(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022056792
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】RFIDタグ付き着装部材の頭部、RFIDタグマウントユニット及びRFIDタグ付き着装部材
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20220404BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20220404BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20220404BHJP
H01Q 19/02 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
G06K19/077 296
G06K19/07 230
H01Q1/22 Z
H01Q19/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020164732
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】306029349
【氏名又は名称】ゼネラル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520072361
【氏名又は名称】大阪螺子販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(72)【発明者】
【氏名】平田 周孝
(72)【発明者】
【氏名】田口 一仁
【テーマコード(参考)】
5J020
5J047
【Fターム(参考)】
5J020AA00
5J020BC02
5J020DA02
5J047AA04
5J047AA12
5J047EF00
(57)【要約】
【課題】無線通信の感度特性に対応可能なRFIDタグ付き着装部材の頭部、RFIDタグマウントユニット及びRFIDタグ付き着装部材を提供する。
【解決手段】RFIDタグマウントユニット1は、RFIDタグ13に送受信される電波をブーストするブーストアンテナ221と、当該ブーストアンテナ221をモールドした一端閉塞筒状のキャップ21とを一体化したRFIDタグ付き着装部材の頭部2に着脱可能とされる。このRFIDタグマウントユニット1は、軸状のインサート部111を有する軸状部11と、当該軸状部11の一端部に固定された台座部12と、当該台座部12にマウントされ、電波を送受信するRFIDタグ13と、を備えている。頭部2は、RFIDタグ13に送受信される電波をブーストするブーストアンテナ221と、当該ブーストアンテナ221をモールドしたキャップ21と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸状のインサート部を有する軸状部と、当該軸状部の一端部に固定され、突出部を有する台座部と、当該台座部の突出部にマウントされ、電波を送受信するRFIDタグと、を備えたRFIDタグマウントユニットに着脱可能とされ、
前記RFIDタグに送受信される電波をブーストするブーストアンテナと、当該ブーストアンテナをモールドしたキャップと、を備え、
前記キャップは、前記突出部が挿入される凹嵌部を備えている、
RFIDタグ付き着装部材の頭部。
【請求項2】
請求項1に記載のRFIDタグマウントユニットは、前記軸状部が一端部で横断面方向に突出した基盤部を有し、前記台座部が前記基盤部を囲む拡張部を有し、
前記キャップは、前記拡張部が挿入される段穴部を備えている、
請求項1に記載のRFIDタグ付き着装部材の頭部。
【請求項3】
前記ブーストアンテナは、コイル状に形成されたエレメントを備え、
前記キャップは、一端閉塞筒状に形成されている、
請求項1又は2に記載のRFIDタグ付き着装部材の頭部。
【請求項4】
前記ブーストアンテナは、前記軸状部の横断面方向に突出した軸状又は導体平板を備え、
前記キャップは、前記ブーストアンテナをモールドするリブを備えている、
請求項1又は2に記載のRFIDタグ付き着装部材の頭部。
【請求項5】
前記ブーストアンテナは、前記RFIDタグを囲むループ部を有するエレメントを備え、
前記キャップは、前記ループ部をモールドする中心部を備えている、
請求項4に記載のRFIDタグ付き着装部材の頭部。
【請求項6】
前記ブーストアンテナは、ミアンダ状にパターニングされ、前記軸状部の横断面方向に突出したエレメントを備え、
前記キャップは、前記エレメントをモールドするリブを備えている、
請求項1又は2に記載のRFIDタグ付き着装部材の頭部。
【請求項7】
RFIDタグに送受信される電波をブーストするブーストアンテナと、当該ブーストアンテナをモールドした一端閉塞筒状のキャップと、を一体化したRFIDタグ付き着装部材の頭部が着脱可能とされ、
軸状のインサート部を有する軸状部と、当該軸状部の一端部に固定された台座部と、当該台座部にマウントされ、電波を送受信するRFIDタグと、を備えている、
RFIDタグマウントユニット。
【請求項8】
前記軸状部は、前記インサート部の一端部で横断面方向に突出し、前記RFIDタグ付き着装部材の頭部の台座部に設けられた拡張部に囲まれる基盤部を備え、
請求項7に記載のRFIDタグマウントユニット。
【請求項9】
軸状のインサート部を有する軸状部と、当該軸状部の一端部に固定され、突出部を有する台座部と、当該台座部にマウントされ、電波を送受信するRFIDタグと、を備えたRFIDタグマウントユニットと、
前記RFIDタグに送受信される電波をブーストするブーストアンテナと、当該ブーストアンテナをモールドし、前記突出部が挿入される凹嵌部が形成されたキャップと、を備えたRFIDタグ付き着装部材の頭部と、
を備え、
前記RFIDタグマウントユニットの台座部の突出部が前記キャップの凹嵌部に挿入されることにより、前記ブーストアンテナは前記RFIDタグを囲むように前記RFIDタグマウントユニットが前記RFIDタグ付き着装部材の頭部に装着された状態となり、前記RFIDタグマウントユニットの台座部が前記キャップの凹嵌部から脱抜されることで、前記RFIDタグマウントユニットは前記RFIDタグ付き着装部材の頭部から分離した状態となる、
RFIDタグ付き着装部材。
【請求項10】
前記軸状部は、前記インサート部の一端部を幅方向に突出した基盤部を備え、
前記台座部は、前記基盤部を囲む拡張部を備えている、
請求項9に記載のRFIDタグ付き着装部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部を有するボルトや頭部を有するピンのような着装部材の頭部にRFID(Radio Frequency Identification)タグを内蔵したRFIDタグ付き着装部材の頭部、RFIDタグマウントユニット及びRFIDタグ付き着装部材に関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDタグは、ICチップにアンテナを接続したもので、アクティブタイプやパッシブタイプなどに分類される。アクティブタイプは、自ら電源を備えている。パッシブタイプは、リーダライタから照射される電波をエネルギーとして駆動する。RFIDタグは、リーダライタとデータの交信がされ、各種のデータが読み書きされる。
【0003】
このようなRFIDタグを備えたRFIDタグ付き着装部材が種々提供されている。例えば、特許文献1には、ネジ部の一端部に設けられた頭部の頂面に穴が形成され、この穴をICタグ(RFIDタグの1種)の収容部としたボルトが記載されている。この収容部の底部には、板状の磁性体が配置される。磁性体の上には、電磁誘導方式の非接触型ICタグが載置される。磁性体とICタグとが配置された収容部内には、耐熱樹脂製の充填材が充填される。収容部の開口部は、セラミック製又は耐熱樹脂製の蓋体によって塞がれる。
【0004】
ボルトの外周面及び蓋体の外表面には、樹脂の被膜層が形成される。樹脂の被膜層は、ボルトの外周面及び蓋体の外表面に樹脂粉体を付着し、加熱することで樹脂粉体を溶融し、溶融した樹脂粉体樹脂を冷却することで形成される。溶融した樹脂粉体は、ボルトの収容部と蓋体及び充填材との隙間にも進入する。この隙間には、進入した樹脂によって埃や雨水などの異物が侵入しない。樹脂の被覆層で覆われ、ICタグを内蔵したボルトは、ICタグ取付構造として、装置や機械の情報を管理するために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されたICタグ取付構造は、ボルトの頭部に内蔵されたICタグによってリーダライタと無線通信する。この無線通信の感度特性は、種々の需要における使用状況、例えばICタグ取付構造が取り付けられる製造ライン上での工程管理や在庫管理、メンテナンスなどのように使用状況が変わる中で、多種多様に変化する。
【0007】
本発明は、使用状況に応じて多種多様に変化する無線通信の感度特性に対応可能なRFIDタグ付き着装部材の頭部、RFIDタグマウントユニット及びRFIDタグ付き着装部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るRFIDタグ付き着装部材の頭部は、
軸状のインサート部を有する軸状部と、当該軸状部の一端部に固定され、突出部を有する台座部と、当該台座部の突出部にマウントされ、電波を送受信するRFIDタグと、を備えたRFIDタグマウントユニットに着脱可能とされ、
前記RFIDタグに送受信される電波をブーストするブーストアンテナと、当該ブーストアンテナをモールドしたキャップと、を備え、
前記キャップは、前記突出部が挿入される凹嵌部を備えている。
【0009】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材の頭部において、
前記RFIDタグマウントユニットは、前記軸状部が一端部で横断面方向に突出した基盤部を有し、前記台座部が前記基盤部を囲む拡張部を有し、
前記キャップは、前記拡張部が挿入される段穴部を備えている。
【0010】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材の頭部において、
前記ブーストアンテナは、コイル状に形成されたエレメントを備え、
前記キャップは、一端閉塞筒状に形成されている。
【0011】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材の頭部において、
前記ブーストアンテナは、前記軸状部の横断面方向に突出した軸状又は導体平板を備え、
前記キャップは、前記ブーストアンテナをモールドするリブを備えている。
【0012】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材の頭部において、
前記ブーストアンテナは、前記RFIDタグを囲むループ部を有するエレメントを備えている。
【0013】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材の頭部において、
前記ブーストアンテナは、ミアンダ状にパターニングされ、前記軸状部の横断面方向に突出したエレメントを備え、
前記キャップは、前記エレメントをモールドするリブを備えている。
【0014】
本発明に係るRFIDタグマウントユニットは、
RFIDタグに送受信される電波をブーストするブーストアンテナと、当該ブーストアンテナをモールドした一端閉塞筒状のキャップと、を一体化したRFIDタグ付き着装部材の頭部が着脱可能とされ、
軸状のインサート部を有する軸状部と、当該軸状部の一端部に固定された台座部と、当該台座部にマウントされ、電波を送受信するRFIDタグと、を備えている。
【0015】
前記本発明に係るRFIDタグマウントユニットにおいて、
前記軸状部は、前記インサート部の一端部で横断面方向に突出し、前記RFIDタグ付き着装部材の頭部の前記台座部に設けられた拡張部に囲まれる基盤部を備えている。
【0016】
本発明に係るRFIDタグ付き着装部材は、
軸状のインサート部を有する軸状部と、当該軸状部の一端部に固定され、前記突出部を有する台座部と、当該台座部にマウントされ、電波を送受信するRFIDタグと、を備えたRFIDタグマウントユニットと、
前記RFIDタグに送受信される電波をブーストするブーストアンテナと、当該ブーストアンテナをモールドし、前記突出部が挿入される凹嵌部が形成されたキャップと、を備えたRFIDタグ付き着装部材の頭部と、
を備え、
前記RFIDタグマウントユニットの前記台座部の突出部が前記キャップの凹嵌部に挿入されることにより、前記ブーストアンテナは前記RFIDタグを囲むように前記RFIDタグマウントユニットが前記RFIDタグ付き着装部材の頭部に装着された状態となり、前記RFIDタグマウントユニットの台座部が前記キャップの凹嵌部から脱抜されることで、前記RFIDタグマウントユニットは前記RFIDタグ付き着装部材の頭部から分離した状態となる。
【0017】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材において、
前記軸状部は、前記インサート部の一端部を幅方向に突出した基盤部を備え、
前記台座部は、前記基盤部を囲む拡張部を備えている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、使用状況に応じて多種多様に変化する無線通信の感度特性に対応可能なRFIDタグ付き着装部材の頭部、RFIDタグマウントユニット及びRFIDタグ付き着装部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明のRFIDタグ付き着装部材の頭部及びRFIDタグマウントユニットの第1の実施形態の第1例を示す断面正面図である。
【
図2】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第1例を示す断面正面図である。
【
図3】本発明のRFIDタグ付き着装部材の頭部及びRFIDタグマウントユニットの第1の実施形態の第2例を示す断面正面図である。
【
図4】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第2例を示す断面正面図である。
【
図5】本発明のRFIDタグ付き着装部材の頭部及びRFIDタグマウントユニットの第2の実施形態を示す分解斜視図である。
【
図6】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態を示す断面正面図である。
【
図7】本発明のRFIDタグ付き着装部材の頭部及びRFIDタグマウントユニットの第3の実施形態の第1例を示す断面正面図である。
【
図8】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第3の実施形態の第1例を示す断面正面図である。
【
図9】本発明のRFIDタグ付き着装部材の頭部及びRFIDタグマウントユニットの第3の実施形態の第2例を示す断面正面図である。
【
図10】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第3の実施形態の第2例を示す断面正面図である。
【
図11】本発明のRFIDタグ付き着装部材の頭部及びRFIDタグマウントユニットの第4の実施形態を示す断面正面図である。
【
図12】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第4の実施形態を示す断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1の実施形態〕
本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第1例について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の頭部及びRFIDタグマウントユニットの第1の実施形態の第1例を示す断面正面図である。
図2は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第1例を示す断面正面図である。
【0021】
このRFIDタグ付き着装部材は、雌ネジやナットに螺合するボルトやビスのような締結部材だけでなく、軸穴に挿入されるピンなども含む。ただし、第1の実施形態(後記の第2乃至第4の実施形態なども同じ。)でのRFIDタグ付き着装部材は、ボルトのような着装部材を一例とするため、以下、主として「RFIDタグ付きボルト」として説明する。
図1に示すように、このRFIDタグ付きボルトは、RFID(Radio Frequency Identification)タグマウントユニット1と、頭部2と、を備えている。
【0022】
RFIDタグマウントユニット1は、軸状部11と、台座部12と、RFIDタグ13と、を備えている。軸状部11は、インサート部111と基盤部112とを有している。インサート部111及び基盤部112は、アルミニウムやステンレス鋼などの金属によって形成されている。インサート部111は、軸状で、雄ネジが形成されている。ただし、インサート部111の一端部(基盤部112に連続する部分)付近は、雄ネジが形成されていない。
【0023】
基盤部112は、インサート部111の一端部において横断面方向に突出して設けられる。横断面方向は、インサート部111の長さ方向と直交する方向である。雄ネジが形成されたインサート部111における横断面方向は、径方向又は幅方向と言い換えられる。基盤部112は、円盤状に形成される。円盤状の基盤部112の中心と、インサート部111の横断面方向の中心とは、一致している。基盤部112の外周面の一部には、平坦状の面取り部112aが形成されている。
【0024】
台座部12は、基盤部112のインサート部111がない表面側(図面において上側)に樹脂によってインサート成形される。
図1に示すように、台座部12は、拡張部121と突出部122とを備えている。
【0025】
拡張部121は、基盤部112の外周部を囲む円環状部を有する丸盆形状に形成されている。拡張部121は、基盤部112にインサート成形され、基盤部112から分離しないように一体化されている。拡張部121の内面の一部には、基盤部112の面取り部112aに係合するように弓形形状の係止部(図示せず)が形成されている。突出部122は、基盤部112の表面の中心からインサート部111とは反対向きで多角柱状又は円柱状に突出する。突出部122が多角柱状に形成されることにより、又は、円柱状の突出部122に弓状の係止部が設けられることにより、突出部122は頭部2に対して空転しないようにすることができる。
【0026】
突出部122の頂端部には、RFIDタグ13を埋め込むような封入部122aが形成されている。RFIDタグ13は、インサート成形された突出部122の頂端部に埋め込まれて保護される状態となる。ただし、RFIDタグ13は、封入部122aに埋め込まれることなく、突出部122の頂端面に接着剤などによって固定され、RFIDタグ13が露出するようにしてもよい。あるいは、突出部122の頂端面に窪み状の中低部を形成し、この中低部にRFIDタグ13埋め込まれるようにしてもよい。さらに,中低部に埋め込まれるRFIDタグ13が接着剤などによって固定してもよい。
【0027】
いずれにしても、RFIDタグ13は、パッシブ型タグである。すなわち、このRFIDタグ13は、バッテリーを内蔵せず、リーダライタ(図示せず)から電波を受けて、この電波を電源として駆動する。RFIDタグ13は、情報を記録するICチップと、無線通信するためのアンテナとを組み合わせた超小型(例えば、縦・横・厚さが2.5mm・2.5mm・0.375mm)のチップ状の電子部品である。
【0028】
第1の実施形態の第1例の頭部2は、この台座部12の突出部122を覆うキャップ21と、このキャップ21に内蔵されたブーストアンテナ221と、を備えている。頭部2は、台座部12と別体に樹脂によって成形され、着脱可能とされている。
【0029】
頭部2は、基盤部112の表面側に突出し、台座部12の拡張部121と同じ外径で設けられる。頭部2は、金型によってキャップ21をインサート成形する。キャップ21は、厚い閉塞部を一端側(図面において上側)に有する一端閉塞筒状に形成される。一端閉塞筒状のキャップ21は、一端閉塞円筒状や一端閉塞角筒状などに形成される(以下の実施の形態においても同じ。)。図示しないが、キャップ21の外周面には、長さ方向に平目のようなローレット目が形成されてもよい。
【0030】
頭部2には、台座部12の突出部122を挿入する凹嵌部211がキャップ21の基端側(図面において下側)の中心に形成されている。凹嵌部211は、突出部122が挿し込まれる形状に形成される。すなわち、突出部122が角筒状であれば、凹嵌部211は、角穴状に形成される。突出部122が円柱状であれば、凹嵌部211は円筒状に形成される。キャップ21は、コイルバネ形状のブーストアンテナ221を内蔵する。ブーストアンテナ221の基端側は、凹嵌部211と外側面との間に配置される。
【0031】
ブーストアンテナ221は、RFIDタグ13に送受信される電波をブーストする。ブーストアンテナ221は、金属などを含む導体線によって円筒コイルバネ形状に成形される。
図2に示すように、突出部122の長さは、ブーストアンテナ221の長さに対して1/2以上が好ましい。ブーストアンテナ22の基端部は、拡張部121の表面に固定され、基端側半分が突出部122を囲み、先端側半分が突出部122の頂面よりも延出する。ブーストアンテナ221の長さ方向の中間部内にRFIDタグ13が配置される。ブーストアンテナ221は、RFIDタグ13と電気的に接続されない。ブーストアンテナ221は、RFIDタグ13に含まれるアンテナに磁界結合される。
【0032】
次に、第1の実施形態の第2例のRFIDタグ付きボルトについて、
図3及び
図4を参照しながら説明する。
図3は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の頭部及びRFIDタグマウントユニットの第1の実施形態の第2例を示す断面正面図である。
図4は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第2例を示す断面正面図である。
【0033】
第1の実施形態の第2例のRFIDタグマウントユニット1は、第1の実施形態の第1例と同じ軸状部11と、台座部12と、RFIDタグ13と、を備えている。
【0034】
第1の実施形態の第2例のキャップ21は、台座部12の拡張部121よりも大きな外径の一端閉塞筒状とされている。すなわち、キャップ21の基端部は、拡張部121を外嵌する。したがって、キャップ21には、突出部122が挿入される凹嵌部211の基端側に拡張部121が嵌め込まれる段穴部212が形成されている。
【0035】
図示しないが、第1の実施形態のRFIDタグ付きボルトは、第1例や第2例以外に種々のタイプがストックされる。例えば、台座部12の突起部が第1例や第2例よりも高かったり低かったりすることで、RFIDタグ13がブーストアンテナ221の先端側や基端側に配置されるタイプがストックされる。また、ブーストアンテナ221は、円筒形状でなく、先端側又は基端側を縮径し、基端側又は先端側を拡径した円錐コイルバネ形状としてもよい。この場合のキャップ21は、ブーストアンテナ221の形状に合わせて截頭円錐形状とされる。
【0036】
このような第1の実施形態のブーストアンテナ221付きの頭部2は、RFIDタグ13の感度に合わせて種々のタイプの中から適宜、選択され、台座部12に着脱される。頭部2に装着されるまでの台座部12は、露出している。台座部12の突出部122の頂端部内に埋め込まれたRFIDタグ13は、損傷しにくくされている。台座部12に装着されたキャップ21は、凹嵌部211内に台座部12の突出部122が挿入される。第2例の頭部2にあっては、段穴部212内に台座部12の拡張部121が嵌め込まる。頭部2が台座部12に完全に装着されると、頭部2の基端側端面が台座部12の拡張部121の表面に重なる。
【0037】
第1の実施形態のRFIDタグ付きボルトは、リーダライタから送信されたデータがRFIDタグ13に書き込まれるような様々な分野において使用される。例えば、RFIDタグ付きボルトは、金型管理システムにおいて使用される。金型管理システムにおいて管理される金型(以下、「被管理金型」という。)は、製品の生産が終了した後、例えば15年以上保管されてもよい。
【0038】
また、このRFIDタグ付きボルトは、ブーストアンテナ221を備えることによって、RFIDタグ13が微弱な電波を送受信するパッシブ型であっても、その電波がブーストされ、横断面方向の指向性を向上させてリーダライタと確実に電波の送受信をすることができる。
【0039】
このRFIDタグ付きボルトは、頭部2が交換可能とされているため、取り付けられる状況に応じて最適なタイプの頭部2が選択される。例えば、頭部2を台座部12に強固に装着したい場合は、突出部122が凹嵌部211に挿入されるだけでなく、基盤部112が段穴部212に嵌め込まれる第2例の頭部2が選択される。また、狭い空間で取り付けられるRFIDタグ付きボルトには第1例の頭部2が装着され、広い空間で取り付けられるRFIDタグ付きボルトには第2例の頭部2が装着される。
【0040】
〔第2の実施形態〕
本発明のRFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。
図5は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の頭部及びRFIDタグマウントユニットの第2の実施形態を示す分解斜視図である。
図6は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態を示す断面正面図である。
【0041】
図5に示すように、第2の実施形態のRFIDタグ付きボルトは、RFIDタグマウントユニット1と、頭部2と、を備えている。RFIDタグマウントユニット1は、第1の実施形態と同じ軸状部11と、台座部12と、RFIDタグ13と、を備えている。
【0042】
頭部2は、RFIDタグ13を頂面にマウントした台座部12の主要部分を覆うキャップ21と、ブーストアンテナ222と、を備えている。頭部2は、台座部12と別体に成形され、着脱可能とされる。
【0043】
第2の実施形態のRFIDタグ付き着装部材の頭部2は、第1の実施形態と異なり、一端閉塞筒状のキャップ21と、このキャップ21の側面から反対方向に延びる一対の板状のリブ23とを備えている。リブ23は、キャップ21の軸方向の長さ(図面では高さ)とほぼ同じ広い幅で、横断面方向(図面では径方向)に突出する。キャップ21のリブ23には、指が当てられる。リブ23が広い幅の板状に形成されることで、軸状に形成されたときよりも折れにくく、しかも指に食い込まないで頭部2を回しやすくすることができる。ただし、リブ23は、軸状に形成されてもよい。キャップ21には、台座部12の角柱状の突出部122を挿入する角穴形状の凹嵌部211が形成されている。
【0044】
突出部122の頂端部にRFIDタグ13が埋め込まれている。RFIDタグ13は、キャップ21の凹嵌部211の奥側内面と突出部122の頂端面との間に挟まれる状態となる。なお、突出部122は円柱状とし、凹嵌部211は円筒状としてもよい。この場合の突出部122と凹嵌部211とが重なり合う面にローレット目が形成されたり、係合する面取り部と係止部とが形成されたりする。
【0045】
ブーストアンテナ222は、ループ部222aとストレート部222bとを一体化したエレメントを備えている。ループ部222aは、凹嵌部211の先端側を囲むようにキャップ21内に埋設される。図示したループ部222aは、1周半のみの円環状に形成されている。図示しない頭部は、2周半以上の円環状に形成されたループ部222aをキャップ21に内蔵する。
【0046】
いずれのブーストアンテナ222も、ループ部222aの直径の各端とストレート部222bとが連続している。ストレート部222bは、軸状に2本形成され、各リブ23に内蔵される。リブ23が板状に形成されるときは、ストレート部222bは、リブ23の一方の端縁側(図面では上端側)に配置される。2本のストレート部222bとRFIDタグ13とは、直線状に配置される。したがって、ストレート部222bと接続されるループ部222aは、ストレート部222bとの接続位置が同じ高さ位置になり、全体的に傾いたリング状となる。
【0047】
第2の実施形態の頭部2は、種々の形態のブーストアンテナ222を内蔵したタイプがストックされる。ブーストアンテナ222は、ループ部222aの巻き数が異なるだけでなく、ストレート部222bの長さが異なるような種々の形態に形成される。頭部2は、RFIDタグ13に送受信する電波に合わせて適宜選択され、台座部12に装着される。すなわち、台座部12の突出部122がキャップ21の凹嵌部211に挿入されることで、台座部12とキャップ21とが一体化された頭部2となる。
図6に示すように、この頭部2は、台座部12の突出部122にマウントされたRFIDタグ13がブーストアンテナ222のループ部222aに囲まれた状態となる。
【0048】
第2の実施形態のRFIDタグ付きボルトは、ループ部222aとストレート部222bとを一体化したブーストアンテナ222を備えることによって、RFIDタグ13が微弱な電波を送受信するパッシブ型であっても、その電波がブーストされ、横断面方向の指向性を向上させてリーダライタと確実に電波の送受信をすることができる。
【0049】
〔第3の実施形態〕
本発明のRFIDタグ付き着装部材の第3の実施形態の第1例について、
図7及び
図8を参照し、第3の実施形態の第2例について、
図9及び
図10を参照しながら説明する。
図7は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の頭部及びRFIDタグマウントユニットの第3の実施形態の第1例を示す断面正面図である。
図8は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第3の実施形態の第1例を示す断面正面図である。
図9は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の頭部及びRFIDタグマウントユニットの第3の実施形態の第2例を示す断面正面図である。
図10は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第3の実施形態の第2例を示す断面正面図である。
【0050】
図7乃至
図10に示すように、第3の実施形態の第1例及び第2例のRFIDタグ付きボルトは、RFIDタグマウントユニット1と、頭部2と、を備えている。RFIDタグマウントユニット1は、第1の実施形態と同じ軸状部11と、第1の実施形態とほぼ同じ台座部12及びRFIDタグ13と、を備えている。
【0051】
台座部12は、拡張部121と突出部122とを備えている。拡張部121は、軸状部11の基盤部112を囲む。突出部122は、基盤部112から板状に突出する。この突出部122の一方の面(ここでは、「表面」という。)にRFIDタグ13が接着剤によって固定されている。ただし、突出部122の表面から裏面に窪み部(図示せず)が形成され、この窪み部にRFIDタグ13が嵌め込まれてもよい。いずれにしても、RFIDタグ13は、主面が横断面方向を向く、すなわち、図示したRFIDタグ13は、起立した状態となる。
【0052】
頭部2は、RFIDタグマウントユニット1の台座部12の主要部分を覆うキャップ21と、一対のリブ24と、ブーストアンテナ223と、を備えている。頭部2は、台座部12と別体に成形され、着脱可能とされる。
【0053】
キャップ21は、円柱状部と円錐台状部とを軸方向に一体成形した形状とされる。キャップ21の円柱状部には、台座部12の突出部122を挿入する凹嵌部211と段穴部212とが形成されている。各リブ24は、キャップ21から蝶ネジのように横断面方向に突出している。各リブ24は、インサート部111の軸方向に対して直交する底辺部と、インサート部111の軸方向に対して斜め向きに中心下部から突出する傾斜部とを備えている。
【0054】
ブーストアンテナ223は、ミアンダ状にパターニングされている。このミアンダ状のブーストアンテナ223は、インサート部111の長さ方向を幅方向としたときに、リブ24の基端側の幅が狭く、先端側の幅が次第に広くなるように形成されている。ブーストアンテナ223は、リブ24に内蔵される。
【0055】
図7に示すように、第3の実施形態の第1例の各リブ24内のミアンダ状のブーストアンテナ223の基端部,すなわち、キャップ21の中心部内に位置する部分は、接続されている。
図8に示すように、キャップ21が台座部12に装着されたときにおいて、このブーストアンテナ223は、RFIDタグ13と容量結合するように対向する。
【0056】
図9に示すように、第3の実施形態の第2例の各リブ24内のミアンダ状のブーストアンテナ223の基端部は、離れている。キャップ21の中心部内に位置するブーストアンテナ223の各基端部には、幅広のパッド電極223aが設けられている。
図9に示したパッド電極223aは、リブ24内に埋め込まれている。このパッド電極223aを埋め込んだリブ24には、凹嵌部211が偏心して、すなわち、パッド電極223aの手前側又は奥側に形成(図面では奥側として点線で図示)されている。一方、RFIDタグマウントユニット1の台座部12には、中心から偏心し、リブ24の凹嵌部211内に嵌め込まれる突出部122が突出している。RFIDタグ13は、横断面方向を向いて起立した状態となる。
【0057】
なお、図示しないが、パッド電極223aは、凹嵌部211内に露出してもよい。この場合は、リブ24が台座部12の突出部122を外嵌するように装着した状態において、パッド電極223aとRFIDタグ13との間に突出部122が介在する。いずれにしても、
図10に示すように、キャップ21が台座部12に装着された状態において、このブーストアンテナ223の各パッド電極223aは、RFIDタグ13と容量結合するように対向する。
【0058】
いずれのミアンダ状の導体パターンのブーストアンテナ223も、磁界結合型と容量結合型の機能を併せ持っている。また、このRFIDタグ付きボルトは、ブーストアンテナ223を備えることによって、RFIDタグ13が微弱な電波を送受信するパッシブ型であっても、その電波がブーストされ、横断面方向の指向性を向上させてリーダライタと確実に電波の送受信をすることができる。
【0059】
第3の実施形態の頭部2は、第1例や第2例以外にブーストアンテナ223が種々の形態にパターニングされる。例えば、ブーストアンテナ223は、基端側から先端側まで同じ幅のミアンダ状に形成されてもよく、ピッチも様々な間隔で設けてもよい。同じ幅のミアンダ状のブーストアンテナ223は、リブ24が全長に亘って同じ幅、すなわち、上縁と下縁が平行に形成される。
【0060】
このRFIDタグ付きボルトは、種々のタイプのブーストアンテナ223を備えた頭部2が取り付けられる状況に応じて適宜、選択される。
【0061】
〔第4の実施形態〕
本発明のRFIDタグ付き着装部材の第4の実施形態について、
図11及び
図12を参照しながら説明する。
図11は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の頭部及びRFIDタグマウントユニットの第4の実施形態を示す断面正面図である。
図12は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第4の実施形態を示す断面正面図である。
【0062】
図11に示すように、第4の実施形態のRFIDタグ付きボルトは、RFIDタグマウントユニット1と、頭部2と、を備えている。RFIDタグマウントユニット1は、第1の実施形態と同じ軸状部11と、第1の実施形態とほぼ同じ台座部12及びRFIDタグ13と、を備えている。
【0063】
台座部12は、第3の実施形態のように、拡張部121と突出部122とを備えている。拡張部121は、軸状部11の基盤部112を囲む。突出部122は、基盤部112から板状に突出する。この突出部122の一方の面(ここでは、「表面」という。)にRFIDタグ13が接着剤によって固定されている。ただし、突出部122の表面から裏面に窪み部(図示せず)が形成され、この窪み部にRFIDタグ13が嵌め込まれてもよい。いずれにしても、RFIDタグ13の基端縁(図面では下端縁)は、軸状部11の基盤部112の頂面に接触している。
【0064】
頭部2は、RFIDタグマウントユニット1の台座部12の主要部分を覆うキャップ21と、ブーストアンテナ224と、を備えている。頭部2は、台座部12と別体に成形され、着脱可能とされる。
【0065】
第4の実施形態のRFIDタグ付き着装部材のキャップ21は、第1の実施形態と異なり、円柱状のキャップ21と、一方向に延びた1枚の平板状のリブ25と、を備えている。キャップ21には、台座部12の突出部122を挿入する凹嵌部211と、段穴部212とが形成されている。平板状のリブ25は、キャップ21の先端部付近から一方向で横断面方向に突出する。
【0066】
ブーストアンテナ224は、1枚の平板状のリブ25に内蔵される導電体板を備えている。ブーストアンテナ224は、基端部を除いてリブ25に内蔵される。すなわち、ブーストアンテナ224の基端部は、キャップ21の凹嵌部211内に露出している。図示しないが、ブーストアンテナ224の基端部は、キャップ21の凹嵌部211内に浅めに埋め込まれてもよい。
図12に示すように、キャップ21が台座部12に装着されたときにおいて、RFIDタグ13は、軸状部11の基盤部112だけでなく、ブーストアンテナ224の基端部と容量結合するように対向する。ブーストアンテナ224の基端部は、磁界結合型と容量結合型の機能を併せ持っている。
【0067】
このRFIDタグ付きボルトは、図示しないが、幅や長さが異なるブーストアンテナ224や、2方向以上に伸びたブーストアンテナ224を備えた頭部2が種々ストックされる。取り付けられる状況に応じて種々の頭部2が選択される。
【0068】
このRFIDタグ付きボルトは、ブーストアンテナ224を備えることによって、RFIDタグ13が微弱な電波を送受信するパッシブ型であっても、その電波がブーストされ、横断面方向の指向性を向上させてリーダライタと確実に電波の送受信をすることができる。
【0069】
〔他の実施形態〕
本発明に係るRFIDタグ付きボルトを一例としたRFIDタグ付き装着部材やRFIDタグ付き装着部材の頭部、RFIDタグマウントユニットの実施の形態は、前記内容に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で変形や改良などを含む。
【0070】
例えば、前記実施の形態では、インサート部111は雄ネジが形成された軸状であるとした。しかし、インサート部111は、雄ネジが形成されないピンであってもよいし、ピンは円柱状に限定されず、角柱状であってもよい。
【0071】
また、前記実施の形態では、基盤部112は円盤状に形成されるとした。しかし、基盤部112は、多角形状であってもよい。また、前記実施の形態では、基盤部112の外周面は面取り部112aを形成したものであり、頭部2は面取り部112aに接合する係止部を有するとした。しかし、基盤部112の外周面は、面取り部112aを形成せず、ローレット目とし、頭部2の内面がローレット目に入り込むようにしてもよい。また、基盤部112と頭部2とが固着一体化される場合は、基盤部112に面取り部112aを形成せず、頭部2に係止部を有さないようにしてもよい。
【0072】
また、前記実施の形態では、RFIDタグマウントユニットは基盤部112を備えるとした。しかし、RFIDタグマウントユニット1は、基盤部112を備えることなく、軸状部11の一端部を台座部12とし、この台座部12に頭部2が着脱されるようにしてもよい。
【0073】
また、前記実施の形態では、インサート部111及び基盤部112は金属で形成されているとした。しかし、インサート部111及び基盤部112のいずれか一方又は両方が樹脂で形成されてもよい。
【0074】
また、前記実施の形態では、各実施形態において説明した種々の頭部2をそれぞれの実施形態において変更することができるとした。しかし、使用者の用途に合わせて、異なる実施形態の頭部2に交換することもできる。異なる実施形態の頭部2は、ブーストアンテナ221~224の種類を増やすだけで対応し、コストダウンを図ることが可能となる。
【0075】
また、前記実施の形態では、第1の実施の形態乃至第4の実施の形態ごとにRFIDタグ付き着装部材の頭部、RFIDタグマウントユニット及びRFIDタグ付き着装部材をセットとして説明した。しかし、各実施の形態において説明したRFIDタグ付き着装部材の頭部、RFIDタグマウントユニット及びRFIDタグ付き着装部材は、セットでなく、単独で製造したり、譲渡したり、使用したりすることができる。よって、ユーザーが、RFIDタグ付き着装部材を使用する際、適切なRFIDタグ付き着装部材の頭部を選択することによって、選択されたRFIDタグ付き着装部材の頭部、さらにRFIDタグマウントユニット及びRFIDタグ付き着装部材は、使用状況に応じて多種多様に変化する無線通信の感度特性に対応可能となる。
【0076】
また、前記実施の形態では、RFIDタグ付きボルトは被管理金型の管理において使用する場合について説明した。しかし、RFIDタグ付きボルトは、物流分野や鉄道分野や飲食業界などにおいても使用することができる。物流分野では、トラックやコンテナなどのボディにねじ込み、商品の流通を管理する。鉄道分野では、ボルトの緩みを管理する。このボルトは、被管理金型にねじ込む場合よりも大きなサイズが使用される場合がある。飲食業界では、回転寿司店において、皿にRFIDタグ付きボルトを着装し、皿に載せられた寿司の経過時間を管理したり、個別注文した客席にダイレクトに配送されたりしてもよい。
【0077】
〔まとめ〕
以上まとめると、本発明が適用されるRFIDタグ付き着装部材の頭部、RFIDタグマウントユニット及びRFIDタグ付き着装部材は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態をとることができる。
【0078】
本発明に係るRFIDタグ付き着装部材の頭部2は、
軸状のインサート部111を有する軸状部11と、当該軸状部11の一端部に固定され、突出部122を有する台座部12と、当該台座部12の突出部122にマウントされ、電波を送受信するRFIDタグ13と、を備えたRFIDタグマウントユニット1に着脱可能とされ、
前記RFIDタグ13に送受信される電波をブーストするブーストアンテナ221~224と、当該ブーストアンテナ221~224をモールドしたキャップ21と、を備え、
前記キャップ21は、前記突出部122が挿入される凹嵌部211を備えている。
【0079】
このRFIDタグ付き装着部材の頭部2は、RFIDタグ13に送受信される電波をブーストするブーストアンテナ221~224を備えていることにより、RFIDタグ13が微弱な電波を送受信するパッシブ型タグであっても、確実に電波を送受信することができる。また、ブーストアンテナ221付きの頭部2がRFIDタグマウントユニット1の突出部122に装着される。このため、RFIDタグマウントユニット1は、ブーストアンテナ221付きの頭部2を着脱可能とする。したがって、このRFIDタグ付き装着部材の頭部2は、製造ライン上での工程管理や在庫管理などメンテナンスにおける使用状況が変更されても、ブーストアンテナ221付きの頭部2が変更されることで必要とされる感度特性に適合させることができる。
【0080】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材の頭部2において、
前記RFIDタグマウントユニット1は、前記軸状部11が一端部で横断面方向に突出した基盤部112を有し、前記台座部12が前記基盤部112を囲む拡張部121を有し、
前記キャップ21は、前記拡張部121が挿入される段穴部212を備えている。
【0081】
このRFIDタグ付き着装部材の頭部2は、RFIDタグマウントユニット1の軸状部11の一端部に突出した基盤部112を台座部12の拡張部121が囲むことにより、軸状部11とキャップ21との接触面が多くなり、キャップ21が回されたときに、軸状部11を回しやすくすることができる。
【0082】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材の頭部2において、
前記ブーストアンテナ221は、コイル状に形成されたエレメントを備え、
前記キャップ21は、一端閉塞筒状に形成されている。
【0083】
このRFIDタグ付き着装部材の頭部2は、ブーストアンテナ221がコイルバネ状に形成されたエレメントであるため、電波の指向性を横断面方向に向上させることができる。
【0084】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材の頭部2において、
前記ブーストアンテナ222,224は、前記軸状部11の横断面方向に突出した軸状又は導体平板を備え、
前記キャップ21は、前記ブーストアンテナ222,224をモールドするリブ23を備えている。
【0085】
このRFIDタグ付き装着部材の頭部2は、ブーストアンテナ222,224が軸状又は導体平板を備えることで、シンプルな形状のブーストアンテナ222,224とすることができる。
【0086】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材の頭部2において、
前記ブーストアンテナ222は、前記RFIDタグを囲むループ部222aを有するエレメントを備え、
前記キャップ21は、前記ループ部222aをモールドする中心部を備えている。
【0087】
このRFIDタグ付き着装部材の頭部2は、RFIDタグ13を囲むループ部222aを有することで、より微弱な電波をブーストすることができる。
【0088】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材の頭部2において、
前記ブーストアンテナ223は、ミアンダ状にパターニングされ、前記軸状部11の横断面方向に突出したエレメントを備え、
前記キャップ21は、前記エレメントをモールドするリブ24を備えている。
【0089】
このRFIDタグ付き着装部材の頭部2は、ブーストアンテナ223がミアンダ状の導体パターンとされることにより、小型ながら受信感度を向上することができる。ミアンダ状の導体パターンのブーストアンテナ223は、頭部2のリブ24内にモールドされるため、変形したり、折損したりしにくくなる。
【0090】
前記本発明に係るRFIDタグマウントユニット1は、
RFIDタグ13に送受信される電波をブーストするブーストアンテナ221~224と、当該ブーストアンテナ221~224をモールドした一端閉塞筒状のキャップ21と、を一体化したRFIDタグ付き着装部材の頭部2が着脱可能とされ、
軸状のインサート部111を有する軸状部11と、当該軸状部11の一端部に固定された台座部12と、当該台座部12にマウントされ、電波を送受信するRFIDタグ13と、を備えている。
【0091】
このRFIDタグマウントユニット1は、RFIDタグ13に送受信される電波をブーストするブーストアンテナ221~224を備えていることにより、RFIDタグ13が微弱な電波を送受信するパッシブ型タグであっても、確実に電波を送受信することができる。また、ブーストアンテナ221付きの頭部2がRFIDタグマウントユニット1の突出部122に装着される。このため、RFIDタグマウントユニット1は、ブーストアンテナ221付きの頭部2を着脱可能とする。したがって、このRFIDタグ付き装着部材の頭部2は、製造ライン上での工程管理や在庫管理などメンテナンスにおける使用状況が変更されても、ブーストアンテナ221付きの頭部2が変更されることで必要とされる感度特性に適合させることができる。
【0092】
前記本発明に係るRFIDタグマウントユニット1において、
前記軸状部11は、前記インサート部111の一端部で横断面方向に突出し、前記RFIDタグ付き着装部材の頭部2の前記台座部12に設けられた拡張部121に囲まれる基盤部112を備えている。
【0093】
このRFIDタグマウントユニット1は、軸状部11が基盤部112を備え、この基盤部112がRFIDタグ付き着装部材の頭部2の台座部12に設けられた拡張部121に囲まれることで、頭部2が回されたときに、高トルクでの締め付けなどに対応することができる。
【0094】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材は、
軸状のインサート部111を有する軸状部11と、当該軸状部11の一端部に固定され、前記突出部122を有する台座部12と、当該台座部12にマウントされ、電波を送受信するRFIDタグ13と、を備えたRFIDタグマウントユニット1と、
前記RFIDタグ13に送受信される電波をブーストするブーストアンテナ221~224と、当該ブーストアンテナ221~224をモールドし、前記突出部122が挿入される凹嵌部211が形成されたキャップ21と、を備えたRFIDタグ付き着装部材の頭部2と、
を備え、
前記RFIDタグマウントユニット1の前記台座部12の突出部122が前記キャップ21の凹嵌部211に挿入されることにより、前記ブーストアンテナ221~224は前記RFIDタグ13を囲むように前記RFIDタグマウントユニット1が前記RFIDタグ付き着装部材の頭部2に装着された状態となり、前記RFIDタグマウントユニット1の台座部12が前記キャップ21の凹嵌部211から脱抜されることで、前記RFIDタグマウントユニット1は前記RFIDタグ付き着装部材の頭部2から分離した状態となる。
【0095】
このRFIDタグ付き着装部材は、RFIDタグ13に送受信される電波をブーストするブーストアンテナ221~224を備えていることにより、RFIDタグ13が微弱な電波を送受信するパッシブ型タグであっても、確実に電波を送受信することができる。また、ブーストアンテナ221付きの頭部2がRFIDタグマウントユニット1の突出部122に装着される。このため、RFIDタグマウントユニット1は、ブーストアンテナ221付きの頭部2を着脱可能とする。したがって、このRFIDタグ付き装着部材の頭部2は、製造ライン上での工程管理や在庫管理などメンテナンスにおける使用状況が変更されても、ブーストアンテナ221~224の種類を増やすだけで対応し、ブーストアンテナ221付きの頭部2が変更されることで必要とされる感度特性に適合させ、コストダウンを図ることができる。
【0096】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材において、
前記軸状部11は、前記インサート部111の一端部を幅方向に突出した基盤部112を備え、
前記台座部12は、前記基盤部112を囲む拡張部121を備えている。
【0097】
この本発明に係るRFIDタグ付き着装部材は、軸状部11が基盤部112を備え、この基盤部112がRFIDタグ付き着装部材の頭部2の台座部12に設けられた拡張部121に囲まれることで、頭部2が回されたときに、高トルクでの締め付けなどに対応しやすくすることができる。
【符号の説明】
【0098】
1・・・・・RFIDタグマウントユニット
11・・・・軸状部
111・・・インサート部
112・・・基盤部
12・・・・台座部
121・・・拡張部
122・・・突出部
13・・・・RFIDタグ
2・・・・・頭部
21・・・・キャップ
211・・・凹嵌部
212・・・段穴部
221・・・ブーストアンテナ
222・・・ブーストアンテナ
222a・・ループ部
222b・・ストレート部
223・・・ブーストアンテナ
224・・・ブーストアンテナ
23・・・・リブ
24・・・・リブ
25・・・・リブ