(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055629
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】楽曲提案システム、楽曲提案方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
A61M 21/02 20060101AFI20220401BHJP
A61B 5/01 20060101ALI20220401BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20220401BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
A61M21/02 C
A61B5/01 100
A61M21/02 G
A61B5/02 310A
A61B5/11 230
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020163161
(22)【出願日】2020-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】沢田 あゆみ
(72)【発明者】
【氏名】岩井 崇郎
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
4C117
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AA16
4C017AA19
4C017AC12
4C017AC16
4C017AC28
4C017BC14
4C017BC16
4C017DD14
4C038VA04
4C038VB12
4C038VB31
4C038VC20
4C117XA05
4C117XB18
4C117XC11
4C117XC13
4C117XD15
4C117XE14
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4C117XH16
4C117XJ46
4C117XL01
4C117XM12
4C117XP01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】被験者に睡眠の不具合を改善するための楽曲を提案できる楽曲提案システム、楽曲提案方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】楽曲提案システム1は、被験者の生体データ281を取得する取得部103と、取得部が取得する生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する導出部104と、客観的な睡眠データと楽曲とを関連付けた楽曲データベース1081から、導出部が導出する客観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する判定部105と、判定部による楽曲の判定結果を出力する出力部106とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の生体データを取得する取得部と、
前記取得部が取得する前記生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する導出部と、
客観的な睡眠データと楽曲とを関連付けた楽曲データベースから、前記導出部が導出する客観的な前記睡眠データに基づいて、前記被験者へ提案する楽曲を判定する判定部と、
前記判定部による楽曲の判定結果を出力する出力部と
を備える、楽曲提案システム。
【請求項2】
前記生体データには、前記被験者の脈波を示す脈波情報と、前記被験者の体の一部の加速度を示す加速度情報と、前記被験者の皮膚温度を示す皮膚温度情報とのうち、少なくとも一つが含まれる、請求項1に記載の楽曲提案システム。
【請求項3】
前記導出部は、就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間と、睡眠時間との少なくとも一つを、客観的な睡眠データとして導出する、請求項1又は請求項2に記載の楽曲提案システム。
【請求項4】
前記判定部は、客観的な睡眠データに基づいて前記楽曲データベースに含まれる楽曲の識別情報を出力する学習部に対して、前記導出部が導出する客観的な前記睡眠データを与えることによって、前記被験者へ提案する楽曲を判定する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の楽曲提案システム。
【請求項5】
前記学習部とは、被験者の客観的な睡眠データと楽曲との関係が学習された学習済みモデルである、請求項4に記載の楽曲提案システム。
【請求項6】
前記取得部は、前記被験者の主観的な睡眠データをさらに取得し、
前記判定部は、前記取得部が取得した前記被験者の主観的な前記睡眠データにさらに基づいて、前記被験者へ提案する楽曲を判定する、請求項1に記載の楽曲提案システム。
【請求項7】
前記判定部は、客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データに基づいて前記楽曲データベースに含まれる楽曲の識別情報を出力する学習部に対して、前記導出部が導出する客観的な睡眠データ及び前記被験者の主観的な前記睡眠データを与えることによって、前記被験者へ提案する楽曲を判定する、請求項6に記載の楽曲提案システム。
【請求項8】
前記学習部とは、被験者の客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データと楽曲との関係が学習された学習済みモデルである、請求項7に記載の楽曲提案システム。
【請求項9】
前記楽曲データベースは、楽曲を聴取することによる睡眠の質の改善度をさらに関連付け、
前記判定部は、前記楽曲データベースから、前記導出部が導出する客観的な前記睡眠データに基づいて、前記被験者へ提案する楽曲を判定する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の楽曲提案システム。
【請求項10】
前記取得部は、前記被験者の他の生体データをさらに取得し、
前記導出部は、前記取得部が取得する他の前記生体データに基づいて、前記被験者の自律神経活動度をさらに導出し、
前記判定部は、客観的な睡眠データ及び自律神経活動度と楽曲とを関連付けた楽曲データベースから、前記導出部が導出する客観的な前記睡眠データ及び前記自律神経活動度に基づいて、前記被験者へ提案する楽曲を判定する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の楽曲提案システム。
【請求項11】
前記取得部は、前記被験者の所定の期間の生体データを取得し、
前記導出部は、前記取得部が取得する前記被験者の所定の前記期間の前記生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の楽曲提案システム。
【請求項12】
被験者の生体データを取得するステップと、
前記生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出するステップと、
客観的な睡眠データと楽曲とを関連付けた楽曲データベースから、客観的な前記睡眠データに基づいて、前記被験者へ提案する楽曲を判定するステップと、
楽曲の判定結果を出力するステップと
を有する、楽曲提案システムが実行する楽曲提案方法。
【請求項13】
楽曲提案システムのコンピュータに、
被験者の生体データを取得するステップと、
前記生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出するステップと、
客観的な睡眠データと楽曲とを関連付けた楽曲データベースから、客観的な前記睡眠データに基づいて、前記被験者へ提案する楽曲を判定するステップと、
楽曲の判定結果を出力するステップと
を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲提案システム、楽曲提案方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
音楽は、自律神経に作用することによって、睡眠状態に影響を及ぼす。例えば、入眠に影響する音楽と、中途覚醒に影響する音楽とがある。入眠に影響する音楽と、中途覚醒に影響する音楽とは異なる場合がある。
従来、睡眠の状態を判定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、睡眠状態判定装置は、被験者の脈波を示す脈波情報と、被験者の体の一部の加速度を示す加速度情報とを取得する取得部と、脈波情報を睡眠深さ学習部に対して与えることにより、被験者の睡眠の深さの瞬時値を算出する瞬時値算出部と、脈波情報と加速度情報とを睡眠段階学習部に対して与えることにより、被験者の睡眠段階を判定する睡眠段階判定部と、被験者の睡眠の深さの瞬時値と被験者の睡眠段階とに基づいて、被験者の入眠後所定期間の瞬時値の積分値を睡眠深さとして算出する睡眠深さ算出部と、睡眠深さ算出部が算出する被験者の睡眠深さに基づいて、被験者の睡眠の質の種類を判定する睡眠質判定部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
音楽によって、睡眠状態への影響は異なる。このため、仮に睡眠に不安を感じている者(以下「被験者」と呼ぶ)が、睡眠の不具合を改善するために選択した音楽が睡眠の不具合の改善に効果が無い場合がある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、被験者に睡眠の不具合を改善するための楽曲を提案できる楽曲提案システム、楽曲提案方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、被験者の生体データを取得する取得部と、前記取得部が取得する前記生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する導出部と、客観的な睡眠データと楽曲とを関連付けた楽曲データベースから、前記導出部が導出する客観的な前記睡眠データに基づいて、前記被験者へ提案する楽曲を判定する判定部と、前記判定部による楽曲の判定結果を出力する出力部とを備える、楽曲提案システムである。
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載の楽曲提案システムにおいて、前記生体データには、前記被験者の脈波を示す脈波情報と、前記被験者の体の一部の加速度を示す加速度情報と、前記被験者の皮膚温度を示す皮膚温度情報とのうち、少なくとも一つが含まれる。
(3)本発明の一態様は、上記(1)又は上記(2)に記載の楽曲提案システムにおいて、前記導出部は、就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間と、睡眠時間の少なくとも一つを、客観的な睡眠データとして導出する。
(4)本発明の一態様は、上記(1)から上記(3)のいずれか一項に記載の楽曲提案システムにおいて、前記判定部は、客観的な睡眠データに基づいて前記楽曲データベースに含まれる楽曲の識別情報を出力する学習部に対して、前記導出部が導出する客観的な前記睡眠データを与えることによって、前記被験者へ提案する楽曲を判定する。
(5)本発明の一態様は、上記(4)に記載の楽曲提案システムにおいて、前記学習部とは、被験者の客観的な睡眠データと楽曲との関係が学習された学習済みモデルである。
(6)本発明の一態様は、上記(1)に記載の楽曲提案システムにおいて、前記取得部は、前記被験者の主観的な睡眠データをさらに取得し、前記判定部は、前記取得部が取得した前記被験者の主観的な前記睡眠データにさらに基づいて、前記被験者へ提案する楽曲を判定する。
(7)本発明の一態様は、上記(6)に記載の楽曲提案システムにおいて、前記判定部は、客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データに基づいて前記楽曲データベースに含まれる楽曲の識別情報を出力する学習部に対して、前記導出部が導出する客観的な睡眠データ及び前記被験者の主観的な前記睡眠データを与えることによって、前記被験者へ提案する楽曲を判定する。
(8)本発明の一態様は、上記(7)に記載の楽曲提案システムにおいて、前記学習部とは、被験者の客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データと楽曲との関係が学習された学習済みモデルである。
(9)本発明の一態様は、上記(1)から上記(5)のいずれか一項に記載の楽曲提案システムにおいて、前記楽曲データベースは、楽曲を聴取することによる睡眠の質の改善度をさらに関連付け、前記判定部は、前記楽曲データベースから、前記導出部が導出する客観的な前記睡眠データに基づいて、前記被験者へ提案する楽曲を判定する。
(10)本発明の一態様は、上記(1)から上記(5)のいずれか一項に記載の楽曲提案システムにおいて、前記取得部は、前記被験者の他の生体データをさらに取得し、前記導出部は、前記取得部が取得する他の前記生体データに基づいて、前記被験者の自律神経活動度をさらに導出し、前記判定部は、客観的な睡眠データ及び自律神経活動度と楽曲とを関連付けた楽曲データベースから、前記導出部が導出する客観的な前記睡眠データ及び前記自律神経活動度に基づいて、前記被験者へ提案する楽曲を判定する。
(11)本発明の一態様は、上記(1)から上記(10)のいずれか一項に記載の楽曲提案システムにおいて、前記取得部は、前記被験者の所定の期間の生体データを取得し、前記導出部は、前記取得部が取得する前記被験者の所定の前記期間の前記生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する。
(12)本発明の一態様は、被験者の生体データを取得するステップと、前記生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出するステップと、客観的な睡眠データと楽曲とを関連付けた楽曲データベースから、客観的な前記睡眠データに基づいて、前記被験者へ提案する楽曲を判定するステップと、楽曲の判定結果を出力するステップとを有する、楽曲提案システムが実行する楽曲提案方法である。
(13)本発明の一態様は、楽曲提案システムのコンピュータに、被験者の生体データを取得するステップと、前記生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出するステップと、客観的な睡眠データと楽曲とを関連付けた楽曲データベースから、客観的な前記睡眠データに基づいて、前記被験者へ提案する楽曲を判定するステップと、楽曲の判定結果を出力するステップとを実行させる、コンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被験者に睡眠の不具合を改善するための楽曲を提案できる楽曲提案システム、楽曲提案方法及びコンピュータプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る楽曲提案システムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る楽曲提案システムに含まれる測定装置とユーザ端末と楽曲提案サーバとの詳細を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る楽曲提案システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図4】実施形態の変形例1に係る楽曲提案システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図5】実施形態の変形例2に係る楽曲提案システムに含まれる測定装置とユーザ端末と楽曲提案サーバとの詳細を示す図である。
【
図6】実施形態の変形例2に係る楽曲提案システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図7】実施形態の変形例3に係る楽曲提案システムに含まれる測定装置とユーザ端末と楽曲提案サーバとの詳細を示す図である。
【
図8】実施形態の変形例3に係る楽曲提案システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図9】実施形態の変形例4に係る楽曲提案システムに含まれる測定装置とユーザ端末と楽曲提案サーバとの詳細を示す図である。
【
図10】実施形態の変形例4に係る楽曲提案システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本実施形態の楽曲提案システム、楽曲提案方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0010】
(実施形態)
(楽曲提案システム)
図1は、本発明の実施形態に係る楽曲提案システムの構成例を示す図である。
図1において、楽曲提案システム1は、楽曲提案サーバ100を備える。
図1には、楽曲提案サーバ100に加え、楽曲の提案を受ける対象であるユーザUと、ユーザUが装着する測定装置10と、ユーザUが使用するユーザ端末20とが示されている。ユーザUは被験者の一例である。
測定装置10とユーザ端末20とは通信する。例えば、測定装置10とユーザ端末20とは近距離無線通信により通信する。
楽曲提案サーバ100とユーザ端末20とは、ネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
【0011】
楽曲提案システム1では、測定装置10は、被験者の生体データを測定する。測定装置10は、被験者の生体データの測定結果をユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20は、測定装置10が送信した被験者の生体データの測定結果を受信する。ユーザ端末20は、受信した被験者の生体データの測定結果を楽曲提案サーバ100へ送信する。
楽曲提案サーバ100は、ユーザ端末20が送信した被験者の生体データの測定結果を受信する。楽曲提案サーバ100は、受信した被験者の生体データの測定結果を記憶する。
ユーザ端末20は、ユーザIDを含む、楽曲提案要求を楽曲提案サーバ100へ送信する。
楽曲提案サーバ100は、ユーザ端末20が送信した楽曲提案要求を受信する。楽曲提案サーバ100は、受信した楽曲提案要求に含まれるユーザIDに基づいて、記憶している被験者の生体データの測定結果を取得する。楽曲提案サーバ100は、取得した被検者の生体データの測定結果に基づいて、客観的な睡眠データを導出する。楽曲提案サーバ100は、客観的な睡眠データと楽曲とを関連付けた楽曲データベースを記憶している。楽曲提案サーバ100は、楽曲データベースから、導出した客観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。楽曲提案サーバ100は、楽曲の判定結果を出力する。
【0012】
以下、楽曲提案システム1に含まれる測定装置10とユーザ端末20と楽曲提案サーバ100との各々の機能構成の具体例について順次説明する。
図2は、本実施形態に係る楽曲提案システムに含まれる測定装置とユーザ端末と楽曲提案サーバとの詳細を示す図である。
(測定装置10)
測定装置10は、リストバンド型(腕時計型)のウエアラブル装置、あるいはその他の情報処理機器として実現される。測定装置10は、例えば被験者の腕の一部に装着される。
測定装置10は、例えば、通信部12と、測定部14と、処理部15と、操作部16と、記憶部18とを備える。
通信部12は、通信モジュールによって実現される。通信部12は、外部の通信装置と通信する。通信部12は、例えば、ブルートゥース(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。また、通信部12は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。通信部12は、ユーザ端末20と通信するために必要な通信情報を保持する。通信部12は、ユーザ端末20が送信した生体データ要求を受信し、ユーザ端末20へ生体データ応答を送信する。
【0013】
測定部14は、測定装置10を装着した被験者の生体データを測定する。例えば、測定部14は、被験者の脈波、加速度、皮膚温度などの生体データを測定する。本実施形態では、一例として、測定部14が、被験者の脈波と加速度と、皮膚温度とを測定する場合について説明を続ける。測定部14は、例えば、加速度、圧力、光、心電位、反射波などを捉えるセンサ(例えば、光学式赤外線センサ)を備えており、被験者の手首の脈の振れの波形(すなわち、脈波)を測定する。測定部14は、測定した被験者の脈波を示す脈波情報PWを生成する。脈波情報PWには、測定日時を示す情報が含まれる。なお、測定部14は、例示した測定対象のうち、特に光又は心電位を捉えるセンサを備えることがより好ましい。
また、測定部14は、加速度、反射波などを捉えるセンサ(例えば、加速度センサ)を備えており、被験者の体動(例えば、手首の加速度)を測定する。測定部14は、測定した被験者の手首の加速度を示す加速度情報ACを生成する。加速度情報ACには、測定日時を示す情報が含まれる。これら被験者の脈波及び体動は、例えば、10Hz以上のサンプリング周波数によって測定される。
また、測定部14は、皮膚温度を捉えるセンサ(例えば、サーミスタ温度センサ)を備えており、被験者の皮膚温度を測定する。測定部14は、測定した皮膚温度を示す皮膚温度情報TSを生成する。皮膚温度情報TSには、測定日時を示す情報が含まれる。
【0014】
なお、脈波情報PWは、脈波パワースペクトル(例えば、VLF、HF/(VLF+LF+HF)、HF/(LF+HF)、MF/LF、MF、HF、IBI HR、LF、LF/HF)、IBI(例えば、測定値、測定値の平均値、CV NN、RMS SD、SDNN、RMS SD/SDNN、PNN 50)などによって被験者の脈波を示す。なお、VLFとは超低周波帯域、LFとは低周波帯域、MFとは中周波数帯域、HFとは高周波数帯域である。
また、IBIとは、脈拍間隔である。CV NNとは単位時間内の心拍間隔の変動係数、RMS SDとは平自乗根の標準偏差、SDNNとは心拍間隔の標準偏差、PNN 50とは単位時間内の心拍間隔が50ms以上の割合(又は回数)である。
また、加速度情報ACは、Zero Cross(ゼロ・クロス)値、Max(最大値)、Min(最小値)、Median(中央値)、Mean(平均値)、SD(標準偏差)などによって被験者の体動を表す。
【0015】
処理部15は、測定部14が生成した脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを記憶部18に記憶させる。処理部15は、通信部12が受信した生体データ要求を取得する。処理部15は、取得した生体データ要求に基づいて、記憶部18に記憶されている脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを関連付けた情報を含む生体データ応答を作成する。処理部15は、作成した生体データ応答を通信部12へ出力する。
操作部16は、入力デバイスを備え、被験者の操作を受け付ける。この入力デバイスには、キーボード等の文字情報を入力するデバイス、タッチパネル等のポインティングデバイス、釦、ダイヤル、タッチセンサ、タッチパッド等が含まれる。被験者は、操作部16を操作することによって、測定部14に生体データの測定を開始させる。
記憶部18は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。記憶部18には、生体データ(脈波情報PW、加速度情報AC、皮膚温度情報TS)が記憶される。
処理部15は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部18に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。コンピュータプログラムは、予めフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0016】
(ユーザ端末20)
ユーザ端末20は、スマートフォン、携帯端末、又はパーソナルコンピュータ、タブレット端末装置、腕時計型端末装置、あるいはその他の情報処理機器として実現される。
ユーザ端末20は、例えば、第1通信部22-1と、第2通信部22-2と、処理部24と、操作部26と、記憶部28とを備える。
第1通信部22-1は、通信モジュールによって実現される。第1通信部22-1は、外部の通信装置と通信する。第1通信部22-1は、例えば、ブルートゥースなどの無線通信方式で通信してもよい。また、第1通信部22-1は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。第1通信部22-1は、測定装置10と通信するために必要な通信情報を保持する。第1通信部22-1は、処理部24が出力した生体データ要求を測定装置10へ送信し、測定装置10が送信した生体データ応答を受信する。
第2通信部22-2は、通信モジュールによって実現される。第2通信部22-2は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。第2通信部22-2は、例えば、無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。また、第2通信部22-2は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。第2通信部22-2は、ネットワークNWを介して楽曲提案サーバ100と通信するために必要な通信情報を保持する。第2通信部22-2は、楽曲提案サーバ100へ生体データ通知と、楽曲提案要求とを送信する。第2通信部22-2は、楽曲提案サーバ100が送信した楽曲提案応答を受信する。
【0017】
操作部26は、入力デバイスを備え、被験者の操作を受け付ける。この入力デバイスには、キーボード等の文字情報を入力するデバイス、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、釦、ダイヤル、ジョイスティック、タッチセンサ、タッチパッド等が含まれる。操作部26は、被験者が生体データを取得する操作を行うことによって、生体データ要求操作情報を作成する。操作部26は、被験者が楽曲の提案を要求する操作を行うことによって、楽曲提案要求操作情報を作成する。
記憶部28は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。記憶部28には、生体データ281が記憶される。
生体データ281は、ユーザ(被験者)のユーザIDと、ユーザIDの各々について、脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを関連付けたテーブル形式の情報である。
【0018】
処理部24は、操作部26が作成した生体データ要求操作情報を取得する。処理部24は、取得した生体データ要求操作情報に基づいて、測定装置10を宛先とする、生体データ要求を作成する。処理部24は、作成した生体データ要求を、第1通信部22-1へ出力する。その後、処理部24は、第1通信部22-1が受信した生体データ応答を取得する。処理部24は、取得した生体データ応答に含まれる脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを取得し、取得した脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを関連付けて、記憶部28の生体データ281に記憶させる。
また、処理部24は、記憶部28に記憶されている生体データ281を取得する。処理部24は、取得した生体データ281とユーザIDとを含む、楽曲提案サーバ100を宛先とする生体データ通知を作成する。処理部24は、作成した生体データ通知を、第2通信部22-2へ出力する。
処理部24は、操作部26が作成した楽曲提案要求操作情報を取得する。処理部24は、取得した楽曲提案要求操作情報に基づいて、ユーザIDと楽曲提案を要求する情報とを含む、楽曲提案サーバ100を宛先とする楽曲提案要求を作成する。処理部24は、作成した楽曲提案要求を、第2通信部22-2へ出力する。
処理部24は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部28に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。コンピュータプログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0019】
(楽曲提案サーバ100)
楽曲提案サーバ100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。楽曲提案サーバ100の一例は、クラウドサーバである。楽曲提案サーバ100は、例えば、通信部102と、取得部103と、導出部104と、判定部105と、出力部106と、記憶部108とを備える。
通信部102は、通信モジュールによって実現される。通信部102は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部102は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。また、通信部102は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。通信部102は、ネットワークNWを介してユーザ端末20と通信するために必要な通信情報を保持する。通信部102は、ユーザ端末20が送信した生体データ通知と、楽曲提案要求とを受信する。通信部102は、出力部106が出力した楽曲提案応答をユーザ端末20へ送信する。
【0020】
記憶部108は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。記憶部108には、楽曲DB(データベース)1081と、生体データDB1082とが記憶される。
楽曲DB1081は、一又は複数の客観的な睡眠データと、一又は複数の睡眠データの各々について、楽曲の名称と、その楽曲の識別情報(楽曲ID)を関連付けたテーブル形式の情報である。
生体データDB1082は、一又は複数のユーザのユーザIDと、一又は複数のユーザIDの各々について、脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを関連付けたテーブル形式の情報である。
取得部103は、通信部102が受信した生体データ通知を取得する。取得部103は、取得した生体データ通知に含まれる生体データ(脈波情報PWと加速度情報ACと皮膚温度情報TS)とユーザIDとを取得する。取得部103は、取得した脈波情報PWと加速度情報ACと皮膚温度情報TSとユーザIDとを関連付けて、記憶部108の生体データDB1082に記憶させる。
また、取得部103は、通信部102が受信した楽曲提案要求を取得する。
【0021】
導出部104は、取得部103が取得した楽曲提案要求を取得する。導出部104は、取得した楽曲提案要求に含まれるユーザIDに基づいて、記憶部108に記憶されている生体データDB1082から、そのユーザIDに関連付けて記憶されている生体データを取得する。導出部104は、取得した生体データに含まれる脈波情報PWと加速度情報ACと皮膚温度情報TSとに基づいて、客観的な睡眠データを導出する。例えば、導出部104は、脈波情報PWと加速度情報ACと皮膚温度情報TSとに基づいて、客観的な睡眠データとして、就寝時刻、起床時刻、眠りの深さ、中途覚醒時間、入眠時間、睡眠時間などの客観的な睡眠状態を示すデータを導出する。導出部104は、睡眠深さ学習部1041と、睡眠段階学習部1042とを備える。
睡眠深さ学習部1041は、脈波の波形、すなわち脈波情報PWに基づいて睡眠の深さの瞬時値DIを出力する。ここで、睡眠の深さの瞬時値DIとは、所定時間ごとに算出される被験者の睡眠の深さである。ここで、被験者の睡眠の深さが算出される所定時間は、30秒から60秒ごとであることが好ましい。以下では、所定時間が30秒である場合を一例として説明する。睡眠深さ学習部1041は、例えば、いわゆる機械学習済みモデルであって、被験者の脳波と当該被験者の脈波との関係が学習された学習済みモデルである。睡眠深さ学習部1041の学習過程について説明する。
一般に、被験者の脳波の状態と、当該被験者の睡眠の深さとには所定の関係があることが知られている。例えば、被験者の睡眠の深さが比較的深い場合には、被験者の脳波には特徴的な波形パターンが現れ、被験者の睡眠の深さが比較的浅い場合には、深い場合の波形パターンとは異なる波形パターンが現れることが知られている。
【0022】
睡眠深さ学習部1041は、学習過程において、与えられた脳波情報BWと、脈波情報PWとの関係を学習する。具体的には、睡眠深さ学習部1041は、被験者の脳波の波形を示す脳波情報BWと、この脳波と同時に計測された当該被験者の脈波の波形を示す脈波情報PWとが与えられ、睡眠の深さの瞬時値DIを出力する。ここで、脳波情報BWとこの脳波情報BWによって計算される睡眠の深さの瞬時値DIBとの関係は既知である。
睡眠深さ学習部1041は、脳波情報BWによって計算される睡眠の深さの瞬時値DIBを正解データとして、脈波情報PWと睡眠の深さの瞬時値DIBとの関係を学習する。この結果、睡眠深さ学習部1041は、脈波情報PWが供給されると、この脈波情報PWに対応する睡眠の深さの瞬時値DIを出力するように学習される。
なお、睡眠深さ学習部1041の学習過程においては、被験者の脳波の状態を表す指標としてデルタ波パワー値が用いられる。
【0023】
睡眠段階学習部1042は、脈波の波形(脈波情報PW)と、加速度の波形(加速度情報AC)と、皮膚温度の波形(皮膚温度情報TS)とに基づいて睡眠段階SGを出力する。睡眠段階学習部1042とは、例えば、機械学習済みモデルであって、被験者の脳波と当該被験者の脈波及び体の一部の加速度との関係が学習された学習済みモデルである。
[睡眠の段階]
睡眠段階SGには、睡眠の深さが浅いほうから深いほうへ順に、「覚醒AW」、「レム睡眠RM」、「ノンレム睡眠NR」がある。またこの「ノンレム睡眠NR」には、浅いノンレム睡眠NRである「ノンレム睡眠(浅)NRL」と、深いノンレム睡眠NRである「ノンレム睡眠(深)NRD」とがある。すなわち、睡眠段階SGには、「覚醒AW」、「レム睡眠RM」、「ノンレム睡眠(浅)NRL」、「ノンレム睡眠(深)NRD」の4段階がある。
すなわち、睡眠段階学習部1042は、脈波の波形(脈波情報PW)と、被験者の体の一部の加速度の値(加速度情報AC)と、皮膚温度の波形(皮膚温度情報TS)とに基づいて、レム睡眠RMの段階とノンレム睡眠NRの段階とを含む睡眠段階SGを出力する。導出部104は、睡眠段階学習部1042が出力した睡眠段階SGに基づいて、就寝時刻と、起床時刻と、中途覚醒時間と、入眠時間との少なくとも一つを導出する。睡眠段階学習部1042の学習過程について説明する。
【0024】
[睡眠段階学習部1042の学習過程]
一般に、被験者の脳波の状態と、当該被験者の睡眠段階SGとには所定の関係があることが知られている。例えば、被験者の睡眠がレム睡眠RMの段階である場合には、被験者の脳波には特徴的な波形パターンが現れ、被験者の睡眠がノンレム睡眠NRの段階である場合には、レム睡眠RMの場合の波形パターンとは異なる波形パターンが現れることが知られている。また、一般に、被験者が覚醒している場合には、体動(例えば、腕を動かすなど)の程度が大きく、被験者が睡眠している場合には、体動の程度が小さいことが知られている。
睡眠段階学習部1042は、その学習過程において、与えられた脳波情報BWと、脈波情報PW、加速度情報ACおよび皮膚温度情報TSとの関係を学習する。具体的には、睡眠段階学習部1042は、被験者の脳波の波形を示す脳波情報BWと、この脳波と同時に計測された当該被験者の脈波の波形を示す脈波情報PW、加速度情報ACおよび皮膚温度情報TSが与えられ、睡眠段階SGを出力する。ここで、脳波情報BWとこの脳波情報BWによって計算される睡眠段階SGBとの関係は既知である。
睡眠段階学習部1042は、脳波情報BWによって算出される睡眠段階SGBを正解データとして、脈波情報PW、加速度情報ACおよび皮膚温度情報TSと睡眠段階SGBとの関係を学習する。この結果、睡眠段階学習部1042は、脈波情報PW、加速度情報ACおよび皮膚温度情報TSが供給されると、この脈波情報PW、加速度情報ACおよび皮膚温度情報TSに対応する睡眠段階SGを出力するように学習される。なお、睡眠段階学習部1042は、睡眠周期ごとに学習することができる。一例として、起床前は脈拍間変動が大きくなることが知られている。睡眠段階学習部1042は、睡眠周期ごとに個別に学習することにより、ある睡眠周期における判定精度(例えば、起床前、早朝の睡眠段階の判定精度)を向上させることができる。
【0025】
判定部105は、取得部103が取得した楽曲提案要求を取得する。判定部105は、取得した楽曲提案要求に基づいて、導出部104が導出した客観的な睡眠データを取得する。判定部105は、記憶部108に記憶されている楽曲DB1081から、取得した客観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。判定部105は、楽曲学習部1051を備える。
楽曲学習部1051は、客観的な睡眠データ、すなわち就寝時刻、起床時刻、眠りの深さ、中途覚醒時間、入眠時間、睡眠時間などに基づいて楽曲IDを出力する。楽曲学習部1051は、例えば、いわゆる機械学習済みモデルであって、被験者の客観的な睡眠データと当該被験者へ提案すべき楽曲IDとの関係が学習された学習済みモデルである。楽曲学習部1051の学習過程について説明する。
【0026】
[楽曲学習部1051の学習過程]
一般に、被験者の客観的な睡眠データと、当該被験者へ提案すべき楽曲とには所定の関係があることが知られている。例えば、被験者の客観的な睡眠データに含まれる就寝時刻、起床時刻、眠りの深さ、中途覚醒時間、入眠時間、睡眠時間などのうち、いずれかに不具合などの問題がある場合には、客観的な睡眠データを、その問題を改善できる楽曲に分類できる。
楽曲学習部1051は、学習過程において、客観的な睡眠データと、その客観的な睡眠データに含まれる問題を改善できる楽曲との関係を学習する。具体的には、楽曲学習部1051は、被験者の客観的な睡眠データが与えられ、楽曲IDを出力する。ここで、客観的な睡眠データに含まれる就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間と、睡眠時間との各々について、問題がある場合にその問題を改善できる楽曲との関係は既知である。楽曲学習部1051は、客観的な睡眠データに含まれるいずれかのデータに含まれる問題を改善できる楽曲の楽曲IDを正解データとして、客観的な睡眠データと楽曲IDとの関係を学習する。この結果楽曲学習部1051は、客観的な睡眠データが供給されると、この客観的な睡眠データに対応する楽曲IDを出力するように学習される。
出力部106は、判定部105から、楽曲IDを取得する。出力部106は、記憶部108に記憶された楽曲DB1081から、取得した楽曲IDに該当する楽曲の名称を取得する。出力部106は、楽曲の名称を含む、ユーザ端末20を宛先とする楽曲提案応答を作成する。出力部106は、作成した楽曲提案応答を通信部102へ出力する。
【0027】
(楽曲提案システムの動作)
図3は、本実施形態に係る楽曲提案システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
(ステップS1-1)
測定装置10において、測定部14は、測定装置10を装着した被験者の生体データを測定する。処理部15は、測定部14から被検者の生体データの測定結果を取得し、取得した被検者の生体データの測定結果を記憶部18に記憶させる。
(ステップS2-1)
ユーザ端末20において、操作部26は、被験者が生体データを取得する操作を行うことによって、生体データ要求操作情報を作成する。処理部24は、操作部26が作成した生体データ要求操作情報を取得する。処理部24は、取得した生体データ要求操作情報に基づいて、測定装置10を宛先とする、生体データ要求を作成する。
(ステップS3-1)
ユーザ端末20において、処理部24は、作成した生体データ要求を、第1通信部22-1へ出力する。第1通信部22-1は、処理部24が出力した生体データ要求を取得する。第1通信部22-1は、取得した生体データ要求を測定装置10へ送信する。
(ステップS4-1)
測定装置10において、通信部12は、ユーザ端末20が送信した生体データ要求を受信する。処理部15は、通信部12が受信した生体データ要求を取得する。処理部15は、取得した生体データ要求に基づいて、記憶部18に記憶されている生体データを含む、ユーザ端末20を宛先とする生体データ応答を作成する。
【0028】
(ステップS5-1)
測定装置10において、処理部15は作成した生体データ応答を、通信部12へ出力する。通信部12は、処理部15が出力した生体データ応答を取得する。通信部12は、取得した生体データ応答を、ユーザ端末20へ送信する。
(ステップS6-1)
ユーザ端末20において、第1通信部22-1は、測定装置10が送信した生体データ応答を受信する。
(ステップS7-1)
ユーザ端末20において、処理部24は、第1通信部22-1が受信した生体データ応答を取得する。処理部24は、取得した生体データ応答に含まれる脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを取得し、取得した脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを関連付けて、記憶部28の生体データ281に記憶する。
(ステップS8-1)
ユーザ端末20において、処理部24は、記憶部28に記憶されている生体データ281を取得し、取得した生体データ281とユーザIDとを含む、楽曲提案サーバ100を宛先とする生体データ通知を作成する。
(ステップS9-1)
ユーザ端末20において、処理部24は、作成した生体データ通知を、第2通信部22-2へ出力する。第2通信部22-2は、処理部24が出力した生体データ通知を取得し、取得した生体データ通知を楽曲提案サーバ100へ送信する。
(ステップS10-1)
楽曲提案サーバ100において、通信部102は、ユーザ端末20が送信した生体データ通知を受信する。
【0029】
(ステップS11-1)
楽曲提案サーバ100において、取得部103は、通信部102が受信した生体データ通知を取得する。取得部103は、取得した生体データ通知に含まれる脈波情報PWと加速度情報ACと皮膚温度情報TSとユーザIDとを取得する。取得部103は、取得した脈波情報PWと加速度情報ACと皮膚温度情報TSとユーザIDとを関連付けて、記憶部108の生体データDB1082に記憶させる。
(ステップS12-1)
ユーザ端末20において、処理部24は、操作部26が作成した楽曲提案要求操作情報を取得する。処理部24は、取得した楽曲提案要求操作情報に基づいて、ユーザIDと楽曲提案を要求する情報とを含む、楽曲提案サーバ100を宛先とする楽曲提案要求を作成する。
(ステップS13-1)
ユーザ端末20において、処理部24は、作成した楽曲提案要求を、第2通信部22-2へ出力する。第2通信部22-2は、処理部24が出力した楽曲提案要求を取得し、取得した楽曲提案要求を楽曲提案サーバ100へ送信する。
(ステップS14-1)
楽曲提案サーバ100において、通信部102は、ユーザ端末20が送信した楽曲提案要求を受信する。
(ステップS15-1)
楽曲提案サーバ100において、取得部103は、通信部102が受信した楽曲提案要求を取得する。導出部104は、取得部103が取得した楽曲提案要求を取得する。導出部104は、取得した楽曲提案要求に含まれるユーザIDに基づいて、記憶部108に記憶されている生体データDB1082から、そのユーザIDに関連付けて記憶されている生体データを取得する。例えば、導出部104は、そのユーザIDに関連付けて記憶されている生体データのうち、前日に測定された生体データを取得する。
【0030】
(ステップS16-1)
楽曲提案サーバ100において、導出部104は、取得した生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する。
(ステップS17-1)
楽曲提案サーバ100において、判定部105は、取得部103が取得した楽曲提案要求を取得する。判定部105は、取得した楽曲提案要求に基づいて、導出部104が導出した客観的な睡眠データを取得する。判定部105は、記憶部108に記憶されている楽曲DB1081から、取得した客観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。
(ステップS18-1)
楽曲提案サーバ100において、出力部106は、判定部105から、楽曲IDを取得する。出力部106は、記憶部108に記憶された楽曲DB1081から、取得した楽曲IDに該当する楽曲の名称を取得する。出力部106は、楽曲の名称を含む、ユーザ端末20を宛先とする楽曲提案応答を作成する。
(ステップS19-1)
楽曲提案サーバ100において、出力部106は、作成した楽曲提案応答を通信部102へ出力する。通信部102は、出力部106が出力した楽曲提案応答を取得し、取得した楽曲提案応答をユーザ端末20へ送信する。
【0031】
前述した実施形態では、測定装置10がリストバンド型のウエアラブル装置である場合について説明したが、この例に限られない。例えば、測定装置10は、マットレス型や反射波を取得する据置型の装置として構成されてもよい。
前述した実施形態では、測定装置10が、被験者の脈波と加速度と皮膚温度とを測定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、測定装置10が、被験者の脈波と加速度と皮膚温度とのうち、少なくとも一つを測定するようにしてもよいし、血圧、呼吸数などの脈波と加速度と皮膚温度とは異なる生体データを測定してもよい。
前述した実施形態では、測定装置10が、ユーザ端末20が送信した生体データ要求に基づいて、生体データ応答を送信する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、測定装置10は、生体データ要求を受信することなく、生体データをユーザ端末20へ送信してもよい。
前述した実施形態では、楽曲提案サーバ100が、ユーザ端末20が送信した楽曲提案要求に基づいて、ユーザ端末20へ楽曲の提案を行う場合について説明したが、この例に限られない。例えば、楽曲提案サーバ100は、予め設定される所定の時間が到来した場合に、ユーザ端末20へ楽曲の提供を行ってもよい。ユーザ端末20が送信した楽曲提案要求に基づいて、ユーザ端末20へ楽曲の提案を行うことによって、被験者が楽曲の提案を所望する場合に、楽曲の提供を受けることができる。
前述した実施形態では、楽曲提案サーバ100が、楽曲の名称を含む楽曲提案応答を被験者のユーザ端末20へ送信する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、楽曲提案サーバ100は、楽曲の名称に該当する楽曲を被験者のユーザ端末20へ配信してもよい。
前述した実施形態では、導出部104が導出する客観的な睡眠データに基づいて、判定部105が被験者へ提案する楽曲を判定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、導出部104は、客観的な睡眠データに基づいて睡眠の問題点を判定し、睡眠の問題点の判定結果に基づいて、判定部105が被検者へ提案する楽曲を判定するようにしてもよい。
【0032】
本実施形態に係る楽曲提案システム1によれば、楽曲提案サーバ100は、被験者の生体データを取得する取得部103と、取得部103が取得する生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する導出部104と、客観的な睡眠データと楽曲とを関連付けた楽曲DB1081から、導出部104が導出する客観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する判定部105と、判定部105による楽曲の判定結果を出力する出力部106とを備える。
このように構成することによって、楽曲提案サーバ100は、被験者の生体データに基づいて客観的な睡眠データを導出し、導出した客観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定できる。また、楽曲提案サーバ100は、楽曲の判定結果を被験者に通知できるため、被験者は提案する楽曲の判定結果を取得できる。このため、楽曲提案システム1は、被験者に、睡眠の不具合を改善するための楽曲を提案できる。
【0033】
また、生体データには、被験者の脈波を示す脈波情報と、前記被験者の体の一部の加速度を示す加速度情報と、被験者の皮膚温度を示す皮膚温度情報とのうち、少なくとも一つが含まれる。このように構成することによって、楽曲提案サーバ100は、被験者の脈波を示す脈波情報と、被験者の体の一部の加速度を示す加速度情報と、被験者の皮膚温度を示す皮膚温度情報とのうち、少なくとも一つに基づいて、客観的な睡眠データを導出できる。
また、導出部104は、就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間と、睡眠時間との少なくとも一つを、客観的な睡眠データとして導出する。このように構成することによって、楽曲提案サーバ100は、被験者の生体データに基づいて、客観的な睡眠データとして、就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間と、睡眠時間との少なくとも一つを導出できる。楽曲提案サーバ100は、就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間と、睡眠時間との少なくとも一つに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定できる。
また、判定部105は、客観的な睡眠データに基づいて楽曲DB1081に含まれる楽曲の識別情報を出力する楽曲学習部1051としての学習部に対して、導出部104が導出する客観的な睡眠データを与えることによって、被験者へ提案する楽曲を判定する。このように構成することによって、楽曲提案サーバ100は、楽曲学習部1051に対して、客観的な睡眠データを与えることによって、被験者が提案する楽曲を判定できる。
また、楽曲学習部1051としての学習部とは、被験者の客観的な睡眠データと楽曲との関係が学習された学習済みモデルである。このように構成することによって、楽曲提案サーバ100は、被験者の客観的な睡眠データと楽曲との関係が学習された学習済みモデルに対して、客観的な睡眠データを与えることによって、被験者へ提案する楽曲を判定できる。
【0034】
(実施形態の変形例1)
実施形態の変形例1に係る楽曲提案システム1aの構成例は、
図1を適用できる。楽曲提案システム1aは、実施形態に係る楽曲提案システム1と比較して、楽曲提案サーバ100の代わりに楽曲提案サーバ100aを備える点で異なる。
楽曲提案システム1aでは、測定装置10は、被験者の生体データを測定する。測定装置10は、被験者の生体データの測定結果をユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20は、測定装置10が送信した被験者の生体データの測定結果を受信する。ユーザ端末20は、受信した被験者の生体データの測定結果を楽曲提案サーバ100aへ送信する。
楽曲提案サーバ100aは、ユーザ端末20が送信した被験者の生体データの測定結果を受信する。楽曲提案サーバ100aは、受信した被験者の生体データの測定結果を記憶する。
ユーザ端末20は、被験者の主観的な睡眠データを取得し、取得した被験者の主観的な睡眠データとユーザIDとを含む楽曲提案要求を楽曲提案サーバ100aへ送信する。
楽曲提案サーバ100aは、ユーザ端末20が送信した被験者の主観的な睡眠データを含む楽曲提案要求を受信する。楽曲提案サーバ100aは、受信した楽曲提案要求に含まれるユーザIDに基づいて、記憶している被験者の生体データの測定結果を取得する。
【0035】
楽曲提案サーバ100aは、取得した被検者の生体データの測定結果に基づいて、客観的な睡眠データを導出する。楽曲提案サーバ100aは、客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データと楽曲の識別情報とを関連付けた楽曲データベースを記憶している。楽曲提案サーバ100aは、楽曲データベースから、導出した客観的な睡眠データ及び楽曲提案要求に含まれる被験者の主観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。楽曲提案サーバ100aは、楽曲の判定結果を出力する。
【0036】
以下、楽曲提案システム1aに含まれる測定装置10と、ユーザ端末20と、楽曲提案サーバ100aとのうち、楽曲提案システム1と異なる楽曲提案サーバ100aの具体例について、
図2を参照して説明する。
(楽曲提案サーバ100a)
楽曲提案サーバ100aは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。楽曲提案サーバ100aの一例は、クラウドサーバである。楽曲提案サーバ100aは、例えば、通信部102と、取得部103と、導出部104と、判定部105aと、出力部106と、記憶部108とを備える。
通信部102は、ユーザ端末20が送信した生体データ通知と、楽曲提案要求とを受信する。ここで、楽曲提案要求には、被験者の主観的な睡眠データが含まれる。被験者の主観的な睡眠データは、例えば、被験者にアンケートに答えてもらうことによって取得される。
ユーザ端末20において、被験者は、主観的な睡眠データを入力する操作を行う。主観的な睡眠データの一例は、睡眠習慣、睡眠満足度である。ここでは、一例として、操作部26に対して、ユーザが、楽曲の提案を要求する操作を行う際に、主観的な睡眠データを入力する場合について説明を続ける。操作部26は、被験者が主観的な睡眠データを入力する操作を行うことによって、主観的な睡眠データを含む楽曲提案要求操作情報を作成する。
【0037】
楽曲提案サーバ100aにおいて、判定部105aは、取得部103が取得した楽曲提案要求を取得する。判定部105aは、取得した楽曲提案要求に基づいて、導出部104が導出した客観的な睡眠データを取得する。判定部105aは、取得した楽曲提案要求に含まれる主観的な睡眠データを取得する。
記憶部108には、楽曲DB1081aと、生体データDB1082とが記憶される。
楽曲DB1081aは、一又は複数の客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データと、一又は複数の睡眠データ及び主観的なデータの各々について、楽曲IDを関連付けたテーブル形式の情報である。
判定部105aは、記憶部108に記憶されている楽曲DB1081aから、取得した客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。判定部105aは、楽曲学習部1051aを備える。
楽曲学習部1051aは、客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データに基づいて楽曲IDを出力する。楽曲学習部1051aは、例えば、いわゆる機械学習済みモデルであって、被験者の客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データと当該被験者へ提案すべき楽曲IDとの関係が学習された学習済みモデルである。楽曲学習部1051aの学習過程について説明する。
【0038】
[楽曲学習部1051aの学習過程]
一般に、被験者の客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データと、当該被験者へ提案すべき楽曲とには所定の関係があることが知られている。例えば、被験者の客観的な睡眠データに含まれる就寝時刻、起床時刻、眠りの深さ、中途覚醒時間、入眠時間、睡眠時間などのうちいずれかに不具合などの問題がある場合と、被験者の主観的な睡眠データに含まれる睡眠習慣、睡眠満足度などのうちいずれかに不具合などの問題がある場合とのいずれか一方又は両方の場合には、客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データを、その問題を改善できる楽曲に分類できる。
楽曲学習部1051aは、学習過程において、客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データと、その客観的な睡眠データに含まれる問題及びその主観的な睡眠データに含まれる問題を改善できる楽曲との関係を学習する。具体的には、楽曲学習部1051aは、被験者の客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データが与えられ、楽曲IDを出力する。ここで、客観的な睡眠データに含まれる就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間と、睡眠時間との各々について問題がある場合にその問題を改善できる楽曲との関係は既知である。また、主観的な睡眠データに含まれる睡眠習慣と、睡眠満足度との各々について、問題がある場合にその問題を改善できる楽曲との関係は既知である。楽曲学習部1051aは、客観的な睡眠データに含まれるいずれかのデータの問題と、主観的な睡眠データに含まれるいずれかのデータの問題とを改善できる楽曲の楽曲IDを正解データとして、客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データと楽曲IDとの関係を学習する。この結果、楽曲学習部1051aは、客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データが供給されると、この客観的な睡眠データ及び客観的な睡眠データに対応する楽曲IDを出力するように学習される。
【0039】
(楽曲提案システムの動作)
図4は、実施形態の変形例1に係る楽曲提案システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
ステップS1-2からステップS11-2は、
図3を参照して説明したステップS1-1からステップS11-1を適用できる。
(ステップS12-2)
ユーザ端末20において、被験者は、操作部26に対して、主観的な睡眠データを入力する操作を行う。
(ステップS13-2)
ユーザ端末20において、処理部24は、操作部26から主観的な睡眠データを取得し、取得した主観的な睡眠データとユーザIDとを含む楽曲提案要求を作成する。
ステップS14-2からステップS17-2は、
図3を参照して説明したステップS13-1からステップS16-1を適用できる。
(ステップS18-2)
楽曲提案サーバ100aにおいて、判定部105aは、取得部103が取得した楽曲提案要求を取得する。判定部105aは、取得した楽曲提案要求に基づいて、導出部104が導出した客観的な睡眠データを取得する。判定部105aは、取得した楽曲提案要求に含まれる主観的な睡眠データを取得する。判定部105aは、記憶部108に記憶されている楽曲DB1081aから、取得した客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。
ステップS19-2からステップS20-2は、
図3を参照して説明したステップS18-1からステップS19-1を適用できる。
【0040】
実施形態の変形例1に係る楽曲提案システム1aによれば、楽曲提案サーバ100aは、前述した楽曲提案サーバ100において、取得部103は、被験者の主観的な睡眠データをさらに取得し、判定部105aは、取得部103が取得した被験者の主観的な睡眠データにさらに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。このように構成することによって、楽曲提案サーバ100aは、被験者の主観的な睡眠データを取得できる。楽曲提案サーバ100aは、被験者の生体データに基づいて客観的な睡眠データを導出し、導出した客観的な睡眠データに加え、主観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定できる。また、楽曲提案サーバ100aは、楽曲の判定結果を被験者に通知できるため、被験者は提案する楽曲の判定結果を取得できる。このため、楽曲提案システム1aは、被験者に、睡眠の不具合を改善するための楽曲を提案できる。
【0041】
また、判定部105aは、客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データに基づいて楽曲DB1081aに含まれる楽曲の識別情報を出力する楽曲学習部1051aとしての学習部に対して、導出部104が導出する客観的な睡眠データ及び被験者の主観的な前記睡眠データを与えることによって、被験者へ提案する楽曲を判定する。このように構成することによって、楽曲提案サーバ100aは、楽曲学習部1051aに対して、客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データを与えることによって、被験者が提案する楽曲を判定できる。
また、楽曲学習部1051aとしての学習部とは、被験者の客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データと楽曲との関係が学習された学習済みモデルである。このように構成することによって、楽曲提案サーバ100aは、被験者の客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データと楽曲との関係が学習された学習済みモデルに対して、客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データを与えることによって、被験者へ提案する楽曲を判定できる。
【0042】
(実施形態の変形例2)
実施形態の変形例2に係る楽曲提案システム1bの構成例は、
図1を適用できる。楽曲提案システム1bは、実施形態に係る楽曲提案システム1と比較して、楽曲提案サーバ100の代わりに楽曲提案サーバ100bを備える点で異なる。
楽曲提案システム1bでは、測定装置10は、被験者の生体データを測定する。測定装置10は、被験者の生体データの測定結果をユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20は、測定装置10が送信した被験者の生体データの測定結果を受信する。ユーザ端末20は、受信した被験者の生体データの測定結果を楽曲提案サーバ100bへ送信する。
楽曲提案サーバ100bは、ユーザ端末20が送信した被験者の生体データの測定結果を受信する。楽曲提案サーバ100bは、受信した被験者の生体データの測定結果を記憶する。
【0043】
楽曲提案サーバ100bは、一週間などの所定の期間が経過したか否かを判定する。楽曲提案サーバ100bは、所定の期間が経過したと判定した場合に、所定の期間の間に記憶された被験者の生体データの測定結果に基づいて、客観的な睡眠データを導出する。
楽曲提案サーバ100bは、客観的な睡眠データと、将来生じるであろう睡眠の不具合などの問題点を特定する情報とを関連付けた問題点データベースを記憶している。楽曲提案サーバ100bは、問題点データベースから、導出した客観的な睡眠データに基づいて、将来生じるであろう睡眠の問題点を判定する。
楽曲提案サーバ100bは、睡眠の問題点を特定する情報と楽曲とを関連付けた楽曲データベースを記憶している。楽曲提案サーバ100bは、楽曲データベースから、導出した将来生じるであろう睡眠の問題点を特定する情報に基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。楽曲提案サーバ100bは、楽曲の判定結果を出力する。
【0044】
以下、楽曲提案システム1bに含まれる測定装置10と、ユーザ端末20と、楽曲提案サーバ100bとのうち、楽曲提案システム1と異なる楽曲提案サーバ100bの具体例について説明する。
図5は、実施形態の変形例2に係る楽曲提案システムに含まれる測定装置とユーザ端末と楽曲提案サーバとの詳細を示す図である。
(楽曲提案サーバ100b)
楽曲提案サーバ100bは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。楽曲提案サーバ100bの一例は、クラウドサーバである。楽曲提案サーバ100bは、例えば、通信部102と、取得部103と、導出部104bと、判定部105bと、出力部106と、記憶部108bとを備える。
【0045】
導出部104bは、導出部104を適用できる。ただし、導出部104bは、記憶部108bに記憶されている生体データDB1082から、一又は複数のユーザIDの各々に関連付けて記憶されている所定の期間の生体データを取得する。導出部104bは、取得した所定の期間の生体データに含まれる複数の脈波情報PWと複数の加速度情報ACと複数の皮膚温度情報TSとに基づいて、客観的な睡眠データを複数導出する。
記憶部108bは、楽曲DB1081bと、生体データDB1082と、問題点DB1083bとを備える。
楽曲DB1081bは、一又は複数の睡眠の不具合などの問題点を特定する情報と、一又は複数の睡眠の問題点を特定する情報の各々について、楽曲の名称と、その楽曲の楽曲IDとを関連付けたテーブル形式の情報である。
問題点DB1083bは、一又は複数の客観的な睡眠データと、一又は複数の睡眠データの各々について、睡眠の不具合などの将来生じるであろう睡眠の問題点を特定する情報とを関連付けたテーブル形式の情報である。
【0046】
判定部105bは、所定の期間が経過したか否かを判定する。判定部105bは、所定の期間が経過したと判定した場合に、導出部104bに所定の期間に取得された生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出させる。判定部105bは、導出部104bが導出した客観的な睡眠データを取得する。判定部105bは、記憶部108bに記憶されている問題点DB1083bから、取得した客観的な睡眠データに基づいて、将来生じるであろう睡眠の問題点を判定する。判定部105bは、問題点学習部1052bを備える。
問題点学習部1052bは、客観的な睡眠データに基づいて将来生じるであろう睡眠の問題点を特定する情報を出力する。問題点学習部1052bは、例えば、いわゆる機械学習済みモデルであって、被験者の客観的な睡眠データと当該被験者の将来生じるであろう睡眠の問題点を特定する情報との関係が学習された学習済みモデルである。問題点学習部1052bの学習過程について説明する。
【0047】
[問題点学習部1052bの学習過程]
一般に、被験者の客観的な睡眠データと、当該被験者の将来生じるであろう睡眠の問題点とには所定の関係があることが知られている。例えば、被験者の客観的な睡眠データに含まれる就寝時刻、起床時刻、眠りの深さ、中途覚醒時間、入眠時間、睡眠時間などを、将来生じるであろう睡眠の問題点に分類できる。
問題点学習部1052bは、学習過程において、客観的な睡眠データと、将来生じるであろう睡眠の問題点との関係を学習する。具体的には、問題点学習部1052bは、被験者の客観的な睡眠データが与えられ、将来生じるであろう睡眠の問題点を特定する情報を出力する。ここで、客観的な睡眠データに含まれる就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間と、睡眠時間との各々について、将来生じるであろう睡眠の問題点との関係は既知である。問題点学習部1052bは、客観的な睡眠データに含まれるいずれかのデータから想定される将来生じるであろう睡眠の問題点を特定する情報を正解データとして、客観的な睡眠データと将来生じるであろう睡眠の問題点との関係を学習する。この結果問題点学習部1052bは、客観的な睡眠データが供給されると、この客観的な睡眠データに対応する将来生じるであろう睡眠の問題点を特定する情報を出力するように学習される。
また、判定部105bは、記憶部108bに記憶されている楽曲DB1081bから、取得した将来生じるであろう睡眠の問題点を特定する情報に基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。判定部105bは、楽曲学習部1051bを備える。
楽曲学習部1051bは、睡眠の問題点を特定する情報に基づいて楽曲IDを出力する。楽曲学習部1051bは、例えば、いわゆる機械学習済みモデルであって、被験者の睡眠の問題点を特定する情報と当該被験者へ提案すべき楽曲IDとの関係が学習された学習済みモデルである。楽曲学習部1051bの学習過程について説明する。
【0048】
[楽曲学習部1051bの学習過程]
一般に、被験者の睡眠の問題点を特定する情報と、当該被験者へ提案すべき楽曲とには所定の関係があることが知られている。例えば、被験者の客観的な睡眠データに含まれる就寝時刻、起床時刻、眠りの深さ、中途覚醒時間、入眠時間、睡眠時間などのうちいずれかに不具合などの問題がある場合には、睡眠の問題点を、その問題を改善できる楽曲に分類できる。
楽曲学習部1051bは、学習過程において、睡眠の問題点を特定する情報と、その睡眠の問題点を改善できる楽曲との関係を学習する。
具体的には、楽曲学習部1051bは、被験者の睡眠の問題点を特定する情報が与えられ、楽曲IDを出力する。ここで、睡眠の問題点を特定する情報に含まれる就寝時刻の問題点と、起床時刻の問題点と、眠りの深さの問題点と、中途覚醒時間の問題点と、入眠時間の問題点と、睡眠時間の問題点との各々について、問題がある場合にその問題を改善できる楽曲との関係は既知である。楽曲学習部1051bは、睡眠の問題点を特定する情報に含まれるいずれかの問題点を改善できる楽曲の楽曲IDを正解データとして、睡眠の問題点を特定する情報と楽曲IDとの関係を学習する。この結果楽曲学習部1051bは、睡眠の問題点を特定する情報が供給されると、この睡眠の問題点を特定する情報に対応する楽曲IDを出力するように学習される。
【0049】
(楽曲提案システムの動作)
図6は、実施形態の変形例2に係る楽曲提案システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
ステップS1-3からステップS11-3は、
図3を参照して説明したステップS1-1からステップS11-1を適用できる。
(ステップS12-3)
楽曲提案サーバ100bにおいて、判定部105bは、一週間などの所定の期間が経過したか否かを判定する。所定の期間が経過していないと判定した場合にはステップS12-3へ戻り、所定の期間が経過していると判定した場合にはステップS13-3へ移行する。
(ステップS13-3)
楽曲提案サーバ100bにおいて、取得部103は、生体データDB1082から所定の間に記憶された客観的な睡眠データを取得する。
(ステップS14-3)
ユーザ端末20において、処理部24は、操作部26が作成した楽曲提案要求操作情報を取得する。処理部24は、取得した楽曲提案要求操作情報に基づいて、ユーザIDと楽曲提案を要求する情報とを含む、楽曲提案サーバ100bを宛先とする楽曲提案要求を作成する。
(ステップS15-3)
ユーザ端末20において、処理部24は、作成した楽曲提案要求を、第2通信部22-2へ出力する。第2通信部22-2は、処理部24が出力した楽曲提案要求を取得し、取得した楽曲提案要求を楽曲提案サーバ100bへ送信する。
(ステップS16-3)
楽曲提案サーバ100bにおいて、通信部102は、ユーザ端末20が送信した楽曲提案要求を受信する。
(ステップS17-3)
楽曲提案サーバ100bにおいて、導出部104bは、取得部103が取得した生体データを取得する。導出部104bは、取得した生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する。
(ステップS18-3)
楽曲提案サーバ100bにおいて、判定部105bは、導出部104bが導出した客観的な睡眠データを取得する。判定部105bは、記憶部108bに記憶されている問題点DB1083bから、取得した客観的な睡眠データに基づいて、将来の睡眠の問題点を判定する。
【0050】
(ステップS19-3)
楽曲提案サーバ100bにおいて、判定部105bは、記憶部108bに記憶されている楽曲DB1081bから、取得した将来の睡眠の問題点を特定する情報に基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。
(ステップS20-3)
楽曲提案サーバ100bにおいて、出力部106は、判定部105bから、楽曲IDを取得する。出力部106は、記憶部108に記憶された楽曲DB1081bから取得した楽曲IDに該当する楽曲の名称を取得する。出力部106は、楽曲の名称を含む、ユーザ端末20を宛先とする楽曲提案を作成する。
(ステップS21-3)
楽曲提案サーバ100bにおいて、出力部106は、作成した楽曲提案を通信部102へ出力する。通信部102は、出力部106が出力した楽曲提案を取得し、取得した楽曲提案をユーザ端末20へ送信する。
【0051】
本実施形態に係る楽曲提案システム1bによれば、楽曲提案サーバ100bは、前述した楽曲提案サーバ100において、取得部103は、被験者の所定の期間の生体データを取得し、導出部104bは、取得部103が取得する被験者の所定の期間の生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する。このように構成することによって、楽曲提案サーバ100bは、被験者の所定の期間の生体データに基づいて客観的な睡眠データを導出し、導出した客観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定できる。また、楽曲提案サーバ100bは、楽曲の判定結果を被験者に通知できるため、被験者は提案する楽曲の判定結果を取得できる。このため、楽曲提案システム1bは、被験者に、睡眠の不具合を改善するための楽曲を提案できる。
【0052】
(実施形態の変形例3)
実施形態の変形例3に係る楽曲提案システム1cの構成例は、
図1を適用できる。楽曲提案システム1cは、実施形態に係る楽曲提案システム1と比較して、楽曲提案サーバ100の代わりに楽曲提案サーバ100cを備える点で異なる。
楽曲提案システム1cでは、測定装置10は、被験者の生体データを測定する。測定装置10は、被験者の生体データの測定結果をユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20は、測定装置10が送信した被験者の生体データの測定結果を受信する。ユーザ端末20は、受信した被験者の生体データの測定結果を楽曲提案サーバ100cへ送信する。
楽曲提案サーバ100cは、ユーザ端末20が送信した被験者の生体データの測定結果を受信する。楽曲提案サーバ100cは、受信した被験者の生体データの測定結果を記憶する。
ユーザ端末20は、被験者の主観的な睡眠データを取得し、取得した被験者の主観的な睡眠データを含む睡眠データ通知を作成する。ユーザ端末20は、作成した睡眠データ通知を、楽曲提案サーバ100cへ送信する。
楽曲提案サーバ100cは、ユーザ端末20が送信した被験者の主観的な睡眠データを受信する。楽曲提案サーバ100cは、受信した被験者の主観的な睡眠データを記憶する。
【0053】
楽曲提案サーバ100cは、一週間などの所定の期間が経過したか否かを判定する。楽曲提案サーバ100cは、所定の期間が経過したと判定した場合に、所定の期間の間に記憶された被験者の生体データの測定結果に基づいて、客観的な睡眠データを導出する。
楽曲提案サーバ100cは、被験者の睡眠の質の一又は複数の改善度と、睡眠の質の一又は複数の改善度の各々について、前日の客観的睡眠データと、楽曲の名称と、楽曲の楽曲IDとを関連付けた楽曲データベースを記憶している。
楽曲提案サーバ100cは、記憶している被験者の生体データの測定結果から、前日に測定されたものを取得する。楽曲提案サーバ100cは、取得した被検者の前日の生体データの測定結果に基づいて、客観的な睡眠データを導出する。
楽曲提案サーバ100cは、楽曲データベースから、導出した客観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。楽曲提案サーバ100cは、楽曲の判定結果を出力する。
【0054】
以下、楽曲提案システム1cに含まれる測定装置10と、ユーザ端末20と、楽曲提案サーバ100cとのうち、楽曲提案システム1と異なる楽曲提案サーバ100cの具体例について説明する。
図7は、実施形態の変形例3に係る楽曲提案システムに含まれる測定装置とユーザ端末と楽曲提案サーバとの詳細を示す図である。
(楽曲提案サーバ100c)
楽曲提案サーバ100cは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。楽曲提案サーバ100cの一例は、クラウドサーバである。楽曲提案サーバ100cは、例えば、通信部102と、取得部103と、導出部104cと、判定部105cと、出力部106と、記憶部108cとを備える。
通信部102は、ユーザ端末20が送信した睡眠データ通知を受信する。ここで、睡眠データ通知には、被験者の主観的な睡眠データが含まれる。
導出部104cは、導出部104を適用できる。ただし、導出部104cは、客観的な睡眠データをスコア化する。導出部104cは、就寝時刻、起床時刻、眠りの深さ、中途覚醒時間、入眠時間、睡眠時間などの客観的な睡眠状態を示すデータをスコア化する。また、導出部104cは、通信部102が受信した睡眠データ通知を取得し、取得した睡眠データ通知に含まれる被検者の主観的な睡眠データを取得する。導出部104cは、取得した被検者の主観的な睡眠データをスコア化する。導出部104cは、睡眠習慣、睡眠満足度などの主観的な睡眠状態を示すデータをスコア化する。導出部104cは、客観的な睡眠データをスコア化した結果と主観的な睡眠データをスコア化した結果とに基づいて、被験者の睡眠の質の改善度を導出する。具体的には、導出部104cは、被験者が楽曲を聴取した場合の客観的な睡眠データをスコア化した結果及び主観的な睡眠データをスコア化した結果と、聴取しなかった場合の客観的な睡眠データをスコア化した結果及び主観的な睡眠データをスコア化した結果とを比較することによって、被験者の睡眠の質の改善度を導出する。ここで、被験者が楽曲を聴取しなかった場合の客観的な睡眠データをスコア化した結果及び主観的な睡眠データをスコア化した結果は、被験者へ楽曲を提案する前に取得された生体データから導出された客観的な睡眠データ及び主観的な睡眠データが使用されてもよい。導出部104cは、導出した被検者の睡眠の質の改善度を特定する情報を、記憶部108cの楽曲DB1081cに該当する楽曲と関連付けて記憶させる。
【0055】
楽曲DB1081cは、被験者の睡眠の質の一又は複数の改善度と、睡眠の質の一又は複数の改善度の各々について、前日の客観的睡眠データと、楽曲の名称と、楽曲の楽曲IDとを関連付けたテーブル形式の情報である。被験者の睡眠の質の改善度は、楽曲IDに該当する楽曲を聴取することによるものである。
生体データDB1082cは、一又は複数のユーザのユーザIDと、一又は複数のユーザIDの各々について、脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSと主観的な睡眠データとを関連付けたテーブル形式の情報である。
判定部105cは、導出部104cが導出した客観的な睡眠データのうち、前日に該当するものを取得する。判定部105cは、記憶部108cに記憶されている楽曲DB1081cから、取得した前日に該当する客観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。判定部105cは、該当する楽曲が複数ある場合には、複数の楽曲の各々に関連付けられている被験者の睡眠の質の改善度に基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。例えば、判定部105cは、被検者の睡眠の質の改善度が最も高い楽曲を判定する。このように構成することによって、被験者に最適な楽曲を判定できる。判定部105cは、楽曲学習部1051bを備える。
【0056】
(楽曲提案システムの動作)
図8は、実施形態の変形例3に係る楽曲提案システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。楽曲提案システム1cの動作において、
図6を参照して説明したステップS1-3からS11-3は共通するため、ステップS11-3より後の動作について説明する。
(ステップS1-4)
ユーザ端末20において、処理部24は、操作部26に入力された被験者の主観的な睡眠データを取得し、取得した被験者の主観的な睡眠データとユーザIDとを含む、楽曲提案サーバ100を宛先とする睡眠データ通知を作成する。
(ステップS2-4)
ユーザ端末20において、処理部24は、作成した睡眠データ通知を、第2通信部22-2へ出力する。第2通信部22-2は、処理部24が出力した睡眠データ通知を取得し、取得した睡眠データ通知を楽曲提案サーバ100cへ送信する。
(ステップS3-4)
楽曲提案サーバ100cにおいて、通信部102は、ユーザ端末20が送信した睡眠データ通知を受信する。
(ステップS4-4)
楽曲提案サーバ100cにおいて、取得部103は、通信部102が受信した睡眠データ通知を取得する。取得部103は、取得した睡眠データ通知に含まれる被験者の主観的な睡眠データとユーザIDとを取得する。取得部103は、取得した被験者の主観的な睡眠データとユーザIDとを関連付けて、記憶部108の生体データDB1082cに記憶させる。
(ステップS5-4)
楽曲提案サーバ100cにおいて、判定部105cは、一週間などの所定の期間が経過したか否かを判定する。所定の期間が経過していないと判定した場合にはステップS5-4へ戻り、所定の期間が経過していると判定した場合にはステップS6-4へ移行する。
【0057】
(ステップS6-4)
楽曲提案サーバ100cにおいて、導出部104cは、客観的な睡眠データをスコア化する。導出部104cは、被検者の主観的な睡眠データをスコア化する。導出部104cは、客観的な睡眠データをスコア化した結果と主観的な睡眠データをスコア化した結果とに基づいて、被験者の睡眠の質の改善度を導出する。
(ステップS7-4)
楽曲提案サーバ100cにおいて、導出部104cは、導出した被検者の睡眠の質の改善度を特定する情報を、記憶部108cの楽曲DB1081cに該当する楽曲と関連付けて記憶させる。
(ステップS8-4)
ユーザ端末20において、処理部24は、操作部26が作成した楽曲提案要求操作情報を取得する。処理部24は、取得した楽曲提案要求操作情報に基づいて、ユーザIDと楽曲提案を要求する情報とを含む、楽曲提案サーバ100cを宛先とする楽曲提案要求を作成する。
(ステップS9-4)
ユーザ端末20において、処理部24は、作成した楽曲提案要求を、第2通信部22-2へ出力する。第2通信部22-2は、処理部24が出力した楽曲提案要求を取得し、取得した楽曲提案要求を楽曲提案サーバ100cへ送信する。
(ステップS10-4)
楽曲提案サーバ100cにおいて、通信部102は、ユーザ端末20が送信した楽曲提案要求を受信する。
(ステップS11-4)
楽曲提案サーバ100cにおいて、導出部104cは、取得した生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する。
(ステップS12-4)
楽曲提案サーバ100cにおいて、判定部105cは、導出部104cが導出した客観的な睡眠データのうち、前日に該当するものを取得する。判定部105cは、記憶部108cに記憶されている楽曲DB1081cから、取得した前日に該当する客観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を1曲以上判定する。楽曲が複数ある場合は、複数の楽曲の各々に関連付けられている被験者の睡眠の質の改善度に基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。
ステップS13-4からS14-4は、前述したステップS18-1からS19-2を適用できるため、ここでの説明は省略する。
【0058】
実施形態の変形例3では、楽曲提案サーバ100cが客観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲が複数ある場合には、複数の楽曲の各々に関連付けられている被験者の睡眠の質の改善度に基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、複数の楽曲の各々に関連付けられている被験者の睡眠の質の改善度に基づいて、被験者へ提案する楽曲が複数ある場合には、客観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定してもよい。 実施形態の変形例3において、楽曲提案サーバ100cは、一又は複数の睡眠の問題点を特定する情報と、一又は複数の睡眠の問題点を特定する情報の各々について、楽曲の名称と、楽曲の楽曲IDと、楽曲IDに該当する楽曲を聴取することによる被験者の睡眠の質の改善度とを関連付けた楽曲DBと、客観的な睡眠データと、睡眠の不具合などの問題点を特定する情報とを関連付けた問題点データベースとを記憶してもよい。楽曲提案サーバ100cは、問題点データベースから、導出した客観的な睡眠データに基づいて、睡眠の問題点を判定してもよい。楽曲提案サーバ100cは、睡眠の問題点の判定結果に基づいて、楽曲DBから、取得した睡眠の問題点を特定する情報に基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定してもよい。
実施形態の変形例3に係る楽曲提案システム1cによれば、楽曲提案サーバ100cは、前述した楽曲提案サーバ100において、楽曲DB1081cは、楽曲を聴取することによる睡眠の質の改善度をさらに関連付け、判定部105cは、楽曲DB1081cから、導出部104cが導出する客観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。このように構成することによって、楽曲提案サーバ100cは、導出した客観的な睡眠データに基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する際に、楽曲を聴取することによる睡眠の質の改善度に基づいて判定できる。また、楽曲提案サーバ100cは、楽曲の判定結果を被験者に通知できるため、被験者は提案する楽曲の判定結果を取得できる。このため、楽曲提案システム1cは、被験者に、睡眠の不具合を改善するための楽曲を提案できる。
【0059】
(実施形態の変形例4)
実施形態の変形例4に係る楽曲提案システム1dの構成例は、
図1を適用できる。楽曲提案システム1dは、実施形態に係る楽曲提案システム1と比較して、楽曲提案サーバ100の代わりに楽曲提案サーバ100dを備える点で異なる。
楽曲提案システム1dでは、測定装置10は、被験者の生体データを測定する。測定装置10は、被験者の生体データの測定結果をユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20は、測定装置10が送信した被験者の生体データの測定結果を受信する。ユーザ端末20は、受信した被験者の生体データの測定結果を楽曲提案サーバ100dへ送信する。
楽曲提案サーバ100dは、ユーザ端末20が送信した被験者の生体データの測定結果を受信する。楽曲提案サーバ100dは、受信した被験者の生体データの測定結果を記憶する。
測定装置10は、被験者の他の生体データを測定する。測定装置10は、被験者の他の生体データの測定結果をユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20は、測定装置10が送信した被験者の他の生体データの測定結果を受信する。ユーザ端末20は、受信した被験者の他の生体データの測定結果を楽曲提案サーバ100dへ送信する。
楽曲提案サーバ100dは、ユーザ端末20が送信した被験者の他の生体データの測定結果を受信する。
【0060】
楽曲提案サーバ100dは、受信した被験者の生体データの測定結果に基づいて、客観的な睡眠データを導出する。
楽曲提案サーバ100dは、受信した被験者の他の生体データの測定結果に基づいて、被験者の自律神経活動度を導出する。
楽曲提案サーバ100dは、客観的な睡眠データ及び自律神経活動度と睡眠の不具合などの問題点を特定する情報とを関連付けた問題点データベースを記憶している。楽曲提案サーバ100dは、問題点データベースから、導出した客観的な睡眠データ及び自律神経活動度に基づいて、睡眠の問題点を判定する。
楽曲提案サーバ100dは、睡眠の問題点を特定する情報と楽曲の名称と楽曲の楽曲IDと睡眠の問題の改善度とを関連付けた楽曲データベースを記憶している。楽曲提案サーバ100dは、楽曲データベースから、導出した睡眠の問題点を特定する情報に基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。楽曲提案サーバ100dは、楽曲の判定結果を出力する。
【0061】
以下、楽曲提案システム1dに含まれる測定装置10と、ユーザ端末20と、楽曲提案サーバ100dとのうち、楽曲提案システム1と異なる楽曲提案サーバ100dの具体例について、説明する。
図9は、実施形態の変形例4に係る楽曲提案システムに含まれる測定装置とユーザ端末と楽曲提案サーバとの詳細を示す図である。
(楽曲提案サーバ100d)
楽曲提案サーバ100dは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。楽曲提案サーバ100dの一例は、クラウドサーバである。楽曲提案サーバ100dは、例えば、通信部102と、取得部103と、導出部104dと、判定部105dと、出力部106と、記憶部108dとを備える。
通信部102は、ユーザ端末20が送信した生体データ通知と、他の生体データ通知とを受信する。ここで、他の生体データ通知には、被験者の脈波データが含まれる。ここで、他の生体データ通知に含まれる被検者の脈波データは日中の測定されたものである。
取得部103は、通信部102が受信した他の生体データ通知を取得する。
【0062】
導出部104dは、導出部104を適用できる。ただし、導出部104dは、取得部103が取得した他の生体データ通知を取得する。導出部104dは、取得した他の生体データ通知に含まれる脈波データに基づいて、自律神経活動度を導出する。例えば、導出部104dは、脈波の変動を高速フーリエ変換等のスペクトル解析を行うことによって、心拍変異度(Heart Rate Variability)を導出する。心拍変異度は自律神経活動の指標であり、心拍間隔(R-R間隔)や心拍変動(ゆらぎ)の周波数を解析することで、自律神経(交感神経や副交感神経)活動の変化を知ることができる。心拍変異度には様々な項目がある。以下、項目の一例として、HRと、pNN50と、LnHFとについて説明する。
HR(心拍数)は、所定時間内における平均心拍数である。HRは、交感神経が優位になると増加し、副交感神経が優位になると減少する。pNN50は、隣接する心拍間隔(R-R間隔)の差が50msecを超える比率である。pNN50は、主に副交感神経活動を反映する。LnHF(High Frequency成分の対数)は、0.15Hz~0.4Hzの周波数帯のパワースペクトルである。LnHFは、交感神経や副交感神経の活動を反映する。
【0063】
記憶部108dには、楽曲DB1081dと、生体データDB1082dと問題点DB1083dとが記憶される。
楽曲DB1081dは、一又は複数の睡眠の問題点を特定する情報と、一又は複数の睡眠の問題点を特定する情報の各々について、楽曲の名称と、楽曲の楽曲IDとを関連付けたテーブル形式の情報である。
生体データDB1082dは、一又は複数のユーザのユーザIDと、一又は複数のユーザIDの各々について、脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSと主観的な睡眠データと、脈波データとを関連付けたテーブル形式の情報である。
問題点DB1083dは、一又は複数の客観的な睡眠データ及び自律神経活動と、一又は複数の客観的な睡眠データ及び自律神経活動度の各々について、睡眠の不具合などの睡眠の問題点を特定する情報及び睡眠の問題点の程度とを関連付けたテーブル形式の情報である。
判定部105dは、取得部103が取得した他の生体データを取得する。判定部105dは、取得した他の生体データに基づいて、導出部104dが導出した客観的な睡眠データと、自律神経活動度とを取得する。
【0064】
判定部105dは、記憶部108dに記憶されている問題点DB1083dから、取得した客観的な睡眠データ及び自律神経活動度に基づいて、睡眠の問題点及び睡眠の問題点の程度を判定する。判定部105dは、問題点学習部1052dを備える。
問題点学習部1052dは、客観的な睡眠データ及び自律神経活動度に基づいて睡眠の問題点を特定する情報及び睡眠の問題点の程度を出力する。問題点学習部1052dは、例えば、いわゆる機械学習済みモデルであって、被験者の客観的な睡眠データ及び自律神経活動度と当該被験者の睡眠の問題点を特定する情報及び睡眠の問題点の程度との関係が学習された学習済みモデルである。問題点学習部1052dの学習過程について説明する。
【0065】
[問題点学習部1052dの学習過程]
一般に、被験者の客観的な睡眠データ及び自律神経活動度と、当該被験者の睡眠の問題点とには所定の関係があることが知られている。例えば、被験者の客観的な睡眠データに含まれる就寝時刻、起床時刻、眠りの深さ、中途覚醒時間、入眠時間、睡眠時間などのうちいずれかと、被験者の自律神経活動度とのいずれか一方又は両方を、睡眠の問題点に分類できる。
問題点学習部1052dは、学習過程において、客観的な睡眠データ及び自律神経活動と、睡眠の問題点との関係を学習する。具体的には、問題点学習部1052dは、被験者の客観的な睡眠データ及び自律神経活動度が与えられ、睡眠の問題点を特定する情報を出力する。ここで、客観的な睡眠データに含まれる就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間と、睡眠時間との各々について、睡眠の問題点との関係は既知である。自律神経活動について、睡眠の問題点との関係は既知である。問題点学習部1052dは、客観的な睡眠データに含まれるいずれかと、自律神経活動度とから想定される睡眠の問題点を正解データとして、客観的な睡眠データ及び自律神経活動と睡眠の問題点との関係を学習する。この結果問題点学習部1052dは、客観的な睡眠データ及び自律神経活動が供給されると、この客観的な睡眠データ及び自律神経活動に対応する睡眠の問題点を出力するように学習される。
また、判定部105dは、記憶部108dに記憶されている楽曲DB1081dから、取得した睡眠の問題点を特定する情報に基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。判定部105dは、楽曲学習部1051bを備える。楽曲学習部1051bは、睡眠の問題点を特定する情報に基づいて楽曲IDを出力する。楽曲学習部1051bは、例えば、いわゆる機械学習済みモデルであって、被験者の睡眠の問題点を特定する情報と当該被験者へ提案すべき楽曲IDとの関係が学習された学習済みモデルである。
【0066】
(楽曲提案システムの動作)
図10は、実施形態の変形例4に係る楽曲提案システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図10において、
図3を参照して説明したステップS1-1からS11-1の処理は、省略されている。
(ステップS1-5)
ユーザ端末20において、操作部26は、被験者が他の生体データを取得する操作を行うことによって、他の生体データ要求操作情報を作成する。処理部24は、操作部26が作成した他の生体データ要求操作情報を取得する。処理部24は、取得した他の生体データ要求操作情報に基づいて、測定装置10を宛先とする、他の生体データ要求を作成する。
(ステップS2-5)
ユーザ端末20において、処理部24は、作成した他の生体データ要求を、第1通信部22-1へ出力する。第1通信部22-1は、処理部24が出力した他の生体データ要求を取得する。第1通信部22-1は、取得した他の生体データ要求を測定装置10へ送信する。
(ステップS3-5)
測定装置10において、通信部12は、ユーザ端末20が送信した他の生体データ要求を受信する。処理部15は、通信部12が受信した他の生体データ要求を取得する。処理部15は、取得した他の生体データ要求に基づいて、測定部14が測定することによって得られた他の生体データを含む、ユーザ端末20を宛先とする他の生体データ応答を作成する。ここで、他の生体データは、日中に測定されたものである。
(ステップS4-5)
測定装置10において、処理部15は作成した他の生体データ応答を、通信部12へ出力する。通信部12は、処理部15が出力した他の生体データ応答を取得する。通信部12は、取得した他の生体データ応答を、ユーザ端末20へ送信する。
【0067】
(ステップS5-5)
ユーザ端末20において、第1通信部22-1は、測定装置10が送信した他の生体データ応答を受信する。
(ステップS6-5)
ユーザ端末20において、処理部24は、第1通信部22-1が受信した他の生体データ応答を取得する。処理部24は、取得した他の生体データ応答に含まれる脈波データを、記憶部28の生体データ281に記憶する。
(ステップS7-5)
ユーザ端末20において、処理部24は、他の生体データとユーザIDとを含む、楽曲提案サーバ100を宛先とする他の生体データ通知を作成する。
(ステップS8-5)
ユーザ端末20において、処理部24は、作成した他の生体データ通知を、第2通信部22-2へ出力する。第2通信部22-2は、処理部24が出力した他の生体データ通知を取得し、取得した他の生体データ通知を楽曲提案サーバ100dへ送信する。
(ステップS9-5)
楽曲提案サーバ100dにおいて、通信部102は、ユーザ端末20が送信した他の生体データ通知を受信する。
(ステップS10-5)
楽曲提案サーバ100dにおいて、取得部103は、通信部102が受信した他の生体データ通知を取得する。取得部103は、取得した他の生体データ通知に含まれる脈波データとユーザIDとを取得する。取得部103は、取得した脈波データとユーザIDとを関連付けて、記憶部108の生体データDB1082dに記憶させる。
【0068】
(ステップS11-5)
ユーザ端末20において、処理部24は、操作部26が作成した楽曲提案要求操作情報を取得する。処理部24は、取得した楽曲提案要求操作情報に基づいて、ユーザIDと楽曲提案を要求する情報とを含む、楽曲提案サーバ100を宛先とする楽曲提案要求を作成する。
(ステップS12-5)
ユーザ端末20において、処理部24は、作成した楽曲提案要求を、第2通信部22-2へ出力する。第2通信部22-2は、処理部24が出力した楽曲提案要求を取得し、取得した楽曲提案要求を楽曲提案サーバ100へ送信する。
(ステップS13-5)
楽曲提案サーバ100において、通信部102は、ユーザ端末20が送信した楽曲提案要求を受信する。
(ステップS14-5)
楽曲提案サーバ100dにおいて、導出部104dは、取得部103が取得した他の生体データ通知を取得する。導出部104dは、取得した他の生体データ通知に含まれるユーザIDに基づいて、記憶部108dに記憶されている生体データDB1082dから、そのユーザIDに関連付けて記憶されている生体データを取得する。例えば、導出部104dは、前日に測定された生体データを取得する。
(ステップS15-5)
楽曲提案サーバ100dにおいて、導出部104dは、取得した生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する。
(ステップS16-5)
楽曲提案サーバ100dにおいて、導出部104dは、取得部103が取得した脈波データを取得する。導出部104dは、取得した脈波データに基づいて、自律神経活動を導出する。
(ステップS17-5)
楽曲提案サーバ100dにおいて、判定部105dは、導出部104dが導出した客観的な睡眠データ及び自律神経活動度を取得する。判定部105dは、記憶部108dに記憶されている問題点DB1083dから、取得した客観的な睡眠データ及び自律神経活動度に基づいて、将来の睡眠の問題点を判定する。例えば、他の生体データが測定された日の夜の睡眠の問題点を判定する。
(ステップS18-5)
楽曲提案サーバ100dにおいて、判定部105dは、記憶部108dに記憶されている楽曲DB1081dから、取得した将来の睡眠の問題点を特定する情報に基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。
(ステップS19-5)
楽曲提案サーバ100dにおいて、出力部106は、判定部105dから、楽曲IDを取得する。出力部106は、記憶部108に記憶された楽曲DB1081dから取得した楽曲IDに該当する楽曲の名称を取得する。出力部106は、楽曲の名称を含む、ユーザ端末20を宛先とする楽曲提案を作成する。
(ステップS20-5)
楽曲提案サーバ100dにおいて、出力部106は、作成した楽曲提案を通信部102へ出力する。通信部102は、出力部106が出力した楽曲提案を取得し、取得した楽曲提案をユーザ端末20へ送信する。
【0069】
前述した実施形態の変形例4では、楽曲提案サーバ100dは、前日に測定された生体データに基づいて客観的な睡眠データを導出し、日中の脈波データに基づいて自律神経活動を導出する。楽曲提案サーバ100dは、問題点DB1083dから、導出した客観的な睡眠データ及び自律神経活動度に基づいて、将来の睡眠の問題点を判定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、楽曲提案サーバ100dは、過去一定期間の測定された生体データに基づいて客観的な睡眠データを導出し、日中の脈波データに基づいて自律神経活動を導出する。楽曲提案サーバ100dは、問題点DB1083dから、導出した客観的な睡眠データ及び自律神経活動度に基づいて、将来の睡眠の問題点を判定してもよい。
実施形態の変形例4に係る楽曲提案システム1dによれば、楽曲提案サーバ100dは、前述した楽曲提案サーバ100において、取得部103は、被験者の他の生体データをさらに取得し、導出部104dは、取得部103が取得する他の生体データに基づいて、被験者の自律神経活動度をさらに導出し、判定部105dは、客観的な睡眠データ及び自律神経活動度と楽曲とを関連付けた楽曲データベースから、導出部104dが導出する客観的な睡眠データ及び自律神経活動度に基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定する。このように構成することによって、楽曲提案サーバ100dは、被験者の他の生体データをさらに取得でき、取得した他の生体データに基づいて、被験者の自律神経活動度をさらに導出できる。楽曲提案サーバ100dは、客観的な睡眠データ及び自律神経活動度と楽曲とを関連付けた楽曲DB1081dから、客観的な睡眠データ及び自律神経活動度に基づいて、被験者へ提案する楽曲を判定できる。また、楽曲提案サーバ100dは、楽曲の判定結果を被験者に通知できるため、被験者は提案する楽曲の判定結果を取得できる。このため、楽曲提案システム1dは、被験者に、睡眠の不具合を改善するための楽曲を提案できる。
【0070】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してコンピュータプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0071】
1、1a、1b、1c、1d…楽曲提案システム、10…測定装置、12…通信部、14…測定部、15…処理部、16…操作部、18…記憶部、20…ユーザ端末、22-1…第1通信部、22-2…第2通信部、24…処理部、26…操作部、28…記憶部、281…生体データ、100、100a、100b、100c、100d…楽曲提案サーバ、102…通信部、103…取得部、104、104b、104c、104d…導出部、1041…睡眠深さ学習部、1042…睡眠段階学習部、105、105a、105b、105c、105d…判定部、1051、1051a、1051b…楽曲学習部、、1052b、1052d…問題点学習部、106…出力部、108…記憶部、1081、1081a、1081b、1081c…楽曲DB、1082、1082c、1082d…生体データDB、1083b、1083d…問題点DB