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特開2022-55718助言データ生成装置、助言データ生成方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055718
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】助言データ生成装置、助言データ生成方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 5/14 20060101AFI20220401BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20220401BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20220401BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20220401BHJP
   G06F 3/04883 20220101ALI20220401BHJP
【FI】
G09B5/14
G09B19/00 H
G06Q50/20
G06F3/0484 120
G06F3/0488 130
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020163301
(22)【出願日】2020-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】506142716
【氏名又は名称】株式会社Z会
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 淳
(72)【発明者】
【氏名】小野 栄作
【テーマコード(参考)】
2C028
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
2C028BA01
2C028BB04
2C028BC02
2C028BC04
2C028BD02
5E555AA56
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC04
5E555CA12
5E555CB12
5E555CB56
5E555DB41
5E555DC13
5E555DC14
5E555DD01
5E555FA00
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】答案作成方法についての助言データを生成することができる助言データ生成装置を提供する。
【解決手段】問題への解答として所定の電子解答欄にユーザが手書き入力した軌跡の座標と時刻のベクトルデータであるストロークデータに基づいて、解答時間として定義される所定の時間範囲のうち、ストロークデータが存在する時間区間を記入時間区間と区分する時間区分部と、他のユーザの各問題における各記入時間区間の長さと、該当ユーザの各問題における各記入時間区間の長さを比較する時間比較部と、比較結果を表す助言データを生成する助言生成部を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題への解答として所定の電子解答欄にユーザが手書き入力した軌跡の座標と時刻のベクトルデータであるストロークデータに基づいて、前記ストロークデータが存在する時間区間を記入時間区間と区分する時間区分部と、
他のユーザの各問題における各記入時間区間の長さと、該当ユーザの各問題における各記入時間区間の長さを比較する時間比較部と、
比較結果を表す助言データを生成する助言生成部を含む
助言データ生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の助言データ生成装置であって、
前記時間区分部は、
解答時間として定義される所定の時間範囲のうち、前記ストロークデータが存在しない時間区間を思考時間区間と区分し、
前記時間比較部は、
他のユーザの各問題における各思考時間区間の長さと、該当ユーザの各問題における各思考時間区間の長さを比較する
助言データ生成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の助言データ生成装置であって、
前記時間区分部は、
問題間を遷移する操作と当該操作が行われた時間区間とからなる遷移データを取得して、当該操作が行われている時間区間を問題選択時間区間として区分し、
前記時間比較部は、
他のユーザの前記問題選択時間区間の長さと、該当ユーザの前記問題選択時間区間の長さを比較する
助言データ生成装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の助言データ生成装置であって、
ある問題における該当ユーザの各問題における各思考時間区間または各問題における各記入時間区間が他のユーザと比較して所定程度以上長いことを示す比較結果が生成された場合に、当該問題を該当ユーザにとっての捨て問であると判定する捨て問判定部を含み、
前記助言生成部は、
前記比較結果に加え、前記捨て問を表す助言データを生成する
助言データ生成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の助言データ生成装置であって、
前記ユーザが前記問題を解いた結果が正解であったか、または不正解であったか、あるいは部分正解であったかの別を示す正誤データを取得する正誤データ取得部を含み、
前記捨て問判定部は、
ある問題に対するあるユーザの前記正誤データが不正解あるいは部分正解を示す場合であって、該当問題における該当ユーザの前記思考時間区間または前記記入時間区間が他のユーザと比較して所定程度以上長いことを示す比較結果が生成された場合に、当該問題を該当ユーザにとっての捨て問であると判定する
助言データ生成装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れかに記載の助言データ生成装置であって、
該当ユーザのストロークデータと、同じ問題に対する他の複数のユーザのストロークデータの、残存データの量と削除済みデータの量を比較して該当ユーザの解答が他のユーザの解答と比較してどのような傾向を持つかを分析するストロークデータ分析部を含み、
前記助言生成部は、
前記比較結果に加え、分析結果を表す助言データを生成する
助言データ生成装置。
【請求項7】
問題への解答として所定の電子解答欄にユーザが手書き入力した軌跡の座標と時刻のベクトルデータであるストロークデータに基づいて、解答時間として定義される所定の時間範囲のうち、前記ストロークデータが存在する時間区間を記入時間区間と区分する時間区分ステップと、
他のユーザの各問題における各記入時間区間の長さと、該当ユーザの各問題における各記入時間区間の長さを比較する時間比較ステップと、
比較結果を表す助言データを生成する助言生成ステップを含む
助言データ生成方法。
【請求項8】
請求項7に記載の助言データ生成方法であって、
前記時間区分ステップは、
解答時間として定義される所定の時間範囲のうち、前記ストロークデータが存在しない時間区間を思考時間区間と区分し、
前記時間比較ステップは、
他のユーザの各問題における各思考時間区間の長さと、該当ユーザの各問題における各思考時間区間の長さを比較する
助言データ生成方法。
【請求項9】
請求項8に記載の助言データ生成方法であって、
前記時間区分ステップにおいて、
問題間を遷移する操作と当該操作が行われた時間区間とからなる遷移データを取得して、当該操作が行われている時間区間を問題選択時間区間として区分し、
前記時間比較ステップにおいて、
他のユーザの前記問題選択時間区間の長さと、該当ユーザの前記問題選択時間区間の長さを比較する
助言データ生成方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の助言データ生成方法であって、
ある問題における該当ユーザの前記思考時間区間または前記記入時間区間が他のユーザと比較して所定程度以上長いことを示す比較結果が生成された場合に、当該問題を該当ユーザにとっての捨て問であると判定する捨て問判定ステップを含み、
前記助言生成ステップにおいて、
前記比較結果に加え、前記捨て問を表す助言データを生成する
助言データ生成方法。
【請求項11】
請求項10に記載の助言データ生成方法であって、
前記ユーザが前記問題を解いた結果が正解であったか、または不正解であったか、あるいは部分正解であったかの別を示す正誤データを取得する正誤データ取得ステップを含み、
前記捨て問判定ステップにおいて、
ある問題に対するあるユーザの前記正誤データが不正解あるいは部分正解を示す場合であって、該当問題における該当ユーザの前記思考時間区間または前記記入時間区間が他のユーザと比較して所定程度以上長いことを示す比較結果が生成された場合に、当該問題を該当ユーザにとっての捨て問であると判定する
助言データ生成方法。
【請求項12】
請求項7から11の何れかに記載の助言データ生成方法であって、
該当ユーザのストロークデータと、同じ問題に対する他の複数のユーザのストロークデータの、残存データの量と削除済みデータの量を比較して該当ユーザの解答が他のユーザの解答と比較してどのような傾向を持つかを分析するストロークデータ分析ステップを含み、
前記助言生成ステップにおいて、
前記比較結果に加え、分析結果を表す助言データを生成する
助言データ生成方法。
【請求項13】
コンピュータを請求項1から6の何れかに記載の助言データ生成装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子解答欄に手書き入力されたストロークデータに基づいて助言データを生成する助言データ生成装置、助言データ生成方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、学校の入学試験問題を分析して出題問題の傾向を把握し、生徒の成績によって、学校の入学試験問題の出題領域傾向を取り入れてアドバイスする入試問題演習分析方法が開示されている。
【0003】
特許文献1の入試問題演習分析方法では、入試問題を学校、年度、科目、科目の問題の出題領域ごとに分けて分析して学校の出題傾向を把握し、出題傾向を有するコメントからなる領域別・観点別アドバイスデータベースを用意し、生徒の試験の成績に対して最適なコメントをアドバイスデータベースから抽出して助言する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-215016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1をはじめとした従来技術が提供する助言(アドバイス)は、ユーザの学力不足に関する指摘がほとんどで、答案作成方法に重点を置いた助言ができるものは存在しなかった。
【0006】
実際には、学力がほとんど同じ二者であっても、一方は答案作成に長けており、他方は答案作成が不得手であったために、両者の得点に大きな差がついて合否が分かれる、といった事例は枚挙に暇がない。
【0007】
そこで本発明では、答案作成方法についての助言データを生成することができる助言データ生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の助言データ生成装置は、時間区分部と、時間比較部と、助言生成部を含む。
【0009】
時間区分部は、問題への解答として所定の電子解答欄にユーザが手書き入力した軌跡の座標と時刻のベクトルデータであるストロークデータに基づいて、解答時間として定義される所定の時間範囲のうち、ストロークデータが存在する時間区間を記入時間区間と区分する。
【0010】
時間比較部は、他のユーザの各問題における各記入時間区間の長さと、該当ユーザの各問題における各記入時間区間の長さを比較する。
【0011】
助言生成部は、比較結果を表す助言データを生成する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の助言データ生成装置によれば、答案作成方法についての助言データを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1の助言データ生成装置の構成を示すブロック図。
図2】実施例1の助言データ生成装置の動作を示すフローチャート。
図3】ストロークデータを例示する図。
図4】時間区分部が区分する各時間区間の定義を例示して説明する図。
図5】助言データを例示する図。
図6】コンピュータの機能構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例0015】
以下、図1を参照して実施例1の助言データ生成装置の構成を説明する。同図に示すように、本実施例の助言データ生成装置1は、ストロークデータ取得部11と、時間区分部12と、時間データ記憶部13と、時間比較部14と、正誤データ取得部15と、捨て問判定部16と、ストロークデータ記憶部17と、ストロークデータ分析部18と、助言生成部19を含む。実施例1の助言データ生成装置1には、適宜省略できる構成要件が存在する。例えば、実施例1の助言データ生成装置1を破線枠で囲んだ範囲内に存在する構成要件(時間区分部12、時間比較部14、助言生成部19)のみで構成することができる。この場合、各記憶部は、他の装置の記憶領域を利用することとしてもよいし、各構成部がメモリを備えており、メモリに必要なデータが記憶されることとしてもよい。以下、図2図3図4図5を参照して各構成要件の動作を説明する。
【0016】
<ストロークデータ取得部11>
ストロークデータ取得部11は、問題への解答として所定の電子解答欄にユーザが手書き入力した軌跡の座標と時刻のベクトルデータであるストロークデータを取得する(S11)。ストロークデータの例を図3に示す。同図の例では、ユーザが電子解答欄21に対して、例えば「ax+bx+c=0」と手書き入力したストロークデータ211が存在する。ストロークデータ211は軌跡の座標(x,y)と時刻tの組み合わせからなるベクトルデータS={(xq,yq,tq),…,(xr,yr,tr)}と表される。
【0017】
このストロークデータ211がのちにユーザによって削除されたものとすると、該当のストロークデータ211は、削除済みデータ212として記憶しなおされることとなる(同図の破線で表した手書き文字参照)。削除済みデータ212はベクトルデータD={(xs,ys,ts),…,(xt,yt,tt)}と表される。
【0018】
同図の例では、「ax+bx+c=0」が削除され、代わりに「(x-a)(x-b)=0」と手書き入力してなるストロークデータ213が新たに生成される(S’={(xu,yu,tu),…,(xv,yv,tv)})。解答終了時に電子解答欄に残っているストロークデータを全て残存データと呼称する。
【0019】
<時間区分部12>
時間区分部12は、ステップS11で取得したストロークデータに基づいて、解答時間として定義される所定の時間範囲(例えば、試験時間[60分]、試験時間[90分]などがこれに該当する)のうち、ストロークデータが存在しない時間区間を思考時間区間と区分し、ストロークデータが存在する時間区間を記入時間区間と区分する(S12)。また、より好適には、時間区分部12は、問題間を遷移する操作と当該操作が行われた時間区間とからなる遷移データを取得して、当該操作が行われている時間区間を問題選択時間区間として区分してもよい。例えば、大問1~3までの試験問題(試験時間T)を図4に示すように区分することができる。同図の例で、大問1の思考時間区間ta~tbとして区分されているのは、ユーザが大問1の問題文(または大問1の解答欄)を閲覧した状態で、かつストロークデータが存在しない時間区間がta~tbであったことを示す。同様に、大問1の記入時間区間tc~tdとして区分されているのは、大問1の解答欄に対するストロークデータ(削除済みデータ、残存データの双方を含む)が存在する時間区間がtc~tdであったことを示す。また、問題選択時間区間tm~tnとして区分されているのは、ユーザが大問1の問題文から大問2の問題文にページや表示範囲を遷移させる操作が行われた時間区間がtm~tnであったことを示す。
【0020】
<時間データ記憶部13>
時間データ記憶部13は、複数のユーザについて、ステップS12を実行することで区分された、各ユーザの各時間区間を記憶・蓄積する(S13)。例えば、各時間区間をユーザの識別子であるユーザIDと紐づけて記憶・蓄積すればよい。
【0021】
<時間比較部14>
時間比較部14は、他のユーザの各時間区間(各問題における思考時間区間、各問題における記入時間区間、問題選択時間区間)の長さと、該当ユーザ(助言の対象となっているユーザ)の各時間区間の長さを比較する(S14)。時間比較部14は、前述の比較を行って、例えば「該当ユーザの大問2の記入時間が他のユーザの平均と比較して2倍長い」などの比較結果を生成する。比較結果の例として、例えば「該当ユーザの大問3の思考時間が他のユーザの平均と比較して10分長い」、「該当ユーザの問題選択時間が他のユーザの平均と比較して3分短い」などが考えられる。
【0022】
<正誤データ取得部15>
正誤データ取得部15は、ユーザが問題を解いた結果が正解であったか、または不正解であったか、あるいは部分正解であったかの別を示す正誤データを取得する(S15)。正誤データは、例えば正解=2、部分正解=1、不正解=0のフラグとしてもよいし、正解=10、部分正解=9~1の値、不正解=0として、スコア形式としてもよい。
【0023】
<捨て問判定部16>
捨て問判定部16は、ある問題における該当ユーザの思考時間区間または記入時間区間が他のユーザと比較して所定程度以上長いことを示す比較結果(S14参照)が生成された場合に、当該問題を該当ユーザにとっての捨て問であると判定する(S16)。
【0024】
さらに、捨て問判定部16は、ある問題に対するあるユーザの正誤データが不正解あるいは部分正解を示す場合(S15参照)であって、該当問題における該当ユーザの思考時間区間または記入時間区間が他のユーザと比較して所定程度以上長いことを示す比較結果(S14参照)が生成された場合に、当該問題を該当ユーザにとっての捨て問であると判定すればより好適である。
【0025】
<ストロークデータ記憶部17>
ストロークデータ記憶部17は、複数のユーザについて、ステップS11を実行することで取得された各ユーザの各問題におけるストロークデータを記憶・蓄積する(S17)。例えば、各ストロークデータをユーザIDと問題の識別子である問題IDと紐づけて記憶・蓄積すればよい。
【0026】
<ストロークデータ分析部18>
ストロークデータ分析部18は、該当ユーザのストロークデータと、同じ問題に対する他の複数のユーザのストロークデータの、残存データの量と削除済みデータの量を比較して該当ユーザの解答が他のユーザの解答と比較してどのような傾向を持つかを分析する(S18)。例えばストロークデータ分析部18は、「該当ユーザのストロークデータの総量(残存データ+削除済みデータ)が、他のユーザの平均と比較して3倍ほど多い」、「該当ユーザのストロークデータのうち残存データは他のユーザの平均とほぼ等しいが、削除済みデータは他のユーザの平均と比較して5行長い」などの分析結果を生成することができる。
【0027】
<助言生成部19>
助言生成部19は、上述の比較結果、捨て問、分析結果を表す助言データを生成する(S19)。助言生成部19が生成する助言データの例を図5に示す。同図の吹き出し内に示したテキストが助言データの例である。比較結果として例えば「大問1の思考時間が、他の学習者と比べて5分長いです」、「大問3の記入時間が、他の学習者と比べて10分短いです」、「問題選択時間が他の学習者と比較して半分以下です。どの問題なら解答できそうか、最初によく見てから解答を始めましょう」などのテキストが考えられる。
【0028】
捨て問として例えば「大問1の記入時間が、他の学習者と比べて15分長いです。またスコアも部分点(1/10)のみ獲得でしたので、この問題は捨て問と判断できます」、「大問1の記入時間が、他の学習者の1.5倍長いです。また不正解(部分点なし)でしたので、この問題は捨て問と判断できます」などのテキストが考えられる。
【0029】
分析結果として例えば、「大問2は、ここまで書かなくても減点されません。…」、「大問2の解答は、必要な記載が不足しているため減点されています。…」などのテキストが考えられる。
【0030】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0031】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0032】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0033】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0034】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0035】
上述の各種の処理は、図6に示すコンピュータの記録部10020に、上記方法の各ステップを実行させるプログラムを読み込ませ、制御部10010、入力部10030、出力部10040などに動作させることで実施できる。
【0036】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electrically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0037】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0038】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0039】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題への解答として所定の電子解答欄にユーザが手書き入力した軌跡の座標と時刻のベクトルデータであるストロークデータに基づいて、前記ストロークデータが存在する時間区間を記入時間区間と区分する時間区分部と、
他のユーザの各問題における各記入時間区間の長さと、該当ユーザの各問題における各記入時間区間の長さを比較して比較結果を生成する時間比較部と、
ある問題における該当ユーザの前記記入時間区間が他のユーザと比較して所定程度以上長いことを示す前記比較結果が生成された場合に、当該問題を該当ユーザにとっての捨て問であると判定する捨て問判定部と、
前記比較結果と前記捨て問を表す助言データを生成する助言生成部を含む
助言データ生成装置。
【請求項2】
問題への解答として所定の電子解答欄にユーザが手書き入力した軌跡の座標と時刻のベクトルデータであるストロークデータに基づいて、解答時間として定義される所定の時間範囲のうち、前記ストロークデータが存在しない時間区間を思考時間区間と区分する時間区分部と、
他のユーザの各問題における各思考時間区間の長さと、該当ユーザの各問題における各思考時間区間の長さを比較して比較結果を生成する時間比較部と、
ある問題における該当ユーザの前記思考時間区間が他のユーザと比較して所定程度以上長いことを示す前記比較結果が生成された場合に、当該問題を該当ユーザにとっての捨て問であると判定する捨て問判定部と、
前記比較結果と前記捨て問を表す助言データを生成する助言生成部を含む
助言データ生成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の助言データ生成装置であって、
前記ユーザが前記問題を解いた結果が正解であったか、または不正解であったか、あるいは部分正解であったかの別を示す正誤データを取得する正誤データ取得部を含み、
前記捨て問判定部は、
ある問題に対するあるユーザの前記正誤データが不正解あるいは部分正解を示す場合であって、該当問題における該当ユーザの前記記入時間区間が他のユーザと比較して所定程度以上長いことを示す比較結果が生成された場合に、当該問題を該当ユーザにとっての捨て問であると判定する
助言データ生成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の助言データ生成装置であって、
前記ユーザが前記問題を解いた結果が正解であったか、または不正解であったか、あるいは部分正解であったかの別を示す正誤データを取得する正誤データ取得部を含み、
前記捨て問判定部は、
ある問題に対するあるユーザの前記正誤データが不正解あるいは部分正解を示す場合であって、該当問題における該当ユーザの前記思考時間区間が他のユーザと比較して所定程度以上長いことを示す前記比較結果が生成された場合に、当該問題を該当ユーザにとっての捨て問であると判定する
助言データ生成装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載の助言データ生成装置であって、
該当ユーザのストロークデータと、同じ問題に対する他の複数のユーザのストロークデータの、残存データの量と削除済みデータの量を比較して該当ユーザの解答が他のユーザの解答と比較してどのような傾向を持つかを分析するストロークデータ分析部を含み、
前記助言生成部は、
前記比較結果に加え、分析結果を表す助言データを生成する
助言データ生成装置。
【請求項6】
問題への解答として所定の電子解答欄にユーザが手書き入力した軌跡の座標と時刻のベクトルデータであるストロークデータに基づいて、前記ストロークデータが存在する時間区間を記入時間区間と区分する時間区分ステップと、
他のユーザの各問題における各記入時間区間の長さと、該当ユーザの各問題における各記入時間区間の長さを比較して比較結果を生成する時間比較ステップと、
ある問題における該当ユーザの前記記入時間区間が他のユーザと比較して所定程度以上長いことを示す前記比較結果が生成された場合に、当該問題を該当ユーザにとっての捨て問であると判定する捨て問判定ステップと、
前記比較結果と前記捨て問を表す助言データを生成する助言生成ステップを含む
助言データ生成方法。
【請求項7】
問題への解答として所定の電子解答欄にユーザが手書き入力した軌跡の座標と時刻のベクトルデータであるストロークデータに基づいて、解答時間として定義される所定の時間範囲のうち、前記ストロークデータが存在しない時間区間を思考時間区間と区分する時間区分ステップと、
他のユーザの各問題における各思考時間区間の長さと、該当ユーザの各問題における各思考時間区間の長さを比較して比較結果を生成する時間比較ステップと、
ある問題における該当ユーザの前記思考時間区間が他のユーザと比較して所定程度以上長いことを示す前記比較結果が生成された場合に、当該問題を該当ユーザにとっての捨て問であると判定する捨て問判定ステップと、
前記比較結果と前記捨て問を表す助言データを生成する助言生成ステップを含む
助言データ生成方法。
【請求項8】
請求項6に記載の助言データ生成方法であって、
前記ユーザが前記問題を解いた結果が正解であったか、または不正解であったか、あるいは部分正解であったかの別を示す正誤データを取得する正誤データ取得ステップを含み、
前記捨て問判定ステップにおいて、
ある問題に対するあるユーザの前記正誤データが不正解あるいは部分正解を示す場合であって、該当問題における該当ユーザの前記記入時間区間が他のユーザと比較して所定程度以上長いことを示す比較結果が生成された場合に、当該問題を該当ユーザにとっての捨て問であると判定する
助言データ生成方法。
【請求項9】
請求項7に記載の助言データ生成方法であって、
前記ユーザが前記問題を解いた結果が正解であったか、または不正解であったか、あるいは部分正解であったかの別を示す正誤データを取得する正誤データ取得ステップを含み、
前記捨て問判定ステップにおいて、
ある問題に対するあるユーザの前記正誤データが不正解あるいは部分正解を示す場合であって、該当問題における該当ユーザの前記思考時間区間が他のユーザと比較して所定程度以上長いことを示す前記比較結果が生成された場合に、当該問題を該当ユーザにとっての捨て問であると判定する
助言データ生成方法。
【請求項10】
請求項6から9の何れかに記載の助言データ生成方法であって、
該当ユーザのストロークデータと、同じ問題に対する他の複数のユーザのストロークデータの、残存データの量と削除済みデータの量を比較して該当ユーザの解答が他のユーザの解答と比較してどのような傾向を持つかを分析するストロークデータ分析ステップを含み、
前記助言生成ステップにおいて、
前記比較結果に加え、分析結果を表す助言データを生成する
助言データ生成方法。
【請求項11】
コンピュータを請求項1から5の何れかに記載の助言データ生成装置として機能させるプログラム。