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特開2022-56683眼科画像表示装置、および眼科画像表示プログラム
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  • 特開-眼科画像表示装置、および眼科画像表示プログラム 図1
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  • 特開-眼科画像表示装置、および眼科画像表示プログラム 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022056683
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】眼科画像表示装置、および眼科画像表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
A61B3/10
A61B3/10 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020164560
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000135184
【氏名又は名称】株式会社ニデック
(72)【発明者】
【氏名】村上 誠介
(72)【発明者】
【氏名】清水 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】佃 将樹
(72)【発明者】
【氏名】中野 仁賀
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA09
4C316AB02
4C316AB11
4C316AB12
4C316AB16
4C316FB11
4C316FB12
4C316FB13
4C316FB16
4C316FB21
(57)【要約】
【課題】 比較対象として適した画像を容易に把握できる眼科画像表示装置、および眼科画像表示プログラムを提供すること。
【解決手段】 眼科画像を表示させる眼科画像表示装置であって、被検眼の眼科画像データを取得するデータ取得手段と、ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付手段と、前記データ取得手段によって取得された複数の眼科画像データを比較するための比較画面と、前記比較画面に表示させる複数の眼科画像データを選択させるための選択画面と、を表示手段に表示させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、複数の眼科画像データのうち比較の基準となる基準画像データが前記操作入力に基づいて選択されると、前記基準画像データと比較するための比較画像データの候補となる眼科画像データを前記選択画面に強調して表示させることを特徴とする。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科画像を表示させる眼科画像表示装置であって、
被検眼の眼科画像データを取得するデータ取得手段と、
ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付手段と、
前記データ取得手段によって取得された複数の眼科画像データを比較するための比較画面と、前記比較画面に表示させる複数の眼科画像データを選択させるための選択画面と、を表示手段に表示させる制御手段と、を備え、
前記制御手段は、複数の眼科画像データのうち比較の基準となる基準画像データが前記操作入力に基づいて選択されると、前記基準画像データと比較するための比較画像データの候補となる眼科画像データを前記選択画面に強調して表示させることを特徴とする眼科画像表示装置。
【請求項2】
前記比較画面は、被検者の右眼の眼科画像データである右眼画像データと、被検者の左眼の眼科画像データである左眼画像データを比較するための両眼比較画面であって、
前記制御手段は、右眼画像データまたは左眼画像データの一方が前記基準画像データとして選択されると、右眼画像データまたは左眼画像データの他方を前記比較画像データの候補として前記選択画面に強調して表示させることを特徴とする請求項1の眼科画像表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記基準画像データとの撮影日時の近さに応じて、前記比較画像データの候補を前記選択画面に段階的に強調して表示させることを特徴とする請求項1または2の眼科画像表示装置。
【請求項4】
前記比較画面は、撮影日時の異なる複数の眼科画像データを比較するための経過観察画面であって、
前記制御手段は、被検眼の左右が前記基準画像データと同じ眼科画像データを前記比較画像データの候補として前記選択画面に強調して表示させることを特徴とする請求項1の眼科画像表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記基準画像データとは撮影日時が異なる眼科画像データを前記比較画像データの候補として前記選択画面に強調して表示させることを特徴とする請求項4の眼科画像表示装置。
【請求項6】
眼科画像を表示させる眼科画像表示装置において実行される眼科画像表示プログラムであって、前記眼科画像表示装置の制御手段によって実行されることで、
被検眼の眼科画像データを取得するデータ取得ステップと、
ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記データ取得ステップにおいて取得された複数の眼科画像データを比較するための比較画面と、前記比較画面に表示させる複数の眼科画像データを選択させるための選択画面と、を表示手段に表示させる第1表示ステップと、
複数の眼科画像データのうち比較の基準となる基準画像データが前記操作入力に基づいて選択されると、前記基準画像データと比較するための比較画像データの候補となる眼科画像データを前記選択画面に強調して表示させる第2表示ステップと、
を前記眼科画像表示装置に実行させることを特徴とする眼科画像表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼科撮影装置によって撮影された被検眼の画像を表示するための眼科画像表示装置、および眼科画像表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
眼科用光干渉断層計(OCT:optical coherence tomography)、眼底カメラ、走査型レーザ検眼鏡(SLO:scanning laser ophthalmoscope)等の眼科撮影装置において、被検眼の同一部位における画像を複数枚取得し、それらの画像を比較する場合がある。例えば、左右眼の画像、または撮影日時の異なる画像などが表示部の画面上に表示され、左右眼の対称性または病変部の経時変化などが観察される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-246904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来において、複数枚の画像の中から少なくとも2つの画像を選択して比較する際に、どの画像が比較対象として適しているのか分かりにくい場合があった。
【0005】
本開示は、従来の問題点に鑑み、比較対象として適した画像を容易に把握できる眼科画像表示装置、および眼科画像表示プログラムを提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
【0007】
(1) 眼科画像を表示させる眼科画像表示装置であって、被検眼の眼科画像データを取得するデータ取得手段と、ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付手段と、前記データ取得手段によって取得された複数の眼科画像データを比較するための比較画面と、前記比較画面に表示させる複数の眼科画像データを選択させるための選択画面と、を表示手段に表示させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、複数の眼科画像データのうち比較の基準となる基準画像データが前記操作入力に基づいて選択されると、前記基準画像データと比較するための比較画像データの候補となる眼科画像データを前記選択画面に強調して表示させることを特徴とする。
(2) 眼科画像を表示させる眼科画像表示装置において実行される眼科画像表示プログラムであって、前記眼科画像表示装置の制御手段によって実行されることで、被検眼の眼科画像データを取得するデータ取得ステップと、ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付ステップと、前記データ取得ステップにおいて取得された複数の眼科画像データを比較するための比較画面と、前記比較画面に表示させる複数の眼科画像データを選択させるための選択画面と、を表示手段に表示させる第1表示ステップと、複数の眼科画像データのうち比較の基準となる基準画像データが前記操作入力に基づいて選択されると、前記基準画像データと比較するための比較画像データの候補となる眼科画像データを前記選択画面に強調して表示させる第2表示ステップと、を前記眼科画像表示装置に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、比較対象として適した画像を容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】眼科画像表示装置の構成について説明するためのブロック図である。
図2】眼科画像表示装置の制御動作の一例を示すフローチャートである。
図3】データ選択画面の一例を示す図である。
図4】データ選択画面に表示された1つの画像データを拡大した画像である。
図5】データ選択画面の一例を示す図である。
図6】比較画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
以下、本開示に係る実施形態を図に基づいて説明する。本実施形態の眼科画像表示装置(例えば、眼科画像表示装置10)は、眼科画像を表示させる。眼科画像表示装置は、例えば、データ取得部(例えば、制御部70)と、入力受付部(例えば、制御部70)と、制御部(例えば、制御部70)を備える。データ取得部は、例えば、被検眼の眼科画像データを取得する。入力受付部は、ユーザによる操作入力を受け付ける。制御部は、比較画面(例えば、比較画面90)と、選択画面(例えば、選択画面80)を表示部(例えば、表示部75)に表示させる。比較画面は、例えば、データ取得部によって取得された複数の眼科画像データを比較するための画面である。選択画面は、例えば、比較画面に表示させる複数の眼科画像データを選択させるための画面である。この場合、制御部は、複数の眼科画像データのうち比較の基準となる基準画像データが操作入力に基づいて選択されると、基準画像データと比較するための比較画像データの候補となる眼科画像データを選択画面に強調して表示させる。以上のような構成によって、眼科画像表示装置は比較対象として適した画像をユーザに容易に把握させることができる。
【0011】
なお、比較画面は、被検者の右眼の眼科画像データである右眼画像データと、被検者の左眼の眼科画像データである左眼画像データを比較するための両眼比較画面であってもよい。この場合、制御部は、右眼画像データまたは左眼画像データの一方が基準画像データとして選択されると、右眼画像データまたは左眼画像データの他方を比較画像データの候補として選択画面に強調して表示させてもよい。これによって、ユーザは左右の画像データを容易に把握できる。
【0012】
なお、制御部は、基準画像データとの撮影日時の近さに応じて、比較画像データの候補を選択画面に段階的に強調して表示させてもよい。これによって、ユーザは両眼比較に適した画像データを容易に把握できる。
【0013】
比較画面は、撮影日時の異なる複数の眼科画像データを比較するための経過観察画面であってもよい。この場合、制御部は被検眼の左右が基準画像データと同じ眼科画像データを比較画像データの候補として前記選択画面に強調して表示させてもよい。これによって、ユーザは経過観察に適した画像データを容易に把握することができる。
【0014】
制御部は、基準画像データとは撮影日時が異なる眼科画像データを比較画像データの候補として選択画面に強調して表示させてもよい。これによって、ユーザは経過観察に適した画像データを容易に把握することができる。
【0015】
なお、眼科画像表示装置の制御部は、記憶部(例えば、記憶部72)に記憶された眼科画像表示プログラムを実行してもよい。眼科画像表示プログラムは、例えば、データ取得ステップと、入力受付ステップと、第1表示ステップと、第2表示ステップなどを含む。データ取得ステップは、例えば、被検眼の眼科画像データを取得するステップである。入力受付ステップは、例えば、ユーザによる操作入力を受け付けるステップである。第1表示ステップは、例えば、データ取得ステップにおいて取得された複数の眼科画像データを比較するための比較画面と、比較画面に表示させる複数の眼科画像データを選択させるための選択画面と、を表示部に表示させるステップであ。第2表示ステップは、複数の眼科画像データのうち比較の基準となる基準画像データが操作入力に基づいて選択されると、基準画像データと比較するための比較画像データの候補となる眼科画像データを選択画面に強調して表示させるステップである。
【0016】
<実施例>
以下、本開示に係る実施例を図面に基づいて説明する。本実施例の眼科画像表示装置10は、眼科撮影装置100によって撮影された眼科画像を観察するための装置である。図1に示すように、眼科画像表示装置10は、例えば、制御部70と、記憶部72と、表示部75と、操作部76を備える。制御部70は、眼科画像表示装置10の制御を司る。記憶部72は、例えば、被検者の眼科画像データを記憶する。表示部75は、被検者の眼科画像を表示させる。操作部76は、検者(ユーザ)によって操作される。操作部76は、例えば、マウス、キーボード、またはタッチパネルなどのユーザインターフェイスである。操作部76は、ユーザによって操作されると、操作信号を制御部70に対して送信する。制御部70は、操作部76からの操作信号を受け付ける。つまり、制御部70は、ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付手段として機能する。
【0017】
制御部70は、記憶部72に記憶されている眼科画像表示プログラム及び各種制御プログラムに基づいて各部の動作を制御する。この眼科画像表示プログラムをコンピュータ上で実行させることによって眼科画像表示装置10を使用することが可能となる。ここで、制御部70は、眼科画像表示プログラムにしたがって表示部75の表示内容を制御する。つまり、制御部70は、表示制御手段として機能する。
【0018】
なお、眼科画像表示装置10には、被検眼の所定部位における画像を撮影するための眼科撮影装置100が接続されている。図1において、眼科撮影装置100は、被検眼眼底の断層画像を得るための干渉光学系(OCT光学系)120と、被検眼眼底の正面画像を得るための眼底観察光学系130と、制御部140と、を有し、被検眼の眼底部位を撮影できる。なお、眼科撮影装置100の詳しい構成については、特開2008-29467号公報を参考にされたい。
【0019】
干渉光学系120は、第1光源から発せられた第1測定光を被検眼の眼底上で走査させる第1走査部(光スキャナ)と、第1光源から発せられた光によって生成される参照光と被検眼眼底に照射された第1測定光の反射光との合成により得られる干渉光を受光する第1受光素子と、を備え、いわゆる眼科用光断層干渉計(OCT)の装置構成を持つ。なお、干渉光学系120の構成としては、スペクトルメータを用いるSpectral-domain OCT(SD-OCT)、波長可変光源を用いるSwept-source OCT(SS-OCT)、Time-domain OCT(TD-OCT)、等が考えられる。
【0020】
眼底観察光学系130は、第2光源から発せられた第2測定光を被検眼の眼底上で二次元的に走査させる第2走査部(光スキャナ)と、眼底と略共役位置に配置された共焦点開口を介して眼底反射光を受光する第2受光素子と、を備え、いわゆる眼科用走査型レーザ検眼鏡(SLO)の装置構成を持つ。なお、眼底観察光学系130の構成としては、いわゆる眼底カメラタイプの構成であってもよい。
【0021】
制御部140は、眼科撮影装置100の各部材を制御し、干渉光学系120が持つ第1受光素子から出力される受光信号に基づいて眼底断層画像(OCT画像)を取得する。また、眼底観察光学系130が持つ第2受光素子から出力される受光信号に基づいて眼底正面画像(SLO画像または眼底カメラ画像)を取得する。
【0022】
眼科画像表示装置10と眼科撮影装置100とは、無線または有線等の通信手段によって接続される。制御部70は、通信手段を介して、眼科撮影装置100によって撮影された眼科画像データを取得する。つまり、制御部70は、眼科画像データを取得するデータ取得手段として機能する。制御部70は、眼科画像データをデータベースとしての記憶部72に記憶させる。また、制御部70は、画像取得時における各種撮影条件なども眼科撮影装置100から取得し、記憶部72に記憶させる。
【0023】
<制御動作>
以上のような眼科画像表示装置10において、少なくとも2つの眼科画像を表示部75に比較可能に表示するときの流れを図2に基づいて説明する。なお、以下の説明では、両眼(左右眼)を比較する場合を例に挙げる。
【0024】
(ステップS1:選択画面の表示)
まず、制御部70は、表示部75に選択画面を表示させる。選択画面は、後述する比較画面に表示させる画像データを選択するための画面である。図3は、表示部75に表示される選択画面80の一例である。制御部70は、例えば、眼科撮影装置100によって撮影された画像データ81の一覧を選択画面80に表示させる。図3に示すように、制御部70は、画像データ81のサムネイル(縮小画像)を選択画面80に表示させてもよい。サムネイルは、眼底観察光学系130によって撮影された眼底正面画像が用いられてもよいし、干渉光学系120によって撮影された眼底断層画像などが用いられてもよい。また、制御部70は、画像データとともに撮影条件などを表示させてもよい。撮影条件は、例えば、被検眼の左右、画像データの撮影日時、または撮影位置(撮影部位、測定光のスキャン位置またはスキャンパターン等)などである。図4は、図3の選択画面80に表示された画像データの1つを拡大したものである。図4の例では、制御部70は、サムネイルの左上に左右眼を示すマーク82、下部に撮影日時のラベル83を表示させている。また、制御部70は、サムネイル上にスキャンパターン84を表示させている。なお、制御部70は、選択画面80に画像データ81のサムネイルを表示しなくてもよく、画像データ81のファイル名などを表示してもよい。
【0025】
(ステップS2:基準画像データの選択受付)
続いて、ユーザは、操作部76を操作することによって少なくとも1つの画像データを基準画像データとして選択する。基準画像データは、例えば、複数の画像データを比較するときの基準となる画像データである。ユーザによって操作部76が操作されると、操作部76から制御部70に対して操作信号が出力される。制御部70は、操作部76から受け付けた操作信号に基づいてユーザに選択された画像データを特定する。制御部70は、ユーザによって選択された画像データを枠で囲ったり、色を反転させたりすることで選択中であることを示してもよい。図5の例において、制御部70は、選択された画像データ81cを枠(図5の点線)85で囲うことで選択中であることを示している。
【0026】
(ステップS3:比較候補を強調表示)
制御部70は、基準画像データと比較するための比較画像データの候補を選択画面80上に強調して表示させる。例えば、図5に示すように、右眼の画像データ81cが基準画像データとして選択された場合、制御部70は選択画面80に表示された他の画像データ81の中で、左眼の画像データ81(81b,81d,81g,81h,81j,81l)を比較画像データの候補として強調して表示させる。例えば、制御部70は、外枠86(86b,86d,86g,86h,86j,86l)の色を変化させることによって左眼の画像データを強調させる。強調表示の方法としては、外枠の色を変化させることに限らず、外枠またはサムネイルを点滅させたり、マークを表示させたりしてもよい。また、比較画像データの候補をその他の画像と分けて表示させてもよいし、比較画像データの候補だけを表示させてもよいし、種々の強調表示の方法を用いることができる。また、制御部70は、右眼の画像データの撮影日時との近さに応じて左眼の画像データを段階的に強調させてもよい。例えば、図5の例の場合、右眼の画像データ81cが選択されているため、制御部70は、画像データ81cと同日に撮影された左眼の画像データ81dの外枠86dを最も濃い色で表示させ、撮影日時が離れるほど外枠86の色を段階的に薄く変化させてもよい。もちろん、色の濃淡を変化させることに限らず、例えば、撮影日時が離れるほど外枠86の色を赤色から青色などに徐々に変化させることで段階的に強調させてもよい。
【0027】
(ステップS4:比較画像データの選択受付)
ユーザは、選択画面80において比較画像データを選択する。例えば、ユーザは、比較画像データの候補として強調表示された画像データ(81b,81d,81g,81h,81j,81l)の中から所望の画像データを選択する。制御部70は、操作部76から受け付けた操作信号に基づいてユーザが選択した比較画像データを特定する。比較画像データの選択が完了すると、ユーザはOKボタン89を押す。制御部70は、基準画像データと比較画像データを含む複数の画像データが選択された状態でOKボタン89が押されると、ステップS5に進む。
【0028】
(ステップS5:比較画面表示)
制御部70は、ユーザに選択された基準画像データと比較画像データを表示部75の比較画面に表示させる。図6は、表示部75に表示された比較画面の一例である。図6の比較画面90は、同一被検者の左右の被検眼を比較するための両眼比較画面(左右眼比較画面)である。制御部70は、例えば、右眼底正面画像91、左眼底正面画像92、左右眼それぞれの網膜層の厚みグラフ93、右眼断層画像94、左眼断層画像95などを比較画面90に表示させる。また、制御部70は、網膜層の厚みマップなどの左右の断層画像の解析結果を比較画面90に表示させてもよい。
【0029】
以上のように、本実施例の眼科画像表示装置10は、ユーザに選択された少なくとも1つの基準画像データの比較対象として適切な画像データを強調して表示させる。これによって、ユーザは比較対象として適切な画像データを容易に把握することができ、画像データを探す労力が軽減される。例えば、従来のように、ユーザがサムネイル上に表示された「R」、「L」などの左右眼を示すマークによって比較対象となる画像データを見つける場合に比べ、画像データの選択にかかる時間を短縮できる。
【0030】
また、左右眼の画像データを比較する場合、同日に撮影された左右眼の画像データを用いることが想定されるため、上記の実施例のように、撮影日時が近い画像データほど強調させることによって、より適した画像データをユーザに薦めることができる。
【0031】
<変容例>
なお、制御部70は、撮影位置が同じまたは似ているものを強調して表示させてもよい。例えば、黄斑クロス(黄斑を中心に縦横の十字方向にスキャンするスキャンパターン)で撮影された画像データが選択されている場合、制御部70は黄斑クロスで撮影された他の画像データ、または黄斑クロスと同じスキャン位置を含む画像データを強調表示してもよい。撮影部位としては、黄斑だけでなく、乳頭でもよいし、角膜などの前眼部でもよい。スキャンパターンとしては、例えば、十字だけでなく、1つあるいは複数のライン状、円状、または放射状などでもよい。
【0032】
なお、以上の実施例では、左右眼を比較するための両眼比較画面について説明したが、これに限らない。例えば、撮影日時の異なる同一被検眼の画像データを比較するための経過観察画面(フォローアップ画面)を表示させる場合において、選択中の基準画像データの比較対象として適した比較画像データの候補を強調して表示させてもよい。例えば、制御部70は、被検眼の左右および撮影位置が同じで、撮影日時の異なる画像データを強調して表示させてもよい。また、制御部70は、撮影日時が所定間隔で離れている画像データを優先して強調させてもよい。この場合、強調する画像データの撮影日時の間隔をユーザが設定できるようにしてもよい。
【0033】
なお、両眼比較画面と経過観察画面の選択画面が共通である場合、制御部70は、両眼比較用の強調表示と経過観察用の強調表示を別の表示形態とすることで区別できるようにしてもよい。例えば、制御部70は、両眼比較用の候補を青で強調させ、フォローアップ用の候補を赤で強調させてもよい。また、制御部70は、画像データのサムネイル上に「両眼比較」または「経過観察」などのテキストなどを表示させて区別して強調するようにしてもよい。
【0034】
なお、以上の実施例では、干渉光学系120によって撮影された断層画像、眼底観察光学系130によって撮影された眼底正面画像などの画像データについて説明したが、これに限らず、他の種類の画像データが用いられてもよい。例えば、被検眼の眼底をカラーで撮影したカラー眼底画像、前眼部正面画像、前眼部断層画像、OCTアンジオ画像(干渉光学系120によって血流の動きを捉えた画像)、角膜内皮細胞画像等を比較するときに、選択中の基準画像データの比較対象として適した比較画像データの候補を強調して表示するようにしてもよい。
【0035】
なお、制御部70は、画像データを取得した眼科撮影装置100が同じか否かで強調表示してもよい。例えば、制御部70は、ユーザによって選択された画像データの付加情報などから眼科撮影装置100を特定し、同一(または同種)の眼科撮影装置100によって撮影された画像データだけを強調して表示させてもよい。これによって、より撮影条件が近い画像データを比較することができる。
【0036】
なお、選択画面80において、複数の被検者の画像データが含まれている場合、制御部70は、同一被検者の画像データを強調させるようにしてもよい。これによって、ユーザは同一被検者の画像データを容易に把握できる。
【0037】
なお、以上の実施例において、眼科画像表示装置10によっては、比較画面を表示するためのアプリケーションがインストールされてない場合がある。このような場合、制御部70は、選択画面80において画像データが選択されたとしても、強調表示を行わないようにしてもよい。これによって、ユーザに比較画面の表示ができると勘違いさせてしまうことを防止できる。
【0038】
なお、本開示は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10 眼科画像表示装置
70 制御部
72 記憶部
75 表示部
76 操作部
100 眼科撮影装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6