(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055366
(43)【公開日】2022-04-07
(54)【発明の名称】パイプライナー端部終端
(51)【国際特許分類】
F16L 33/20 20060101AFI20220331BHJP
F16L 23/024 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
F16L33/20
F16L23/024
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158166
(22)【出願日】2021-09-28
(31)【優先権主張番号】17/034,969
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521424699
【氏名又は名称】アイエヌエー アクイジション コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】マーク,ヘアーストン
(72)【発明者】
【氏名】リック,バクスター
【テーマコード(参考)】
3H016
3H017
【Fターム(参考)】
3H016AA03
3H016AA04
3H016AC01
3H017GA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】パイプを修復するために使用されるライナーの終端に関する技術を提供する。
【解決手段】パイプライナーPLの端部終端アセンブリには、ライナーフィッティング112とクランプカラー114が含まれる。ライナーフィッティング112にはニップル120がある。クランプカラー114をニップル120に配置して、2つの構成要素間のライナーPLをクランプすることができる。ニップル120とクランプカラー114の一方または両方のクランプ面は、ライナーPLの壁の厚さの範囲に対応するように先細にすることができる。クランプカラー114は回転せずにニップル120に接続できる。例えば、引き寄せ機構116は、パイプライナーPLに沿ってクランプカラー114を引き、カラー114とニップル120との間でライナーPLをクランプすることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプライナー用の端部終端アセンブリであって、
軸を有するライナーフィッティングであって、ホストパイプシステムに結合するように構成されたパイプカップリング、及び前記パイプライナーの端部に挿入されるように構成されたニップルを含み、前記ニップルは、第1の軸方向において前記パイプカップリングから離れて延び、前記ニップルは、前記第1の軸方向とは反対の第2の軸方向に前記第1の端部から隔てられた第1の端部と第2の端部とを有し、前記ニップルは、前記ニップルの前記第1の端部から前記ニップルの前記第2の端部まで前記軸に沿って延びる外側寸法と長さを有する環状外壁を備える前記ライナーフィッティング、
前記クランプカラーの前記第1の端部から前記第2の軸方向に離間した第1の端部及び第2の端部を有するクランプカラーであって、環状内壁を含み、前記環状内壁は前記クランプカラーの前記第1の端部から前記クランプカラーの前記第2の端部まで前記軸に沿って延在する内側寸法及び長さを有し、前記環状内壁と前記端部終端アセンブリを前記パイプライナーに流体結合するための前記ニップルの前記環状外壁との間で前記パイプライナーの端部をクランプする前記ニップルの周りに配置されるよう構成される、前記クランプカラーを含み、
前記クランプカラーの前記環状内壁及び前記ニップルの前記環状外壁の少なくとも1つは、それが前記第1の軸方向に長さ方向に延びるにつれて半径方向内側に先細になり、その結果、前記内側寸法及び前記外側寸法のそれぞれが前記クランプカラー及び前記ニップルのそれぞれの前記第2の端部から前記第1の端部まで徐々に減少し、
前記クランプカラーは、前記パイプライナーを前記ニップルにクランプするための前記第2の軸方向に前記軸に沿った前記ニップルに対する非回転運動のために前記ニップルに動作可能に接続可能である、前記端部終端アセンブリ。
【請求項2】
前記クランプカラーの前記環状内壁及び前記ニップルの前記環状外壁のそれぞれは、それが前記第1の軸方向に長さ方向に延在するにつれて、前記内側寸法及び前記外側寸法がそれぞれ、前記第2の端部から前記第1の端部に向かって徐々に減少するよう半径方向内側に先細になる、請求項1に記載の端部終端アセンブリ。
【請求項3】
前記クランプカラーの前記環状内壁及び前記ニップルの前記環状外壁のそれぞれが、前記クランプカラーの前記環状内壁のそれぞれのテーパー角度及び前記テーパー角度を有し、前記ニップルの前記環状外壁はほぼ同じである、請求項2に記載の端部終端アセンブリ。
【請求項4】
前記クランプカラーの前記環状内壁及び前記ニップルの前記環状外壁の前記テーパー角度が約1°から約15°の包括的範囲にある、請求項3に記載の端部終端アセンブリ。これはアクションから取得したか、それともプレースホルダーとして使用している番号ですか
【請求項5】
前記ニップルの前記環状外壁は、それが前記第1の軸方向に延びるにつれて半径方向内側に先細になり、前記ニップルの前記環状外壁は、前記ニップルの前記長さに沿って離間された複数の環状バーブを含む、請求項1に記載の端部終端アセンブリ。
【請求項6】
前記環状バーブのそれぞれが最大直径を有し、前記複数の環状バーブの前記最大直径が、前記ニップルの前記長さに沿って前記第1の軸方向に連続的に減少する、請求項5に記載の端部終端アセンブリ。
【請求項7】
前記クランプカラーの前記環状内壁は、それが前記第1の軸方向に延びるにつれて半径方向内側に先細になり、前記クランプカラーの前記環状内壁は実質的に滑らかである、請求項6に記載の端部終端アセンブリ。
【請求項8】
前記クランプカラーが単一のモノリシック材料片から形成されている、請求項1に記載の端部終端アセンブリ。
【請求項9】
前記パイプライナーの前記端部を前記クランプカラーと前記ニップルの間でクランプするために前記クランプカラーを前記ニップルに対して回転させることなく、前記クランプカラーを前記ニップルに沿って前記第2の軸方向に引き寄せるように構成された引き込み機構をさらに備える、請求項1に記載の端部終端アセンブリ。
【請求項10】
前記引き込み機構は、ねじ付きロッドと、前記ねじ付きロッドに螺合可能に結合するように構成された引き込みナットとを備える、請求項9に記載の端部終端アセンブリ。
【請求項11】
前記ライナーフィッティングと前記クランプカラーのそれぞれは、ロッド開口部を備え、
前記ねじ付きロッドは、前記ライナーフィッティングと前記クランプカラーのそれぞれの前記ロッド開口部を通って延びるように構成され、
前記引き寄せナットは、前記引き寄せナットがねじ付きロッドに沿って螺合可能に前進し、前記ニップルに対して前記第2の軸方向に前記クランプカラーを引き寄せるときに、前記ライナーフィッティング及び前記クランプカラーの1つと係合するように構成される、請求項10に記載の端部終端アセンブリ。
【請求項12】
前記クランプカラーは、前記ニップルの前記長さに沿って離間された複数の結合位置で前記ニップルの周りに配置されるように構成され、前記結合位置のそれぞれにおいて、前記クランプカラー及び前記ニップルは、前記パイプライナーを受け入れるための環状空間を画定するように構成され、前記環状空間は、前記軸に対して半径方向の厚さを有し、前記環状空間の前記半径方向の厚さは、前記複数の結合位置のそれぞれで異なる、請求項1に記載の端部終端アセンブリ。
【請求項13】
パイプライナー用の端部終端アセンブリであって、
前記パイプライナーの周りに配置されるように構成されたクランプカラー、
軸を有するライナーフィッティングであって、ホストパイプシステムに結合するように構成されたパイプカップリング、及び前記パイプライナーの端部に挿入されるように構成されたニップルを含み、前記ニップルは、第1の軸方向において前記パイプカップリングから離れて延びる前記ライナーフィッティング、及び
前記ニップルに対して前記クランプカラーを回転させることなく、パイプライナーに沿って前記第1の軸方向と反対の第2の軸方向に前記クランプカラーを引き、前記パイプライナーの前記端部に挿入された前記ニップルの周りに前記クランプカラーを配置し、前記パイプライナーの前記端部を前記クランプカラーと前記ニップルの間にクランプして、前記端部終端アセンブリを前記パイプライナーに流動的に結合するように構成される、引き寄せ機構、を備える前記端部終端アセンブリ。
【請求項14】
前記引き込み機構は、ねじ付きロッドと、前記ねじ付きロッドに螺合可能に結合するように構成された引き込みナットとを備える、請求項13に記載の端部終端アセンブリ。
【請求項15】
前記ライナーフィッティングと前記クランプカラーのそれぞれは、ロッド開口部を備え、
前記ねじ付きロッドは、前記ライナーフィッティングと前記クランプカラーのそれぞれの前記ロッド開口部を通って延びるように構成され、
前記引き寄せナットは、前記引き寄せナットがねじ付きロッドに沿って螺合可能に前進し、前記第2の軸方向に前記クランプカラーを引き寄せるときに、前記ライナーフィッティング及び前記クランプカラーの1つと係合するように構成される、請求項14に記載の端部終端アセンブリ。
【請求項16】
前記クランプカラーはカラーフランジを含み、前記ライナーフィッティングは、フィッティングフランジを含み、前記カラーフランジ及び前記フィッティングフランジは、前記ねじ付きロッドを受け入れるように構成されて、前記ねじ付きロッドが、前記カラーフランジから前記第1の軸方向に突出する第1の端部、前記フィッティングフランジから前記第2の軸方向に突出している第2の端部を有するようにする、請求項14に記載の端部終端アセンブリ。
【請求項17】
前記引き寄せ機構は、前記ねじ付きロッドの前記第1及び第2の端部の1つで前記ねじ付きロッドに結合するように構成されたアンカー部材をさらに含み、前記引き寄せナットは、前記ねじ付きロッドの前記第1及び第2の端部の他方に沿って前記アンカー部材に向かって螺合可能に前進するように構成されている、請求項16に記載の端部終端アセンブリ。
【請求項18】
異なる壁の厚さの複数のパイプライナーと適合性のある端部終端アセンブリであって、
軸に沿って延びる長さを有するニップルを含むライナーフィッティング、及び
前記クランプカラーが前記軸に対して前記ニップルの周りに円周方向に延びる複数の異なる結合位置で前記ライナーフィッティングに固定されるように構成される、クランプカラー、を含み、
前記結合位置のそれぞれにおいて、前記カラーは、前記ニップルとほぼ同心で半径方向に離れた関係で前記ニップルに配置され、前記クランプカラーと前記ニップルが前記クランプカラーと前記端部終端アセンブリを前記パイプライナーに流体結合する前記ニップルの間にパイプライナーがクランプされ得る環状空間を画定するようにし、
前記環状空間は、前記軸に対して半径方向の厚さを有し、
前記環状空間の前記半径方向の厚さは、前記複数の結合位置のそれぞれで異なる、前記端部終端アセンブリ。
【請求項19】
パイプライナーを端部終端アセンブリに終端する方法であって、
ホストパイプシステムに前記パイプライナーを配置すること、
前記端部終端アセンブリのクランプカラーは、前記パイプライナーの端部に受け入れられ、前記クランプカラーが前記パイプライナーの周りに円周方向に配置されるようにすること、
前記パイプライナーを配置し、前記クランプカラーを前記パイプライナーの前記端部に受け入れた後、前記パイプエンドフィッティングのニップルを前記パイプライナーの前記端部に挿入すること、及び
前記ニップルを挿入した後、前記クランプカラーを実質的に回転させずに、前記クランプカラーを前記パイプライナーに沿って前記ライナーフィッティングに向かって移動させて、前記パイプライナーの前記端部を前記ニップルと前記クランプカラーとの間にクランプすることを含む、前記方法。
【請求項20】
前記クランプカラーを前記パイプライナーに沿って移動させると、前記クランプカラーの内壁と前記ニップルの外壁との間の空間が減少する、請求項19に記載のパイプライナーを終端する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、パイプの修復に関する。特に、本開示は、パイプを修復するために使用されるライナーの終端に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、既存のパイプをライナーで内部的にライニングするためのライナーシステム及び方法に関する。パイプライナーは、既存のホストパイプシステム内に設置され、定義された長さのホストパイプを修復する。ホストパイプシステムが加圧流体を運ぶ場合、サービスを回復するために、ライナーの端と既存のホストパイプシステムを機械的に接続する必要がある。「端部終端」として当業者に知られている機械的アセンブリが、この目的のために使用される。
【0003】
従来技術の端部終端が
図1に参照番号10で示されている。当業者は、端部終端10が、圧力パイプ用のぴったりと合うパイプライナーと共に従来使用されているタイプであることを認識する。これらのタイプのライナーは、ホストパイプへの挿入を可能にするために変形できる不浸透性のチューブを備えている。パイプライナーが所定の位置に配置されると、その場で膨張させて、システム全体の流体圧力を独立して運ぶことができる、ジョイントのない、漏れのないライニングシステムを作成できる。このタイプのパイプライナーのよく知られた例は、ミズーリ州チェスターフィールドのInsituformから入手できるThermopipe(登録商標)である。
【0004】
端部終端10は、ライナーフィッティング12及びクランプカラー13からなる。クランプカラーは、ねじ15(例えば、ボルト及びナット)によって接続された別個の弧状カラーセクション14から形成されている。使用中、クランプカラー13はパイプライナー(図示せず)上に配置され、次にパイプライナーの端部がライナーフィッティング12のニップル16上に移動され、ニップルがパイプライナーの端部に受け入れられる。パイプライナーをニップル上にスライドさせるために、ニップル16に潤滑剤を塗布する必要がある。次に、クランプカラー13は、それがニップル16と重なるように、ライナーに沿って長手方向に動かされる。次に、ねじ15を締めて、ライナー端部をニップル16とカラー13との間にクランプする。見てわかるように、ニップル16は外部環状バーブ17を含み、カラー13は内部環状バーブ18を含む。カラー13が締められると、内部環状バーブ18は、外部環状バーブ17間の長手方向空間に半径方向に移動して、隣接するバーブ間のライナーを挟み、それにより、ライナーの端部を端部終端10に固定する。次に、ライナーフィッティング12のカップリング端部は、
図1に示されるフランジ端部カップリング19などの従来のパイプカップリングを使用して、既存のホストパイプシステムに接続することができる。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、パイプライナーの端部終端アセンブリは、軸を有するライナーフィッティングを含む。ライナーフィッティングは、ホストパイプシステムに結合するように構成されたパイプカップリングと、パイプライナーの端部に挿入されるように構成されたニップルとを含む。ニップルは、パイプカップリングから第1の軸方向に延びている。ニップルは、第1の軸方向とは反対の第2の軸方向に第1の端部から離間して配置された第1の端部と第2の端部とを有する。ニップルは、外側寸法と、ニップルの第1の端部からニップルの第2の端部まで軸に沿って延びる長さを有する環状外壁を備える。クランプカラーは、クランプカラーの第1の端部から第2の軸方向に離間して配置された第1の端部と第2の端部とを有する。クランプカラーは、環状内壁を備えている。環状内壁は、クランプカラーの第1の端部からクランプカラーの第2の端部まで軸に沿って延びる内部寸法及び長さを有する。クランプカラーは、パイプライナーの端部をニップルの環状内壁と環状外壁との間にクランプして、端部終端アセンブリをパイプライナーに流体結合するように、ニップルの周りに配置されるように構成される。クランプカラーの環状内壁及びニップルの環状外壁の少なくとも1つは、それが第1の軸方向に長さ方向に延びるにつれて半径方向内側に先細になり、その結果、内側寸法及び外側寸法のそれぞれがクランプカラー及びニップルのそれぞれの第2の端部から第1の端部まで徐々に減少する。クランプカラーは、パイプライナーをニップルにクランプするための第2の軸方向の軸に沿ったニップルに対して非回転運動のためにニップルに動作可能に接続可能である。
【0006】
別の態様では、端部終端アセンブリは、パイプライナーの周りに配置されるように構成されたクランプカラーを備える。ライナーフィッティングには軸がある。ライナーフィッティングは、ホストパイプシステムに結合するように構成されたパイプカップリングと、パイプライナーの端部に挿入されるように構成されたニップルとを含む。ニップルは、パイプカップリングから第1の軸方向に延びている。引き寄せ機構は、ニップルに対してクランプカラーを回転させることなく、パイプライナーに沿って第1の軸方向と反対の第2の軸方向にクランプカラーを引き、パイプライナーの端部に挿入されたニップルの周りにクランプカラーを配置し、パイプライナーの端部をクランプカラーとニップルの間にクランプして、端部終端アセンブリをパイプライナーに流体結合するように構成される。
【0007】
別の態様では、異なる壁の厚さの複数のパイプライナーと適合性のある端部終端アセンブリは、軸に沿って延びる長さを有するニップルを含むライナーフィッティングを含む。クランプカラーは、クランプカラーが軸に対してニップルの周りに円周方向に延びる複数の異なる結合位置でライナーフィッティングに固定されるように構成される。結合位置のそれぞれにおいて、カラーは、ニップルとほぼ同心で半径方向に離れた関係でニップルに配置され、クランプカラーとニップルがクランプカラーと端部終端アセンブリをパイプライナーに流体結合するニップルの間にパイプライナーがクランプされ得る環状空間を画定する。環状空間は、軸に対して半径方向の厚さを有する。環状空間の半径方向の厚さは、複数の結合位置のそれぞれで異なる。
【0008】
別の態様では、パイプライナーを端部終端アセンブリに終端する方法は、パイプライナーをホストパイプシステムに配置することを含む。端部終端アセンブリのクランプカラーは、クランプカラーがパイプライナーの周りに円周方向に配置されるように、パイプライナーの端部に受け入れられる。パイプライナーを配置し、クランプカラーをパイプライナーの端部に受け入れた後、パイプエンドフィッティングのニップルをパイプライナーの端部に挿入する。ニップルを挿入した後、クランプカラーを実質的に回転させずに、クランプカラーをパイプライナーに沿ってライナーフィッティングに向かって移動させて、パイプライナーの端部をニップルとクランプカラーとの間にクランプする。
【0009】
他の態様及び特徴は、以下で明らかにされ、及び/または指摘されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】従来技術の端部終端アセンブリの分解斜視図である。
【
図2】本開示の範囲における端部終端アセンブリの断片的な長手方向断面図であり、ライナーをホストパイプシステムに接続する端部終端を示す。
【
図3】
図2の端部終端アセンブリの分解された長手方向断面図である。
【
図4】
図2の端部終端アセンブリのライナーフィッティングの長手方向断面図である。
【
図5】
図2の端部終端アセンブリのクランプカラーの長手方向断面図である。
【
図6】
図2の一部の大幅に拡大された図である。
図2に示されるように得られる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
対応する参照符号は、図面全体の対応する部品を示す。
【0012】
本発明者らは、
図1の従来技術の端部終端10の欠点を認識している。例えば、クランプリング13は、特定の壁厚のライナーでのみ機能する、定義された形状に締め付けられる。クランプリング13を締めると、クランプリングとニップル16との間の間隙の厚さは、ニップルの長さに沿って一定である。したがって、ライナーの壁の厚さが指定された厚さよりも薄い場合、クランプリング13及びライナーフィッティング12は、それらの間のライナーを十分に圧縮して、十分なシール接続を行うことができない。これは、クランプリング13を形成するセクション14が互いに係合し、クランプリングの可能な最小の内径を制限するためである。ライナーの壁の厚さが規定の厚さよりも大きい場合、ライナーフィッティングのライナーの厚い端部に亘りクランプリング13を取り付けることはできない。さらに、フィッティング10は、過度に厚いライナーによって環状セクション14の間に相当な間隙がある場所で、ライナーとの良好なシールを行わない可能性がある。各端部終端10は、特定の壁の厚さのライナーとのみ適合性があるため、同じ呼び径のライナーであっても、壁の厚さが異なるタイプのライナーには異なるエンドフィッティングが必要である。
【0013】
図2~6を参照すると、従来技術のこれら及び他の欠点に対処するパイプライナーPLの端部終端アセンブリは、一般に、参照番号110にて示されている。パイプライナーPLが延びるホストパイプは図示されていないが、
図2の図面の左側にあり、パイプライナーPLの周りに配置される。端部終端アセンブリ110は、一般に112で示されるライナーフィッティング、一般に114で示されるクランプカラー、及び一般に116で示される引き寄せ機構を含む。ライナーフィッティング112は、パイプライナーPLの端部に挿入されるように構成された第1の端部と、既存のホストパイプシステムPSに流体結合するように構成された第2の端部とを含む。ライナーフィッティング112の第1の端部は、軸Aに沿って第1の軸方向に第2の端部から離間され、ライナーフィッティングの第2の端部は、第2の軸方向に第1の端部から離間される。
図2~6において、第1の軸方向は図面の左方向に対応し、第2の軸方向は図面の右方向に対応する。したがって、「左」及び「右」という用語は、本開示において、図面に示される方向及び相対的な位置を暗示するために使用される。しかし、端部終端アセンブリ110の向きは、使用中に変化することが理解されよう。
【0014】
一般に、引き寄せ機構116は、ライナーフィッティング112の長さに沿ってクランプカラー114を引き寄せ、クランプカラーとライナーフィッティングのニップル120との間にパイプライナーPLの端部をクランプして、端部終端アセンブリ110をパイプライナーへ流体接続するように構成される。端部終端アセンブリ110は、引き寄せ機構116が、長さLNに沿っている、間隔を置いて配置された複数の結合位置で、クランプカラー114をライナーフィッティングに固定できるように、構築されている。以下でより完全に近く説明されるように、長手方向に間隔を置いた結合位置のそれぞれにおいて、クランプカラー114とライナーフィッティング112との間の環状の間隙または空間118(
図2及び6)は、異なる最大の半径方向の厚さRT(
図6)を有する。これにより、終端アセンブリ110を選択的に調整して、異なる壁の厚さのパイプライナーに、密封式に結合することが可能になる。
【0015】
ライナーフィッティング112は、軸Aに沿って間隔を置いて配置された左端部(広義には第1の端部)、及び右端部(広義には第2の端部)を備える。ライナーフィッティング112の左端部は、ニップル120によって図示の実施形態において定められており、ライナーフィッティングの右端部は、端部終端アセンブリ110をホストパイプシステムPSに流体結合するように構成されたパイプカップリング122を備える。ニップル120は、パイプカップリング122から左軸方向(広義には、第1の軸方向)に離間されている。ニップル120は、端部終端アセンブリ110にとって適合性のあるパイプライナーPLの公称直径を定める。使用するパイプライナーに応じて、様々なサイズのニップルを使用できる。本開示の範囲内のライナーフィッティングは、約4インチから約30インチの包括的範囲の公称直径を有するパイプライナーと共に使用するように解釈され得ることが企図されている。
【0016】
引き寄せ機構116と共に使用するためのフィッティングフランジ124は、軸Aに沿ってニップル120の右側に離間した位置で半径方向外向きに延びる。以下により完全近く説明するように、フィッティングフランジ124は、引き寄せ機構116がクランプカラー114をライナーフィッティング112に移動可能に結合するよう、複数のロッド開口部125を定める。図示の実施形態では、ニップル120及びフィッティングフランジ124は、ライナーフィッティングを形成するために一緒に付けられる(例えば、溶接される)別個の材料片(例えば、ステンレス鋼などの金属)から形成される。他の実施形態では、ライナーフィッティングは、機械加工または鋳造された材料の単一のモノリシック片からなど、他の方法で形成することができると企図されている。
【0017】
図示の実施形態では、パイプカップリング122は、ホストパイプシステムPSのプレーンエンドパイプセクションに結合するためのソケットを備える。他の実施形態では、パイプカップリングは、フランジ接続を容易にするためのフランジカップリングを含むことができる。特定の実施形態では、引き寄せ機構116と共に使用されるフィッティングフランジ124は、ライナーフィッティングをホストパイプシステムPSに結合するためのフランジとしても使用され得る。他の様々なビクタウリックカップリング、フランジ付きカップリング、及び機械式カップリング(例えば、メガラグベースのカップリング)を使用して、カップリングの第2の端部(クロージャーパイプ端部とも呼ばれる)をホストパイプシステム(例えば、クロージャーパイプと呼ばれることもある)のライニングのないセクションに結合できるとも企図されている。
【0018】
ニップル120は、軸Aに沿って左端部から離間した左端部(広義には第1の端部)と右端部(広義には第2の端部)を有し、ニップルの長さLNが、左端部から右端部へ延びるようにする。フィッティングフランジ124は、その右端部に隣接するニップル120に結合されている。ニップル120は、ニップルの長さLNに沿って延びる外側寸法OD(
図4)を有する環状外壁126を備える。図示の実施形態では、外壁126は、軸Aに沿って左に延びるにつれて半径方向内側に先細になり、その結果、外側寸法ODは、ニップルの右端部から左端部に向かって徐々に減少する。図示の実施形態では、ニップルは、長手方向断面における外壁の表面の主傾斜と長手方向軸Aとの間の夾角として測定されるテーパー角度TA1(
図4)を含む。1つまたは複数の実施形態では、環状外壁126のテーパー角度TA1は、約1°から約15°の包括的範囲にある。
【0019】
図示の実施形態では、ニップル120は、外部にバーブ状の管を含む。すなわち、ニップル120の外壁126は、ニップル120の長さLNに沿って間隔を置いて配置された複数の環状バーブ128を含む。バーブ128のそれぞれは、バーブの右端に最大直径を有する。外側環状壁126は先細になっているので、複数のバーブ128の最大直径は、ニップル120の長さLNに沿って左軸方向に継続的に減少する。
【0020】
クランプカラー114は、一般に、ニップル120の周りに配置されて、パイプライナーPLの端部を外側環状壁126にクランプして、端部終端アセンブリ110をパイプライナーに流体結合するように構成される。クランプカラー114は、軸Aに沿って左端部(広義には第1の端部)から右端部(広義には第2の端部)まで延びる略環状の形状を有する。図示の実施形態では、クランプカラー114は、カラーピース130と、カラーピースに接続されてカラーの右端部に隣接するカラーフランジを形成するフランジピース132とを備える。1つまたは複数の実施形態では、フランジピース132は、溶接などによってカラーピース130に取り付けられて、単一のクランプカラー114を形成することができる。あるいは、フランジピース132は、カラーピース130に取り付けられていない場合があり、代わりに、フランジピースをカラーピースのリップ134に押し付ける引き寄せ機構116によって、フランジピースに接続することができる。特定の実施形態では、カラー及びフランジは、単一片のモノリシック材料から一体的に形成され得る。以下により完全近く説明されるように、カラーフランジ132は、引き寄せ機構116がクランプカラー114をライナーフィッティング112に移動可能に接続することを可能にする1つまたは複数のロッド開口部133を備える。
【0021】
クランプカラー114は、環状内壁136を備え、これは内側寸法ID(
図5)及びクランプカラーの左端部からクランプカラーの右端部まで軸Aに沿って延びる長さを有する。図示の実施形態では、内壁136は実質的に滑らかである。特定の実施形態では、内壁136は、それが左軸方向に延びるにつれて半径方向内側に先細になり、その結果、内側寸法IDは、クランプカラー114の右端部から左端部に向かって徐々に減少する。したがって、図示の実施形態では、クランプカラー114の内壁136と、使用中に内壁に対向するニップル120の外壁126の両方が先細になっていることが分かる。しかし、他の実施形態では、本開示の範囲から逸脱することなく、クランプカラーの内壁のみ、またはニップルの外壁のみを先細にすることができると企図されている。
【0022】
図示の実施形態では、内壁136は、外側環状壁126のテーパー角度TA1とほぼ同じであるテーパー角度TA2(
図5)を有する。この場合も、テーパー角度TA2は、長手方向断面における内壁136の表面の主傾斜と軸Aとの間の夾角として測定することができる。1つまたは複数の実施形態では、環状内壁136のテーパー角度TA2は、約1°から約10°の包括的範囲内(例えば、約1°から約5°の包括的範囲、例えば、約3°)にある。
【0023】
引き寄せ機構116は、一般に、クランプカラーをニップルに対して回転させることなく、ニップル120に沿ってクランプカラー114を右軸方向に引き寄せて、クランプカラーとニップルとの間のパイプライナーLの端部を動作可能にクランプするように構成される。図示の実施形態では、引き寄せ機構116は、1つまたは複数のねじ付きロッド140を備える。各ロッドは、軸に沿って、左端部(広義には第1の端部)から右方向に、カラーフランジに形成されたロッド開口部133の1つを通って、フィッティングフランジ124のロッド開口部125を通って、右端部(広義には、第2の端部)に延びるように構成される。
【0024】
概して、各ねじ付きロッド140は、それぞれのロッド開口部125、133を介してライナーフィッティング112及びクランプカラー114に結合するように構成され、引き寄せナット142は、ロッドに沿って螺合するように前進し、ライナーフィッティングとクランプカラーの1つを係合し、それによって他方の方向にそれを引き寄せるよう構成されるようする。図示の実施形態では、各前進可能な引き寄せナット142は、カラーフランジ132の外側(左)端面と係合する。しかし、他の実施形態では、引き寄せナットは、1つまたは複数のねじ付きロッドに沿って前進可能であり、カラーフランジに係合する引き寄せナットに加えて、あるいはその代わりに、フィッティングフランジ124の外側端面に係合することがある。
【0025】
図示の実施形態では、ねじ付きロッド140の右端部は、フィッティングフランジ124に固定的に固定されている。例えば、図示の実施形態では、一対のアンカーナット144、146が各ねじ付きロッド140に結合されて、アンカーナット間のフィッティングフランジ124を捕捉し、それによってライナーフィッティング112をねじ付きロッドに固定する。この場合も、1つまたは複数の実施形態では、ライナーフィッティングの代わりに、1つまたは複数のねじ付きロッドをクランプカラーに固定することができることが理解されよう。見られるように、引き寄せ機構116のねじ付きロッド140及びナット142、144、146は、クランプカラー114をライナーフィッティング112に連結して、これらの2つの任意の構成要素間の相対的な回転を実質的に防止する。しかし、ねじ付きロッド140に沿って引き寄せナット142を螺合するように前進させることにより、クランプカラー114は、回転することなく、ニップル120に沿ってライナーフィッティング112に向かって右方向に前進する。
【0026】
したがって、引き寄せ機構116は、クランプカラー114がニップル120の周りに配置される複数の長手方向に間隔を置いた結合位置で、クランプカラーをライナーフィッティング112に動作可能に結合することを可能にする。長手方向に離間した結合位置のそれぞれにおいて、クランプカラー114の内壁136及びニップル120の外壁126は、パイプライナーPLの端部を受け入れるのに適した環状空間118(
図2及び6)を定めて、ライナーがクランプカラーとニップルの間にクランプされるようにする。さらに、内壁136及び外壁126の一方または両方が先細になっているので、軸Aに対する環状空間118の最大半径方向厚さRTは、長手方向に離間した結合位置のそれぞれで異なり、それにおいて引き寄せ機構116がクランプカラー114をライナーフィッティング112に固定することができる。これにより、端部終端アセンブリ110は、同じライナーフィッティング112とクランプカラー114との間で異なる壁の厚さのライナーを動作可能にクランプすることができる。限定ではなく単なる例として、1つの結合位置で、端部終端アセンブリ110は、ニップル120とクランプカラー114との間に約5mmの非圧縮の壁の厚さを有するパイプライナーPLを動作可能にクランプするのに適した約4mmの最大半径方向厚さRTを有する環状空間118を定め得る;しかし、引き寄せ機構116を使用してクランプカラー114を右の別の結合位置に引き寄せることにより、半径方向の厚さRTは、約3mmに減少する可能性があり、これは、同じ公称直径であるが、約4mmの非圧縮の壁の厚さのパイプライナーPLを動作可能にクランプするのに適している可能性がある。
【0027】
1つまたは複数の実施形態では、クランプカラー114は、半径方向の厚さRTが端部終端アセンブリ110の最大半径方向の厚さである左端の結合位置(広義には第1の端部結合位置)、及び半径方向の厚さが最小の半径方向の厚さである右端の結合位置(広義には、第2の端結合位置)を有する。最大半径方向厚さと最小半径方向厚さの差は、環状空間118で動作可能に受け入れられることができるパイプライナーの壁の厚さの範囲に対応することが分かる。
【0028】
次に、端部終端アセンブリ110を使用するホストパイプシステムをリハビリする方法について簡単に説明する。端部終端アセンブリ110を操作する前に、設置者は、ホストパイプシステムのパイプのセクション内に、適切なパイプライナーを配置しなければならない。ライナーPLで覆われたパイプ部分は図面に示されていない。パイプのセクションにパイプライナーを配置するための様々な技術は、当業者に知られており、本開示の範囲内で使用することができる。例えば、1つまたは複数の実施形態では、パイプライナーは、ホストパイプの所望のセクションに引き込まれる。適切には、パイプライナーは、給水管、工業用圧力管、または衛生下水道本管などの圧力管用途で使用するように構成されたタイプのものであり得る。
【0029】
ライナーPLをホストパイプの指定されたセクションに配置した後、設置者は、ホストパイプシステムPSに接続されるパイプセクションから突き出ているライナーの端部に接近する。設置者は、ニップルがライナーに完全に受け入れられるまでニップル120をライナー端部に挿入する前に、クランプカラー114をパイプライナーPL(
図3を参照)の端部に配置する。ここで、ニップル120を「完全に受け入れる」とは、ニップルがライナーの周全体に対して半径方向外向きに押すまで、ニップルがライナーPLの端部に軸方向に移動することを意味する。使用されるライナーのタイプに応じて、ライナーの端部がニップルの周りで円周方向に拡張または伸長し始めるまで、ニップル120を挿入することができる。
【0030】
続いて、設置者は、ねじ付きロッド140をフィッティングフランジの各ロッド開口部124に挿入し、アンカーナット144、146を設置する。次に、設置者は、クランプカラー114をライナーに沿ってライナーフィッティング112に向かって動かし、ねじ付きロッド140の自由端部がカラーフランジ132のロッド開口部133を通過するように、カラーを回転させる。次に、設置者は、それぞれのアンカーナット144、146の反対側の各ねじ付きロッド142の端部に引き寄せナット142各々を配置する。最後に、設置者は、引き寄せナット142を前進させて、クランプカラーが内壁136と外壁126との間でライナーPLをクランプするための適切な結合位置に達するまで、ニップル120の長さに沿ってクランプフランジを引き込む。これは、端部終端アセンブリ110をパイプライナーPLに流体的に接続する。
【0031】
パイプライナーPLを端部終端アセンブリ110に流体接続した後、設置者は、適切な技術及びフィッティングを使用して、パイプカップリング122を既存のホストパイプシステムPSに流体接続することができる。
【0032】
本発明を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲を逸脱せずに、修正及び変更が可能であることは明らかだろう。
【0033】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記の構成及び方法において様々な変更が行われることができるので、上記の説明に含まれ、添付の図面に示されるすべての主題が例示として解釈されるものとし、制限する意味に解釈されないものとすることが意図される。