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  • 特開-免疫機能向上用組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022056521
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】免疫機能向上用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/8998 20060101AFI20220404BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20220404BHJP
   A23L 33/125 20160101ALI20220404BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20220404BHJP
   A23L 33/21 20160101ALI20220404BHJP
   A23L 7/10 20160101ALI20220404BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20220404BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220404BHJP
   A61K 31/715 20060101ALI20220404BHJP
   A61K 31/702 20060101ALI20220404BHJP
   A61K 35/744 20150101ALI20220404BHJP
【FI】
A61K36/8998
A23L33/105
A23L33/125
A23L33/135
A23L33/21
A23L7/10 H
A61P37/04
A61P43/00 121
A61K31/715
A61K31/702
A61K35/744
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020164317
(22)【出願日】2020-09-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(72)【発明者】
【氏名】楊 輝
(72)【発明者】
【氏名】森川 琢海
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 晃
(72)【発明者】
【氏名】神谷 智康
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
【テーマコード(参考)】
4B018
4B023
4C086
4C087
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018LE04
4B018LE05
4B018LE06
4B018MD31
4B018MD47
4B018MD49
4B018MD86
4B018ME14
4B018MF02
4B023LC09
4B023LE30
4B023LG05
4B023LK06
4B023LK08
4B023LK18
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA01
4C086EA20
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA34
4C086MA35
4C086MA41
4C086MA43
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4C086ZB09
4C086ZC75
4C087AA01
4C087AA02
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4C087BC64
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4C087MA02
4C087MA34
4C087MA35
4C087MA41
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4C087MA52
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZB09
4C087ZC75
4C088AB73
4C088AC05
4C088CA01
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4C088MA34
4C088MA35
4C088MA41
4C088MA43
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4C088NA05
4C088NA14
4C088ZB09
4C088ZC75
(57)【要約】
【課題】優れた免疫機能向上効果を奏する組成物を提供すること。
【解決手段】大麦若葉、水溶性食物繊維、乳酸菌、及びオリゴ糖を含むことを特徴とする免疫機能向上用組成物であり、好ましくは、水溶性食物繊維、乳酸菌、及びオリゴ糖をそれぞれ少なくとも2種類ずつ含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大麦若葉、水溶性食物繊維、乳酸菌、及びオリゴ糖を含むことを特徴とする免疫機能向上用組成物。
【請求項2】
水溶性食物繊維、乳酸菌、及びオリゴ糖をそれぞれ少なくとも2種類ずつ含むことを特徴とする請求項1に記載の免疫機能向上用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫機能向上用組成物に係り、詳しくは、大麦若葉、水溶性食物繊維、乳酸菌、及びオリゴ糖を含む免疫機能向上用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
身体の免疫機能を正常に保つことは、様々な要因による病気から体を守り、健康を維持するのに重要である。しかしながら、過剰なストレスや生活習慣の乱れから、自律神経のバランスが崩れ、免疫機能が低下する場合がある。
【0003】
免疫機能の向上を目的とする組成物については盛んに研究がなされ、例えば、クスノキ科クロモジの溶媒抽出物を有効成分とする組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-095594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、優れた免疫機能向上効果を奏する組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、免疫機能向上効果のある組成物を探索する中で、大麦若葉、水溶性食物繊維、乳酸菌及びオリゴ糖を組み合わせた組成物が、優れた免疫機能向上効果を奏することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]大麦若葉、水溶性食物繊維、乳酸菌、及びオリゴ糖を含むことを特徴とする免疫機能向上用組成物。
[2]水溶性食物繊維、乳酸菌、及びオリゴ糖をそれぞれ少なくとも2種類ずつ含むことを特徴とする上記[1]に記載の免疫機能向上用組成物。
[3]水溶性食物繊維、乳酸菌、及びオリゴ糖をそれぞれ2種類ずつ含むことを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の免疫機能向上用組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明の組成物は、優れた免疫機能向上効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】被験物質を投与したマウスの糞中のIgA濃度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の免疫機能向上用組成物は、大麦若葉、水溶性食物繊維、乳酸菌、及びオリゴ糖を含有することを特徴とする。本発明の免疫機能向上用組成物は、免疫物質であるIgA抗体を増加させることができることから、日常的に継続して経口摂取することにより、免疫機能の向上を図ることができる。
【0011】
本発明の組成物においては、水溶性食物繊維、乳酸菌及びオリゴ糖をそれぞれ少なくとも2種類ずつ含むことが好ましい。すなわち、本発明の組成物は、例えば、大麦若葉と、水溶性食物繊維A及び水溶性食物繊維Bと、乳酸菌A及び乳酸菌Bと、オリゴ糖A及びオリゴ糖Bとを含むことが好ましい。これにより、より優れた免疫機能向上効果を得ることができる。
【0012】
以下、本発明の組成物に含まれる各素材について説明する。
[大麦若葉]
大麦(Hordeum vulgare L.)は、中央アジア原産とされ、イネ科に属する一年生又は越年生草本であり、穂形により、二条大麦や六条大麦などに大別される。本発明の組成物に用いられる大麦若葉としては、通常入手可能なものであれば特に限定されず、二条大麦や六条大麦などのいずれの品種の大麦若葉を用いてもよい。また、若葉と共に茎を含んでいてもよい。
【0013】
大麦若葉としては、例えば、粉砕物、搾汁、抽出物等を用いることができる。粉砕物としては、乾燥粉末、細片化物及びその乾燥物(乾燥細片化物)、顆粒等を挙げることができる。搾汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末(搾汁末、エキス末)として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することで得ることができ、溶媒としては、例えば、水(温水、熱水)、エタノール、含水エタノールを用いることができる。本発明においては、本発明の効果をより享受できる点から、大麦若葉の乾燥粉末(大麦若葉末)を用いることが特に好ましい。
【0014】
[水溶性食物繊維]
水溶性食物繊維とは、食物に含まれる人の消化酵素によって消化されない難消化成分(食物繊維)のうち、水溶性のものを指す。本発明における水溶性食物繊維としては、特に限定されず、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、グアーガム、グアーガム分解物(グアー豆酵素分解物)、アガロース、グルコマンナン、ポリデキストロース、アルギン酸及びその塩、βグルカン、イヌリン、カラギーナン、フコイダン、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、2種以上組み合わせて用いることが好ましい。本発明においては、本発明の効果をより享受できる点から、難消化性デキストリン及びグアーガム分解物を組み合わせて用いることが好ましい。
【0015】
[乳酸菌]
本発明における乳酸菌とは、代謝により乳酸を産生する細菌類の総称を意味し、ビフィズス菌を含む概念である。乳酸菌としては、例えば、Bifidobacterium属、Lactbacillus属、Enterococcus属、Leuconostoc属、Pediococcus属、Staphylococcus属、Tetragenococcus属、Leuconostoc 属、Pediococcus 属、Staphylococcus 属、Tetragenococcus 属、Bacillus属のものが挙げられる。Bifidobacterium属としては、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium mongoliense、Lactbacillus属としては、Lactbacillus brevis、Lactbacillus gasseri、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus buchneri、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delburvecki、Lactobacillus casei、Lactobacillus crispatus、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus halivaticus、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus plantarum、Lactobacilus paracasei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus salivarius、Lactobacillus sporogenes、Lactobacillus sakei、Lactobacillus fructivorans、Lactobacillus hilgardii、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus fermentum、Enterococcus属としては、Enterococcus faecalis (Streptococcus faecalis と称されることもある)、Enterococcus faesium (Streptococcus faesiumと称されることもある)、Streptococcus 属としては、Streptococcus thermophilus、Lactococcus lactis (Streptococcus lactisと称されることもある)、Leuconostoc 属としては、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc oenos、Pediococcus 属としては、Pediococcus acidilactici、Pediococcus pentosaceus、Staphylococcus 属としては、Staphylococcus carnosus、Staphylococcus xylosus、Tetragenococcus 属としては、Tetragenococcus halophilus、Bacillus属としては、Bacillus coagulans、Bacillus mesentericus等が挙げられる。これらの乳酸菌は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、2種以上組み合わせて用いることが好ましい。乳酸菌の入手方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、ヨーグルトや野菜等の食品から単離された乳酸菌や市販品を用いることができる。
【0016】
乳酸菌としては、例えば、耐熱性、耐酸性、耐糖性、耐塩性などの性質を有するものが好ましく、例えば、有胞子性のものや、糖質、タンパク質、樹脂等でコートされたものが好ましい。本発明の効果をより享受できる点から、有胞子性乳酸菌及びコートされた乳酸菌を組み合わせて用いることが特に好ましい。有胞子性乳酸菌としては、Bacillus属のものが好ましく、特にBacillus coagulansが好ましく、コートされた乳酸菌としては、Enterococcus 属のものが好ましく、特にEnterococcus faecalis(Streptococcus faecalis)が好ましい。
【0017】
[オリゴ糖]
本発明におけるオリゴ糖とは、少糖類を指し、二~二十個の糖がグリコシド結合してなる化合物をいう。本発明で使用できるオリゴ糖としては、例えば、乳果オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖などの難消化性オリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ラクツロース、ラクチトール、ラフィノースなどの消化性オリゴ糖を挙げることができるが、これらに限定されない。オリゴ糖の構成糖数としては、三糖以上十八糖以下であることが好ましく、三糖以上十四糖以下であることがより好ましく、三糖以上十糖以下であることがさらに好ましく、三糖以上七糖以下であることが特に好ましい。なお、本発明の効果をより享受できる点から、2種以上のオリゴ糖を組み合わせることが好ましく、難消化性オリゴ糖と消化性オリゴ糖とを組み合わせることがより好ましく、特に、フラクトオリゴ糖とイソマルトオリゴ糖とを組み合わせることが好ましい。難消化性オリゴ糖の生理機能として、ヒトの消化酵素で分解されずに、大腸に到達し、腸内ビフィズス菌の活性化や増殖に寄与し、腸内環境を改善する効果などがあり、消化性オリゴ糖の生理機能として、ヒトの消化酵素で分解され、胃や小腸で吸収されてエネルギー源となる効果がある。
【0018】
大麦若葉とそれ以外の3成分(3成分の合計)との配合質量比としては、例えば、1:30~0.001であり、1:20~0.01であることが好ましく、1:10~0.1であることがより好ましい。
【0019】
また、大麦若葉以外の3成分同士の配合質量比としては、例えば、水溶性食物繊維と乳酸菌は、例えば、1:15~0.00005であり、1:10~0.0005であることが好ましく、1:5~0.005であることがより好ましい。また、水溶性食物繊維とオリゴ糖は、例えば、1:20~0.001であり、1:15~0.01であることが好ましく、1:10~0.1であることがより好ましい。さらに、乳酸菌とオリゴ糖は、例えば、1:50~0.001であり、1:40~0.01であることが好ましく、1:30~0.1であることがより好ましい。
【0020】
本発明の免疫機能向上用組成物は、例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品や、医薬品(医薬部外品を含む)として用いることができる。なお、本発明における免疫機能の向上とは、免疫機能の低下抑制(維持)を含む概念である。
【0021】
本発明の免疫機能向上用組成物は、本発明の素材を含有し、免疫機能の維持及び/又は向上のために用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物(広告媒体)のいずれかに、免疫機能の維持及び/又は向上効果がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。なお、本発明の免疫機能向上用組成物は、製品の包装等に、本発明の素材が有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよい。また、一般的な食品であっても、用途を示唆して製造販売されるものは本発明の範囲に含まれる。
【0022】
本発明の免疫機能向上用組成物としては、具体的に、「免疫機能の維持に役立つ」、「免疫力を高める」、「免疫力をアップする」、「免疫力強化」、「防御力を維持する」、「防御力を高める」、「防御力をアップさせる」、「防御力を強化する」、「守る力を維持する」、「守る力を高める」、「守る力をアップさせる」、「守る力を強化する」等を表示したいわゆる健康食品を例示することができる。
【0023】
本発明の組成物の形態としては、例えば、錠状、カプセル状、粉末状、顆粒状、液状、粒状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、ペースト状、クリーム状、カプレット状、ゲル状、ゼリー状、チュアブル状、スティック状等を挙げることができる。これらの中でも、本発明の効果をより享受できる点から、錠状、カプセル状、粉末状、顆粒状、液状、ゼリー状の形態が好ましい。具体的には、サプリメントや、ペットボトル、缶、瓶等に充填された容器詰飲料や、水(湯)、牛乳、果汁、青汁等に溶解して飲むためのインスタント飲料(粉末飲料)、ゼリー状の飲食品を例示することができる。これらは食事の際などに手軽に飲用しやすく、また嗜好性を高めることができるという点で好ましい。
【0024】
本発明の組成物は、必要に応じて、上記以外の他の成分を添加して、混合等の公知の方法によって製造することができる。他の成分としては、例えば、水溶性ビタミン(ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B12、B13、B15、B17、ビオチン、コリン、葉酸、イノシトール、PABA、ビタミンC、ビタミンP)、油溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)等のビタミン類;カルシウム、マグネシウム、リン等のミネラル類;タウリン、ニンニク等に含まれる含硫化合物;ヘスペリジン、ケルセチン等のフラバノイド或いはフラボノイド類;コラーゲン等のタンパク質;ペプチド;アミノ酸;動物性油脂;植物性油脂;動物・植物の粉砕物又は抽出物等を挙げることができる。
【実施例0025】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
本発明の組成物をマウスへ経口投与し、免疫物質であるIgAの産生促進作用を糞中の濃度を測定して評価した。
【0026】
(1)実験動物及び飼育方法
4週齢の雄性ICR系マウスを馴化後、体重値に基づいて6群に群分けした。馴化期間中は、MF粉末飼料を自由摂取させた。
【0027】
(2)被験物質の投与方法
試験期間中は、各群に対応した混餌粉末飼料を自由摂取させた。飼料は、MF粉末飼料と被験物質を下記表1の配合量で混合調製した。試験開始1週間目に24時間分の糞便を回収し、回収した糞中のIgA濃度を測定した。
【0028】
【表1】
【0029】
大麦については、若葉の乾燥粉砕末(株式会社東洋新薬製)を用いた。具体的には、生の若葉を洗浄後、裁断し、ブランチング後に乾燥して粉砕した目開き1mm以下の篩を通過した乾燥粉砕末を用いた。
水溶性食物繊維については、市販の難消化性デキストリン及びグアーガム分解物を用いた。具体的には、難消化性デキストリンは、タピオカでん粉を原料とし、酵素―液クロ法で測定した食物繊維量が38-45%であるものを用い、グアーガム分解物は、グアー豆の胚乳部を原料とし、AOAC法で測定した食物繊維量が70%以上のものを用いた。
乳酸菌については、市販の有胞子乳酸菌(Bacillus coagulans)及びStreptococcus faecalisを用いた。具体的には、有胞子乳酸菌(Bacillus coagulans)は、乳酸桿菌胞子数が60億個以上/gの乾燥菌体を用い、Streptococcus faecalisは、糖質とタンパク質で腸溶性のコーティングがされた耐酸性の、5.0×1010CFU/gの乾燥菌体を用いた。
オリゴ糖については、市販のフラクトオリゴ糖及びイソマルトオリゴ糖を用いた。
【0030】
図1に、被験物質を投与したマウスの糞中のIgA濃度を、コントロール群を100%とした相対値で示す。
図1に示すように、実施例1の飼料は、コントロール群(比較例1)、大麦若葉末群(比較例2)、水溶性食物繊維群(比較例3)、乳酸菌群(比較例4)及びオリゴ糖群(比較例5)に比べて、糞中IgA濃度の増加が確認された。この実施例1の増加量は、比較例2~5の増加量の合算の2倍以上であり、非常に顕著な増加であることがわかる。すなわち、大麦若葉末、水溶性食物繊維、乳酸菌及びオリゴ糖を組み合わせることにより、非常に優れたIgA産生促進作用を得られることが明らかとなった。よって、本発明の組成物を摂取することで免疫機能の向上を図ることができる。
【0031】
[実施例2](錠剤の製造)
下記成分からなる錠剤1粒(300mg)を製造した。本錠剤は、本発明の効果を奏するものであった。
大麦若葉 2質量%
水溶性食物繊維
難消化性デキストリン 30質量%
グアーガム分解物 10質量%
乳酸菌
Bacillus coagulans 0.01質量%
Streptococcus faecalis 0.01質量%
オリゴ糖
フラクトオリゴ糖 10質量%
イソマルトオリゴ糖 10質量%
シェラック 0.2質量%
還元麦芽糖 残部
【0032】
[実施例3](顆粒剤の製造)
下記成分からなる顆粒剤1包(3000mg)を製造した。本顆粒剤は、本発明の効果を奏するものであった。
大麦若葉 50質量%
水溶性食物繊維
難消化性デキストリン 15質量%
グアーガム分解物 5質量%
乳酸菌
Bacillus coagulans 0.2質量%
Streptococcus faecalis 0.2質量%
オリゴ糖
フラクトオリゴ糖 8質量%
イソマルトオリゴ糖 2質量%
還元麦芽糖 残部
【0033】
[実施例4](ゼリーの製造)
下記成分からなるゼリー1包(150g)を製造した。本ゼリーは、本発明の効果を奏するものであった。
大麦若葉 20質量%
水溶性食物繊維
難消化性デキストリン 3質量%
グアーガム分解物 2質量%
乳酸菌
Bacillus coagulans 1.8質量%
Streptococcus faecalis 0.2質量%
オリゴ糖
フラクトオリゴ糖 0.1質量%
イソマルトオリゴ糖 0.9質量%
ビタミン類 0.01質量%
アミノ酸類 5質量%
酸味料 0.001質量%
液状デキストリン 25質量%
果糖ぶどう糖液糖 10質量%
ゲル化剤(増粘多糖類) 5質量%
水 残部
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の免疫機能向上用組成物は、免疫機能を向上する効果を有し、健康食品等として用いることができることから、産業上の有用性は高い。

図1
【手続補正書】
【提出日】2021-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大麦若葉、水溶性食物繊維、乳酸菌、及びオリゴ糖を含む免疫機能向上用経口組成物であって、
前記水溶性食物繊維が、難消化性デキストリン及びグアーガム分解物を含み、
前記乳酸菌が、有胞子性のBacillus coagulans、及び糖質及びタンパク質でコートされたStreptococcus faecalisを含み、
前記オリゴ糖が、フラクトオリゴ糖及びイソマルトオリゴ糖を含む
ことを特徴とする免疫機能向上用経口組成物。