによって説明され得る(本明細書で使用する場合、核酸塩基修飾モチーフは、核酸塩基の配列と無関係で、核酸塩基に対する化学修飾を説明する)。
【0310】
ある種の糖モチーフ
ある種の実施態様では、オリゴヌクレオチドは、定められたパターンまたは糖修飾モチーフにおいてオリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って配置された、1または複数のタイプの修飾糖部分及び/または天然に存在する糖部分を含む。そうしたモチーフは、本明細書に論じる糖修飾及び/または他の既知の糖修飾のいずれかを含むことができる。
【0311】
ある種の実施態様では、オリゴヌクレオチドは、ギャップマー糖修飾モチーフを有する領域を含むか、その領域から成り、これは、2つの外部領域、すなわち「ウイングセグメント」、及び1つの内部領域、すなわち「ギャップセグメント」を含む。ギャップマーモチーフの3領域(5’ウイングセグメント、ギャップセグメント及び3’ウイングセグメント)は、ヌクレオシドの連続的な配列を形成し、ここでは、各ウイングセグメントのヌクレオシドの糖部分の少なくともいくつかは、ギャップセグメントのヌクレオシドの糖部分の少なくともいくつかと異なる。特に、少なくとも、ギャップセグメントに最も近い各ウイングセグメントのヌクレオシド(5’ウイングセグメントの最も3’側のヌクレオシド及び3’ウイングセグメントの最も5’側のヌクレオシド)の糖部分は、隣接したギャップセグメントのヌクレオシドの糖部分とは異なり、したがってウイングセグメントとギャップセグメントの間の境界部位を定める。ある種の実施態様では、ギャップセグメント内の糖部分は互いに同じである。ある種の実施態様では、ギャップセグメントは、ギャップセグメントの1つまたは複数の他のヌクレオシドの糖部分と異なる糖部分を有する1つまたは複数のヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、2つのウイングセグメントの糖修飾モチーフは互いに同じである(対称的ギャップマー)。ある種の実施態様では、5’ウイングセグメントの糖修飾モチーフは、3’ウイングセグメントの糖修飾モチーフと異なる(非対称的ギャップマー)。
【0312】
ある種の5’ウイングセグメント
ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、1つから5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2つから5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、3つから5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、4つまたは5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、1つから4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、1つから3つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、1つまたは2つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2つから4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2つまたは3つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、3つまたは4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、1つのヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、3つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、5つの連結したヌクレオシドから成る。
【0313】
ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも2つの二環式ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも3つの二環式ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも4つの二環式ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つのLNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは二環式ヌクレオシドである。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは拘束エチルヌクレオシドである。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントの各ヌクレオシドはLNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドである。
【0314】
ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの2’-置換ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つ、例えば、3つ、4つ、または5つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは非二環式修飾ヌクレオシドである。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-置換ヌクレオシドである。ある種の実施態様では、ギャップマー
の5’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-MOEヌクレオシドである。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-OMeヌクレオシドである。
【0315】
ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-置換ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-デオキシヌクレオシドを含む。
【0316】
ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-置換ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-デオキシヌクレオシドを含む。
【0317】
ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2’-MOEヌクレオシド、2’-OMeヌクレオシド、LNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU含有ヌクレオシド]、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドから選択される少なくとも1つの修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2’-MOEヌクレオシド、2’-OMeヌクレオシド、LNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドから選択される少なくとも2つの修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2’-MOEヌクレオシド、2’-OMeヌクレオシド、LNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドから選択される少なくとも3つの修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2’-MOEヌクレオシド、2’-OMeヌクレオシド、LNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドから選択される少なくとも4つの修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2’-MOEヌクレオシド、2’-OMeヌクレオシド、LNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU含有ヌクレオシド]、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/ま
たはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドから選択される少なくとも5つの修飾ヌクレオシドを含む。
【0318】
ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2つのLNA含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、3つのLNA含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、4つのLNA含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2つのGuNA含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、3つのGuNA含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、3つのALNA[mU]含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、3つのALNA[ipU]含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2つのLNA含有ヌクレオシドと1つのGuNA含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、3つのALNA[Trz]含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドと1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドと2つの2’-OMeヌクレオシドを含む。
【0319】
ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、3つの拘束エチルヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2つの二環式ヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2つの二環式ヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び3つの2’-OMeヌクレオシドを含む。
【0320】
ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは1つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは2つの連結したALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは3つの連結したALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは4つの連結したALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは5つの連結したALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び1つの2’-OMeヌク
レオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び3つの2’-OMeヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した、3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドと1つの2’-MOEヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した、2つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドと2つの2’-MOEヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した
、3つのLNA含有ヌクレオシドと2つの2’-MOEヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した、2つのLNA含有ヌクレオシドと2つの2’-MOEヌクレオシドからなる。
ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ1個の5-メチルシトシンを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ2個の5-メチルシトシンを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ3個の5-メチルシトシンを含む。
【0321】
ある種の3’ウイングセグメント
ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、1つから8つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2つから5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つから5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、4つまたは5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、1つから4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、1つから3つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、1つまたは2つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2つから4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2つまたは3つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つまたは4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、1つのヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、4つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、5つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、6つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、7つの連結したヌクレオシドから成る。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、8つの連結したヌクレオシドから成る。
【0322】
ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも2つの二環式ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも3つの二環式ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも4つの二環式ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つのLNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは二環式ヌクレオシドである。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは拘束エチルヌクレ
オシドである。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントの各ヌクレオシドはLNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドである。
【0323】
ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの2’-置換ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは非二環式修飾ヌクレオシドである。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-置換ヌクレオシドである。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-MOEヌクレオシドである。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-OMeヌクレオシドである。
【0324】
ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-置換ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-デオキシヌクレオシドを含む。
【0325】
ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-置換ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、少なくとも1つの拘束エチルヌクレオシド及び少なくとも1つの2’-デオキシヌクレオシドを含む。
【0326】
ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2’-MOEヌクレオシド、2’-OMeヌクレオシド、LNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドから選択される少なくとも1つの修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2’-MOEヌクレオシド、2’-OMeヌクレオシド、LNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドから選択される少なくとも2つの修飾ヌクレオシドを
含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2’-MOEヌクレオシド、2’-OMeヌクレオシド、LNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドから選択される少なくとも3つの修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2’-MOEヌクレオシド、2’-OMeヌクレオシド、LNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドから選択される少なくとも4つの修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2’-MOEヌクレオシド、2’-OMeヌクレオシド、LNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドから選択される少なくとも5つの修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2’-MOEヌクレオシド、2’-OMeヌクレオシド、LNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドから選択される少なくとも6つの修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2’-MOEヌクレオシド、2’-OMeヌクレオシド、LNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドから選択される少なくとも7つの修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2’-MOEヌクレオシド、2’-OMeヌクレオシド、LNA含有ヌクレオシド、GuNA含有ヌクレオシド、ALNA[Ms]含有ヌクレオシド、ALNA[mU]含有ヌクレオシド、ALNA[ipU]含有ヌクレオシド、ALNA[Trz]含有ヌクレオシド及び/またはALNA[Oxz]含有ヌクレオシドから選択される少なくとも8つの修飾ヌクレオシドを含む。
【0327】
ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2つのLNA含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つのLNA含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、4つのLNA含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2つのGuNA含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つのGuNA含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つのALNA[mU]含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つのALNA[ipU]含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングは、2つのLNA含有ヌクレオシドと1つのGuNA含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つのALNA[Trz]含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドと1つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドと2つの2’-OMe含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある
種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、4つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、5つの2’-MOEを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドと1つの2’-MOE含有ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドと2つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドと2つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドと3つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドと5つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、1つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドと3つの2’-MOEヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2つのLNA含有ヌクレオシドと2つの2’-MOEヌクレオシドを含む。
【0328】
ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、3つの拘束エチルヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2つの二環式ヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2つの二環式ヌクレオシド及び2つの非二環式修飾ヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、2つの拘束エチルヌクレオシド及び3つの2’-OMeヌクレオシドを含む。
【0329】
ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは1つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは連結した2つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは連結した3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは連結した4つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは連結した5つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは連結した3、4または5つの2’-MOEヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]
含有ヌクレオシド及び1つの2’-OMeヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び3つの2’-OMeヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び1つの2’-MOEヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び2つの2’-MOEヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び3つの2’-MOEヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び5つの2’-MOEヌクレ
オシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは、連結した、2つのLNA含有ヌクレオシド及び2つの2’-MOEヌクレオシドからなる。
ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ1個の5-メチルシトシンを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ2個の5-メチルシトシンを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ3個の5-メチルシトシンを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの3’ウイングセグメントは連結した1、2、3、4または5つの2’-MOEヌクレオシドからなり、かつ1個の5-メチルシトシンを含む。
【0330】
ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは1つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ3’ウイングセグメントは1つのALNA[Ms]
含有ヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは連結した2つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ3’ウイングセグメントは連結した2つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなる。ある種の実施態様でセグメントは、ギャップマーの5’ウイングセグメントは連結した3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ3’ウイングセグメントは連結した3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは連結した4つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ3’ウイングセグメントは連結した4つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは連結した5つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ3’ウイングセグメントは連結した5つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなる。
ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び1つの2’-OMeヌクレオシドからなり、かつ3’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び1つの2’-OMeヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び2つの2’-OMeヌクレオシドからなり、かつ3’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び連結した2つの2’-OMeヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び3つの2’-OMeヌクレオシドからなり、かつ3’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び3つの2’
-OMeヌクレオシドからなる。
ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び1または2つの2’-MOEヌクレオシドからなり、かつ3’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び1または2つの2’MOEヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ3’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び1、2または3つの2’-MOEヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ3’ウイングセグメントは、連結した、1、2、3、4または5つの2’-MOEヌクレオシドからなる。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した、1、2、3、4または5つの2’-MOEヌクレオシドからなり、かつ3’ウイングセグメントは、連結した、1、2または3つのALNA[Ms]からなる
。
ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ1個の5-メチルシトシンを含み、さらにギャップマーの3’ウイングセグメントは、連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ1個の5-メチルシトシンを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ2個の5-メチルシトシンを含み、さらにギャップマーの3’ウイングは、連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ1個の5-メチルシトシンを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ2個の5-メチルシトシンを含み、さらにギャップマーの3’ウイングセグメントは、連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ2個の5-メチルシトシンを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ3個の5-メチルシトシンを含み、さらにギャップマーの3’ウイングセグメントは、連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ3個の5-メチルシトシンを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、かつ1個の5-メチルシトシンを含み、さらにギャップマーの3’ウイングセグメントは、連結した1、2、3、4または5つの2’-MOEヌクレオシドからなり、かつ1個の5-メチルシトシンを含む。ある種の実施態様では、ギャップマーの5’ウイングセグメントは、連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなり、さらにギャップマーの3’ウイングセグメントは、連結した1、2または3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシド及び1、2または3つの2’-MOEヌクレオシドからなり、かつ1個の5-メチルシトシンを含む。
【0331】
ある種の実施態様では、ギャップマーのギャップセグメントは10個の連続したヌクレオシドを含み、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10番目のいずれかのヌクレオシドにおいて2’-OMeヌクレオシドを含み、残りのヌクレオシドはデオキシヌクレオシドである。
【0332】
医薬組成物を製剤化するための組成物及び方法
医薬組成物または製剤の調製のために、修飾オリゴヌクレオチドを1つ以上の医薬的に許容可能な活性または不活性な物質と混合することができる。医薬組成物の製剤化のための組成物及び方法は、これらに限定されないが、投与経路、疾患の程度または投与される用量を含めたいくつかの判断基準によって決まる。
【0333】
適切な医薬的に許容可能な希釈剤または担体と修飾オリゴヌクレオチドを組み合わせることにより、DUX4核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドを医薬組成物中で利用することができる。医薬的に許容可能な希釈剤としては、リン酸緩衝食塩水(PBS)が挙げられる。PBSは、非経口的に送達される組成物中で使用するのに適した希釈剤である。したがって、一実施態様では、DUX4核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチド及び医薬的に許容可能な希釈剤を含む医薬組成物が、本明細書に記載の方法で用いられる。ある種の実施態様では、医薬的に許容可能な希釈剤はPBSである。
【0334】
修飾オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物は、ヒトを含めた動物に投与する際に、生物学的に活性な代謝物またはその残存物を(直接的または間接的に)提供することができる、任意の医薬的に許容可能な塩、エステルもしくはそうしたエステルの塩または任意の他のオリゴヌクレオチドを包含する。したがって、例えば、本開示は、修飾オリゴヌクレオチドの医薬的に許容可能な塩、プロドラッグ、そうしたプロドラッグの医薬的に許容可能
な塩及び他の生物学的同等物にも関する。適切な医薬的に許容可能な塩としては、これらに限定されないが、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられる。
【0335】
プロドラッグは、活性な修飾オリゴヌクレオチドを形成するために、体内で内在性ヌクレアーゼにより切断される修飾オリゴヌクレオチドの一端または両端に付加的なヌクレオシドを組み込むことを含むことができる。
【0336】
共役修飾オリゴヌクレオチド
修飾オリゴヌクレオチドを、得られた修飾オリゴヌクレオチドの活性、細胞分布または細胞取り込みを増強する1つまたは複数の部分または共役物に共有結合することができる。典型的な共役基としては、コレステロール部分及び脂質部分が挙げられる。さらなる共役基としては、炭水化物、リン脂質、ビオチン、フェナジン、葉酸、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン及び色素が挙げられる。
【0337】
例えばヌクレアーゼ安定性などの特性を増強するために、修飾オリゴヌクレオチドの一末端または両末端に一般に結合している1つまたは複数の安定化基を有するように、修飾オリゴヌクレオチドを修飾することもできる。キャップ構造は安定化基に含まれる。これらの末端修飾は、末端核酸を有する修飾オリゴヌクレオチドをエキソヌクレアーゼによる分解から保護し、細胞内の送達及び/または局在化に役立ち得る。キャップは、5’末端(5’キャップ)または3’末端(3’キャップ)に存在してもよいし、両末端に存在してもよい。キャップ構造は当技術分野で周知であり、例えば、逆位デオキシ脱塩基キャップが挙げられる。ヌクレアーゼ安定性を与えるために修飾オリゴヌクレオチドの一端または両端をキャップするのに使用することができるさらなる3’及び5’安定化基としては、WO03/004602に開示されたものが挙げられる。
【0338】
細胞培養及び修飾オリゴヌクレオチド処理
DUX4核酸のレベル、活性または発現に対する修飾オリゴヌクレオチドの効果は、様々な細胞型においてインビトロで試験することができる。そうした解析に使用する細胞型は、商業的供給業者(例えば、アメリカ培養細胞系統保存機関、Manassus、VA;Zen-Bio,Inc.、Research Triangle Park、NC;
Clonetics Corporation、Walkersville、MD)から
入手可能であり、細胞は、市販の試薬(例えば、InvitrogenLife Tec
hnologies、Carlsbad、CA)を使用して、供給業者の説明書に従って培養される。例示的な細胞型としては、これらに限定されないが、C2C12細胞、HepG2細胞、Hep3B細胞、初代肝細胞、A549細胞、GM04281線維芽細胞及びLLC-MK2細胞が挙げられる。これらの細胞は、ヒトDUX4 mRNAを発現するベクターをトランスフェクションして使用することができる。ベクターとしては、ルシフェラーゼやGFPなどのレポーター遺伝子と融合蛋白質として発現することが好ましく、例えば、psiCHECK-2 vector(Promega)が挙げられる。
【0339】
修飾オリゴヌクレオチドのインビトロ試験
修飾オリゴヌクレオチドで細胞を処理する方法が本明細書に記載され、これは、修飾オリゴヌクレオチドの種類に応じて適切に改変することができる。
【0340】
一般に、培養中に細胞が約60~80%コンフルエンスに到達時に、細胞を修飾オリゴヌクレオチドで処理する。
【0341】
修飾オリゴヌクレオチドは例えばリポフェクション法で細胞に導入される。
修飾オリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するのに一般に使用される一試薬としては、
カチオン性脂質トランスフェクション試薬のLIPOFECTIN(登録商標)(Invitrogen、Carlsbad、CA)が挙げられる。修飾オリゴヌクレオチドを、OPTI-MEM(登録商標)1(Invitrogen、Carlsbad、CA)中でLIPOFECTIN(登録商標)と混合して、修飾オリゴヌクレオチドの所望の終濃度及び典型的には100nM修飾オリゴヌクレオチドあたり2~12μg/mLに及ぶLIPOFECTIN(登録商標)濃度を得る。
【0342】
修飾オリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するのに使用される別の試薬としては、LIPOFECTAMINE2000(登録商標)(Invitrogen、Carlsbad、CA)が挙げられる。修飾オリゴヌクレオチドを、OPTI-MEM(登録商標)1血清低減培地(Invitrogen、Carlsbad、CA)中でLIPOFECTAMINE2000(登録商標)と混合して、修飾オリゴヌクレオチドの所望の濃度及び典型的には100nM修飾オリゴヌクレオチドあたり2~12μg/mLに及ぶLIPOFECTAMINE(登録商標)濃度を得る。
【0343】
修飾オリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するのに使用される別の試薬としては、Cytofectin(登録商標)(Invitrogen、Carlsbad、CA)が挙げられる。修飾オリゴヌクレオチドを、OPTI-MEM(登録商標)1血清低減培地(Invitrogen、Carlsbad、CA)中でCytofectin(登録商標)と混合して、修飾オリゴヌクレオチドの所望の濃度及び典型的には100nM修飾オリゴヌクレオチドあたり2~12μg/mLに及ぶCytofectin(登録商標)濃度を得る。
【0344】
修飾オリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するのに使用される別の技法としては、エレクトロポレーションが挙げられる。
【0345】
修飾オリゴヌクレオチドはLIPOFECTINなどを使用しなくても、細胞に導入される。この場合の修飾オリゴヌクレオチドの標的遺伝子の発現抑制方法をGymnosis法という。
【0346】
慣例的方法によって細胞を修飾オリゴヌクレオチドで処理する。典型的には、修飾オリゴヌクレオチド処理してから16~48時間後に細胞を収集し、その時点で、当技術分野で既知の及び本明細書に記載の方法によって、標的核酸のRNAまたは蛋白質レベルを測定する。一般に、複数の反復で処理を実施する場合、反復処理の平均としてデータを示す。
【0347】
使用する修飾オリゴヌクレオチドの濃度は、細胞系統によって異なる。特定の細胞系統に対する至適な修飾オリゴヌクレオチド濃度を決定する方法は当技術分野で周知である。LIPOFECTAMINE2000(登録商標)、LIPOFECTINまたはCytofectinを用いてトランスフェクトする場合に、典型的には1nM~300nMに及ぶ濃度で修飾オリゴヌクレオチドを使用する。エレクトロポレーションを使用してトランスフェクトする場合は、625~20,000nMに及ぶより高濃度で修飾オリゴヌクレオチドを使用する。各濃度での遺伝子発現の阻害率から、50%の遺伝子発現を抑制する修飾オリゴヌクレオチドの濃度IC50を算出することができる。
【0348】
RNA単離
RNA解析は、全細胞RNAまたはポリ(A)+mRNAについて実施することができる。RNA単離の方法は当技術分野で周知である。RNAは、当技術分野で周知の方法を使用して、例えば、製造業者の推奨プロトコールに従ってTRIZOL(登録商標)試薬(Invitrogen、Carlsbad、CA)を使用して調製する。
【0349】
標的のレベルまたは発現の阻害に関する解析
DUX4核酸のレベルまたは発現の阻害は、当技術分野で既知の様々な方法でアッセイすることができる。例えば、標的核酸レベルは、例えば、ノーザンブロット解析、競合的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または定量的リアルタイムPCRによって定量化することができる。RNA解析は、全細胞RNAまたはポリ(A)+mRNAについて実施することができる。RNA単離の方法は当技術分野で周知である。ノーザンブロット解析も当技術分野で慣例的である。定量的リアルタイムPCRは、PE-Applied Biosystems、Foster City、CAから入手可能な、製造者の説明書に従って使用される、市販のABI PRISM(登録商標)7600、7700または7900配列検出システムを使用して、便利に達成することができる。
【0350】
標的RNAレベルの定量的リアルタイムPCR解析
標的RNAレベルの定量化は、製造者の説明書に従ってABI PRISM(登録商標)7600、7700または7900配列検出システム(PE-Applied Biosystems、Foster City、CA)を使用して、定量的リアルタイムPCRによって達成することができる。定量的リアルタイムPCRの方法は当技術分野で周知である。
【0351】
リアルタイムPCRの前に、単離したRNAを逆転写酵素(RT)反応にかけ、これによって、次いでリアルタイムPCR増幅の基質として使用される相補DNA(cDNA)が生成される。RT及びリアルタイムPCRの反応を同じ試料ウェル中で逐次実施する。RT及びリアルタイムPCRの試薬は、Invitrogen(Carlsbad、CA)から得られる。RT、リアルタイムPCR反応は、当業者に周知の方法により行う。
【0352】
リアルタイムPCRによって得られる遺伝子(またはRNA)標的の量は、シクロフィリンAなどの発現が一定な遺伝子の発現レベルを使用して、またはRIBOGREEN(登録商標)(Invitrogen、Inc.Carlsbad、CA)を使用して全RNAを定量化することによって、標準化する。シクロフィリンAの発現は、リアルタイムPCRによって、標的と同時に、多重的にまたは別々に実施することにより、定量化する。全RNAは、RIBOGREEN(登録商標)RNA定量化試薬(Invitrogen、Inc.Eugene、OR)を使用して定量化する。RIBOGREEN(登録商標)によるRNAの定量化方法は、Jones,L.J.,etal,(Analytical Biochemistry,1998,265,368-374)において教示
される。CYTOFLUOR(登録商標)4000機器(PEApplied Bios
ystems)を使用して、RIBOGREEN(登録商標)蛍光を測定する。
【0353】
プローブ及びプライマーをDUX4核酸にハイブリダイズするように設計する。リアルタイムPCRのプローブ及びプライマーの設計方法は当技術分野で周知であり、PRIMER
EXPRESS(登録商標)ソフトウェア(Applied Biosystems、
FosterCity、CA)などのソフトウェアの使用を含むことができる。
【0354】
蛋白質レベルの解析
DUX4蛋白質のレベルを測定することによって、DUX4核酸のアンチセンス阻害を評価することができる。DUX4蛋白質のレベルは、当技術分野で周知な様々な方法、例えば、免疫沈降法、ウェスタンブロット解析(免疫ブロット法)、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、定量的蛋白質アッセイ、蛋白質活性アッセイ(例えば、カスパーゼ活性アッセイ)、免疫組織化学法、免疫細胞化学法または蛍光活性化セルソーティング(FACS)で調べるまたは定量化することができる。標的に対する抗体は、様々な供給源、例えば抗体のMSRSカタログ(AerieCorporation、Birmingh
am、MI)から特定すること及び得ることができ、または当技術分野で周知の従来のモノクローナルまたはポリクローナル抗体産生方法により調製することができる。
【0355】
遺伝子発現の解析
DUX4遺伝子発現のレベルをルシフェラーゼなどのレポーター遺伝子を利用して測定することもできる。例えば、psiCHECK-2 vector (Promega)を使用すると、DUX4遺伝子の発現が、DUX4との融合蛋白であるRenillaルシフェラーゼの発光量で測定でき、同ベクター上に存在するFirefly luciferaseの発光量で補正することにより、非特異的な細胞死などの影響を除外することができる。
【0356】
修飾オリゴヌクレオチドのインビボ試験
修飾オリゴヌクレオチドは、DUX4の発現を阻害する及び表現型を変化させるその能力を評価するために、動物で試験する。試験は、正常な動物で、または実験用の疾患モデル、例えばDUX4のトランスジェニックマウスモデル(Jones,T.et al.
PLoS One. 2018;13(2)、Article number e0192
657)や遺伝子組み換えAAVウイルスを用いたDUX4遺伝子発現マウス(Wallace, LM et al. Mol Ther. 2012;20(7):1417、Wa
llace, LM et al. Ann Neurol. 2011; 69(3):540)で実施することができる。
【0357】
動物へ投与するために、修飾オリゴヌクレオチドを、医薬的に許容可能な希釈剤、例えばリン酸緩衝食塩水中に製剤化する。投与は非経口投与経路を含む。修飾オリゴヌクレオチドによる処置期間に続いて、RNAを組織から単離し、DUX4核酸発現の変化を測定する。DUX4蛋白質のレベルの変化も測定する。
【0358】
ある種のアンチセンスメカニズム
FSHDは、筋肉におけるDUX4遺伝子(特にDUX4-FLのスプライシングバリアント)の異常発現、によって引き起こされる。一方、DUX4は健常人においても例えば、精巣などで発現している。精巣などで発現しているあるDUX4のスプライシングバリアントにはDUX4-FLに加え、エクソン1、エクソン2、エクソン6、エクソン7のスプライシングバリアント、エクソン1、エクソン2、エクソン4、エクソン5、エクソン6、エクソン7のスプライシングバリアントが発現する(上記非特許文献1)。
【0359】
ある種のバイオマーカー
少なくとも部分的には、DUX4蛋白質の蓄積レベルによって、例えばMBD3L2、ZSCAN4、TRIM43、DEFB103、ZNF217などの遺伝子発現が調節される(上記非特許文献2)。また、筋障害のマーカーとしては血中クレアチンキナーゼを測定することができる。
【0360】
ある種の適応症
ある種の実施態様では、個体を処置する方法であって、本明細書に記載の1つまたは複数の医薬組成物を投与することを含む方法が本明細書で提供される。ある種の実施態様では、個体はFSHDを有する。
【0361】
したがって、それを必要とする対象において、FSHDと関係がある症状を改善させる方法が本明細書で提供される。ある種の実施態様では、FSHDと関係がある1つ以上の症状の発症率を低減させる方法が提供される。ある種の実施態様では、FSHDと関係がある症状の重症度を低減させる方法が提供される。ある種の実施態様では、FSHDと関係がある症状としては、筋硬直、筋強直症、顔面筋衰弱、眼瞼下垂、口笛不能、顔の表情
変化の減少、憂鬱または怒り顔表情、語を発音する困難、肩甲筋衰弱(翼状肩甲、撫肩等の変形)、下肢衰弱、聴力損失、および心臓病が挙げられる。
【0362】
ある種の実施態様では、本発明の方法は、治療有効量の、DUX4核酸を標的とする化合物を、それを必要とする個体に投与することを含む。
【0363】
ある種の実施態様では、DUX4核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドの投与は、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%もしくは少なくとも約99%またはこれらの値の任意の2つによって定められた範囲のDUX4の発現の低減をもたらす。
【0364】
ある種の実施態様では、DUX4を標的とする修飾オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物は、FSHDなどのDUX4関連疾患を患っているまたはそれに罹りやすい患者を処置するための医薬を調製するのに使用される。
【0365】
ある種の実施態様では、本明細書に記載の方法は、配列表の配列番号2、3、4、7~64、69~97または102~112に記載される配列の、本明細書に記載される連続的な核酸塩基部分を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む。
【0366】
投与
ある種の実施態様では、本明細書に記載の化合物及び医薬組成物は非経口的に投与される。
【0367】
ある種の実施態様では、非経口投与は注入による。注入は、長期的または持続的でもよく、短期的または断続的でもよい。ある種の実施態様では、注入された医薬剤はポンプで送達される。ある種の実施態様では、非経口投与は注射(例えばボーラス注射)による。注射剤は注射器で送達され得る。
【0368】
非経口投与としては、例えば、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与または頭蓋内投与、例えば、髄腔内または脳室内投与が挙げられる。投与は、持続的または長期的でもよいし、短期的または断続的でもよい。
【0369】
ある種の実施態様では、本明細書に記載される医薬組成物の化合物の送達は、標的mRNA及び/または標的蛋白質のレベルの少なくとも70%のダウンレギュレーションをもたらす。ある種の実施態様では、本明細書に記載される化合物または組成物の送達は、少なくとも1日、少なくとも3日、少なくとも5日、少なくとも7日、少なくとも10日、少なくとも14日、少なくとも20日、少なくとも21日、少なくとも28日、少なくとも30日、少なくとも35日、少なくとも40日、少なくとも45日、少なくとも50日、少なくとも55日、少なくとも60日、少なくとも65日、少なくとも70日、少なくとも75日、少なくとも76日、少なくとも77日、少なくとも78日、少なくとも79日、少なくとも80日、少なくとも85日、少なくとも90日、少なくとも95日、少なくとも100日、少なくとも105日、少なくとも110日、少なくとも115日、少なくとも120日、少なくとも1年にわたって、標的mRNA及び/または標的蛋白質のレベルの10%、20%、30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%のダウンレギュレーションをもたらす。
【0370】
ある種の実施態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、毎日1回、3日に1回、毎週1回、隔週1回、3週間に1回、毎月1回、2か月に1回、3か月に1回、6か月に1回、年に2回または年に1回、注射または注入によって送達される。
【0371】
ある種の併用療法
ある種の実施態様では、本発明の修飾オリゴヌクレオチドを含む第一の薬剤は、1種または複数の第二の薬剤と共投与される。ある種の実施態様では、そうした第二の薬剤は、本明細書に記載の第一の薬剤と同じFSHDを処置するように設計される。ある種の実施態様では、そうした第二の薬剤は、本明細書に記載の第一の薬剤と異なる疾患、障害または状態を処置するように設計される。ある種の実施態様では、そうした第二の薬剤は、本明細書に記載の1つまたは複数の医薬組成物の望ましくない副作用を処置するように設計される。ある種の実施態様では、第二の薬剤は、第一の薬剤の望ましくない作用を処置するために、第一の薬剤と共投与される。ある種の実施態様では、第二の薬剤は、併用効果をもたらすために、第一の薬剤と共投与される。ある種の実施態様では、第二の薬剤は、相乗効果をもたらすために、第一の薬剤と共投与される。
【0372】
ある種の実施態様では、第一の薬剤及び1種または複数の第二の薬剤は、同時に投与される。ある種の実施態様では、第一の薬剤及び1種または複数の第二の薬剤は、異なる時間に投与される。ある種の実施態様では、第一の薬剤及び1種または複数の第二の薬剤は、単一の医薬製剤中に一緒に調製される。ある種の実施態様では、第一の薬剤及び1種または複数の第二の薬剤は、別々に調製される。
【0373】
ある種の化合物
ある種の実施態様では、本明細書に開示される化合物は、市販されているDNA・RNA合成用アミダイト(LNAも含む)を使用してホスホロアミダイト法によりオリゴマーを合成することができる。人工核酸GuNAはWO2014/046212号、WO2017/047816号に記載された方法によりオリゴマーを合成することができる。人工核酸ALNA[Ms]、ALNA[mU]、ALNA[ipU]、ALNA[Trz]及びALNA[Oxz]は、WO2020/100826号に記載された方法によりオリゴマーを合成することができる。
【0374】
ある種の実施態様では、本明細書に開示される化合物は、適切な比較化合物と比較して向上した1つまたは複数のインビトロ及び/またはインビボ特性の利益を享受する。
【0375】
ある種の実施態様では、(5’から3’)ngagattcccgccggt(nは5-メチルシトシン
であり、配列番号2として本明細書に組み込まれる)の配列を有する化合物番号1の化合
物、すなわち5’ウイング、3’ウイングが各3つのLNA含有ヌクレオシドからなるギャップマーであって、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合である化合物である。
【0376】
ある種の実施態様では、(5’から3’)gnagttctccgcggt(nは5-メチルシトシンであり、配列表の配列番号3として本明細書に組み込まれる)の配列を有する化合物番号2の化合物、すなわち5’ウイング、3’ウイングが各3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなるギャップマーであって、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合である化合物である。
【0377】
ある種の実施態様では、(5’から3’)gnntagacagcgtngg(nは5-メチルシトシン
であり、配列表の配列番号4として本明細書に組み込まれる)の配列を有する化合物番号3の化合物、すなわち5’ウイング、3’ウイングが各3つのLNA含有ヌクレオシドから
なるギャップマーであって、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合である化合
物である。
【0378】
ある種の実施態様では、(5’から3’)gnntagacagcgtngg(nは5-メチルシトシン
であり、配列表の配列番号4として本明細書に組み込まれる)の配列を有する化合物番号123の化合物、すなわち5’ウイング、3’ウイングが各3つのALNA[Ms]含有ヌクレオシドからなるギャップマーであって、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合である化合物である。
【0379】
非限定的開示及び参照による組み込み
本明細書に記載のある種の化合物、組成物及び方法は、ある種の実施態様に従って特異的に記載されているが、以下の実施例は、本明細書に記載の化合物を例示する役割を果たすにすぎず、これを限定することを意図しない。本出願に記載される参考文献、GENBANK受託番号などのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0380】
本出願に添付の配列表は、必要に応じて「RNA」または「DNA」のいずれかとして各配列を特定するが、実際には、それらの配列は化学修飾の任意の組み合わせで修飾され得る。修飾オリゴヌクレオチドを説明するための「RNA」または「DNA」のような指定は、場合によっては恣意的であることを、当業者なら容易に理解するであろう。例えば、2’-OH糖部分及びチミン塩基を含有するヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドは、修飾糖(DNAの天然2’-Hに対して2’-OH)を有するDNAとして、または修飾塩基(RNAの天然ウラシルに対してチミン(メチル化ウラシル))を有するRNAとして説明され得る。
【0381】
したがって、これらに限定されないが、配列表にあるものを含めた、本明細書で提供される核酸配列は、これらに限定されないが、修飾核酸塩基を有するそうした核酸を含めた、天然もしくは修飾RNA及び/またはDNAの任意の組み合わせを含む核酸を包含することが意図される。限定されるものではないが、さらなる例として、核酸塩基配列「ATCGATCG」を有するオリゴマー化合物は、修飾されていても、修飾されていなくても、そうした核酸塩基配列を有する任意のオリゴマー化合物を包含し、これには、これらに限定されないが、RNA塩基を含むそうした化合物、例えば配列「AUCGAUCG」を有するもの、並びに「AUCGATCG」などのいくつかのDNA塩基及びいくつかのRNA塩基を有するもの、並びに「ATmeCGAUCG」(ここでは、meCは5位にメチル基を含むシトシン塩基を示す)などの他の修飾されたまたは天然に存在する塩基を有するオリゴマー化合物が含まれる。
【実施例0382】
非限定開示及び参照による組み込み
本明細書に記載のある種の化合物、組成物及び方法は、ある種の実施態様に従って特異的に記載されているが、以下の実施例は、本明細書に記載の化合物を例示する役割を果たすにすぎず、これを限定することを意図しない。本出願に記載される参考文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0383】
本明細書中で使用する各人工核酸の構造を、下記構造式にそれぞれの略称と共に示した。
各人工核酸の構造と略称
【化35】
【0384】
実施例1
In vitro評価用修飾オリゴヌクレオチド化合物の合成および精製
各種アミダイト(LNAアミダイトはChem Genes及びHongene Biotechnology Limited
より購入、2’-OMeアミダイトはSigma-Aldrichより購入、GuNAはWO2014/046212号、WO2017/047816号に記載された方法により合成、ALNA[Ms]、ALNA[mU]、ALNA[ipU]、ALNA[Trz]及びALNA[Oxz]は、WO2020/100826号に記載された方法により合成)を用いて、修飾オリゴヌクレオチド化合物を、DNA/RNAオリゴヌクレオチド自動合成機nS-8II(株式会社ジーンデザイン製)により0.2または1.0μmolスケールにてCPGまたはポリスチレン担体を用いて合成した。アミダイトは全て0.1Mのアセトニトリル溶液に調整し、非天然型ヌクレオシドにおけるカップリング時間は10分間で行い、それ以外の工程はnS-8IIの標準条件にて行った。活性化剤はActivator42(Sigma-Aldrich)、チオ化にはSulfurizing ReagentII(Glen Research Corporation)を使用した。合成したオリゴヌクレオチドは28%アンモニア水溶液を加えて60-65℃にて8時間反応させることで担体からの切り出しと塩基部の脱保護を行った。アンモニアを濃縮留去したのち、逆相HPLC精製を行った。
【0385】
実施例2
In vivo評価用修飾オリゴヌクレオチド化合物の合成および精製
各種アミダイトを用いて、修飾オリゴヌクレオチド化合物を、DNA/RNAオリゴヌクレオチド自動合成機AKTA oligopilot plus 10 (GEヘルスケアジャパン株式会社製)により20~50μmolスケールにてポリスチレン担体を用い
て合成した。DNAアミダイトは0.1M、非天然型アミダイトは0.05~0.1Mのアセトニトリル溶液に調整し、非天然型ヌクレオシドにおけるカップリングリサイクル時
間は20分間で行い、ユニバーサル担体への1塩基目の導入の際は、カップリング、チオ化、キャッピング工程をそれぞれ2回連続で実施した。それ以外の工程はAKTA oligopilot plus10の標準条件にて行った。活性化剤はActivator42(Sigma-Aldrich)、チオ化にはSulfurizing ReagentII(Glen Research Corporation)を使用した。合成したオリゴヌクレオチドは、20%ジエチルアミン/アセトニトリルもしくは50%トリエチルアミン/アセトニトリルを用いて固相上で脱シアノエチル処理を行い、28%アンモニア水溶液を加えて60-65℃にて8~24時間反応させることで担体からの切り出しと塩基部の脱保護を行った。アンモニアを濃縮留去したのち、陰イオン交換カラムで精製を行った。陰イオン交換後に含まれる余剰塩を脱塩カラムにより除去した。
【0386】
実施例3
修飾オリゴヌクレオチド化合物の純度確認
合成した修飾オリゴヌクレオチド化合物の精製および純度確認は、逆相HPLCにより以下の条件で行った。いずれの化合物も純度85%以上であった。
逆相HPLC(精製)
移動相:
A液:400mM ヘキサフルオロイソプロパノール、15mM トリエチルアミン
B液:メタノール
グラジエント: A:B =85:15→70:30(10min)
使用カラム:
分取 Waters XBridge@ Oligonucleotide BEH
C18 OBDTM Prep Column,130Å,2.5μm,10mm*50mm
流速:
分取 5mL/min
カラム温度:60℃
検出: UV(260nm)
逆相HPLC(純度確認)
移動相:
A液:400mM ヘキサフルオロイソプロパノール、15mM トリエチルアミン水溶液
B液:メタノール
グラジエント:A:B =80:20→70:30(6.5min)
使用カラム:
分析 Waters ACQUITY UPLC@ Oligonucleotide
BEH C18 Column, 130Åm 1.7μm, 2.1mm*50mm流速:0.2mL/min
カラム温度:60℃
検出:UV(260nm)
陰イオン交換精製
移動相:
A液:1mM NaOH 20%アセトニトリル水溶液
B液:1mM NaOH, 1.5M NaCl/20%アセトニトリル水溶液
使用カラム:TSKgel SuperQ-5PW(13) φ21.1*15mm
流速:7mL/min
カラム温度:室温
検出:UV(260nm)
脱塩カラム
移動相:
A液:20%アセトニトリル水溶液
B液:20%アセトニトリル水溶液
使用カラム:
GE HiPrep 26/10 Desalting*4本直列
流速:12mL/min
カラム温度:室温
【0387】
実施例4
修飾オリゴヌクレオチド化合物分子量測定
合成した修飾オリゴヌクレオチド化合物の分子量は、Waters ZQを用いて以下の条件で行った。
移動相:
A液:400mM ヘキサフルオロイソプロパノール、15mM トリエチルアミン水溶液
B液:メタノール
グラジエント:A:B =80:20→70:30(6.5min)
使用カラム:
Waters ACQUITY UPLC@ Oligonucleotide BEH C18 Column, 130Åm 1.7μm, 2.1mm*50mm
流速:0.2mL/min
カラム温度:60℃
検出:UV(260nm)
【0388】
実施例5
合成した修飾オリゴヌクレオチド化合物の分子量
合成した修飾オリゴヌクレオチド化合物を以下の表1に示す。化合物の表記は、各ヌクレオチドが3文字で表される。但し3’末端のヌクレオチドはヌクレオシド間結合がないため2文字で表される。
1)第1文字は大文字で表され、下記核酸塩基を示す:
A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、U=ウラシル、M=5-メチルシトシン、
2)第2文字は下記各糖部分を示す:
l=LNA、g=GuNA、m=ALNA[Ms]、u=ALNA[mU]、p=ALNA[ipU]、t=ALNA[Trz]、e=2’-MOE、o=2’-OMe、d=2’-デオキシリボース、
3)第3文字は下記ヌクレオシド間結合を示す:
s=ホスホロチオエート、p=ホスホジエステル。
標的位置として、修飾オリゴヌクレオチドのDUX4成熟mRNAの5’標的部位(修飾オリゴヌクレオチドの3’末端に対応する配列表の配列番号1の位置)を示す。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【0389】
実施例6
In vitro DUX4 ノックダウン活性試験(Lipofection法)
DUX4修飾オリゴヌクレオチドとLipofectamine RNAi Reagentを混合したトランスフェクション試薬上に、C2C12細胞を1.25×104 cells/cm2となるように播種し、CO2インキュベーターで一晩培養した。翌日、Lipofectamine 2000 Reagentを用いて、DUX4配列をpsiCHECK-2 vector (Promega)のマルチクローニングサイトにクローニングしたレポータープラスミドを細胞にトランスフェクションし、CO2インキュベーターで24時間程度培養した。その後、Dual-Glo Luciferase
Assay Systemを用いて、細胞内のFirefly luciferaseとRenilla luciferase発光値をプレートリーダーで検出した。Renillaルシフェラーゼ活性による発光値からトランスフェクション効率や細胞数の影響
を補正するために、Fireflyルシフェラーゼ活性による発光値との比を算出した。修飾オリゴヌクレオチドを添加した際のRenilla/Fireflyの減少率から阻害率を100分率で算出し、50%を挟む2点の濃度とその時の阻害率からIC50値を算出した(表2)。DUX4成熟mRNAの232~248位、1306~1325位または1472~1495位に相補的である化合物(化合物番号1~132)と比較して、化合物番号133(配列表の配列番号1の214~227位に相補的)、134(配列表の配列番号1の1323~1336位に相補的)、135(配列表の配列番号1の1458~1471位に相補的)、136(配列表の配列番号1の1495~1508位に相補的)は阻害率が著しく弱いことが分かった。
【0390】
実施例7
In vitro DUX4 ノックダウン活性試験(Gymnosis法)
DUX4修飾オリゴヌクレオチド溶液に、C2C12細胞を6×10
3 cells/cm
2となるように播種し、CO
2インキュベーターで2晩培養した。2日後、細胞からDUX4修飾オリゴヌクレオチド溶液含有培地を除去し、新しい培地でWashを行った。その後、Lipofectamine 2000 Reagentを用いて、DUX4配列をpsiCHECK-2 vector (Promega)のマルチクローニングサイトにクローニングしたレポータープラスミドを細胞にトランスフェクションし、CO
2インキュベーターで24時間程度培養した。その後、Dual-Glo Luciferase Assay Systemを用いて、細胞内のFirefly luciferaseとRenilla luciferase発光値をプレートリーダーで検出した。Renillaルシフェラーゼ活性による発光値からトランスフェクション効率や細胞数の影響を補正するために、Fireflyルシフェラーゼ活性による発光値との比を算出した。修飾オリゴヌクレオチドを添加した際のRenilla/Fireflyの減少率から阻害率を100分率で算出し、50%を挟む2点の濃度とその時の阻害率からIC
50値を算出した。結果を下記表2に示す。DUX4成熟mRNAの232~248位、1306~1325位または1472~1495位の領域内の等長部分に相補的な核酸塩基配列を含む化合物(化合物番号1~132)と比較して、化合物番号133(配列表の配列番号1の214~227位に相補的)、134(配列表の配列番号1の1323~1336位に相補的)、135(配列表の配列番号1の1458~1471位に相補的)、136(配列表の配列番号1の1495~1508位に相補的)は阻害率が著しく弱いことが分かった。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【0391】
実施例8
修飾オリゴヌクレオチド化合物の合成とIn vitro DUX4 ノックダウン活性試験(Gymnosis法)
表3に、新たに合成した修飾オリゴヌクレオチド化合物と、当該化合物についての、実施例7と同様にして行ったIn vitro DUX4 ノックダウン活性試験の結果を示す。
【0392】
なお、表3における化合物の表記は、各ヌクレオチドが3文字で表される。但し3’末端のヌクレオチドはヌクレオシド間結合がないため2文字で表される。
1)第1文字は大文字で表され、下記核酸塩基を示す:
A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、U=ウラシル、M=5-メチルシトシン、
2)第2文字は下記各糖部分を示す:
l=LNA、m=ALNA[Ms]、e=2’-MOE、o=2’-OMe、d=2’-デオキシリボース、
3)第3文字は下記ヌクレオシド間結合を示す:
s=ホスホロチオエート、p=ホスホジエステル。
標的位置として、修飾オリゴヌクレオチドのDUX4成熟mRNAの5’標的部位(修飾オリゴヌクレオチドの3’末端に対応する配列表の配列番号1の位置)を示す。
【0393】
DUX4成熟mRNAの126~147位、232~248位、1306~1325位または1472~1495位の領域内の等長部分に相補的な核酸塩基配列を含む化合物(化合物番号137~247)と比較して、化合物番号248(配列表の配列番号1の112~127位に相補的)、249(配列表の配列番号1の162~177位に相補的)、250(配列表の配列番号1の264~279位に相補的)、251(配列表の配列番号1の1273~1288位に相補的)は阻害率が著しく弱いことが分かった。
【0394】
【0395】
【0396】
実施例9
In vivo DUX4 ノックダウン活性試験
配列表の配列番号1のDUX4成熟mRNAを組み込んだアデノ随伴ウイルスベクターAAV-DUX4(SignaGen Laboratories, Cat.#SL100862)を作製した。8週齢のC57BL/6Jマウス(雄性、日本チャールスリバー)の前脛骨筋に、イソフルラン(ファイザー株式会社)麻酔下にて、AAV-DUX4を1E+10VG/50 μL筋肉内投与した。3日後に、DUX4を標的とした修飾オリゴヌクレオチドを、1、3、10および50mg/5mL/kgとなるように生理食塩水で調製し、8週齢のC57BL/6Jマウス(雄性、日本チャールスリバー)に尾静脈内投与した。72時間後に頸椎脱臼あるいはイソフルラン(ファイザー株式会社)麻酔下にて腹部大静脈より全採血を行い、致死させた。致死後、前脛骨筋を採取し、RNAlater Soln.(invitrogen)に浸漬させた後、-80℃にて凍結した。組織にMaxwell RSC simplyRNA Tissue Kit(Promega)のホモジネーションバッファーを加え、マルチビーズショッカーを用いて破砕し、キット記載のプロトコールに従ってRNAを精製した。RNA 400 ngを逆転写し、得られたcDNAを用いて定量PCRを行った。修飾オリゴヌクレオチドのノックダウン活性は、DUX4の18S rRNAに対する量比を、vehicle群に対する相対値で示した。1、3、10および50mg/5mL/kgの場合の結果を
図1~4に示す。化合物番号1(DUX4成熟mRNAの233位~248位に相補的配列)、化合物番号2(DUX4成熟mRNAの1309位~1323位に相補的配列)、化合物番号3(DUX4成熟mRNAの1480位~1495位に相補的配列)、化合物番号13(DUX4成熟mRNAの234位~247位に相補的配列)、化合物番号41(DUX4成熟mRNAの1308位~1323位に相補的配列)、化合物番号54(DUX4成熟mRNAの1309位~1323位に相補的配列)、化合物番号57(DUX4成熟mRNAの1309位~1323位に相補的配列)、化合物番号68(DUX4成熟mRNAの1309位~1323位に相補的配列)、化合物番号78(DUX4成熟mRNAの1309位~1324位に相補的配列)、化合物番号88(DUX4成熟mRNAの1310位~1323位に相補的配列)、化合物番号104(DUX4成熟mRNAの1473位~1488位に相補的配列)、化合物番号122(DUX4成熟mRNAの1480位~1495位に相補的配列)は生体に投与しても、筋肉内でのDUX4遺伝子の発現を抑制することができた。
【0397】
実施例10
修飾オリゴヌクレオチドの安全性
化合物番号3、42、123を、6週齢のICRマウス(雄性、日本チャールスリバー)に最大100mg/kgの投与量で静脈内投与したところ、肝毒性(血液中のALT、ASTの上昇、及び病理組織学的異常所見)、腎毒性(血液中のUN、クレアチニンの上昇、及び病理組織学的異常所見)、一般症状変化、死亡などの所見は観察されなかった。
【0398】
実施例11
In vivo Tgマウス DUX4 ノックダウン活性試験
9週齢の雄のFLExDUX4-heteto/HSA-MCM-hetero:TG (DUX4-Tg)およびFLExDUX4-wild/HSA-MCM-hetero:TG (MCM, control)を用いた(雄性,The Jackson Laboratoryより日本チャールス・リバー株式会社へ導入)。DUX4を標的とした修飾オリゴヌクレオチドを、各用量の投与液を5mL/kgとなるように生理食塩水で調製し、週1回,尾静脈内投与した.4週
投与終了1週後,イソフルラン深麻酔下で腹部大静脈より全採血を行い,安楽死させた.EDTA血漿を分離し,クレアチンキナーゼ(CK)測定に供した。下肢の筋肉を採取し,湿重
量を測定し,遺伝子発現解析に供した。
図5および
図6に示すように、化合物番号3および化合物番号123はDUX4のmRNA発現を抑制した。また,筋障害マーカーであるCKの血中レベルを低下させた。一方、化合物番号113および化合物番号247は明確なDUX4 mRNA発現および血中CKレベルに対する作用
は認められなかった。
【0399】
実施例12
マウス連投毒性試験
6週齢のICRマウス(雄性、日本チャールスリバー)に、DUX4を標的とした修飾オリゴヌクレオチドを、100mg/5mL/kgとなるように生理食塩水で調製し、4日間連
日尾静脈内投与した。最終投与72時間後にイソフルラン麻酔下にて後大静脈より採血を行い、臨床生化学検査を実施した。また放血致死後、剖検を行い、肝臓及び腎臓の病理組織学的検査を実施した。化合物番号123には投与後に死亡及び一般状態、摂餌量及び体重には変化は認められず、肝毒性(血清中のALT、ASTの上昇、及び病理組織学的異常所見)、腎毒性(血清中のUN、クレアチニンの上昇、及び病理組織学的異常所見)は観察されなかった。一方、化合物番号113及び化合物番号247については投与後に死亡及び一般状態、摂餌量及び体重には変化は認められなかったものの、いずれも明確な肝毒性(血清中のALT、AST、GLDH、ALP、ビリルビン、胆汁酸の上昇、病理組織学的異常所見:肝細胞の変性壊死、肝細胞肥大)及び腎毒性(血清中のクレアチニンの上昇)が認められた。また、当該試験条件下における化合物番号123の肝臓及び腎臓中濃度は、それぞれ323及び251μg/gであり、化合物番号247の肝臓及び腎臓中濃度111及び185μg/g、化合物番号113の肝臓及び腎臓中濃度39.3及び235μg/gと比較して同等以上の組織中濃度であるにも関わらず肝及び腎毒性は認められなかった。
【0400】
【0401】