(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055788
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】光端末装置
(51)【国際特許分類】
H04N 21/647 20110101AFI20220401BHJP
H04B 10/27 20130101ALI20220401BHJP
H04H 20/78 20080101ALI20220401BHJP
【FI】
H04N21/647
H04B10/27
H04H20/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020163413
(22)【出願日】2020-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000114226
【氏名又は名称】ミハル通信株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】椿 一成
(72)【発明者】
【氏名】栗原 正美
【テーマコード(参考)】
5C164
5K102
【Fターム(参考)】
5C164FA03
5C164FA23
5C164TA02S
5C164TA23S
5C164TB42P
5C164TB44P
5C164YA21
5C164YA23
5K102AA15
5K102AA35
5K102AB02
5K102AL07
5K102AN01
5K102MH03
5K102MH12
5K102PH32
5K102RD05
5K102RD12
(57)【要約】
【課題】 一台で1出力型と2出力型に切替え設定できる光端末装置を提供する。
【解決手段】 光混合信号を電気信号に変換する光/電変換部と、二以上の端末機出力端と、混合信号が二以上の端末機出力端から出力される2出力型と、少なくともいずれか一つの端末機出力端から出力される1出力型に切替え設定できる出力型切替スイッチと、2出力型の場合に混合信号が出力される二以上の端末機出力端と、1出力型の場合に混合信号が出力される一つの端末機出力端を選択する出力型切替スイッチと、V-ONUが給電時から無給電時になると自動的に接続が切替わる無給電時対応スイッチを備えている。出力型切替スイッチを2出力型に設定すると、給電時も無給電時も出力型切替スイッチで選択された二以上の端末機出力端から同じ混合信号が出力され、出力型切替スイッチを1出力型に切替え設定すると、給電時も無給電時も出力型切替スイッチで選択された少なくとも一つの端末機出力端から混合信号が出力されるようにしてある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともTV放送信号及び告知放送信号を含む光混合信号を電気混合信号(以下、単に「混合信号」という。)に変換し、変換後の混合信号を端末機出力端から出力できる光端末装置において、
光端末装置は光混合信号を電気信号に変換する光/電変換部と、光/電変換部の変換部出力端から出力される混合信号を出力できる二以上の端末機出力端と、混合信号が二以上の端末機出力端から出力される2出力型と、少なくともいずれか一つの端末機出力端から出力される1出力型に切替え設定できる出力型切替スイッチと、V-ONUが給電時から無給電時になると自動的に接続が切替わる無給電時対応スイッチを備え、
前記無給電時対応スイッチは、出力型切替スイッチが2出力型に設定されると、給電時には二以上の端末機出力端から同じ混合信号が出力され、無給電時には少なくとも一つの端末機出力端から混合信号が出力されるように自動的に切替わり、出力型切替スイッチが1出力型に切替えられると、給電時も無給電時も、少なくとも一つの端末機出力端から混合信号が出力されるように自動的に切替わる、
ことを特徴とする光端末装置。
【請求項2】
請求項1記載の光端末装置において、
光/電変換部が少なくとも二つの変換部出力端を備え、それらの変換部出力端に伝送路があり、光/電変換部から出力される混合信号が、それらの変換部出力端を通して夫々の伝送路に伝送される、
ことを特徴とする光端末装置。
【請求項3】
請求項2記載の光端末装置において、
光/電変換部の一つの変換部出力端側の伝送路に、給電時は作動し無給電時は作動しない伝送機器があり、当該伝送機器の出力側に出力型切替スイッチがあり、出力型切替スイッチの出力側に分配器があり、分配器の一方の分配出力側に一つの端末機出力端があり、他方の分配出力側と光/電変換部の他の変換部出力端側の伝送路の先に無給電時対応スイッチがあり、この無給電時対応スイッチの出力側に他の端末機出力端がある、
ことを特徴とする光端末装置。
【請求項4】
請求項2記載の光端末装置において、
光/電変換部の一つの変換部出力端側の伝送路に、給電時は作動し無給電時は作動しない伝送機器があり、その伝送機器の出力側と、光/電変換部の他の変換部出力端側の伝送路の出力側に無給電時対応スイッチがあり、当該無給電時対応スイッチの出力側に出力型切替スイッチがあり、出力型切替スイッチの出力側に分配器があり、分配器の一方の分配出力側に一つの端末機出力端があり、他方の分配出力側に他の端末機出力端がある、
ことを特徴とする光端末装置。
【請求項5】
請求項2記載の光端末装置において、
出力型切替スイッチとして第1の出力型切替スイッチと第2の出力型切替スイッチがあり、
光/電変換部の一つの変換部出力端側の伝送路に、給電時は作動し無給電時は作動しない伝送機器があり、その伝送機器の出力側に第1の出力型切替スイッチがあり、第1の出力型切替スイッチの出力側に分配器があり、光/電変換部の他の変換部出力端側の伝送路の出力側に第2の出力型切替スイッチがあり、
前記第1の出力型切替スイッチの一方の出力側と前記分配器の一方の分配出力側とに無給電時対応スイッチがあり、当該無給電時対応スイッチの出力側に一つの端末機出力端があり、
前記第2の出力型切替スイッチの他方の出力側と、前記分配器の他方の分配出力側とに他の無給電時対応スイッチがあり、当該無給電時対応スイッチの出力側に他の端末機出力端がある、
ことを特徴とする光端末装置。
【請求項6】
請求項2記載の光端末装置において、
出力型切替スイッチとして第1の出力型切替スイッチと第2の出力型切替スイッチがあり、
光/電変換部の一つの変換部出力端側の伝送路に、給電時は作動し無給電時は作動しない伝送機器があり、その伝送機器の出力側に第1の出力型切替スイッチがあり、当該第1の出力型切替スイッチの出力側に分配器があり、光/電変換部の他の変換部出力端側の伝送路の出力側に他の分配器があり、
前記分配器の一方の分配出力側と前記他の分配器の一方の分配出力側とに無給電時対応スイッチがあり、当該無給電時対応スイッチの出力側に一つの端末機出力端があり、
前記分配器の他方の分配出力側と、前記他の分配器の他方の分配出力側とに他の無給電時対応スイッチがあり、当該無給電時対応スイッチの出力側に他の端末機出力端がある、
ことを特徴とする光端末装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光端末装置において、
二以上の端末機出力端から出力される混合信号が、同じ信号、同じレベルである、
ことを特徴とする光端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテレビジョン放送、告知放送等の共同受信システムで使用される光端末装置に関し、一台で1出力型と2出力型に切替え使用できるものである。
【背景技術】
【0002】
共同受信システムの一つとしてCATVシステムがある。CATVの光伝送システムでは、ケーブルテレビ局から加入者に伝送される光信号が、加入者側で電気信号に変換(光/電気変換)されて、加入者宅内のテレビ受像機、告知放送受信機等の受信機器で受信される。前記光/電気変換は光端末装置で行われる。
【0003】
光端末装置としては、例えば、CATV光伝送システムの伝送路の途中に設置される光ノード、加入者側に設置されるV-ONU(Video-Optical Network Unit)、D-ONU(Data-Optical Network Unit)、V/D-ONU(Video/Data-Optical Network Unit)等がある。以下、これらをまとめて「光端末装置」又は「V-ONU」という。
【0004】
ケーブルテレビ局(送信側)から伝送される光信号は、共同受信信号、告知放送信号、遠隔制御信号等の各種信号が混合(多重)されている混合信号(多重信号)である。共同受信信号はCATV帯域(70MHz~770MHz)のテレビジョン放送信号と、BS/CS-IF帯域(1032MHz~3224MHz:4K・8K放送開始前の2018年11月までは1032MHz~2610MHz)のテレビジョン放送信号を含み、告知放送信号は地震、風水害等の災害発生報知や予告時等に使用されるものであってFM帯域(70MHz~90MHz)が使われることが一般的である。
【0005】
CATVシステムのケーブルテレビ局から送られる光信号は、加入者宅のV-ONUに送られ、V-ONUで電気信号に変換(光/電気変換)される。光/電気変換後の混合信号は
図6(a)(b)、
図7(a)(b)のように、加入者の引込端子を介して加入者宅内に引き込まれる。引き込まれた混合信号のうち、共同受信信号(TV放送信号:RF信号)は加入者宅内のテレビジョン受信機(以下、「TV受信機」という。)Wで受信され、告知放送信号(FM信号)は加入者宅内の告知放送信号受信機(以下、「告知受信機」という。)Xで受信される。
【0006】
加入者宅内の引込形態には各種引込形態があり、例えば、1加入者が一つの引込端子を備えている1加入者1引込形態(
図6(a)(b))、1加入者が二つの引込端子を備えている1加入者2引込形態(
図7(a)(b))がある。
【0007】
V-ONUには加入者宅内の引込形態に合わせて各種形態がある。混合信号中のRF信号とFM信号を共通の一つの出力端子から出力する1出力型と、RF信号とFM信号を別々の二つの出力端子から出力する2出力型がある。1出力型は1加入者1引込形態に対応でき、2出力型は1加入者2引込形態に対応可能である。
【0008】
[引込形態1]
図6(a)は、1加入者1引込形態、V-ONUが1出力型の場合であり、TV受信機Wと告知受信機Xのいずれかが加入者宅内の一つの室内の1壁面端子に一台ずつ設置されている受信形態である。この受信形態では、V-ONUの1つの出力端子から出力される混合信号が引込端子を介して室内に送られ、室内の4分配器Zで4分配される。4分配された信号中のTV放送信号がTV受信機Wで受信され、告知放送信号が告知受信機Xで受信される。
【0009】
[引込形態2]
図6(b)も、1加入者1引込形態、V-ONUが1出力型の場合であり、一つの室内の1壁面端子にTV受信機Wと告知受信機Xが設置され、他の室内の1壁面端子にTV受信機Wが一台ずつ設置されている受信形態である。この受信形態では、V-ONUの一つの出力端子から出力される混合信号が引込端子を介して室内に送られ、室内の4分配器Zで4分配される。4分配された信号中のTV放送信号はTV受信機Wのみが設置されている室内ではそのTV受信機Wで受信され、TV受信機Wと告知受信機Xが設置されている室内では、2分配器YでTV放送信号と告知放送信号に2分配され、TV放送信号がそのTV受信機Wで、告知放送信号がその告知受信機Xで受信される。
【0010】
[引込形態3]
図7(a)は、1加入者2引込形態、V-ONUが2出力型の場合であり、加入者宅内の一つの室内の1壁面端子にTV受信機W又は告知受信機Xが一台ずつ設置されている受信形態である。この受信形態では、V-ONUの一方の出力端子から出力される混合信号は引込端子を介して室内に送られ、室内の4分配器Zで4分配される。4分配された信号中のTV放送信号は夫々の室内のTV受信機Wで受信される。V-ONUの他方の出力端子から出力される混合信号中の告知放送信号は告知受信機Xで受信される。
【0011】
[引込形態4]
図7(b)は、1加入者2引込形態、V-ONUが2出力型の場合であり、加入者宅内の一つの室内にTV受信機Wと告知受信機Xが一台ずつ設置され、他の室内にTV受信機Wが一台ずつ設置されている受信形態である。この受信形態では、V-ONUの一方の出力端子から出力される混合信号は引込端子を介して室内に送られ、室内の4分配器Zで4分配される。4分配され信号中のTV放送信号は夫々の室内のTV受信機Wで受信される。V-ONUの他方の出力端子から出力される混合信号は、告知受信機Xが設置された室内に送られ、その告知受信機Xで受信される。
【0012】
[1出力型V-ONUのメリット、デメリット]
1出力型V-ONU1aから1加入者1引込形態(
図6(a)(b))に引き込む場合は、V-ONUから出力される混合信号を加入者宅内に配線されている既設の同軸ケーブルで伝送できるため、加入者宅内に新たに告知信号伝送用同軸ケーブルの配線工事を行う必要がないというメリットがある。しかし、混合信号を加入者宅内の4分配器Zで4分配するため、TV受信機Wで受信されるTV放送信号、告知受信機Xで受信される告知放送信号の受信レベルが低下する。室内に2分配器Yが必要になる。また、電源供給系統の調査が必要になるといったデメリットがある。
【0013】
[2出力型V-ONUのメリット、デメリット]
2出力型V-ONU1bから1加入者2引込形態(
図7(a)(b))に引き込む場合は、前記いずれのデメリットもないが、1加入者1引込形態(
図6(a)(b))に引き込む場合は、加入者宅内に新たな同軸ケーブルの配線工事が必要になるというデメリットがある。
【0014】
[二種類の出力型V-ONUの用意]
従来は、1出力型と2出力型の二種類のV-ONUを用意し、1出力型と2出力型を、敷設現場において加入者の引込形態に合わせて使い分けていた。
【0015】
[切替え式V-ONU]
1出力型と2出力型の二種類のV-ONUを用意すると、V-ONUの生産、在庫管理、施工現場への持ち運び、敷設工事が面倒になる。これら面倒を解消するため、従来はスイッチ操作により、一台で1出力型と2出力型に切替え可能なV-ONUがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
V-ONUへの給電は停電やその他の理由で停止して無給電になることがある。告知放送には地震、風水害等の災害発生報知信号やその他の緊急信号が含まれるため、V-ONUは給電時のみならず無給電時でも告知受信機で受信できるようにしてある。特許文献1のV-ONUは告知放送信号専用出力端子(特許文献1の
図6:以下、「告知専用端子」という。)を設けて、給電時も無給電時も告知放送信号を出力できるようにしてある。しかも、告知放送信号を出力するためには、その告知専用端子が必ず必要である。
【0018】
しかし、加入者によっては、共同受信システムの告知放送だけを利用し、TV信号は利用せず、TV信号は加入者宅のアンテナによって受信する場合がある。この場合は、特許文献1のV-ONUでは、告知専用端子以外の出力端子から告知放送を出力できるため、告知専用端子T1は不要であり、無駄になる。また、特許文献1では、リレーRY1~RY3、分岐器36、マッチング回路43等(いずれも、特許文献1の
図6)が必要であるため構成部品が多くなり、回路構成が複雑になる。また、給電時/無給電時のシーケンス制御も、前記数箇所のリレー制御も複雑になる、といった難点がある。
【0019】
本発明の解決課題は、一台を給電時には1出力型と2出力型に切替え可能として、一台で1加入者1出力形態と1加入者2出力形態に対応できるV-ONUを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の光端末装置(V-ONU)は、少なくともTV放送信号及び告知放送信号が混合された光混合信号を電気混合信号(以下、単に「混合信号」という。)に変換して出力する光/電変換部と、二以上の出力端(端末機出力端)と、混合信号が当該二以上の端末機出力端から出力される2出力型と、少なくともいずれか一つの端末機出力端から出力される1出力型に切り替え設定できる出力型切替スイッチと、V-ONUが給電時から無給電時になると自動的に接続が切替わる無給電時対応スイッチを備えている。無給電時対応スイッチは出力型切替スイッチSW3を2出力型に設定すると、給電時には二以上の端末機出力端から同じ混合信号が出力され、無給電時には少なくとも一つの端末機出力端から混合信号が出力されるように自動的に切替わり、出力型切替スイッチが1出力型に切替えられると、給電時も無給電時も少なくとも一つの端末機出力端から混合信号が出力されるように自動的に切替わるようにしてある。後記する実施形態では、出力型切替スイッチは一つの場合(
図1、
図2及び
図5のスイッチSW3)と、二つの場合(
図3及び
図4のスイッチSW3、SW4)がある。無給電時対応スイッチも一つの場合(
図1及び
図2のスイッチSW1)と、二つの場合(
図3~
図5のスイッチSW1、SW2)がある。
【発明の効果】
【0021】
本発明のV-ONUは次の効果がある。
(1)出力型切替スイッチを切替え操作すると、一台が2出力型と1出力型に切替わるので、2出力型と1出力型の双方を用意する必要がない。
(2)2出力型、1出力型のいずれの場合も、給電時、無給電時に拘わらず、告知放送信号を含む混合信号を出力することができるので、告知専用出力端がなくとも告知放送信号を必ず出力できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明のV-ONUの実施例1であり、(a)は第1の出力型切替スイッチSW3を2出力型に設定した場合の給電時説明図、(b)は(a)の設定状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1が自動的に切替えた場合の説明図、(c)は(a)の第1の出力型切替スイッチSW3を1出力型に切替えた場合の給電時説明図、(d)は(c)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1が自動的に切替わった場合の説明図。
【
図2】本発明のV-ONUの実施例2であり、(a)は第1の出力型切替スイッチSW3を2出力型に設定した場合の給電時説明図、(b)は(a)の設定状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1が自動的に切替わった場合の説明図、(c)は(a)の第1の出力型切替スイッチSW3を1出力型に切替えた場合の給電時説明図、(d)は(c)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1が自動的に切替わった場合の説明図。
【
図3】本発明のV-ONUの実施例3であり、第2の出力型切替スイッチSW4をA-C接続にした場合である。(a)は第1の出力型切替スイッチSW3を2出力型に設定した場合の給電時説明図、(b)は(a)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった場合の説明図、(c)は(a)の第2の出力型切替スイッチSW4はそのままで、第1の出力型切替スイッチSW3だけを切替えた場合の給電時説明図、(d)は(c)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった場合の説明図。
【
図4】本発明のV-ONUの実施例4であり、回路構成は
図3と同じであるが第2の出力型切替スイッチSW4を接点A-B接続にした場合である。(a)は第1の出力型切替スイッチSW3を2出力型に設定した場合の給電時説明図、(b)は(a)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった場合の説明図、(c)は(a)の第2の出力型切替スイッチSW4はそのままで、第1の出力型切替スイッチSW3だけを切替えた場合の給電時説明図、(d)は(c)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった場合の説明図。
【
図5】本発明のV-ONUの実施例5であり、(a)は第1の出力型切替スイッチSW3を2出力型に設定した場合の給電時説明図、(b)は(a)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった場合の説明図、(c)は第1の出力型切替スイッチSW3を1出力型に切替えた場合の給電時説明図、(d)は(c)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった場合の説明図。
【
図6】1加入者1引込形態の加入者に1出力型V-ONUを設置した従来例であり、(a)、(b)は壁面端子へのTV受信機と告知受信機の接続が異なる従来例の説明図。
【
図7】1加入者1引込形態の加入者に、2出力型V-ONUを設置した従来例であり、(a)、(b)は壁面端子へのTV受信機と告知受信機の接続が異なる従来例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明のV-ONUの実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態は共同受信システムがCATVの光伝送システムの場合であるが、この実施形態はあくまでも本発明の一例である。本発明はCATVの光伝送システムに限らず、他の共同受信システムに使用することも可能である。
【0024】
本発明のV-ONUは従来からのV-ONUと同様に外部電源から給電されて動作し、給電時も、無給電時も、少なくとも、TV放送信号(RF信号)と告知放送信号(FM信号)の双方を含む混合信号を二以上の端末機出力端から出力可能としてある。
【0025】
(実施形態1)
[V-ONUの構成]
図1(a)~(d)は本発明のV-ONUの第1の実施例である。このV-ONUは光/電変換部2と、無給電時対応スイッチSW1と、第1の出力型切替スイッチSW3と、二つの端末機出力端3、4と、モニタ端子MONを備えている。
【0026】
光/電変換部2は、光伝送システムの送信側から伝送されてくる光信号(少なくとも、RF信号とFM信号の混合信号)を電気信号に変換するものである。光/電変換部2は光/電気変換素子と、光/電変換部として必要な電気回路を備えている。光/電気変換素子にはフォトダイオード、その他の素子が使用される。光/電変換部2には少なくとも二つの変換部出力端2a、2bがある。両変換部出力端2a、2bからは告知放送信号を含む同じ混合信号が出力される。夫々の変換部出力端2a、2b側に伝送路L1、L2がある。
【0027】
一方の伝送路L1には、コンデンサC1、増幅器11、分波器12があり、分波器12の出力側に分波路13a、13bがある。一方の分波路13aに増幅器14a、ゲイン制御回路15a、増幅器16aがあり、他方の分波路13bに増幅器14b、ゲイン制御回路15b、増幅器16bがある。両分波路13a、13bの出力側に混合器17があり、混合器17の出力側にスライド式の第1の出力型切替スイッチSW3ある。第1の出力型切替スイッチSW3の一方の固定接点E側はスルー回路22になっており、他方の固定接点G側には2分配器25がある。2分配器25の一方の出力側に端末機出力端4があり、他方の出力側は第1の出力型切替スイッチSW3の固定接点Fを介して無給電時対応スイッチSW1と接続されている。無給電時対応スイッチSW1の出力側には分岐器20があり、分岐器20の一方の出力側に端末機出力端3が、他方の出力側(分岐側)にモニタ端子MONがある。
【0028】
前記増幅器11は伝送路L1に出力された信号を増幅するもの、分波器12は多重信号のFM信号とRF信号を分波するものであり、増幅器14a、14b、増幅器16a、16bは分波された夫々の信号を増幅するもの、ゲイン制御回路15a、15bは分波された夫々の信号の利得調整をするものである。伝送路L1、分波路13a、13bには必要に応じて他の電気機器を設けることもできる。以下の説明ではこれら電気機器をまとめて伝送機器ということがある。伝送機器はV-ONUへの給電時には動作するが、無給電時には動作しない。
【0029】
光/電変換部2の他方の伝送路L2にはコンデンサC2、フィルタFILがあり、フィルタFILの出力側が無給電時対応スイッチSW1と接続されている。無給電時対応スイッチSW1は、V-ONUが給電時から無給電時になると、可動接点Aが固定接点B、Cのいずれかに自動的に切替わるスイッチである。
【0030】
前記端末機出力端3、4は
図7(a)(b)のように加入者宅の引込端子に接続される。モニタ端子MONにはモニタ機器を接続して出力信号をモニタすることができる。モニタ端子MONは必要ない場合もある(以下において同じ)。
【0031】
[
図1(a)の動作説明:給電時、端末機出力端3、4から出力:2出力型]
図1(a)は、第1の出力型切替スイッチSW3の可動接点Dを手動操作で下方にスライドさせて固定接点G側に設定した場合であり、無給電時対応スイッチSW1の可動接点Aが固定接点Cに接続している状態(V-ONU給電時)である。
【0032】
図1(a)の接続状態で、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、伝送路L1-コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第2の出力型切替スイッチSW4-2分配器25と伝送され、2分配器25で2分配される。2分配器25からの一方の分配信号は端末機出力端4に出力され、他方の分配信号は2分配器25-第1の出力型切替スイッチSW3-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て、端末機出力端3及びモニタ端子MONに出力される。このとき、
図1(a)の接続状態で光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-無給電時対応スイッチSW1に至るが、無給電時対応スイッチSW1の固定接点Bが開放されているため、端末機出力端3及びモニタ端子MONに出力されない。したがって、
図1(a)の接続状態では給電時に、端末機出力端3、4から混合信号が出力される(給電時2出力)。モニタ端子がない場合は、両端末機出力端3、4から出力される混合信号は同じレベルとなる(以下において同じ)。以下では説明の便宜上、モニタ端子はないものとして説明する。
【0033】
[
図1(b)の動作説明:無給電時、端末機出力端3から出力:1出力型]
図1(b)は
図1(a)の状態で無給電になった場合であり、第1の出力型切替スイッチSW3は
図1(a)のままであるが、無給電時対応スイッチSW1の可動接点Aが
図1(a)の状態から固定接点B側に自動的に切替わった状態である。
【0034】
図1(b)の接続状態では、増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないため、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て端末機出力端3に出力される(無給電時1出力)。
【0035】
[
図1(c)の動作説明:給電時、端末機出力端3から出力:1出力型]
図1(c)は、第1の出力型切替スイッチSW3の可動接点Dを手動操作で上方にスライドさせて固定接点F-固定接点E-スルー回路22に切替え接続(設定)した場合であり、
図1(a)の場合と同様に、無給電時対応スイッチSW1の可動接点Aが固定接点Cに接続している状態(給電時)である。
【0036】
図1(c)の接続状態で、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、伝送路L1-コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第1の出力型切替スイッチSW3-スルー回路22-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て、端末機出力端3に出力される。このとき、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-無給電時対応スイッチSW1と伝送されるが、無給電時対応スイッチSW1の固定接点Bが開放されているため端末機出力端3には出力されない。したがって、
図1(c)の接続状態では、給電時に、混合信号が端末機出力端3からのみ出力される(給電時1出力)。
【0037】
[
図1(d)の動作説明:無給電時、端末機出力端3から出力:1出力型]
図1(d)は、
図1(c)の状態で無給電になった場合であり、第1の出力型切替スイッチSW3は
図1(c)のままであるが、無給電時対応スイッチSW1の可動接点Aが
図1(c)の状態から固定接点B側に自動的に切替わった状態である。
【0038】
図1(d)の接続状態は無給電時であるため、増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないこと、第1の出力型切替スイッチSW3の可動接点Gが開放されていることから、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。このとき、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て端末機出力端3に出力される。このため、混合信号は
図1(d)の無給電時であっても端末機出力端3からは出力される(無給電時1出力)。
【0039】
[加入者引込形態への対応]
実施形態1のV-ONUは前記のように、第1の出力型切替スイッチSW3を
図1(a)のように設定すると給電時2出力(出力端3、4)、無給電時(
図1(b))1出力(出力端3)となり、第1の出力型切替スイッチSW3を
図1(c)のように切替え設定すると給電時1出力(出力端3、4)、無給電時(
図1(d))1出力(出力端3)となるため、一台を2出力型と1出力型に切替え使用できる。このため、一台で、
図7(a)(b)の1加入者2引込形態にも、
図6(a)(b)の1加入者1引込形態にも対応できる。また、2出力時も1出力時も、告知放送信号を含む混合信号が出力されるため、告知専用端子がなくても、告知放送信号を出力できる。
【0040】
(実施形態2)
[V-ONUの構成]
図2(a)~(d)は本発明のV-ONUの第2の実施例である。このV-ONUの基本的構成は
図1(a)の構成と同じであり、異なるのは無給電時対応スイッチSW1を第1の出力型切替スイッチSW3の前段に配置したことである。
【0041】
[
図2(a)の動作説明:給電時、端末機出力端3、4から出力:2出力型]
図2(a)は、第1の出力型切替スイッチSW3の可動接点Dを下方にスライドさせて固定接点Gに接続設定した場合であり、無給電時対応スイッチSW1の可動接点Aが固定接点Cに接続している状態(給電時)である。
【0042】
図2(a)の接続状態で、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-無給電時対応スイッチSW1に至るが、無給電時対応スイッチSW1の固定接点Bが開放されているため、端末機出力端3には出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、伝送路L1-コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-無給電時対応スイッチSW1-第1の出力型切替スイッチSW3-2分配器25と伝送され、2分配器25で2分配される。2分配器25からの一方の分配信号は端末機出力端4に出力され、他方の分配信号は2分配器25-第1の出力型切替スイッチSW3-分岐器20を経て端末機出力端3に出力される。端末機出力端3、4から出力される(給電時2出力)。
【0043】
[
図2(b)の動作説明:無給電時、端末機出力端3、4から出力:2出力型]
図2(b)は第1の出力型切替スイッチSW3の可動接点Dは
図4(a)のままであるが、
図2(a)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1の可動接点Aが固定接点Bに自動的に切替わった場合である。この接続状態(V-ONU無給電時)では、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-無給電時対応スイッチSW1-第1の出力型切替スイッチSW3-2分配器25に伝送されて2分配される。2分配された一方の分配信号は端末機出力端4に出力され、他方の分配信号は第1の出力型切替スイッチSW3-分岐器20を経て端末機出力端3に出力される(無給電時2出力)。
図2(b)の無給電時には、増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないこと、無給電時対応スイッチSW1の固定接点Cが開放されていることから、前記光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。
【0044】
[
図2(c)の動作説明:給電時、端末機出力端3から出力:1出力型]
図2(c)は第1の出力型切替スイッチSW3の可動接点Dを手動操作で上方にスライドさせてスルー回路22に接続させ、無給電時対応スイッチSW1の可動接点Aが固定接点Cに接続している状態(V-ONU給電時)である。この接続状態では、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、伝送路L1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-無給電時対応スイッチSW1-第1の出力型切替スイッチSW3のスルー回路22-分岐器20を経て端末機出力端3に出力される(給電時1出力)。
図2(c)の状態で光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFILを経て無給電時対応スイッチSW1に伝送されるが、同スイッチSW1の固定接点Bが開放されているため、端末機出力端3、4のいずれにも出力されない。
【0045】
[
図2(d)の動作説明:無給電時、端末機出力端3から出力:1出力型]
図2(d)は、第2の出力型切替スイッチSW4は
図2(c)のままの接続状態であるが、
図2(c)の状態でV-ONUが無給電になって、無給電時対応スイッチSW1の可動接点Aが固定接点B側に自動的に切替わった場合である。この接続状態では光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-無給電時対応スイッチSW1-第1の出力型切替スイッチSW3のスルー回路22-分岐器20を経て端末機出力端3に出力される(無給電時1出力)。
図2(d)の無給電時は、増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないため、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれにも出力されない。
【0046】
[加入者引込形態への対応]
実施形態2のV-ONUは前記のように、第1の出力型切替スイッチSW3を
図2(a)のように設定すると給電時2出力、無給電時(
図1(b))も2出力となり、第1の出力型切替スイッチSW3を
図2(c)のように切替え設定すると給電時1出力、無給電時(
図1(d))1出力となるため、一台を2出力型と1出力型に切替え使用でき、
図7(a)(b)の1加入者2引込形態にも、
図6(a)(b)の1加入者1引込形態にも対応できる。また、2出力型の場合も、1出力型の場合も、告知放送信号を含む混合信号が出力されるため、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0047】
(実施形態3)
[V-ONUの構成]
図3(a)~(d)は本発明のV-ONUの第3の実施例である。このV-ONUの基本的構成は
図1(a)の構成と同じであり、異なるのはフィルタFILの出力側に第2の出力型切替スイッチSW4を設け、2分配器25の出力側に無給電時対応スイッチSW2を設け、第2の出力型切替スイッチSW4の固定接点Cを無給電時対応スイッチSW1の固定接点Cに、第2の出力型切替スイッチSW4の固定接点Bを無給電時対応スイッチSW2の固定接点Cに接続したものである。無給電時対応スイッチSW1と無給電時対応スイッチSW2とは無給電時に自動的に連動切替え可能であり、第2の出力型切替スイッチSW4と第1の出力型切替スイッチSW3は手動で個別に切替え操作可能である。
【0048】
[
図3(a)の動作説明:給電時、端末機出力端3、4から出力:2出力型]
図3(a)は、第2の出力型切替スイッチSW4の可動接点Aを固定接点Cに、第1の出力型切替スイッチSW3の可動接点Dを下方にスライドさせて固定接点Gに接続設定した場合であり、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Bに接続している状態(V-ONU給電時)である。この接続状態で、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-第2の出力型切替スイッチSW4-無給電時対応スイッチSW1、SW2と伝送されるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の固定接点Cが開放されているため、端末機出力端3、4のいずれにも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は伝送路L1-コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第1の出力型切替スイッチSW3-2分配器25と伝送され、2分配器25で2分配される。2分配器25からの一方の分配信号は無給電時対応スイッチSW2を経て端末機出力端4に出力される。2分配器25からの他方の分配信号は、2分配器25-第1の出力型切替スイッチSW3-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て、端末機出力端3にも出力される(給電時2出力)。
【0049】
[
図3(b)の動作説明:無給電時、端末機出力端3から出力:1出力型]
図3(b)は
図3(a)の状態で無給電になった場合であり、第2の出力型切替スイッチSW4、第1の出力型切替スイッチSW3は
図3(a)のままであるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが
図3(a)の状態から固定接点C側に自動的に切替わった状態(V-ONU無給電時)である。この接続状態では、無給電時は増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないこと、無給電時対応スイッチSW1、SW2の固定接点Bが開放されていることから、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-第2の出力型切替スイッチSW4-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て端末機出力端3からは出力される(無給電時1出力)。
【0050】
[
図3(c)の動作説明:給電時、端末機出力端3から出力:1出力型]
図3(c)は、第2の出力型切替スイッチSW4を
図3(a)のままにし、第1の出力型切替スイッチSW3の可動接点Dを手動操作で上方にスライドさせて可動接点Dをスルー回路22に切替え設定した場合であり、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Bに接続している状態(V-ONU給電時)である。この接続状態で、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-第2の出力型切替スイッチSW4-無給電時対応スイッチSW1と伝送されるが、無給電時対応スイッチSW1の固定接点Cが開放されているため端末機出力端3には出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、伝送路L1-コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第1の出力型切替スイッチSW3のスルー回路22-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て、端末機出力端3に出力される(給電時1出力)。
【0051】
[
図3(d)の動作説明:無給電時、端末機出力端3から出力:1出力型]
図3(d)は
図3(c)の状態で無給電になった場合であり、第2の出力型切替スイッチSW4、第1の出力型切替スイッチSW3は
図3(c)のままであるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが
図3(c)の状態から固定接点C側に自動的に切替わった状態(無給電時)である。この接続状態では、増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないこと、第1の出力型切替スイッチSW3の固定接点Gが開放されていることから、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-第2の出力型切替スイッチSW4-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て端末機出力端3には出力される(無給電時1出力)。
【0052】
[加入者引込形態への対応]
実施形態3のV-ONUは前記のように、第2の出力型切替スイッチSW4、第1の出力型切替スイッチSW3を
図3(a)のように設定すると給電時2出力(出力端3、4)、無給電時1出力(
図3(b):出力端3)となり、第1の出力型切替スイッチSW3を
図3(c)のように下方に切替え設定すると給電時1出力(出力端3)、無給電時1出力(
図3(d):出力端3)となる。また、第2の出力型切替スイッチSW4、第1の出力型切替スイッチSW3を
図4(a)のように設定しても給電時2出力(出力端3、4)、無給電時1出力(
図4(b):出力端4)となり、第1の出力型切替スイッチSW3を
図4(c)のように下方に切替え設定すると給電時1出力(出力端3)、無給電時1出力(
図4(d):出力端4)となる。このため、一台を2出力型と1出力型に切替え使用でき、
図7(a)(b)の1加入者2引込形態にも、
図6(a)(b)の1加入者1引込形態にも対応できる。また、2出力時も1出力時も、告知放送信号を含む混合信号が出力されるため、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0053】
実施形態3のV-ONUは、第2の出力型切替スイッチSW4、第1の出力型切替スイッチSW3を
図3(a)のように設定すると給電時2出力(出力端3、4)、無給電時1出力(
図3(b):出力端3)となり、第1の出力型切替スイッチSW3を
図3(c)のように下方に切替え設定すると給電時1出力(出力端3)、無給電時1出力(
図3(d):出力端3)となるため、一台を2出力型と1出力型に切替え使用でき、
図7(a)(b)の1加入者2引込形態にも、
図6(a)(b)の1加入者1引込形態にも対応できる。また、2出力時も1出力時も、告知放送信号を含む混合信号が出力されるため、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0054】
(実施形態4)
[V-ONUの構成]
図4(a)~(d)は本発明のV-ONUの第4の実施例である。このV-ONUの構成は
図3(a)~(d)と同じであるが、第1の出力型切替スイッチSW3の接続設定が異なるものである。
【0055】
[
図4(a)の動作説明:給電時、端末機出力端3、4から出力:2出力型]
図4(a)は、第1の出力型切替スイッチSW3の可動接点Dを下方にスライドさせて可動接点Dを固定接点Gに接続設定し、第2の出力型切替スイッチSW4の可動接点Aを固定接点Bに接続設定した状態であり、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが共に固定接点Bに接続した状態(V-ONU給電時)である。
【0056】
図4(a)の接続設定で、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号はコンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第1の出力型切替スイッチSW3の固定接点G-2分配器25と伝送されて2分配される。分配された一方の分配信号は無給電時対応スイッチSW1-分岐器20-端末機出力端3と出力される。他方の分配信号は無給電時対応スイッチSW2-端末機出力端4と出力されて、端末機出力端3、4の双方から同じ混合信号が出力される(給電時2出力)。
図4(a)の接続設定では、無給電時対応スイッチSW2の固定接点Cが開放しているため、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は端末機出力端4に出力されない。
【0057】
[
図4(b)の動作説明:無給電時、端末機出力端4から出力:1出力型]
図4(b)は、
図4(a)の状態で、V-ONUが無給電になった場合であり、第1、第2の出力型切替スイッチSW3、SW4は
図4(a)のままであるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Cへの接続に自動的に切替った状態である。
【0058】
図4(b)の接続状態は、無給電時であるため、増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作せず、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれにも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-第1の出力型切替スイッチSW3-無給電時対応スイッチSW2-端末機出力端4と出力される(無給電時1出力)。
【0059】
[
図4(c)の動作説明:給電時、端末機出力端3から出力:1出力型]
図4(c)は、第2の出力型切替スイッチSW4の可動接点Aを固定接点Bに接続設定し、第1の出力型切替スイッチSW3のスライド接点を上方にスライドさせて可動接点Dをスルー回路22に接続させた場合であり、給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Bに接続している状態(V-ONU給電時)である。
【0060】
図4(c)の接続設定では、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-第2の出力型切替スイッチSW4と伝送されるが、無給電時対応スイッチSW2の固定接点Cが開放されているため端末機出力端4には出力されない。また、第1の出力型切替スイッチSW3の固定接点Cが開放されているため端末機出力端3からも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第1の出力型切替スイッチSW3のスルー回路22-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て端末機出力端3に出力される(給電時1出力)。
【0061】
[
図4(d)の動作説明:無給電時、端末機出力端4から出力:1出力型]
図4(d)は、
図4(c)の状態でV-ONUが無給電になった場合であり、第2の出力型切替スイッチSW4、第1の出力型切替スイッチSW3は
図4(a)のままであるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Cへの接続に自動的に切替わった状態である。
【0062】
図4(d)の接続状態(無給電時)は、増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないため、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-第1の出力型切替スイッチSW3-無給電時対応スイッチSW2と伝送されて端末機出力端4に出力される(無給電時1出力)。
【0063】
[加入者引込形態への対応]
実施形態4のV-ONUは前記のように、第2の出力型切替スイッチSW4、第1の出力型切替スイッチSW3を
図4(a)のように設定すると給電時2出力型、無給電時(
図4(b))1出力となり、
図4(c)のように切替え設定すると給電時1出力型、無給電時(
図4(d))1出力となるため、一台で2出力型と1出力型に使い分けることができる。2出力型とした場合は
図7(a)(b)の1加入者2引込形態に、1出力型とした場合は
図6(a)(b)の1加入者1引込形態に対応できる。また、2出力時も1出力時も、告知放送信号を含む混合信号が出力されるため、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0064】
(実施形態5)
[V-ONUの構成]
図5(a)~(d)は本発明のV-ONUの第5の実施例である。このV-ONUの基本的構成は
図4(a)~(d)の構成と同じであり、異なるのは
図4(a)~(d)の第2の出力型切替スイッチSW4を2分配器40に置き換えたものである。
【0065】
[
図5(a)の動作説明:給電時、端末機出力端3、4から出力:2出力型]
図5(a)は、第1の出力型切替スイッチSW3の可動接点Dを下方にスライドさせて可動接点Dを固定接点Gに接続設定し、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが共に固定接点Bに接続した状態(V-ONU給電時)である。
【0066】
図5(a)の設定では、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号はコンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第1の出力型切替スイッチSW3の固定接点G-2分配器25と伝送されて2分配される。2分配された一方の分配信号は無給電時対応スイッチSW1-端末機出力端3と出力され、他方の分配信号は無給電時対応スイッチSW2-端末機出力端4と出力される(給電時2出力)。
図5(a)において、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-2分配器40と伝送されて2分配されるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の固定接点Cが開放されているため、分配信号は端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。
【0067】
[
図5(b)の動作説明:無給電時、端末機出力端3、4から出力:2出力型]
図5(b)は無給電時であり、第1の出力型切替スイッチSW3は
図5(a)と同じ接続であるが、無給電になって、二つの無給電対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが自動的に固定接点Cに切替った場合である。無給電時は
図5(b)の増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないため、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4に出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-2分配器40-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20-端末機出力端3に出力され、他方の分配信号は無給電時対応スイッチSW2-端末機出力端4にも出力される(無給電時2出力)。
【0068】
[
図5(c)の動作説明:給電時、端末機出力端3から出力:1出力型]
図5(c)は、第1の出力型切替スイッチSW3の可動接点Dを手動操作で上方にスライドさせてスルー回路22に接続させ、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが共に固定接点Bに接続している状態(給電時)である。
【0069】
図5(c)の接続状態で光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-2分配器40-無給電時対応スイッチSW1、SW2と伝送されるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の固定接点Cが開放されているため端末機出力端3、4のいずれにも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号はコンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第1の出力型切替スイッチSW3のスルー回路22-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20-端末機出力端3に出力される(給電時1出力)。
【0070】
[
図5(d)の動作説明:無給電時、端末機出力端3、4から出力:2出力型]
図5(d)は、
図5(c)の状態で無給電になった場合であり、第1の出力型切替スイッチSW3は
図5(c)と同じ接続状態であるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Cに自動的に切替わった状態である。
【0071】
無給電時は
図5(d)の増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないため、光/電変換部2の出力端2aから出力される混合信号はいずれの端末機出力端3、4にも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は2分配器40-無給電時対応スイッチSW1-端末機出力端3と出力され、2分配器40-無給電時対応スイッチSW2-端末機出力端4と出力される(無給電時2出力)。
【0072】
[加入者引込形態への対応]
実施形態5のV-ONUは、前記のとおり、第1の出力型切替スイッチSW3を
図5(a)のように設定すると給電時も無給電時も2出力型となり、
図5(c)のように切替え設定すると給電時は1出力型、無給電時(
図5(d))は2出力型となるため、一台を
図5(a)の接続に設定して
図7(a)(b)の1加入者2引込形態に、
図5(c)の接続に切替え設定して
図6(a)(b)の1加入者1引込形態に対応できる。また、2出力型のときも、1出力型のときも告知放送信号を含む混合信号が出力されるため、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
前記実施形態はあくまでも一例である。本発明は課題を解決できる構成であれば、前記実施形態以外の構成、作用とすることもできる。
【符号の説明】
【0074】
1a 1出力型V-ONU
1b 2出力型V-ONU
2 光/電変換部
2a 変換部出力端
2b 変換部出力端
3 端末機出力端
4 端末機出力端
11 増幅器
12 分波器
13a、13b 分波路
14a、14b 増幅器
15a、15b ゲイン制御回路
16a、16b 増幅器
17 混合器
18 2分配器
19a、19b 増幅器
20 分岐器
22 スルー回路
25 2分配器
40 2分配器
A 可動接点
B 固定接点
C 固定接点
D 可動接点
E 固定接点
F 固定接点
G 固定接点
W TV受信機
X 告知受信機
Y 2分配器
Z 4分配器
FIL フィルタ
C1、C2 コンデンサ
L1、L2 伝送路
MON モニタ端子
SW1 無給電時対応スイッチ
SW2 無給電時対応スイッチ
SW3 第1の出力型切替スイッチ
SW4 第2の出力型切替スイッチ