(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022056659
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】照明システムおよび照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/125 20200101AFI20220404BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20220404BHJP
【FI】
H05B47/125
H05B47/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020164521
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水谷 有輝
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA29
3K273QA39
3K273RA11
3K273RA13
3K273RA16
3K273SA21
3K273SA35
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA23
3K273TA28
3K273TA29
3K273TA41
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA66
3K273UA15
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】設定作業の負担を軽減させることができる照明システムおよび照明装置を提供する。
【解決手段】照明システムは、複数の照明器具と、カメラと、設定部とを具備する。カメラは、複数の照明器具を順次点灯させる設定指示に基づいて順次点灯する照明器具による光を受ける領域を撮影する。設定部は、カメラが撮影した画像の画素値に基づいて複数の照明器具が属するグループをそれぞれ設定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明器具と;
前記複数の照明器具を順次点灯させる設定指示に基づいて順次点灯する前記照明器具による光を受ける領域を撮影するカメラと;
前記カメラが撮影した画像の画素値に基づいて前記複数の照明器具が属するグループをそれぞれ設定する設定部と;
を具備する照明システム。
【請求項2】
前記照明器具の点灯に応じた前記画像の画素値に基づいて前記照明器具の配置方向を推定する推定部;
を具備し、
前記設定部は、前記配置方向に基づいて前記複数の照明器具が属するグループをそれぞれ設定する請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記設定部が設定した前記グループに属する前記照明器具に対する動作指示を示す指示情報を送信する送信部と;
前記送信部が送信した前記指示情報を記憶する記憶部と;
を具備する請求項1または2に記載の照明システム。
【請求項4】
自装置と相互に通信可能な他の照明装置から送信された情報を取得する取得部;
を具備し、
前記記憶部は、前記取得部が取得した前記情報を記憶する
請求項3に記載の照明システム。
【請求項5】
前記送信部は、対象物が所定の位置を通過した場合に、前記所定の位置を照明する照明器具が属する前記グループに対し、前記照明器具の消灯を指示する指示情報を送信する
請求項4に記載の照明システム。
【請求項6】
照明ユニットと;
複数の照明器具を順次点灯させる設定指示に基づいて順次点灯する前記照明器具による光を受ける領域を撮影するカメラと;
前記カメラが撮影した画像の画素値に基づいて前記複数の照明器具が属するグループをそれぞれ設定する設定部と;
を具備する照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明システムおよび照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人感センサにより予測した人の移動方向に応じて、複数の照明器具をグループごとに制御する照明システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような照明システムでは、複数の照明器具をグループにそれぞれ割り当てる設定作業の負担軽減が求められている。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、設定作業の負担を軽減させることができる照明システムおよび照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る照明システムは、複数の照明器具と、カメラと、設定部とを具備する。カメラは、複数の照明器具を順次点灯させる設定指示に基づいて順次点灯する照明器具による光を受ける領域を撮影する。設定部は、カメラが撮影した画像の画素値に基づいて複数の照明器具が属するグループをそれぞれ設定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、設定作業の負担を軽減させることができる照明システムおよび照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る照明システムの概要を示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る照明装置の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る照明装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、接続機器情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、推定処理の一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、グループが登録された接続機器情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る照明システムを制御する照明装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、領域情報に基づいて区画された複数の領域の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、画像に映り込む対象物画像の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る照明装置が実行する制御処理の一例を説明する図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る照明装置が実行する制御処理の他の例を説明する図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る照明システムの応用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態に係る照明システムおよび照明装置を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する照明システムおよび照明装置は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。
【0010】
以下に説明する実施形態に係る照明システム100は、複数の照明器具1Aと、カメラ21と、設定部44とを具備する。カメラ21は、複数の照明器具1Aを順次点灯させる設定指示に基づいて順次点灯する照明器具1Aによる光を受ける領域を撮影する。設定部44は、カメラ21が撮影した画像の画素値に基づいて複数の照明器具1Aが属するグループをそれぞれ設定する。
【0011】
以下に説明する実施形態に係る照明システム100は、推定部43を具備する。推定部43は、照明器具1Aの点灯に応じた画像の画素値に基づいて照明器具1Aの配置方向を推定する。設定部44は、配置方向に基づいて複数の照明器具1Aが属するグループをそれぞれ設定する。
【0012】
以下に説明する実施形態に係る照明システム100は、送信部(通信部10)と記憶部60とを具備する。送信部は、設定部44が設定したグループに属する照明器具1Aに対する動作指示を示す指示情報を送信する。記憶部60は、送信部が送信した指示情報65を記憶する。
【0013】
以下に説明する実施形態に係る照明システム100は、取得部(通信部10)を具備する。取得部は、自装置と相互に通信可能な他の照明装置1から送信された情報を取得する。記憶部60は、取得部が取得した情報を記憶する。
【0014】
以下に説明する実施形態に係る送信部(通信部10)は、対象物3が所定の位置を通過した場合に、所定の位置を照明する照明器具1Aが属するグループに対し、照明器具1Aの消灯を指示する指示情報を送信する。
【0015】
以下に説明する実施形態に係る照明装置1は、照明ユニット30と、カメラ21と、設定部44とを具備する。カメラ21は、複数の照明器具1Aを順次点灯させる設定指示に基づいて順次点灯する照明器具1Aによる光を受ける領域を撮影する。設定部44は、カメラ21が撮影した画像の画素値に基づいて複数の照明器具1Aが属するグループをそれぞれ設定する。
【0016】
[実施形態]
[照明システム]
まず、
図1を用いて、実施形態に係る照明システム100の適用例を説明する。
図1は、実施形態に係る照明システムの概要を示す説明図である。
【0017】
図1に示す照明システム100は、照明装置1と、照明装置1と相互に通信可能な複数の照明器具1Aとを備える。照明装置1、照明器具1Aは、例えば、廊下などの通路2の天井に設置され、点灯により通路2の床面を照明する照明器具である。また、照明装置1は、自装置の周囲を撮影するカメラを有する。照明装置1は、照明器具1Aに対する動作指示の送信により、照明器具1Aを制御する制御装置である。一方、照明器具1Aは、照明装置1から送信された動作指示に応じて点灯または消灯する光源を有している。
【0018】
図1に示す通路2は、分岐部P0を有しており、分岐部P0を起点として複数の方向に延びている。また、照明装置1は、分岐部P0に取り付けられ、照明器具1Aは、分岐部P0以外の部分に取り付けられる。ここで、照明装置1について、
図2を用いて説明する。
【0019】
図2は、実施形態に係る照明装置の一例を示す斜視図である。実施形態に係る照明装置1は、天井直付けタイプの照明装置であり、いわゆるベースライトである。
図2に示す例において、照明装置1は、カメラユニット20と照明ユニット30とを有する。なお、照明装置1は、ベースライトに限られず、シーリングライトやダウンライト、スポットライトなどであってもよい。
【0020】
カメラユニット20は、照明ユニット30から照射された光を直接受ける領域、または照明ユニット30から照射された光が他の部分(壁や床、物体など)で反射した光を受ける領域、を撮影する撮影装置である。本実施形態においては、カメラユニット20は、所定範囲の通路2、具体的には、分岐部P0を撮影する撮影装置である。照明ユニット30は、光源の点灯により所定範囲の通路2を照明する照明装置である。なお、カメラユニット20が撮影する範囲と、照明ユニット30が照明する範囲は一致しなくてもよい。また、カメラユニット20は照明ユニット30と一体に配設されていなくてもよく、カメラユニット20と照明ユニット30との間に空間を設けて配設されてもよい。
【0021】
図1に示した照明システム100は、複数の照明器具1Aを順次点灯させて、各照明器具1Aが点灯した際に、照明装置1の周囲をカメラユニット20が撮影する。このとき、カメラユニット20は各照明器具1Aの点灯動作と連動して撮影してもよいし、最初に点灯する照明器具1Aが点灯してから、最後に点灯する照明器具1Aが消灯するまでを撮影し続けてもよい。照明システム100は、カメラユニット20が撮影した画像を処理した処理画像41aから照明器具1Aの配置方向を推定し、複数の照明器具1Aが属するグループ(例えば、グループG1~G4)をそれぞれ設定する。このように、照明システム100によれば、設定作業の負担を軽減させることができる。以下、実施形態に係る照明装置1について、詳細に説明する。
【0022】
[照明装置の構成]
次に、照明装置1の構成例について説明する。
図3は、実施形態に係る照明装置の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、照明装置1は、通信部10と、カメラユニット20と、照明ユニット30と、画像処理ユニット40と、制御ユニット50と、記憶部60とを有する。なお照明器具1Aは、少なくとも通信部10、照明ユニット30、制御ユニット50を備えている。照明器具1Aは、カメラユニット20、画像処理ユニット40、記憶部60は備えていても、備えていなくてもよい。
【0023】
通信部10は、照明器具1Aとの間で情報の送受信をそれぞれ行う。通信部10は、例えば、所定の通信回路またはNIC(Network Interface Card)等によって実現される。照明装置1と照明器具1Aとの通信方式は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)などの無線通信であってよい。なお、照明装置1と照明器具1Aとの通信方式は、任意の通信方式であってよく、例えば、有線通信、赤外線通信等であってもよい。
【0024】
通信部10は、照明器具1Aがそれぞれ発信する発信情報を取得する。通信部10が取得する発信情報は、例えば、照明装置1に接続された機器である複数の照明器具1Aに付与された識別情報(例えば、Macアドレス)を含む。また、通信部10は、照明装置1の動作指示に関する指示情報を取得してもよい。通信部10は、取得部の一例である。
【0025】
また、照明システム100が複数の照明装置1を有する場合、通信部10は、自装置である照明装置1に接続された他の照明装置1が送信する情報を取得する。通信部10が他の照明装置1から取得する情報は、例えば、他の照明装置1に接続された機器である複数の照明装置1に付与された識別情報(例えば、Macアドレス)を含む。
【0026】
また、通信部10は、制御ユニット50が受け付けた指示に応じて、複数の照明器具1A(および他の照明装置1)に対し、グループ設定処理の開始を指示する設定指示を送信する。通信部10は、例えば、複数の照明器具1Aに対し、所定の順序で順次点灯させる設定指示を送信する。照明器具1Aを点灯させる順序は、例えば、識別情報、あるいは、照明器具1Aがそれぞれ発信する発信情報を受信する強度、に基づいて決定してもよい。通信部10は、送信部の一例である。
【0027】
カメラユニット20は、カメラ21と、カメラ制御部22と、記憶部23とを有する。カメラ21は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)など、電子的に画像を取得する撮像素子を備え、所定の画角を撮影してデータを生成する。なお、カメラユニット20で生成されるデータは、静止画データであっても、動画データであってもよい。
【0028】
カメラ制御部22は、カメラ21による撮影を制御する。また、カメラ制御部22は、カメラ21の撮影により生成した画像データを画像処理ユニット40に出力する。
【0029】
記憶部23は、カメラユニット20の各種制御を実現するためのプログラムやデータを記憶する。記憶部23は、カメラ21が撮影した画像、またはカメラ21の撮影により生成した画像データを記憶してもよい。記憶部23は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実装される。なお、この記憶部23は、後述する記憶部60に設けられていてもよい。
【0030】
照明ユニット30は、光源31と、照明制御部32とを有する。光源31は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の半導体発光素子を有する。光源31は、照明制御部32から出力された制御信号に応じた態様で点灯または消灯する。
【0031】
照明制御部32は、光源31の点灯および消灯を制御する。照明制御部32は、通信部10が取得した情報に基づく制御信号を出力し、消灯する光源31を点灯し、あるいは点灯する光源を消灯する。光源31の調光が可能な照明ユニット30の場合、照明制御部32は、光源31の調光度を制御してもよい。
【0032】
なお、照明ユニット30は記憶部33を備えていてもよく、この場合、記憶部33は、例えば、照明ユニット30の各種制御を実現するためのプログラムやデータを記憶する。記憶部33は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実装される。なお、この記憶部33は、後述する記憶部60に設けられていてもよい。
【0033】
記憶部60は、画像処理ユニット40および制御ユニット50の各種制御を実現するためのプログラムを記憶する。記憶部60は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部60には、接続機器情報61、システム制御情報62が記憶される。
【0034】
接続機器情報61は、照明装置1に接続された機器である複数の照明器具1Aに関する情報である。
図4は、接続機器情報の一例を示す図である。
【0035】
図4に示すように、接続機器情報61には、例えば、「Macアドレス」、「番号」、「強度」が含まれる。「Macアドレス」は、照明装置1に接続されている複数の照明器具1Aを識別するための識別情報を示す。「番号」は、装置間の通信に割り当てられたチャンネル番号を示す。「強度」は、例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator)であり、照明器具1Aがそれぞれ発信する発信情報を受信する強度を示す。なお、接続機器情報61には、自装置である照明装置1の機器情報が含まれてもよい。
【0036】
また、接続機器情報61には、「グループ」が含まれてもよい。「グループ」は、照明器具1Aが属するグループを示し、例えば、点灯または消灯などの制御を一括して実行させる単位である。例えば、グループが設定されていない場合、各照明器具1Aの「グループ」には、「未設定」であることを示す情報が対応付けられている。
【0037】
システム制御情報62には、例えば、照明システム100の制御に関する情報が記憶されている。システム制御情報62およびシステム制御情報62に基づく照明システム100の制御の詳細については、後述する。
【0038】
画像処理ユニット40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、内部メモリに記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、画像処理ユニット40は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現することができる。
【0039】
画像処理ユニット40は、カメラユニット20で撮影された画像を処理する。画像処理ユニット40は、設定処理ユニット41とシステム制御ユニット45とを有している。
【0040】
設定処理ユニット41は、生成部42と、推定部43と、設定部44とを有する。
【0041】
生成部42は、カメラユニット20で撮影された画像を処理し、照明器具1Aの点灯による明るさの変化を示す処理画像を生成する。例えば、生成部42は、画像の画素値に基づいて処理画像を生成する。ここでの画素値とは、画像に含まれる各画素の明るさや色などを表す値であり、カメラユニット20で撮影される環境が変化(撮影対象が変化した、明るさが変化した、など)した場合には、画素値は変動する。
【0042】
図5は、処理画像の一例を示す説明図である。処理画像41aは、例えば、カメラ21の撮像範囲における輝度分布の変化を視覚的に示した画像である。
図5に示すように、処理画像41aは、第1部分45aと第2部分45bとを有する。
【0043】
第1部分45aは、例えば、照明器具1Aの点灯による明るさの変化が所定の閾値以下である部分である。第2部分45bは、例えば、照明器具1Aの点灯による明るさの変化が所定の閾値を超える部分である。
図5に示した例では、照明器具1Aの点灯により、方向D1~D4のうち、方向D1側が他の部分と比較して明るくなる様子が模式的に図示されている。
【0044】
推定部43は、照明器具1Aの配置方向を推定する。推定部43は、生成部42が生成した処理画像41aに基づいて照明器具1Aの配置方向を推定する。
図5に示した例では、推定部43は、方向D1~D4のうち、方向D1側に照明器具1Aが位置すると推定することができる。また、推定部43は、照明装置1を基準とした照明器具1Aの配列順序を推定してもよい。照明器具1Aの配列順序は、例えば、接続機器情報61に含まれる「強度」(
図4参照)に基づいて推定してもよく、カメラユニット20で撮影された画像または生成部42が生成した処理画像41aに基づいて推定してもよい。なお、推定部43が推定する照明器具1Aの配置方向は、
図5に示す方向D1~D4に限られない。例えば、照明器具1Aが配置される通路2(
図1参照)の形状等に応じて変更可能であってもよい。
【0045】
設定部44は、照明器具1Aが属するグループを設定する。例えば、推定部43によって推定された配置方向が同じ照明器具1Aを1つのグループとして設定することができる。また、配置方向が同じ複数の照明器具1Aを、推定部43が推定した照明器具1Aの配列順序に応じていくつかのグループに細分化してもよい。
【0046】
また、設定部44は、記憶部60に記憶された接続機器情報61を更新する。
図6は、グループが登録された接続機器情報の一例を示す図である。
図6に示すように、設定部44は、設定した照明器具1Aが属するグループを、Macアドレスに対応付けて登録し、接続機器情報61を更新する。
【0047】
制御ユニット50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、内部メモリに記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御ユニット50は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現することができる。
【0048】
制御ユニット50は、例えば、端末装置(不図示)やサーバ(不図示)等の外部装置からグループの設定開始に関する指示を受け付ける。制御ユニット50は、受け付けた指示に応じた制御を実行する。
【0049】
制御ユニット50は、照明装置1に接続されている複数の照明器具1Aに対する動作指示を行う。制御ユニット50は、複数の照明器具1Aが発信した各種情報を受け取る。また、制御ユニット50は、照明装置1のカメラユニット20および/または照明ユニット30に対する動作指示を行う。また、照明システム100が複数の照明装置1を有する場合、制御ユニット50は、自装置である照明装置1に接続されている他の照明装置1に対する動作指示を行う。制御ユニット50は、他の照明装置1が発信した各種情報を受け取る。
【0050】
制御ユニット50は、通信部10が照明器具1Aから取得した発信情報を記憶部60に記憶させる。また、制御ユニット50は、照明装置1の動作指示に関する指示情報を記憶部60に記憶させてもよい。
【0051】
また、照明システム100が複数の照明装置1を有する場合、制御ユニット50は、通信部10が他の照明装置1から取得した情報を記憶部60に記憶させる。
【0052】
制御ユニット50は、制御ユニット50が受け付けた指示に応じて、複数の照明器具1A(および他の照明装置1)に対し、グループ設定処理の開始を指示する設定指示を、通信部10を介して送信させる。制御ユニット50は、例えば、複数の照明器具1Aに対し、所定の順序で順次点灯させる設定指示を、通信部10を介して送信させる。照明器具1Aを点灯させる順序は、例えば、識別情報、あるいは、照明器具1Aがそれぞれ発信する発信情報を受信する強度、に基づいて決定してもよい。
【0053】
また、制御ユニット50は、照明装置1の照明ユニット30に対する制御信号を出力する。制御ユニット50は、照明装置1のカメラユニット20に対する制御信号を出力する。カメラユニット20に対する制御信号を出力することにより、照明装置1は、グループの設定処理における照明器具1Aの点灯と撮影とを同期させることができる。
【0054】
このように、実施形態に係る照明装置1は、識別情報がそれぞれ付与された複数の照明器具1Aを順次点灯させるとともに、複数の照明器具1Aが順次点灯する都度、照明器具1Aによる光を受ける領域をカメラ21が撮影した画像を取得して照明器具1Aの配置方向を推定し、推定した照明器具1Aの配置方向に基づいて照明器具1Aが属するグループを設定する。これにより、設定作業の負担を軽減させることができる。
【0055】
[照明システムの制御例]
照明装置1は、上記した設定処理によりグループのいずれかに属するようにそれぞれ設定された複数の照明器具1Aを備える照明システム100の制御に用いてもよい。
図7は、実施形態に係る照明システムを制御する照明装置の構成を示すブロック図である。
【0056】
図7に示すように、照明装置1は、通信部10と、カメラユニット20と、照明ユニット30と、画像処理ユニット40と、制御ユニット50と、記憶部60とを有している。
【0057】
画像処理ユニット40は、上記したグループ設定に用いられる設定処理ユニット41と、システム制御ユニット45とを有する。照明装置1による照明システム100の制御には、記憶部60に記憶された接続機器情報61およびシステム制御情報62を参照し、主としてシステム制御ユニット45および制御ユニット50が用いられる。
【0058】
システム制御情報62には、領域情報63、動作情報64、指示情報65が記憶される。
【0059】
領域情報63は、システム制御ユニット45の後述する区画部46で区画する複数の領域の位置および範囲に関する情報である。領域情報63は、例えば、カメラユニット20が有するカメラ21の撮影対象となる通路2(
図1参照)の座標に関する情報を含んでもよい。区画部46は、領域情報63に基づいて、カメラ21で撮影された画像24を、複数の領域に区画することができる。ここで、領域情報63に基づいて区画された複数の領域について、
図8を用いて説明する。
【0060】
図8は、領域情報に基づいて区画された複数の領域の一例を示す図である。
図8は、例えば、カメラユニット20で生成された画像データである。
図8では、画像24を4分割した部分24a~24dのうち、隣り合う2つの部分を1つの領域とする4つの領域R01~R04に区画している。具体的には、区画部46は、部分24a,24bからなる領域R01と、部分24c,24dからなる領域R02と、部分24a,24dからなる領域R03と、部分24b,24cからなる領域R04とに画像24を区画する。なお、区画部46が区画する領域の数、配置および形状は、図示した例に限られない。例えば、照明装置1が設置された通路2の分岐部P0(
図1参照)を起点として延びる経路の数に応じて画像24を区画してもよい。また、画像24は、複数の領域のいずれにも属しない部分を有してもよい。
【0061】
動作情報64は、照明装置1に接続されている照明器具1Aに対する動作指示に関する情報である。
図9は、動作情報の一例を示す図である。
【0062】
図9に示すように、動作情報64は、対象物3が映り込んでいると後述する抽出部47が特定した「領域」、後述する判別部48が判別した対象物3の「移動方向」および照明器具1Aに対する「動作指示」を対応付けたものである。
【0063】
指示情報65は、複数の照明器具1A、または複数の照明器具1Aが属するグループに対する動作指示を示す情報である。照明装置1は、照明器具1Aに対する動作指示を送信するとともに、記憶部60に指示情報65を記憶させる。なお、指示情報65は、接続機器情報61と対応付けて記憶部60に記憶させてもよい。
【0064】
画像処理ユニット40のシステム制御ユニット45は、区画部46と、抽出部47と、判別部48と、決定部49とを有する。
【0065】
区画部46は、カメラ21で撮影された画像を、複数の領域に区画する。区画部46は、記憶部60に記憶された領域情報63に基づいて画像24を区画する(
図8参照)。
【0066】
抽出部47は、カメラ21で撮影された画像24に映り込む対象物を抽出する。抽出部47は、例えば、カメラユニット20からの入力画像を画像処理した結果に基づき、画像24に映り込む対象物を認識する。抽出部47は、認識部の一例である。抽出部47による対象物の認識処理には、任意の画像認識処理を適用することができる。抽出部47は、例えば、エッジAI(Artificial Intelligence)などの学習モデルを利用して対象物を認識してもよい。かかるエッジAIは、例えば、照明装置1に内蔵されていてもよく、照明装置1または照明システム100に接続されたエッジサーバが備えていてもよい。
【0067】
抽出部47が認識する対象物は、例えば、通路2を移動する人および動物である。また、対象物は、通路2を自律的に移動するロボットその他の移動体を含んでもよい。
【0068】
また、抽出部47は、区画部46が処理した複数の領域のうち、認識部としての抽出部47が認識した対象物が映り込む領域を特定する。抽出部47は、特定部の一例である。抽出部47は、対象物と特定された部分の全面積のうち50%超、例えば、75%以上が位置する領域を、対象物が映り込む領域と特定する。
【0069】
なお、抽出部47は、複数の領域を特定してもよい。例えば、
図8に示す画像24の部分24aに対象物が映り込んでいる場合、抽出部47は、領域R01,R03に対象物が映り込んでいると特定することができる。
【0070】
図10は、画像に映り込む対象物画像の一例を示す図である。
図10に示すように、画像24には、通路2の分岐部P0(
図1参照)を移動する照射対象物としての対象物を撮影した対象物画像3Aが含まれており、抽出部47は、対象物画像3Aの有無に基づいて画像24に映り込む対象物を認識する。
【0071】
また、抽出部47は、対象物が、画像24の領域R01~R04のうち、どの領域に映り込んでいるかを特定する。
図10に示す例では、対象物画像3Aは、領域R01に位置している。このため、抽出部47は、対象物が領域R01に映り込んでいると特定する。
【0072】
判別部48は、抽出部47が認識した対象物の方向を判別する。ここでの対象物3の方向とは、例えば、対象物の向きであったり、対象物の移動方向であったりする。対象物の向きや移動方向は、画像に映り込む対象物のベクトルに基づいて判別することができる。判別部48による移動方向の判別処理には、任意の画像認識処理を適用することができる。例えば、1枚の画像ないし時間を空けて撮影した複数の画像から対象物のベクトルを推定することで対象物の向きや移動方向を推定してもよいし、対象物の体のパーツ(顔、体、手、足など)の向きから対象物のベクトルを推定することで対象物の向きや移動方向を推定してもよい。また、判別部48は、例えば、エッジAIなどの学習モデルを利用して対象物の移動方向を判別してもよい。かかるエッジAIは、例えば、照明装置1に内蔵されていてもよく、照明装置1に接続されたエッジサーバが備えていてもよい。
【0073】
図10に示す例では、判別部48は、対象物の移動方向が、方向D01~D04のうち、いずれに該当するかを判別する。ここで、方向D01は、
図1に示すグループG1に属する照明器具1Aが配置された経路に向かう第1方向である。同様に、方向D02は、グループG2に属する照明器具1Aが配置された経路に向かう第2方向である。方向D03は、グループG3に属する照明器具1Aが配置された経路に向かう第3方向である。方向D04は、グループG4に属する照明器具1Aが配置された経路に向かう第4方向である。このように、判別部48は、グループG1~G4に対応付けて方向D01~D04を判別することができる。
【0074】
決定部49は、照明装置1に接続されている照明器具1Aに対する動作指示を決定する。決定部49は、例えば、対象物が映り込んでいると抽出部47が特定した領域と、判別部48が判別した対象物の移動方向との組に対応付けられた照明器具1Aに対する動作指示を決定する。決定部49は、記憶部60に予め記憶された動作情報64(
図7、
図9参照)に基づいて動作指示を決定することができる。なお、決定部49は、動作情報64により学習されており、決定部49が動作指示を判断してもよい。
【0075】
例えば、「領域」がR01、「移動方向」がD01のとき、決定部49は、グループG1に対し、照明器具1Aを点灯する「動作指示」を行うと決定する。同様に、「領域」がR2、「移動方向」がD02のとき、決定部49は、グループG2に対し、照明器具1Aを点灯する「動作指示」を行うと決定する。
【0076】
このように、決定部49は、対象物の移動方向だけではなく、さらに対象物が位置する領域に応じて照明器具1Aに対する動作指示を決定してもよい。これにより、対象物の移動に応じて照明器具1Aをより的確に点灯させることができる。例えば、領域R02に位置する対象物の移動方向で動作指示を決定した場合、領域R01で決定するときと比べて対象物が進行方向を変更する可能性が高いため、動作指示を決定した方向に対象物が向かわないケースが存在する。
【0077】
なお、
図9に示した例では、「動作指示」は照明器具1Aの点灯指示であるとして説明したが、これに限らず、消灯指示を含んでもよい。また、「動作指示」が、自装置である照明装置1が有する照明ユニット30の点灯、消灯、または調光率の変更に関する制御指示を含んでもよい。
【0078】
制御ユニット50は、照明装置1に接続されている複数の照明器具1Aに対する動作指示を行う。制御ユニット50は、照明装置1のカメラユニット20および/または照明ユニット30に対する動作指示を行う。
【0079】
制御ユニット50は、照明器具1Aから取得した発信情報を記憶部60に記憶させる。また、制御ユニット50は、照明装置1の動作指示に関する指示情報を記憶部60に記憶させてもよい。
【0080】
制御ユニット50は、照明器具1Aに対する動作指示を示す指示情報65を、通信部10を介して送信させる。また、制御ユニット50は、照明装置1のカメラユニット20および/または照明ユニット30に対する制御信号を出力する。また、制御ユニット50は、指示情報65を記憶部60に記憶させてもよい。これにより、照明装置1は、照明システム100に属する複数の照明器具1Aに対する指示内容を一括して把握することができる。
【0081】
なお、制御ユニット50が行う処理の一部または全部を画像処理ユニット40が実行してもよく、画像処理ユニット40が有する各処理部の一部または全部を制御ユニット50が有してもよい。
【0082】
[照明装置が実行する照明システムの制御処理例(その1)]
図11は、実施形態に係る照明装置が実行する制御処理の一例を説明する図である。
図11に示す通路2は、分岐部P0と、分岐部P0を起点としてそれぞれ異なる方向に延びる経路P1~経路P4とを有する。経路P1と経路P2とは、分岐部P0を挟んで互いに反対側に延びている。経路P3と経路P4とは、分岐部P0を挟んで互いに反対側に延びている。また、経路P3および経路P4は、経路P1および経路P2が延びる方向と交差する方向に延びている。
【0083】
経路P1~経路P4には、照明装置1からの動作指示に応じて同様の動作を行うグループG1~G4に属する照明器具1Aが、それぞれ配置されている。グループG1~G4は、分岐部P0を起点として異なる方向に延びる経路P1~経路P4を照明する1以上の照明器具1Aをそれぞれ含む。
【0084】
図11に示す照明システム100では、グループG4に属する照明器具1Aが点灯する経路P4に位置する対象物3が、分岐部P0に向かって移動する場合を例に挙げて説明する。
【0085】
経路P4を移動する対象物3が分岐部P0に到達すると、対象物3は、照明装置1のカメラユニット20(
図7参照)が撮影する画像に映り込む。照明装置1は、カメラユニット20が撮影した画像を処理し、照明装置1に接続された照明器具1Aに対する指示情報を送信する。
【0086】
具体的には、照明装置1は、グループG1に属する照明器具1Aに対し、消灯→点灯を指示する指示情報を送信する。また、照明装置1は、グループG4に属する照明器具1Aに対し、点灯→消灯を指示する指示情報を送信する。なお、照明装置1は、グループG2、G3に属する照明器具1Aに対し、消灯→消灯を指示する指示情報を送信してもよく、指示情報を送信しなくてもよい。
【0087】
このように、実施形態に係る照明装置1は、複数の照明器具1Aのうち、対象物3の移動に応じて照明器具1Aを的確に点灯させることができる。
【0088】
[照明装置が実行する照明システムの制御処理例(その2)]
図12は、実施形態に係る照明装置が実行する制御処理の他の例を説明する図である。
図12に示す通路2は、2つの分岐部P0-1,P0-2と、経路P1~P7とを含む。経路P1は、分岐部P0-1,P0-2を繋ぐように配置されている。経路P2は、分岐部P0-1を挟んで経路P1とは反対方向に延びている。経路P5は、分岐部P0-2を挟んで経路P1とは反対方向に延びている。
【0089】
また、経路P3と経路P4とは、分岐部P0-1を挟んで互いに反対側に延びている。経路P3および経路P4は、経路P1および経路P2が延びる方向と交差する方向に延びている。
【0090】
また、経路P6と経路P7とは、分岐部P0-2を挟んで互いに反対側に延びている。経路P6および経路P7は、経路P1および経路P5が延びる方向と交差する方向に延びている。
【0091】
分岐部P0-1,P0-2には、実施形態に係る照明装置1としての照明装置1-1,1-2がそれぞれ配置されている。すなわち、
図12に示す照明システム100は、複数の照明装置1を有している。
【0092】
また、経路P1には、グループG1に属する照明器具1Aが配置されている。同様に、経路P2~P7には、グループG2~G7に属する照明器具1Aがそれぞれ配置されている。
【0093】
図12に示す照明システム100では、対象物3が分岐部P0-1に位置している状態において、照明装置1-1が、カメラ21(
図7参照)によって撮影された対象物3の画像を処理し、対象物3の進行方向を予測する。対象物3が経路P1に向かうと予測されると、照明装置1-1は、各照明器具1Aに対し、グループG1に属する照明器具1Aを点灯させ、グループG2~G7に属する照明器具1Aの消灯を継続する動作指示を行う。
【0094】
そして、対象物3が分岐部P0-1を離れ、経路P1を経由して分岐部P0-2に到達すると、対象物3は、照明装置1-2のカメラ21(
図7参照)が撮影する画像に映り込む。照明装置1-2は、カメラ21が撮影した画像を処理し、対象物3の進行方向を予測する。対象物3が経路P7に向かうと予測されると、照明装置1-2は、各照明器具1Aに対し、グループG7に属する照明器具1Aを点灯させ、グループG1に属する照明器具1Aを消灯させ、グループG2~G6に属する照明器具1Aの消灯を継続する動作指示を行う。
【0095】
このように、実施形態に係る照明システム100は、複数の照明装置1を有することにより、複雑な経路を有する通路2においても対象物3の移動に応じて照明器具1Aを的確に点灯させることができる。
【0096】
なお、
図12に示す照明システム100において、グループG1に属する照明器具1Aを消灯させる動作指示は、照明装置1-2が行ってもよく、照明装置1-2と通信する照明装置1-1が行ってもよい。例えば、照明器具1Aが照明装置1-2および照明装置1-1から異なる動作指示を受信した場合、照明器具1Aは、点灯指示および点灯を継続する動作指示を優先させることができる。これにより、対象物3が存在する通路2に設けられた照明器具1Aを誤って消灯させる不具合を低減することができる。
【0097】
また、
図12に示す制御処理例において、対象物3の移動に伴いグループG1に属する照明器具1Aを消灯させるタイミングは、グループG7に属する照明器具1Aの点灯と同じであってもよく、異なってもよい。例えば、照明装置1-2が有するカメラ21の撮影領域まで対象物3が移動し、所定時間(例えば、5秒)経過するまでグループG1に属する照明器具1Aの点灯を継続してもよい。また、照明装置1-1が有するカメラ21の撮影領域から対象物3が移動し、所定時間(例えば、10秒)経過するまでグループG1に属する照明器具1Aの点灯を継続してもよい。
【0098】
[照明システムの応用例]
図13は、実施形態に係る照明システムの応用例を示す図である。
図3に示すように、実施形態に係る照明システム100は、例えば、複数の人が往来するフロア200の通路2における照明器具1Aの制御に応用することができる。
【0099】
フロア200は、部屋4a~4dと、部屋4a~4dの周囲を囲むように配置された格子状の通路2を有している。通路2には、フロア200の外部との出入りが可能な通用口5を有している。また、部屋4a~4dは、通路2との出入りが可能な出入口6を有している。
【0100】
照明装置1,1-1,1-2は、通路2の分岐部P0(例えば、
図11参照)に配置されている。照明装置1は、経路が4方向に延びるフロア200の中央に位置する通路2に設けられている。照明装置1-1は、経路が3方向に延びる位置に設けられている。照明装置1は、経路が2方向に延びる通路2のコーナー部分に設けられている。
図13に示す例では、通用口5は、通路2の4つのコーナー部分のうち、対角をなす2つのコーナー部分に配置されている。
【0101】
また、照明装置1-3は、部屋4a~4dがそれぞれ有する出入口6に面する通路2に配置されている。照明装置1-1~1-3は、照明装置1と同様の構成を有している。通路2が有する各経路には、照明装置1,1-1~1-3のうち、少なくともいずれか1つと通信可能な1以上の照明器具(不図示)がそれぞれ配置されており、各経路に配置された照明器具がそれぞれ別のグループに属している。
【0102】
図13に示すように、通路2が有する各経路には、複数の対象物(不図示)が存在している。例えば、経路P11には、W(人)の対象物が存在し、経路P12~P14には、X(人)、Y(人)、Z(人)の対象物がそれぞれ存在している。照明システム100は、経路P11~P14に配置された照明器具を点灯させ、経路P11~P14以外の照明器具を消灯させる。これにより、照明器具1Aを的確に点灯させることができる。
【0103】
また、対象物が経路P11~P14から他の経路に移動した場合、照明システム100は、対象物の移動に応じて各経路を点灯させる。また、対象物が経路P11~P14から各経路に移動し、あるいは部屋4a~4dの中に移動して経路P11~P14に存在する対象物が0(人)となった場合、照明システム100は、対象物が存在しなくなった経路P11~P14に配置させた照明器具を点灯させる制御を行う。これにより、照明器具1Aを的確に点灯させることができる。
【0104】
なお、照明装置1,1-1~1-3は、近隣に配置された照明器具と対応付けて点灯および消灯させてもよく、照明器具の点灯/消灯にかかわらず常時点灯させてもよい。また、照明装置1,1-1~1-3は、対象物の計値の有無に応じて調光率を変更させてもよい。また、例えば、フロア200内に存在する対象物が0となった場合には、照明システム100に接続された照明器具および照明装置1,1-1~1-3をすべて消灯させてもよい。
【0105】
以上説明したように、実施形態に係る照明システム100は、複数の照明器具1Aと、カメラ21と、設定部44とを具備する。カメラ21は、複数の照明器具1Aを順次点灯させる設定指示に基づいて順次点灯する照明器具1Aによる光を受ける領域を撮影する。設定部44は、カメラ21が撮影した画像の画素値に基づいて複数の照明器具1Aが属するグループをそれぞれ設定する。これにより、設定作業の負担を軽減させることができる。
【0106】
また、実施形態に係る照明システム100は、推定部43を具備する。推定部43は、照明器具1Aの点灯に応じた画像の画素値に基づいて照明器具1Aの配置方向を推定する。設定部44は、配置方向に基づいて複数の照明器具1Aが属するグループをそれぞれ設定する。これにより、設定作業の負担を軽減させることができる。
【0107】
また、実施形態に係る照明システム100は、送信部(通信部10)と記憶部60とを具備する。送信部は、設定部44が設定したグループに属する照明器具1Aに対する動作指示を示す指示情報を送信する。記憶部60は、送信部が送信した指示情報65を記憶する。これにより、照明器具1Aをグループごとに的確に点灯させることができる。
【0108】
また、実施形態に係る照明システム100は、取得部(通信部10)を具備する。取得部は、自装置と相互に通信可能な他の照明装置1から送信された情報を取得する。記憶部60は、取得部が取得した情報を記憶する。これにより、照明器具1Aをグループごとに的確に点灯させることができる。
【0109】
また、実施形態に係る送信部(通信部10)は、対象物3が所定の位置を通過した場合に、所定の位置を照明する照明器具1Aが属するグループに対し、照明器具1Aの消灯を指示する指示情報を送信する。これにより、照明器具1Aをグループごとに的確に点灯させることができる。
【0110】
また、実施形態に係る照明装置1は、照明ユニット30と、カメラ21と、設定部44とを具備する。カメラ21は、複数の照明器具1Aを順次点灯させる設定指示に基づいて順次点灯する照明器具1Aによる光を受ける領域を撮影する。設定部44は、カメラ21が撮影した画像の画素値に基づいて複数の照明器具1Aが属するグループをそれぞれ設定する。これにより、設定作業の負担を軽減させることができる。
【0111】
[変形例]
上記した実施形態では、照明装置1がカメラユニット20を有するとして説明したが、これに限らず、照明装置1とは別体のカメラユニット20を有してもよい。かかる場合、画像処理ユニット40は、カメラユニット20を有する撮像装置(不図示)が有してもよい。また、画像処理ユニット40の一部を照明装置1が有してもよい。
【0112】
また、上記した実施形態では、照明装置1が有するカメラ21は自装置の周囲を撮影するとして説明したが、これに限らず、通路2上の所定の位置を撮影してもよい。
【0113】
また、上記した実施形態では、照明システム100は、照明装置1と、照明装置1と相互に通信可能な複数の照明器具1Aとを備えるとして説明したが、これに限られない。照明システム100は、例えば、照明装置1との通信は行わず、照明器具1Aからの制御信号に応じて点灯および消灯する照明器具をさらに有してもよい。
【0114】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0115】
1 照明装置
1A 照明器具
2 通路
20 カメラユニット
30 照明ユニット
42 生成部
43 推定部
44 設定部
46 区画部
47 抽出部
48 判別部
49 決定部
50 制御ユニット
61 接続機器情報
63 領域情報
64 動作情報
65 指示情報
100 照明システム