(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055502
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタによるクリアインクの印刷方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20220401BHJP
B41M 7/00 20060101ALN20220401BHJP
【FI】
B41J2/01 123
B41J2/01 129
B41M7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020162963
(22)【出願日】2020-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】307015301
【氏名又は名称】武藤工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067758
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 綾雄
(72)【発明者】
【氏名】山田 秀邦
(72)【発明者】
【氏名】白石 匠
【テーマコード(参考)】
2C056
2H113
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056EE17
2C056FD20
2C056HA44
2H113AA01
2H113AA04
2H113BA00
2H113BB02
2H113BB22
2H113BC09
2H113BC10
2H113EA07
2H113EA08
2H113EA14
2H113FA35
2H113FA43
2H113FA48
(57)【要約】 (修正有)
【課題】印刷した後でも溶剤に溶けるカラーインクにより印刷を行った印刷物の上にクリアインクによりグロス状の印刷を行う場合にクリアインクの使用量を抑え、滲みがない光沢のある印刷物を提供する。
【解決手段】記録媒体上に印刷したカラーインク層4の上に、インクジェットプリンタによってクリアインクのグロス層を印刷するためのクリアインクの印刷方法であって、インクジェットプリンタでカラーインク層の上にクリアインクの凸面半球形状の粒状半球体を点状にマット状態に印刷してクリアインク点状面10を形成し、該クリアインク点状面の複数の粒状半球体間の空隙部にインクジェットプリンタでクリアインクを吐出し平滑化した後に硬化させ、該クリアインク点状面の粒状半球体と該粒状半球体間に吐出した液滴とでクリアインク層を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体上に印刷したカラーインク層の上に、インクジェットプリンタによってクリアインクのグロス層を形成するためのクリアインクの印刷方法であって、インクジェットプリンタでカラーインク層の上にクリアインクによる凸面形状の粒状体を点状に印刷してクリアインク点状面を形成し、該クリアインク点状面の複数の粒状体間の空隙部にインクジェットプリンタでクリアインクを吐出した後に平滑化し、該クリアインク点状面の粒状体と該粒状体間に吐出した液滴とでクリアインク層を形成したことを特徴とするインクジェットプリンタによるクリアインクの印刷方法。
【請求項2】
前記カラーインク層が溶剤に対して溶解性のあるインクにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタによるクリアインクの印刷方法。
【請求項3】
前記クリアインク点状面のインク粒状体が空隙を介して点状に配置されるようにクリアインクの印刷濃度を設定または変更することを可能としたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタによるクリアインクの印刷方法。
【請求項4】
前記クリアインク点状面を形成するためのクリアインクの液滴を凸曲面の形状が変位する前に紫外線を照射しインク粒状体に硬化させたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタによるクリアインクの印刷方法。
【請求項5】
前記クリアインク点状面のクリアインクの液滴を凸曲面体のインク粒状体に硬化させた後に、複数のインク粒状体の間の空隙にクリアインクの液滴を付着させ平滑化した後に硬化させ、該液滴とクリアインクの粒状体とでカラーインク層の上にクリアインクのグロス層を形成するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のインクジェットプリンタによるクリアインクの印刷方法。
【請求項6】
前記クリアインク点状面を形成するためのクリアインクの1ドットの液滴の大きさを隣接するドットと接触しないサイズのドットとし、前記空隙部が作成されるようにクリアインクの印刷濃度を設定したことを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタによるクリアインクの印刷方法。
【請求項7】
前記クリアインク点状面の複数の粒状体間に吐出されるクリアインクの1ドットの液滴の大きさを前記空隙部を補完することができるサイズのドットとしたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタによるクリアインクの印刷方法。
【請求項8】
前記クリアインク点状面の複数の粒状体間の空隙部にインクジェットプリンタでクリアインクを吐出するとともにインク点状面の粒状体の上にも吐出するようにクリアインクの印刷濃度を設定または変更することを可能としたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタによるクリアインクの印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタによるクリアインクの印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷した後でも溶剤に溶けるインクにより印刷を行った対象物の上に、紫外線等により硬化するクリアインクを重ねて印刷を行う方法において、上層のクリアインクと下層のカラーインクが接触する部分においてインクの滲みが発生する。とくに下層のインクがカラーのインクであり上層にクリアインクを用いてグロス(光沢)状態に使用をする場合はクリアインクが広がり平滑になるまで硬化をしない時間が存在し、その時間の経過によりクリアインクと接触しているカラーインクの顔料などがクリアインク内に溶解して広がり、その部分が平滑化するクリアインクと一緒に移動することにより滲みが広がり印刷物の完成度を低下させてしまうことがある。そのため上層のクリアインクと下層のカラーインクとの間に別のクリアインクによりインク層を作成してインクの滲みが出る前に、この別のクリアインクを固化させることにより、上層のクリアインクと下層のカラーインクとを接触させないようにしてインクの滲みを解消している技術がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上層のクリアインク層と下層のカラーインク層の間にクリアインクの中間層を作成し、その中間層により上層のクリアインク層と下層のカラーインク層が直に接触しないようにしてインクの滲みを防止する印刷方法は、クリアインクをマット状態に硬化をさせて下層のインク層に乗せているが上層のインク層が下層のインク層に接触しないように一面に敷き詰めて対応しているため、使用するインクの量が多くなってしまい、またクリアインクの層も必ず2層以上になるため厚くなりグロス印刷においての透明感が減少してしまうという問題点がある。 そこで本発明は、クリアインクの使用量を抑え、透明感を維持させて、インクの滲みを防止する印刷方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、記録媒体上に印刷したカラーインク層の上に、インクジェットプリンタによってクリアインクのグロス層を形成するためのクリアインクの印刷方法であって、インクジェットプリンタでカラーインク層の上にクリアインクの凸面半球形状の粒状半球体を点状に印刷してクリアインク点状面を形成し、該クリアインク点状面の複数の粒状半球体間の空隙部にインクジェットプリンタでクリアインクを吐出した後に平滑化し、該クリアインク点状面の粒状半球体と該粒状半球体間に吐出した液滴とでクリアインク層を形成したことを特徴とする。
また本発明は、前記カラーインク層が溶剤に対して溶解性のあるインクにより形成されていることを特徴とする。
また本発明は、前記クリアインク点状面のインク粒状半球体が空隙を介して点状に配置されるようにクリアインクの印刷濃度を設定または変更することを可能としたことを特徴とする。
また本発明は、前記クリアインク点状面を形成するためのクリアインクの液滴を凸曲面の形状が変位する前に紫外線を照射しインク粒状体に硬化させたことを特徴とする。
また本発明は、前記クリアインク点状面のクリアインクの液滴を凸曲面半球体のインク粒状半球体に硬化させた後に、複数のインク粒状半球体の間の空隙にクリアインクの液滴を付着させ平滑化した後に硬化させ、該液滴とクリアインクの粒状半球体とでカラーインク層の上にクリアインクのグロス層を形成するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記クリアインク点状面を形成するためのクリアインクの1ドットの液滴の大きさを隣接するドットと接触しないSサイズのドットとし、前記空隙部が作成されるようにクリアインクの印刷濃度を設定したことを特徴とする。
また本発明は、前記クリアインク点状面の複数の粒状半球体間に吐出されるクリアインクの1ドットの液滴の大きさを前記空隙部を補完することができるサイズのLサイズのドットとしたことを特徴とするものである。
また本発明は、前記クリアインク点状面の複数の粒状体間の空隙部にインクジェットプリンタでクリアインクを吐出するとともにインク点状面の粒状体の上にも吐出するようにクリアインクの印刷濃度を設定または変更することを可能としたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、カラーインク層の上にクリアインクの液滴により形成される粒状半球体が点状に配置されたクリアインク点状面を形成し、その粒状半球体の間にグロス状態に使用するクリアインクを吐出するようにしているので、クリアインクの使用量を抑えることができ、しかもクリアインクの厚さを薄くすることができるのでクリアインク層の透明感を維持させて、インクの浸みも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の実施の形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタによるクリアインクの印刷方法を示す説明図である。本発明の印刷方法は、記録媒体2上に、インクジェットプリンタにより、印刷した後でも溶剤に溶ける溶解性のあるインクにより予め印刷されたカラー印刷のカラーインク層4に対して、クリアインクを重ねて印刷し、カラーインク層4に光沢を付与する工程を特徴とする。
【0009】
該光沢付与工程は、カラーインク層4上に、インクジェットプリンタのインク吐出ヘッドから吐出したクリアインクの液滴を空隙8をあけて付着させ、カラーインク層4の上にインク液滴が硬化したインク粒状半球体6が点在するクリアインク点状面10を形成する工程と、クリアインク点状面10の粒状半球体6間の空隙8内に、インクジェットプリンタのインク吐出ヘッドからクリアインクの液滴14を吐出し、クリアインク点状面10の上に、該点状面10の粒状半球体6と、これに付着する液滴14とでクリアインクのグロス層12を形成する工程とを包含している。本発明でクリア(透明)インクと記載しているものはワニス、ニス、グロス、バニッシュ、バーニッシュなどと言われる主に印刷物の表面を保護又は印刷物の光沢を制御するために用いられる透明または半透明なインクを言うものであり、限定をしているものではない。
【0010】
[カラーインク層形成工程]
カラーインク層4は、紙はもちろんアクリル、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、金属、合成皮革など、様々な素材にプリントできる、特殊な温風で乾燥させるインクや、その他従来公知の紫外線硬化型インク、溶剤インク、ラテックスインク、着色剤を含有するカラーインク等を用いて、インクジェットプリンタにより記録媒体2上に形成される。カラーインク層4は溶剤系のインクを使用する場合には温風の媒体への送風やヒータ等による直接、間接による媒体への加熱等によって乾燥させ、カラーインク層4を形成する。特にカラーインク層4の形成は同じプリンタ装置にて行ってもよいし別のプリンタ装置で行っても良い。紫外線硬化型インクである場合には、カラーインク層形成工程において、記録媒体に対してインクを吐出した後、UVLEDランプ等から紫外線を照射することによってカラーインク層4を硬化させる。その場合はクリアインク層の形成もUVLEDランプの使用により硬化をさせるので同じ装置にて行うのが良い。
【0011】
[クリアインク点状面形成工程]
カラーインク層4の上に形成されるクリアインクの液滴は、本実施形態では、
図7に示すSサイズのドットを採用している。インクジェットプリンタのインク吐出ヘッドから吐出されるインクドットのサイズはインクの吐出量により3種類の大きさに制御をすることができる技術があり、本発明ではLサイズのドットは格子の対角線ほどの大きさのドット径を有し、Mサイズのドットは、格子の一辺と同じくらいの大きさのドット径を有し、Sサイズのドットは、格子の一辺よりも小さいドット径を有するように設定されている。インクジェットプリンタのインク吐出ヘッドから吐出された直後のSサイズのドットのクリアインクの液滴は、カラーインク層4上で凸面半球状を有し、吐出後のインクが移動する前に紫外線を照射して硬化させることによりマット状態に形成され液滴間に空隙8が形成される。このクリアインク点状面形成工程は隣のインクドットと接触すると隙間が形成されないためこのSサイズのドットが適している。なお凸面半球状は凸状にマット状態に硬化された状態を言うものであり形状を限定しているものでは無い。
【0012】
本実施形態では、Sドットのクリアインクを、インク吐出ヘッドから、印刷濃度30%でカラーインク層4の上に吐出し、クリアインクの液滴が点状にカラーインク層4の上に配置され、各液滴が凸面半球状の粒状半球体6に硬化し、該粒状半球体6がクリアインク点状面10を形成する。尚本工程において、クリアインク点状面10を形成するためのクリアインクの印刷濃度は、30%~60%の範囲に設定することが望ましい。クリアインク点状面10は、カラーインク層4のグロス(光沢)加工したい部分に形成する。
【0013】
クリアインク点状面10をカラーインク層4の上に形成した後、ただちにクリアインク点状面10を形成するクリアインクの液滴にUV(紫外線照射)LEDランプにより紫外線を照射し、クリアインクの液滴を凸面半球状を保持した状態で粒状半球体6に硬化させる(マット状態)。この紫外線照射による液滴6の硬化は、液滴6の端部を含む液滴6内でのカラーインクの液滴6内への拡散が起こる前に行い溶ける可能性のあるインクがクリアインク内で移動をしないように制御する。
図9に示すように上層のクリアインク層と下層のカラーインク層が接触する場合にインクが滲む要因のひとつにクリアインク30の端部がカラーインク層4の顔料等を溶かしクリアインク30と一緒に移動している事などが考えられるが、まず最初に粒状半球体6を凸面半球状に硬化させる事により防いでいる。中心部のカラーインク層と接触しているクリアインクの部分は端部と違いほとんど移動はしないため滲む部分が広がることはない。
【0014】
[グロス層形成工程]
クリアインク点状面10の上にインクジェットプリンタのインク吐出ヘッドからクリアインクを吐出し、クリアインク点状面10を形成する凸状の粒状半球体6間の空隙8をクリアインクの液滴14で満たし、クリアインク点状面10上に、粒状半球体6と、液滴14から成るクリアインクのグロス層12を形成する。クリアインク点状面10の粒状半球体6間のクリアインク液滴14は、平滑化の過程において、クリアインク点状面10の硬化した粒状半球体6の凸部に規制され、カラーインク層4の上面と接触する接液部14aの端部の移動が制限され。クリアインク液滴14の下部の端部での移動が発生しにくい状態となっている。
【0015】
クリアインク液滴14の平滑化(グロス状態)時に動くのは、クリアインク液滴14下部の移動は制限されるのでクリアインク液滴14の上部だけである。クリアインク液滴14の平滑化により、カラーインク層4の上に、クリアインクの粒状半球体6と液滴14により、クリアインクのグロス層12が形成される。この平滑化の時間経過によって移動するのは上部になり、カラーインク層4と接触していない部分になるためカラーインクに直接接触する部分は存在するがインクが広がり滲むことが起こらない。
図6のようにクリアインクの液滴14の吐出する範囲を増やしインク量を増やした場合も、
図3(C)に示すように、粒状半球体6の上に良好なグロス層12が得られる。クリアインクの液滴14が平滑化されグロス層12が形成されたところで、グロス層12にインクジェットプリンタのUVLEDランプにより紫外線が照射されクリアインクグロス層12が硬化される。
【0016】
クリアインクグロス層12を形成するためのクリアインクの液滴14は本実施形態では、Lサイズのドットを採用し、印字率50%でインクジェットプリンタのインク吐出ヘッドからクリアインク点状面10に吐出される。
図5(A)は、グロス層12を形成するためのクリアインクの液滴14の吐出位置のドットマトリックス配置を示し、
図5(B)は、クリアインク点状面10の粒状半球体6を形成するインクドットとクリアインクグロス層12を形成する液滴14のインクドットとが合成した状態を示している。クリアインク点状面10の粒状半球体6と粒状半球体6の間に対し埋めるように吐出を行う事により必要な部分の平滑化を行うことができ、またLサイズのドットを使用する事により必要な部分のクリアインクの平滑化を容易に行うことができる。
【0017】
なお
図6に示すようにクリアインクグロス層12を形成する場合のクリアインクの印刷濃度は100%まで上げても良く、その印刷濃度を制御する事によりクリアインクによりグロス層を形成する際の適切な厚さを制御して得ることができる。
図6(B)中、符号14‘はクリアインク14のマット印刷の上にのる部分を示している。なおSサイズのドットで全面にクリアインクの粒状半球体6を作成した場合、そのSサイズのドットの4個で囲まれる中心にLサイズのドットを吐出できるようにインクジェットヘッドの吐出を制御できる場合にはSサイズのドットの上に吐出しなくてもよい。
【0018】
本実施形態で使用されるインクジェットプリンタは
図8(A)に示すように、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)の溶剤インクを吐出するノズルを備えたインク吐出ヘッド16で印刷を行うインクジェットプリンタと、UV(紫外線)硬化性インクCMYKの吐出ノズルの他にV(バーニッシュ)のUV硬化型クリアインクを吐出するノズルを備えたインク吐出ヘッド18と、UV(紫外線)LEDランプ20,22を備えたインクジェットプリンタとの組み合わせにおいて、同じ装置内に溶剤系の吐出ヘッド16とUV(紫外線)硬化性インクの吐出ヘッド18とUV(紫外線)LEDランプ20,22とを設けても良いが別々の装置であっても良い。その場合は一度溶剤系のプリンタで印刷を行った媒体を取り外し、UV(紫外線)硬化性インクを使用する装置に移動させて媒体の位置決めを行い配置しその上にクリアインクの印刷を行うようにすると良い。
【0019】
またUV硬化型プリンタにて対応が必要な場合はクリアインクのみを追加するだけで良い。また
図8(B)に示すように、溶剤CMYKインクとV(バーニッシュ)UV硬化型クリアインクを吐出するノズルを備えたインク吐出ヘッド24と、該ヘッドの横(ヘッドの移動方向)に配置されたUVLEDランプ20,22を備えたインクジェットプリンタのように違う組成のインクを同列に混在させるように装置を構成すると一台の装置でも対応が可能であり、またCMYKの溶剤インクを吐出するノズルを備えたインク吐出ヘッド26とV(バーニッシュ)UVインク吐出ノズルと、UVランプ20,22を備えたヘッド28とを縦方向(ヘッドの移動方向に対して直角な方向)に並べたインクジェットプリンタでもよい。カラーでの印刷は別の装置にて行う場合はV(バーニッシュ)UV硬化型クリアインクを吐出するノズルを備えたインク吐出ヘッド24と、該ヘッドの横(ヘッドの移動方向)に配置されたUVLEDランプ20,22を備えたインクジェットプリンタの構成で対応が可能であるので、そのように装置を構成しても良い。またV(バーニッシュ)UV硬化型クリアインクは一つでなく複数個設けても良く、UVLEDランプはヘッドが吐出して移動をする方向の後方にだけ設けても良い。
【0020】
本実施例ではインクジェットプリンタにて説明を行っているが、インクジェットプリンタは液滴吐出装置でありUV硬化型クリアインクのみを用いた場合には、クリアインクのコーティング装置としても利用ができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0021】
2 記録媒体
4 カラーインク層
6 粒状半球体
8 空隙
10 クリアインク点状面
12 グロス層
14 液滴
14a 接液部
16 インク吐出ヘッド
18 インク吐出ヘッド
20 紫外線LEDランプ
22 紫外線LEDランプ
24 インク吐出ヘッド
26 インク吐出ヘッド
28 ヘッド
30 クリアインク