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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022056317
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】家畜の子宮センサー
(51)【国際特許分類】
   A01K 29/00 20060101AFI20220401BHJP
【FI】
A01K29/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021043976
(22)【出願日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0127111
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521107471
【氏名又は名称】ユーライクコリア カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒ ジン
(57)【要約】
【課題】膣分泌物を検出して発情日を検出することができる生体情報検出装置を提供する。
【解決手段】
家畜の生体情報を収集する家畜の子宮センサーにおいて、家畜の膣よりも小さい直径を有するシリンダー状のハウジングと、上記ハウジングの外周面に位置し、上記電気伝導度センサーと接続された一対のセンサー電極と、上記一対のセンサー電極間の抵抗を測定し、上記家畜の子宮分泌物の電気伝導度を測定する電気伝導度センサーと、を含む家畜の子宮センサーが提供される。本発明の家畜の子宮センサーにより、正確な発情時期を容易に検出して受精率を向上させることができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家畜の生体情報を収集する家畜の子宮センサーにおいて、
家畜の膣よりも小さい直径を有するシリンダー状のハウジングと、
前記ハウジングの外周面に位置し、前記電気伝導度センサーと接続された一対のセンサー電極と、
前記一対のセンサー電極間の抵抗を測定し、前記家畜の子宮分泌物の電気伝導度を測定する電気伝導度センサーと、を含む、家畜の子宮センサー。
【請求項2】
前記電気伝導度センサーに電源を供給するバッテリーを含む、請求項1に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項3】
前記ハウジングは、
前記一対のセンサー電極が位置する第1ハウジングと、
前記第1ハウジングの他側方向に分離可能に締結される第2ハウジングと、を含み、
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとの間に位置する防水リングを含む、請求項2に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項4】
前記第1ハウジングに実装され、前記一対のセンサー電極と接続される接続クリップを含む基板部と、
前記基板部の他側に接続され、前記バッテリーが位置するバッテリー挿入部と、を含み、
前記バッテリー挿入部は、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの締結時に、前記第2ハウジングの内部に位置し、前記第2ハウジングを前記第1ハウジングから分離する際に外部に露出する、請求項3に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項5】
前記第2ハウジングは、前記バッテリーの長さ以上の長さを有する、請求項4に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項6】
前記第1ハウジングは、
前記基板部の両端部が挿入され、前記ハウジングの長さ方向に延長された基板固定スロットと、
前記一対のセンサー電極の内側面と連通され、前記接続クリップが位置する電極孔と、を含み、
前記電極孔は、内側が外側よりも直径が大きくなるような傾斜面を含む、請求項4に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項7】
前記第1ハウジングは、他側の外側面に形成された第1ねじ山を含み、
前記第2ハウジングは、一側の内側面に形成され、前記第1ねじ山と螺旋結合する第2ねじ山を含み、
前記防水リングは、前記螺旋結合が終了するとき、前記第2ハウジングの一側端部と接するように、前記第1ハウジングの外側面に結合する、請求項3に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項8】
前記一対の電極センサーは、前記ハウジングの一側に配置される第1センサー電極と、前記第1センサー電極と離隔され、並んで配置される第2センサー電極と、を含む、請求項1に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項9】
前記一対の電極センサーは、前記ハウジングの外周面に沿って延長された弧状を有する、請求項8に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項10】
前記第1センサー電極は、ハウジングの外周面に沿って囲むリング状を有し、前記第2センサー電極は、ハウジングの外周面に沿って囲むリング状を有する、請求項8に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項11】
前記ハウジングは、前記第1センサー電極及び前記第2センサー電極に対応する位置に形成される第1溝部及び第2溝部を含む、請求項10に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項12】
前記ハウジングは、
前記第1溝部を境界として、一側に位置する第1サブハウジングと、
前記第1サブハウジングの他側に位置する第2サブハウジングと、
前記第2溝部を境界として、前記第2サブハウジングの他側に位置する第3サブハウジングと、を含み、
前記第1サブハウジングと前記第2サブハウジングが形成する前記第1溝部に前記第1センサー電極が防水ボンディングされ、
前記第2サブハウジングと前記第3サブハウジングが形成する前記第2溝部に前記第2センサー電極が防水ボンディングされる、請求項11に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項13】
前記ハウジングは両端部が流線形からなる、請求項1に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項14】
前記ハウジングの他端に位置し、分離のためのストリングが締結されるストリング締結部をさらに含む、請求項1に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項15】
前記ハウジングは、家畜の膣内に据え付けられるようにハウジングに結合する弾性固定部をさらに含む、請求項1に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項16】
弾性固定部は、ハウジングの長さ方向から放射方向に延長され、弾性材質の複数個の固定脚を含む、請求項15に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項17】
前記弾性固定部は前記ハウジングの周囲に結合する締結リングを含み、
前記締結リングは前記ハウジングの両端部を露出させる、請求項16に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項18】
前記固定脚は曲線状に曲がっている、請求項16に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項19】
前記固定脚の断面は下部が開放されたU字状を有する、請求項16に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項20】
前記電気伝導度センサーで測定した電気伝導度の測定値を外部装置に送信する通信モジュールを含む、請求項2に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項21】
前記通信モジュールは、金属線とその外部の被覆部とを含むワイヤアンテナを含む、請求項20に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項22】
前記電気伝導度センサーの測定を制御する制御モジュールを含み、
前記制御モジュールは、所定の周期で電気伝導度を測定するように、前記電気伝導度センサーを制御する、請求項20に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項23】
前記制御モジュールは、前記電気伝導度センサーが第1周期で電気伝導度を測定するように制御し、前記電気伝導度の測定値が第1基準値以上になると、前記電気伝導度センサーが前記第1周期よりも短い第2周期で電気伝導度を測定するように制御する、請求項22に記載の家畜の子宮センサー。
【請求項24】
前記制御モジュールは、前記電気伝導度の測定値が第2基準値以上になると、前記無線通信部を介して外部装置にアラーム又は前記電気伝導度の測定値を送信するように前記通信モジュールを制御する、請求項23に記載の家畜の子宮センサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
家畜の膣に挿入した状態で取付け可能であり、長期間リアルタイムに家畜の生体情報を検出し、家畜の発情日を正確に検出することができる家畜の子宮センサーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
畜産業は、食生活の変化に伴い、飼育規模及び個体数が増加し、量的な側面において大きく成長した。特に、小規模の畜産産業から大規模の畜産産業に変化するにつれて、数千頭もしくは数万頭の家畜を飼育する農家が生じ、家畜の規模が大規模化することにより、従来よりも体系的に家畜を管理することができるシステムが必要になった。
【0003】
飼育規模が大きくなるにつれて、口蹄疫、狂牛病、豚熱病、鳥インフルエンザ(AI)などの家畜伝染病が発生した場合、限られたスペースで飼育する家畜の間に伝染が容易に起こるという問題がある。激しい場合は、大規模な斃死が必要となり、畜産業に大きな打撃を与える。
【0004】
そこで、家畜を伝染病から保護する一方で、生産性を向上させることが非常に重要である。家畜の生産性を向上させる方法には、出産頭数を増加させ、母体の出産回転率を高める方法がある。
【0005】
出産頭数を増加させる方法としては、1回に出産可能な頭数を向上させる品質改良が挙げられる。家畜の品質改良は、母体の排卵を促進し、より多くの数の受精卵を生産して妊娠頭数を高めることができる。但し、品質改良は、長時間の研究が必要であり、改良された品種を利用して妊娠頭数を多くしても、実際の出産時に死産したり、健康ではないために出産してまもなく斃死する場合、実際の出産頭数が制限されるという問題がある。
【0006】
出産回転率を高める方法としては、妊娠及び哺乳時期を除いた期間である非生産日数を最小限に減らす方法が挙げられる。特に、発情を逃す場合、非生産日数が約3週間増加するため、発情日を検出することが非常に重要である。
【0007】
従来は、ホルモンを利用して家畜の発情日を同期していたが、ホルモンを利用した生殖周期の調整が制限されて、家畜の外陰部の変化、行動の変化、及び体温の変化などにより発情日を検出していた。
【0008】
しかし、外陰部の変化は、個体に応じて兆候程度に差異があって発情の兆候が不明確になる可能性があり、限られたスペース内で飼育する環境での行動の変化が限定的に起き、大きな変化がない場合もありうる。また、体温の変化は、牛のような大きな動物は測定が難しく、体温の変化に影響を及ぼす他の変数が多く精度が低下するという問題がある。
【0009】
特許文献1(韓国特許第10-2009-0049917号公報)のように、遺伝子の検出を介した発情周期の診断方式は、遺伝子採取作業及び結果を導出するのに時間がかかる。特許文献2(韓国登録特許第20-0309657号公報)、特許文献3(韓国特許第10-2011-0027374号公報)のように、牛の乗架行為を検出する方式などには、ブリーダーが直接個体毎に繰り返し確認する必要があり、精度も低下するという問題がある。
【0010】
特に、従来の方式では、客体の発情がなされたか否かをブリーダーが周期的に直接測定する必要があることから、作業量が多くなるだけでなく、精度が低い上、発情期が持続する時間が短いことを考慮すると、しばしば測定しなければ発情期を逃すおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
膣分泌物を検出して発情日を検出することができる生体情報検出装置を提供することを目的とする。特に、家畜の膣への挿入及び脱去が容易な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
家畜の生体情報を収集する家畜の子宮センサーにおいて、家畜の膣よりも小さい直径を有するシリンダー状のハウジングと、前記ハウジングの外周面に位置し、前記電気伝導度センサーと接続された一対のセンサー電極と、前記一対のセンサー電極間の抵抗を測定し、前記家畜の子宮分泌物の電気伝導度を測定する電気伝導度センサーと、を含む家畜の子宮センサーを提供する。
【0013】
前記電気伝導度センサーに電源を供給するバッテリーを含むことができる。
【0014】
前記ハウジングは、前記一対のセンサー電極が位置する第1ハウジングと、前記第1ハウジングの他側方向に分離可能に締結される第2ハウジングと、を含み、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとの間に位置する防水リングを含むことができる。
【0015】
前記第1ハウジングに実装され、前記一対のセンサー電極と接続される接続クリップを含む基板部と、前記基板部の他側に接続され、前記バッテリーが位置するバッテリー挿入部と、を含み、前記バッテリー挿入部は、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの締結時に、前記第2ハウジングの内部に位置し、前記第2ハウジングを前記第1ハウジングから分離する際に外部に露出することができる。
【0016】
前記第2ハウジングは、前記バッテリーの長さ以上の長さを有してもよい。
【0017】
前記第1ハウジングは、前記基板部の両端部が挿入され、前記ハウジングの長さ方向に延長された基板固定スロットと、前記一対のセンサー電極の内側面と連通され、前記接続クリップが位置する電極孔と、を含み、前記電極孔は、内側が外側よりも直径が大きくなるような傾斜面を含むことができる。
【0018】
前記第1ハウジングは、他側の外側面に形成された第1ねじ山を含み、前記第2ハウジングは、一側の内側面に形成され、前記第1ねじ山と螺旋結合する第2ねじ山を含み、前記防水リングは、前記螺旋結合が終了するとき、前記第2ハウジングの一側端部と接するように、前記第1ハウジングの外側面に結合することができる。
【0019】
前記一対の電極センサーは、前記ハウジングの一側に配置される第1センサー電極と、前記第1センサー電極と離隔され、並んで配置される第2センサー電極と、を含むことができる。
【0020】
前記一対の電極センサーは、前記ハウジングの外周面に沿って延長された弧状を有してもよい。
【0021】
前記第1センサー電極は、ハウジングの外周面に沿って囲むリング状を有し、前記第2センサー電極は、ハウジングの外周面に沿って囲むリング状を有してもよい。
【0022】
前記ハウジングは、前記第1センサー電極及び前記第2センサー電極に対応する位置に形成される第1溝部及び第2溝部を含むことができる。
【0023】
前記ハウジングは、前記第1溝部を境界として、一側に位置する第1サブハウジングと、前記第1サブハウジングの他側に位置する第2サブハウジングと、前記第2溝部を境界として、前記第2サブハウジングの他側に位置する第3サブハウジングを含み、前記第1サブハウジングと前記第2サブハウジングが形成する前記第1溝部に前記第1センサー電極が防水ボンディングされ、前記第2サブハウジングと前記第3サブハウジングが形成する前記第2溝部に前記第2センサー電極が防水ボンディングされることができる。
【0024】
前記ハウジングは、両端部が流線形からなってもよい。
【0025】
前記ハウジングの他端に位置し、分離のためのストリングが締結されるストリング締結部をさらに含むことができる。
【0026】
前記ハウジングは、家畜の膣内に据え付けられるようにハウジングに結合する弾性固定部をさらに含むことができる。弾性固定部は、ハウジングの長さ方向から放射方向に延長され、弾性材質の複数個の固定脚を含むことができる。
【0027】
前記弾性固定部は、前記ハウジングの周囲に結合する締結リングを含み、前記締結リングは、前記ハウジングの両端部を露出させることができる。
【0028】
前記固定脚は曲線状に曲がることができる。
【0029】
前記固定脚の断面は、下部が開放されたU字状を有してもよい。
【0030】
前記電気伝導度センサーで測定した電気伝導度の測定値を外部装置に送信する通信モジュールを含むことができる。
【0031】
前記通信モジュールは、金属線とその外部の被覆部とを含むワイヤアンテナを含むことができる。
【0032】
前記電気伝導度センサーの測定を制御する制御モジュールを含み、前記制御モジュールは、所定の周期で電気伝導度を測定するように、前記電気伝導度センサーを制御することができる。
【0033】
前記制御モジュールは、前記電気伝導度センサーが第1周期で電気伝導度を測定するように制御し、前記電気伝導度の測定値が第1基準値以上になると、前記電気伝導度センサーが前記第1周期よりも短い第2周期で電気伝導度を測定するように制御することができる。
【0034】
前記制御モジュールは、前記電気伝導度の測定値が第2基準値以上になると、前記無線通信部を介して外部装置にアラーム又は前記電気伝導度の測定値を送信するように前記通信モジュールを制御することができる。
【0035】
前記通信モジュールは、金属線とその外部の被覆部とを含むワイヤアンテナを含むことができる。
【0036】
前記電気伝導度センサーの測定を制御する制御モジュールを含み、前記制御モジュールは、所定の周期で電気伝導度を測定するように、前記電気伝導度センサーを制御することができる。
【0037】
前記制御モジュールは、前記電気伝導度センサーが第1周期で電気伝導度を測定するように制御し、前記電気伝導度の測定値が第1基準値以上になると、前記電気伝導度センサーが前記第1周期よりも短い第2周期で電気伝導度を測定するように制御することができる。
【0038】
前記制御モジュールは、前記電気伝導度の測定値が第2基準値以上になると、前記無線通信部を介して外部装置にアラーム又は前記電気伝導度の測定値を送信するように前記通信モジュールを制御することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の少なくとも一実施形態によると、1回の挿入で家畜の発情到来時までの継続的な測定が可能であり、発情検査のための個々の客体を繰り返し検査する必要がないため、発情検査のための人的資源の浪費を減らすことができる。
【0040】
また、ストリングを引くと容易に子宮から脱去することができるため、家畜に及ぼす影響を最小限に抑えることができ、再使用可能であるため半永久的に使用可能である。
【0041】
尚、従来の方法に比べて、リアルタイムにデータを取得することから、発情時期を正確に検出することができるとともに、体温測定方法などに比べて変化を確実に検出することができるため、正確な発情時期を検出して受精率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の家畜の子宮センサーを利用した家畜の生体情報の取得及び処理を模式化した概念図である。
図2】家畜のホルモンの変化に伴う卵胞の形及び発情期を示す図である。
図3】本発明の家畜の子宮センサーのブロック図である。
図4】本発明の子宮センサーの斜視図である。
図5】本発明の子宮センサーの第1ハウジングと第2ハウジングを分離した状態を示す図である。
図6】本発明の子宮センサーの分解図である。
図7】(a)、(b)、及び(c)は本発明の子宮センサーの断面図である。
図8】(a)及び(b)は本発明の子宮センサーを家畜に挿入した形状を示す図である。
図9】(a)及び(b)は本発明の子宮センサーに弾性固定部を結合させた状態を示す図である。
図10】(a)及び(b)は本発明の子宮センサーに弾性固定部を結合させた状態を示す図である。
図11】本発明の雌牛に装着された子宮センサーで収集したデータを視覚化した画像である。
図12】本発明の子宮センサーで収集したセンサーの測定値を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下では、添付した図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、いくつかの異なる形態で具現化することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって類似した部分に対しては同様の符号を付した。
【0044】
第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用することができる。但し、上記構成要素は、上記用語によって限定されない。上記用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別するためにのみ使用する。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素として命名することができ、同様に第2構成要素も第1構成要素として命名することができる。本発明で使用する用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用するものであって、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0045】
明細書全体にわたって、いくつかの部分が他の部分と「接続」されているというのは、「直接的に接続」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を間に挟んで「電気的に接続」されている場合も含む。また、いかなる部分がいかなる構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。本明細書全体で使用する程度の用語「~(する)段階」又は「~の段階」というのは、「~のための段階」を意味しない。
【0046】
本発明で使用する用語は、本発明の機能を考慮しながら可能な限り現在広く使用されている一般的な用語を選択したが、当該分野において従事する技術者の意図又は判例や新しい技術の出現などによって異なり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する発明に係る説明の部分でその意味を詳細に記載する。したがって、本発明で使用する用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されるべきである。
【0047】
以下、図面を参照して、本発明について詳細に説明する。
【0048】
図1は本発明の家畜の子宮センサーを利用した家畜の生体情報の取得及び処理を模式化した概念図である。図1を参照すると、本発明の個体情報取得システムは、個体(家畜)の子宮に挿入されて生体活動情報を取得する子宮センサー100、子宮センサー100から取得した情報を中継器200で収集し、サーバー300に送信したり、ユーザーの端末400に送信したりすることができる。サーバー300に送信するために、中継器200がネットワークを介してサーバー300と接続されることができる。重要な通知がある場合や、ネットワーク上の障害が発生した場合は、無線通信を介してユーザーの端末400に直接送信することができる。
【0049】
本発明の子宮センサー100は、家畜の膣内に挿入されて、膣内の分泌液の成分変化、体温、及び家畜の動きのうち少なくとも一つを検出し、家畜の生体活動に関するデータを収集することができる。
【0050】
家畜の体内に挿入する装置は、可能な限りバッテリー130を交換することなく長時間使用できるようにすべく、電力消耗を最小限に抑えるために、特定の時間帯にのみ測定し、かつ中継器200に送信することができる。ここで、遠距離で信号を送信する場合は、信号が届かないという問題が発生しうる。そこで、子宮センサー100は、既に設定された一定の距離内の範囲にブロードキャスト(broadcasting)を介して生体データを送信することができる。一定の範囲内に設置された一つ又は複数個の受信装置は、ブロードキャストされたデータを収集し、中央サーバーに送信できるように構成されることができる。子宮センサー100は、近距離の中継器200に信号を送信する場合、電力消耗が大きくないため有用である。
【0051】
本発明の子宮センサー100は、豚、羊、ヤギ及び乳牛、畜牛などの家畜の膣内に挿入することで、家畜の生体データを収集することができる。特に、家畜の生殖周期に伴うホルモンの変化に応じて、家畜の膣内の環境変化を測定することができる。
【0052】
子宮センサー100は、家畜の体内に挿入されるため、長距離通信用トランシーバ(transceiver)を使用しても、電波の減衰が大きく起こることがあり、通信距離がかなり減少する可能性がある。
【0053】
例えば、Sub-1-GHzをサポートするトランシーバを使用する場合、該当トランシーバの仕様は6.4km(4miles)程度になるが、実際のトランシーバを家畜の体内に設置してデータ通信に使用すると、家畜の皮膚や水分などによる電波の減衰によりその通信距離が数百メートル、少なければ数メートルまで減少する可能性がある。
【0054】
したがって、中継器が子宮センサーから通信距離を超えて遠く設置されている場合は、子宮センサーから直接中継器を介して中央サーバーにデータを送信することが難しい。この場合、家畜の体の他の部位に第2装置を設置し、子宮センサーからデータを収集して中継器(或いは、ドローン(drone)(図示せず))やサーバー300に送信するように構成することができる。第2装置の例として、ネックレスや耳タグ(ear-tag)(図示せず)などが挙げられる。
【0055】
ネックレスや耳タグなどの装置は、子宮センサーから収集されたデータを一定の距離内に設置された中継器などにRoLaなどの通信方法を介して送信してもよく、無線LAN、LTE、5G、LoRaなどの通信を利用して直接サーバー300に送信してもよい。
【0056】
また、各子宮センサー100が移動通信を利用するようにすべく、それぞれ移動通信のための識別子、すなわち、USIMを備えなければならないことも現実的な難しさの一つである。
【0057】
したがって、畜舎内に中継器200を置くことで、数百個の子宮センサー100の測定データを収集してサーバー300に送信することができる。中継器200は、畜舎内に位置する固定型であってもよい。放牧する家畜の場合は、家畜との距離が遠くなるため、ドローンのような移動型の中継器200であってもよい。また、ドローンのように飛行する形ではなく、牧草地内を移動する地上型の中継器200でも可能である。
【0058】
中継器200は、約100メートル距離の子宮センサー100からデータを受信することができ、子宮センサー100との無線通信のために、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)やWi-Fi(登録商標)のように低周波帯域の信号を利用する近距離通信モジュール140(図3参照)を含むことができる。収集したデータをサーバー300に送信するために、無線の通信モジュールを含むことができる。畜舎内に固定型として設置する場合、サーバー300との接続は、有線のネットワークを介して送信することもできる。
【0059】
中継器200は、各子宮センサー100から収集したデータ、及び子宮センサーの識別IDが格納されるメモリ180(図3参照)を含むことができる。メモリは、子宮センサー100、中継器200、又はサーバー300にそれぞれ含まれ、各装置で保存が必要なデータなどを格納することができるが、これに限定されるものではない。メモリ180に格納されている子宮センサー100のデータには、数百個の子宮センサー100の時間帯別の記録が格納されることができ、それぞれのデータを識別するために、各子宮センサー100から伝達されるデータは、次のような構造を有することができる。
【0060】
子宮センサー100の識別ID-データ収集時間-第1センサー(子宮センサー)の測定値-第2センサー(温度センサー)の測定値・・・-第nセンサーの測定値
【0061】
上記収集時間は、子宮センサー100で正確に測定することが難しい場合、中継器200にデータ収集時間を付加することができる。ドローンのような移動型の中継器200はGPSを搭載することから、収集した位置に関する位置情報を付加してサーバー300に送信することができる。
【0062】
サーバー300は、農場に設置されて、遠隔地のデータセンターで収集して管理することができる。サーバー300は、各中継器200と有無線を介して接続されて各客体の生体情報を収集し、牧場内の家畜の生体情報をモニタリングし、かつ統計を出すことができる。
【0063】
サーバー300で収集した家畜の生体情報は、他の牧場の家畜の生体情報との比較分析などが可能であることから、最適な飼育方法の改善のための基礎データとして活用できるように分析することができる。
【0064】
サーバー300で収集した家畜の生体情報は、各クライアントの端末400に送信され、クライアントがリアルタイムに家畜の状態を確認することができる。クライアントの端末400は、携帯電話やタブレットなどの移動通信の端末400、及びデスクトップのような有線通信の端末400をともに含むことができる。
【0065】
クライアントに通知方法を介して家畜の状態変化を提供することにより、クライアントが継続的にモニタリングしなくても、重要なイベントを逃さないように管理することができる。
【0066】
本発明の子宮センサー100及びそのシステムにより様々な家畜の生体情報を取得することができるが、本発明は、家畜の発情期及び分娩に係るデータを収集することを主な目的とする。
【0067】
図2は家畜のホルモンの変化に応じた濾胞(卵胞)の形及び発情期を示す図である。家畜の交配は雄を用いた自然交配を行っているが、大規模な畜舎では人工授精技術が普及化しつつある。卵巣で濾胞31が成長し、成長した濾胞31が裂けて卵子が排出される排卵期を正確に判断して人工授精を行う必要がある。
【0068】
馬のような野生の草食哺乳類は、繁殖に適した環境に合わせて繁殖するために季節繁殖を行う。すなわち、1年に一度春から初夏にかけての期間が発情期になる。
【0069】
豚や牛などの家畜は、雌が妊娠していない場合、一定の間隔で発情が繰り返され、卵胞期4~5日黄体期16日を含めて約21日(3週間前後)の発情周期を示す。雌の卵巣に位置する濾胞31は、脳下垂体から分泌される濾胞刺激ホルモン(FSH)11による影響を受けて成長及び発育が促進され、完全に発育した濾胞31でエストロゲン12が分泌される。エストロゲン12は、脳の視床下部や脳下垂体に影響を与えて卵胞が成長する程度にエストロゲン12の分泌量が増加する。エストロゲン12が一定濃度以上になると、動物は発情期20に導入し、エストロゲン12は脳下垂体から黄体形成ホルモン(LH)13を分泌するように誘導する。黄体形成ホルモン13が分泌されると、成熟した濾胞31は、排卵(卵子を子宮に排出)し、濾胞31は黄体32に転換される。排卵直後、エストロゲン12の濃度は低くなり、黄体32から分泌されるプロゲステロン14の濃度は急激に高くなる。
【0070】
黄体32は約半月後に消滅され、黄体の発達周期に応じてプロゲステロン14の濃度も変化する。プロゲステロン14は、子宮の収縮及び排卵を抑制して妊娠を維持させる役割を果たす。妊娠がされない場合、黄体32が退化し、プロゲステロン14の濃度が低くなる。
【0071】
かかる発情周期は、家畜を採血し、血液中のホルモンの濃度を測定して判断したり、卵巣を超音波検査したりすることで判断することができる。但し、すべての個体に採血又は超音波検査を繰り返すことは現実的に難しい。したがって、一般的に家畜の行動の変化や外陰部の変化などにより判断することができる。
【0072】
このように、発情期に家畜の外観として示される行動や変化を発情と呼ぶ。発情期が長い動物の場合は発情期中に排卵が起こり、発情期が短い家畜の場合は発情末期や発情終了後に排卵が起こることがある。
【0073】
豚の場合、発情持続時間は約2日から3日程度であり、発情中期(発情持続時間の約70%付近)に排卵が起こる。牛の場合、発情持続時間は約18時間と短く、発情が終了した後の12~18時間内に排卵することができる。家畜の人工授精受胎率は、排卵前の一日排卵直後が最も高いため、排卵時期を正確に判断することが重要である。
【0074】
図2に示されたエストロゲン12が最高値となる時期からを発情期20と見なすことができる。本発明では、エストロゲン12の濃度が最高となる時期を検出するために、子宮センサー100を使用する。
【0075】
図3は本発明の家畜の子宮センサー100のブロック図であり、図4は本発明の子宮センサー100の斜視図である。本発明の子宮センサー100は、センサーモジュール150を介して家畜の生体情報を収集し、収集した生体情報を中継器200に送信する通信モジュール140を有し、通信モジュール140、センサーモジュール150、センサーモジュール150を制御する制御モジュール120、及び各部品に電源を供給するバッテリー130で構成される。
【0076】
中継器200は、畜舎に設置される中継器、又は家畜の首に設置したネックレスや耳タグの形として、家畜の生体情報を収集して送信することができるように構成される第2識別装置を含むことができる。
【0077】
図4に示すように、本発明の子宮センサー100は、家畜の膣への挿入のために、ペンのような長いシリンダー状を有することができる。子宮センサーを家畜の膣への挿入時に、そして、子宮センサーが挿入された状態で、刺激を最小限に抑えるために、ハウジング110の端部を表面が角のない滑らか面を有する半球状に形成することができる。また、様々な家畜に適用することができるよう、子宮センサーの大きさは、豚や羊のような中型の家畜の膣のサイズを基準に、直径15mm以下、長さ120mm以下に構成することができる。
【0078】
ペン状のハウジング110の一側に一対のセンサー電極1511、1512が位置し、ハウジング110の内部にバッテリー130、制御モジュール120、通信モジュール140などが配置されることができる。従来、家畜の生体情報を収集するための装置には外部に露出する装置があり、本体にテープなどで貼ったり、体に吊り下げたりして家畜が不快感を持つことがあった。これに対し、本発明では、ハウジング110が完全に子宮センサー100に挿入されていることから、家畜に装着しても家畜が異物感又は不快感を持たないため、鋭敏な発情期において装置による影響を最小限に抑えることができる。
【0079】
例えば、子宮センサーの構造は、ペンの外観のように形成され、そのハウジングの半径を家畜の膣の半径に比べて十分に小さく設計することができる。子宮センサー100のハウジングは、家畜の膣内のスペースに据え付けられて一側に押されないように、別の支持台と組み合わせて設置することができる。
【0080】
脱去のために、子宮センサー100の端部に糸のようなストリング118を接続できるよう、ストリング締結用の孔112aが形成されることができる。ストリング118の端部は外部に露出することができ、これを引くことで、家畜の子宮から子宮センサー100を除去することができる。ストリング118をハウジング110と一体型で構成せずに、家畜のサイズに応じて適切な長さのストリング118に交換することができる。
【0081】
図3のブロック図を基準に、子宮センサー100の各部分についてより具体的に説明する。本発明では、個体の生体内部から個体の生体情報を取得するために、多数のセンサーを含んで構成する。子宮センサー100に実装されるセンサーには、電気伝導度センサー151、温度センサー152、加速度センサー153などがある。
【0082】
電気伝導度センサー151は、物質又は物体の電気伝導度を測定する装置である。電気伝導度(electrical conductivity)は、一対のセンサー電極間に位置する物質又は物体の間に電流が流れる程度を示す指標である。金属のような導体は電気伝導度が大きく、ガラスのような不導体は電気伝導度が小さい。
【0083】
金属のような固体の2つの地点の間の電気伝導度を測定することができるが、電解質イオンが含有された液体でも電気伝導度を測定することができる。液体の電気伝導度は、液体中に含有された電解質イオンの濃度が大きいほどより高くなり、単位はdS/m又はmS/cmを使用する。電気伝導度は、pH濃度及び温度によっても異なり得る。電気伝導度は、液体中に含まれるイオンの種類に応じて多少異なるが、全体塩類濃度に比例して異なり得る。
【0084】
電気伝導度は、一対のセンサー電極に電流を流し、一対のセンサー電極間に流れる電流量の大きさを測定して算出することができる。また、センサー電極間に位置する液体の電解イオンの濃度変化を検出することができる。
【0085】
上述した家畜のホルモンの変化に応じて、家畜の外陰部や行動などに変化があり、子宮頚管から分泌される膣分泌物にも変化が生じる。子宮頚管から分泌される分泌物は、子宮内部に細菌などが侵入する可能性を防止する消毒の役割、及び排卵期に精子が子宮を経てらっぱ管に円滑に入ることができるようにサポートする役割を果たす。排卵日に近いほど分泌物の量が増加し、通常よりも澄んでいて粘性が弱くなる。分泌物は、いくつかの無機塩類や粘液多糖類などを含み、発情周期に応じて成分が変化する。特に、ナトリウムと塩素の濃度が変化し、発情期にナトリウムと塩素の濃度が高く示される。
【0086】
ナトリウムと塩素の濃度変化は電気伝導度の変化につながり、電気伝導度をリアルタイムに測定して膣分泌物のナトリウムと塩素の濃度をモニタリングし、かつ排卵時期を予測することができる。発情期に迫ると、ナトリウムと塩素の濃度が高くなり、電気伝導度も高くなる。
【0087】
膣分泌物の濃度をより正確に測定するために、センサー電極の大きさは、膣分泌物との十分な接触点を確保する必要がある。子宮センサーのセンサー電極が小さくが形成されると、子宮センサーを家畜の膣への装着時に、センサー電極が膣壁に密着して膣分泌物の濃度測定が難しくなる可能性がある。
【0088】
図4図6に示すように、本発明は、外部に露出する一対のセンサー電極1511、1512を含み、センサー電極1511、1512は、ハウジング110の周囲に沿って長く延長されることができる。図面には、360°に延長されて両端が結合したリング状の電極形状が示されているが、90°や270°のように短く延長された号状の電極形状も可能である。センサー電極の形状は、広いほど接触面積が広くなり、測定エラーが発生することを防止することができるが、スペース上の制約などを考慮して様々な形状に変形可能である。
【0089】
外部に露出するセンサー電極1511、1512は、内部に位置する測定部と接続されることができる。測定部は、ハウジング110の内部に位置する基板部121に実装され、一対のセンサー電極1511、1512に電源を印加して、センサー電極1511、1512間の電流を測定する。
【0090】
センサーモジュール150は、電気伝導度センサー151の他に、他のセンサーをさらに含むことができる。例えば、図3に示すように、家畜の体温を測定する温度センサー152又は家畜の動きを測定するための加速度センサー153などをさらに含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0091】
牛のように体温変化が大きくない家畜もあるが、中型家畜、一例として、豚は発情周期に応じて体温の変化があり、豚の体温変化を温度センサー152が観測することができる。また、分泌物の電気伝導度は、イオンの濃度が同一であっても、体温に応じて異なり得る。そのため、家畜の体温変化がある場合、温度センサーでこれを検出して電気伝導度値を補正することができる。
【0092】
温度センサー152により、発情がなされたか否か、かつ出産時の進行状況を検出することができる。病気の発生時には、家畜の体温が上昇するため、温度センサー152を利用して家畜の健康状態をモニタリングすることができる。温度センサー152は、必ずしも外部に露出する必要がないため、ハウジング110の内部に位置することができる。
【0093】
発情期20に突入すると、家畜の動きがより活発になるため、加速度センサー153を利用して活動量を測定し、かつモニタリングして発情期を検出することもできる。加速度センサー153には、慣性式、ジャイロ式、シリコン半導体式などがあり、加速度センサー153が検出することができる加速度センサー153の方向(軸)の数が多ければ多いほど、精度がより高くなる。
例えば、6軸加速度センサーを利用すると、3軸加速度センサーで活動量を測定する場合に比べて精度がより高くなる。
【0094】
通信モジュール140は、センサーモジュール150から取得したデータを外部に送信することができる。ここで、一般公衆の無線通信網を使用してサーバー300にデータを直接送信することもできるが、送信データの量が少ない場合には、高スループットのデータ送信よりは長距離でのデータ送信のために通信距離が遥かに重要となる。
【0095】
データ率を4倍減らすと、送信距離は倍増する。家畜の体内に挿入される子宮センサー100の場合は、長距離で信号を送信することができるハイパワーの短波信号を利用することが難しい。子宮センサー100は、例えば、比較的低い周波数であるSub-1GHz帯域を使用することで、子宮センサーで測定したデータを送信することができる。
【0096】
無線信号が家畜の身体を透過するようにするためには、長波を利用することが効率的かつ医療的な面において好ましい。例えば、遠距離通信のためには消費電力が大きいという問題があり、消費電力が大きいと、バッテリー130の寿命が短くなることから、バッテリー130の交換や充電のために子宮センサーの脱去と挿入を繰り返す必要があるという問題がありうる。
【0097】
本発明の子宮センサー100は、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)やWi-Fi(登録商標)などの通信方法、特に低消費電力で設計されたBLEやWiFi HaLowなどを使用することができる。本発明の通信モジュール140は、Sub-1GHzの周波数帯域を利用して信号を送信することができる。かかる1GHz以下の低周波信号を使用しても、家畜の身体を通過しながら電波が減衰され、6.4kmの長距離送信が可能な信号が100m~数百m程度と減少する可能性があることから、通信モジュール140は、畜舎内に位置する中継器200又は送信距離内の別の装置を介してサーバー300に信号を送信することができる。
【0098】
通信モジュール140は、センサーモジュール150が複数個のセンサーを含む場合、各センサーから検出されたデータを収集して送信することができる。家畜の生体情報の他に、子宮センサー100のバッテリー130に関する情報や、センサーモジュール150の故障に関する情報などをサーバー300に送信することもできる。通信モジュール140は、データを送信する他に、サーバー300からのコマンドを受信して制御モジュール120に伝達することもできる。
【0099】
メモリ180は、データを一時的に格納することができ、子宮センサー100の固有の識別情報を格納することができる。通信モジュール140を介してセンサーで測定したデータを送信するとき、子宮センサー100の固有の識別番号(ID)をともに送信してデータの出所を明確にすることができる。
【0100】
通信モジュール140の駆動回数を最小限に抑えるために、一定の時間測定した情報をメモリ180に格納した後、所定の周期で一度に中継器200に送信することができる。この場合、発情期を逃さないようにすべく、制御モジュール120は、センシング部で検出されたデータが基準値を超える場合(発情期と判断された数値に達した場合)、メモリ180に格納することなく直ちに中継器200に送信することができる。
【0101】
制御モジュール120は、センサーモジュール150及び通信モジュール140を制御することで、家畜の生体情報を収集し、中継器200にデータを送信するように制御することができる。換言すると、センサーモジュール150で検出する周期や通信モジュール140でデータを送信する周期などを制御することができる。消費電力を最小限に抑えるために、センサーモジュール150で検出する時間は20μsec程度と短く設定して瞬時値を測定することができる。
【0102】
電気伝導度センサー152の検出周期は、発情期に迫る前には1日に1~3回程度と少ない回数を検出し、収集したデータを1日に1回程度送信するようにセンサーモジュール150及び通信モジュール140を制御することができる。発情期に直面すれば、1時間又は10分単位で測定し、直ちにデータを中継器200に送信して家畜の状態をリアルタイムにモニタリングすることができる。
【0103】
発情期に導入する直前までは電気伝導度の変化がほとんどないため、発情周期(畜牛の発情は20~30日)及び測定日数を考慮し、測定周期を調整することができる。
【0104】
一定の時間間隔で電気伝導度を測定して発情期を検出することに加え、家畜の体温に急激な変化などが発生した場合は家畜の感染症などのおそれがあるため、制御モジュール120は、データ送信周期が長い場合でも、緊急にデータを送信するように通信モジュール140を制御することができる。
【0105】
また、制御モジュール120は、サーバー300からのコマンドを受信し、センサーモジュール150や通信モジュール140の駆動周期又は方法を変更することもできる。必要な場合、管理者は、各子宮センサー100を制御して、正確な生体情報を収集することができる。
【0106】
バッテリー130は、電源供給部であって、通信モジュール140やセンサーモジュール150で必要とする電力を供給する。制御モジュール120は、バッテリー130の使用を最適化するために、通信モジュール140及びセンサーモジュール150を制御することができる。バッテリー130は、交換又は充電可能な形に実現し、子宮センサー100の再使用が可能となる。
【0107】
充電のためには充電端子がさらに必要となる。使用周期が長い場合は、充電式より交換式が有利である。本発明の子宮センサー100は、薄いサイズの直径のために、1.5VのAAAAサイズのバッテリー130を利用し、約6ヶ月程度使用可能である。
【0108】
バッテリー130の交換のために、ハウジング110は取り外し可能な構造を有することができる。子宮センサー100は、第1ハウジング111、及び第1ハウジング111から脱着可能な第2ハウジング112で構成されることができる。図5は、本発明の子宮センサー100のバッテリー130の交換のために、第1ハウジング111と第2ハウジング112を分離した状態を示す図である。第2ハウジング112を分離すると、バッテリー130が据え付けられるバッテリー収納部133が露出し、バッテリー130を交換することができる。
【0109】
バッテリー収納部133を第1ハウジング111内に位置させ、第2ハウジング112が第1ハウジング111の端部をカバーすることができる。この場合、バッテリー130の一方の電源端子は、第2ハウジング112に位置し、第2ハウジング112は、第1ハウジング111との結合時に、第2ハウジング112に位置する電源端子と接続される必要がある。
【0110】
かかるタイプにはバッテリー130の接続不良のリスクがあるため、バッテリー収納部133が第1ハウジング111に実装された基板部121と接続され、第2ハウジング112の分離時にバッテリー収納部133が完全に露出する。バッテリー収納部133が側方向に露出するため、ペン状のハウジング110の側方向にバッテリー130を挿入することができる。
【0111】
第2ハウジング112は第1ハウジング111と簡単に締結することができる。また、第1ハウジング111と第2ハウジング112との間に異物が入らないように密閉されるようにする必要がある。第1ハウジング111及び第2ハウジング112はそれぞれ、第1ネジ山111d山及び第2ネジ山112dを備え、第1ネジ111dと第2ネジ山112dが締結されると、第1ハウジング111と第2ハウジング112が結合することができる。らせん状に構成される締結部は、外部物質の流入を遮断する完璧な防水のための防水リング117をさらに備えることができる。
【0112】
防水リング117は、第1ネジ山111dと第2ネジ山112dの結合が完了した位置に備えることができる。防水リング117は、弾性材料を含み、圧縮した場合は形状が変化して密着される。第2ハウジング112が締結されると、防水リング117が圧着されて、第1ハウジング111と第2ハウジング112との間が密閉されることができる。
【0113】
図6は本発明の子宮センサー100の分解図であり、図7(a)~(c)はそれぞれ図4のA-A、B-B、及びC-Cに沿って切断した断面図である。図7(a)~(c)に示す図4のA-A、B-B、及びC-Cの断面図は互いに垂直方向に切断した図である。
【0114】
図6及び図7(a)~(c)には、第1ハウジング111、第2ハウジング112、基板部121、センサー電極1511、1512、バッテリー収納部133、バッテリー130などが示されている。第1ハウジング111と第2ハウジング112が結合してペン状のハウジング110を構成し、第1ハウジング111の他側と第2ハウジング112の一側が結合して連結される内部スペースを形成することができる。ハウジング110の内部スペースに、基板部121、バッテリー収納部133、バッテリー130が実装されることができる。
【0115】
第1ハウジング111に位置する電気伝導度センサー152の一対のセンサー電極1511、1512を配置するために、第1ハウジング111は、3つの部分に区画されることができる。すなわち、第1ハウジング111は、子宮センサー100の一側に位置する第1サブハウジング111a、第1センサー電極1511と第2センサー電極1512との間に位置する第2サブハウジング111b、及び第2ハウジング112と締結される第1ネジ山111dが形成され、第2センサー電極1512の他側に位置する第3サブハウジング111cを含む。
【0116】
図6とは異なり、一体型からなる第1ハウジング111の外側にリング状のセンサー電極1511、1512を形成するために、センサー電極1511、1512が第1ハウジング111よりも突出した形を有するようになる。本発明の一対のセンサー電極1511、1512は、第1ハウジング111と同一平面をなすリング状に構成するために、第1ハウジング111を、複数のサブハウジング111a、111b、111cを有するように構成することができる。
【0117】
各サブハウジング111a、111b、111cは、外部に露出する露出部、及び第1センサー電極1511及び第2センサー電極1512の背面に位置する隠し部で構成されることができる。また、露出部と隠し部との間は、センサー電極1511、1512の厚さに相当する高さの段差が形成されることができる。
【0118】
第1サブハウジング111a、第2サブハウジング111b、及び第3サブハウジング111cは、結合時に隠し部が互い接するようになる。ここで、センサー電極1511、1512とハウジングの内部に位置する測定部とを接続する接続クリップ123が互いに接するように、隠し部は接続クリップ123が位置する端子孔を含むことができる。
【0119】
センサー電極1511、1512がリング状ではなく両端部が接続されない形状を有する場合は、第1ハウジング111を複数のサブハウジングで構成する必要がなく、センサー電極1511、1512が据え付けられる隠し部を露出部と段差を有するように構成し、隠し部に端子孔を形成すればよい。
【0120】
端子孔は図7(a)に示すように傾斜面を含むことができる。第1ハウジング111の他端において基板部121を挿入した後、修理のために取り外す際に接続クリップ123が斜面に沿って押されて取り出されることができる。
【0121】
電気伝導度センサー151の測定部はハウジングの内部に位置し、センサー電極1511、1512は、ハウジング111、112の外部に露出するため、センサー電極1511、1512とハウジング111、112との間の隙間に異物が入らないように密閉される必要がある。隠し部とセンサー電極1511、1512との間は液体がハウジングの内部に流入しないように防水ボンディングを介して結合することができる。
【0122】
第1サブハウジング111a、第2サブハウジング111b、及び第3サブハウジング111cと、第1センサー電極1511及び第2センサー電極1512とが結合し、第1ハウジング111を締結することで、第1ハウジング111の内部に基板部121が実装されることができる。
【0123】
基板部121には、通信モジュール140、センサーモジュール、制御モジュール120などが実装されることができ、基板部121の他側にバッテリー130が据え付けられるバッテリー収納部133が結合することができる。図6に示すように、ハウジング111、112の内部に位置する基板部121とバッテリー収納部133は一体型で構成されることができる。
【0124】
通信モジュール140は、無線通信のためのアンテナ141、及び基板部121に実装されたRFIC(Radio Frequency IC)を含む。1GHzの低周波帯域の信号を利用するため、波長の長さは30cmになり、それ以下の周波数を使用する場合は波長の長さが30cm以上になる。ダイポールアンテナの場合は、波長の長さの1/2のダイポールアンテナを利用したり、1/4のモノポールアンテナを利用したりすることができる。ダイポールアンテナの場合は少なくとも15cm以上の長さ、モノポールアンテナの場合は7.5cm以上の長さが必要である。
【0125】
本発明の子宮センサー100は、約10cm前後の長さで製作されるため、ダイポールの場合、実装スペースを確保するために、子宮センサー100の直径や長さをさらに大きくする必要がある。但し、10cm前後の長さのハウジング内には、ダイポールを実装するスペースを確保することが難しい側面がある。モノポールの場合にも、第1ハウジング111と第2ハウジング112が分離され、バッテリー130の実装スペースは第2ハウジング112の内部によって完全に満たされていることから、第1ハウジング111と基板部121との間のスペースを利用してアンテナ141を実装する必要がある。
【0126】
第1ハウジング111には、一対のセンサー電極1511、1512が外側に配置されていることから、アンテナをセンサー電極1511、1512と接触しないように配置しなければ、アンテナに及ぼす影響を最小限に抑えることができない。アンテナは、FPCBに導電パターンを形成することで実現することができる。ここで、FPCBの形のアンテナは、基板部121を第1ハウジング111への挿入又は取り出し時に破損するおそれがあるため、第1ハウジング111の側壁に付着する必要がある。
【0127】
金属線とその外部に被覆部とを含むワイヤアンテナ141を利用することができる。ワイヤアンテナ141は、金属線を曲げることでその形状を自由に変形し、かつ外側に被覆部を含むため、他の部品と接触しても直接影響を及ぼさない。図6及び図7に示すように、ワイヤアンテナ141は、基板部121に一端が結合し、第1ハウジング111内に折り曲げられて配置されることができる。
【0128】
第1ハウジング111の長さは子宮センサー100の全長さの1/2以下であることから、第1ハウジング111の長さが4cm以下であり、7.5cm以上の長さを有するアンテナ141は第1ハウジング111内に伸ばし配置しにくく折り曲げられて配置されることができる。
【0129】
バッテリー収納部133は、2つの電源電極131、132を含み、基板部121に隣接する一側に位置する第1電源電極131、及び他側に位置する第2電源電極132を含むことができる。第1電源電極131及び第2電源電極132のうち1つは弾性部を含むバッテリー130が第1電源電極131及び第2電源電極132に密着するように構成することができる。また、第1電源電極131と第2電源電極132との間に位置し、バッテリー130を支持する支持部を含むことができる。第2電源電極132を基板部121と接続するため、延長される部分をバッテリー130の形状に対応した形状にして支持部を構成することができる。
【0130】
基板部121は、第1ハウジング111の他側から挿入され、基板部121が最も広い面積を有するように、第1ハウジング111の中央部分を横切って挿入することができる。
【0131】
第1ハウジング111は、基板部121が動かないようにすべく、基板部121が挿入される基板溝111eをさらに含むことができる。基板溝111eは、連続的な溝の形状ではなく、部分的に基板の一面と他面を支持する第1ハウジング111の内部の突出部の組み合わせで構成されることができる。図7(a)に示すように、図面上、基板部121の下部を支持する突出部が中央部分及び右側端部に位置することができる。
【0132】
基板部121は、第1ハウジング111への挿入時に第1ハウジング111に完全に挿入されることができ、第2ハウジング112の分離時に外部に露出しないように、第1ハウジング111の長さを第1ハウジング111の内部の長さに合わせて設計することができる。第2ハウジング112が第1ハウジング111から分離されると、バッテリー収納部133が露出し、バッテリー収納部133にバッテリー130を装着して第2ハウジング112を第1ハウジング111に締結すると、子宮センサー100が完成することができる。
【0133】
第2ハウジング112の他側に子宮センサー100の脱去のためのストリング118が結合するようにするためにストリング締結部112aを含むことができる。ストリング締結部112aは孔状に構成することができる。ストリング118を一体型で構成せず、適用する家畜に応じて異なる長さを有するようにするために、個別に付着可能な形で構成することができる。本発明の子宮センサー100は、膣の外部に連結されるケーブルがなく家畜が不快感を持たず、挿入された状態で長期間利用可能である。分単位の短時間単位でデータを取得することができるため、管理者が繰り返し作業を行う必要がなく、発情期を正確に検出し、かつ家畜の健康状態を確認することができるという長所がある。
【0134】
図8(a)及び(b)は本発明の子宮センサー100を家畜に挿入した形状を示す図である。(a)は、豚のように約100kg前後の中型家畜に適用した使用例、(b)は、牛のような大型家畜に適用した使用例である。
【0135】
ハウジングの内部に部品を実装した図4のような形の本体は、図8(a)に示すように、豚の膣の子宮頸部まで挿入して利用することができる。豚のような中型家畜は膣のサイズが小さく、子宮センサー100が安定的に据え付けられて離脱しないが、牛のような大型家畜は膣のサイズが大きく、子宮センサー100が離脱することがある。
【0136】
このように、様々なサイズの動物に適用することができるように、本体のサイズを小さく形成し、家畜のサイズに合わせて子宮センサー100が家畜の膣内に据え付けられるようにするために、本体と締結されている弾性固定部190を備えることができる。
【0137】
図9(a)及び(b)は本発明の子宮センサー100の弾性固定部190を示す図である。図9(a)を参照すると、弾性固定部190は、本体が挿入される締結リング191を含み、締結リング191の周囲に放射状に延長されて弾性材料を含む複数個の固定脚192を含むことができる。
【0138】
図9(b)に示すように、締結リング191は、本体の他側が貫通し、本体の他側に位置するストリング締結部112aが露出するように構成することができる。締結リング191のリングのサイズは本体よりもやや小さく形成して、子宮センサー100の脱去時に、弾性固定部190が本体から容易に分離されないように構成することができる。
【0139】
固定脚192は、弾性を持って容易に変形可能であることから、家畜への挿入時に固定脚192を窄めて挿入し、脱去時にもストリング118を引くと固定脚192の形状が変化して簡単に脱去されることができる。
【0140】
固定脚192の材料として、変形を容易にするために柔らかいシリコーン材を利用することができる。さらに、図9(b)に示すように、断面がU字状を有するように溝192aを形成することで、固定脚192の変形をより容易にすることができる。
【0141】
固定脚192が家畜の膣内に安定的に固定されるようにすべく、固定脚192は、曲線を有するように構成することができる。例えば、図9(a)及び(b)に示された実施形態のように、固定脚192が放射状に延長されて波のように曲線をなし、固定脚192の端部曲線は固定脚192の出発点と反対方向に延長された曲線をなすように形成することができる。
【0142】
図10(a)及び(b)は、弾性固定部190の他の実施形態を示す図であって、(a)は本体に固定された状態を示し、(b)は弾性固定部190の下部から見た底面図である。締結リング191は、図9(a)及び(b)の実施形態と同様であるが、固定脚192が竜巻状に曲線をなしながら延長されることを特徴とする。図10(b)に示すように、下部に引き込まれた溝192aが固定脚192の延長方向に沿って形成されて固定脚192の柔軟性を高めることができる。以下、子宮センサー100で収集したデータの一例を説明し、本発明の子宮センサー100の差別化される特徴について説明する。
【0143】
図11は、本発明の雌牛に装着された子宮センサー100で収集したデータを視覚化した画像であって、横軸は日付、縦軸は24時間を示す。1コマは1時間を占め、1時間に複数回のデータを収集した場合はその平均値を示した。
【0144】
電気伝導度センサー151で測定される値はms/cm単位で表す。電気伝導度が最高値になったとき、2,000,000ms/cm以上になる。子宮センサー100で収集した電気伝導度の数値は、家畜の種類に応じて異なり得るが、発情期の最高値においてエストロゲン12と黄体形成ホルモン13が最大となり、分泌物に変化が生じて電気伝導度が最高値に達する。
【0145】
図11に示すように、11月16日12時から17日24時まで電気伝導度は最高値に達し、この区間が発情期(約18時間)となる。その他の区間は、電気伝導度が1,000,000ms/cm以下と、発情期とは異なる様相を示す。
【0146】
結果として、電気伝導度の変化は、分泌物内のイオンの濃度、すなわち、ナトリウムと塩素の濃度に関連するため、これをイオン(ナトリウムと塩素)の濃度(ppm)に換算することができる。
【0147】
図12(a)~(d)は本発明の子宮センサー100で収集したセンサーの測定値を示すグラフであって、(a)はイオンの濃度、(b)は電気伝導度、(c)は温度センサー152を利用して家畜の体温を示すグラフであり、(d)は加速度センサー153を利用して家畜の活動量を測定したグラフである。
【0148】
図12(a)及び(b)は電気伝導度センサー151を用いて測定した値を示すグラフであって、縦軸における値のサイズ及び単位は変化したものの、電気伝導度はイオンの濃度に応じて決定されるため2つのグラフの様相は同一に示された。
【0149】
本グラフは、10分間1回ずつ測定した値をグラフとして示したものであり、測定周期は状況及び発情周期に応じて異ならせて調整することができる。
【0150】
また、電気伝導度が基準値以上の数値を一定周期(数分又は数時間)で繰り返し示されるか、又は電気伝導度が基準値以上を特定の割合(例えば、25%以上)で増加する場合を発情期と判断することができる。
【0151】
図12(d)を参照すると、活動量は発情期とは関係なく不規則に現れ、図12(c)に示すように、体温の変化は、発情期20に高くなるものの、大きな変化がなく、発情周期と関連せずに、家畜の身体の状態や外部環境に応じて体温の変化が現れる可能性があるため、体温の変化だけで発情期20を予測するには精度が低下するという問題がある。
【0152】
結果として、子宮センサー100で収集した家畜の生体情報のうち電気伝導度が最も正確な発情期を測定する指標になり得る。基準数値は家畜の種類及び環境に応じて異ならせて設定することができる。
【0153】
制御部120は、電気伝導度センサーで検出された値が所定の基準値(例えば、1,000,000ms/cm)以上になると、中継器200などを介してサーバー300にデータを迅速に送信するように通信モジュール140を制御し、かつサーバー300は、ユーザーに発情期に近い家畜を認知するようにユーザー端末400にアラームを送信することができる。
【0154】
以上で説明したように、本発明の少なくとも一実施形態によると、1回の挿入で家畜の発情到来時までの継続的な測定が可能であり、発情検査のための個々の客体を繰り返し検査する必要がないため、発情検査のための人的資源の浪費を減らすことができる。
【0155】
また、ストリングを引くと容易に子宮から脱去することができるため、家畜に及ぼす影響を最小限に抑えることができ、再使用可能であるため半永久的に使用可能である。
【0156】
尚、従来の方法に比べて、リアルタイムにデータを取得することから、発情時期を正確に検出することができるとともに、体温測定方法などに比べて変化を確実に検出することができるため、正確な発情時期を検出して受精率を向上させることができる。
【0157】
一方、本発明の技術的思想は、上記実施形態に基づいて具体的に記述されているが、上記実施形態は、説明のためのものであり、それを制限するためのものではないことを周知すべきである。また、本発明の技術分野における当業者は、該当技術思想の範囲内で多様な実施形態が可能であることを理解できる。
【符号の説明】
【0158】
100 子宮センサー
111 第1ハウジング
111a 第1サブハウジング
111b 第2サブハウジング
111c 第3サブハウジング
111d 第1ねじ山
112 第2ハウジング
112a ストリング締結部
112d 第2ねじ山
117 防水リング
118 ストリング
120 制御モジュール
121 基板部
123 接続クリップ
130 バッテリー
131 第1電源電極
132 第2電源電極
133 バッテリー収納部
140 通信モジュール
141 アンテナ
150 電気伝導度センサー
1511 第1センサー電極
1512 第2センサー電極
160 温度センサー
153 加速度センサー
180 メモリ
190 弾性固定部
191 締結リング
191a 締結孔
192 固定脚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】