(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022056914
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】システム、サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/86 20140101AFI20220404BHJP
A63F 13/215 20140101ALI20220404BHJP
A63F 13/424 20140101ALI20220404BHJP
A63F 13/833 20140101ALI20220404BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20220404BHJP
G10L 15/10 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/215
A63F13/424
A63F13/833
A63F13/53
G10L15/10 200W
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020164911
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】綾野 智章
(57)【要約】
【課題】ゲームイベントの興趣性の向上に寄与すること。
【解決手段】 本願のシステムは、コンピュータゲームのプレイに関する音声を取得する取得部と、音声認識処理を用いて前記音声から、前記コンピュータゲームに関する用語を抽出する抽出部と、前記コンピュータゲームに関する各用語と各用語に関する解説情報とを関連付けて記憶する記憶部から、前記抽出された用語に関連付けられた解説情報を選択する選択部と、前記選択された解説情報の表示を制御する表示制御部と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータゲームのプレイに関する音声を取得する取得部と、
音声認識処理を用いて前記音声から、前記コンピュータゲームに関する用語を抽出する抽出部と、
前記コンピュータゲームに関する各用語と各用語に関する解説情報とを関連付けて記憶する記憶部から、前記抽出された用語に関連付けられた解説情報を選択する選択部と、
前記選択された解説情報の表示を制御する表示制御部と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記記憶部は、前記各用語と前記各用語が使用される前記コンピュータゲームの状況とを関連付けて記憶し、
前記表示制御部は、前記抽出された用語に関連付けられた前記コンピュータゲームの状況である第1のゲーム状況と、前記プレイに基づく前記コンピュータゲームの状況である第2のゲーム状況と、の関係に基づいて、前記選択された解説情報の表示を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記第1のゲーム状況が前記第2のゲーム状況に一致する場合における前記選択された解説情報と、前記第1のゲーム状況が前記第2のゲーム状況に一致しない場合における前記選択された解説情報とを、区別可能に表示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記各用語は、前記コンピュータゲームに固有に使用される固有用語、又は、前記コンピュータゲームと異なる他のコンピュータゲームと共通に使用される共通用語であり、
前記表示制御部は、前記抽出された用語が前記固有用語又は前記共通用語のどちらであるかに基づいて、前記選択された解説情報の表示を制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記固有用語と前記固有用語の関する解説情報とを関連付けた第1の用語情報と、前記共通用語と前記共通用語に関する解説情報とを関連付ける第2の用語情報と、を記憶し、
前記表示制御部は、前記抽出された用語が前記第2の用語情報に含まれるか否かに基づいて、前記選択された解説情報の表示を制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記表示制御部は、所定期間内における前記抽出された用語の抽出回数に基づいて、前記選択された解説情報の表示を制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記所定期間内における前記抽出回数が所定の条件を満足した場合、前記選択された解説情報の表示を制限する、
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記プレイに基づく前記コンピュータゲームの状況、及び/又は、時間的条件に基づいて、前記選択された解説情報の表示に関する制限を緩和する、
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記記憶部は、前記各用語と前記各用語の視聴レベルとを関連付けて記憶し、
前記表示制御部は、前記抽出された用語に関連付けられた視聴レベルに基づいて、前記選択された解説情報の表示を制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記プレイを視聴するユーザの視聴レベルを判定する判定部と、
前記表示制御部は、前記判定された視聴レベルと、前記抽出された用語に関連付けられた前記視聴レベルと、に基づいて、前記選択された解説情報の表示を制限する、
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンピュータゲームは、前記プレイが進行される第1のパートと、前記第1のパート以外の第2のパートと、を含み、
前記表示制御部は、前記第2のパートにおいて、前記抽出された用語の抽出履歴に基づく表示を制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記抽出された用語の抽出順序に基づいて所定数の前記選択された解説情報を表示し、前記所定数を超える前記選択された解説情報の表示を制限する、
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
前記表示制御部は、表示が制限された前記選択された解説情報の参照を要求する領域を表示させる、
ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
コンピュータゲームのプレイに関する音声を取得する取得部と、
音声認識処理を用いて前記音声から、前記コンピュータゲームに関する用語を抽出する抽出部と、
前記コンピュータゲームに関する各用語と各用語に関する解説情報とを関連付けて記憶する記憶部から、前記抽出された用語に関連付けられた解説情報を選択する選択部と、
前記選択された解説情報の出力を制御する出力制御部と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項15】
コンピュータに、
コンピュータゲームのプレイに関する音声を取得することと、
音声認識処理を用いて前記音声から、前記コンピュータゲームに関する用語を抽出することと、
前記コンピュータゲームに関する各用語と各用語に関する解説情報とを関連付けて記憶する記憶部から、前記抽出された用語に関連付けられた解説情報を選択することと、
前記選択された解説情報の出力を制御することと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータゲームに関するイベント(以下、「ゲームイベント」という)が開催されている。近年では、ゲームイベントの中でも、コンピュータゲームが競技として催される大会である、いわゆるeスポーツ(electronic sports)が注目されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームイベント(例えば、eスポーツの大会)では、コンピュータゲームのプレイを実況することにより、ゲームイベントの興趣性を向上させることが検討されている。しかしながら、実況はコンピュータゲームに関する用語(例えば、コンピュータゲームに特有の専門用語)を使用して行われるため、当該実況の内容を理解できない観覧者も存在することが想定される。この結果、実況によるゲームイベントの興趣性の向上効果を十分に得られない恐れがある。
【0005】
本開示は、ゲームイベントの興趣性の向上に寄与するシステム、サーバ及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、
コンピュータゲームのプレイに関する音声を取得する取得部と、
音声認識処理を用いて前記音声から、前記コンピュータゲームに関する用語を抽出する抽出部と、
前記コンピュータゲームに関する各用語と各用語に関する解説情報とを関連付けて記憶する記憶部から、前記抽出された用語に関連付けられた解説情報を選択する選択部と、
前記選択された解説情報の表示を制御する表示制御部と、
を備えることを特徴とするシステムである。
【0007】
また、第1の側面において、前記記憶部は、前記各用語と前記各用語が使用される前記コンピュータゲームの状況とを関連付けて記憶し、前記表示制御部は、前記抽出された用語に関連付けられた前記コンピュータゲームの状況である第1のゲーム状況と、前記プレイに基づく前記コンピュータゲームの状況である第2のゲーム状況と、の関係に基づいて、前記選択された解説情報の表示を制御することができる。
【0008】
また、第1の側面において、前記表示制御部は、前記第1のゲーム状況が前記第2のゲーム状況に一致する場合における前記選択された解説情報と、前記第1のゲーム状況が前記第2のゲーム状況に一致しない場合における前記選択された解説情報とを、区別可能に表示させることができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記各用語は、前記コンピュータゲームに固有に使用される固有用語、又は、前記コンピュータゲームと異なる他のコンピュータゲームと共通に使用される共通用語であり、前記表示制御部は、前記抽出された用語が前記固有用語又は前記共通用語のどちらであるかに基づいて、前記選択された解説情報の表示を制御することができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記記憶部は、前記固有用語と前記固有用語の関する解説情報とを関連付けた第1の用語情報と、前記共通用語と前記共通用語に関する解説情報とを関連付ける第2の用語情報と、を記憶し、前記表示制御部は、前記抽出された用語が前記第2の用語情報に含まれるか否かに基づいて、前記選択された解説情報の表示を制御することができる。
【0011】
また、第1の側面において、前記表示制御部は、所定期間内における前記抽出された用語の抽出回数に基づいて、前記選択された解説情報の表示を制御することができる。また、第1の側面において、前記表示制御部は、前記所定期間内における前記抽出回数が所定の条件を満足した場合、前記選択された解説情報の表示を制限することができる。また、第1の側面において、前記表示制御部は、前記プレイに基づく前記コンピュータゲームの状況、及び/又は、時間的条件に基づいて、前記選択された解説情報の表示に関する制限を緩和することができる。
【0012】
また、第1の側面において、前記記憶部は、前記各用語と前記各用語の視聴レベルとを関連付けて記憶し、前記表示制御部は、前記抽出された用語に関連付けられた視聴レベルに基づいて、前記選択された解説情報の表示を制御することができる。また、第1の側面において、前記プレイを視聴するユーザの視聴レベルを判定する判定部と、前記表示制御部は、前記判定された視聴レベルと、前記抽出された用語に関連付けられた前記視聴レベルと、に基づいて、前記選択された解説情報の表示を制限することができる。
【0013】
また、第1の側面において、前記コンピュータゲームは、前記プレイが進行される第1のパートと、前記第1のパート以外の第2のパートと、を含み、前記表示制御部は、前記第2のパートにおいて、前記抽出された用語の抽出履歴に基づく表示を制御することができる。
【0014】
また、第1の側面において、前記表示制御部は、前記抽出された用語の抽出順序に基づいて所定数の前記選択された解説情報を表示し、前記所定数を超える前記選択された解説情報の表示を制限することができる。前記表示制御部は、表示が制限された前記選択された解説情報の参照を要求する領域を表示させることができる。
【0015】
第2の側面は、コンピュータゲームのプレイに関する音声を取得する取得部と、音声認識処理を用いて前記音声から、前記コンピュータゲームに関する用語を抽出する抽出部と、前記コンピュータゲームに関する各用語と各用語に関する解説情報とを関連付けて記憶する記憶部から、前記抽出された用語に関連付けられた解説情報を選択する選択部と、前記選択された解説情報の出力を制御する出力制御部と、を備えることを特徴とするサーバである。
【0016】
第3の側面は、コンピュータに、コンピュータゲームのプレイに関する音声を取得することと、音声認識処理を用いて前記音声から、前記コンピュータゲームに関する用語を抽出することと、前記コンピュータゲームに関する各用語と各用語に関する解説情報とを関連付けて記憶する記憶部から、前記抽出された用語に関連付けられた解説情報を選択することと、前記選択された解説情報の出力を制御することと、を実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、ゲームイベントの興趣性の向上に寄与するシステム、サーバ及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係るゲームイベントの一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理システムの概要の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理システムを構成する各装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システムを構成する各装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る用語DBの一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る解説情報の第1の表示制御の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る解説情報の第2の表示制御の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る解説情報の第3の表示制御の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る解説情報の第4の表示制御の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る解説情報の第5の表示制御の一例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る解説情報の第6の表示制御の一例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る解説情報の第7の表示制御の一例を示す図である。
【
図13】本実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[ゲームイベントの説明]
本実施形態におけるゲームイベントは、一以上のプレイヤがコンピュータゲームをプレイするイベントである。以下では、ゲームイベントの一例として、コンピュータゲームが競技として催されるeスポーツの大会を想定するが、これに限られない。ゲームイベントは、競技性を有してもよいし、又は、有さなくともよい。また、ゲームイベントでプレイされるコンピュータゲームは、プレイヤ同士が直接対戦するゲームであっても良いし、プレイヤが個々にゲームを行った結果を競うものであっても良いし、プレイヤ同士が協力してゲームを実行するものであってもよい。
【0020】
このようなゲームイベントは、例えば、アリーナ、ゲーム施設、カフェ等の物理的な空間でプレイヤ及び観覧者を収容して開催されてもよい。また、ゲームイベントは、当該物理的な空間を設けずに、又は、当該物理的な空間に加えて、例えば、ネットワーク上のサーバによって提供される仮想的な空間に、プレイヤ及び観覧者がそれぞれ異なる場所から所定の端末を介して接続して開催されてもよい。
【0021】
図1は、本実施形態に係るゲームイベントの一例を示す図である。例えば、
図1に示すように、ゲームイベントにおいて実施されるコンピュータゲームは、1対1で行われる対戦型ゲームである。
図1に示す大会に参加するプレイヤは、1または複数のプレイヤキャラクタ(オブジェクトに相当)を仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。
【0022】
例えば、
図1に示す会場60では、プレイヤ602及び604が対戦型ゲームを行っている。また、対戦型ゲームに関する映像は、会場60に設置された表示装置Dに表示される。会場60内の観覧者606は、表示装置Dに表示される映像により、ゲームイベントを楽しむことができる。当該表示装置Dは、例えば、モニタ、スクリーン、液晶パネル、プロジェクタ等である。会場60内には一以上の表示装置Dが設けられてもよい。また、対戦型ゲームに関する映像は、不図示の視聴用端末に配信されてもよい。視聴用端末に配信される映像により、会場60内の観覧者606だけでなく、会場60にいない観覧者606もゲームイベントを楽しむことができる。なお、会場60にいない観覧者606は視聴者等と呼ばれてもよい。また、会場60内の観覧者606が視聴用端末を利用してもよいことは勿論である。
【0023】
また、会場60では、実況者608によってゲームイベントの実況が実施される。例えば、当該実況に関する音声(以下、「実況音声」という)は、マイクMによって収音され、会場60に設けられたスピーカSにより会場60に出力される。このような実況音声により、観覧者606を盛り上げることができる。一方、実況音声には、コンピュータゲームに関する用語(例えば、コンピュータゲームに特有の専門用語)が含まれるため、実況音声を聞いてもその内容を理解できない観覧者606も存在する。
【0024】
そこで、本実施形態に係る情報処理システムでは、実況音声を取得し、音声認識処理を用いて当該実況音声からコンピュータゲームに関する用語を抽出し、抽出された用語を解説する情報(以下、「解説情報」という)を表示装置D及び/又は視聴用端末に表示させる。これにより、観覧者606が当該実況音声の内容を理解し易くなるので、ゲームイベントの趣向性を向上させる。
【0025】
このように、本実施形態に係る情報処理システムでは、音声認識処理を用いて実況音声から抽出された用語に関する解説情報を表示させるためのシステムである。なお、本実施形態では、「コンピュータゲームのプレイに関する音声」の一例として上記実況音声を説明するが、「コンピュータゲームのプレイに関する音声」は、実況音声に限られず、観覧者606又はプレイヤ602及び604等の音声等を含んでもよい。
【0026】
[情報処理システムの構成]
<概略構成>
図2は、本実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
図2に示すように、情報処理システム1は、サーバ2と、プレイ用端末3と、視聴用端末4と、通信ネットワーク5と、を含む。また、サーバ2は、例えば、
図1に例示される会場60に設けられる表示装置D、マイクM及びスピーカSに接続されてもよい。
【0027】
サーバ2は、ゲームイベントでプレイ用端末3を用いてプレイされるコンピュータゲームに関する映像(以下、「プレイ映像」という)を出力する。例えば、サーバ2は、当該プレイ映像を、会場60に設けられる表示装置Dに出力してもよい。また、サーバ2は、通信ネットワーク5を介して接続される視聴用端末4に対して当該プレイ映像を出力してもよい。
【0028】
なお、サーバ2は、ゲームサーバとして機能してもよい。ゲームサーバは、コンピュータゲームをプレイするユーザに関する各種情報を管理したり、ゲームの一部の処理を実行したりする等、プレイ用端末3におけるゲームの実行処理の一部の機能を担う装置である。サーバ2は、1又は複数の情報処理装置から構成されていてもよいし、仮想的なサーバ(クラウドサーバ等)を用いて構成されていてもよい。
【0029】
プレイ用端末3は、コンピュータゲームのプレイに用いられる端末であり、サーバ2との間において、プレイ用端末3でプレイされるコンピュータゲームに関する各種のデータを送信及び/又は受信する。視聴用端末4は、ゲームイベントでプレイされるコンピュータゲームの視聴に用いられる端末であり、サーバ2から通信ネットワーク5を介して配信されたプレイ映像を表示する。
【0030】
本実施形態では、説明の便宜上、プレイ用端末3及び視聴用端末4を区別して記載するが、プレイ用端末3及び視聴用端末4は別個の端末に限られず、同一の端末であってもよい。例えば、端末のユーザが上記コンピュータゲームを視聴する場合、当該端末は視聴用端末4として動作し、当該端末のユーザが上記コンピュータゲームをプレイする場合、当該端末はプレイ用端末3として動作してもよい。
【0031】
プレイ用端末3及び視聴用端末4は、例えば、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット、パーソナルコンピュータ、アーケードゲーム装置、又は、コンシューマゲーム装置、アミューズメント機器等のコンピュータである。なお、プレイ用端末3及び視聴用端末4の数は、
図1に示すものに限られず、一以上であればよい。プレイ用端末3及び視聴用端末4は、それぞれ、「第1端末」及び「第2端末」等と言い換えられてもよい。
【0032】
通信ネットワーク5は、例えば、インターネット、イントラネット、無線LAN又は移動通信等である。通信ネットワーク5は、サーバ2と、プレイ用端末3と、を相互に接続する。なお、
図1に示す情報処理システム1の概略構成は、例示にすぎず、図示するものに限られない。例えば、サーバ2は、所定の装置又は通信ネットワーク5を介して表示装置D、マイクM及びスピーカSと接続されてもよい。また、実況音声を収音する実況者608用の端末が通信ネットワーク5に接続されてもよい。
【0033】
<ハードウェア構成>
図3は、本実施形態に係る情報処理システムを構成する各装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、サーバ2、プレイ用端末3及び視聴用端末4は、それぞれ、通信インターフェース(IF)11、記憶装置12、プロセッサ13、入力デバイス14及び出力デバイス15を有する。通信インターフェース11、記憶装置12、プロセッサ13、入力デバイス14及び出力デバイス15は、バス16を介して電気的に接続されている。
【0034】
なお、サーバ2、プレイ用端末3及び視聴用端末4は、それぞれ、
図3に示す全ての構成を備えなくともよく、一部の構成は省略されてもよい。例えば、サーバ2は、入力デバイス14及び出力デバイス15の少なくとも一部(例えば、ディスプレイ、マイク及びスピーカ等)に代えて、サーバ2外部に設けられた表示装置D、マイクM及びスピーカSに接続されてもよい。
【0035】
通信IF11は、有線又は無線の通信を行う。具体的には、サーバ2の通信IF11と、又はプレイ用端末3の通信IF11とは、通信ネットワーク5を介して、情報を送信及び/又は受信する。
【0036】
記憶装置12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及びSSD(Solid State Drive)等の少なくとも一つで構成される。具体的には、記憶装置12は、種々の情報及びプログラム(例えば、ゲームプログラム等)を記憶する。
【0037】
プロセッサ13は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成される。具体的には、記憶装置12で記憶される情報及びプログラム、及び/又は、通信IFで送信又は受信される情報に基づいて各種の制御を行う。
【0038】
入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス、マイク、ゲームコントローラ、カメラ及びWebカメラ等の少なくとも一つで構成される。入力デバイス14は、ユーザからの入力操作を受け付ける。
【0039】
出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ及びスピーカ等の少なくとも一つで構成される。出力デバイス15は、プロセッサ13の制御に従って情報の出力を行う。出力デバイス15は、本発明の「表示部」を構成してもよい。
【0040】
<機能構成>
図4は、本実施形態に係る情報処理システム1を構成する各装置の機能構成の一例を示す図である。なお、
図4は、各装置の少なくとも一部の機能を示しており、各装置の機能が図示する機能に限られるものではない。
【0041】
-サーバ-
図4に示すように、サーバ2は、制御部21、記憶部22及び送受信部23を備える。なお、制御部21、記憶部22及び送受信部23は、それぞれ、サーバ2のプロセッサ13、記憶装置12及び通信IF11で構成される。
【0042】
制御部21は、サーバ2で実施される各種処理を制御する。例えば、制御部21は、映像生成部211、音声取得部212、抽出部213、選択部214、表示制御部215を有する。
【0043】
映像生成部211は、プレイ用端末3からのコンピュータゲームのプレイに関するデータ(以下、「プレイデータ」という)に基づいて、プレイ映像を生成する。また、映像生成部211は、生成したプレイ映像を記憶部22に記憶させる。また、映像生成部211は、記憶部22に記憶されたプレイ映像に基づいて、リプレイ用のプレイ映像を生成してもよい。
【0044】
音声取得部212は、コンピュータゲームのプレイに関する実況音声を取得する。例えば、音声取得部212は、会場60に設けられるマイクMを介して収音された実況音声を取得してもよい。
【0045】
抽出部213は、音声取得部212によって取得された実況音声から、コンピュータゲームに関する用語(例えば、コンピュータゲームに特有の専門用語)を抽出する。具体的には、抽出部213は、当該実況音声に対して音声認識処理を行い、当該実況音声に対応する文字列を生成する。また、抽出部213は、生成された文字列に対して自然言語処理を行い、上記特定の用語を抽出する。
【0046】
ここで、音声認識処理は、例えば、音響分析と、音声認識辞書を用いた認識処理と、を含む。音響分析では、入力された実況音声の周波数成分、音の強弱、間隔、時間変化等の特徴量が抽出される。認識処理では、音響分析により抽出された特徴量と、機械学習により学習されたモデル(例えば、音響モデル、発音辞書、言語モデル等)とに基づいて、実況音声に対応する文字列が生成される。
【0047】
また、自然言語処理は、例えば、形態素解析と、構文解析と、意味解析と、文脈解析と、含む。音声認識処理により生成された文字列に対して自然言語処理を行うことにより、当該文字列が意味を持つ単語を含む文章として認識される。抽出部213は、自然言語処理により認識された、コンピュータゲームに関する用語を抽出する。
【0048】
選択部214は、コンピュータゲームに関する各用語と当該各用語に関する解説情報とを関連付けて記憶する記憶部22から、抽出部213によって抽出された用語に関連付けられた解説情報を選択する。具体的には、選択部214は、記憶部22に記憶された用語データベース(DB)を、抽出部213によって抽出された用語を検索キーとして検索し、当該抽出された用語に関連付けられた解説情報を選択する。
【0049】
図5は、記憶部22で記憶される用語DBの一例を示す図である。用語DBは、コンピュータゲームに関する各用語と、当該各用語に関する解説情報と、を少なくとも関連付けるデータベースであり、用語情報又はテーブル等とも呼ばれる。また、用語DBは、当該各用語の解説対象となるユーザの視聴レベルと、当該各用語が使用されるコンピュータゲームの状況(以下、「ゲーム状況」という)とを、当該各用語と関連付けてもよい。
【0050】
また、DBで記憶される複数の用語は、各コンピュータゲームに共通に使用される用語(以下、「共通用語」という)、及び/又は、あるコンピュータゲーム(例えば、
図5では、「格闘V」)に固有に使用される用語(以下、「固有用語」という)を含んでもよい。
【0051】
図5に示すように、用語DBは、共通用語と当該共通用語の解説情報とを関連付けた用語DB(以下、「共通用語DB」という)と、固有用語と当該固有用語の解説情報とを関連付けた用語DB(以下、「固有用語DB」という)とに区別されていてもよい。固有用語DBは、第1の用語情報又は第1のテーブル等とも呼ばれ、共通用語DBは、第2の用語情報又は第2のテーブル等とも呼ばれる。
【0052】
共通用語DBは、上記共通用語と、当該共通用語に関する解説情報と、当該共通用語の解説対象となるユーザの視聴レベルと、当該共通用語が使用されるゲーム状況と、を関連付けてもよい。また、固有用語DBは、上記固有用語と、上記固有用語に関する解説情報と、当該固有用語の解説対象となるユーザの視聴レベル、当該固有用語が使用されるゲーム状況と、を関連付けてもよい。
【0053】
共通用語DBでは、複数のコンピュータゲームに共通に使用できるので、複数のゲーム会社で共用されてもよい。なお、当該共通用語DBは、ゲームジャンル(例えば、格闘ゲーム、スポーツゲーム等)毎に設けられ、各ゲームジャンルに共通の共通用語と解説情報とを関連付けて記憶してもよい。一方、固有用語DBは、あるコンピュータゲームに固有に使用されるので、当該コンピュータゲームを提供するゲーム会社で使用されてもよい。このように、共通用語DBと固有用語DBとを区別することにより、共通用語DBを複数のゲーム会社が共有できるので、各ゲーム会社が用語DBを独自に作成する場合と比較してDB作成コストを低減できる。
【0054】
なお、
図5では、用語DBが共通用語DBと固有用語DBとに区別されるものとしたが、これに限られず、例えば、当該共通用語DB及び固有用語DBを統合した用語DBが使用されてもよい。当該用語DBでは、各用語が共通用語又は固有用語のどちらであるかを示す情報(以下、「用語分類情報」という)が、各用語に関連付けられてもよい。
【0055】
また、
図5では、固有用語DBがコンピュータゲーム毎に設けられるものとしたが、これに限られず、例えば、あるゲーム会社で提供される複数のコンピュータゲームの固有用語を格納する固有用語DBが使用されてもよい。この場合、各固有用語が使用されるコンピュータゲームを示す情報(以下、「ゲーム情報」という)が、各固有用語及び各固有用語の解説情報に関連付けられてもよい。
【0056】
選択部214は、以上のような共通用語DB又は固有用語DBから、抽出部213によって抽出された用語に関連付けられた解説情報を選択する。また、選択部214は、共通用語DBを先に検索し、当該抽出された用語が当該共通用語DBから検出されない場合に固有用語DBを検索してもよい。例えば、抽出部213によって実況音声から用語「△△」が抽出される場合、当該抽出された用語「△△」を検索キーとして共通用語DBを検索する。
図5に示す共通用語DBには当該用語「△△」は含まれないので、選択部214は、当該抽出された用語「△△」を検索キーとして固有用語DBを検索する。選択部214は、固有用語DBにおいて用語「△△」に関連付けられた解説情報「中パンチで接近を牽制すること」を選択する。
【0057】
表示制御部215は、表示装置Dに対する画面の表示を制御する。具体的には、表示制御部215は、映像生成部211によって生成されたプレイ映像の表示を制御する。また、表示制御部215は、選択部214によって選択された解説情報の表示を制御する。例えば、表示制御部215は、第1~第7の表示制御の少なくとも一つを用いて当該解説情報の表示を制御する。
図6~12を参照し、第1~第7の表示制御について詳細に説明する。
【0058】
≪第1の表示制御≫
図6は、本実施形態に係る解説情報の第1の表示制御の一例を示す図である。例えば、
図6では、実況音声「ここは、●●選手が△△していますね」が取得される場合において表示装置Dに表示された画面D1が示される。会場60では、当該実況音声がスピーカSを介して出力されるものとする。
【0059】
また、
図6では、音声取得部212が、マイクMを介して、実況者608による実況音声「ここは、●●選手が△△していますね」を取得し、抽出部213によって特定の用語「△△」が抽出されるものとする。また、選択部214が、固有用語DBから、特定の用語「△△」に関連付けられた解説情報「中パンチで接近を牽制すること」を選択しているものとする。
【0060】
例えば、
図6に示すように、表示制御部215は、画面D1内の領域R11において映像生成部211によって生成されるプレイ映像が表示される。表示制御部215は、当該プレイ映像の実況音声から抽出された用語「△△」を検索キーとして上記固有用語DBから選択された解説情報「中パンチで接近を牽制すること」を、画面D1内の領域R12に表示させる。なお、
図6では、画面D1において映像生成部211において生成されたプレイ映像とともに解説情報が表示されるが、これに限られず、解説情報だけが画面D1で表示されてもよい。
【0061】
図6に示すように、実況音声から抽出された用語「△△」に関する解説情報を画面D1に表示させることで、当該用語「△△」を知らない観覧者606であっても画面D1に表示された解説情報により実況音声の内容を理解できる。
【0062】
≪第2の表示制御≫
表示制御部215は、抽出部213によって実況音声から抽出された用語に関連付けられたゲーム状況(第1のゲーム状況)と、プレイに基づくゲーム状況(第2のゲーム状況)と、の関係に基づいて、選択部214によって選択された解説情報の表示を制御してもよい。ここで、「実況音声から抽出された用語に関連付けられたゲーム状況」とは、例えば、
図5の共通用語DB又は固有用語DBにおいて上記抽出された用語に関連付けられるゲーム状況である。一方、「プレイに基づくゲーム状況」とは、音声取得部212によって実況音声が取得された際のゲーム状況であり、例えば、当該実況音声されたタイミングと同期するプレイデータが示すゲーム状況であってもよい。
【0063】
実況音声から抽出された用語に関連付けられたゲーム状況と、プレイに基づくゲーム状況と、の関係(例えば、両者が一致するか否か)を考慮することで、実況音声が、プレイ映像が示すゲーム状況(すなわち、現在のゲーム状況)に関するのか、又は、当該現在のゲーム状況とは異なるゲーム状況(すなわち、仮定のゲーム状況)に関するのか、を区別できる。
【0064】
図7は、本実施形態に係る解説情報の第2の表示制御の一例を示す図である。例えば、
図7では、実況音声「ここは、●●選手が△△していますね。しかし、もし□□という状況であれば、▽▽の方が有効なのでしょうが、●●選手の状況判断はさすがです。」が取得される場合において表示装置Dに表示された画面D2が示される。なお、
図7では、
図6との相違点を中心に説明する。
【0065】
図7に示すように、画面D2の領域R21では、ゲーム状況が「中パンチ発動」であるプレイ映像が表示される。よって、
図7では、上記実況音声「ここは、●●選手が△△していますね。しかし、もし□□という状況であれば、▽▽の方が有効なのでしょうが、●●選手の状況判断はさすがです。」が取得された際のゲーム状況は、「中パンチ発動」である。また、
図7では、当該実況音声から、用語「△△」、「□□」及び「▽▽」が抽出部213によって抽出される。選択部214は、当該抽出された用語「△△」、「□□」及び「▽▽」をそれぞれ検索キーとして、
図5に示す固有用語DBから、当該抽出された用語「△△」、「□□」及び「▽▽」にそれぞれ関連付けられた解説情報「中パンチで接近を牽制すること」、「xxxxxxxxxx」及び「yyyyyyyyyy」を選択する。
【0066】
ここで、
図5に示す固有用語DBにおいて、用語「△△」には、ゲーム状況「中パンチ発動」が関連付けられる。一方、用語「□□」及び「▽▽」には、それぞれゲーム状況「zzz発動」が関連付けられる。上記の通り、上記実況音声から抽出された用語「△△」に関連付けられたゲーム状況「中パンチ発動」は、実況音声が取得された際のゲーム状況「中パンチ発動」と一致する。一方、上記実況音声から抽出された用語「□□」及び「▽▽」に関連付けられたゲーム状況「zzz発動」は、実況音声が取得された際のゲーム状況「中パンチ発動」と一致しない。
【0067】
そこで、表示制御部215は、実況音声から抽出された用語に関連付けられたゲーム状況が、実況音声が取得された際のゲーム状況と一致する場合における解説情報と、実況音声から抽出された用語に関連付けられたゲーム状況が、実況音声が取得された際のゲーム状況と一致しない場合における解説情報と、を区別可能に表示させてもよい。
【0068】
例えば、
図7では、抽出された用語「△△」に関連付けられるゲーム状況「中パンチ発動」は、実況音声が取得された際のゲーム状況「中パンチ発動」と一致するので、表示制御部215は、当該抽出された用語「△△」に関連付けられた解説情報「中パンチで接近を牽制すること」を第1の表示方法(ここでは、実線で囲む)で領域R22に表示する。一方、抽出された用語「□□」及び「▽▽」に関連付けられたゲーム状況「zzz発動」は、実況音声が取得された際のゲーム状況「中パンチ発動」と一致しないので、表示制御部215は、当該抽出された用語「□□」及び「▽▽」に関連付けられた解説情報「xxxxxxxxxx」及び「yyyyyyyyyy」を第2の表示方法(ここでは、破線で囲む)で領域R23及びR24に表示する。
【0069】
なお、
図7では、第1の表示方法と第2の表示方法とで解説情報を囲む線の種類(ここでは、実線及び破線)を異ならせたが、これに限られない。例えば、第1の表示方法と第2の表示方法とで異なる色を用いる等、第1の表示方法で表示された解説情報と第2の表示方法で表示された解説情報とを区別できれば、どのような表示方法であってもよい。
【0070】
また、
図7では、実況音声から抽出された用語に関連付けられたゲーム状況が、実況音声が取得された際のゲーム状況と一致する場合における解説情報と、一致しない場合における解説情報と、の双方を異なる表示方法で表示させたが、一致しない場合における解説情報を表示させなくともよい。例えば、
図7では、抽出された用語「△△」の解説情報「中パンチで接近を牽制すること」が画面D2で表示され、抽出された用語「□□」及び「▽▽」それぞれの解説情報「xxxxxxxxxx」及び「yyyyyyyyyy」は画面D2で表示されなくともよい。
【0071】
≪第3の表示制御≫
表示制御部215は、抽出部213によって実況音声から抽出された用語が固有用語又は共通用語のどちらであるかに基づいて、選択部214によって選択された解説情報の表示を制御してもよい。
【0072】
図8は、本実施形態に係る解説情報の第3の表示制御の一例を示す図である。例えば、
図8では、実況音声「ここは●●選手が○○していますね」が取得される場合において表示装置Dに表示された画面D3が示される。
図6では、実況音声から固有用語「△△」が抽出されるのに対して、
図8では、実況音声から共通用語「〇〇」が抽出される点で、
図6及び8は異なる。以下、
図6との相違点を中心に説明する。
【0073】
図8において、選択部214は、上記実況音声から抽出部213によって抽出された用語「○○」を検索キーとして共通用語DBを検索し、当該特定の用語「〇〇」に関連付けられた解説情報「致命的なダメージを与えること」を選択するものとする。表示制御部215は、共通用語DBから選択された解説情報「致命的なダメージを与えること」を、画面D3内の領域R31に表示させる。
【0074】
図8に示すように、表示制御部215は、共通用語「〇〇」の解説情報「致命的なダメージを与えること」を、
図6に示す固有用語「△△」の解説情報「中パンチで接近を牽制すること」とは異なる表示方法で表示させてもよい。例えば、
図8の領域R31は白以外の色が付されるのに対して、
図6の領域R12は白色である。なお、固有用語の解説情報の表示方法及び共通用語の解説情報の表示方法は、
図6及び8に示すものに限られず、両者が異なる表示方法で表示されればよい。また、表示制御部215は、固有用語又は共通用語のいずれかの解説情報を表示させなくともよい。
【0075】
また、表示制御部215は、抽出部213によって抽出された用語が共通用語DBに含まれるか否かに基づいて、当該用語に関連付けられた解説情報の表示を上記の通り制御してもよい。選択部214は、当該用語を検索キーとして共通用語DBを先に検索し、当該用語が共通用語DBで検出されない場合に固有用語DBを検索するためである。一般に、実況者608は、固有用語よりも共通用語を使用する頻度が高いと考えられるため、共通用語DBを先に検索することにより検索時間を短くできる。なお、用語DBの検索順序はこれに限られず、固有用語DBを先に共通用語DBを後に検索してもよいことは勿論である。
【0076】
≪第4の表示制御≫
表示制御部215は、抽出部213によってある用語が抽出された回数(以下、「抽出回数」という)に基づいて、当該用語に関連付けられた解説情報の表示を制御してもよい。具体的には、表示制御部215は、所定期間におけるある用語の抽出回数が所定の条件を満足した場合、当該解説情報の表示を制限してもよい。また、表示制御部215は、ゲーム状況及び/又は時間的条件に基づいて、上記解説情報の表示に関する制限を緩和してもよい。
【0077】
図9は、本実施形態に係る解説情報の第4の表示制御の一例を示す図である。例えば、
図9では、タイミングT41~T43に対応する画面D41~D43が示される。以下、
図6との相違点を中心に説明する。例えば、
図9では、上記所定期間が、ある試合が開始されてから終了するまでの期間P1及びP2であるものとするが、これに限られず、例えば、1時間、30分等の一定期間であってもよい。また、
図9では、上記所定の条件が、期間Pにおける特定の用語の抽出回数n>所定数X(ここで、X>1)であるものとするが、これに限られない。
【0078】
図9に示すように、タイミングT41では、音声取得部212によって実況音声「ここは●●選手が△△していますね」が取得され、抽出部213によって用語「△△」が抽出される。タイミングT41における用語「△△」の抽出回数nは所定数Xであり、n>Xを満たさない。このため、表示制御部215は、画面D41において、抽出された用語「△△」に関連付けられた解説情報「中パンチで接近を牽制すること」を表示させる。
【0079】
タイミングT42では、音声取得部212によって実況音声「★★選手が△△していますね」が取得され、抽出部213によって用語「△△」が抽出される。タイミングT42における用語「△△」の抽出回数nは所定数X+1であり、n>Xを満たす。このため、表示制御部215は、画面D42において、抽出された用語「△△」に関連付けられた解説情報の表示を制限する。例えば、画面D42では、当該制限により当該解説情報が表示されない。このように、n>Xがみたされると、用語「△△」が抽出されても当該解説情報は表示されない。
【0080】
一方、表示制御部215は、ゲーム状況及び/又は時間的条件に基づいて、上記特定の用語「△△」の解説情報の表示の制限を緩和してもよい。具体的には、
図9では、ゲーム状況「試合終了」又は「試合開始」に基づいて、又は、期間P1の終了又は期間P2の開始に基づいて、上記特定の用語「△△」の解説情報の表示の制限を緩和する。
【0081】
例えば、
図9では、期間P2が開始される際に用語「△△」の抽出回数n=0に初期化される。タイミングT43では、音声取得部212によって実況音声「●●選手の得意技△△ですね」が取得され、抽出部213によって用語「△△」が抽出される。タイミングT43における特定の用語「△△」の抽出回数nは1であり、n>Xを満たさない。このため、表示制御部215は、画面D43において、抽出された用語「△△」に関連付けられた解説情報「中パンチで接近を牽制すること」を表示させる。
【0082】
図9に示すように、期間P1における用語「△△」の抽出回数が所定の条件を満たす場合、当該用語「△△」に関する解説情報の表示を制限することで、観覧者606をプレイ映像に集中し易くさせることができる。一方、次の期間P2が開始されると当該制限が緩和されるので、観覧者606が次の試合開始前に入れ替わっても、当該新たな観覧者606に対して用語「△△」に関する解説情報を提示できる。
【0083】
≪第5の表示制御≫
表示制御部215は、用語DBにおいて特定の用語に関連付けられた視聴レベルに基づいて、当該特定の用語に関連付けられた解説情報の表示を制御してもよい。
【0084】
図10は、本実施形態に係る解説情報の第5の表示制御の一例を示す図である。
図10では、
図7と同様に、
図7では、実況音声「ここは、●●選手が△△していますね。しかし、もし□□という状況であれば、▽▽の方が有効なのでしょうが、●●選手の状況判断はさすがです。」が取得される場合を想定する。なお、
図10では、
図7との相違点を中心に説明する。
【0085】
例えば、
図10では、
図1の会場60において表示装置Dとしてメインモニタとサブモニタとが設けられる場合に、メインモニタで表示される画面D51(ここでは、中級用画面)とサブモニタで表示される画面D52(ここでは、初級用画面)とが示される。例えば、メインモニタ用の画面D51には、視聴レベル「中級」が定められており、サブモニタ用の画面D52には、視聴レベル「初級」が定められてもよい。また、上記実況音声から抽出部213によって抽出された用語「△△」、「□□」及び「▽▽」は、
図5に示す固有用語DBにおいてそれぞれ視聴レベル「中級」、「初級」及び「初級」に関連付けられる。なお、メインモニタ用の画面D51にゲーム映像を表示させ、サブモニタ用の画面D52に抽出された用語の解説情報を視聴レベルに応じた態様で表示させるようにしてもよい。
【0086】
表示制御部215は、抽出された用語に関連付けられた視聴レベルが、画面D51又はD52に関連付けられた視聴レベル以上である場合には、当該特定の用語に関連付けられた解説情報を画面D51又はD52内に表示させてもよい。例えば、抽出された用語「△△」に関連付けられた視聴レベル「中級」は画面D51に定められた視聴レベル「中級」と等しいので、表示制御部215は、用語「△△」に関連付けられた解説情報を画面D51内の領域R51に表示させてもよい。一方、抽出された用語「□□」及び「▽▽」に関連付けられた視聴レベル「初級」は画面D51に定められた視聴レベル「中級」よりも低いので、表示制御部215は、抽出された用語「□□」及び「▽▽」に関連付けられた解説情報を画面D51内に表示させない。
【0087】
また、抽出された用語「□□」及び「▽▽」に関連付けられた視聴レベル「初級」は画面D52に定められた視聴レベル「初級」と等しいので、表示制御部215は、抽出された用語「□□」及び「▽▽」に関連付けられた解説情報を画面D52内の領域R53及びR54に表示させる。また、抽出された用語「△△」に関連付けられた視聴レベル「中級」は画面D52に定められた視聴レベル「初級」よりも高い視聴レベルであるので、表示制御部215は、用語「△△」に関連付けられた解説情報を画面D52内の領域R52に表示させる。
【0088】
図10に示すように、異なる視聴レベルに対応する画面D51及びD52を会場60の複数のモニタに表示させるとともに、当該複数のモニタそれぞれで視聴レベルに合致した解説情報のみを表示させることで、会場60内に異なる視聴レベルの観覧者606が混在する場合にも、観覧者606をプレイ映像に集中し易くさせることができる。
【0089】
なお、
図10では、会場60内の観覧者606の視聴レベルは判定されなくともよいが、これに限られず、会場60の表示装置Dに解説情報を表示させる場合であっても、当該観覧者606の視聴レベルが判定されてもよい。すなわち、表示制御部215は、「プレイを視聴するユーザの視聴レベルを判定する判定部」を構成し、当該判定された視聴レベルと、上記抽出された用語に関連付けられた視聴レベルと、に基づいて、解説情報の表示を制限してもよい。
【0090】
例えば、表示制御部215は、会場60に入場する各観覧者606によって事前に登録された視聴レベルの比(例えば、初級、中級、上級等)に基づいて、会場60内の観覧者606の視聴レベルを判定し、当該視聴レベルと、上記抽出された用語に関連付けられた視聴レベルとに基づいて、会場60の表示装置Dにおける解説情報の表示を制限してもよい。例えば、視聴レベルの比が、初級:中級:上級=5:4:1であれば、表示装置Dに
図10の初級用画面D52を表示させ、視聴レベルの比が初級:中級:上級=3:5:2であれば、表示装置Dに
図10の中級用画面D51を表示させてもよい。また、視聴レベルの比に応じて、解説情報の表示態様を変化させてもよい。例えば、初級の視聴者が少ない場合には解説情報の表示時間を短くしたり、小さく表示させるようにしてもよい。なお、上級の視聴者よりも初級の視聴者の方が解説情報をより必要とすると考えられるため、視聴レベルの比を解説情報の表示態様の変化に反映させる度合いは、上級者の方が大きくしてもよい。この場合には、初級の視聴者が少ない場合にも初級者向けの解説情報は確実に表示されるようにしつつ、上級の視聴者が少ない場合には上級者向けの解説情報は目立ちにくくして、初級の視聴者の解説情報に対する視認性を確保し得る。
【0091】
また、視聴レベルに基づく画面D51又はD52が視聴用端末4に配信される場合、表示制御部215は、視聴用端末4のユーザの視聴レベルを判定してもよい。当該ユーザの視聴レベルは、例えば、当該ユーザのプレイヤとしてのランク、当該ユーザの視聴履歴、当該ユーザの視聴時間等に基づいて判定することができる。表示制御部215は、当該ユーザの視聴レベルに基づいて、視聴用端末4に対して配信する画面(例えば、
図10では、中級用画面D51又は初級用画面D52のどちらか)を決定してもよい。このように、表示制御部215は、視聴用端末4のユーザの視聴レベルと、実況音声から抽出された用語に関連付けられた視聴レベルとに基づいて、視聴用端末4に配信する画面に関する情報(以下、「画面情報」という)を生成してもよい。
【0092】
≪第6の表示制御≫
表示制御部215は、実況音声からの用語の抽出履歴に基づく表示を制御する。一般に、コンピュータゲームは、プレイが進行される第1のパート(以下、「プレイパート」という)と、プレイパート以外の第2のパート(以下、「非プレイパート」という)と、を含む。表示制御部215は、非プレイパートにおいて、プレイパートにおける上記抽出履歴に基づく表示を制御してもよい。
【0093】
ここで、プレイパートとは、プレイヤの操作に基づいてコンピュータゲーム内のプレイヤキャラクタが操作されているパートであり、仮想ゲーム空間上のストーリーが進行している状態である。プレイパートは、例えば、対戦型ゲームの場合はプレイヤキャラクタの対戦中であるが、これに限られない。
【0094】
非プレイパートは、プレイパート以外のパートであり、例えば、コンピュータゲームのロード中、キャラクタの設定中、ステージの設定中、仮想ゲーム空間上の条件の設定中、仮想ゲーム空間の設定等、仮想ゲーム空間上のストーリーが進行していない状態である。非プレイパートは、例えば、対戦型ゲームの場合、対戦条件の設定中、前の試合が終了してから次の試合が開始されるまでの準備期間等であるが、これに限られない。なお、プレイパート及び非プレイパートは、それぞれ、第1及び第2のシーン等と呼ばれてもよい。
【0095】
図11は、本実施形態に係る解説情報の第6の表示制御の一例を示す図である。例えば、
図11では、前の試合が終了してから次の試合が開始されるまでの非プレイパートにおいて表示装置Dに表示される画面D61及びD62が示される。
図11に示すように、非プレイパートの間において、表示制御部215は、プレイパート(例えば、前の試合)のリプレイ映像を画面D61に表示させてもよい。
【0096】
また、表示制御部215は、直近の所定期間内のプレイパートにおける用語の抽出履歴に基づいて、非プレイパートにおいて用語解説一覧を画面D62に表示させてもよい。直近の所定期間のプレイパートとは、例えば、前の試合中、又は、同日のこれまでの試合中等であってもよい。また、用語解説一覧は、上記抽出履歴に示される各用語に関する解説情報を一覧として示すものであってもよい。当該用語解説一覧は、画面D61に例示されるリプレイ映像の表示有無に関係なく、表示されてもよい。
【0097】
図11の画面D62に示すように、用語解説一覧は、所定期間(例えば、前の試合中、又は、同日中)の実況音声からの抽出回数が多い順番に、当該抽出回数とともに、抽出された用語の解説情報を示してもよい。非プレイパートにおいて用語解説一覧を表示させることにより、観覧者606は、実況音声から抽出された用語の意味を復習することができる。
【0098】
≪第7の表示制御≫
また、表示制御部215は、特定の用語が抽出された時系列に基づいて所定数の解説情報を表示させてもよい。また、表示制御部215は、当該所定数を超える解説情報の表示を制限してもよい。
【0099】
図12は、本実施形態に係る解説情報の第7の表示制御の一例を示す図である。
図6~10では、プレイパートにおいて用語が抽出されたタイミングにおいて当該抽出された用語に関連付けられた解説情報を表示させるが、
図12では、プレイパートにおいて用語が抽出された時系列に基づいて、直近の所定数の解説情報を表示させてもよい。すなわち、プレイパートにおいてリアルタイムの用語解説一覧を表示させる点で
図6~10と異なる。以下では、
図6~10との相違点を中心に説明する。
【0100】
なお、
図12では、画面D71及びD72に示される用語解説一覧には、直近の最大3個の解説情報が表示されるものとするが、表示される解説情報の数は3に限られない。また、画面D71及びD72では、新たに抽出された用語の解説情報ほど上に表示されるが、当該特定の用語の抽出順序に基づけばよく、
図12に示す表示方法に限られない。
【0101】
例えば、
図12では、タイミングT71において取得された実況音声から、抽出部213によって用語「△△」、「□□」及び「▽▽」が抽出されるものとする。画面D71では直近3個の解説情報が表示されるため、表示制御部215は、タイミングT71で抽出された用語「△△」、「□□」及び「▽▽」それぞれの解説情報が抽出順序に従って画面D71に表示させる。
【0102】
一方、表示制御部215は、領域R71及びR72に示すように、タイミングT71より前に抽出された用語の解説情報の表示を制限する。例えば、領域R71では、タイミングT71よりも前に特定の用語「△△」が3回抽出されたことが示される。また、領域R72では、タイミングT71よりも前に特定の用語「□□」が1回抽出されたことが示される。
【0103】
また、
図12では、タイミングT72において取得された実況音声から、抽出部213によって特定の用語「〇〇」が抽出されるものとする。画面D72では直近3個の解説情報が表示されるため、表示制御部215は、当該実況音声から抽出された用語「〇〇」を新たに画面D72に表示させる。また、表示制御部215は、画面D72では、領域R73に示すように、画面D71で最も前に抽出された用語「△△」の解説情報の表示を制限する。例えば、領域R73では、タイミングT72よりも前に特定の用語「△△」が4回抽出されたことが示される。
【0104】
なお、
図12では、プレイ映像とは別の画面D71及びD72においてリアルタイムの用語解説一覧が表示されるものとするが、プレイ映像と同一の画面内に当該リアルタイムの用語解説一覧が表示されてもよい。
【0105】
また、リアルタイムの用語解説一覧を示す画面D71、D72が視聴用端末4に配信される場合、表示制御部215は、表示が制限された解説情報を示す領域R71、R72及びR73を、視聴用端末4のユーザによる入力に応じて、当該解説情報の参照を要求する領域として構成し、当該領域を含む画面に関する情報を生成してもよい。例えば、
図12の画面D72が視聴用端末4で表示される場合、4回抽出された用語「△△」に関する解説情報の表示が制限されており、当該視聴用端末4のユーザは用語「△△」の意味を認識できない。そこで、視聴用端末4のユーザは、領域R73に対して所定の操作(例えば、タップ等)を行うことにより、当該用語「△△」に関する解説情報の参照を要求してもよい。
【0106】
以上のように、表示制御部215は、第1~第7の表示制御の少なくとも一つを用いて、選択部214によって選択された解説情報の出力を制御してもよい。すなわち、表示制御部215は、「解説情報の出力を制御する出力制御部」を構成してもよい。より具体的には、表示制御部215は、第1~第7の表示制御の少なくとも一つを用いて制御される画面(例えば、
図6~12)に関する画面情報を生成してもよい。表示制御部215は、生成した画面情報を表示装置Dに対して出力してもよい。また、表示制御部215は、生成した画面情報を、視聴用端末4に対して送受信部23を介して出力してもよい。
【0107】
記憶部22は、各種情報及びプログラムを記憶する。具体的には、記憶部22は、用語DBを記憶する。上記の通り、用語DBは、共通用語DB及び固有用語DBを含んで構成されてもよい。また、記憶部22は、リプレイ用のプレイ映像を記憶する映像DBを記憶してもよい。
【0108】
送受信部23は、プレイ用端末3又は視聴用端末4との間で、通信ネットワーク5を介して、情報を送信及び/又は受信する。送受信部23は、「送信部」又は「受信部」と呼ばれてもよい。
【0109】
具体的には、送受信部23は、プレイ用端末3との間で、プレイに関するデータ(以下、「プレイデータ」という)を送信及び/又は受信する。また、送受信部23は、上記画面情報を視聴用端末4に対して送信する。
【0110】
-プレイ用端末-
図4に示すように、プレイ用端末3は、制御部31及び送受信部32を備える。なお、制御部31及び送受信部32は、それぞれ、プレイ用端末3のプロセッサ13及び通信IF11で構成される。制御部31は、プレイ用端末3で実施される各種処理を制御する。例えば、制御部31は、表示制御部311、入力受付部312及びゲーム制御部313を有する。
【0111】
表示制御部311は、プレイ用端末3の出力デバイス15に表示される画面を制御する。表示制御部311は、プレイ映像の表示を制御する。
【0112】
入力受付部412は、プレイ用端末3の入力デバイス14の操作による入力を受け付ける。具体的には、入力受付部412は、プレイヤによるコンピュータゲームのプレイに関する操作を受け付ける。入力受付部412は、上記視聴者情報を参照したプレイヤによる、視聴者に向けたパフォーマンスの入力(例えば、音声、映像等の入力)を受け付けてもよい。
【0113】
ゲーム制御部313は、入力デバイス14の操作に従って、コンピュータゲームの実行を制御する。具体的には、ゲーム制御部313は、出力デバイス15で表示されるキャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むプレイ映像の生成及び描画を制御する。当該プレイ映像は動画形式であってもよいが、これに限られない。
【0114】
送受信部42は、サーバ2との間で、通信ネットワーク5を介して、情報を送信及び/又は受信する。送受信部42は、「送信部」又は「受信部」と呼ばれてもよい。具体的には、送受信部42は、プレイ映像の生成に用いられるデータ(以下、「プレイデータ」という)をサーバ2に送信する。
【0115】
-視聴用端末-
図4に示すように、視聴用端末4は、制御部41及び送受信部42を備える。なお、制御部41及び送受信部42は、それぞれ、視聴用端末4のプロセッサ13及び通信IF11で構成される。制御部41は、視聴用端末4で実施される各種処理を制御する。例えば、制御部41は、表示制御部411及び入力受付部412を有する。
【0116】
表示制御部411は、視聴用端末4の出力デバイス15に表示される画面を制御する。表示制御部411は、プレイ映像の表示を制御する。具体的には、表示制御部411は、表示制御部215は、サーバ2からの画面に関する情報に基づいて、実況音声から抽出された用語に関連付けられた解説情報の表示を制御する。例えば、表示制御部411は、上記第1~第7の表示制御の少なくとも一つに基づいて、当該解説情報の表示を制御してもよい。
【0117】
入力受付部412は、視聴用端末4の入力デバイス14の操作による入力を受け付ける。具体的には、入力受付部412は、電子媒体を使用指示の入力を受け付けてもよい。
【0118】
送受信部42は、サーバ2との間で、通信ネットワーク5を介して、情報を送信及び/又は受信する。送受信部42は、「送信部」又は「受信部」と呼ばれてもよい。具体的には、送受信部42は、プレイ映像をサーバ2から受信する。送受信部42は、上記画面情報をサーバ2から受信する。
【0119】
[情報処理システムの動作]
図13は、本実施形態に係る情報処理システムの動作を示すシーケンス図である。なお、
図13における一部のステップは省略されてもよいし、一部の順序が変更されてもよい。例えば、ステップst107又はst108のどちらかは省略されてもよい。なお、
図13では、プレイパートでの動作を一例として説明する。
【0120】
図13に示すように、ステップst101において、プレイ用端末3は、当該プレイ用端末3におけるプレイデータをサーバ2に送信する。ステップst102において、サーバ2は、プレイデータに基づいてプレイ映像を生成する。
【0121】
ステップst103において、サーバ2は、実況音声を取得する。ステップst104において、サーバ2は、音声認識処理を用いて、当該実況音声から、コンピュータゲームに関する用語を抽出する。ステップst105において、サーバ2は、用語DBから、ステップst104で抽出された用語に関連付けられた解説情報を選択する。
【0122】
ステップst106において、サーバ2は、ステップst102で生成されたプレイ映像及びステップst105で選択された解説情報の表示を制御する。サーバ2は、上記第1~第7の表示制御の少なくとも一つを用いて、画面(例えば、
図6~12)における解説情報の表示を制御し、当該画面に関する画面情報を生成する。
【0123】
ステップst107において、サーバ2は、表示装置Dに対して、プレイ映像及び画面情報を出力し、表示装置Dは上記画面を表示させる。ステップst108において、サーバ2は、視聴用端末4に対して、プレイ映像及び画面情報を出力し、視聴用端末4は上記画面を表示させる。
【0124】
以上をまとめると、本実施形態に係るプログラムは、サーバ2の制御部21(コンピュータ)に、実況音声(コンピュータゲームのプレイに関する音声)を取得することと、音声認識処理を用いて当該実況音声から、当該コンピュータゲームに関する用語を抽出することと、当該コンピュータゲームに関する各用語と各用語に関する解説情報とを関連付けて記憶する記憶部22から、当該抽出された用語に関連付けられた解説情報を選択することと、前記選択された解説情報の出力を制御することと、を実行させるものである。
【0125】
[効果]
本実施形態に係る情報処理システム1によれば、実況音声を取得し、音声認識処理を用いて当該音声からコンピュータゲームに関する用語を抽出し、抽出された用語に関する解説情報を表示装置D及び/又は視聴用端末4に表示させることで、当該実況音声の内容を理解し易くすることができる。この結果、ゲームイベントの趣向性を向上できる。
【0126】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0127】
上記実施形態において、解説情報を表示させることに加えて、または、替えて、抽出された用語に対応する関連情報を表示させてもよい。例えば、抽出された用語がプレイヤキャラクタによる特定のアクション(必殺技やコンボ)のような場合には、当該アクションに対応する関連情報として、当該アクションによるダメージ量、コンボによるダメージ量の補正値(増加量)といった情報を表示させてもよい。この場合、記憶部は当該アクションが発生したというゲーム状況と関連付けて、当該アクションによるダメージ量等の情報を関連付けて記憶させる。これにより、解説情報を表示させることに加えて、または、替えて、抽出された用語に対応する関連情報を表示させることができる。
【0128】
関連情報は、プレイヤキャラクタやその他のキャラクタに関する情報、または、プレイヤに関する情報であってもよい。例えば、キャラクタやプレイヤを紹介することに関する用語が抽出された場合には、関連情報としてキャラクタやプレイヤの一覧表や相関表、それまでの対戦履歴等を表示させてもよい。
【0129】
関連情報は、ゲーム状況に関する関する情報であってもよく、例えば、スポーツゲームにおいて、試合の統計情報を表示させてもよい。サッカーゲームにおいて、抽出された特定の用語に対応して、両チームのボールの支配率や、選手やボールが特定の位置に滞在した時間を示すヒートマップといった統計情報を表示させてもよい。野球ゲームにおいて、抽出された特定の用語に対応して、投手の球種や投球コースに関する情報、打者の球種や投球コース別の打率に関する情報、走者の投球カウント別の盗塁実行確率や成功確率、といった情報を表示させてもよい。
【0130】
関連情報は、ゲーム状況や時間的条件、視聴者の視聴レベル等に応じて表示が制御されてもよい。なお、解説情報や関連情報は、ゲーム状況や時間的条件、視聴者の視聴レベル等に応じて、プレイに関する音声から用語が抽出されたか否かに関わらず表示されてもよい。例えば、特定のゲーム状況や、非プレイパートにおいて、上記のような解説情報や関連情報が自動的に表示されるようにしてもよい。
【0131】
上記実施形態では、ゲームイベントにおいて行われるコンピュータゲームが対戦型ゲームである場合を例示したが、これに限定されない。ゲームは、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなど、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0132】
上記実施形態では、サーバ2が単独でプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。プログラムの少なくとも一部の手段は、サーバ2を構成する一つ又は複数の装置に備えられてもよい。
【0133】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0134】
1 情報処理システム
2 サーバ
3 プレイ用端末
4 視聴用端末
5 通信ネットワーク
11 通信インターフェース
12 記憶装置
13 プロセッサ
14 入力デバイス
15 出力デバイス
16 バス
21 制御部
22 記憶部
23 送受信部
31 制御部
32 送受信部
41 制御部
42 送受信部
211 映像生成部
212 音声取得部
213 抽出部
214 選択部
215 表示制御部
311 表示制御部
312 入力受付部
313 ゲーム制御部
411 表示制御部
412 入力受付部
60 会場
602 プレイヤ
606 観覧者
608 実況者
D 表示装置
M マイク
S スピーカ