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特開2022-55631通院サポートシステム、通院サポート方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055631
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】通院サポートシステム、通院サポート方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20220401BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20220401BHJP
【FI】
G16H50/30
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020163167
(22)【出願日】2020-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】沢田 あゆみ
(72)【発明者】
【氏名】岩井 崇郎
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
5L099AA22
(57)【要約】
【課題】被験者に通院する医療機関と客観的な睡眠データとを出力できる通院サポートシステム、通院サポート方法及びコンピュータプログラムを提供すること。
【解決手段】通院サポートシステムは、被験者の生体データを取得する取得部と、取得部が取得する生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する導出部と、客観的な睡眠データと医療機関を特定する情報とを関連付けた医療機関データベースから、導出部が導出する客観的な睡眠データに基づいて、被験者が通院する医療機関を判定する判定部と、判定部による医療機関の判定結果と客観的な睡眠データとを出力する出力部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の生体データを取得する取得部と、
前記取得部が取得する前記生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する導出部と、
客観的な睡眠データと医療機関を特定する情報とを関連付けた医療機関データベースから、前記導出部が導出する客観的な前記睡眠データに基づいて、前記被験者が通院する医療機関を判定する判定部と、
前記判定部による医療機関の判定結果と客観的な前記睡眠データとを出力する出力部と
を備える、通院サポートシステム。
【請求項2】
前記生体データには、前記被験者の脈波を示す脈波情報と、前記被験者の体の一部の加速度を示す加速度情報と、前記被験者の皮膚温度を示す皮膚温度情報とのうち、少なくとも一つが含まれる、請求項1に記載の通院サポートシステム。
【請求項3】
前記医療機関データベースには、前記医療機関の診療科目を特定する情報と、前記医療機関の有する設備を特定する情報と、前記医療機関の規模を特定する情報とのうち、少なくとも一つが含まれる、請求項1又は請求項2に記載の通院サポートシステム。
【請求項4】
前記導出部は、就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間と、睡眠時間とのうち、少なくとも一つを、客観的な睡眠データとして導出する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の通院サポートシステム。
【請求項5】
前記判定部は、客観的な睡眠データに基づいて前記医療機関データベースに含まれる医療機関を特定する情報を出力する学習部に対して、前記導出部が導出する客観的な前記睡眠データを与えることによって、前記被験者が通院する医療機関を判定する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の通院サポートシステム。
【請求項6】
前記学習部とは、被験者の客観的な睡眠データと医療機関が有する設備との関係が学習された学習済みモデルである、請求項5に記載の通院サポートシステム。
【請求項7】
前記取得部は、前記被験者の通院する医療機関に対する条件をさらに取得し、
前記判定部は、前記取得部が取得した前記被験者の通院する医療機関に対する前記条件にさらに基づいて、前記被験者が通院する医療機関を判定する、請求項1に記載の通院サポートシステム。
【請求項8】
前記医療機関データベースには、前記医療機関の所在地を特定する情報、前記医療機関の診療科目を特定する情報、前記医療機関の有する設備を特定する情報、前記医療機関の規模を特定する情報のうち、少なくとも一つが含まれる、請求項7に記載の通院サポートシステム。
【請求項9】
前記判定部は、客観的な睡眠データと医療機関に対する条件とに基づいて前記医療機関データベースに含まれる医療機関の識別情報を出力する学習部に対して、前記導出部が導出する客観的な睡眠データと前記被験者の通院する医療機関に対する前記条件とを与えることによって、前記被験者が通院する医療機関を判定する、請求項7又は請求項8に記載の通院サポートシステム。
【請求項10】
前記学習部とは、被験者の客観的な睡眠データ及び医療機関に対する条件と医療機関が有する設備との関係が学習された学習済みモデルである、請求項9に記載の通院サポートシステム。
【請求項11】
被験者の生体データを取得するステップと、
前記生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出するステップと、
客観的な睡眠データと医療機関を特定する情報とを関連付けた医療機関データベースから、客観的な前記睡眠データに基づいて、前記被験者が通院する医療機関を判定するステップと、
医療機関の判定結果と客観的な前記睡眠データとを出力するステップと
を有する、通院サポートシステムが実行する通院サポート方法。
【請求項12】
通院サポートシステムのコンピュータに、
被験者の生体データを取得するステップと、
前記生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出するステップと、
客観的な睡眠データと医療機関を特定する情報とを関連付けた医療機関データベースから、客観的な前記睡眠データに基づいて、前記被験者が通院する医療機関を判定するステップと、
医療機関の判定結果と客観的な前記睡眠データとを出力するステップと
を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通院サポートシステム、通院サポート方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、睡眠の状態を判定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、睡眠状態判定装置は、被験者の脈波を示す脈波情報と、被験者の体の一部の加速度を示す加速度情報とを取得する取得部と、脈波情報を睡眠深さ学習部に対して与えることにより、被験者の睡眠の深さの瞬時値を算出する瞬時値算出部と、脈波情報と加速度情報とを睡眠段階学習部に対して与えることにより、被験者の睡眠段階を判定する睡眠段階判定部と、被験者の睡眠の深さの瞬時値と被験者の睡眠段階とに基づいて、被験者の入眠後所定期間の瞬時値の積分値を睡眠深さとして算出する睡眠深さ算出部と、睡眠深さ算出部が算出する被験者の睡眠深さに基づいて、被験者の睡眠の質の種類を判定する睡眠質判定部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-22732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
睡眠に不安を感じている者(以下「被験者」と呼ぶ)が医療機関で診察を受ける場合を想定する。医療機関で診察を受ける場合に、被験者は医師に睡眠状態を説明する必要がある。しかし、被験者は自覚している睡眠状態を説明できるにとどまる。自覚している睡眠状態と客観的な睡眠状態とは異なることが多いため、医師は、被験者が自覚している睡眠状態から、客観的な睡眠状態を理解することは難しい。
さらに、被験者が、多くの医療機関から、自分の睡眠状態に適した診察を受けられる医療機関を選択することは難しい。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、被験者に通院する医療機関と客観的な睡眠データとを提供できる通院サポートシステム、通院サポート方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、被験者の生体データを取得する取得部と、前記取得部が取得する前記生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する導出部と、客観的な睡眠データと医療機関を特定する情報とを関連付けた医療機関データベースから、前記導出部が導出する客観的な前記睡眠データに基づいて、前記被験者が通院する医療機関を判定する判定部と、前記判定部による医療機関の判定結果と客観的な前記睡眠データとを出力する出力部とを備える、通院サポートシステムである。
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載の通院サポートシステムにおいて、前記生体データには、前記被験者の脈波を示す脈波情報と、前記被験者の体の一部の加速度を示す加速度情報と、前記被験者の皮膚温度を示す皮膚温度情報とのうち、少なくとも一つが含まれる。
(3)本発明の一態様は、上記(1)又は上記(2)に記載の通院サポートシステムにおいて、前記医療機関データベースには、前記医療機関の診療科目を特定する情報と、前記医療機関の有する設備を特定する情報と、前記医療機関の規模を特定する情報とのうち、少なくとも一つが含まれる。
(4)本発明の一態様は、上記(1)から上記(3)のいずれか一項に記載の通院サポートシステムにおいて、前記導出部は、就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間と、睡眠時間とのうち、少なくとも一つを、客観的な睡眠データとして導出する。
(5)本発明の一態様は、上記(1)から上記(4)のいずれか一項に記載の通院サポートシステムにおいて、前記判定部は、客観的な睡眠データに基づいて前記医療機関データベースに含まれる医療機関を特定する情報を出力する学習部に対して、前記導出部が導出する客観的な前記睡眠データを与えることによって、前記被験者が通院する医療機関を判定する。
(6)本発明の一態様は、上記(5)に記載の通院サポートシステムにおいて、前記学習部とは、被験者の客観的な睡眠データと医療機関を特定する情報との関係が学習された学習済みモデルである。
(7)本発明の一態様は、上記(1)に記載の通院サポートシステムにおいて、前記取得部は、前記被験者の通院する医療機関に対する条件をさらに取得し、
前記判定部は、前記取得部が取得した前記被験者の通院する医療機関に対する前記条件にさらに基づいて、前記被験者が通院する医療機関を判定する。
(8)本発明の一態様は、上記(7)に記載の通院サポートシステムにおいて、前記医療機関データベースには、前記医療機関の所在地を特定する情報、前記医療機関の診療科目を特定する情報、前記医療機関の有する設備を特定する情報、前記医療機関の規模を特定する情報のうち、少なくとも一つが含まれる。
(9)本発明の一態様は、上記(7)又は上記(8)に記載の通院サポートシステムにおいて、前記判定部は、客観的な睡眠データと医療機関に対する条件とに基づいて前記医療機関データベースに含まれる医療機関を特定する情報を出力する学習部に対して、前記導出部が導出する客観的な睡眠データと前記被験者の通院する医療機関に対する前記条件とを与えることによって、前記被験者が通院する医療機関を判定する。
(10)本発明の一態様は、上記(9)に記載の通院サポートシステムにおいて、前記学習部とは、被験者の客観的な睡眠データ及び医療機関に対する条件と医療機関を特定する情報との関係が学習された学習済みモデルである。
(11)本発明の一態様は、被験者の生体データを取得するステップと、前記生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出するステップと、客観的な睡眠データと医療機関を特定する情報とを関連付けた医療機関データベースから、客観的な前記睡眠データに基づいて、前記被験者が通院する医療機関を判定するステップと、医療機関の判定結果と客観的な前記睡眠データとを出力するステップとを有する、通院サポートシステムが実行する通院サポート方法である。
(12)本発明の一態様は、通院サポートシステムのコンピュータに、被験者の生体データを取得するステップと、前記生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出するステップと、客観的な睡眠データと医療機関を特定する情報とを関連付けた医療機関データベースから、客観的な前記睡眠データに基づいて、前記被験者が通院する医療機関を判定するステップと、医療機関の判定結果と客観的な前記睡眠データとを出力するステップとを実行させる、コンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被験者に通院する医療機関と客観的な睡眠データとを提供できる通院サポートシステム、通院サポート方法及びコンピュータプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る通院サポートシステムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係る通院サポートシステムに含まれる測定装置とユーザ端末と通院サポートサーバとの詳細を示す図である。
図3】本実施形態に係る通院サポートシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図4】実施形態の変形例に係る通院サポートシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本実施形態の通院サポートシステム、通院サポート方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0010】
(実施形態)
(通院サポートシステム)
図1は、本発明の実施形態に係る通院サポートシステムの構成例を示す図である。図1において、通院サポートシステム1は、通院サポートサーバ100を備える。図1には、通院サポートサーバ100に加え、通院のサポートを受ける対象のユーザUと、ユーザUが装着する測定装置10と、ユーザUが使用するユーザ端末20とが示されている。ユーザUは被験者の一例である。
通院サポートサーバ100とユーザ端末20とは、ネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
【0011】
通院サポートシステム1では、測定装置10は、通院する患者などの被験者の生体データを測定する。測定装置10は、被験者の生体データの測定結果をユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20は、測定装置10が送信した被験者の生体データの測定結果を受信する。ユーザ端末20は、受信した被験者の生体データの測定結果を通院サポートサーバ100へ送信する。
通院サポートサーバ100は、ユーザ端末20が送信した被験者の生体データの測定結果を受信する。通院サポートサーバ100は、受信した被験者の生体データの測定結果に基づいて、客観的な睡眠データを導出する。通院サポートサーバ100は、客観的な睡眠データと医療機関の識別情報などの医療機関を特定する情報とを関連付けた医療機関データベースを記憶している。通院サポートサーバ100は、医療機関データベースから、導出した客観的な睡眠データに基づいて、被験者が通院する医療機関を判定する。通院サポートサーバ100は、医療機関の判定結果と客観的な睡眠データとを出力する。
【0012】
以下、通院サポートシステム1に含まれる測定装置10とユーザ端末20と通院サポートサーバ100との各々の機能構成の具体例について順次説明する。
図2は、本実施形態に係る通院サポートシステムに含まれる測定装置とユーザ端末と通院サポートサーバとの詳細を示す図である。
(測定装置10)
測定装置10は、リストバンド型(腕時計型)のウエアラブル装置、あるいはその他の情報処理機器として実現される。測定装置10は、例えば被験者の腕の一部に装着される。
測定装置10は、例えば、通信部12と、測定部14と、処理部15と、操作部16と、記憶部18とを備える。
通信部12は、通信モジュールによって実現される。通信部12は、外部の通信装置と通信する。通信部12は、例えば、ブルートゥース(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。また、通信部12は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。通信部12は、ユーザ端末20と通信するために必要な通信情報を保持する。通信部12は、ユーザ端末20へ生体データを送信する。
【0013】
測定部14は、測定装置10を装着した被験者の生体データを測定する。例えば、測定部14は、被験者の脈波、加速度、皮膚温度などの生体データを測定する。本実施形態では、一例として、測定部14が、被験者の脈波と加速度と皮膚温度を測定する場合について説明を続ける。測定部14は、例えば、加速度、圧力、光、心電位、反射波などを捉えるセンサ(例えば、光学式赤外線センサ)を備えており、被験者の手首の脈の振れの波形(すなわち、脈波)を測定する。測定部14は、測定した被験者の脈波を示す脈波情報PWを生成する。脈波情報PWには、測定日時を示す情報が含まれる。なお、測定部14は、例示した測定対象のうち、特に光又は心電位を捉えるセンサを備えることがより好ましい。
また、測定部14は、加速度、反射波などを捉えるセンサ(例えば、加速度センサ)を備えており、被験者の体動(例えば、手首の加速度)を測定する。測定部14は、測定した被験者の手首の加速度を示す加速度情報ACを生成する。加速度情報ACには、測定日時を示す情報が含まれる。これら被験者の脈波及び体動は、例えば、10Hz以上のサンプリング周波数によって測定される。
また、測定部14は、皮膚温度を捉えるセンサ(例えば、サーミスタ温度センサ)を備えており、被験者の皮膚温度を測定する。測定部14は、測定した皮膚温度を示す皮膚温度情報TSを生成する。皮膚温度情報TSには、測定日時を示す情報が含まれる。
【0014】
なお、脈波情報PWは、脈波パワースペクトル(例えば、VLF、HF/(VLF+LF+HF)、HF/(LF+HF)、MF/LF、MF、HF、IBI HR、LF、LF/HF)、IBI(例えば、測定値、測定値の平均値、CV NN、RMS SD、SDNN、RMS SD/SDNN、PNN 50)などによって被験者の脈波を示す。なお、VLFとは超低周波帯域、LFとは低周波帯域、MFとは中周波数帯域、HFとは高周波数帯域である。
また、IBIとは、脈拍間隔である。CV NNとは単位時間内の心拍間隔の変動係数、RMS SDとは平自乗根の標準偏差、SDNNとは心拍間隔の標準偏差、PNN 50とは単位時間内の心拍間隔が50ms以上の割合(又は回数)である。
また、加速度情報ACは、Zero Cross(ゼロ・クロス)値、Max(最大値)、Min(最小値)、Median(中央値)、Mean(平均値)、SD(標準偏差)などによって被験者の体動を表す。
【0015】
処理部15は、測定部14が生成した脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを記憶部18に記憶させる。処理部15は、通信部12が受信した生体データ要求を取得する。処理部15は、取得した生体データ要求に基づいて、記憶部18に記憶されている脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを関連付けた情報を含む生体データ応答を作成する。処理部15は、作成した生体データ応答を通信部12へ出力する。
操作部16は、入力デバイスを備え、被験者の操作を受け付ける。この入力デバイスには、キーボード等の文字情報を入力するデバイス、タッチパネル等のポインティングデバイス、釦、ダイヤル、タッチセンサ、タッチパッド等が含まれる。被験者は、操作部16を操作することによって、測定部14に生体データの測定を開始させる。
記憶部18は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。記憶部18には、生体データが記憶される。
処理部15は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部18に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。コンピュータプログラムは、予めフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0016】
(ユーザ端末20)
ユーザ端末20は、スマートフォン、携帯端末、又はパーソナルコンピュータ、タブレット端末装置、腕時計型端末装置、あるいはその他の情報処理機器として実現される。
ユーザ端末20は、例えば、第1通信部22-1と、第2通信部22-2と、処理部24と、操作部26と、記憶部28とを備える。
第1通信部22-1は、通信モジュールによって実現される。第1通信部22-1は、外部の通信装置と通信する。第1通信部22-1は、例えば、ブルートゥースなどの無線通信方式で通信してもよい。また、第1通信部22-1は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。第1通信部22-1は、測定装置10と通信するために必要な通信情報を保持する。第1通信部22-1は、処理部24が出力した生体データ要求を測定装置10へ送信し、測定装置10が送信した生体データ応答を受信する。
第2通信部22-2は、通信モジュールによって実現される。第2通信部22-2は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。第2通信部22-2は、例えば、無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。また、第2通信部22-2は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。第2通信部22-2は、ネットワークNWを介して通院サポートサーバ100と通信するために必要な通信情報を保持する。第2通信部22-2は、通院サポートサーバ100へ生体データ通知と、通院サポート要求とを送信する。第2通信部22-2は、通院サポートサーバ100が送信した通院サポート応答を受信する。
【0017】
操作部26は、入力デバイスを備え、被験者の操作を受け付ける。この入力デバイスには、キーボード等の文字情報を入力するデバイス、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、釦、ダイヤル、ジョイスティック、タッチセンサ、タッチパッド等が含まれる。操作部26は、被験者が生体データを取得する操作を行うことによって、生体データ要求操作情報を作成する。操作部26は、被験者が通院のサポートを要求する操作を行うことによって、通院サポート要求操作情報を作成する。
記憶部28は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。記憶部28には、生体データ28aが記憶される。
生体データ28aは、被験者のユーザIDと、ユーザIDの各々について、脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを関連付けたテーブル形式の情報である。
【0018】
処理部24は、操作部26が作成した生体データ要求操作情報を取得する。処理部24は、取得した生体データ要求操作情報に基づいて、測定装置10を宛先とする、生体データ要求を作成する。処理部24は、作成した生体データ要求を、第1通信部22-1へ出力する。その後、処理部24は、第1通信部22-1が受信した生体データ応答を取得する。処理部24は、取得した生体データ応答に含まれる脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを取得し、取得した脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを関連付けて、記憶部28の生体データ28aに記憶させる。
また、処理部24は、記憶部28に記憶されている生体データ28aを取得し、取得した生体データ28aとユーザIDとを含む、通院サポートサーバ100を宛先とする生体データ通知を作成する。処理部24は、作成した生体データ通知を、第2通信部22-2へ出力する。
処理部24は、操作部26が作成した通院サポート要求操作情報を取得する。処理部24は、取得した通院サポート要求操作情報に基づいて、ユーザIDと通院サポートを要求する情報とを含む、通院サポートサーバ100を宛先とする通院サポート要求を作成する。処理部24は、作成した通院サポート要求を、第2通信部22-2へ出力する。
処理部24は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部28に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。コンピュータプログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0019】
(通院サポートサーバ100)
通院サポートサーバ100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。通院サポートサーバ100の一例は、クラウドサーバである。通院サポートサーバ100は、例えば、通信部102と、取得部103と、導出部104と、判定部105と、出力部106と、記憶部108とを備える。
通信部102は、通信モジュールによって実現される。通信部102は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部102は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。また、通信部102は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。通信部102は、ネットワークNWを介してユーザ端末20と通信するために必要な通信情報を保持する。通信部102は、ユーザ端末20が送信した生体データ通知と、通院サポート要求とを受信する。通信部102は、出力部106が出力した通院サポート応答をユーザ端末20へ送信する。
【0020】
記憶部108は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。記憶部108には、医療機関DB(データベース)108aと、生体データDB108bとが記憶される。
医療機関DB108aは、一又は複数の客観的な睡眠データと、一又は複数の客観的な睡眠データの各々について、医療機関を特定する情報とを関連付けたテーブル形式の情報である。医療機関を特定する情報には、医療機関の識別情報(医療機関ID)が含まれる。さらに、医療機関を特定する情報には、医療機関の所在地を特定する情報と、医療機関の診療科目を特定する情報と、医療機関の有する設備を特定する情報と、医療機関の規模を特定する情報とのうち、少なくとも一つが含まれる。
生体データDB108bは、一又は複数のユーザのユーザIDと、一又は複数のユーザIDの各々について、脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを関連付けたテーブル形式の情報である。
取得部103は、通信部102が受信した生体データ通知を取得する。取得部103は、取得した生体データ通知に含まれる生体データ(脈波情報PWと加速度情報ACと皮膚温度情報TS)とユーザIDとを取得する。取得部103は、取得した脈波情報PWと加速度情報ACと皮膚温度情報TSとユーザIDとを関連付けて、記憶部108の生体データDB108bに記憶させる。
また、取得部103は、通信部102が受信した通院サポート要求を取得する。
【0021】
導出部104は、取得部103が取得した通院サポート要求を取得する。導出部104は、取得した通院サポート要求に含まれるユーザIDに基づいて、記憶部108に記憶されている生体データDB108bから、そのユーザIDに関連付けて記憶されている生体データを取得する。導出部104は、取得した生体データに含まれる脈波情報PWと加速度情報ACと皮膚温度情報TSとに基づいて、客観的な睡眠データを導出する。例えば、導出部104は、脈波情報PWと加速度情報ACと皮膚温度情報TSとに基づいて、客観的な睡眠データとして、就寝時刻、起床時刻、眠りの深さ、中途覚醒時間、入眠時間、睡眠時間などの客観的な睡眠状態を示すデータを導出する。導出部104は、睡眠深さ学習部104aと、睡眠段階学習部104bとを備える。
睡眠深さ学習部104aは、脈波の波形、すなわち脈波情報PWに基づいて睡眠の深さの瞬時値DIを出力する。ここで、睡眠の深さの瞬時値DIとは、所定時間ごとに算出される被験者の睡眠の深さである。ここで、被験者の睡眠の深さが算出される所定時間は、30秒から60秒ごとであることが好ましい。以下では、所定時間が30秒である場合を一例として説明する。睡眠深さ学習部104aは、例えば、いわゆる機械学習済みモデルであって、被験者の脳波と当該被験者の脈波との関係が学習された学習済みモデルである。睡眠深さ学習部104aの学習過程について説明する。
一般に、被験者の脳波の状態と、当該被験者の睡眠の深さとには所定の関係があることが知られている。例えば、被験者の睡眠の深さが比較的深い場合には、被験者の脳波には特徴的な波形パターンが現れ、被験者の睡眠の深さが比較的浅い場合には、深い場合の波形パターンとは異なる波形パターンが現れることが知られている。
【0022】
睡眠深さ学習部104aは、学習過程において、与えられた脳波情報BWと、脈波情報PWとの関係を学習する。具体的には、睡眠深さ学習部104aは、被験者の脳波の波形を示す脳波情報BWと、この脳波と同時に計測された当該被験者の脈波の波形を示す脈波情報PWとが与えられ、睡眠の深さの瞬時値DIを出力する。ここで、脳波情報BWとこの脳波情報BWによって計算される睡眠の深さの瞬時値DIBとの関係は既知である。
脳波情報BWによって計算される睡眠の深さの瞬時値DIBを正解データとして、脈波情報PWと睡眠の深さの瞬時値DIBとの関係を学習する。この結果、睡眠深さ学習部104aは、脈波情報PWが供給されると、この脈波情報PWに対応する睡眠の深さの瞬時値DIを出力するように学習される。
なお、睡眠深さ学習部104aの学習過程においては、被験者の脳波の状態を表す指標としてデルタ波パワー値が用いられる。
【0023】
睡眠段階学習部104bは、脈波の波形(脈波情報PW)と、加速度の波形(加速度情報AC)と、皮膚温度の波形(皮膚温度情報TS)とに基づいて睡眠段階SGを出力する。睡眠段階学習部104bとは、例えば、機械学習済みモデルであって、被験者の脳波と当該被験者の脈波及び体の一部の加速度との関係が学習された学習済みモデルである。
[睡眠の段階]
睡眠段階SGには、睡眠の深さが浅いほうから深いほうへ順に、「覚醒AW」、「レム睡眠RM」、「ノンレム睡眠NR」がある。またこの「ノンレム睡眠NR」には、浅いノンレム睡眠NRである「ノンレム睡眠(浅)NRL」と、深いノンレム睡眠NRである「ノンレム睡眠(深)NRD」とがある。すなわち、睡眠段階SGには、「覚醒AW」、「レム睡眠RM」、「ノンレム睡眠(浅)NRL」、「ノンレム睡眠(深)NRD」の4段階がある。
すなわち、睡眠段階学習部104bは、脈波の波形(脈波情報PW)と、被験者の体の一部の加速度の値(加速度情報AC)と、皮膚温度の波形(皮膚温度情報TS)とに基づいて、レム睡眠RMの段階とノンレム睡眠NRの段階とを含む睡眠段階SGを出力する。導出部104は、睡眠段階学習部104bが出力した睡眠段階SGに基づいて、就寝時刻と、起床時刻と、中途覚醒時間と、入眠時間との少なくとも一つを導出する。睡眠段階学習部104bの学習過程について説明する。
【0024】
[睡眠段階学習部104bの学習過程]
一般に、被験者の脳波の状態と、当該被験者の睡眠段階SGとには所定の関係があることが知られている。例えば、被験者の睡眠がレム睡眠RMの段階である場合には、被験者の脳波には特徴的な波形パターンが現れ、被験者の睡眠がノンレム睡眠NRの段階である場合には、レム睡眠RMの場合の波形パターンとは異なる波形パターンが現れることが知られている。また、一般に、被験者が覚醒している場合には、体動(例えば、腕を動かすなど)の程度が大きく、被験者が睡眠している場合には、体動の程度が小さいことが知られている。
睡眠段階学習部104bは、その学習過程において、与えられた脳波情報BWと、脈波情報PW、加速度情報ACおよび皮膚温度情報TSとの関係を学習する。具体的には、睡眠段階学習部104bは、被験者の脳波の波形を示す脳波情報BWと、この脳波と同時に計測された当該被験者の脈波の波形を示す脈波情報PW、加速度情報ACおよび皮膚温度情報TSが与えられ、睡眠段階SGを出力する。ここで、脳波情報BWとこの脳波情報BWによって計算される睡眠段階SGとの関係は既知である。
脳波情報BWによって算出される睡眠段階SGを正解データとして、脈波情報PW、加速度情報ACおよび皮膚温度情報TSと睡眠段階SGとの関係を学習する。この結果、睡眠段階学習部104bは、脈波情報PW、加速度情報ACおよび皮膚温度情報TSが供給されると、この脈波情報PW、加速度情報ACおよび皮膚温度情報TSに対応する睡眠段階SGを出力するように学習される。なお、睡眠段階学習部104bは、睡眠周期ごとに学習することができる。一例として、起床前は脈拍間変動が大きくなることが知られている。睡眠段階学習部104bは、睡眠周期ごとに個別に学習することにより、ある睡眠周期における判定精度(例えば、起床前、早朝の睡眠段階の判定精度)を向上させることができる。
【0025】
判定部105は、取得部103が取得した通院サポート要求を取得する。判定部105は、取得した通院サポート要求に基づいて、導出部104が導出した客観的な睡眠データを取得する。判定部105は、記憶部108に記憶されている医療機関DB108aから、取得した客観的な睡眠データに基づいて、被験者が通院する医療機関を判定する。判定部105は、医療機関学習部105aを備える。
医療機関学習部105aは、客観的な睡眠データ、すなわち就寝時刻、起床時刻、眠りの深さ、中途覚醒時間、入眠時間、睡眠時間などに基づいて医療機関IDを出力する。医療機関学習部105aは、例えば、いわゆる機械学習済みモデルであって、被験者の客観的な睡眠データと当該被験者が通院すべき医療機関IDとの関係が学習された学習済みモデルである。医療機関学習部105aの学習過程について説明する。
【0026】
[医療機関学習部105aの学習過程]
一般に、被験者の客観的な睡眠データと、当該被験者が通院すべき医療機関とには所定の関係があることが知られている。例えば、被験者の客観的な睡眠データに含まれる就寝時刻、起床時刻、眠りの深さ、中途覚醒時間、入眠時間、睡眠時間などのうち、いずれかに問題がある場合には、客観的な睡眠データを、その問題に対応できる医療機関に分類できる。
医療機関学習部105aは、学習過程において、客観的な睡眠データと、医療機関の診療科目を特定する情報と、医療機関の有する設備を特定する情報と、医療機関の規模を特定する情報とのうち、少なくとも一つとの関係を学習する。具体的には、医療機関学習部105aは、被験者の客観的な睡眠データが与えられ、医療機関IDを出力する。ここで、客観的な睡眠データに含まれる就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間と、睡眠時間との各々について、問題がある場合に必要となる医療機関の診療科目を特定する情報と、医療機関の有する設備を特定する情報と、医療機関の規模を特定する情報とのうち、少なくとも一つとの関係は既知である。医療機関学習部105aは、客観的な睡眠データに含まれるいずれかのデータに対応できる医療機関の医療機関IDを正解データとして、客観的な睡眠データと医療機関IDとの関係を学習する。この結果医療機関学習部105aは、客観的な睡眠データが供給されると、この客観的な睡眠データに対応する医療機関IDを出力するように学習される。
出力部106は、判定部105から、客観的な睡眠データと医療機関IDとを取得する。出力部106は、記憶部108に記憶された医療機関DB108aから取得した医療機関IDに該当する医療機関の名称を取得する。出力部106は、客観的な睡眠データと医療機関の名称とを含む、ユーザ端末20を宛先とする通院サポート応答を作成する。出力部106は、作成した通院サポート応答を通信部102へ出力する。
【0027】
(通院サポートシステムの動作)
図3は、本実施形態に係る通院サポートシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
(ステップS1-1)
測定装置10において、測定部14は、測定装置10を装着した被験者の生体データを測定する。処理部15は、測定部14から被検者の生体データの測定結果を取得し、取得した被検者の生体データの測定結果を記憶部18に記憶させる。
(ステップS2-1)
ユーザ端末20において、操作部26は、被験者が生体データを取得する操作を行うことによって、生体データ要求操作情報を作成する。処理部24は、操作部26が作成した生体データ要求操作情報を取得する。処理部24は、取得した生体データ要求操作情報に基づいて、測定装置10を宛先とする、生体データ要求を作成する。
(ステップS3-1)
ユーザ端末20において、処理部24は、作成した生体データ要求を、第1通信部22-1へ出力する。第1通信部22-1は、処理部24が出力した生体データ要求を取得する。第1通信部22-1は、取得した生体データ要求を測定装置10へ送信する。
(ステップS4-1)
測定装置10において、通信部12は、ユーザ端末20が送信した生体データ要求を受信する。処理部15は、通信部12が受信した生体データ要求を取得する。処理部15は、取得した生体データ要求に基づいて、記憶部18に記憶されている生体データを含む、ユーザ端末20を宛先とする生体データ応答を作成する。
(ステップS5-1)
測定装置10において、処理部15は作成した生体データ応答を、通信部12へ出力する。通信部12は、処理部15が出力した生体データ応答を取得する。通信部12は、取得した生体データ応答を、ユーザ端末20へ送信する。
(ステップS6-1)
ユーザ端末20において、第1通信部22-1は、測定装置10が送信した生体データ応答を受信する。
(ステップS7-1)
ユーザ端末20において、処理部24は、第1通信部22-1が受信した生体データ応答を取得する。処理部24は、取得した生体データ応答に含まれる脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを取得し、取得した脈波情報PWと、加速度情報ACと、皮膚温度情報TSとを関連付けて、記憶部28の生体データ28aに記憶する。
【0028】
(ステップS8-1)
ユーザ端末20において、処理部24は、記憶部28に記憶されている生体データ28aを取得し、取得した生体データ28aとユーザIDとを含む、通院サポートサーバ100を宛先とする生体データ通知を作成する。
(ステップS9-1)
ユーザ端末20において、処理部24は、作成した生体データ通知を、第2通信部22-2へ出力する。第2通信部22-2は、処理部24が出力した生体データ通知を取得し、取得した生体データ通知を通院サポートサーバ100へ送信する。
(ステップS10-1)
通院サポートサーバ100において、通信部102は、ユーザ端末20が送信した生体データ通知を受信する。
(ステップS11-1)
通院サポートサーバ100において、取得部103は、通信部102が受信した生体データ通知を取得する。取得部103は、取得した生体データ通知に含まれる脈波情報PWと加速度情報ACと皮膚温度情報TSとユーザIDとを取得する。取得部103は、取得した脈波情報PWと加速度情報ACと皮膚温度情報TSとユーザIDとを関連付けて、記憶部108の生体データDB108bに記憶させる。
(ステップS12-1)
ユーザ端末20において、処理部24は、操作部26が作成した通院サポート要求操作情報を取得する。処理部24は、取得した通院サポート要求操作情報に基づいて、ユーザIDと通院サポートを要求する情報とを含む、通院サポートサーバ100を宛先とする通院サポート要求を作成する。
【0029】
(ステップS13-1)
ユーザ端末20において、処理部24は、作成した通院サポート要求を、第2通信部22-2へ出力する。第2通信部22-2は、処理部24が出力した通院サポート要求を取得し、取得した通院サポート要求を通院サポートサーバ100へ送信する。
(ステップS14-1)
通院サポートサーバ100において、通信部102は、ユーザ端末20が送信した通院サポート要求を受信する。
(ステップS15-1)
通院サポートサーバ100において、取得部103は、通信部102が受信した通院サポート要求を取得する。
(ステップS16-1)
通院サポートサーバ100において、導出部104は、取得部103が取得した通院サポート要求を取得する。導出部104は、取得した通院サポート要求に含まれるユーザIDに基づいて、記憶部108に記憶されている生体データDB108bから、そのユーザIDに関連付けて記憶されている生体データを取得する。
(ステップS17-1)
通院サポートサーバ100において、判定部105は、取得部103が取得した通院サポート要求を取得する。判定部105は、取得した通院サポート要求に基づいて、導出部104が導出した客観的な睡眠データを取得する。判定部105は、記憶部108に記憶されている医療機関DB108aから、取得した客観的な睡眠データに基づいて、被験者が通院する医療機関を判定する。
【0030】
(ステップS18-1)
通院サポートサーバ100において、出力部106は、判定部105から、客観的な睡眠データと医療機関IDとを取得する。出力部106は、記憶部108に記憶された医療機関DB108aから取得した医療機関IDに該当する医療機関の名称を取得する。出力部106は、客観的な睡眠データと医療機関の名称とを含む、ユーザ端末20を宛先とする通院サポート応答を作成する。
(ステップS19-1)
通院サポートサーバ100において、出力部106は、作成した通院サポート応答を通信部102へ出力する。通信部102は、出力部106が出力した通院サポート応答を取得し、取得した通院サポート応答をユーザ端末20へ送信する。
【0031】
前述した実施形態では、測定装置10がリストバンド型のウエアラブル装置である場合について説明したが、この例に限られない。例えば、測定装置10は、マットレス型や反射波を取得する据置型の装置として構成されてもよい。
前述した実施形態では、測定装置10が、被験者の脈波と加速度と皮膚温度とを測定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、測定装置10が、被験者の脈波と加速度と皮膚温度とのうち、少なくとも一つを測定するようにしてもよいし、血圧、呼吸数などの脈波と加速度と皮膚温度とは異なる生体データを測定してもよい。
前述した実施形態では、測定装置10が、ユーザ端末20が送信した生体データ要求に基づいて、生体データ応答を送信する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、測定装置10は、生体データ要求を受信することなく、生体データをユーザ端末20へ送信してもよい。
前述した実施形態では、通院サポートサーバ100が、通院サポート応答を被験者のユーザ端末20へ送信する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、通院サポートサーバ100は、通院サポート応答を被験者とともに、通院サポート応答に含まれる医療機関に送信するようにしてもよいし、通院サポート応答に含まれる客観的な睡眠データと医療機関の名称とのうち、客観的な睡眠データを医療機関に通知し、医療機関の名称を被験者に通知してもよい。
【0032】
本実施形態に係る通院サポートシステム1によれば、通院サポートサーバ100は、被験者の生体データを取得する取得部103と、取得部103が取得する生体データに基づいて、客観的な睡眠データを導出する導出部104と、客観的な睡眠データと医療機関を特定する情報とを関連付けた医療機関データベース108aから、導出部104が導出する客観的な睡眠データに基づいて、被験者が通院する医療機関を判定する判定部105と、判定部105による医療機関の判定結果と客観的な睡眠データとを出力する出力部106とを備える。
このように構成することによって、通院サポートサーバ100は、客観的な睡眠データに基づいて、被験者が通院する医療機関を選択できる。また、通院サポートサーバ100は、医療機関の判定結果と客観的な睡眠データとを被験者に通知できるため、被験者は通院する医療機関の判定結果と客観的な睡眠データとを取得できる。このため、通院サポートシステム1は、被験者に、取得させた医療機関の判定結果に基づいて診察を受ける医療機関を選択させることができる。また、通院サポートシステム1は、被験者に選択した医療機関に、自覚している睡眠状態に加えて、客観的な睡眠データを提供させることができる。これによって、医療機関の医師に、正しい診察を円滑に行わせることができる。
【0033】
また、生体データには、被験者の脈波を示す脈波情報と、被験者の体の一部の加速度を示す加速度情報と、被験者の皮膚温度を示す皮膚温度情報とのうち、少なくとも一つが含まれる。このように構成することによって、通院サポートサーバ100は、被験者の脈波を示す脈波情報と、被験者の体の一部の加速度を示す加速度情報と、被験者の皮膚温度を示す皮膚温度情報とのうち、少なくとも一つに基づいて、客観的な睡眠データを導出できる。
また、医療機関データベース108aには、医療機関の診療科目を特定する情報と、医療機関の有する設備を特定する情報と、医療機関の規模を特定する情報とのうち、少なくとも一つが含まれる。
このように構成することによって、通院サポートサーバ100は、客観的な睡眠データに基づいて、被験者が通院する医療機関の診療科目を特定する情報と、医療機関の有する設備を特定する情報と、医療機関の規模を特定する情報とのうち、少なくとも一つを取得できる。
また、導出部104は、就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間とのうち、少なくとも一つを、客観的な睡眠データとして導出する。このように構成することによって、通院サポートサーバ100は、被験者の生体データに基づいて、客観的な睡眠データとして、就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間とのうち、少なくとも一つを導出できる。
また、判定部105は、客観的な睡眠データに基づいて医療機関DB108aに含まれる医療機関を特定する情報を出力する医療機関学習部105aとしての学習部に対して、導出部104が導出する客観的な睡眠データを与えることによって、被験者が通院する医療機関を判定する。このように構成することによって、通院サポートサーバ100は、医療機関学習部105aに対して、客観的な睡眠データを与えることによって、被験者が通院する医療機関を判定できる。
また、学習部とは、被験者の客観的な睡眠データと医療機関が有する設備との関係が学習された学習済みモデルである。このように構成することによって、通院サポートサーバ100は、被験者の客観的な睡眠データと医療機関が有する設備との関係が学習された学習済みモデルに対して、客観的な睡眠データを与えることによって、被験者が通院する医療機関を判定できる。
【0034】
(実施形態の変形例)
実施形態の変形例に係る通院サポートシステム1aの構成例は、図1を適用できる。通院サポートシステム1aは、実施形態に係る通院サポートシステム1と比較して、通院サポートサーバ100の代わりに通院サポートサーバ100aを備える点で異なる。
通院サポートシステム1aでは、測定装置10は、通院する患者などの被験者の生体データを測定する。測定装置10は、被験者の生体データの測定結果をユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20は、測定装置10が送信した被験者の生体データの測定結果を受信する。ユーザ端末20は、受信した被験者の生体データの測定結果を通院サポートサーバ100aへ送信する。
通院サポートサーバ100aは、ユーザ端末20が送信した被験者の生体データの測定結果を受信する。通院サポートサーバ100aは、受信した被験者の生体データの測定結果を記憶する。
ユーザ端末20は、被験者の通院する医療機関に対する条件を示す情報を取得し、取得した被験者の通院に対する条件を示す情報を含む通院サポート要求を通院サポートサーバ100aへ送信する。
【0035】
通院サポートサーバ100aは、受信した被験者の生体データの測定結果に基づいて、客観的な睡眠データを導出する。通院サポートサーバ100aは、医療機関の識別情報と医療機関が有する設備とを関連付けた医療機関データベースを記憶している。通院サポートサーバ100aは、医療機関データベースから、導出した客観的な睡眠データと通院サポート要求に含まれる被験者の通院する医療機関に対する条件を示す情報とに基づいて、被験者が通院する医療機関を判定する。通院サポートサーバ100aは、医療機関の判定結果と客観的な睡眠データとを出力する。
【0036】
以下、通院サポートシステム1aに含まれる測定装置10と、ユーザ端末20と、通院サポートサーバ100aとのうち、通院サポートシステム1と異なる通院サポートサーバ100aの具体例について、図2を参照して説明する。
(通院サポートサーバ100a)
通院サポートサーバ100aは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。通院サポートサーバ100aの一例は、クラウドサーバである。通院サポートサーバ100aは、例えば、通信部102と、取得部103と、導出部104と、判定部105bと、出力部106と、記憶部108とを備える。
通信部102は、ユーザ端末20が送信した生体データ通知と、通院サポート要求とを受信する。ここで、通信サポート要求には、被験者の通院する医療機関に対する条件を示す情報が含まれる。
ユーザ端末20において、被験者は、操作部26に対して、通院のサポートを要求する操作を行う際に、通院する医療機関に対する条件を入力する操作を行うことができる。通院する医療機関に対する条件の一例は、所在地、オンライン診療の可否である。操作部26は、被験者が通院する医療機関に対する条件を入力する操作を行うことによって、通院する医療機関に対する条件を示す情報を含む通院サポート要求を作成する。
【0037】
通院サポートサーバ100aにおいて、判定部105bは、取得部103が取得した通院サポート要求を取得する。判定部105bは、取得した通院サポート要求に基づいて、導出部104が導出した客観的な睡眠データを取得する。判定部105bは、取得した通院サポート要求に含まれる通院する医療機関に対する条件を示す情報を取得する。判定部105bは、記憶部108に記憶されている医療機関DB108aから、取得した客観的な睡眠データ及び通院する医療機関に対する条件を示す情報に基づいて、被験者が通院する医療機関を判定する。判定部105bは、医療機関学習部105abを備える。
医療機関学習部105abは、客観的な睡眠データ及び通院する医療機関に対する条件を示す情報に基づいて医療機関IDを出力する。医療機関学習部105abは、例えば、いわゆる機械学習済みモデルであって、被験者の客観的な睡眠データ及び通院する医療機関に対する条件を示す情報と当該被験者が通院すべき医療機関IDとの関係が学習された学習済みモデルである。医療機関学習部105abの学習過程について説明する。
【0038】
[医療機関学習部105abの学習過程]
一般に、被験者の客観的な睡眠データ及び通院する医療機関に対する条件を示す情報と、当該被験者が通院すべき医療機関とには所定の関係があることが知られている。例えば、被験者の客観的な睡眠データに含まれる就寝時刻、起床時刻、眠りの深さ、中途覚醒時間、入眠時間、睡眠時間などのうち、いずれかに問題がある場合には、客観的な睡眠データを、その問題に対応できる医療機関に分類できる。さらに、通院する医療機関に対する条件に含まれる所在地、オンライン診療の可否などによって、通院する医療機関に対する条件を満たす医療機関に分類できる。
医療機関学習部105abは、学習過程において、客観的な睡眠データ及び通院する医療機関に対する条件を示す情報と、医療機関の所在地を特定する情報と、医療機関の診療科目を特定する情報と、医療機関の有する設備を特定する情報と、医療機関の規模を特定する情報とのうち、少なくとも一つとの関係を学習する。具体的には、医療機関学習部105abは、被験者の客観的な睡眠データ及び通院する医療機関に対する条件を示す情報が与えられ、医療機関IDを出力する。ここで、客観的な睡眠データに含まれる就寝時刻と、起床時刻と、眠りの深さと、中途覚醒時間と、入眠時間と、睡眠時間との各々について、問題がある場合に必要となる医療機関の所在地を特定する情報と、医療機関の診療科目を特定する情報と、医療機関の有する設備を特定する情報と、医療機関の規模を特定する情報とのうち、少なくとも一つとの関係は既知である。通院する医療機関に対する条件を示す情報に含まれる所在地、オンライン診療の可否との各々について、通院する医療機関に対する条件と、その条件を満たす医療機関との関係は既知である。医療機関学習部105abは、客観的な睡眠データに含まれるいずれかのデータに対応でき、且つ通院する医療機関に対する条件を満たす医療機関の医療機関IDを正解データとして、客観的な睡眠データ及び通院する医療機関に対する条件を示す情報と医療機関IDとの関係を学習する。この結果医療機関学習部105abは、客観的な睡眠データ及び通院する医療機関に対する条件を示す情報が供給されると、この客観的な睡眠データ及び通院する医療機関に対する条件を示す情報に対応する医療機関IDを出力するように学習される。
【0039】
(通院サポートシステムの動作)
図4は、本実施形態の変形例に係る通院サポートシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
ステップS1-2からステップS11-2は、図3を参照して説明したステップS1-1からステップS11-1を適用できる。
(ステップS12-2)
ユーザ端末20において、被験者は、操作部26に対して、通院のサポートを要求する操作を行う際に、通院する医療機関に対する条件を入力する操作を行う。
(ステップS13-2)
ユーザ端末20において、操作部26は、被験者が通院する医療機関に対する条件を入力する操作を行うことによって、通院する医療機関に対する条件を示す情報を含む通院サポート要求を作成する。
ステップS14-2からステップS17-2は、図3を参照して説明したステップS13-1からステップS16-1を適用できる。
(ステップS18-2)
通院サポートサーバ100aにおいて、判定部105bは、取得部103が取得した通院サポート要求を取得する。判定部105bは、取得した通院サポート要求に基づいて、導出部104が導出した客観的な睡眠データを取得する。判定部105bは、取得した通院サポート要求に含まれる通院する医療機関に対する条件を示す情報を取得する。判定部105bは、記憶部108に記憶されている医療機関DB108abから、取得した客観的な睡眠データ及び通院する医療機関に対する条件を示す情報に基づいて、被験者が通院する医療機関を判定する。
ステップS19-2からステップS20-2は、図3を参照して説明したステップS18-1からステップS19-1を適用できる。
【0040】
前述した実施形態の変形例では、通院サポートサーバ100aにおいて、判定部105bは、医療機関学習部105abを備え、医療機関学習部105abは、客観的な睡眠データ及び通院する医療機関に対する条件を示す情報に基づいて医療機関IDを出力する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、判定部105bは、医療機関学習部105aを備え、医療機関学習部105aは、客観的な睡眠データに対する条件を示す情報に基づいて医療機関IDを出力するようにしてもよい。判定部105bは、医療機関学習部105aが出力した医療機関IDに基づいて、その医療機関ID該当する医療機関を、通院する医療機関に対する条件に基づいて判定してもよい。
【0041】
本実施形態に係る通院サポートシステム1aによれば、通院サポートサーバ100aは、前述した通院サポートサーバ100において、取得部103は、被験者の通院する医療機関に対する条件をさらに取得する。判定部105bは、取得部103が取得した被験者の通院する医療機関に対する条件にさらに基づいて、被験者が通院する医療機関を判定する。このように構成することによって、被験者の客観的な睡眠データに加え、被験者の通院する医療機関に対する条件にさらに基づいて、被験者が通院する医療機関を判定できるため、被験者の希望に沿った医療機関を判定できる。通院サポートサーバ100aは、医療機関の判定結果と客観的な睡眠データとを被験者に通知できるため、被験者は通院する医療機関の判定結果と客観的な睡眠データとを取得できる。このため、通院サポートシステム1aは、被験者に、取得させた医療機関の判定結果に基づいて診察を受ける医療機関を選択させることができる。また、通院サポートシステム1aは、被験者が選択した医療機関に、自覚している睡眠状態に加えて、客観的な睡眠データを提供させることができる。これによって、医療機関の医師に、正しい診察を円滑に行わせることができる。
【0042】
また、医療機関データベースには、医療機関の所在地を特定する情報、医療機関の診療科目を特定する情報、医療機関の有する設備を特定する情報、医療機関の規模を特定する情報のうち、少なくとも一つが含まれる。
このように構成することによって、通院サポートサーバ100aは、客観的な睡眠データ及び被験者の通院する医療機関に対する条件に基づいて、被験者が通院する医療機関の所在地を特定する情報、医療機関の診療科目を特定する情報、医療機関の有する設備を特定する情報、医療機関の規模を特定する情報のうち、少なくとも一つを取得できる。
また、判定部105bは、客観的な睡眠データと医療機関に対する条件とに基づいて医療機関データベースに含まれる医療機関の識別情報を出力する医療機関学習部105abとしての学習部に対して、導出部104が導出する客観的な睡眠データと被験者の通院する医療機関に対する条件とを与えることによって、被験者が通院する医療機関を判定する。このように構成することによって、通院サポートサーバ100aは、医療機関学習部105abに対して、客観的な睡眠データと被験者の通院する医療機関に対する条件とを与えることによって、被験者が通院する医療機関を判定できる。
また、学習部とは、被験者の客観的な睡眠データ及び医療機関に対する条件と医療機関が有する設備との関係が学習された学習済みモデルである。このように構成することによって、通院サポートサーバ100aは、被験者の客観的な睡眠データ及び被験者の通院する医療機関に対する条件と医療機関が有する設備との関係が学習された学習済みモデルに対して、客観的な睡眠データ及び被験者の通院する医療機関に対する条件を与えることによって、被験者が通院する医療機関を判定できる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してコンピュータプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0044】
1、1a…通院サポートシステム、10…測定装置、12…通信部、14…測定部、15…処理部、16…操作部、18…記憶部、20…ユーザ端末、22-1…第1通信部、22-2…第2通信部、24…処理部、26…操作部、28…記憶部、28a…生体データ、100、100a…通院サポートサーバ、102…通信部、103…取得部、104…導出部、104a…睡眠深さ学習部、104b…睡眠段階学習部、105、105b…判定部、105a、105ab…医療機関学習部、106…出力部、108…記憶部、108a、108ab…医療機関DB、108b…生体データDB
図1
図2
図3
図4