(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055850
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】マウスシールド及びマウスシールドのフレーム
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220401BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 Z
A41D13/11 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020163521
(22)【出願日】2020-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】500570874
【氏名又は名称】株式会社ユノス
(74)【代理人】
【識別番号】100117204
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 徳哉
(72)【発明者】
【氏名】星加 嗣徳
(72)【発明者】
【氏名】中村 興司
(72)【発明者】
【氏名】中村 保子
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA08
2E185CC36
(57)【要約】
【課題】使用者の負担軽減。
【解決手段】使用者の口をカバーするためのマウスシールド1であって、使用者の顔に装着され、左横顔から顔の前方を経由して右横顔に達する形状を有するフレーム2と、フレーム2に取り付けられ、口の前方に位置して口をカバーするシート3と、を備え、フレーム2は、左横顔のうち左耳の直ぐ前の部分である左耳前部100に当接する左横当接部60と、右横顔のうち右耳の直ぐ前の部分である右耳前部101に当接する右横当接部61と、を有している。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の口をカバーするためのマウスシールドであって、
使用者の顔に装着され、左横顔から顔の前方を経由して右横顔に達する形状を有するフレームと、
フレームに取り付けられ、口の前方に位置して口をカバーするシートと、を備え、
フレームは、左横顔のうち左耳の直ぐ前の部分である左耳前部に当接する左横当接部と、右横顔のうち右耳の直ぐ前の部分である右耳前部に当接する右横当接部と、を有している、マウスシールド。
【請求項2】
フレームは、左横当接部よりも前側に位置し、左頬骨に当接する左前当接部と、右横当接部よりも前側に位置し、右頬骨に当接する右前当接部と、を有している、請求項1記載のマウスシールド。
【請求項3】
フレームは、棒状体であり、
フレームは、鼻の前方を左右方向に周回する前方周回部と、前方周回部の左端部から左側方に向けて延びる左側方延伸部と、左側方延伸部の左端部から後方に向けて延びる左後方延伸部と、前方周回部の右端部から右側方に向けて延びる右側方延伸部と、右側方延伸部の右端部から後方に向けて延びる右後方延伸部と、を有し、
左横当接部は、左後方延伸部に位置し、
左前当接部は、左側方延伸部、又は、前方周回部と左側方延伸部との境界部に位置し、
右横当接部は、右後方延伸部に位置し、
右前当接部は、右側方延伸部、又は、前方周回部と右側方延伸部との境界部に位置している、請求項2記載のマウスシールド。
【請求項4】
前方周回部は、平面視において円弧状である、請求項3記載のマウスシールド。
【請求項5】
フレームは、前方周回部に設けられた中央係合部と、左後方延伸部に設けられた左係合部と、右後方延伸部に設けられた右係合部と、を有し、
シートは、中央係合部に係合する中央被係合部と、左係合部に係合する左被係合部と、右係合部に係合する右被係合部と、を有し、
中央係合部と左係合部と右係合部にそれぞれ中央被係合部と左被係合部と右被係合部が係合することにより、シートは、フレームに着脱自在に取り付けられる、請求項3又は4記載のマウスシールド。
【請求項6】
中央係合部と左係合部と右係合部は、フレームの外面に設けられ、シートは、フレームの外面に取り付けられている、請求項5記載のマウスシールド。
【請求項7】
左係合部は、左後方延伸部の前部に設けられ、右係合部は、右後方延伸部の前部に設けられている、請求項6記載のマウスシールド。
【請求項8】
前方周回部と左側方延伸部と左後方延伸部と右側方延伸部と右後方延伸部は、同一平面上に位置し、
シートがフラットな状態において、左被係合部と右被係合部は、中央被係合部よりも上側に位置している、請求項5乃至7の何れかに記載のマウスシールド。
【請求項9】
フレームが水平状態にあるとき、シートの左右方向の中央部は、シートの下部がシートの上部よりも前側に位置するように傾斜している、請求項1乃至8の何れかに記載のマウスシールド。
【請求項10】
シートは、フレームに対して上方に突出する上方突出部と、フレームに対して下方に突出すると共に口をカバーする下方突出部とを有し、上方突出部の上下方向の最大長さは、下方突出部の上下方向の最大長さよりも短い、請求項1乃至9の何れかに記載のマウスシールド。
【請求項11】
使用者の口をカバーするためのマウスシールドに用いられ、使用者の顔に装着されるフレームであって、
左横顔から顔の前方を経由して右横顔に達する形状を有すると共に、
左横顔のうち左耳の直ぐ前の部分である左耳前部に当接する左横当接部と、右横顔のうち右耳の直ぐ前の部分である右耳前部に当接する右横当接部と、を有している、マウスシールドのフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口を防護するためのマウスシールドと、それに使用されるフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ツルが耳の上に掛けられるフレームと、それを使用した顔面ガードが記載されている。しかしながら、ツルが耳の上に掛けられると、耳が痛くなる可能性がある。
【0003】
また、メガネを着用している使用者がこの顔面ガードを使用する場合には、フレームから鼻当てを取り外して、メガネの上にフレームを載せる。しかしながら、メガネの重量に、顔面ガードの重量が付加されるため、耳が痛くなる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、使用者の負担軽減を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るマウスシールドは、使用者の口をカバーするためのマウスシールドであって、使用者の顔に装着され、左横顔から顔の前方を経由して右横顔に達する形状を有するフレームと、フレームに取り付けられ、口の前方に位置して口をカバーするシートと、を備え、フレームは、左横顔のうち左耳の直ぐ前の部分である左耳前部に当接する左横当接部と、右横顔のうち右耳の直ぐ前の部分である右耳前部に当接する右横当接部と、を有している。
【0007】
使用者は、マウスシールドを顔に装着する。マウスシールドの着用状態において、フレームの左横当接部は、左耳前部に当接し、フレームの右横当接部は、右耳前部に当接する。フレームは、左耳前部と右耳前部で支持される。そのため、使用者の両耳の負担が軽減される。
【0008】
好ましくは、フレームは、左横当接部よりも前側に位置し、左頬骨に当接する左前当接部と、右横当接部よりも前側に位置し、右頬骨に当接する右前当接部と、を有している。この構成によれば、左横当接部と左前当接部と右横当接部と右前当接部の合計四箇所が顔に当接する。フレームは、四箇所で顔に支持される。左横当接部と右横当接部により、マウスシールドの主として左右方向の位置ずれが抑制される。左前当接部と右前当接部により、マウスシールドの主として前後方向の位置ずれと上下方向の位置ずれが抑制される。そのため、マウスシールドの着用状態が安定する。特に、左前当接部と右前当接部がそれぞれ左頬骨と右頬骨に当接することにより、マウスシールドが下方に位置ずれしにくくなる。また、フレームが左右の両頬骨で支持されるので、使用者の鼻の負担が軽減される。
【0009】
好ましくは、フレームは、棒状体であり、フレームは、鼻の前方を左右方向に周回する前方周回部と、前方周回部の左端部から左側方に向けて延びる左側方延伸部と、左側方延伸部の左端部から後方に向けて延びる左後方延伸部と、前方周回部の右端部から右側方に向けて延びる右側方延伸部と、右側方延伸部の右端部から後方に向けて延びる右後方延伸部と、を有し、左横当接部は、左後方延伸部に位置し、左前当接部は、左側方延伸部、又は、前方周回部と左側方延伸部との境界部に位置し、右横当接部は、右後方延伸部に位置し、右前当接部は、右側方延伸部、又は、前方周回部と右側方延伸部との境界部に位置している。この構成によれば、フレームに左横当接部と左前当接部と右横当接部と右前当接部を容易に設けることができ、フレームの構成を簡素化できる。また、左前当接部と右前当接部が左右の頬骨に当接することにより、前方周回部が鼻に接近することが防止され、前方周回部と鼻との間に空間が確保される。そのため、使用者の鼻が解放される。
【0010】
好ましくは、前方周回部は、平面視において円弧状である。この構成によれば、使用者がマウスシールドを装着したとき、使用者の視界に前方周回部が入りにくくなる。
【0011】
好ましくは、フレームは、前方周回部に設けられた中央係合部と、左後方延伸部に設けられた左係合部と、右後方延伸部に設けられた右係合部と、を有し、シートは、中央係合部に係合する中央被係合部と、左係合部に係合する左被係合部と、右係合部に係合する右被係合部と、を有し、中央係合部と左係合部と右係合部にそれぞれ中央被係合部と左被係合部と右被係合部が係合することにより、シートは、フレームに着脱自在に取り付けられる。この構成によれば、シートをフレームに容易に着脱できる。そして、フレームに種々のシートを取り付けることができる。使用状況や使用者の好み等によって、シートを容易に交換することができる。前方周回部と左後方延伸部と右後方延伸部にそれぞれ中央係合部と左係合部と右係合部が設けられているので、使用者の鼻と口と左右両頬骨をシートで容易にカバーすることできる。即ち、顔の左右方向の広い範囲をシートで容易にカバーすることができる。
【0012】
好ましくは、中央係合部と左係合部と右係合部は、フレームの外面に設けられ、シートは、フレームの外面に取り付けられている。この構成によれば、シートが顔に当接しにくくなる。また、シートによって顔の広い範囲を容易にカバーすることができる。
【0013】
好ましくは、左係合部は、左後方延伸部の前部に設けられ、右係合部は、右後方延伸部の前部に設けられている。この構成によれば、左係合部と右係合部がそれぞれ左後方延伸部の後部と右後方延伸部の後部に設けられている構成に比して、シートがスムーズに湾曲する。
【0014】
好ましくは、前方周回部と左側方延伸部と左後方延伸部と右側方延伸部と右後方延伸部は、同一平面上に位置し、シートがフラットな状態において、左被係合部と右被係合部は、中央被係合部よりも上側に位置している。この構成によれば、シートがフレームに取り付けられた状態において、シートの左右方向の中央部は、シートの下部がシートの上部よりも前側に位置するように傾斜する。そのため、マウスシールドの着用状態において、シートが口に接近し過ぎず、シートと口との間に十分な空間が確保される。
【0015】
好ましくは、フレームが水平状態にあるとき、シートの左右方向の中央部は、シートの下部がシートの上部よりも前側に位置するように傾斜している。この構成によれば、マウスシールドの着用状態において、シートが口に接近し過ぎず、シートと口との間に十分な空間が確保される。
【0016】
好ましくは、シートは、フレームに対して上方に突出する上方突出部と、フレームに対して下方に突出すると共に口をカバーする下方突出部とを有し、上方突出部の上下方向の最大長さは、下方突出部の上下方向の最大長さよりも短い。この構成によれば、シートがフレームから上方に大きく突出しない。そのため、シートで使用者の目の前方がカバーされにくい。シートによって視界が妨げられにくくなり、良好な視界が確保される。特に、シートが不透明の場合に効果が大きい。
【0017】
また、本発明に係るマウスシールドのフレームは、使用者の口をカバーするためのマウスシールドに用いられ、使用者の顔に装着されるフレームであって、左横顔から顔の前方を経由して右横顔に達する形状を有すると共に、左横顔のうち左耳の直ぐ前の部分である左耳前部に当接する左横当接部と、右横顔のうち右耳の直ぐ前の部分である右耳前部に当接する右横当接部と、を有している。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、フレームが左耳前部と右耳前部で支持されるので、使用者の耳の負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態におけるマウスシールドを示す斜視図。
【
図6】(a)は、同フレームの平面図、(b)は、(a)のA部拡大図。
【
図10】同マウスシールドの使用状態を示す側面図。
【
図11】同マウスシールドの使用状態を示す平面図。
【
図12】同マウスシールドの使用状態を示す正面図。
【
図13】同マウスシールドの使用状態を示す側面図。
【
図14】同マウスシールドの使用状態を示す平面図。
【
図15】本発明の他の実施形態におけるマウスシールドを示す平面図。
【
図16】本発明の他の実施形態におけるマウスシールドを示す平面図。
【
図17】同マウスシールドの使用状態を示す斜視図。
【
図18】同マウスシールドの使用状態を示す正面図。
【
図19】本発明の他の実施形態におけるマウスシールドを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<全体構成>
以下、本発明の一実施形態に係るマウスシールド1について
図1~
図14を参酌しつつ説明する。
図1~
図4に、本実施形態のマウスシールド1を示している。マウスシールド1は、使用者の顔に着用されて、使用者の主として口をカバーし、好ましくは、口及び鼻をカバーする。マウスシールド1は、顔に装着されるフレーム2と、フレーム2に着脱自在に取り付けられて、口の前方に位置して口をカバーするシート3とを備えている。
【0021】
<フレーム2>
図5及び
図6に、フレーム2の単体の状態を示している。フレーム2は、一本の棒状体である。棒状体は、弾性を有していることが好ましい。棒状体は、種々の材質であってよい。棒状体の材質は、好ましくは合成樹脂であるが、アルミニウムやチタン等の金属であってもよい。フレーム2は、全体として左右方向に沿って前方に向けて湾曲した形状である。フレーム2の全体が一つの平面上に位置している。フレーム2は、左横顔から顔の前方を左右方向に周回して右横顔に達する形状を有している。具体的には、フレーム2は、左耳の直ぐ前の部分である左耳前部100から鼻の前方を経由して右耳の直ぐ前の部分である右耳前部101まで到達する長さを有している。左耳前部100は、左耳の孔や耳珠102の直ぐ前側の部分であり、右耳前部101は、右耳の孔や耳珠102の直ぐ前側の部分である。フレーム2は、フレーム2の左端部と右端部が互いに接近、離反するように、左右方向に弾性変形する。
【0022】
フレーム2は、
図6のように左右対称形状である。フレーム2は、前方周回部10と、左側方延伸部11と、左後方延伸部12と、右側方延伸部13と、右後方延伸部14とを有している。前方周回部10と左側方延伸部11と左後方延伸部12と右側方延伸部13と右後方延伸部14は、同一平面上に位置している。前方周回部10は、フレーム2の全長のうち中央部分を構成している。前方周回部10は、前方に向けて湾曲した形状であることが好ましい。前方周回部10は、特に円弧状であることが好ましく、半円状であることが好ましい。
【0023】
左側方延伸部11は、前方周回部10の左端部から左側方に向けて延びている。左側方延伸部11は、前方周回部10の左端部から左斜め後方に向けて延びていることが好ましい。前方周回部10と左側方延伸部11との第一境界部71は、屈曲形状ではなく、内側に向けて湾曲した湾曲形状であることが好ましい。左後方延伸部12は、左側方延伸部11の左端部から後方に向けて延びている。左後方延伸部12は、全体として、前後方向に対してやや内側即ち右側に傾斜していることが好ましい。左後方延伸部12の前後方向に対する傾斜角度は、10度以下であることが好ましい。左側方延伸部11と左後方延伸部12との第二境界部72は、屈曲形状ではなく、外側に向けて湾曲した湾曲形状であることが好ましい。左後方延伸部12の後部は、左後方延伸部12の前部よりも、内側に向けて大きく傾斜している。左後方延伸部12の後端部は、フレーム2の左端部である。左後方延伸部12の後端部には、外側即ち左側方に向けて湾曲した左逃げ部15が設けられている。
【0024】
右側方延伸部13及び右後方延伸部14は、左側方延伸部11及び左後方延伸部12に対して左右対称である。右側方延伸部13は、前方周回部10の右端部から右側方に向けて延びている。右側方延伸部13は、前方周回部10の右端部から右斜め後方に向けて延びていることが好ましい。前方周回部10と右側方延伸部13との第三境界部73は、屈曲形状ではなく、内側に向けて湾曲した湾曲形状であることが好ましい。右後方延伸部14は、右側方延伸部13の右端部から後方に向けて延びている。右後方延伸部14は、全体として、前後方向に対してやや内側即ち左側に傾斜していることが好ましい。右後方延伸部14の前後方向に対する傾斜角度は、10度以下であることが好ましい。右側方延伸部13と右後方延伸部14との第四境界部74は、屈曲形状ではなく、外側に向けて湾曲した湾曲形状であることが好ましい。右後方延伸部14の後部は、右後方延伸部14の前部よりも、内側に向けて大きく傾斜している。右後方延伸部14の後端部は、フレーム2の右端部である。右後方延伸部14の後端部には、外側即ち右側方に向けて湾曲した右逃げ部16が設けられている。
【0025】
フレーム2は、フレーム2が着脱自在に取り付けられるための中央突起20と左突起21と右突起22を有している。中央突起20は、中央係合部であり、左突起21は、左係合部であり、右突起22は、右係合部である。中央突起20と左突起21と右突起22の数は、それぞれ任意であり、それぞれ一つであってもよいし複数であってもよい。本実施形態では、中央突起20と左突起21と右突起22の数は、それぞれ一つずつである。中央突起20と左突起21と右突起22は、左右対称に配置されている。
【0026】
中央突起20は、前方周回部10に設けられている。中央突起20は、前方周回部10のうち左右方向の中央部に設けられている。前方周回部10の左右方向の中央部は、前方周回部10の全長のうち最も前側に位置する部分である。左突起21は、左後方延伸部12に設けられている。左突起21は、左後方延伸部12のうち前部に設けられていることが好ましい。右突起22は、左突起21と左右対称に位置している。右突起22は、右後方延伸部14に設けられている。右突起22は、右後方延伸部14のうち前部に設けられていることが好ましい。
【0027】
中央突起20と左突起21と右突起22は、フレーム2の外面に設けられている。中央突起20と左突起21と右突起22は、互いに同一形状であってもよいし異なっていてもよい。本実施形態では、中央突起20と左突起21と右突起22は、互いに同一形状である。中央突起20と左突起21と右突起22は、フレーム2の外面から外側に向けて突出している。中央突起20は、前方周回部10から前側に突出し、左突起21は、左後方延伸部12から左側方に突出し、右突起22は、右後方延伸部14から右側方に突出している。中央突起20は、フレーム2のうち最も前側に位置している部分であり、左突起21は、フレーム2のうち最も左側に位置している部分であり、右突起22は、フレーム2のうち最も右側に位置している部分である。
【0028】
中央突起20と左突起21と右突起22は、互いに同一形状であるため、中央突起20について詳細に述べる。中央突起20は、突出方向の先端側から見たとき、円形である。中央突起20は、
図6(b)のように、中央突起20の基端部に位置する軸部23と、中央突起20の先端部に位置する頭部24とを有している。軸部23は、円柱状である。頭部24は、軸部23よりも大径である。頭部24は、先端に向けて徐々に小径となる先細り形状である。後述するように、シート3は、軸部23に位置して、頭部24によって係止される。
【0029】
<シート3(平坦状態)>
まず、シート3の単体の状態について説明する。
図7に、シート3の単体の状態を示している。シート3は、フレーム2に取り付けられる前の状態において、
図7のように湾曲していない平坦な状態である。
図7は、シート3を表面から見た図であり、紙面向かって右側がシート3の左側となり、紙面向かって左側がシート3の右側となる。
【0030】
シート3は、弾性を有していることが好ましい。シート3の材質は、種々であってよい。シート3の材質は、好ましくは、合成樹脂である。シート3は、透明であってもよいし不透明であってもよい。シート3は、着色されたものであってもよいし無着色のものであってもよい。シート3は、有色透明であってもよいし無色透明であってもよく、半透明であってもよい。シート3に各種の模様が施されていてもよい。シート3が透明であると、シート3によって覆われた顔の部分がシート3を介して外部から視認できる。シート3が不透明であると、シート3によって顔の一部、特に口のまわりを隠すことができ、外部から顔の一部が見られないという利点がある。また、シート3が不透明であると、マウスシールド1を着用しているということが容易に判別できる。
【0031】
シート3の形状は種々であってよい。シート3は、左右方向に長い横長の形状であることが好ましい。シート3の上下方向の長さは、左右方向の中央部から両端部に向けて徐々に短くなっていくことが好ましい。シート3の上縁3aは、左右方向の両端部に向けてそれぞれ徐々に上昇していくことが好ましい。シート3の上縁3aは、全体としてV字状であることが好ましい。シート3の上縁3aは、上縁3aの左右方向の中央部から左側に向けて徐々に上昇する左傾斜部30と、上縁3aの左右方向の中央部から右側に向けて徐々に上昇する右傾斜部31とを有している。シート3の上縁3aは左右対称形状である。左傾斜部30と右傾斜部31により、シート3の上縁3aはV字状となる。シート3の下縁3bは、左右方向の両端部に向けてそれぞれ徐々に上昇していくことが好ましい。シート3の下縁3bは、左右方向の中央部に位置し、第一曲率半径を有して下側に湾曲している中央湾曲部32と、中央湾曲部32の左側に連続し、第一曲率半径よりも小さい第二曲率半径を有して下側に湾曲する左湾曲部33と、中央湾曲部32の右側に連続し、第一曲率半径よりも小さい第二曲率半径を有して下側に湾曲する右湾曲部34とを有している。主として、左湾曲部33と右湾曲部34により、シート3の下縁3bは、シート3の上縁3aよりも、左右方向の両端部に向けて急角度で上昇していく。
【0032】
シート3は、中央係合孔40と左係合孔41と右係合孔42を有している。中央係合孔40と左係合孔41と右係合孔42は、何れも丸孔であり、同一径である。中央係合孔40と左係合孔41と右係合孔42は、シート3の下縁3bよりも上縁3aに近い箇所に設けられている。中央係合孔40は、フレーム2の中央突起20と係合する中央被係合部である。左係合孔41は、左突起21と係合する左被係合部である。右係合孔42は、右突起22と係合する右被係合部である。中央係合孔40と左係合孔41と右係合孔42に、それぞれフレーム2の中央突起20と左突起21と右突起22が係合する。
【0033】
中央係合孔40と左係合孔41と右係合孔42は、左右対称に配置されている。中央係合孔40は、シート3の左右方向の中央部に位置している。左係合孔41は、シート3の左端部近傍に位置している。右係合孔42は、シート3の右端部近傍に位置している。平坦状態において、左係合孔41と右係合孔42は、中央係合孔40よりも上側に位置している。
【0034】
<シート3(取付状態)>
次に、シート3の取付状態について説明する。
図1~
図4に、フレーム2にシート3が取り付けられた状態を示している。シート3は、フレーム2の外面に取り付けられる。フレーム2の中央突起20と左突起21と右突起22に、それぞれシート3の中央係合孔40と左係合孔41と右係合孔42が係合することにより、フレーム2にシート3が着脱自在に取り付けられる。シート3は、中央突起20と左突起21と右突起22のそれぞれの頭部24によって係止され、フレーム2に保持される。
【0035】
図4のように、シート3は、フレーム2に取り付けられることにより、左右方向に沿ってU字状に湾曲する。シート3の左右方向の中央部は、前方周回部10に当接する。左側方延伸部11と右側方延伸部13は、シート3から離間している。シート3の左右方向の両端部は、それぞれフレーム2の左後方延伸部12と右後方延伸部14に達する。シート3の左右方向の両端部は、左後方延伸部12の前部と右後方延伸部14の前部に沿ってそれぞれ後方を向く。シート3の左右方向の両端部は、フレーム2の左端部及び右端部よりも前方に位置し、フレーム2の左端部及び右端部よりも後方に突出しない。
図1のように、前方周回部10、左側方延伸部11、左後方延伸部12の前部、右側方延伸部13、右後方延伸部14の前部は、シート3によって外側から覆われる。
【0036】
図2のように、シート3は、正面視において、横長の矩形状であり、詳細には、台形状である。
図3のように、シート3は、側面視において、直角三角形状、あるいは、扇状である。
【0037】
図2及び
図3のように、シート3の上縁3aの全体は、フレーム2よりも上側に位置し、シート3の下縁3bの全体は、フレーム2よりも下側に位置する。フレーム2に対して上方に突出するシート3の部分を上方突出部50と称し、フレーム2に対して下方に突出するシート3の部分を下方突出部51と称する。上方突出部50の上下方向の最大長さT1は、下方突出部51の上下方向の最大長さT2よりも短い。上方突出部50の上下方向の長さは、左右方向の中央部において最大となる。
図3のように、フレーム2が水平状態にあるとき、シート3の左右方向の中央部は、フレーム2に対して直角ではなく、シート3の下部がシート3の上部よりも前側となるように傾斜している。鉛直方向に対する傾斜角度θは、例えば10度以下である。
【0038】
<着用状態(メガネなし)>
次に、マウスシールド1の使用状態について説明する。マウスシールド1は、使用者の顔に装着される。
図8~
図14に、マウスシールド1の着用状態を示している。
図8~
図11は、使用者がメガネ200を掛けていない場合を示している。
【0039】
フレーム2は、左耳前部から鼻の前方を経由して右耳前部に至るように、顔に装着される。フレーム2は、使用者の目よりも下側の位置を、左右方向に周回する。フレーム2の前方周回部10は、鼻尖(鼻の頂上部)の近傍の前方を左右方向に周回する。特に、前方周回部10は、鼻尖よりも上方の位置を左右方向に周回することが好ましい。マウスシールド1が顔に装着されると、
図10のように、フレーム2は、略水平状態、あるいは、若干下側に傾斜した状態となる。また、フレーム2の左右方向の両端部は、顔に装着される前に比して、フレーム2の保有弾性に抗して、左右に開くように弾性変形する。
【0040】
顔には、フレーム2の複数の箇所が当接する。具体的には、フレーム2の四つの箇所が顔に当接する。フレーム2は、左側の二箇所と右側の二箇所の合計四箇所で顔に当接する。フレーム2は、顔に当接する四つの部分を有している。
図11のように、フレーム2は、顔に当接する部分として、左横当接部60と左前当接部61と右横当接部62と右前当接部63を有している。
【0041】
左横当接部60は、左耳前部100に左側から当接する。左横当接部60は、左後方延伸部12に位置する。詳細には、左横当接部60は、左後方延伸部12の後部に位置し、特には、左後方延伸部12の後端部に位置する。尚、左横当接部60は、例えば、左後方延伸部12の後部全体であってもよいし、左後方延伸部12の全体であってもよい。
【0042】
左前当接部61は、左横当接部60よりも前側に位置すると共に、左横当接部60よりも右側即ち顔中央寄りに位置する。左前当接部61は、左側方延伸部11あるいは第一境界部71に位置する。左前当接部61は、左頬骨103に当接し、特には、左頬骨103のうち上部に当接する。左前当接部61は、左頬骨103に左斜め前方から当接する。左前当接部61は、鼻から左側に離れている。尚、左前当接部61は、例えば、第一境界部71と左側方延伸部11の双方であってもよいし、左側方延伸部11の全体であってもよい。
【0043】
右横当接部62は、右耳前部101に右側から当接する。右横当接部62は、右後方延伸部14に位置する。詳細には、右横当接部62は、右後方延伸部14の後部に位置し、特には、右後方延伸部14の後端部に位置する。尚、右横当接部62は、例えば、右後方延伸部14の後部全体であってもよいし、右後方延伸部14の全体であってもよい。
【0044】
右前当接部63は、右横当接部62よりも前側に位置すると共に、右横当接部62よりも左側即ち顔中央寄りに位置する。右前当接部63は、右側方延伸部13あるいは第三境界部73に位置する。右前当接部63は、右頬骨104に当接し、特には、右頬骨104のうち上部に当接する。右前当接部63は、右頬骨104に右斜め前方から当接する。右前当接部63は、鼻から右側に離れている。尚、右前当接部63は、例えば、第三境界部73と右側方延伸部13の双方であってもよいし、右側方延伸部13の全体であってもよい。
【0045】
左横当接部60と右横当接部62は、フレーム2の弾性復元力によって、それぞれ左耳前部100と右耳前部101に当接した状態を維持する。左前当接部61と右前当接部63がそれぞれ左頬骨103と右頬骨104に当接することにより、前方周回部10は、鼻に当接せずに鼻から前方に離間し、鼻の前方を左右方向に周回する。また、左前当接部61と右前当接部63がそれぞれ左頬骨103と右頬骨104に当接することにより、フレーム2の下方への位置ずれが防止される。
【0046】
左横当接部60は、左後方延伸部12に位置する。左横当接部60は、左後方延伸部12のうち後部に位置し、特には、左後方延伸部12の後端部に位置する。即ち、左横当接部60は、フレーム2の左端部に位置する。左前当接部61は、左側方延伸部11に位置する。左前当接部61は、左側方延伸部11の右端部近傍に位置する。
【0047】
右横当接部62及び右前当接部63は、左横当接部60及び左前当接部61と左右対称に位置する。右横当接部62は、右後方延伸部14に位置し、特には、右後方延伸部14の後端部に位置する。即ち、右横延伸部は、フレーム2の右端部に位置する。右前当接部63は、右側方延伸部13に位置する。右前当接部63は、右側方延伸部13の左端部近傍に位置する。
【0048】
尚、左横当接部60は、左後方延伸部12の一部であってもよいし全部であってもよい。左前当接部61は、左側方延伸部11の一部であってもよいし全部であってもよい。右横当接部62は、右後方延伸部14の一部であってもよいし全部であってもよい。右前当接部63は、右側方延伸部13の一部であってもよいし全部であってもよい。
【0049】
シート3は、使用者の顔の下側半分を前方から覆う。シート3は、顔には当接せず、顔から前方に離間している。シート3は、口をカバーして、飛沫等から使用者の口を防護する。また、シート3は、使用者の口から放出される飛沫の拡散を抑制する。シート3は、使用者の口をカバーすると共に鼻をカバーすることが好ましい。シート3は、使用者の顔のうち下部のみをカバーし、顔の上部をカバーしない。即ち、顔の上部は、シート3によってカバーされずに露出する。シート3の上縁3aは、使用者の目よりも下側に位置することが好ましい。目の前方にシート3が位置しないことが好ましく、シート3は目をカバーしないことが好ましい。シート3の下縁3bの左右方向の中央部は、使用者の顎の前方に位置する。
【0050】
シート3は、鼻と口のみならず、左右両頬骨103,104も覆う。シート3の左端部及び右端部は、目よりも後方に位置する。シート3の左端部は、左目と左耳の間に位置し、特には、左目と左耳の前後方向の中間に位置する。同様に、シート3の右端部は、右目と右耳の間に位置し、特には、右目と右耳の前後方向の中間に位置する。シート3は、鼻と口と左右両頬骨103,104を、前方からカバーすると共に左右側方からもカバーする。
【0051】
<着用状態(メガネ200あり)>
図12~
図14は、メガネ200を掛けている使用者がマウスシールド1を着用した状態を示している。メガネ200は、鼻の上部に当接すると共に両耳に掛けられる。メガネ200は、マウスシールド1よりも上方に位置し、特に、マウスシールド1のフレーム2よりも上方に位置する。また、メガネ200のツルも、マウスシールド1のフレーム2よりも上方に位置する。使用者は、マウスシールド1を着用した状態のままで、メガネ200を着脱できる。
【0052】
以上のように、フレーム2は、左耳前部100と右耳前部101で支持される。フレーム2は、両耳には掛からない。そのため、両耳が痛くならず、両耳の負担が軽減される。両耳が解放されているので、使用者がマウスシールド1を着用しても、メガネ200を着用することができる。左耳前部100と右耳前部101には、凹んでいる部分がある。その凹んでいる部分にフレーム2の左横当接部60と右横当接部62が当接すると、フレーム2がずれにくく安定する。フレーム2の左右両端部にそれぞれ左逃げ部15と右逃げ部16が設けられているので、左耳前部100と右耳前部101が痛くなりにくい。
【0053】
また、フレーム2は、左耳前部100及び右耳前部101に加えて、更に、左右両頬骨103,104にも支持される。左横当接部60と右横当接部62により、マウスシールド1の主として左右方向の位置ずれが抑制される。左前当接部61と右前当接部63により、マウスシールド1の主として前後方向の位置ずれと上下方向の位置ずれが抑制される。このように、フレーム2が顔の四箇所で支持されるため、マウスシールド1の安定した着用状態が得られる。左横当接部60と左前当接部61が前後に離間し、右横当接部62と右前当接部63が前後に離間しているので、マウスシールド1の安定した着用状態が得られる。左前当接部61と右前当接部63が左右両頬骨103,104に当接することにより、マウスシールド1が下方に位置ずれしにくくなる。フレーム2が左右の頬骨103,104で支持されるので、使用者の鼻の負担が軽減される。左右の頬骨103,104は、例えば、額よりも鼻や口に近い。そのため、左右の頬骨103,104でフレーム2を支えることにより、額でフレーム2を支える構成に比して、口及び鼻とシート3との間の距離を安定して確保できる。
【0054】
フレーム2が一本の棒状体であるため、フレーム2の構成を簡素化できる。フレーム2の全体が同一平面上に位置しているため、フレーム2の構成を簡素化できる。フレーム2の弾性を利用することによって、マウスシールド1の着用状態が安定する。前方周回部10が鼻の前方を左右方向に周回して、前方周回部10と鼻との間に空間が確保されているので、使用者の鼻がフレーム2から解放される。そのため、使用者の両耳のみならず、鼻の負担も軽減される。両耳と鼻がフレーム2から解放されているので、マウスシールド1を着用しても、メガネ200を掛けることができる。
【0055】
前方周回部10は、鼻の前方を左右方向に周回する。そのため、前方周回部10が視界に入りにくく、目障りになりにくい。前方周回部10が平面視において円弧状であると、前方周回部10が目障りになりにくい。特に、前方周回部10が半円状であると、鼻との間の空間を十分に確保しつつ、視界を妨げにくい。また、シート3が前方周回部10に沿って左右に湾曲しやすい。
【0056】
シート3が、口と鼻と左右の頬骨103,104を前方及び左右両側方から覆うので、飛沫等を容易に防ぐことができる。シート3が顔に触れないので、快適にマウスシールド1を着用できる。シート3がフレーム2の外面に取り付けられるので、シート3が顔に触れにくく、しかも、シート3を容易にフレーム2に取り付けることができる。シート3の中央係合孔40と左係合孔41と右係合孔42にフレーム2の中央突起20と左突起21と右突起22を係合させることで、シート3をフレーム2に容易に取り付けることができる。中央突起20と左突起21と右突起22がフレーム2の外面に突出しているので、シート3を容易に取り付けることができる。前方周回部10に中央突起20が設けられ、左後方延伸部12の前部と右後方延伸部14の前部にそれぞれ左突起21と右突起22が設けられているので、シート3がスムーズに湾曲する。
【0057】
シート3の左右方向の中央部が前方に傾斜しているので、シート3が口に接近し過ぎない。そのため、シート3と口との間に十分な空間が確保される。シート3がフラットな状態において、左係合孔41と右係合孔42が中央係合孔40よりも上側に位置しているので、シート3がフレーム2に取り付けられた状態において、シート3の左右方向の中央部を前方に容易に傾斜させることができる。
【0058】
シート3がフレーム2から上方に大きく突出していないので、シート3が目の前方を覆わず、シート3が視界の妨げになりにくい。そのため、良好な視界が確保され、メガネ200の着脱も容易である。不透明のシート3も使用できる。不透明のシート3を使用すると、化粧崩れがシート3によって隠れて、外部から見えにくい。
【0059】
メガネ200は、マウスシールド1のフレーム2よりも上方に位置する。そのため、メガネ200を着用した場合であっても、マウスシールド1を着用することができる。メガネ200にマウスシールド1の重量が作用することがないので、耳や鼻が痛くなりにくく、使用者の負担が小さい。シート3の上方突出部50が小さいので、マウスシールド1を着用した状態のままでメガネ200を容易に着脱することができる。また、マウスシールド1がメガネ200の着用状態に影響を及ぼさないので、メガネ200を着用した状態のままでマウスシールド1を容易に着脱できる。
【0060】
尚、
図15のように、左後方延伸部12と右後方延伸部14に、それぞれパッド80が取り付けられてもよい。フレーム2にパッド80が取り付けられると、パッド80が左横当接部60及び右横当接部62となる。パッド80は、例えば、筒状である。パッド80は、フレーム2よりも軟質のものが好ましい。パッド80は、例えばシリコンゴム製とすることができる。パッド80を左後方延伸部12と右後方延伸部14に被せることにより、装着感を向上させることができ、マウスシールド1の安定感も増す。左突起21と右突起22がそれぞれ左後方延伸部12の前部と右後方延伸部14の前部に設けられているので、左後方延伸部12の後部と右後方延伸部14の後部にパッド80を容易に装着することができる。パッド80は、フレーム2に着脱自在に取り付けられていてもよいし、取り外し不可に装着されていてもよい。
【0061】
また、
図16~
図18のように、前方周回部10に二つの中央突起20が設けられていてもよい。その場合、シート3には、中央係合孔40が二つ設けられる。中央突起20は三つでもよく、中央突起20の数は種々であってよい。使用者がフレーム2にシート3を取り付ける際、例えば、初めに二つの中央突起20を二つの中央係合孔40に係合させる。その後、使用者は、左突起21と右突起22をそれぞれ左係合孔41と右係合孔42に係合させる。中央突起20が複数設けられると、使用者が左突起21と右突起22をそれぞれ左係合孔41と右係合孔42に係合させる際に、シート3がフレーム2に対して回転しにくい。そのため、左突起21と右突起22をそれぞれ左係合孔41と右係合孔42に容易に係合させることができる。
【0062】
更に、
図19のように、左突起21が左後方延伸部12と左側方延伸部11の第二境界部72に設けられ、右突起22が右後方延伸部14と右側方延伸部13の第四境界部74に設けられてもよい。但し、シート3を二点鎖線で示しているように、シート3の左右両端部が左後方延伸部12と右後方延伸部14から側方に離れやすくなる。そのため、左突起21及び右突起22は、それぞれ左後方延伸部12の前部と右後方延伸部14の前部に設けられることが好ましい。
【0063】
尚、上記実施形態では、フレーム2が、左頬骨103に当接する左前当接部61と右頬骨104に当接する右前当接部63を有していたが、フレーム2が、例えば、鼻に当接する鼻当接部や、額に当接する額当接部を有していてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 マウスシールド
2 フレーム
3 シート
3a 上縁
3b 下縁
10 前方周回部
11 左側方延伸部
12 左後方延伸部
13 右側方延伸部
14 右後方延伸部
15 左逃げ部
16 右逃げ部
20 中央突起(中央係合部)
21 左突起(左係合部)
22 右突起(右係合部)
23 軸部
24 頭部
30 左傾斜部
31 右傾斜部
32 中央湾曲部
33 左湾曲部
34 右湾曲部
40 中央係合孔(中央被係合部)
41 左係合孔(左被係合部)
42 右係合孔(右被係合部)
50 上方突出部
51 下方突出部
60 左横当接部
61 左前当接部
62 右横当接部
63 右前当接部
71 第一境界部
72 第二境界部
73 第三境界部
74 第四境界部
80 パッド
100 左耳前部
101 右耳前部
102 耳珠
103 左頬骨
104 右頬骨
200 メガネ