(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055531
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 45/28 20200101AFI20220401BHJP
H05B 45/18 20200101ALI20220401BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20220401BHJP
H05B 45/345 20200101ALI20220401BHJP
【FI】
H05B45/28
H05B45/18
H05B45/325
H05B45/345
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020163003
(22)【出願日】2020-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】清水 智章
(72)【発明者】
【氏名】藤原 章裕
(72)【発明者】
【氏名】石北 徹
(72)【発明者】
【氏名】横田 聖冬
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA05
3K273BA06
3K273BA25
3K273CA02
3K273CA03
3K273CA09
3K273DA08
3K273EA07
3K273EA17
3K273EA23
3K273EA24
3K273EA35
3K273EA36
3K273FA03
3K273FA07
3K273FA14
3K273FA26
3K273FA27
3K273GA14
3K273GA18
3K273GA29
(57)【要約】
【課題】騒音の発生を抑制しつつ、光源の温度の変化にともなう照射する光の色の変化を抑制することができる照明装置を提供する。
【解決手段】光源と、前記光源を点灯させる点灯装置と、前記光源の温度を検知する温度検知部と、を備え、前記点灯装置は、スイッチング素子を有し、前記スイッチング素子のスイッチングにより、前記光源に供給する直流電流の大きさを変化させる変換回路と、前記光源に供給する前記直流電流の大きさが一定になるように、前記スイッチング素子のスイッチングを制御するとともに、前記温度検知部の検知結果を基に、前記光源から照射される光の色が一定になるように、前記光源に供給する前記直流電流の大きさを補正する制御部と、を有することを特徴とする照明装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源を点灯させる点灯装置と、
前記光源の温度を検知する温度検知部と、
を備え、
前記点灯装置は、
スイッチング素子を有し、前記スイッチング素子のスイッチングにより、前記光源に供給する直流電流の大きさを変化させる変換回路と、
前記光源に供給する前記直流電流の大きさが一定になるように、前記スイッチング素子のスイッチングを制御するとともに、前記温度検知部の検知結果を基に、前記光源から照射される光の色が一定になるように、前記光源に供給する前記直流電流の大きさを補正する制御部と、
を有することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記点灯装置は、前記変換回路から出力された前記直流電流に対してパルス幅変調制御を行い、パルス幅変調した変調電流を前記直流電流から生成し、前記変調電流を前記光源に供給することにより、前記変調電流のパルス幅に応じて前記光源の明るさを変化させる調光制御を可能にする調光回路をさらに有し、
前記制御部は、前記パルス幅変調制御の前記パルス幅を表す制御信号の入力を受け、前記制御信号に基づいて前記調光回路の動作を制御することにより、前記制御信号に応じた明るさで前記光源を点灯させるとともに、前記温度検知部の検知結果を基に、前記直流電流の大きさの補正にともなう前記光源の明るさの変化を抑制するように、前記変調電流の前記パルス幅を補正することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記点灯装置は、前記光源の温度と、前記直流電流の大きさと、前記変調電流のパルス幅と、の関係を表す制御情報を記憶した記憶部をさらに有し、
前記制御部は、前記温度検知部の検知結果を基に、前記制御情報を参照し、前記光源の温度に対応する前記直流電流の大きさ及び前記変調電流のパルス幅を前記制御情報から読み出すことにより、前記温度検知部の検知結果に基づいて前記直流電流の大きさ及び前記変調電流のパルス幅を補正することを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)などの光源と、光源に電力を供給することにより、光源を点灯させる点灯装置と、を備えた照明装置が知られている。こうした照明装置では、光源の温度の変化にともなって、照射する光の色が変化してしまう可能性がある。このため、モーターファンによる強制空冷装置を設け、光源の温度を一定に保つことが提案されている。これにより、光源の温度の変化にともなう照射する光の色の変化を抑制することができる。
【0003】
しかしながら、モーターファンによる強制空冷装置を設ける構成では、モーターファンの騒音が気になってしまう可能性がある。例えば、コンサートホールなどに用いられる照明装置においては、騒音の発生を極力抑えることが求められている。
【0004】
このため、照明装置では、騒音の発生を抑制しつつ、光源の温度の変化にともなう照射する光の色の変化を抑制することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
騒音の発生を抑制しつつ、光源の温度の変化にともなう照射する光の色の変化を抑制することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、光源と、前記光源を点灯させる点灯装置と、前記光源の温度を検知する温度検知部と、を備え、前記点灯装置は、スイッチング素子を有し、前記スイッチング素子のスイッチングにより、前記光源に供給する直流電流の大きさを変化させる変換回路と、前記光源に供給する前記直流電流の大きさが一定になるように、前記スイッチング素子のスイッチングを制御するとともに、前記温度検知部の検知結果を基に、前記光源から照射される光の色が一定になるように、前記光源に供給する前記直流電流の大きさを補正する制御部と、を有することを特徴とする照明装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、騒音の発生を抑制しつつ、光源の温度の変化にともなう照射する光の色の変化を抑制することができる照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る照明装置を模式的に表すブロック図である。
【
図2】実施形態に係るDC/PWM変換回路を模式的に表すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る照明装置の変形例を模式的に表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係る照明装置を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、照明装置10は、光源12と、点灯装置14と、を備える。照明装置10は、例えば、スタジオや舞台などに設置して使用される演出用の照明装置である。
【0012】
光源12は、例えば、発光素子12aを有する。光源12は、例えば、複数の発光素子12aを有する。複数の発光素子12aは、直列に接続される。複数の発光素子12aは、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。発光素子12aの数は、任意でよい。発光素子12aの数は、例えば、1つでもよい。
【0013】
発光素子12aには、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が用いられる。光源12は、例えば、複数のLEDを有するLEDモジュールである。発光素子12aは、例えば、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)、無機エレクトロルミネッセンス(Inorganic ElectroLuminescence)発光素子、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence)発光素子、または、その他の電界発光型の発光素子などでもよい。但し、光源12は、発光素子12aを有するものに限ることなく、例えば、電球などでもよい。光源12は、直流電流の供給によって点灯する任意の光源でよい。
【0014】
点灯装置14は、光源12を点灯させる。点灯装置14は、例えば、交流電源2と接続され、交流電源2から供給される交流電力を直流電力に変換して光源12に供給することにより、光源12を点灯させる。また、点灯装置14は、光源12の点灯状態を変更可能である。点灯装置14は、例えば、光源12に供給する電流を制御することにより、光源12の明るさを変化させる。但し、点灯装置14は、必ずしも光源12の点灯状態を変更するものでなくてもよい。点灯装置14は、光源12を実質的に一定の明るさで点灯させるものでもよい。
【0015】
点灯装置14は、AC/DC変換回路20と、DC/PWM変換回路22と、制御部24と、信号変換部26と、を有する。
【0016】
AC/DC変換回路20は、交流電源2から供給された交流電力を直流電力に変換する。なお、点灯装置14に供給される電力は、交流電力に限ることなく、直流電力でもよい。この場合、AC/DC変換回路20は、省略可能である。
【0017】
DC/PWM変換回路22は、AC/DC変換回路20から供給された直流電流に対してパルス幅変調制御を行うことにより、パルス幅変調した変調電流を直流電流から生成し、生成した変調電流を光源12に供給する。パルス幅変調制御は、換言すれば、PWM(Pulse Width Modulation)制御である。変調電流は、換言すれば、PWM電流である。
【0018】
制御部24は、パルス幅変調制御のパルス幅を表す制御信号の入力を受け、制御信号に基づいてDC/PWM変換回路22の動作を制御することにより、制御信号に応じたパルス幅の変調電流をDC/PWM変換回路22から光源12に供給させる。これにより、制御部24は、制御信号に応じた点灯状態で光源12を点灯させる。
【0019】
制御信号は、例えば、外部機器4から照明装置10の点灯装置14に入力される。外部機器4は、例えば、上位のコントローラである。外部機器4は、例えば、調光卓などと呼ばれる場合もある。
【0020】
信号変換部26は、外部機器4と通信を行う。信号変換部26は、外部機器4から入力された制御信号を受け、入力された制御信号を制御部24に対応した形式の制御信号に変換する。そして、信号変換部26は、変換後の制御信号を制御部24に入力する。なお、信号の変換が必要無い場合などには、外部機器4から入力された制御信号を直接的に制御部24に入力してもよい。信号変換部26は、点灯装置14に必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0021】
図2は、実施形態に係るDC/PWM変換回路を模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、DC/PWM変換回路22は、定電流回路30(変換回路)と、調光回路40と、を有する。
【0022】
定電流回路30は、光源12に供給される電流の大きさが一定になるように、出力電流を制御する。定電流回路30は、一対の入力端子30a、30bと、一対の出力端子30c、30dと、を有する。一対の入力端子30a、30bは、AC/DC変換回路20の出力端子と電気的に接続される。これにより、AC/DC変換回路20からの直流電力が定電流回路30に供給される。出力端子30cは、光源12の発光素子12aの一端と電気的に接続される。出力端子30dは、光源12の発光素子12aの他端と電気的に接続される。これにより、定電流回路30から出力された電流が、光源12に供給される。
【0023】
定電流回路30は、例えば、スイッチング素子31と、インダクタ32と、ダイオード33と、を有する。スイッチング素子31は、電極31a~31cを有する。スイッチング素子31は、例えば、nチャネル形のFETである。例えば、電極31aは、ドレインであり、電極31bは、ソースであり、電極31cは、ゲートである。スイッチング素子31は、例えば、pチャネル形のFETでもよいし、バイポーラトランジスタなどでもよい。
【0024】
電極31aは、入力端子30aと電気的に接続されている。電極31bは、インダクタ32の一端に接続されている。インダクタ32の他端は、高電位側の出力端子30cと電気的に接続されている。ダイオード33のカソードは、スイッチング素子31の電極31bと電気的に接続されている。ダイオード33のアノードは、低電位側の入力端子30b及び出力端子30dと電気的に接続されている。
【0025】
電極31cは、制御部24と電気的に接続されている。スイッチング素子31は、制御部24からの信号に応じてスイッチングする。定電流回路30は、例えば、スイッチング素子31をスイッチングすることにより、実質的に一定の直流電流を出力する。
【0026】
また、この例において、定電流回路30は、いわゆる降圧チョッパ回路である。定電流回路30は、AC/DC変換回路20から供給された直流電力の電圧値を、光源12に対応した電圧値に降圧する。定電流回路30は、スイッチング素子31を有し、スイッチング素子31のスイッチングにより、光源12に供給する直流電流の大きさを変化させる。なお、定電流回路30の構成は、上記に限ることなく、実質的に一定な電流を出力可能な任意の構成でよい。
【0027】
調光回路40は、光源12に対して並列に接続されるスイッチング素子42を有する。スイッチング素子42は、電極42a~42cを有する。スイッチング素子42には、スイッチング素子31に関して説明したものと同様のものを用いることができる。
【0028】
電極42aは、定電流回路30の出力端子30cと電気的に接続されている。電極42bは、定電流回路30の出力端子30dと電気的に接続されている。これにより、スイッチング素子42が、光源12と並列に接続される。電極42cは、制御部24と電気的に接続されている。スイッチング素子42は、制御部24からの信号に応じてスイッチングする。
【0029】
調光回路40(DC/PWM変換回路22)及び制御部24は、外部機器4から入力された制御信号に応じてスイッチング素子42のオン・オフを切り替え、直流電流の出力及び出力の停止を周期的に切り替えることにより、直流電流に対してパルス幅変調制御を行う。このように、調光回路40(DC/PWM変換回路22)は、スイッチング素子42のオン・オフを切り替えることにより、直流電流から変調電流(PWM電流)を生成し、変調電流を光源12に供給する。
【0030】
制御部24は、制御信号に応じて変調電流のパルス幅を変化させる。換言すれば、制御部24は、制御信号に応じてスイッチング素子42のオン時間を変化させる。これにより、スイッチング素子42のオン・オフの切り替えによって、光源12から照射される光の明るさを変化させることができる。換言すれば、光源12から照射される光の調光制御を行うことができる。調光回路40は、定電流回路30から出力された直流電流に対してパルス幅変調制御を行い、パルス幅変調した変調電流を直流電流から生成し、変調電流を光源12に供給することにより、変調電流のパルス幅に応じて光源12の明るさを変化させる調光制御を可能にする。制御信号は、換言すれば、調光信号である。変調電流のパルス幅は、換言すれば、光源12から照射される光の調光度である。
【0031】
点灯装置14では、調光回路40よりも光源12側(出力側)には、電圧を平滑するような比較的大きな容量の電荷蓄積素子(例えばコンデンサなど)が設けられていない。これにより、例えば、パルス状に変化する変調電流の立ち上りや立ち下りが遅れ、不本意な調光度となってしまうことを抑制することができる。
【0032】
調光回路40では、光源12と並列に接続されるスイッチング素子42をオフにすることにより、光源12に直流電流を供給することができる。一方、スイッチング素子42をオンにすると、スイッチング素子42に電流が流れることにより、光源12側への直流電流の供給が停止される。
【0033】
定電流回路30は、例えば、検出部34をさらに有する。検出部34は、光源12及びスイッチング素子42の下流側に設けられ、スイッチング素子42がオフになり、光源12に直流電流が流れた時に、光源12に流れる直流電流の電流値を検出し、スイッチング素子42がオンになり、光源12への直流電流の供給が停止された時に、スイッチング素子42に流れる直流電流の電流値を検出する。検出部34は、制御部24と電気的に接続され、制御部24に検出結果を入力する。
【0034】
検出部34は、例えば、光源12の低圧側の端子及びスイッチング素子42の電極42bの接続点と低電位側の入力端子30bとの間に設けられる。検出部34は、例えば、直流電流の電流値を検出するための検出抵抗である。検出部34は、例えば、磁束の変化などを計測するクランプ型の電流計などでもよい。
【0035】
制御部24及び定電流回路30は、検出部34の検出結果に基づいて、スイッチング素子31をスイッチングすることにより、光源12及びスイッチング素子42に流れる直流電流の電流値が一定になるように制御する。また、制御部24及び定電流回路30は、スイッチング素子31のスイッチングを制御することにより、光源12及びスイッチング素子42に流れる直流電流の大きさを制御する。制御部24及び調光回路40は、前述のように、制御信号に基づいてスイッチング素子42をスイッチングさせることにより、調光回路40の調光制御を行う。これにより、制御信号に応じた所望の明るさで、光源12を点灯させることができる。
【0036】
スタジオや舞台などに設置して使用される演出用の照明装置10では、例えば、消灯状態から点灯状態とする際に、素早く所望の明るさにすることが望まれる。照明装置10では、定電流回路30を動作させつつ、調光回路40のスイッチング素子42をオン状態とし、実質的に一定の直流電流をスイッチング素子42に流すことにより、直流電流をスイッチング素子42側に流した状態のまま光源12を消灯状態とすることができる。
【0037】
これにより、照明装置10では、スイッチング素子42をオフ状態とすることで、光源12を消灯した状態から素早く所望の明るさで点灯させることができる。例えば、定電流回路30の動作を停止させ、直流電流の供給を完全に停止させた状態から光源12を点灯させる場合などと比べて、光源12を素早く所望の明るさで点灯させることができる。このように、照明装置10では、光源12を消灯状態から点灯状態に切り替える場合などに、高い応答性を得ることができる。
【0038】
図1に表したように、照明装置10は、温度検知部16をさらに備える。温度検知部16は、光源12の温度を検知する。温度検知部16は、より詳しくは、光源12の発光素子12aの温度を検知する。光源12が複数の発光素子12aを有する場合、温度検知部16は、例えば、複数の発光素子12aの少なくとも1つの温度を検知する。温度検知部16は、例えば、複数の発光素子12aのそれぞれの温度を検知し、複数の発光素子12aの温度の平均値を検知結果として出力する構成としてもよい。温度検知部16は、光源12に設けられ、接触により、光源12(発光素子12a)の温度を検知する。温度検知部16は、例えば、光源12と別に設けられ、非接触で光源12の温度を検知してもよい。温度検知部16の構成は、光源12の温度を検知可能な任意の構成でよい。
【0039】
温度検知部16は、点灯装置14の制御部24と接続されている。温度検知部16は、光源12の温度の検知結果を制御部24に入力する。
【0040】
制御部24は、光源12に供給する直流電流の大きさが一定になるように、定電流回路30のスイッチング素子31のスイッチングを制御するとともに、温度検知部16の検知結果を基に、光源12から照射される光の色が一定になるように、光源12に供給する直流電流の大きさを補正する。
【0041】
また、制御部24は、制御信号に基づいて調光回路40の動作を制御することにより、制御信号に応じた明るさで光源12を点灯させるとともに、温度検知部16の検知結果を基に、直流電流の大きさの補正にともなう光源12の明るさの変化を抑制するように、変調電流のパルス幅を補正する。
【0042】
点灯装置14は、記憶部28をさらに有する。記憶部28は、光源12の温度と、直流電流の大きさと、変調電流のパルス幅と、の関係を表す制御情報28aを記憶している。制御情報28aは、より詳しくは、光源12の温度と、直流電流の大きさと、変調電流のパルス幅と、の関係を、光源12の調光度毎にまとめたテーブルデータである。
【0043】
制御部24は、温度検知部16の検知結果を基に、制御情報28aを参照する。制御部24は、例えば、温度検知部16の検知結果と制御信号とを基に、制御情報28aを参照する。制御部24は、制御情報28aを参照し、光源12の温度及び調光度に対応する直流電流の大きさ及び変調電流のパルス幅を制御情報28aから読み出すことにより、温度検知部16の検知結果に基づいて直流電流の大きさ及び変調電流のパルス幅を補正する。
【0044】
例えば、100%の調光度で光源12が点灯している状態において、光源12の温度が25℃から30℃に変化したとする。この場合、制御部24は、温度検知部16の検知結果と制御信号とを基に、制御情報28aを参照することにより、100%の調光度及び30℃の温度に対応する直流電流の大きさ及び変調電流のパルス幅を制御情報28aから読み出す。そして、制御部24は、読み出した直流電流の大きさに応じて定電流回路30の動作を制御することにより、直流電流の大きさを補正するとともに、読み出した変調電流のパルス幅に応じて調光回路40の動作を制御することにより、変調電流のパルス幅を補正する。これにより、光源12の温度が変化した場合にも、光源12から照射される光の色を実質的に一定にすることができるとともに、光源12から照射される光の明るさを実質的に一定にすることができる。
【0045】
なお、この例では、記憶部28が、制御部24と別に設けられ、制御部24と接続されている。記憶部28は、外部の記憶部である。記憶部28は、これに限ることなく、制御部24内に設けられた内部の記憶部でもよい。記憶部28の構成は、制御情報28aを記憶し、制御部24が制御情報28aを適切に参照することができる任意の構成でよい。
【0046】
このように、本実施形態に係る照明装置10では、光源12の温度を検知する温度検知部16を備え、制御部24が、温度検知部16の検知結果を基に、光源12から照射される光の色が一定になるように、光源12に供給する直流電流の大きさを補正する。これにより、光源12の温度の変化にともなう照射する光の色の変化を抑制することができる。このように、本実施形態に係る照明装置10では、モーターファンによる強制空冷装置などを必要とすることなく、照射する光の色の変化を抑制することができる。そして、直流電流の大きさを補正することによって照射する光の色の変化を抑制する場合には、モーターファンを用いる場合などと比べて、照射する光の色の変化の抑制にともなう騒音の発生も抑制することができる。照明装置10では、照射する光の色の変化の抑制にともなう騒音を実質的に無くすことができる。従って、騒音の発生を抑制しつつ、光源12の温度の変化にともなう照射する光の色の変化を抑制することができる照明装置10を提供することができる。
【0047】
また、本実施形態に係る照明装置10では、制御部24が、温度検知部16の検知結果を基に、直流電流の大きさの補正にともなう光源12の明るさの変化を抑制するように、変調電流のパルス幅を補正する。これにより、直流電流の大きさの補正にともなって光源12の明るさが変化してしまうことを抑制することができる。照明装置10では、光源12の温度が変化した場合にも、光源12の色及び明るさを実質的に一定にすることができる。光源12の温度が変化した場合にも、光源12から照射される光の見た目の変化をより適切に抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態に係る照明装置10では、制御部24が、温度検知部16の検知結果を基に、制御情報28aを参照し、光源12の温度に対応する直流電流の大きさ及び変調電流のパルス幅を制御情報28aから読み出すことにより、温度検知部16の検知結果に基づいて直流電流の大きさ及び変調電流のパルス幅を補正する。これにより、比較的簡単な構成で、直流電流の大きさ及び変調電流のパルス幅を適切に補正することができる。
【0049】
なお、照明装置10の構成は、制御信号に基づく調光制御を行う構成に限ることなく、一定の明るさの光を照射する構成でもよい。調光回路40は、例えば、直流電流の大きさの補正にともなう光源12の明るさの変化を抑制するためだけに用いてもよい。また、例えば、直流電流の大きさの補正にともなう光源12の明るさの変化が小さい場合などには、必ずしも調光回路40を設けなくてもよい。照明装置10は、少なくとも温度検知部16の検知結果を基に、光源12から照射される光の色が一定になるように、光源12に供給する直流電流の大きさを補正できればよい。制御情報28aは、例えば、光源12の温度と、直流電流の大きさと、の関係を表す情報としてもよい。
【0050】
図3は、実施形態に係る照明装置の変形例を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、照明装置10aでは、光源12が、複数の発光素子12a~12cを有するとともに、点灯装置14aが、複数のDC/PWM変換回路22を有する。複数のDC/PWM変換回路22は、それぞれ変調電流を生成し、複数の変調電流のそれぞれを複数の発光素子12a~12cのそれぞれに供給する。複数のDC/PWM変換回路22は、例えば、
図2に表した回路を複数設けることによって実現することができる。
【0051】
発光素子12aは、例えば、電圧の印加により、赤色光を照射する。発光素子12bは、例えば、電圧の印加により、緑色光を照射する。発光素子12cは、例えば、電圧の印加により、青色光を照射する。複数のDC/PWM変換回路22は、制御信号に基づいて各発光素子12a~12cのそれぞれに供給する変調電流のパルス幅を変化させることにより、各色の光の強度を変化させる。これにより、光源12から任意の色の光を照射することができる。いわゆる調色制御を行うことができる。複数の発光素子12a~12cは、赤色光、緑色光、青色光に限ることなく、色温度の異なる光を照射する発光素子などでもよい。
【0052】
また、照明装置10aにおいて、光源12は、均熱部材13をさらに有する。均熱部材13は、複数の発光素子12a~12cのそれぞれの温度を均熱する。均熱部材13は、例えば、金属板である。これにより、複数の発光素子12a~12cのそれぞれから照射される光の強度が異なる場合などにおいても、複数の発光素子12a~12cの温度を同程度にすることができる。
【0053】
温度検知部16は、均熱部材13の温度を検知する。これにより、温度検知部16は、均熱部材13を介して複数の発光素子12a~12cの温度を検知する。これにより、光源12が、複数の発光素子12a~12cを有する場合においても、複数の発光素子12a~12cの温度を検知する構成を簡単にすることができる。例えば、複数の発光素子12a~12cのそれぞれに対応する複数の温度検知部16を設ける場合などと比べて、部品点数を削減し、照明装置10aのコスト増を抑制することができる。
【0054】
記憶部28は、複数の発光素子12a~12cのそれぞれに対応する複数の制御情報28a~28cを記憶している。制御部24は、温度検知部16の検知結果を基に、複数の発光素子12a~12cのそれぞれに対応する直流電流の大きさ及び変調電流のパルス幅を読み出し、複数のDC/PWM変換回路22の動作を制御することにより、複数の発光素子12a~12cのそれぞれの直流電流の大きさ及び変調電流のパルス幅を補正する。
【0055】
温度による光の色の変化の関係は、複数の発光素子12a~12cのそれぞれで異なる可能性がある。従って、複数の発光素子12a~12cを有する場合には、複数の発光素子12a~12cのそれぞれに対応する複数の制御情報28a~28cを予め用意する。これにより、複数の発光素子12a~12cから照射される光の色の変化をより確実に抑制することができる。
【0056】
このように、点灯装置14aは、複数のDC/PWM変換回路22を有する構成としてもよい。なお、光源12の発光素子の数は、3つに限ることなく、4つ以上でもよい。DC/PWM変換回路22の数は、発光素子の数に応じた任意の数でよい。また、例えば、照明装置10aに複数の光源12を設け、複数のDC/PWM変換回路22は、複数の変調電流を複数の光源12のそれぞれに供給してもよい。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態および実施例を説明したが、これらの実施形態または実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態または実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態または実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
2 交流電源、 4 外部機器、 10、10a 照明装置、 12 光源、 12a~12c 発光素子、 13 均熱部材、 14、14a 点灯装置、 16 温度検知部、 20 AC/DC変換回路、 22 DC/PWM変換回路、 24 制御部、 26 信号変換部、 28 記憶部、 28a~28c 制御情報、 30 定電流回路、 31 スイッチング素子、 32 インダクタ、 33 ダイオード、 34 検出部、 40 調光回路、 42 スイッチング素子