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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022056026
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】棚
(51)【国際特許分類】
   B25H 3/04 20060101AFI20220401BHJP
   B65G 1/14 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
B25H3/04
B65G1/14 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020163798
(22)【出願日】2020-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】392028859
【氏名又は名称】ビソ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】特許業務法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】花木 英雄
(72)【発明者】
【氏名】小久保 忠
【テーマコード(参考)】
3C012
3F022
【Fターム(参考)】
3C012BJ02
3F022AA05
3F022FF24
3F022MM04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物を載置する棚部を引きだす際の力を軽減することができる棚を提供する。
【解決手段】棚10は、物を載置するための棚部20と、棚部を出入り可能に配置する棚本体部30と、を有し、棚本体部は、駆動するシリンダー40と、シリンダーに接続されている第1押出部44と、を有し、棚部は、第1押出部によって押圧される押出受部50と、を有し、シリンダーが駆動することによって、第1押出部を移動させ、当該第1押出部が、押出受部を押圧することで、棚部を、前記棚本体部に対して移動する。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物を載置するための棚部と、
前記棚部を出入り可能に配置する棚本体部と、を有し、
前記棚本体部は、駆動するシリンダーと、前記シリンダーに接続されている第1押出部と、を有し、
前記棚部は、前記第1押出部によって押圧される押出受部と、を有し、
前記シリンダーが駆動することによって、前記第1押出部を移動させ、当該第1押出部が、前記押出受部を押圧することで、前記棚部を、前記棚本体部に対して移動する棚。
【請求項2】
物を載置するための棚部と、
前記棚部を出入り可能に配置する棚本体部と、を有し、
前記棚本体部は、駆動するシリンダーと、前記シリンダーに接続されている第1押出部と、を有し、
前記棚部は、当該棚部の移動を制限するストッパー部と、を有し、
前記棚本体部は、前記ストッパー部と係合する係合部と、を有し、
前記ストッパーと前記係合部との係合を外してから、
前記シリンダーが駆動することによって、前記第1押出部を移動させ、当該第1押出部が、前記押出受部を押圧することで、前記棚部を、前記棚本体部に対して移動する棚。
【請求項3】
物を載置するための棚部と、
前記棚部を出入り可能に配置する棚本体部と、を有し、
前記棚本体部は、駆動するシリンダーと、前記シリンダーに接続されている第1押出部と、を有し、
前記棚部は、当該棚部の移動を制限するストッパー部と、を有し、
前記ストッパー部は、前記棚部の移動を解除する係合外し部と、
前記棚部は、前記1押出部によって押圧される押出部受部と、をさらに有し、
前記棚本体部は、前記ストッパー部と係合する係合部と、
前記係合外し部と係合することで、前記ストッパー部と係合部との係合を解除し、前記棚部の移動を解除する第1ロック解除部材と、をさらに有し、
前記ストッパーと前記係合部との係合を外すために、
前記シリンダーが駆動することによって、前記第1ロック解除部材を移動させ、当該第1ロック解除部材と前記係合外し部とを係合させることで、前記ストッパー部と係合部との係合を解除し、さらに、前記シリンダーが、前記第1押出部を移動させ、当該第1押出部が、前記押出受部を押圧することで、前記棚部を、前記棚本体部に対して移動する棚。
【請求項4】
前記シリンダーはエアシリンダーであり、前記エアシリンダーに圧縮空気を流入させることによって当該エアシリンダーを駆動する請求項1から3のいずれか1項記載の棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物を載置する棚に関するものであり、とくに重量物を載置する棚に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物を載置する棚、特に重量物を載置する棚とは、比較的重量物を載せるためのものをいい、例えば樹脂成型用、プレス加工用の金型あるいは、加工用の金属のインゴット等の重量物を載置するための棚である。この棚は、500キログラム用あるいは1トン用または、それ以上の重量のものを載置するために使用することができるというものである。
【0003】
このようなものとして、本出願人による実用新案登録第3036681号公報が開示されている。これは、「上面を開放して出入空間を列設し内部の載置面に金型等の物品の収納を自在とした収納体と、該収納体の上面を走行自在なるよう列設した複数個の台車とよりなっていて、該台車を移動させることにより前記出入空間の少なくとも一つを開放自在とした整理棚において、台車の各々には収納体上を走行する駆動輪を設け、該駆動輪、手動或は電動操作により正逆転自在とした多段式整理棚。」という考案であり、駆動輪を電動としたものが記載されている。
【0004】
このタイプの整理棚は、この整理棚の内部の領域において収納体を移動するようにしたものであって、棚自体を外部にせり出すような整理棚ではない。したがって、収納体の移動を電動化したとしても、その収納体が使用者と衝突する恐れはない。
【0005】
しかしながら、外部にせり出すような棚の部分を有する整理棚においては、使用者がその棚の部分を引き出す際に力を加えなくてはならず、一度その棚の部分が動き出すと、今度は使用者にそのせり出した棚の部分が衝突する場合がある。特に重量物を載置する棚の場合においては、そのせり出した棚の部分の速度が低い場合であってもその衝撃は大きいものとなる場合がある。
【0006】
このように、特に重量物を載置する棚の部分を引きだす際には、相当の力が必要となる。しかしながら、棚本体とその棚本体から引き出すための棚部とを有する棚において、その棚部が一旦移動すると、その後はそれほど、その棚部を引き出す力は必要としない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3036681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、物とくに重量を有する物を載置する棚部を引きだす際の力を軽減することができる棚を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、第1観点の棚は、物を載置するための棚部と、棚部を出入り可能に配置する棚本体部と、を有し、棚本体部は、駆動するシリンダーと、シリンダーに接続されている第1押出部と、を有し、棚部は、第1押出部によって押圧される押出受部と、を有し、シリンダーが駆動することによって、第1押出部を移動させ、当該第1押出部が、押出受部を押圧することで、棚部を、前記棚本体部に対して移動するというものである。
【0010】
また、第2観点の棚は、物を載置するための棚部と、棚部を出入り可能に配置する棚本体部と、を有し、棚本体部は、駆動するシリンダーと、シリンダーに接続されている第1押出部と、を有し、棚部は、当該棚部の移動を制限するストッパー部と、を有し、棚本体部は、ストッパー部と係合する係合部と、を有し、ストッパーと係合部との係合を外してから、シリンダーが駆動することによって、第1押出部を移動させ、当該第1押出部が、押出受部を押圧することで、棚部を、前記棚本体部に対して移動するというものである。
【0011】
また、第3観点の棚は、物を載置するための棚部と、棚部を出入り可能に配置する棚本体部と、を有し、棚本体部は、駆動するシリンダーと、シリンダーに接続されている第1押出部と、を有し、棚部は、当該棚部の移動を制限するストッパー部と、を有し、ストッパー部は、棚部の移動を解除する係合外し部と、棚部は、1押出部によって押圧される押出部受部と、をさらに有し、棚本体部は、ストッパー部と係合する係合部と、係合外し部と係合することで、ストッパー部と係合部との係合を解除し、棚部の移動を解除する第1ロック解除部材と、をさらに有しストッパーと係合部との係合を外すために、シリンダーが駆動することによって、第1ロック解除部材を移動させ、当該第1ロック解除部材と係合外し部とを係合させることで、ストッパー部と係合部との係合を解除し、さらに、シリンダーが、第1押出部を移動させ、当該第1押出部が、押出受部を押圧することで、棚部を、棚本体部に対して移動するというものである。
【0012】
また、第4観点の棚は、第1観点から第3観点において、シリンダーはエアシリンダーであり、そのエアシリンダーに圧縮空気を流入させることによって当該エアシリンダーを駆動するというものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、重量物を載置する棚部を引きだす際の力を軽減することができる棚を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】棚の正面図である。
図2】Aは、棚の側面図である。Bは、棚の平面図である。
図3A】棚における棚部と棚本体部との側面概念図である。
図3B】棚における棚部と棚本体部との平面概念図である。
図4】Aは、一端部と係合部との係合を外した棚部と棚本体部との側面概念図である。Bは、Aの平面概念図である。
図5】棚部が前方に移動し始める状態の棚部と棚本体部との側面概念図である。Bは、Aの平面概念図である。
図6】棚部が前方に移動した状態の棚部と棚本体部との側面概念図である。Bは、Aの平面概念図である。
図7】さらに棚部が前方に移動した状態の棚部と棚本体部との側面概念図である。Bは、Aの平面概念図である。
図8】棚部が前方に移動し、一端部と第2係合部が係合した状態の棚部と棚本体部との側面概念図である。Bは、Aの平面概念図である。
図9A】第2実施例の棚における棚部と棚本体部との側面概念図である。
図9B】第2実施例の棚における棚部と棚本体部との平面概念図である。
図10】Aは、一端部と係合部との係合を外した第2実施例の棚における棚部と棚本体部との側面概念図である。Bは、Aの平面概念図である。
図11】第2実施例の棚における棚部が前方に移動し始めるようとする状態の棚部と棚本体部との側面概念図である。Bは、Aの平面概念図である。
図12】第2実施例の棚における棚部が前方に移動し始めた状態の棚部と棚本体部との側面概念図である。Bは、Aの平面概念図である。
図13】さらに第2実施例の棚における棚部が前方に移動した状態の棚部と棚本体部との側面概念図である。Bは、Aの平面概念図である。
図14】さらに第2実施例の棚における棚部が前方に移動した状態の棚部と棚本体部との側面概念図である。Bは、Aの平面概念図である。
図15】第2実施例の棚における棚部が前方に移動し、一端部と第2係合部が係合した状態の棚部と棚本体部との側面概念図である。Bは、Aの平面概念図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図示の実施形態を参照して、第1実施例の棚10について説明する。棚10は、棚部20と棚本体部30とを有するものであり、棚部20は、金型、金属のインゴットなどを載置するための棚である。また、棚本体部30は、棚部20を出入り自在に配置するためのフレーム状のものである。本実施例における棚10は、棚部20を、4か所配置している。もっとも、棚10において、棚部20の数量は限定されない。
【0016】
また、第1実施例の棚10は、重量棚と呼ばれる場合があり、射出成型に用いられる金型や、プレス加工用の金型、あるいは金属の材料であるインゴットなどの、例えば500キログラム用あるいは1トン用または、それ以上の重量のものを載置するために使用する棚である場合がある。
【0017】
上記の通り、本実施例における棚10は、棚部20を、4か所配置しているが棚部20と棚本体部30との関係は共通しているので、そのうちの1の棚部20と、棚本体部30との構成について説明する。棚本体部30は、棚部20を引き出したときにその棚部20を支える支持部31、31を有している。支持部31、31は、その棚部20の両端を支えるとともに、その支持部31、31は、柱部32、32と後述する本体柱部35、35とによって支えられている。また。この柱部32、32によって、棚部20に重量物が載置された場合に、その棚部20が引き出された場合であっても、棚10が前方F方向に転倒しないように構成されている(図2A参照)。
【0018】
また、棚部20は、車輪としての車輪24が配置される。また、棚本体部30は、棚部20を引き出したときにその棚部20を支える支持部31、31の上端には、車輪24、24が走行するレール部33、33を有する。このレール部33、33は、棚部20を引き出す際の軌道となるものであり、上述の車輪24、24が走行する際の抵抗を軽減することができるものである。
【0019】
また、棚本体部30は複数の本体柱部35と複数の本体横桟部36とを有し、それらを組み合わせることで構成されている。また筋交い37を複数有し、棚本体部30を構成している。また、棚本体30には駆動するシリンダー40が配置されている(図3A参照)。シリンダー40については、さらに後述する。本実施例のシリンダー40はエアシリンダーが好ましく、このエアシリンダーは、圧縮空気を流入させることで駆動するものである。このシリンダー40はさらに復動型シリンダー(両ロッド型)が好ましい。なお、シリンダー40は油圧シリンダーを使用することもできる。
【0020】
また、棚部20は、その正面に、エア駆動スイッチ21を有し、そのエア駆動スイッチ21は、図示しないエアコンプレッサーに接続されている。ここでエアコンプレッサーとは、一般に工場での設備においてエアコンプレッサーからの圧縮空気を動力源として使用する場合があり、この圧縮空気を利用して第1実施例の棚10は、棚本体30から棚部20の引き出す際の力を補完する場合がある。
【0021】
エア駆動スイッチ21は管22を通じて、上述のシリンダー40に接続されている。シリンダー40は、復動形シリンダーと呼ばれ、円筒形状を呈するシリンダー部41と、そのシリンダー部41に対して往復運動する軸部42とを有する。
【0022】
また、軸部42は、板状のブラケット43に接続され、ブラケット43は、軸部42の往復する動きに従うものである。また、ブラケット43は、第1押出部44を有し、その第1押出部44と一体に構成されている。すなわち、第1押出部44は、軸部42の動きに従うものであり、ブラケット43を介して接続されている。また、第1押出部44は、板状のブラケット43を折り曲げて、その板状のブラケット43の一部として第1押出部44を構成している。第1押出部44については、さらに後述する。また、棚本体部30は係合部46を有する。係合部46は、側面視において上方に突出する突起状のものである。また、棚本体部30は、係合部46の前方F方向に、第2係合部47を有する。第2係合部47も、側面視において上方に突出する突起状のものである。なお、これらについてもさらに後述する(図3A参照)。
【0023】
また、棚部20は、ストッパー部25を有する。ストッパー部25は、上述の係合部46と係合することで、棚部20を引き出す際の移動を制限するものである。したがって、ストッパー部25が係合部46と係合した場合は、棚部20を棚本体部30から、引き出すことを阻止するというものでる。
【0024】
また、ストッパー25は、平面視口の字状を呈する口部252を有し、口部252の一端である一端部253が、係合部46と係合する。ストッパー25は口部252の他端である他端部254を有する。また、側面視において、口部252が、支持部26に支持され、その支持部26が、棚部20に取り付けられ、シーソーのように揺動可能に取り付けられている(図3A、3B参照)。もっとも、ストッパー25に力を加えない限り、上述の係合部46と係合するように、側面視において、他端部254が一端部253よりも上方に位置するように傾斜して配置されている。
【0025】
また、棚部20は、棚本体部30に配置した上述の第1押出部44に押し出される押出受部50を有している。押出受部50は、側面視において、棚部20が、棚本体部30に完全に収納された場合において(図3A、3B参照)、第1押出部44よりも若干前方F方向に配置されている。また、第1押出部44の前方F方向に、上述の押出受部50を後方R方向に押し出す第2押出部60を有する。この第2押出部60については後述する。
【0026】
上述の第1実施例の棚10について、棚本体部30から棚部20が収納された状態から、その棚部20を引き出す際の動作について説明する。まず、図示しない使用者が、支持部26に、支持されているストッパー25における他端部254を押し下げる。これにより、ストッパー25における口部252の一端部253と、係合部46との係合が解除される(図4A、4B参照)。
【0027】
その後、エア駆動スイッチ21をオンする。これにより上述の通り工場の設備等に配置している図示しないエアコンプレッサーからの圧縮空気が、管22を通じて、上述のシリンダー40に流入する。これにより、円筒形状を呈するシリンダー部41に配置された軸部42が、前方F方向に移動することで(図5A、5B参照)、その軸部42に接続された板状のブラケット43が、前方Fに移動し(図6A、6B参照)、それに接続された第1押出部44が前方F方向に移動し、その第1押出部44が押出受部50を押圧する。これにより、押出受部50を配置している棚部20が、前方F方向に移動する(図7A、7B参照)。
【0028】
このとき、シリンダー40における軸部42の移動量は、棚本体部30から棚部20の移動量よりも小とすることが好ましい(図7A、7B参照)。すなわち、シリンダー40における軸部42が、いわゆるフルストロークした場合であっても、棚本体部30から棚部20の全部を引き出せないようにすることが好ましい。これにより、シリンダー40における軸部42が移動した場合に、使用者にその棚部20が衝突する可能性を可及的に抑えることができるからである。なお、棚部20を棚本体部30から完全に引き出すためには、図示しない使用者が、さらに棚部20を引き出す場合がある。このように、棚部20に、金型等の重量物を載置した場合であっても、その棚部20を引き出す際の初期の起動力を、上述のシリンダー40の駆動力が担保しているので、図示しない使用者は容易に棚部20を引き出すことができる。このように、シリンダー40の駆動によって、一度棚部20を引き出すことができれば、重量物が載置されている棚部20であっても、図示しない使用者が容易にその棚部20を棚本体部30から引き出すことができる。
【0029】
その後、図示しない使用者が、棚部20を完全に引き出すと、支持部26に、支持されているストッパー25における口部252の一端部253が、第2係合部47と係合する(図8A、8B参照)。これにより、棚部20はその位置で固定される。その後棚部20に載置されている金型等を図示しないクレーン等でつり上げて、その図示しない金型等を別の場所に移動する。
【0030】
次に、ストッパー25は、第2係合部47と係合するように、側面視において、棒状部251が一端部253よりも上方に位置するように傾斜して配置されているので、支持部26に、支持されているストッパー25における他端部254を押し下げて、その係合を解除する。
【0031】
次に、再び、エア駆動スイッチ21をオンする。これにより上述の通り工場の設備等に配置している図示しないエアコンプレッサーからの圧縮空気が、管22を通じて、上述のシリンダー40に流入する。これにより、軸部42が、後方R方向に移動することで、その軸部42に接続された板状のブラケット43が、後方R方向に移動し、それに接続された第2押出部60が後方R方向に移動し、その第2押出部60が、押出受部50を押圧する。これにより、押出受部50を配置している棚部20が、後方R方向に移動する。このように、第1押出部44と第2押出部60との間隔は、棚部20を棚本体部30から引き出したときの引き出した距離とほぼ同様である。
【0032】
このように一度棚部20を、シリンダー40が駆動することによって押し込むことができれば、重量物が載置されている棚部20であっても、図示しない使用者が容易にその棚部20を棚本体部30に戻すことができる。
【0033】
その後、ストッパー25における口部252の一端部253と、係合部46が、係合する。このように棚部20を棚本体部30に収納するのである(図3A、3B参照)。
【0034】
次に、第2実施例の棚100について説明する。第1実施例の棚10との相違のみ説明し、同様の部分については同様の符号を付しその説明を省略することがある。上記の通り、第1実施例の棚10は、図示しない使用者が手動で、支持部26に、支持されているストッパー25における他端部254を押し下げて、ストッパー25における口部252の一端部253と、係合部46との係合を解除するというものであるのに対し、第2実施例の棚100は、その係合を解除する係合外し部360と第1ロック解除部材510と、を有し、それらが一端部253と、係合部46との係合を解除するという点が異なる。また、第2ロック解除部材520と、を有する点が異なる。以下詳述する。
【0035】
第2実施例の棚100は、棚部200と棚本体部500とを有するものであり、棚部200は、第2ストッパー部350を有する。第2ストッパー部350は、上述のストッパー部25とほぼ同様の構成であるが、係合外し部360を有する点が異なる。係合外し部360は、平面視ロの字状を呈する口部252の一端である一端部253と平行に、かつその前方F方向に配置され、平面図においてその図面下方に突出する突出部361を有している。さらに言えば、第2ストッパー部350は、平面視、棒状の棒状部251と、口の字状を呈する口部252と、係合外し部360と、口部252の一端である一端部253と、を有し、その一端部253が、係合部46と係合するというものである。なお、他の点は、棚部20と同様であるので、同一の符号を付しその説明を省略することがある(図9A、9B参照)。
【0036】
また、棚本体部500は、さらに、上述の係合外し部360における突出部361と係合する第1ロック解除部材510と第2ロック解除部材520を有する。すなわち、棚本体部500にはシリンダー40と、ブラケット43が配置され、そのブラケット43に、第1押出部44を有し、その前方F方向に、第1ロック解除部材510と、その第1ロック解除部材510の前方F方向に第2ロック解除部材520が配置されている(図9A拡大図IXa、IXb参照)。なお、シリンダー40については、第1実施例の棚10と同様であり、円筒形状を呈するシリンダー部41と、そのシリンダー部41に対して往復運動する軸部42とを有する。本実施例のシリンダー40はエアシリンダーが好ましく圧縮空気を流入させることで駆動するものである。このシリンダー40はさらに復動型シリンダー(両ロッド型)が好ましい。なお、シリンダー40に替えて油圧シリンダーを使用することもできることは上記と同様である(図9A拡大図IXa参照)。
【0037】
軸部42は、板状のブラケット43に接続され、ブラケット43は、シリンダー40における軸部42の前方Fおよび後方R方向へ動きに従うものである。また、ブラケット43は、第1押出部44を有し、そのブラケット43と第1押出部44とは一体に構成されている。すなわち、板状のブラケット43を折り曲げて、その板状のブラケット43の一部として第1押出部44を構成している点は、第1実施例の棚10と同様である。
【0038】
上述の第1ロック解除部材510は、後方R方向に行くに従って上昇する傾斜となる傾斜部511と、その後方R方向であって、水平方向に平行な載置部512とを有し、その傾斜部511と載置部512は接続されている。また、第2ロック解除部材520は、前方F方向に行くに従って上昇する傾斜となる第2傾斜部521と、その前方F方向であって、水平方向に平行な第2載置部522とを有し、その第2傾斜部521と、第2載置部522は接続されている(特に図9A拡大図IXa、IXb参照)。また、第1ロック解除部材510の前方F方向に第2ロック解除部材520は配置され、それらは所定の間隔をあけて配置されている。なお、他の点は、棚本体部30と同様であるので、同一の符号を付しその説明を省略することがある。
【0039】
上述の第2実施例の棚100について、棚本体部500から棚部200が収納された状態から、その棚部200を引き出す際の動作について説明する。まず、エア駆動スイッチ21をオンする。これにより上述の通り工場の設備等に配置している図示しないエアコンプレッサーからの圧縮空気が、管22を通じて、上述のシリンダー40に流入する(図10B参照)。これにより、軸部42が、前方F方向に移動する。
【0040】
その軸部42に接続された板状のブラケット43が、前方Fに移動し、それに接続された第1押出部44が前方F方向に移動し、その第1押出部44が押出受部50を押圧する前に、そのブラケット43に接続された第1ロック解除部材510が、前方F方向に移動し始める。その時に、その第1ロック解除部材510と係合している係合外し部360が、後方R方向に行くに従って上昇する傾斜となる傾斜部511と係合することで、側面視において、その係合外し部360が、上昇する。これに応じて、第2ストッパー部350における口部252の一端部253も側面視において上昇するために、その一端部253と、係合部46との係合が解除される(図11A、B参照)。
【0041】
そのとき、側面視において、押出受部50が、第1押出部44のやや前方F方向に配置されているので、第1押出部44は、いまだ押出受部50を押圧していない状態である(図11A、B参照)。
【0042】
その後、軸部42が、前方F方向に移動することで(図12A、B参照)、その軸部42に接続された板状のブラケット43が、前方Fに移動し、それに接続された第1押出部44が前方F方向に移動し、その第1押出部44が押出受部50を押圧する。これにより、押出受部50を配置している棚部20が、前方F方向に移動する(図13A、B参照)。
【0043】
このとき、シリンダー40における軸部42の移動量は、棚本体部500から棚部200の移動量よりも小とすることが好ましい。すなわち、シリンダー40における軸部42が、いわゆるフルストロークした場合であっても、棚本体部500から棚部200の全部を引き出せない場合が好ましい。これにより、シリンダー40における軸部42が移動した場合に、使用者にその棚部200が衝突する可能性を可及的に軽減することができるからである。なお、図14A、Bの状態から棚部200を棚本体部300から完全に引き出すためには、図示しない使用者が、棚部200に力を加えてその棚部200を引き出す場合があることは上述の第1実施例の棚10と同様である。したがって、棚部200に、金型等の重量物を載置した場合であっても、その棚部200を引き出す際の初期の起動力を、上述のシリンダー40の駆動力が担保しているので、図示しない使用者は容易に棚部200を引き出すことができる。このように、シリンダー40の駆動によって、一度棚部200を引き出すことができれば、重量物が載置されている棚部200であっても、図示しない使用者が容易にその棚部200を棚本体部500から引き出すことができる。
【0044】
その後、図示しない使用者が、棚部200を完全に引き出すと、支持部26に、支持されている第2ストッパー部350における口部252の一端部253が、第2係合部47と係合する。これにより、棚部200はその位置で固定される(図15A、B参照)。よって、この状態では、棚部200を棚本体部500に収納することはできない。
【0045】
次に、再び、エア駆動スイッチ21をオンする。これにより上述の通り工場の設備等に配置している図示しないエアコンプレッサーからの圧縮空気が、管22を通じて、上述のシリンダー40に流入する。これにより、軸部42が、後方R方向に移動する。
【0046】
このとき、ブラケット43に接続された第2ロック解除部材520が、後方R方向に移動し始める。その時に、その第2ロック解除部材520と係合している係合外し部360が、前方F方向に行くに従って上昇する傾斜となる傾斜部521と係合することで、側面視において、その係合外し部360が、上昇する。これに応じて、第2ストッパー部350における口部252の一端部253も側面視において上昇するために、その一端部253と、第2係合部47との係合が解除される。
【0047】
その後、その軸部42に接続された板状のブラケット43が、さらに後方R方向に移動し、それに接続された第2押出部60が後方R方向に移動し、その第2押出部60が押出受部50を押圧する。これにより、押出受部50を配置している棚部200が、後方R方向に移動する。このように第1押出部44と、第2押出部60との間隔は、棚部200を棚本体部500から引き出したときの距離とほぼ同様である。
【0048】
このように一度棚部200を、シリンダー40によって棚本体部500押し込むことができれば、重量物が載置されている棚部200であっても、図示しない使用者が容易にその棚部200を棚本体部500に戻すことができる。
【0049】
その後、第2ストッパー部350における口部252の一端部253と、係合部46が、係合する。このように棚部200を棚本体部500に収納する(図9A,B参照)。
【符号の説明】
【0050】
10 第1実施例の棚
20 棚部
21 エア駆動スイッチ
22 管
24 車輪
25 ストッパー部
252 口部
253 一端部
26 支持部
30 棚本体部
31 支持部
32 柱部
33 レール部
35 本体柱部
36 本体横桟部
40 シリンダー
41 シリンダー部
42 軸部
43 ブラケット
44 第1押出部
46 係合部
47 第2係合部
50 押出受部
60 第2押出部
100 第2実施例の棚
200 棚部
350 第2ストッパー部
360 係合外し部
361 突出部
510 第1ロック解除部材
520 第2ロック解除部材
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15