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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022056078
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】スカーフ
(51)【国際特許分類】
   A41D 23/00 20060101AFI20220401BHJP
【FI】
A41D23/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020163875
(22)【出願日】2020-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】518372051
【氏名又は名称】千代田ネクタイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】池田 龍介
(57)【要約】
【課題】結ぶ手間や止め金具を必要とせず簡単に着装でき、且つ、高い装飾性を得ることができるスカーフを提供する。
【解決手段】本開示のスカーフは、所定の装飾が施された表面とその反対の裏面とを有する布からなるスカーフ本体と、リング形状に形成され、スカーフ本体の裏面に接合された止め輪と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の装飾が施された表面とその反対の裏面とを有する布からなるスカーフ本体と、
リング形状に形成され、前記スカーフ本体の裏面に接合された止め輪と、
を備える、スカーフ。
【請求項2】
前記スカーフ本体は、四辺形に形成され、
前記止め輪は、
前記スカーフ本体の裏面に配置されるとともに、前記スカーフ本体との接合部が該スカーフ本体の一辺に設けられ、
該止め輪が接合された前記スカーフ本体の一辺を接合辺とし、該接合辺と隣接する辺のうち該止め輪との距離が近い辺を第1隣接辺とし、該接合辺と隣接する辺のうち該止め輪との距離が遠い辺を第2隣接辺としたとき、
前記第1隣接辺からの距離が前記接合辺の長さの14%から23%となる位置に接合される、
請求項1に記載のスカーフ。
【請求項3】
前記止め輪は、前記スカーフ本体を構成する布が四重に積層されて形成される、
請求項1又は請求項2に記載のスカーフ。
【請求項4】
前記止め輪は、所定の弾性部材を含む、
請求項1又は請求項2に記載のスカーフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡単に着装でき、且つ、高い装飾性を得ることができるスカーフに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、装飾を目的として、あるいは防寒を目的として、首に巻いて着用するスカーフが知られている。そして、シルク等の薄手の素材からなるスカ-フにおいては、結んで使用される、または、リング型の止め金具で止めて使用されることが多い。
【0003】
このようなスカーフは、そのままではファッション性に乏しいため、巻く、折る、捻じる、結ぶなど、装着方法を工夫することで立体形状を作り、ファッション性を高めている。
【0004】
一方、従来技術として、特許文献1には、単に、首に巻く又は肩に掛けるだけで、自然と立体形状を作り出すことができ、高い装飾性を得ることができるストール類が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3180133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スカ-フを結んで使用する場合、そのファッション性を考えて形よく結ぼうとすると手間がかかったり、結び目がほどけやすく、着くずれするという問題がある。また、スカ-フを止め金具で止めて使用する場合、金具が他のものに引っかかりやすいという問題がある。
【0007】
また、スカーフについて、予め立体的な形状が形成されたものや、頭からかぶって着装するもの等が提案されている。しかしながら、簡単に着装でき、且つ、高い装飾性を得ることができるスカーフについては、未だ改良の余地を残すものである。
【0008】
本開示の目的は、結ぶ手間や止め金具を必要とせず簡単に着装でき、且つ、高い装飾性を得ることができるスカーフを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のスカーフは、所定の装飾が施された表面とその反対の裏面とを有する布からなるスカーフ本体と、リング形状に形成され、前記スカーフ本体の裏面に接合された止め輪と、を備える。
【0010】
このような構成によれば、止め輪にスカーフ本体を通してスカーフを着装することができる。つまり、結ぶ手間や止め金具を必要とせず簡単にスカーフを着装することができる。また、スカーフの着装状態において、所定の装飾が施された表面と調和するように止め輪と該止め輪に通されたスカーフ本体を形成することができ、以て、高い装飾性を得ることができる。
【0011】
なお、本開示のスカーフでは、上記の構成において、前記スカーフ本体は、四辺形に形成されてもよい。そして、前記止め輪は、前記スカーフ本体の裏面に配置されるとともに、前記スカーフ本体との接合部が該スカーフ本体の一辺に設けられてもよい。このとき、前記止め輪が接合された前記スカーフ本体の一辺を接合辺とし、該接合辺と隣接する辺のうち前記止め輪との距離が近い辺を第1隣接辺とし、該接合辺と隣接する辺のうち前記止め輪との距離が遠い辺を第2隣接辺とする。そうすると、前記止め輪は、前記第1隣接辺からの距離が前記接合辺の長さの14%から23%となる位置に接合されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、結ぶ手間や止め金具を必要とせず簡単に着装でき、且つ、高い装飾性を得ることができるスカーフを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態におけるスカーフの概略構成を示す第1の図である。
図2】第1実施形態におけるスカーフの着装状態を示す図である。
図3】第1実施形態において、止め輪にスカーフ本体を通してスカーフを着装する手順を説明するための図である。
図4】第1実施形態におけるスカーフの概略構成を示す第2の図である。
図5】スカーフの着装状態のバリエーションを表す第1の図である。
図6】スカーフの着装状態のバリエーションを表す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0015】
<第1実施形態>
第1実施形態におけるスカーフの概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態におけるスカーフの概略構成を示す第1の図である。本実施形態に係るスカーフ100は、スカーフ本体110と、リング形状に形成されスカーフ本体110の裏面に接合された止め輪120と、を備える。
【0016】
スカーフ本体110は、所定の装飾が施された表面110aとその反対の裏面110bとを有する布からなる。ここで、所定の装飾とは、柄や模様、色彩、光沢、形状等である。また、布の素材としては、シルク、コットン、ウール、リネン等の天然繊維や、アクリル、ナイロン、ポリエステル等の化学繊維が例示される。そして、表面110aに所定の装飾が施されたスカーフ本体110の周縁111は、表面110aから裏面110bに向かって折り返されて縫製される。これは、例えば千鳥巻きによって実現される。ただし、周縁111の縫製を千鳥巻きに限定する意図はなく、スカーフの縫製に用いられる周知の技術を用いることができる。
【0017】
また、本実施形態において、スカーフ本体110は四辺形に形成される。具体的には、図1(a)によると、一辺の長さが67cm(長さaおよび長さb)の正方形が例示される。
【0018】
止め輪120は、リング形状に形成されるため、スカーフ本体110をそこに通すことで、止め金具を必要とせずスカーフ100を着装することが可能となる。また、止め輪120は、図1(a)および図1(b)に示されるように、スカーフ本体110の裏面110bに配置され、スカーフ本体110の表面110aからは見えないように構成されている。これによれば、スカーフ本体110の表面110aに施された所定の装飾によって表現される装飾性が、止め輪120によって損なわれてしまう事態が抑制される。
【0019】
また、止め輪120は、スカーフ本体110の裏面110bの周縁111に接合されている(このときの接合部121が、図1(c)によって例示される。)。ここで、止め輪120が接合されたスカーフ本体110の一辺を接合辺とし、該接合辺と隣接する辺のうち該止め輪120との距離が近い辺を第1隣接辺とし、該接合辺と隣接する辺のうち該止め輪120との距離が遠い辺を第2隣接辺とする。そうすると、本実施形態では、止め輪120は、第1隣接辺からの距離(図1(b)に示す距離c)が接合辺の長さ(図1(a)に示す長さb)の14%から23%となる位置に接合される。図1に示す例では、長さbが67cm、距離cが10cmであって、止め輪120の第1隣接辺からの距離が接合辺の長さの14%(小数点以下切り捨て)となっている。また、例えば、長さbが67cm、距離cが15cmの場合は、止め輪120の第1隣接辺からの距離が接合辺の長さの23%(小数点以下切り上げ)となる。なお、図1に示す例では、距離dが4cm、距離eが3.5cmである。
【0020】
なお、止め輪120は、図1(c)に示すように、スカーフ本体110を構成する布が四重に積層されて形成されてもよい。これによれば、止め輪120を頑丈に構成することができ、止め輪120が劣化することでスカーフ100が着くずれしてしまう事態が抑制される。
【0021】
このように構成されるスカーフ100では、結ぶ手間や止め金具を必要とせず簡単に着装でき、且つ、高い装飾性を得ることができる。ここで、図2は、第1実施形態におけるスカーフ100の着装状態を示す図である。本実施形態では、スカーフの巻き方として、スカーフ100がループノットによって着装される。図2によれば、スカーフ100が首に巻かれて且つ止め輪120にスカーフ本体110が通された、スカーフ100の着装状態において、所定の装飾が施された表面110aが外から見えるようにされている。これについて、以下に図3に基づいて説明する。
【0022】
図3は、第1実施形態において、止め輪120にスカーフ本体110を通してスカーフ100を着装する手順を説明するための図である。本開示のスカーフ100では、図3(a)に示すように、先ず、スカーフ本体110における止め輪120が接合された接合辺とそれに隣接する第1隣接辺とが交わる頂点が、裏面110b側に折り返されて、止め輪120に通される。そうすると、図3(b)に示すように、スカーフ本体110の表面110aを向けた状態で、止め輪120にスカーフ本体110が通された状態となる。このとき、上記の図1(b)に示した止め輪120の第1隣接辺からの距離cは、図3(b)における止め輪120に通されたスカーフ本体110の長さcとして表される。
【0023】
そして、図3(b)に示すスカーフ100が首に巻かれた状態が図3(c)によって示される。本開示のスカーフ100では、図3(a)の説明で述べた頂点と対向する頂点が、図3(c)に示すように止め輪120に通されることでスカーフ100が着装される。このように、本開示のスカーフ100は、結ぶ手間や止め金具を必要とせず簡単に着装することができる。
【0024】
ここで、本実施形態のスカーフ100において、止め輪120が所定の弾性部材を含んで構成されてもよい。なお、所定の弾性部材とは、例えばゴムのように比較的簡単に収縮する材料によって形成された部材や、比較的簡単に収縮可能に構成された構造を有する部材である。このような弾性部材が止め輪120に用いられることによって、図3に示すスカーフ100を着装する手順がより容易に実施され得る。
【0025】
以上に述べたスカーフ100によれば、上記の図2に示したように、スカーフ100の着装状態において、所定の装飾が施された表面110aと調和するように止め輪120と該止め輪120に通されたスカーフ本体110を形成することができ、以て、高い装飾性を得ることができる。つまり、本開示のスカーフ100によれば、結ぶ手間や止め金具を必要とせず簡単に着装でき、且つ、高い装飾性を得ることができる。
【0026】
なお、上述したように、本実施形態に係るスカーフ100では、止め輪120は、第1隣接辺からの距離が接合辺の長さの14%から23%となる位置に接合される。ここで、止め輪120が、第1隣接辺からの距離が接合辺の長さの14%以上となる位置に接合されることで、図3(a)の説明で述べた手順が容易になるとともに、上記の図2に示したスカーフ100の着装状態において、止め輪120に通されたスカーフ本体110の長さcが確保され、スカーフ100の着くずれを抑えつつ高い装飾性を得ることができる。また、止め輪120が、第1隣接辺からの距離が接合辺の長さの23%以下となる位置に接合されることで、上記の図2に示したスカーフ100の着装状態において、止め輪120に通されたスカーフ本体110の長さcを見栄えのよい長さとすることができ、以て、高い装飾性を得ることができる。
【0027】
また、スカーフ本体110は菱形に形成されてもよい。図4は、本実施形態におけるスカーフの概略構成を示す第2の図である。スカーフ本体110が図4に例示される菱形に形成されるときにも、図4(a)および図4(b)に示されるように、止め輪120は、スカーフ本体110の裏面110bに配置され、スカーフ本体110の表面110aからは見えないように構成される。また、このとき、止め輪120は、第1隣接辺からの距離(図4(b)に示す距離c´)が接合辺の長さ(図4(a)に示す長さb´)の14%から23%となる位置に接合されてもよい。このようなスカーフ100によっても、結ぶ手間や止め金具を必要とせず簡単に着装でき、且つ、高い装飾性を得ることができる。
【0028】
<その他の変形例>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。上記の実施形態では、スカーフ100がループノットによって着装される例について説明したが、スカーフ100は、例えば、カウボーイ巻きによって着装されてもよい。図5は、スカーフ100の着装状態のバリエーションを表す第1の図である。図5によると、スカーフ100はカウボーイ巻きによって着装される。このときにも、止め輪120にスカーフ本体110を通してスカーフ100を着装することができる。つまり、結ぶ手間や止め金具を必要とせず簡単にスカーフ100を着装することができる。また、スカーフ100の着装状態において、所定の装飾が施された表面110aと調和するように止め輪120と該止め輪120に通されたスカーフ本体110を形成することができ、以て、高い装飾性を得ることができる。更に、止め輪120が、第1隣接辺からの距離が接合辺の長さの14%から23%となる位置に接合される場合には、止め輪120に通されたスカーフ本体110の長さcを見栄えのよい長さとすることができる。
【0029】
また、図6は、スカーフ100の着装状態のバリエーションを表す第2の図である。図6(a)および図6(b)に示される着装状態が実現される場合にも、結ぶ手間や止め金具を必要とせず簡単に着装でき、且つ、高い装飾性を得ることができる。
【符号の説明】
【0030】
100・・・スカーフ
110・・・スカーフ本体
110a・・表面
110b・・裏面
120・・・止め輪
図1
図2
図3
図4
図5
図6