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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055927
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】シート支持具
(51)【国際特許分類】
   A47G 1/16 20060101AFI20220401BHJP
【FI】
A47G1/16 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020163645
(22)【出願日】2020-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】509062424
【氏名又は名称】寺内 忠頼
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128141
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 圭一
(72)【発明者】
【氏名】寺内 忠頼
【テーマコード(参考)】
3B111
【Fターム(参考)】
3B111CA06
3B111CC01
3B111CD01
(57)【要約】
【課題】シート体をしっかりと支持しつつ、シート体を挿入しやすくしたシート支持具を提供する。
【解決手段】本発明シート支持具は、シート体の外縁領域を挟み込む一方側を成す第一挟持部と、前記第一挟持部との間に隙間が設けられた状態で前記第一挟持部に対向し、他方側を成す第二挟持部と、前記第一挟持部と前記第二挟持部の間に架け渡されて両者に繋がる連絡部と、を備え、前記第一挟持部と前記第二挟持部が対向する方向を対向方向と定義した際、前記第一挟持部の前記隙間側を向く面の第一頂点と前記第二挟持部の前記隙間側を向く面の第二頂点の対向方向の距離が前記シート体の前記外縁領域の厚み以上であり、前記第一挟持部及び前記第二挟持部の少なくとも一方は、前記隙間側を向く面を起点として凸となる凸部を有し、前記第一頂点及び前記第二頂点の少なくとも一方は、前記凸部の頂点により構成される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート体を支持するシート支持具であって、
前記シート体の外縁及びその近傍を含む前記シート体の外縁領域を挟み込む一方側を成す第一挟持部と、
前記第一挟持部との間に隙間が設けられるよう前記第一挟持部と所定間隔離れた状態で前記第一挟持部に対向し、前記外縁領域を挟み込む他方側を成す第二挟持部と、
前記第一挟持部と前記第二挟持部の間に架け渡されて前記第一挟持部と前記第二挟持部に繋がると共に、前記第一挟持部及び前記第二挟持部により挟み込まれた前記シート体の外縁に対向する連絡部と、
を備え、
前記第一挟持部と前記第二挟持部が対向する方向を対向方向と定義した際、前記第一挟持部の前記隙間側を向く面の第一頂点と、前記第二挟持部の前記隙間側を向く面の第二頂点の前記対向方向の距離が前記シート体の前記外縁領域の厚み以上であり、
前記第一挟持部及び前記第二挟持部の少なくとも一方は、前記隙間側を向く面を起点として凸となる少なくとも1つの凸部を有し、
前記第一頂点及び前記第二頂点の少なくとも一方は、前記凸部の頂点により構成されることを特徴とする、
シート支持具。
【請求項2】
前記第一挟持部及び前記第二挟持部の双方が前記凸部を有し、
前記第一頂点及び前記第二頂点の双方は、前記凸部の前記頂点により構成されることを特徴とする、
請求項1に記載のシート支持具。
【請求項3】
前記隙間内には、
前記第一頂点に接する第一仮想平面と、前記第二頂点に接する第二仮想平面で前記対向方向における境界が画定される、前記シート体を配置可能な有効配置空間と、
前記有効配置空間に前記シート体が配置された際の前記シート体の辺の長さ方向に沿う方向を前記有効配置空間の長さ方向と定義した際、前記有効配置空間の長さ方向全体に渡って延在すると共に、前記対向方向で前記有効配置空間に隣接し、且つ、少なくとも前記隙間の入口を起点として形成される予備空間と、
が形成され、
前記予備空間は、前記シート体が前記隙間に挿入される際、前記シート体が前記予備空間を利用して傾倒可能な広さを有することを特徴とする、
請求項1又は2に記載のシート支持具。
【請求項4】
前記対向距離は、前記シート体の厚みと同じであることを特徴とする、
請求項1~3のいずれか一項に記載のシート支持具。
【請求項5】
前記第二挟持部は、
前記対向方向において前記第一挟持部に対向すると共に、前記連絡部に繋がる対向領域部と、
前記対向領域部の前記連絡部に繋がる側とは反対側の外縁を起点として延長される延長領域部と、
を有し、
前記凸部は、前記延長領域部に設けられることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか一項に記載のシート支持具。
【請求項6】
前記延長領域部は、
複数の前記凸部と、
隣接する2つの前記凸部の間に前記対向方向に前記延長領域部を貫通する孔部、又は隣接する2つの前記凸部の間まで延在するスリットと、
を有し、
隣接する2つの前記凸部の間の領域は、画鋲の頭部を配置可能な広さを有し、
隣接する2つの前記凸部の前記対向方向における高さは、画鋲の頭部の厚み以上あることを特徴とする、
請求項5に記載のシート支持具。
【請求項7】
前記第二挟持部は、前記対向方向において前記第一挟持部と対向する一部の領域が開口する開口部を有することを特徴とする、
請求項1~6のいずれか一項に記載のシート支持具。
【請求項8】
前記第一挟持部は、前記凸部を有し、
前記第一挟持部における前記凸部は、前記第一挟持部を前記対向方向から平面視した際、前記開口部で取り囲まれる領域に重畳することを特徴とする、
請求項7に記載のシート支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート体を支持するシート支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙を壁面で支持するものとして、用紙のコーナー部分を挿入する空間を有するL字型のL字型壁掛け器具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。用紙の四隅をL字型壁掛け器具で支持すれば、壁面に沿って用紙を支持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3―118063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、L字型壁掛け器具における用紙のコーナー部分を挿入する上記空間の幅は、用紙の厚みよりも大きい必要がある。しかしながら、上記空間の幅が用紙の厚みに比べて大き過ぎると、用紙はL字型壁掛け器具でしっかりと支持されない。一方で、上記空間の幅が用紙の厚み程度であると、用紙はL字型壁掛け器具でしっかりと支持されるが、挿入しづらい。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、シート体をしっかりと支持しつつ、シート体を挿入しやすくしたシート支持具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシート支持具は、シート体を支持するシート支持具であって、
前記シート体の外縁及びその近傍を含む前記シート体の外縁領域を挟み込む一方側を成す第一挟持部と、前記第一挟持部との間に隙間が設けられるよう前記第一挟持部と所定間隔離れた状態で前記第一挟持部に対向し、前記外縁領域を挟み込む他方側を成す第二挟持部と、前記第一挟持部と前記第二挟持部の間に架け渡されて前記第一挟持部と前記第二挟持部に繋がると共に、前記第一挟持部及び前記第二挟持部により挟み込まれた前記シート体の外縁に対向する連絡部と、を備え、前記第一挟持部と前記第二挟持部が対向する方向を対向方向と定義した際、前記第一挟持部の前記隙間側を向く面の第一頂点と、前記第二挟持部の前記隙間側を向く面の第二頂点の前記対向方向の対向距離が前記シート体の前記外縁領域の厚み以上であり、前記第一挟持部及び前記第二挟持部の少なくとも一方は、前記隙間側を向く面を起点として凸となる少なくとも1つの凸部を有し、前記第一頂点及び前記第二頂点の少なくとも一方は、前記凸部の頂点により構成されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明のシート支持具において、前記第一挟持部及び前記第二挟持部の双方が前記凸部を有し、前記第一頂点及び前記第二頂点の双方は、前記凸部の前記頂点により構成されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のシート支持具において、前記隙間内には、前記第一頂点に接する第一仮想平面と、前記第二頂点に接する第二仮想平面で前記対向方向における境界が画定される、前記シート体を配置可能な有効配置空間と、前記有効配置空間に前記シート体が配置された際の前記シート体の辺の長さ方向に沿う方向を前記有効配置空間の長さ方向と定義した際、前記有効配置空間の長さ方向全体に渡って延在すると共に、前記対向方向で前記有効配置空間に隣接し、且つ、少なくとも前記隙間の入口を起点として形成される予備空間と、が形成され、前記予備空間は、前記シート体が前記隙間に挿入される際、前記シート体が前記予備空間を利用して傾倒可能な広さを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のシート支持具において、前記対向距離は、前記シート体の厚みと同じであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のシート支持具において、前記第二挟持部は、前記対向方向において前記第一挟持部に対向すると共に、前記連絡部に繋がる対向領域部と、前記対向領域部の前記連絡部に繋がる側とは反対側の外縁を起点として延長される延長領域部と、を有し、前記凸部は、前記延長領域部に設けられることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のシート支持具において、前記延長領域部は、複数の前記凸部と、隣接する2つの前記凸部の間に前記対向方向に前記延長領域部を貫通する孔部、又は隣接する2つの前記凸部の間まで延在するスリットと、を有し、隣接する2つの前記凸部の間の領域は、画鋲の頭部を配置可能な広さを有し、隣接する2つの前記凸部の前記対向方向における高さは、画鋲の頭部の厚み以上あることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のシート支持具において、前記連絡部は、前記第一挟持部及び前記第二挟持部により挟み込まれた前記シート体のコーナーの2つの辺の前記外縁に対向する第一連絡片及び第二連絡片を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のシート支持具において、前記第二挟持部は、前記対向方向において前記第一挟持部と対向する一部の領域が開口する開口部を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明のシート支持具において、前記第一挟持部は、前記凸部を有し、前記第一挟持部における前記凸部は、前記第一挟持部を前記対向方向から平面視した際、前記開口部で取り囲まれる領域に重畳することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のシート支持具において、前記連絡部は、前記第一挟持部及び前記第二挟持部により挟み込まれた前記シート体の1つの辺の前記外縁に対向することを特徴とする。
【0016】
なお、以上において、第一挟持部は、後述するコーナー側第一挟持部、中間側第一挟持部のいずれであってもよい。また、第二挟持部は、後述するコーナー側第二挟持部、中間側第二挟持部のいずれであってもよい。また、連絡部は、後述するコーナー側連絡部、中間側連絡部のいずれであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明のシート支持具によれば、シート体をしっかりと支持しつつ、シート体を挿入しやすくすることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(A)は、シート体を支持する本発明の実施形態におけるシート支持具の正面図である。(B)は、シート体の正面図である。
図2】(A)は、本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の斜視図である。(B)は、分離された本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の斜視図である。
図3】(A)は、壁面に固定された本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の正面図である。(B)は、(A)のG―G矢視断面図である。
図4】(A),(B)は、壁面に固定された本発明の実施形態におけるコーナー側支持部にシート体を挿入する様子を時系列に並べた図である。
図5】(A)は、図4(A)のF―F矢視断面図である。(B)は、本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の有効配置空間がシート体の厚みよりも狭い場合であって、隙間に挿入されたシート体が第一挟持側凸部に当たっている様子を示す図である。(C)は、本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の有効配置空間がシート体の厚みよりも狭い場合であって、隙間に挿入されたシート体が傾斜姿勢で支持されている様子を示す図である。
図6】(A)~(C)は、本発明の実施形態におけるコーナー側支持部にシート体を傾倒させつつ、挿入する様子を時系列に並べた図である。
図7】(A)は、第一挟持側凸部及び第二挟持側凸部がないコーナー側支持部を示す図である。(B),(C)は、第一挟持側凸部及び第二挟持側凸部がないコーナー側支持部に、波打った用紙を挿入する様子を示す図である。
図8】(A)は、本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の変形例の斜視図である。(B)は、分離された本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の変形例の斜視図である。
図9】(A)は、本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の変形例1の正面図である。(B)は、本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の変形例1の底面図である。
図10】(A)は、本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の金型を構成する固定プレート及び可動プレートを示す図である。(B)は、本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の変形例1の金型を構成する固定プレート及び可動プレートを示す図である。
図11】(A)は、本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の変形例2の断面図である。(B)は、本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の変形例3の断面図である。(C)は、本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の変形例4の平面図である。(D)は、本発明の実施形態におけるコーナー側支持部の変形例5の平面図である。
図12】本発明の実施形態における中間側支持部の斜視図である。
図13】(A)は、本発明の実施形態における中間側支持部の平面図である。(B)は、本発明の実施形態における中間側支持部の側面図である。
図14】(A),(B)は、壁面に固定された本発明の実施形態における中間側支持部にシート体を挿入する様子を時系列に並べた図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1図14は発明を実施する形態の一例であって、図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わす。
【0020】
<全体構成>
本発明の実施形態におけるシート支持具1は、壁面700に設置されて、シート体900を壁面700に沿って支持するものである。本実施形態においてシート体900は、例えば、A4の用紙等のような四角形(例えば、長方形)の用紙が想定される。シート支持具1は、図1(A)に示すように、4つのコーナー側支持部2と、2つの中間側支持部3と、を有する。コーナー側支持部2は、シート体900のコーナー部910(図1(B)参照)を挟み込んでシート体900を支持するものである。中間側支持部3は、シート体900の隣接する2つのコーナー部910の間におけるシート体900の中間部920(図1(B)参照)を挟み込んでシート体900を支持するものである。
【0021】
<コーナー側支持部>
図2を参照して、コーナー側支持部2について説明する。なお、図2(A)は、コーナー側支持部2の斜視図であり、図2(B)は、図2(A)に示すコーナー側支持部2を分離した斜視図である。コーナー側支持部2は、図2(A)に示すように、コーナー側第一挟持部4と、コーナー側第二挟持部5と、コーナー側連絡部6と、を備える。なお、コーナー側第一挟持部4と、コーナー側第二挟持部5と、コーナー側連絡部6とは、それぞれが独立した部材により構成されてもよいし、一体形成されてもよい。
【0022】
<コーナー側第一挟持部>
コーナー側第一挟持部4は、シート体900のコーナー部910の外縁911及びその近傍を含むシート体900の外縁領域912(図1(B)参照)を挟み込む一方側を成すものである。本実施形態においてコーナー側第一挟持部4は、図2(A),(B)に示すように、シート体900のコーナー部910に対応して略L字形板状に形成される。つまり、コーナー側第一挟持部4は、図2(B)に示すように、シート体900のコーナー部910の一方側の一辺の外縁領域912A(図1(B)参照)を挟み込む一方側を成す第一挟持領域部40と、シート体900のコーナー部910の他方側の一辺の外縁領域912B(図1(B)参照)を挟み込む一方側を成す第二挟持領域部41と、を有する。第一挟持領域部40と第二挟持領域部41は、図3(A)に示すように、概ね直交する。そして、第一挟持領域部40と第二挟持領域部41は、平面視すると、略長方形状になっているが、第一挟持領域部40と第二挟持領域部41が交差するコーナー領域42Dの内側領域47は、略扇形に形成される。
【0023】
<コーナー側第二挟持部>
コーナー側第二挟持部5は、図2(A),(B)に示すように、コーナー側第一挟持部4との間に隙間20が設けられるようコーナー側第一挟持部4と所定間隔離れた状態でコーナー側第一挟持部4に対向し、外縁領域912を挟み込む他方側を成すものである。本実施形態においてコーナー側第二挟持部5は、板状に形成される。そして、コーナー側第二挟持部5は、壁面700に設置された際、壁面700に当接する。また、コーナー側第二挟持部5は、図2(A),(B)に示すように、2つの領域に分けることができ、対向領域部50と、延長領域部51と、を有する。
【0024】
コーナー側第一挟持部4とコーナー側第二挟持部5が対向する方向を対向方向Aと定義した際、対向領域部50は、対向方向Aにおいてコーナー側第一挟持部4に対向する。そして、対向領域部50は、コーナー側第一挟持部4に対応してL字形となっており、第一挟持領域部40に対向する第一領域片50Aと、第二挟持領域部41に対向する第二領域片50Bとに分けられる。また、対向領域部50は、図2(B)に示すように、延長領域部51との境界57とは反対側の対向領域部50の外縁58を含む外縁領域においてコーナー側連絡部6に繋がっている。
【0025】
延長領域部51は、図2(A),(B)に示すように、対向領域部50のコーナー側連絡部6が繋がる側と反対側の外縁50E(境界57)を起点として延長される領域である。延長領域部51は、第一領域片50A及び第二領域片50Bの双方に連続して延長される。
【0026】
<コーナー側連絡部>
コーナー側連絡部6は、図2(A)に示すように、対向方向Aにおいて所定間隔離れた状態のコーナー側第一挟持部4とコーナー側第二挟持部5の間に架け渡されて、コーナー側第一挟持部4とコーナー側第二挟持部5に繋がるものである。つまり、コーナー側第一挟持部4は、コーナー側連絡部6の対向方向Aの一端6Aに繋がり、コーナー側第二挟持部5は、コーナー側連絡部6の対向方向Aの他端6Bに繋がる。結果、コーナー側第一挟持部4とコーナー側第二挟持部5は、コーナー側連絡部6により対向方向Aにおいて所定間隔離れて両者の間に隙間20が設けられた状態で対向する姿勢を維持される。本実施形態においてコーナー側第一挟持部4とコーナー側第二挟持部5は、対向方向Aにおいて対向する面(後述する第一挟持側面42及び対向領域側面52)同士が平行となるような姿勢となる。
【0027】
本実施形態においてコーナー側連絡部6は、図2(B)に示すように、コーナーを構成する一方の辺側においてコーナー側第一挟持部4とコーナー側第二挟持部5の間を架け渡す第一連絡片60と、コーナーを構成する他方の辺側においてコーナー側第一挟持部4とコーナー側第二挟持部5の間を架け渡す第二連絡片61と、を有する。第一連絡片60と第二連絡片61は、例えば、略90度を成すように交差する。そして、コーナー側第一挟持部4は、対応する辺側の外縁4Aを含む外縁領域において第一連絡片60及び第二連絡片61の対向方向Aの一端6Aに繋がる。また、コーナー側第二挟持部5は、対応する辺側の外縁5Aを含む外縁領域において第一連絡片60及び第二連絡片61の対向方向Aの他端6Bに繋がる。結果、コーナー側連絡部6は、L字形直方体形状に形成され、対向領域部50の外縁58全体に延在する外縁58を含む(L字形を成す)外縁領域を起点として対向方向Aに立設するように構成される。
【0028】
以上のように、コーナー側第一挟持部4、コーナー側連絡部6及びコーナー側第二挟持部5は、対向方向Aにおいて順に繋がる。そして、シート体900がコーナー側支持部2で挟み込まれて支持される際、シート体900のコーナー部910を構成する2つの辺が延在する方向をそれぞれ辺延在方向B,Cと定義した場合、コーナー側第一挟持部4、コーナー側連絡部6及びコーナー側第二挟持部5は、隙間20を取り囲む第一挟持領域部40、第一領域片50A、及び対応するコーナー側連絡部6を辺延在方向Bに直交する方向(辺延在方向C)に切った断面、及び、隙間20を取り囲む第二挟持領域部41、第二領域片50B、及び対応するコーナー側連絡部6を辺延在方向Cに直交する方向(辺延在方向B)に切った断面がコの字形状を成すように構成される(図4(A)参照)。
【0029】
<隙間>
隙間20は、図2(A),(B)に示すように、コーナー側第一挟持部4、対向領域部50(コーナー側第二挟持部5)及びコーナー側連絡部6それぞれの隙間20側を向く面で取り囲まれる。つまり、コーナー側第一挟持部4の隙間20側を向く面を第一挟持側面42とし、対向領域部50(コーナー側第二挟持部5)の隙間20側を向く面を対向領域側面52とし、コーナー側連絡部6の隙間20側を向く面を連絡側面62とした際、第一挟持側面42と、対向領域側面52と、連絡側面62とにより境界57に対応する位置を起点としてそこからコーナー側連絡部6に向かう方向に凹む凹面(凹部)が構成される。凹面(凹部)は、辺延在方向B、又は、辺延在方向Cに直交する方向に切った断面がコの字形状を成しつつ、辺延在方向B及び辺延在方向Cに沿ってL字形状に延在する。そして、隙間20は、凹面(凹部)により取り囲まれる。結果、隙間20は、対向領域部50と延長領域部51との境界57に相当する位置、及び、辺延在方向B,Cにおけるコーナー側支持部2の端部2A,2Bにおいて開放された状態となる。ちなみに、第一挟持側面42と対向領域側面52は、対向方向Aにおいて対向する。
【0030】
<第一挟持側凸部及び第二挟持側凸部>
本実施形態においてコーナー側第一挟持部4は、図2(A),(B)に示すように、第一挟持側面42を起点として凸となる第一挟持側凸部43を有する。本実施形態において第一挟持側凸部43は、隙間20側に、又は、対向方向Aに凸となる。また、本実施形態において第一挟持側凸部43は、3つ設けられ、それぞれ第一挟持側面42のコーナー領域42Dに相当する位置と、辺延在方向B,Cの端部近傍に相当する位置42B,42Cに配設される。そして、第一挟持側凸部43の頂点は、対向方向Aにおける第一挟持側面42の頂点に相当する。
【0031】
本実施形態においてコーナー側第二挟持部5は、図2(A),(B)に示すように、コーナー側第一挟持部4側を向く第二挟持側面54を起点として凸となる第二挟持側凸部53を有する。本実施形態におい第二挟持側凸部53は、隙間20側に、又は、対向方向Aに凸となる。第二挟持側面54は、対向領域側面52と、延長領域側面55とで構成される。延長領域側面55は、対向領域側面52が延長された延長領域部51における面である。本実施形態において第二挟持側凸部53は、図2(B)に示すように、延長領域側面55に4つ設けられる。また、第二挟持側凸部53の頂点は、対向方向Aにおける第二挟持側面54の頂点に相当する。
【0032】
以上のように、本実施形態では、第一挟持側凸部43が隙間20内に設けられ、第二挟持側凸部53は、隙間20の外に設けられる。結果、第一挟持側凸部43と第二挟持側凸部53は、対向方向Aに直交する方向にずれるように配置され、対向方向Aにおいて対向しない。なお、第一挟持側凸部43と第二挟持側凸部53は、対向方向Aにおいて対向するように配置されたものが含まれてもよい。
【0033】
<孔部>
図3(A)に示すように、コーナー側支持部2を壁面700に固定する際、コーナー側支持部2のコーナー側第二挟持部5が壁面に当接するような姿勢で、コーナー側支持部2を画鋲800で壁面に固定してもよい。この場合、コーナー側第二挟持部5は、画鋲800の針部810を通すための孔部56を有する。孔部56は、延長領域部51を貫通し、画鋲800の針部810を通すことができる大きさ(径)を有する。
【0034】
コーナー側支持部2を壁面に固定する場合、図3(B)に示すように、画鋲800の針部810を孔部56に通して壁に刺す。これにより、画鋲800の頭部820でコーナー側第二挟持部5は壁面に押さえ付けられる。結果、コーナー側支持部2が壁面に固定される。
【0035】
そして、孔部56は、隣接する2つの第二挟持側凸部53の間に設けられることが好ましい。この際、隣接する2つの第二挟持側凸部53の間に画鋲800の頭部820が位置する。また、画鋲800の頭部820の厚みは、第二挟持側凸部53の第二挟持側面54を基準とした高さ以下であることが好ましく、略同じことがさらに好ましい。画鋲800の頭部820が第二挟持側凸部53からはみ出ると、後述する有効配置空間Sに画鋲800の頭部820が位置してしまい、シート体900を押し上げてしまうからである。
【0036】
なお、コーナー側支持部2を壁面700に固定する際、コーナー側第二挟持部5の壁面700に当接する側の面に接着テープを貼り付けて、コーナー側支持部2を壁面700に固定してもよい。なお、常に、コーナー側支持部2が画鋲800で壁面700に固定されるなら、画鋲800の頭部820が第二挟持側凸部53の機能を果たすことができるが、アパート等の賃貸住居の部屋の壁面には、コーナー側支持部2を画鋲800で固定し難い。このため、アパート等の賃貸住居の場合、コーナー側支持部2を接着テープで壁面に固定することが多いと考えられる。この場合、第二挟持側凸部53が有効となる。このことは、後述する中間側支持部3においても同様である。
【0037】
<コーナー側支持部におけるシート体の支持>
図4(B)に示すように、シート体900をコーナー側支持部2に支持させる際、図4(A)に示すように、シート体900のコーナー部910をコーナー側支持部2の隙間20に挿入する。シート体900がコーナー側支持部2で支持されるためには、図5(A)に示すように、シート体900を配置可能な隙間20内における有効配置空間Sの対向方向Aにおける長さがシート体900の厚み以上である必要がある。その理由は、有効配置空間Sの対向方向Aにおける長さがシート体900の厚み以下であると、シート体900を隙間20の奥まで挿入する際、図5(B)に示すように、途中でシート体900が第一挟持側凸部43に当たって、シート体900を隙間20の奥まで挿入することができないか、図5(C)に示すように、仮に、第二挟持側面54に対してシート体900を傾倒させて第一挟持側凸部43を避けて隙間20の奥まで挿入させても、シート体900は第二挟持側面54に対して傾斜(傾倒)した姿勢のままコーナー側支持部2で支持されてしまうからである。なお、図5(A),(B)は、図4(A)のF―F矢視断面図である。
【0038】
なお、有効配置空間Sの対向方向Aにおける長さは、シート体900の強度によって変わってくる。シート体900が、厚みが薄くて折れ曲がりやすい用紙で構成される場合、有効配置空間Sの対向方向Aにおける長さは、用紙をしっかりと保持する観点から、用紙の厚みとほぼ同じかわずかに大きい程度にすることが好ましい。例えば、用紙の厚みが1(mm)以下である場合、有効配置空間Sの対向方向Aにおける長さは、用紙の厚み以上3(mm)以下が好ましく、用紙の厚み以上2(mm)以下がさらに好ましく、1(mm)程度がより好ましい。シート体900の厚みが1(mm)以上である場合でも、それに応じて、有効配置空間Sの対向方向Aにおける長さに、シート体900の厚みに対して1(mm)以下、又は2(mm)以下の余裕を持たせることが好ましい。
【0039】
なお、有効配置空間Sとは、図5(A)に示すように、第一挟持側面42の第一頂点42Aに接すると共に、第二挟持側面54に略平行な仮想的な第一仮想平面T1と、第二挟持側面54の第二頂点54Aに接すると共に、第二挟持側面54に略平行な仮想的な第二仮想平面T2を、対向方向Aにおける境界を画定する境界面とする空間を指す。ちなみに、第一仮想平面T1と、第二仮想平面T2とは、略平行となる。本実施形態において、シート体900は、壁面700に沿った姿勢でシート支持具1により支持されるため、シート体900は、壁面700に当接するコーナー側第二挟持部5、又は、第二挟持側面54とは反対側の反対面59に平行な姿勢で支持されるべきである。このため、有効配置空間Sは、シート体900が反対面59に平行な姿勢で支持されるような空間となる。
【0040】
本実施形態において隙間20内におけるシート体900を配置可能な有効配置空間Sの対向方向Aにおける長さは、第一仮想平面T1と、第二仮想平面T2の間の最短距離となり、第一挟持側面42の第一頂点42Aと第二挟持側面54の第二頂点54Aとの対向方向Aにおける対向距離に相当する。そして、本実施形態において第一挟持側面42の第一頂点42Aは、図5(A)に示すように、第一挟持側凸部43の頂点43Aに相当する。また、第二挟持側面54の第二頂点54Aは、図5(A)に示すように、第二挟持側凸部53の頂点53Aに相当する。また、第一挟持側凸部43は3つあり、第二挟持側凸部53は4つある。そして、3つの第一挟持側凸部43の高さが同じであると仮定すると、有効配置空間Sの第一挟持側面42側の境界面となる第一仮想平面T1は、3つの第一挟持側凸部43の頂点43Aそれぞれに接する。また、4つの第二挟持側凸部53の高さが同じであると仮定すると、有効配置空間Sの第二挟持側面54側の境界面となる第二仮想平面T2は、4つの第二挟持側凸部53の第二頂点54Aそれぞれに接する。つまり、第一挟持側凸部43及び第二挟持側凸部53は、隙間20内において有効配置空間Sを調整するためのスペーサとして機能している。
【0041】
また、第一挟持側凸部43と第二挟持側凸部53は、対向方向Aにおいて対向しない位置に配設されている。図5(A)に示すように、本実施形態では、第一挟持側凸部43は、隙間20内に位置し、第二挟持側凸部53は隙間20の外側(手前側)に位置する。その結果、隙間20内には、対向方向Aにおいて有効配置空間Sに隣接するに予備空間Pが形成される。
【0042】
予備空間Pとは、有効配置空間Sにシート体900が配置された際のシート体900の辺の長さ方向に沿う方向(L字方向)を有効配置空間Sの長さ方向と定義した際、有効配置空間Sの長さ方向(L字方向)全体に渡って延在する(図4(A)参照)と共に、対向方向Aで有効配置空間Sに隣接し(図5(A)参照)、且つ、少なくとも隙間20の入口21を起点として隙間20の奥行き方向に延在する(図5(A)参照)空間を指す。本実施形態において予備空間Pは、有効配置空間Sのコーナー側第一挟持部4側と、有効配置空間Sのコーナー側第二挟持部5側の双方にある。そして、予備空間Pと有効配置空間Sの境界は、第一仮想平面T1及び第二仮想平面T2が成す。また、有効配置空間Sのコーナー側第一挟持部4側の予備空間Pは、隙間20の入口21を起点として第一挟持側凸部43まで延在する。つまり、有効配置空間Sのコーナー側第一挟持部4側の予備空間Pの隙間20の奥側における境界は、隙間20の奥行き方向に沿って並ぶ最初の第一挟持側凸部43となる。有効配置空間Sのコーナー側第二挟持部5側の予備空間Pは、隙間20の入口21を起点としてコーナー側連絡部6まで延在する。つまり、有効配置空間Sのコーナー側第二挟持部5側の予備空間Pの隙間20の奥側における境界は、コーナー側連絡部6となる。
【0043】
シート体900は、図6(A),(B)に示すように、コーナー側第二挟持部5側の予備空間Pを利用して第二挟持側面54又は反対面59に対して傾倒(傾斜)させた姿勢でシート体900を隙間20の奥まで挿入可能となる。そして、傾倒(傾斜)させた姿勢でシート体900を隙間20の奥まで挿入したら、図6(C)に示すように、シート体900は、自重により第二挟持側面54又は反対面59に対して平行となる平行姿勢となる。この際、シート体900のコーナー部910の外縁911は、コーナー側連絡部6(連絡側面62)に対向する。この際、第一連絡片60は、シート体900のコーナー部910の一方の辺の外縁911に対向し、第二連絡片61は、シート体900のコーナー部910の他方の辺の外縁911に対向する。なお、コーナー側連絡部6(連絡側面62)は、シート体900の挿入方向奥側における境界を成しており、これ以上、シート体900を挿入方向奥側に移動させないストッパ機能を有する。
【0044】
一方、図7(A)に示すように、コーナー側第一挟持部4及びコーナー側第二挟持部5に、第一挟持側凸部43及び第二挟持側凸部53が形成されず、第一挟持側面42及び第二挟持側面54が平面状に形成される場合、第一挟持側面42と第二挟持側面54の間の隙間20には、有効配置空間Sのみが形成され、予備空間Pが形成されない。このような場合、隙間20全体が有効配置空間Sに含まれる。そして、対向方向Aにおける隙間20の長さがシート体900の厚みとほぼ同じかわずかに大きい程度である場合、図7(B)に示すように、シート体900を成す用紙が波打っていたりしている場合、隙間20にシート体900を容易に挿入することができない。だからと言って、図7(C)に示すように、対向方向Aにおける隙間20(有効配置空間S)の長さをシート体900の厚みに対して大きくし過ぎると、当然ながらコーナー側支持部2のシート体900の保持力が弱くなる。
【0045】
有効配置空間Sに隣接する予備空間Pが設けられつつも、対向方向Aにおける有効配置空間Sの長さをシート体900の厚みと同じかわずかに大きい程度にすることができる本実施形態におけるコーナー側支持部2は、予備空間Pがあるため、隙間20の入口21は、シート体900の厚みよりも大きくすることができる。このため、本実施形態におけるコーナー側支持部2では、シート体900を隙間20に挿入することが容易である。さらに、予備空間Pを利用して、シート体900は、隙間20内で第二挟持側面54又は反対面59に対して傾倒(傾斜)させた姿勢を取ることができるため、シート体900をスムーズに隙間20内に挿入することができる。結果、本実施形態におけるコーナー側支持部2なら、シート体900の保持力を一定程度に維持しつつも、シート体900を挿入容易にすることができる。
【0046】
<コーナー側支持部の変形例1>
図8図10参照して、本実施形態におけるコーナー側支持部2の変形例1について説明する。図8(B)に示すように、本変形例1では、コーナー側支持部2のコーナー側第二挟持部5側の一部領域を開口して、コーナー側第一挟持部4の一部及び隙間20をコーナー側第二挟持部5側において外部に開放している。この場合、コーナー側第二挟持部5の対向領域部50は2つの離れた第一領域片50A及び第二領域片50Bにより構成される。
【0047】
第一領域片50Aは、コーナー側支持部2の端部2Aを起点として辺延在方向Bに沿って、コーナー側支持部2のコーナー部2Cよりも手前側まで延在する。第二領域片50Bは、コーナー側支持部2の端部2Bを起点として辺延在方向Cに沿って、コーナー側支持部2のコーナー部2Cよりも手前側まで延在する。つまり、本変形例1では、対向領域部50は、本実施形態におけるコーナー側支持部2における対向領域部50のコーナー部分を含む中間部がなく、両端及びその近傍の領域のみで構成される。中間部がなくなった結果、図8(A),(B)に示すように、第一領域片50Aと第二領域片50Bの間に開口部50Cが形成される。
【0048】
また、本変形例1では、第一挟持側凸部43は、図9(A),(B)に示すように、対向方向Aにおいて第一領域片50A及び第二領域片50Bと対向せず、開口部50Cで取り囲まれる領域50Dに対向するように設けられる。つまり、対向方向Aからコーナー側第一挟持部4の第一挟持側面42を平面視した際、第一挟持側凸部43は、領域50Dに重畳する。結果、第一挟持側凸部43は、開口部50Cを通じて外部に開放された状態となる。
【0049】
本実施形態におけるコーナー側支持部2には、隙間20の内部に位置する第一挟持側凸部43があるため、樹脂で射出成形することが困難である。本実施形態におけるコーナー側支持部2を射出成形するための金型を成す固定プレート1000と、可動プレート1100の一例を図10(A)に示す。固定プレート1000と、可動プレート1100の間の隙間に樹脂を流し込んでコーナー側支持部2が成形される。
【0050】
図10(A)に示すような固定プレート1000及び可動プレート1100では、対向方向Aにおいて対向する第一挟持側凸部43及び第二挟持側凸部53があるため、固定プレート1000からコーナー側支持部2を分離することが困難である。しかしながら、本変形例1のように、コーナー側支持部2をコーナー側第二挟持部5側に開口部50Cがあるような態様にすれば、図10(B)に示すように、対向方向Aの固定プレート1000から離れる方向に可動プレート1100を移動させれば、固定プレート1000からコーナー側支持部2を分離することが可能である。このため、本変形例1のような構成ならば、コーナー側支持部2を一体形成することが可能となる。
【0051】
<コーナー側支持部の変形例2~5>
図11を参照して、本実施形態におけるコーナー側支持部2の別の変形例2,3について説明する。本変形例2では、図11(A)に示すように、第一挟持側凸部43を設けず、第二挟持側凸部53のみを設けている。本変形例2においては、有効配置空間Sの第二挟持側凸部53側に予備空間Pが設けられる。
【0052】
また、本変形例3では、図11(B)に示すように、第二挟持側凸部53を設けず、第一挟持側凸部43のみを設けている。本変形例3においては、有効配置空間Sの第一挟持側凸部43側に予備空間Pが設けられる。
【0053】
また、本変形例4では、図11(C)に示すように、第一挟持側凸部43は、有効配置空間Sにシート体900が配置された際のシート体900の辺の長さ方向に沿う方向(L字方向)に沿ってL字状に延在する。また、本変形例4では、第二挟持側凸部53は、図11(C)に示すように、第二挟持側面54に沿って長方形状に延在する。また、本変形例5では、図11(D)に示すように、第一挟持側凸部43及び第二挟持側凸部53は、それぞれ第一挟持側面42、第二挟持側面54に沿って長方形状に延在する。
【0054】
変形例4,5の第一挟持側凸部43及び第二挟持側凸部53は、本実施形態及び変形例1~3の第一挟持側凸部43及び第二挟持側凸部53とは異なり、第一挟持側面42及び第二挟持側面54の微小領域からではなく、ある程度の広がりをもつ領域から凸になっている。それでも、本変形例4,5においては、有効配置空間Sの第一挟持側凸部43側及び第二挟持側凸部53側の双方に予備空間Pが設けられる。変形例4,5の第一挟持側凸部43及び第二挟持側凸部53のような態様も本発明の範囲に含まれる。
【0055】
いずれの変形例の場合でも、有効配置空間Sの対向距離がシート体900の厚みとほぼ同じであっても予備空間Pがあるため、隙間20の入口21は、シート体900の厚みよりも大きい。このため、いずれの変形例の場合でも、シート体900を隙間20に挿入することが容易である。さらに、予備空間Pを利用して、シート体900は、隙間20内で第二挟持側面54又は反対面59に対して傾倒(傾斜)させた姿勢を取ることができるため、シート体900をスムーズに隙間20内に挿入することができる。
【0056】
<中間側支持部>
図12及び図13を参照して、中間側支持部3について説明する。なお、図12は、中間側支持部3の斜視図であり、図13(A)は、中間側支持部3の平面図であり、図13(B)は、中間側支持部3の側面図である。中間側支持部3は、図12に示すように、中間側第一挟持部7と、中間側第二挟持部8と、中間側連絡部9と、を備える。なお、中間側第一挟持部7と、中間側第二挟持部8と、中間側連絡部9とは、それぞれが独立した部材により構成されてもよいし、一体形成されてもよい。
【0057】
<中間側第一挟持部>
中間側支持部3における中間側第一挟持部7は、シート体900の中間部920の外縁914及びその近傍を含むシート体900の外縁領域915(図1(B)参照)を挟み込む一方側を成すものである。本実施形態において中間側第一挟持部7は、図12(A),(B)に示すように、略長方形板状に形成される。
【0058】
<中間側第二挟持部>
中間側第二挟持部8は、中間側第一挟持部7との間に隙間30が設けられるよう中間側第一挟持部7と所定間隔離れた状態で中間側第一挟持部7に対向し、外縁領域915を挟み込む他方側を成すものである。本実施形態において中間側第二挟持部8は、板状に形成される。そして、中間側第二挟持部8は、図13(A)に示すように、壁面700に設置された際、壁面700に当接する。また、中間側第二挟持部8は、図12及び図13(A),(B)に示すように、2つの領域に分けることができ、対向領域部80と、延長領域部81と、を有する。
【0059】
対向領域部80は、対向方向Aにおいて中間側第一挟持部7に対向する。そして、対向領域部80は、中間側第一挟持部7に対応して長方形板状となっている。また、対向領域部50は、図13(B)に示すように、延長領域部81との境界86とは反対側の対向領域部80の外縁83を含む外縁領域において中間側連絡部9に繋がっている。延長領域部81は、図13(A),(B)に示すように、対向領域部80の中間側連絡部9が繋がる側と反対側の外縁80B(境界86)を起点として延長される領域である。
【0060】
<中間側連絡部>
中間側連絡部9は、図13(B)に示すように、対向方向Aにおいて所定間隔離れた状態の中間側第一挟持部7と中間側第二挟持部8の間に架け渡されて、中間側第一挟持部7と中間側第二挟持部8に繋がるものである。つまり、中間側第一挟持部7は、自身の外縁7Aを含む外縁領域において中間側連絡部9の対向方向Aの一端9Aに繋がり、中間側第二挟持部8は、自身の外縁8Aを含む外縁領域において中間側連絡部9の対向方向Aの他端9Bに繋がる。結果、中間側第一挟持部7と中間側第二挟持部8は、中間側連絡部9により対向方向Aにおいて所定間隔離れて両者の間に隙間30が設けられた状態で対向する姿勢を維持される。本実施形態において中間側第一挟持部7と中間側第二挟持部8は、対向方向Aにおいて対向する面(後述する第一挟持側面72及び対向領域側面82)同士が平行となるような姿勢となる。また、本実施形態において中間側連絡部9は、図13(B)に示すように、対向領域部80の外縁83に沿って延在する外縁83を含む外縁領域において対向方向Aに立設する。
【0061】
結果、中間側第一挟持部7、中間側連絡部9及び中間側第二挟持部8は、対向方向において順に繋がる。そして、シート体900が中間側支持部3で挟み込まれて支持される際のシート体900の中間部920に対応する辺が延在する方向を辺延在方向Dと定義した場合、中間側第一挟持部7、中間側連絡部9及び中間側第二挟持部8は、辺延在方向Dに直交する方向Eに切った断面がコの字形状を成すように構成される。ちなみに、図13(B)は中間側支持部3の側面図であるが、中間側支持部3の断面図と見做してもよい。
【0062】
<隙間>
隙間30は、図13(B)に示すように、中間側第一挟持部7、中間側連絡部9及び中間側第二挟持部8それぞれの隙間30側を向く面で取り囲まれる。つまり、中間側第一挟持部7の隙間30側を向く面を第一挟持側面72とし、対向領域部80(中間側第二挟持部8)の隙間30側を向く面を対向領域側面82とし、中間側連絡部9の隙間30側を向く面を連絡側面92とした際、第一挟持側面72と、対向領域側面82と、連絡側面92とにより境界86に対応する位置を起点としてそこから中間側連絡部9に向かう方向に凹む凹面(凹部)が構成される。凹面(凹部)は、辺延在方向Dに直交する方向Eに切った断面がコの字形状を成す。そして、隙間30は、凹面(凹部)により取り囲まれる。結果、隙間30は、対向領域部80と延長領域部81との境界86に相当する位置、及び、辺延在方向Dにおける中間側支持部3の端部3A,3Bにおいて開放された状態となる。ちなみに、第一挟持側面72と対向領域側面82は、対向方向Aにおいて対向する。
【0063】
<第一挟持側凸部及び第二挟持側凸部>
本実施形態において中間側第一挟持部7は、図12及び図13(A),(B)に示すように、第一挟持側面72を起点として凸となる第一挟持側凸部73を有する。本実施形態において第一挟持側凸部73は、隙間30側に、又は、対向方向Aに凸となる。また、第一挟持側凸部73は、辺延在方向Dに直交する中間側第一挟持部7の幅方向Fの一端から他端まで幅方向Fに沿って延在する。また、本実施形態において第一挟持側凸部73は、2つ設けられ、それぞれ第一挟持側面72の辺延在方向Dの端部近傍に相当する位置72B,72Cに配設される。そして、第一挟持側凸部73の頂点は、対向方向Aにおける第一挟持側面72の頂点に相当する。
【0064】
本実施形態において中間側第二挟持部8は、図12及び図13(A),(B)に示すように、中間側第一挟持部7側を向く第二挟持側面84を起点として凸となる第二挟持側凸部85を有する。本実施形態において第二挟持側凸部85は、隙間30側に、又は、対向方向Aに凸となる。また、第二挟持側凸部85は、中間側第二挟持部8の幅方向Fの一端から端まで幅方向Fに沿って延在する。なお、中間側第二挟持部8の幅方向Fは、中間側第一挟持部7の幅方向Fと同方向となる。
【0065】
第二挟持側面84は、対向領域側面82と、延長領域側面88とで構成される。延長領域側面88は、対向領域側面82が延長された延長領域部81における面である。本実施形態において第二挟持側凸部85は、図13(A)に示すように、第二挟持側面84に2つ設けられる。また、第二挟持側面84の頂点は、対向方向Aにおける第二挟持側凸部85の頂点に相当する。
【0066】
<スリット部>
図12及び図13(A)に示すように、中間側支持部3を壁面に固定する際、中間側支持部3の中間側第二挟持部8が壁面700に当接するような姿勢で、中間側支持部3を画鋲800で壁面700に固定してもよい。この場合、中間側第二挟持部8は、画鋲800の針部810を通すためのスリット部87を有する。スリット部87は、延長領域部81の外縁80B(境界86)とは反対側の外縁80Cを起点として延長領域部81(中間側第二挟持部8)の内部側の途中までに延在する。スリット部87のスリット幅は、画鋲800の針部810を通す大きさを有する。
【0067】
中間側支持部3を壁面700に固定する場合、図13(A)に示すように、画鋲800の針部810をスリット部87に通して壁に刺す。これにより、画鋲800の頭部820で中間側第二挟持部8は壁面に押さえ付けられる。結果、中間側支持部3が壁面700に固定される。
【0068】
そして、スリット部87は、隣接する2つの第二挟持側凸部85の間に設けられることが好ましい。中間側支持部3を画鋲800で壁面700に固定すると、隣接する2つの第二挟持側凸部85の間に画鋲800の頭部820が位置する。また、画鋲800の頭部820の厚みは、第二挟持側凸部85の第二挟持側面84を基準とした高さ以下であることが好ましく、略同じことがさらに好ましい。画鋲800の頭部820が第二挟持側凸部53からはみ出ると、後述する有効配置空間Sに画鋲800の頭部820が位置してしまい、シート体900を押し上げてしまうからである。
【0069】
<中間側支持部におけるシート体の支持>
図14(B)に示すように、シート体900を中間側支持部3に支持させる際、図14(A)に示すように、シート体900の中間部920を中間側支持部3の隙間30に挿入する。シート体900の中間部920を隙間30の奥まで挿入すると、シート体900は、図13(B)に示す有効配置空間Sにおいて第二挟持側面84に対して平行姿勢をとって中間側支持部3で支持される。この際、シート体900の中間部920の外縁914は、中間側連絡部9(連絡側面92)に対向する。
【0070】
ちなみに、図13(B)に示すように、第一挟持側凸部73及び第二挟持側凸部85は、幅方向Fに沿って対応する一端から他端まで延在するため、中間側支持部3における有効配置空間Sの周囲には、シート体900を傾倒させるための予備空間Pが形成されない。シート体900の中間部920は、コーナー部910に比べて隙間30に挿入しやすいため、このような態様であっても問題がない。
【0071】
なお、中間側支持部3においても第一挟持側凸部73及び第二挟持側凸部85は、コーナー側支持部2における第一挟持側凸部43及び第二挟持側凸部53と同様の態様であってもよい。さらに、中間側支持部3においてもコーナー側支持部2における変形例1~5と同様の変形例が挙げられる。
【0072】
尚、本発明のシート支持具は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
1 シート支持具
2 コーナー側支持部
3 中間側支持部
4 コーナー側第一挟持部
5 コーナー側第二挟持部
6 コーナー側連絡部
7 中間側第一挟持部
8 中間側第二挟持部
9 中間側連絡部
20,30 隙間
40 第一挟持領域部
41 第二挟持領域部
42,72 第一挟持側面
42A 第一挟持側面の頂点
43,73 第一挟持側凸部
43A 第一挟持側凸部の頂点
50,80 対向領域部
50A 第一領域片
50B 第二領域片
50C 開口部
50D 領域
51 延長領域部
52,82 対向領域側面
53,85 第二挟持側凸部
53A 第二挟持側凸部の頂点
54,84 第二挟持側面
54A 第二挟持側面の頂点
55,88 延長領域側面
56 孔部
60 第一連絡片
61 第二連絡片
62,92 連絡側面
87 スリット部
700 壁面
800 画鋲
810 針部
820 頭部
900 シート体
910 コーナー部
911,914 シート体の外縁
912,912A,912B,915 外縁領域
920 中間部
A 対向方向
P 予備空間
S 有効配置空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14