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特開2022-56931管理装置、管理装置の制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022056931
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】管理装置、管理装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/4063 20060101AFI20220404BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
G05B19/4063 L
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020164934
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100174344
【弁理士】
【氏名又は名称】安井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】宮越 喜浩
【テーマコード(参考)】
3C100
3C269
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA38
3C100AA59
3C100BB13
3C100BB15
3C100BB33
3C100CC02
3C269AB05
3C269BB07
3C269CC02
3C269EF39
3C269GG01
3C269KK08
3C269QB03
3C269QC01
3C269QC03
3C269QD02
3C269QE12
3C269QE14
3C269QE22
3C269QE26
3C269QE28
3C269QE31
3C269QE32
3C269QE34
(57)【要約】
【課題】グラフに表示しない稼働状態の区分を選択できる管理装置、管理装置の制御方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】端末は工作機械の稼働情報を取得し、稼働状態区分毎に分類する。端末は分類した稼働情報に基づき、予め設定した集計期間における稼働比率を計算する。端末は、計算した稼働状態区分毎の比率を示すグラフを作成し表示部60に表示する。端末はグラフの表示において電源オフの稼働状態区分を含まないことを選択できる。端末は、稼働状態区分のうち選択した稼働状態区分を除いた稼働比率を計算する。故に端末は電源オフの稼働状態区分を除いた非表示グラフ91,92で、稼働状態区分毎の比率を表示できる。故に電源オン期間中の稼働比率が見易くなり、解析を容易にできる。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械の情報を管理する管理装置において、
所定時間毎の前記工作機械の稼働状態の情報である稼働情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記稼働情報を前記稼働状態の区分毎に分類する分類部と、
前記分類部が分類した前記稼働情報に基づき、予め設定した集計期間における前記稼働情報の前記区分毎の比率である稼働比率を示す値を計算する計算部と、
前記計算部が計算した前記区分毎の前記稼働比率を示す値を示すグラフを作成する作成部と、
前記作成部が作成した前記グラフを表示部に表示する表示制御部と、
前記表示部に表示する前記グラフにおいて表示しない前記区分を選択する選択部と、
前記選択部が選択した前記区分を、前記計算部が前記稼働比率を示す値を計算する前記区分から除外する除外部とを備えたこと
を特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記計算部が計算した前記区分毎の前記稼働比率を示す値を前記グラフと共に前記表示部に表示すること
を特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
工作機械の情報を管理する管理装置の制御方法において、
所定時間毎の前記工作機械の稼働状態の情報である稼働情報を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得した前記稼働情報を前記稼働情報の区分毎に分類する分類工程と、
前記分類工程で分類した前記稼働情報に基づき、予め設定した集計期間における前記稼働情報の前記区分毎の比率である稼働比率を示す値を計算する計算工程と、
前記計算工程で計算した前記区分毎の前記稼働比率を示す値を示すグラフを作成する作成工程と、
前記作成工程で作成した前記グラフを表示部に表示する表示制御工程と、
前記表示部に表示する前記グラフにおいて表示しない前記区分を選択する選択工程と、
前記選択工程で選択した前記区分を、前記計算工程で前記稼働比率を示す値を計算する前記区分から除外する除外工程とを備えたこと
を特徴とする管理装置の制御方法。
【請求項4】
工作機械の情報を管理する管理装置のコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
所定時間毎の前記工作機械の稼働状態の情報である稼働情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した前記稼働情報を前記稼働情報の区分毎に分類する分類ステップと、
前記分類ステップで分類した前記稼働情報に基づき、予め設定した集計期間における前記稼働情報の前記区分毎の比率である稼働比率を示す値を計算する計算ステップと、
前記計算ステップで計算した前記区分毎の前記稼働比率を示す値を示すグラフを作成する作成ステップと、
前記作成ステップで作成した前記グラフを表示部に表示する表示制御ステップと、
前記表示部に表示する前記グラフにおいて表示しない前記区分を選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択した前記区分を、前記計算ステップで前記稼働比率を示す値を計算する前記区分から除外する除外ステップとを実行させること
を特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1が開示する工作機械の制御装置は、所定の時間間隔毎の工作機械の稼働状態を複数の稼働状態区分に分類する。複数の稼働状態区分は、電源オン、NC自動運転、段取り、アラームによる停止、工作機械の電源オフである。制御装置は、分類した稼働状態区分で時系列式に積上げグラフを作成し操作部に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6625154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
操作部に表示した積上げグラフの中で特定の稼働状態区分が長い時、その他の稼働状態区分を表示する面積は狭くなる。故にその他の稼働状態区分の表示が見難く解析し難いという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、グラフに表示しない稼働状態の区分を選択できる管理装置、管理装置の制御方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の管理装置は、工作機械の情報を管理する管理装置において、所定時間毎の前記工作機械の稼働状態の情報である稼働情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記稼働情報を前記稼働状態の区分毎に分類する分類部と、前記分類部が分類した前記稼働情報に基づき、予め設定した集計期間における前記稼働情報の前記区分毎の比率である稼働比率を示す値を計算する計算部と、前記計算部が計算した前記区分毎の前記稼働比率を示す値を示すグラフを作成する作成部と、前記作成部が作成した前記グラフを表示部に表示する表示制御部と、前記表示部に表示する前記グラフにおいて表示しない前記区分を選択する選択部と、前記選択部が選択した前記区分を、前記計算部が前記稼働比率を示す値を計算する前記区分から除外する除外部とを備えたことを特徴とする。管理装置は、区分毎の稼働比率をグラフにして表示部に表示できる。ユーザはグラフに表示したくない区分を選択できる。管理装置はユーザが選択した区分を、稼働比率を示す値を計算する対象の区分から除外する。故に管理装置は、ユーザが選択した区分を除いたグラフで稼働比率を示す値を表示できる。ユーザがグラフに表示したくない区分の一例は、電源オフである。電源オフ期間が長い場合、電源オン期間中の稼働比率を示す値が狭まるので見辛くなる。ユーザは電源オフの区分を選択することで、管理装置は電源オフ期間を除いて稼働比率を示す値を計算する。管理装置は電源オン期間における区分毎の稼働比率を示す値をグラフで表示するので、電源オン期間中の稼働比率は見易くなり、解析も容易にできる。
【0007】
請求項2の管理装置の前記表示制御部は、前記表示制御部は、前記計算部が計算した前記区分毎の前記稼働比率を示す値を前記グラフと共に前記表示部に表示してもよい。故に管理装置は区分毎の稼働比率をより見易く表示部に表示できる。
【0008】
請求項3の管理装置の制御方法は、工作機械の情報を管理する管理装置の制御方法において、所定時間毎の前記工作機械の稼働状態の情報である稼働情報を取得する取得工程と、前記取得工程で取得した前記稼働情報を前記稼働情報の区分毎に分類する分類工程と、前記分類工程で分類した前記稼働情報に基づき、予め設定した集計期間における前記稼働情報の前記区分毎の比率である稼働比率を示す値を計算する計算工程と、前記計算工程で計算した前記区分毎の前記稼働比率を示す値を示すグラフを作成する作成工程と、前記作成工程で作成した前記グラフを表示部に表示する表示制御工程と、前記表示部に表示する前記グラフにおいて表示しない前記区分を選択する選択工程と、前記選択工程で選択した前記区分を、前記計算工程で前記稼働比率を示す値を計算する前記区分から除外する除外工程とを備えたことを特徴とする。管理装置は上記工程を行うことで請求項1に記載の効果を得られる。
【0009】
請求項4のプログラムは、工作機械の情報を管理する管理装置のコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記コンピュータに、所定時間毎の前記工作機械の稼働状態の情報である稼働情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した前記稼働情報を前記稼働情報の区分毎に分類する分類ステップと、前記分類ステップで分類した前記稼働情報に基づき、予め設定した集計期間における前記稼働情報の前記区分毎の比率である稼働比率を示す値を計算する計算ステップと、前記計算ステップで計算した前記区分毎の前記稼働比率を示す値を示すグラフを作成する作成ステップと、前記作成ステップで作成した前記グラフを表示部に表示する表示制御ステップと、前記表示部に表示する前記グラフにおいて表示しない前記区分を選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択した前記区分を、前記計算ステップで前記稼働比率を示す値を計算する前記区分から除外する除外ステップとを実行させることを特徴とする。故に管理装置は上記プログラムを実行することで請求項1記載の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】システム100の電気的構成を示すブロック図。
図2】生産実績アプリ処理の流れ図。
図3】実績表示処理の流れ図。
図4】稼働実績表示処理の流れ図。
図5】グラフ表示処理の流れ図。
図6】稼働比率算出処理の流れ図。
図7】非表示グラフ算出処理の流れ図。
図8】表示部60にメニュー画面70を表示した状態の図。
図9】表示部60にメニュー画面71を表示した状態の図。
図10】表示部60に生産実績画面73を表示した状態の図。
図11】表示部60に稼働実績画面74を表示した状態の図。
図12】状態表示領域742にエラー発生中の状態情報を表示した状態の図。
図13】状態表示領域742に停止中の状態情報を表示した状態の図。
図14】状態比率表示領域751にグラフ81,82を表示した状態の図。
図15】状態比率表示領域751に非表示グラフ91,92を表示した状態の図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態を説明する。図1に示す端末50は、工作機械1の情報を管理する管理装置である。
【0012】
図1を参照し、システム100の構成を説明する。システム100は、工作機械1と端末50を備える。システム100は、工作機械1と端末50の間をFTPまたはHTTPで通信し、端末50で工作機械1の動作を制御可能とする。工作機械1のNC制御装置10はFTPサーバまたはHTTPサーバ、端末50はFTPクライアントまたはHTTPクライアントとして機能する。
【0013】
工作機械1の構成を説明する。工作機械1は工作台(図示略)上面に保持したワークと主軸(図示略)に装着した工具をX軸、Y軸、Z軸方向に相対的に移動し、ワークに切削加工等を施す機械である。工作機械1は、NC制御装置10、主軸モータ21、X軸モータ22、Y軸モータ23、Z軸モータ24、駆動回路31~34、エンコーダ21A~24A、操作パネル25等を備える。
【0014】
NC制御装置10はCPU11、ROM12、RAM13、記憶装置14、通信I/F15、入出力インターフェイス17等を備える。CPU11はNC制御装置10を統括制御する。ROM12はFTPサーバまたはHTTPサーバのプログラム等の各種プログラム等を記憶する。FTPサーバまたはHTTPサーバのプログラムは、CPU11によって実行されることで、NC制御装置10をFTPサーバまたはHTTPサーバとして機能させる。FTPサーバまたはHTTPサーバのプログラムとしては、フリーで配布されているものや、OSが予め備えているものなど、任意のものが利用可能である。
【0015】
RAM13は各種処理実行中の各種データを記憶する。記憶装置14は不揮発性メモリであり、例えば加工する為のNCプログラムの他、各種データを記憶する。通信I/F15は、配線45、LANハブ40、配線46を介して、イーサネット(登録商標)規格に従って端末50と接続する。なお、通信I/F15は有線でなく、無線LANで端末50と接続してもよい。LANハブ40は配線45と46の中継装置である。通信I/F15が無線LANで端末50と接続する場合、LANハブ40の替わりに無線LANルータを用いる。入出力インターフェイス17は操作パネル25と接続する。
【0016】
主軸モータ21は工具を装着した主軸を回転する。X軸モータ22、Y軸モータ23、Z軸モータ24は、ワークと主軸をX軸、Y軸、Z軸方向に相対的に移動する。主軸モータ21、X軸モータ22、Y軸モータ23、Z軸モータ24はステッピングモータである。駆動回路31はCPU11からの制御信号に基づき主軸モータ21を制御する。駆動回路32はCPU11からの制御信号に基づきX軸モータ22を制御する。駆動回路33はCPU11からの制御信号に基づきY軸モータ23を制御する。駆動回路34はCPU11からの制御信号に基づきZ軸モータ24を制御する。
【0017】
エンコーダ21Aは主軸モータ21の回転位置を検出し、該検出信号を駆動回路31に送信する。駆動回路31は検出信号に基づき主軸モータ21のフィードバック制御を行う。エンコーダ22AはX軸モータ22の回転位置を検出し、該検出信号を駆動回路32に送信する。駆動回路32は検出信号に基づきX軸モータ22のフィードバック制御を行う。エンコーダ23AはY軸モータ23の回転位置を検出し、該検出信号を駆動回路33に送信する。駆動回路33は検出信号に基づきY軸モータ23のフィードバック制御を行う。エンコーダ24AはZ軸モータ24の回転位置を検出し、該検出信号を駆動回路34に送信する。駆動回路34は検出信号に基づきZ軸モータ24のフィードバック制御を行う。操作パネル25は各種情報の表示と入力が可能である。
【0018】
端末50の構成を説明する。端末50は例えばノートパソコンであり、CPU51、ROM52、RAM53、記憶装置54、通信I/F55、入出力インターフェイス57、表示部60、マウス61、キーボード62等を備える。CPU51は端末50を統括制御する。ROM52は、生産実績プログラム等の各種プログラム等を記憶する。生産実績プログラムは、後述する生産実績アプリ処理(図2参照)を実行する為のものである。RAM53は各種処理実行中の各種データを記憶する。記憶装置54は不揮発性メモリであり、各種データを記憶する。通信I/F55は、配線45、LANハブ40、配線46を介して、イーサネット規格に従ってNC制御装置10と接続する。通信I/F55は有線でなく、無線LANでNC制御装置10と接続してもよい。入出力インターフェイス57は、表示部60、マウス61、キーボード62と夫々接続する。
【0019】
図2を参照し、生産実績アプリ処理を説明する。端末50において、生産実績アプリは、NC制御装置10の情報を取得して生産管理に役立つ機能を提供するサポートアプリである。マウス61又はキーボード62で生産実績アプリの起動を受け付けた場合、CPU51はROM52から生産実績プログラムを読み込み、本処理を実行する。
【0020】
CPU51は、表示部60に生産実績アプリのメニュー画面70を表示する(S1)。図8に示すように、メニュー画面70は上から順に、ボタン701、702、703を備える。ボタン701は、モニタ表示を選択する為のボタンである。モニタ表示とは、NC制御装置10の状態を監視できる機能である。ボタン702は、データ入出力を選択する為のボタンである。データ入出力とは、NC制御装置10のデータを入出力できる機能である。ボタン703は、実績表示を選択する為のボタンである。実績表示とは、NC制御装置10による工作機械1の生産実績又は稼働実績を確認できる機能である。ユーザは、マウス61を用いてボタン701~703のうち実行したい機能のボタンにカーソルを合わせ、クリックすることで該機能を選択できる。
【0021】
CPU51は、ボタン701~703による各種機能の選択を受付け、モニタ表示を選択したか(S2)、データ入出力を選択したか(S3)、実績表示を選択したか判断する(S4)。モニタ表示を選択した場合(S2:YES)、CPU51は後述のモニタ表示処理を実行する(S5)。データ入出力の選択を受け付けた場合(S2:NO、S3:YES)CPU51はデータ入出力処理を実行する(S6)。実績表示の選択を受け付けた場合(S2:NO、S3:NO、S4:YES)、CPU51は後述の実績表示処理を実行する(S7)。ボタン701~703の何れの選択も無かった場合(S2:NO、S3:NO、S4:NO)、CPU51は生産実績アプリの終了操作を受け付けたか判断する(S8)。終了操作を受け付けなかった場合(S8:NO)、CPU51はS1に戻って上記処理を繰り返す。終了操作を受け付けた場合(S8:YES)、CPU51は生産実績アプリ処理を終了する。
【0022】
モニタ表示処理を説明する。モニタ表示処理を実行すると、CPU51はNC制御装置10からデータを取得し、表示部60に、ワークカウンタ、時間表示、計測結果、状態履歴(一覧)、状態履歴(詳細)、メンテナンス通知、ATC工具、現在アラーム、アラーム履歴一覧、アラーム履歴(詳細)等の夫々の状態を1分置きに表示する。ワークカウンタは複数設け、未加工のワーク数、加工済みのワーク数等を計数して表示する。時間表示は、実行中のNCプログラムのサイクルタイム、切削時間、非切削時間、扉開閉時間等を表示する。計測結果は、工作機械1の動作の計測結果を表示する。状態履歴(一覧)は、日毎の状態履歴の一覧であって、具体的には日毎の稼働状態区分ごとの積算時間を表示する。稼働状態区分は、例えば、電源オフ中、待機中、エラー発生中、運転中、停止中を含む。
【0023】
状態履歴(詳細)は、状態履歴(一覧)から日にちを選択すると、状態履歴の詳細を表示する。メンテナンス通知は、メンテナンス項目毎に、メンテナンスの通知タイミング、通知の有無、現在の状態等を表示する。ATC工具は、工具毎に、工具番号、工具データ、工具寿命、工具種類等を表示する。現在アラームは、現在発生中のアラーム毎に、種類、メッセージ、プログラム番号、ブロック番号を表示する。アラーム履歴一覧は、現在までに発生したアラームの一覧を表示する。アラーム履歴は(詳細)は、アラーム履歴一覧から一のアラームを選択すると、選択したアラーム履歴の詳細を表示する。
【0024】
図3を参照し、実績表示処理を説明する。CPU51は表示部60に実績表示のメニュー画面71を表示する(S11)。図9に示すように、メニュー画面71は上から順に、ボタン711,712を備える。ボタン711は、ワークの生産実績を選択する為のボタンである。ボタン712は、工作機械1の稼働実績を選択する為のボタンである。ユーザは、マウス61を用いてボタン711,712の何れかのボタンにカーソルを合わせ、クリックすることで該ボタンに対応する機能を選択できる。
【0025】
CPU51は、ボタン711,712による各種機能の選択を受付け、生産実績を選択したか(S12)、稼働実績を選択したか判断する(S13)。生産実績又は稼働実績の何れかを選択するまでは(S12:NO、S13:NO)、CPU51はS11に戻り待機する。生産実績を選択した場合(S12:YES)、CPU51は後述の生産実績表示処理を実行する(S14)。稼働実績を選択した場合(S12:NO、S13:YES)、CPU51は後述の稼働実績表示処理を実行する(S15)。S14又はS15の各処理終了後、CPU51は実績表示処理を終了し、図2の生産実績アプリのS8に処理を進める。
【0026】
生産実績処理を説明する。生産実績処理において、CPU51は表示部60に、生産実績の集計期間の開始日と終了日の入力欄(図示略)を表示する。ユーザは集計期間の開始日と終了日、表示するワークカウンタを入力欄に入力する。入力欄への入力が完了すると、CPU51はNC制御装置10から入力した集計期間中のデータを取得し、取得したデータに基づき表示部60に生産実績画面73を表示する。
【0027】
図10に示すように、生産実績画面73は、上から順に、グラフ表示領域731、生産状況表示領域732、総生産数表示領域733、表示設定領域734等を備える。グラフ表示領域731は、集計期間中の生産実績を棒グラフと折れ線グラフで表示する。生産実績は一日あたりのワーク生産数と累積値である。棒グラフは一日あたりのワーク生産数、折れ線グラフは累積値の時間変化を示す。集計期間がグラフ表示領域731の表示範囲を超える場合、右移動ボタン73A又は左移動ボタン73Bで表示領域を切替えできる。
【0028】
表示するワークカウンタの終了値がNC制御装置10により予め設定されていた場合、CPU51は集計期間の開始日から今日までの累積値の変化に基づき、終了予測日時を予測して累積値の予測変化を点線の折れ線グラフで表示する。例えば終了値を120に設定した場合、CPU51は集計期間の開始日である8月1日から今日までの累積値の変化の傾きを最小二乗法で求め、該傾きから累積値が120となる終了日時を予測する。CPU51は累積値の予測変化を点線の折れ線グラフで表示し、折れ線グラフの予測終了点である8月7日に終了予測日時を表示する。
【0029】
生産状況表示領域732は、現在累積値、終了予測日時、終了値を表示する。終了値はユーザがNC制御装置10により予め設定した値である。総生産数表示領域733は、集計期間内でのワークカウンタの増分の総和を総生産数として表示する。表示設定領域734は、集計期間、ワークカウンタ、表示範囲、表示ボタン735等を表示する。表示設定領域734では、集計期間、ワークカウンタ、表示範囲の各条件を設定可能である。各条件設定後、表示ボタン735を選択すると、CPU51は設定後の条件で、グラフ表示領域731に生産実績の棒グラフと折れ線グラフを表示する。ユーザが生産実績画面73の左下隅のメニューボタン736を選択すると、CPU51は実績表示処理(S14)を終了し、図2の生産実績アプリ処理に戻る。
【0030】
図4を参照し、稼働実績表示処理を説明する。CPU51は表示部60に、集計期間の開始日と終了日の入力欄(図示略)を表示し、開始日と終了日の入力を受け付ける(S21)。開始日と終了日の入力を受け付けると、CPU51はNC制御装置10から集計期間の開始日から終了日迄の稼働情報を取得し(S22)、取得した稼働情報に基づき、表示部60に稼働実績画面74を表示する(S24)。
【0031】
稼働情報は、NC制御装置10がその稼働状態区分が変化した際の状態と時刻を記録した時系列データである。また、NC制御装置10は記録された稼働状態区分に関連する情報を紐づけて記録する。記録された稼働状態区分が運転中の場合は、その状態が記録された時刻の運転に関する情報を紐づけて記録する。運転に関する情報は、運転プログラムの識別番号、サイクルタイム、切削時間、運転開始時の状態、運転終了時の状態等の各種情報である。記録された稼働状態区分がエラー発生中の場合は、その状態が記録された時刻のエラーに関する情報を紐づけて記録する。エラーに関する情報は、発生中のアラームの種類、メッセージ、プログラム番号、ブロック番号等の各種情報である。
【0032】
図11に示すように、稼働実績画面74は上から順に、稼働実績表示領域741、状態表示領域742、表示設定領域743等を備える。稼働実績表示領域741は、集計期間の開始日時と終了日時、集計期間中における稼働時間と稼働率、集計期間中における通電時間等を表示する。状態表示領域742は、状態情報表示部746と積上げグラフ747を表示する。状態情報表示部746は状態表示領域742の上側、積上げグラフ747は状態表示領域742の下側に設けられる。
【0033】
積上げグラフ747は、選択した日における工作機械1の稼働状態を予め定めた稼働状態区分で分類し、横方向に時系列式に並べて示したものである。稼働状態区分は、運転中、待機中、停止中、エラー発生中、電源オフ中(又は不明状態)の5つであり、夫々色分けして表示するとよい。例えば、運転中は緑、待機中は青、停止中は黄、エラー発生中は赤、電源オフ中はグレーで表示する。なお、本実施形態では、上記色分けをハッチで表現する。積上げグラフ747の表示範囲は、後述の表示設定領域743の表示範囲の選択欄において、1時間、3時間、6時間の中から一つを選択可能である。集計期間が状態表示領域742の表示範囲を超える場合、ユーザは右移動ボタン74C又は左移動ボタン74Dで表示領域を切替えできる。積上げグラフ747上には、矩形状の枠74Eが表示される。枠74Eは横方向に移動することにより、時系列で並ぶ稼働状態区分を個々に選択できる。枠74Eによる稼働状態区分の選択は、状態情報表示部746の左右両側に配置した右移動ボタン74A又は左移動ボタン74Bで切替え可能である。
【0034】
状態情報表示部746は、積上げグラフ747において枠74Eが囲む稼働状態区分の状態情報を表示する。CPU51は枠74Eが選択する稼働状態区分の切替えがあったか判断する(S25)。稼働状態区分の切替えが無い場合(S25:NO)、CPU51は処理を後述のS27に進める。稼働状態区分の切替えがあった場合(S25:YES)、CPU51は切替え後の稼働状態区分の状態情報を、状態情報表示部746に表示する(S26)。
【0035】
例えば、図11に示す積上げグラフ747において、枠74Eが囲む稼働状態区分は運転中である。CPU51は、状態情報表示部746に運転中の状態情報を表示する。運転中の状態情報は、運転中の開始時間と終了時間、運転プログラムの識別番号、サイクルタイム、切削時間、運転開始時の状態、運転終了時の状態等の各種情報である。図12に示す積上げグラフ747において、枠74Eが囲む稼働状態区分は、エラー発生中である。CPU51は状態情報表示部746にエラー中の状態情報を表示する。エラー中の状態情報は、エラー発生中の開始時間と終了時間、発生中のアラームの種類、メッセージ、プログラム番号、ブロック番号等の各種情報である。ユーザは、状態情報表示部746の右側に表示したスクロールバー74Fを上下動することで、状態情報を上下方向にスクロールできる。図13に示す積上げグラフ747において、枠74Eが囲む稼働状態区分は停止中である。CPU51は状態情報表示部746に停止中の状態情報を表示する。停止中の状態情報は、停止中の開始時間と終了時間である。
【0036】
表示設定領域743は、集計期間、表示範囲、表示ボタン744等を表示する。表示設定領域743は、集計期間と表示範囲を設定可能である。設定後に表示ボタン744を選択すると、CPU51は設定した条件で、状態表示領域742に積上げグラフ747を表示する。
【0037】
図4に示すように、CPU51は、稼働実績表示領域741の右下隅に表示した詳細ボタン749を選択したか判断する(S27)。詳細ボタン749を選択した場合(S27:YES)、CPU51は後述のグラフ表示処理を実行する(S28)。詳細ボタン749を選択しなかった場合(S27:NO)、CPU51は、稼働実績画面74の左下隅のメニューボタン745を選択したか判断する(S29)。メニューボタン745を選択しなかった場合(S29:NO)、CPU51はS24に戻り上記処理を繰り返す。メニューボタン745を選択した場合(S29:YES)、CPU51は稼働実績表示処理を終了し、図2の生産実績アプリ処理に戻る。
【0038】
図5を参照し、グラフ表示処理を説明する。CPU51は、図4のS22の処理でNC制御装置10から取得した集計期間中のデータから対象データを読込む(S31)。CPU51は、読込んだ対象データの日付が前回読込んだ対象データの日付と異なるか判断する(S34)。前回読込んだ対象データの日付と同じ場合(S34:NO)、CPU51は処理を後述のS37に進める。前回読込んだ対象データの日付と異なる場合(S34:YES)、CPU51は前回まで読込んだ対象データの日付の集計結果を記憶装置54に記憶し(S35)、新しい日付の集計を開始する(S36)。
【0039】
CPU51は、次に読み込む対象データの日時から今回読込んだ対象データの日時を差し引くことで、継続時間を算出する(S37)。CPU51は算出した継続時間を今回読込んだ対象データの稼働状態区分の集計結果に加算する(S38)。故に対象データは、稼働状態区分毎に分類する。CPU51は全データの処理が終了したか判断する(S39)。全データの処理が終了してない場合(S39:NO)、CPU51はS31に戻って上記処理を繰り返す。全データの処理が終了した場合(S39:YES)、CPU51は各日毎の継続時間の集計結果を総和し、集計期間全体の集計結果として記憶装置54に記憶する(S40)。CPU51は各日毎に、稼働状態区分毎の稼働比率(以下単に比率と呼ぶ)を算出する為、稼働比率算出処理を実行する(S41)。
【0040】
図6を参照し、稼働比率算出処理を説明する。CPU51は、記憶装置54に記憶した集計結果から対象日のデータを読込む(S51)。CPU51は、読込んだ対象日のデータにおいて、各稼働状態区分の総継続時間を総和し対象日の総時間とする(S52)。CPU51は総時間における各稼働状態区分の比率を算出する(S53)。算出した各日毎の各稼働状態区分の比率はRAM53に一旦記憶する。CPU51は全日数の計算を終了したか判断する(S54)。全日数の計算を終了してない場合(S54:NO)、CPU51はS51に戻り、次の対象日のデータを読込み、上記処理を繰り返す。
【0041】
全日数の計算を終了した場合(S54:YES)、CPU51は集計期間全体の各稼働状態区分の継続時間を総和し集計期間全体の総時間とする(S55)。CPU51は、集計期間全体の各稼働状態区分の比率を算出する(S56)。算出した集計期間全体の各稼働状態区分の比率はRAM53に一旦記憶する。CPU51はRAM53に記憶した集計期間全体の各稼働状態区分の比率と、各日毎の各稼働状態区分の比率とに基づき、集計期間全体のグラフ81と、各日毎のグラフ82を夫々作成し、それらのデータを記憶装置54に記憶する(S57)。グラフ81,82は、5つの稼働状態区分の比率を全て表示したグラフである(図14参照)。CPU51は本処理を終了し、処理を図5のS42に進める。
【0042】
図14に示すように、CPU51は、稼働実績画面74においてこれまで表示していた状態表示領域742と表示設定領域743(図11参照)に代えて、状態比率表示領域751と表示設定領域752を表示する。CPU51は、記憶装置54に記憶したグラフ81,82のデータに基づき、状態比率表示領域751にグラフ81,82を表示する(S42)。状態比率表示領域751の最上部に集計期間全体のグラフ81を表示し、その下側に各日毎のグラフ82を表示する。CPU51はグラフ81,82の下側に各稼働状態区分の時間と比率を数値で表示する。ユーザは、状態比率表示領域751の右側に表示したスクロールバー77を上下動することで、グラフ81と各日毎のグラフ82を上下方向にスクロールできる。
【0043】
表示設定領域752は、非表示選択部753と表示ボタン754を備える。非表示選択部753は、グラフ表示において、電源オフ中の稼働状態区分を含むか含まないかの選択を受付ける。グラフ81,82において、電源オフ中の時間が長くなればなるほど、電源オフ中の稼働状態区分(図14中黒色で示した部分)が占める割合は大きくなる。この場合、電源オン期間中の稼働状態区分が占める割合は小さくなるので、電源オン期間中の稼働状態が見難くなり、解析が難しくなる。このような場合、ユーザは非表示選択部753において、グラフ表示に電源オフ中の稼働状態区分を含まないことを選択できる(図15参照)。ユーザは、電源オフ中の稼働状態区分を含まないことを選択した後、表示ボタン754を選択することで、電源オフ中の稼働状態区分の非表示設定が確定する。
【0044】
CPU51はメニュー画面71(図9参照)に戻るか判断する(S43)。メニュー画面71に戻る場合、ユーザは稼働実績画面74の左下隅の戻るボタン755を選択する。戻るボタン755を選択した場合(S43:YES)、CPU51はグラフ表示処理を終了し、図4のS24に戻り、メニュー画面71(図9参照)を表示する。
【0045】
戻るボタン755を選択しなかった場合(S43:NO)、CPU51は非表示を選択したか判断する(S44)。非表示を選択していなければ(S44:NO)、CPU51はS42に戻り、状態比率表示領域751にグラフ81,82を表示した状態を継続する。非表示を選択の場合(S44:YES)、CPU51は、記憶装置54に非表示グラフ91,92のデータを既に記憶しているか判断する(S45)。非表示グラフ91,92のデータを記憶していない場合(S45:NO)、CPU51は非表示グラフ算出処理を実行する(S46)。
【0046】
図7を参照し、非表示グラフ算出処理を説明する。本処理は、図5のグラフ作成処理のS31~S40と共通の処理を備え、S34とS37の間にS60の処理を備える。以下説明では、共通する処理に同一のステップ番号を付して説明を簡略又は省略すると共に、異なるS60の処理を中心に説明する。
【0047】
CPU51は集計期間中のデータから対象データを読込む(S31)。読込んだ対象データの日付が前回読込んだ対象データの日付と同じである場合(S34:YES)、CPU51は読み込んだ対象データの稼働状態区分が非表示か判断する(S60)。上記の通り、本実施形態は電源オフ中の稼働状態区分の非表示が可能である。読み込んだ対象データの稼働状態区分が電源オフ中でない場合(S60:NO)、CPU51は継続時間を算出し(S37)、算出した継続時間を今回読込んだ対象データの稼働状態区分の集計結果に加算する(S38)。
【0048】
一方、読み込んだ対象データの稼働状態区分が電源オフ中であった場合(S60:YES)、その対象データを継続時間の計算に含めないようにする為、CPU51は何もせずに処理をS39に進める。全データの処理が終了するまで(S39:NO)、CPU51はS31に戻り次の対象データを読み込んで上記処理を繰り返す。全データの処理が終了した場合(S39:YES)、CPU51は、各日毎の継続時間の集計結果を総和し、集計期間全体の集計結果として記憶装置54に記憶する(S40)。CPU51は非表示グラフ算出処理を終了し、図5のS47に処理を進める。
【0049】
CPU51は、図6の稼働比率算出処理を実行する(S47)。本処理において、CPU51は集計期間全体の非表示グラフ91と、各日毎の非表示グラフ92を夫々作成し、それらのデータを記憶装置54に記憶する。非表示グラフ91,92は、5つの稼働状態区分のうち電源オフ中の稼働状態区分を含めずに、残りの稼働状態区分の比率を表示したものである。
【0050】
図15に示すように、CPU51は、記憶装置54に記憶した非表示グラフ91,92のデータに基づき、それまで表示していたグラフ81,82に代えて、状態比率表示領域751に非表示グラフ91,92を表示する(S48)。CPU51は、非表示グラフ91,92の下側に各稼働状態区分の時間と比率を数値で表示する。ユーザは、状態比率表示領域751の右側に表示したスクロールバー77を上下動することで、非表示グラフ91,92を上下方向にスクロールできる。非表示グラフ91,92は、電源オフ中の稼働状態区分を含まないので、電源オン期間中の稼働状態区分(運転中、待機中、停止中、エラー発生中)のみを表示できる。故に電源オン期間中の稼働状態が見易くなるので、解析が容易になる。なお、8月2日の稼働状態区分は電源オフのみなので、非表示グラフ92は、工作機械1が一日中電源オフであったことを表示する。一日中電源オフの場合、CPU51は非表示グラフ92を表示しなくてもよい。
【0051】
CPU51はS43に戻り、メニュー画面71(図9参照)に戻るか判断する。戻るボタン755を選択しなかった場合(S43:NO)、CPU51は非表示を選択か判断する(S44)。例えば、グラフ81,82を再度表示したい場合、ユーザは非表示選択部753において、電源オフ中の稼働状態区分を含むことを選択し、表示ボタン754を選択する。CPU51は、電源オフ中の表示を受け付けたので(S44:NO)、記憶装置54に記憶するグラフ81,82のデータに基づき、状態比率表示領域751にグラフ81,82を再度表示する(S42)。この場合、グラフ81,82を作成する為の計算が不要なので、処理が容易である。
【0052】
例えば、状態比率表示領域751にグラフ81,82が表示した状態で、非表示グラフ91,92を再度表示したい場合、ユーザは非表示選択部753において、電源オフ中の稼働状態区分を含まないことを選択し、表示ボタン754を選択する。CPU51は非表示の選択を受け付けたので(S44:YES)、非表示グラフ91,92のデータを記憶装置54に既に記憶しているか判断する(S45)。非表示グラフ91,92のデータを記憶装置54に既に記憶している場合(S45:YES)、記憶装置54に記憶する非表示グラフ91,92のデータに基づき、状態比率表示領域751に非表示グラフ91,92を再度表示する(S48)。この場合も、非表示グラフ91,92を作成する為の計算が不要なので、処理が容易である。
【0053】
以上説明したように、本実施形態の端末50は工作機械の情報を管理する。端末50は、所定時間毎の工作機械の稼働情報を取得する。端末50は取得した稼働情報を稼働状態区分毎に分類する。端末50は分類した稼働情報に基づき、予め設定した集計期間における稼働比率を計算する。稼働比率は、稼働状態区分毎の比率である。端末50は、計算した稼働状態区分毎の比率を示すグラフ81,82を作成する。端末50は作成したグラフ81,82を表示部60に表示する。端末50は、表示部60に表示するグラフ81,82において表示しない稼働状態区分を選択できる。端末50は、稼働状態区分のうち選択した稼働状態区分を除いた稼働比率を計算する。故に端末50はユーザが選択する稼働状態区分を除いた非表示グラフ91,92で、稼働状態区分毎の比率を表示できる。ユーザがグラフ81,82に表示したくない区分の一例は、電源オフである。電源オフ期間が長い場合、電源オン期間中の比率が狭まるので見辛くなる。ユーザは電源オフの稼働状態区分を選択することで、端末50は電源オフ期間を除いて稼働状態区分毎の比率を計算する。端末50は、電源オン期間における稼働状態区分毎の比率を非表示グラフ91,92で表示するので、電源オン期間中の稼働比率が見易くなり、解析も容易にできる。
【0054】
端末50はグラフ81,82(非表示グラフ91,92)と共に、稼働状態区分毎の比率を数値で表示するので、稼働状態区分毎の比率をより見易く表示部60に表示できる。
【0055】
上記説明において、端末50が本発明の管理装置の一例である。S22,S23の処理を実行するCPU51は本発明の取得部の一例である。S38の処理を実行するCPU51は本発明の分類部の一例である。S53,S56の処理を実行するCPU51は本発明の計算部の一例である。S57の処理を実行するCPU51は本発明の作成部の一例である。S42の処理を実行するCPU51は本発明の表示制御部の一例である。S44の処理を実行するCPU51は本発明の選択部の一例である。S60の処理を実行するCPU51は本発明の除外部の一例である。
【0056】
本発明は上記実施形態に限らず各種変形が可能である。上記実施形態は端末50を本発明の管理装置の一例として説明したが、NC制御装置10等の各種制御装置に本発明を適用してもよい。
【0057】
上記実施形態の稼働状態区分は、運転中、待機中、停止中、エラー発生中、電源オフ中(又は不明状態)の5つであるが、これ以外の区分でもよく、区分の数も自由に変更可能である。
【0058】
上記実施形態では、グラフ81,82に表示しない稼働状態区分として、電源オフを一例として説明したが、それ以外の稼働状態区分を表示しないようにしてもよく、5つの稼働状態区分の中から表示しない稼働状態区分を一つ又は複数を選択できるようにしてもよい。
【0059】
メニュー画面70,71、生産実績画面73、稼働実績画面74の夫々の領域、ボタン等のレイアウトは、上記実施形態に限らず、適宜変更可能である。
【0060】
図14に示す稼働実績画面74において、グラフ81,82の下側に、稼働状態区分毎に時間と比率を数値で表示するが、これら数値の表示を省略してもよい。上記実施形態は、稼働状態区分毎の比率を百分率で計算し、RAM53に記憶するが、百分率以外の数値で記憶してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 工作機械
50 端末
51 CPU
60 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
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図15