IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社スカイの特許一覧

特開2022-56020建設機械用アタッチメント及び建設機械
<>
  • 特開-建設機械用アタッチメント及び建設機械 図1
  • 特開-建設機械用アタッチメント及び建設機械 図2
  • 特開-建設機械用アタッチメント及び建設機械 図3
  • 特開-建設機械用アタッチメント及び建設機械 図4
  • 特開-建設機械用アタッチメント及び建設機械 図5
  • 特開-建設機械用アタッチメント及び建設機械 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022056020
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】建設機械用アタッチメント及び建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/36 20060101AFI20220401BHJP
   E04G 23/08 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
E02F3/36 A
E04G23/08 A
E04G23/08 D
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020163790
(22)【出願日】2020-09-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】520378230
【氏名又は名称】株式会社スカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100216736
【弁理士】
【氏名又は名称】竹井 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100202706
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100082913
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 光宏
(72)【発明者】
【氏名】保本 健志
【テーマコード(参考)】
2D012
2E176
【Fターム(参考)】
2D012DA02
2E176DD24
2E176DD25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡易な構造で効率よく複数の部材を可動できる建設機械用アタッチメント及び建設機械を提供する。
【解決手段】伸縮可能なシリンダ110を備える建設機械に取付けることができる建設機械用アタッチメント1であって、シリンダの動力を受けて可動する第1可動部材2と、第1可動部材に固定可能である第2可動部材3と、を備え、第2可動部材が第1可動部材に固定されている場合には、第1可動部材を介してシリンダの動力を受けて可動する、建設機械用アタッチメント。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮可能なシリンダを備える建設機械に取付けることができる建設機械用アタッチメントであって、
前記シリンダの動力を受けて可動する第1可動部材と、
前記第1可動部材に固定可能である第2可動部材と、を備え、
前記第2可動部材が前記第1可動部材に固定されている場合には、前記第1可動部材を介して前記シリンダの動力を受けて可動する、建設機械用アタッチメント。
【請求項2】
第3可動部材をさらに備え、
前記第2可動部材は前記第3可動部材に固定可能であり、
前記第2可動部材が前記第3可動部材に固定されている場合には、前記第2可動部材及び前記第3可動部材は可動しないように構成された、請求項1に記載の建設機械用アタッチメント。
【請求項3】
前記第1可動部材、前記第2可動部材、及び前記第3可動部材は回動可能であり、
前記第1可動部材及び前記第2可動部材における回動の軸となる第1軸と、
前記第3可動部材における回動の軸となる第2軸と、
をさらに備える、請求項2に記載の建設機械用アタッチメント。
【請求項4】
前記第1可動部材と前記第2可動部材とで剪断部が構成され、
前記第2可動部材と前記第3可動部材とで掴み部が構成された、請求項2又は請求項3に記載の建設機械用アタッチメント。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の建設機械用アタッチメントを備えた、建設機械。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械用アタッチメント及び建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開平6-185229号公報(特許文献1)がある。この公報には、「種々の機能的作業範囲を有し、それによって、それぞれ、異なる作業が行える作業機械用工具」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-185229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
簡易な構造で効率よく複数の部材を可動できないおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
伸縮可能なシリンダを備える建設機械に取付けることができる建設機械用アタッチメントであって、
前記シリンダの動力を受けて可動する第1可動部材と、
前記第1可動部材に固定可能である第2可動部材と、を備え、
前記第2可動部材が前記第1可動部材に固定されている場合には、前記第1可動部材を介して前記シリンダの動力を受けて可動する、建設機械用アタッチメント。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、簡易な構造で効率よく複数の部材を可動できる建設機械用アタッチメント及び建設機械を提供できる。
上述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】建設機械の第1の側面図である。
図2】建設機械の第2の側面図である。
図3】建設機械の第3の側面図である。
図4】建設機械の第4の側面図である。
図5】建設機械の第1の上面図である。
図6】建設機械の第2の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1乃至図6により建設機械の一例(実施形態)を説明する。建設機械100には建設機械用アタッチメント1(以下、アタッチメント1とする場合がある。)を含む。
本実施形態におけるアタッチメント1を含む建設機械100は、例えば、建造物などの解体工事に用いることができる。
【0009】
アタッチメント1は、第1可動部材2、第2可動部材3、第3可動部材4、第1軸5、第2軸6、連動部材7、2つの取付プレート8、及びピンPを備える。
建設機械100は、伸縮駆動が可能なシリンダ110、及び移動可能なアーム120を備える。
【0010】
アタッチメント1の2つの取付プレート8は、取付部材81によりアーム120の両側に其々固定されている。
第1軸5は2つの取付プレート8の間に架設されている。
第2軸6は2つの取付プレート8の間に架設されている。第2軸6は、第1軸5より下方に位置する。
なお、「下」とは図1乃至図4のy軸における下を意味し、「上」とは図1乃至図4のy軸における上を意味する。以下、同様である。
【0011】
第1可動部材2は第1軸5に軸着されており、第1軸5を軸として回動可能である。
第1可動部材2はシリンダ110と接続されている。
第1可動部材2はシリンダ110と接続するシリンダ接続部21を有する。
第1可動部材2はシリンダ110の動力を受けて第1軸5を軸として回動可能である。
【0012】
第2可動部材3は第1軸5に軸着されており、第1軸5を軸として回動可能である。
第2可動部材3は第1可動部材2に固定可能である。固定機構の詳細は後述する。
第2可動部材3は、第1可動部材2に固定されている場合には、第1可動部材2を介してシリンダ110の動力を受けて、第1軸5を軸として回動可能である。
【0013】
第3可動部材4は第2軸6に軸着されており、第2軸6を軸として回動可能である。
【0014】
第2可動部材3と第3可動部材4とは、連動部材7で接続されている。
第2可動部材3は連動部材7と接続する接続部31を有する。
第3可動部材4は連動部材7と接続する接続部41を有する。
【0015】
第3可動部材4は、第2可動部材3に伝えられたシリンダ110の動力を、更に連動部材7を介して受けることで第2軸6を軸として回動可能である。
すなわち、第2可動部材3が第1可動部材2に固定されている場合には、シリンダ110が伸縮運動することにより、第1可動部材2に固定された第2可動部材3と、第3可動部材4とが、連動して回動(開閉)する。この場合、第2可動部材3と第3可動部材4とは掴み機とし機能する。
【0016】
図1は、第2可動部材3が第1可動部材2に固定されており、第2可動部材3と第3可動部材4とが閉じている状態のアタッチメント1を図示している。
図2は、第2可動部材3が第1可動部材2に固定されており、第2可動部材3と第3可動部材4とが開いている状態のアタッチメント1を図示している。
【0017】
第2可動部材3は第3可動部材4に固定可能(言い換えれば第3可動部材4は第2可動部材3に固定可能)である。第2可動部材3が第3可動部材4に固定されている場合には、第2可動部材3及び第3可動部材4は可動しない。固定機構の詳細は後述する。
第2可動部材3が第3可動部材4に固定されており、第2可動部材3が第1可動部材2に固定されていない場合には、シリンダ110が伸縮運動することにより、第1可動部材2のみが回動(開閉)する。この場合、第1可動部材2と第2可動部材3とは剪断機として機能する。
【0018】
図3は、第2可動部材3が第3可動部材4に固定されており、第1可動部材2が閉じている状態のアタッチメント1を図示している。
図4は、第2可動部材3が第3可動部材4に固定されており、第1可動部材2が開いている状態のアタッチメント1を図示している。
【0019】
図5は、図1におけるアタッチメント1の上面図である。
図6は、図3におけるアタッチメント1の上面図である。
【0020】
第1可動部材2は、アーム120から遠ざかる方向に第1軸5から延びる長尺形状の部材である。
第2可動部材3は、アーム120から遠ざかる方向に第1軸5から延びる長尺形状の2つの部材と、当該2つの部材同士を接続する架橋部材と、を含む部材である。
第3可動部材4は、アーム120から遠ざかる方向に第2軸6から延びる長尺形状の3つの部材と、当該3つの部材同士を接続する架橋部材と、を含む部材である。
【0021】
第1可動部材2は、第2可動部材3の2つの長尺形状部材の間に位置する。
【0022】
第2可動部材3の先端部32は下方(第3可動部材4側)に向かって弓なりに曲がっている形状である。
第3可動部材4の先端部42は上方(第2可動部材3側)に向かって弓なりに曲がっている形状である。
第2可動部材3及び第3可動部材4が閉じた場合に、第2可動部材3の先端部32及び第3可動部材4の先端部42は相互にすれ違うように位置する。
【0023】
利用者は、開いた状態の第2可動部材3と第3可動部材4との間に被把持物が位置するようにアタッチメント1(アーム120)を移動させた後、第2可動部材3と第3可動部材4とを閉じた状態へと可動(回動)させることで、当該被把持物を掴む(保持する)ことができる。利用者は、被把持物を保持した状態でアタッチメント1(アーム120)を移動させることで被把持物を移動させることができる。
【0024】
第1可動部材2は、一方の側方における下方(第2可動部材3側)に稜部2Aを有し、他方の側方における下方(第2可動部材3側)は面取りされている。
第2可動部材3のうち稜部2Aと対向する長尺形状の部材における上方(第1可動部材2側)に稜部3Aを有する。
稜部2A及び稜部3Aは角張った形状である。
なお、稜部2A及び稜部3Aは他の部分より、剛性の高い材料で構成されていてもよい。
【0025】
第1可動部材2が開いた状態(図4)から閉じた状態(図3)へと可動(回動)する場合、第1可動部材2の稜部2Aと、第2可動部材3の稜部3Aと、がすれ違うこととなる。この場合、第1可動部材2の稜部2Aと、第2可動部材3の稜部3Aと、の間(剪断部A)には剪断力が生じる。
【0026】
すなわち、利用者は、開いた状態の第1可動部材2と、第2可動部材3と、の間に長尺形状の金属などの被剪断物が位置するようにアタッチメント1(アーム120)を移動させた後、第1可動部材2を閉じた状態へと可動(回動)させることで、被剪断物を剪断できる。
【0027】
第1可動部材2が閉じた状態(図3)では、第1可動部材2の先端部の下方(第2可動部材3側)の面2Bと、第2可動部材3の架橋部材の上方(第1可動部材2側)の面3Bとが当接するように構成されている。
先端部の下方の面2Bは、側方視において(図1乃至図4において)波形である。
面2Bと当接する第2可動部材3の架橋部材の上方の面3Bは、側方視において(図1乃至図4において)、面2Bの波形に対応する形状である。
【0028】
利用者は、開いた状態の第1可動部材2の先端部と、第2可動部材3の架橋部材と、の間に被剪断物が位置するようにアタッチメント1(アーム120)を移動させた後、第1可動部材2を閉じた状態へと可動(回動)させることで、当該被剪断物を挟み込むことで保持できる。利用者は、被剪断物を保持した状態でアタッチメント1(アーム120)を移動させることで被剪断物を移動又は変形させることができる。
【0029】
アタッチメント1は、第1可動部材2と第2可動部材3とを固定する、又は第2可動部材3と第3可動部材4とを固定する、ための長尺形状のピンPを有する。
【0030】
第1可動部材2はピンPを挿通する孔2Hを有する。
第2可動部材3は、ピンPを挿通する孔3H1を含む2つの第1突起3C1を有する。2つの第1突起3C1は、第1軸5から延びる長尺形状の2つの部材の上面(第1可動部材2側)のうちのアーム120側にそれぞれ設けられている。第1突起3C1にはピンPを固定する固定機構を含む。
【0031】
第1可動部材2の孔2Hと第2可動部材3における2つの第1突起3C1の孔3H1とにピンPを挿通させ、ピンPと第1突起3C1とを固定することで、第1可動部材2と第2可動部材3とを固定できる。
【0032】
第2可動部材3は、ピンPを挿通する孔3H2を含む第2突起3C2を有する。第2突起3C2は、第1軸5から延びる2つの長尺形状のうちの一方の部材の外側(第1可動部材2が位置する側と反対側)の側面のうちの先端部側に設けられている。第2突起3C2にはピンPを固定する固定機構を含む。
【0033】
第3可動部材4は、ピンPを挿通する孔4Hを含む第3突起4Cを有する。第3突起4Cは、第2軸6から延びる3つの長尺形状のうちの、第2突起3C2に近接する1つの部材における、内側(第1可動部材2が位置する側)の側面のうちの先端部側に設けられている。第3突起4CにはピンPを固定する固定機構を含む。
【0034】
第2可動部材3における第2突起3C2の孔3H2と第3可動部材4における第3突起4Cの孔4HとにピンPを挿通させ、ピンPと第2突起3C2及び第3突起4Cとを、固定することで、第2可動部材3と第3可動部材4とを固定できる。
【0035】
他の実施形態として、第1突起、第2突起、及び第3突起は、すべてアーム側に位置していてもよい。
【0036】
他の実施形態として、第1可動部材と第2可動部材とで本実施形態以外の機能を備えていてもよく、第2可動部材と第3可動部材とで本実施形態以外の機能を備えていてもよい。
【0037】
他の実施形態として、第3可動部材がシリンダ110以外の他の動力により可動してもよい。
【0038】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 :建設機械用アタッチメント
2 :第1可動部材
3 :第2可動部材
4 :第3可動部材
5 :第1軸
6 :第2軸
7 :連動部材
8 :取付プレート
100 :建設機械
110 :シリンダ
120 :アーム

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-10-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮可能なシリンダを備える建設機械に取付けることができる建設機械用アタッチメントであって、
前記シリンダの動力を受けて可動する第1可動部材と、
前記第1可動部材に固定可能である第2可動部材と、
連動部材を介して前記第2可動部材と接続されており、前記第2可動部材に固定可能である第3可動部材と、
を備え、
前記第2可動部材が前記第1可動部材に固定されている場合、かつ前記第3可動部材が前記第2可動部材に固定されていない場合には、前記第2可動部材は前記第1可動部材を介して前記シリンダの動力を受けて可動するとともに、前記第3可動部材は前記第2可動部材と連動して可動し、
前記第2可動部材が前記第1可動部材に固定されていない場合、かつ前記第3可動部材が前記第2可動部材に固定されている場合には、前記第1可動部材のみが可動し、前記第2可動部材及び前記第3可動部材は可動しない、
建設機械用アタッチメント。
【請求項2】
前記第1可動部材、前記第2可動部材、及び前記第3可動部材は回動可能であり、
前記第1可動部材及び前記第2可動部材における回動の軸となる第1軸と、
前記第3可動部材における回動の軸となる第2軸と、
をさらに備える、請求項に記載の建設機械用アタッチメント。
【請求項3】
前記第1可動部材と前記第2可動部材とで剪断部が構成され、
前記第2可動部材と前記第3可動部材とで掴み部が構成された、請求項又は請求項に記載の建設機械用アタッチメント。
【請求項4】
請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載の建設機械用アタッチメントを備えた、建設機械。