(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022056952
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】画像形成装置、サーバ、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20220404BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20220404BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220404BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20220404BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
G03G21/00 390
G03G21/00 386
B41J29/00 Z
B41J29/38 204
B41J29/42 F
H04N1/00 912
H04N1/00 127A
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020164966
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴史
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ42
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HK11
2C061HM00
2C061HN01
2C061HN20
2C061HV14
2C061HV26
2C061HV32
2H270KA59
2H270KA62
2H270LA87
2H270MF14
2H270MF17
2H270MF21
2H270MF22
2H270NA08
2H270NA12
2H270NB01
2H270NC02
2H270NC07
2H270NC26
2H270ND03
2H270ND04
2H270ND13
2H270ND28
2H270ND29
2H270ND31
2H270ND33
2H270QB03
2H270RC04
2H270RC16
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB08
5C062AB40
5C062AC04
5C062AC58
5C062AF08
(57)【要約】
【課題】契約モードおいて、例外的に印刷許可モードを有効にする。
【解決手段】画像形成装置(1)は、第1コントローラ(80)を備える。第1コントローラは、第1モード情報が契約モードを示し、かつ、第2モード情報が無効情報に設定されている状態において、印刷許可モードを有効にする第1指示を受信した場合に、第2モード情報を、無効情報から有効情報に書き換える第1書換処理を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
本体メモリであって、
前記画像形成装置に対してサービスの契約が締結されている契約状態である契約モードに設定されているか、又は、前記サービスの契約が締結されていない通常状態である通常モードに設定されているかを示す第1モード情報と、
前記画像形成装置に装着されたカートリッジに収容された着色剤の残量がカートリッジを交換すべき状態であると判定された場合であっても印刷を許可可能な印刷許可モードが有効であるか、又は、前記印刷許可モードが無効であるかを示す第2モード情報と、
を記憶する本体メモリと、
第1コントローラと、を備え、
前記第1コントローラは、
前記第1モード情報が前記通常モードを示している状態において、前記第2モード情報を、前記印刷許可モードが有効であることを示す有効情報に設定する第1設定処理と、
前記第1モード情報が前記契約モードを示している状態において、前記第2モード情報を、前記印刷許可モードが無効であることを示す無効情報に設定する第2設定処理と、
前記第1モード情報が前記契約モードを示し、かつ、前記第2モード情報が前記無効情報に設定されている状態において、前記印刷許可モードを有効にする第1指示を受信した場合に、前記第2モード情報を、前記無効情報から前記有効情報に書き換える第1書換処理、
を実行する、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1コントローラは、
前記残量がカートリッジを交換すべき状態であると判定された場合に前記カートリッジの交換要求を表示することを示す交換表示通知を送信する第1送信処理を実行し、
前記交換表示通知に対する応答として、前記第1指示を受信した場合、前記第1書換処理を実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、サーバと通信可能に接続され、
前記第1コントローラは、
前記第1送信処理において、前記交換表示通知を前記サーバに送信し、
前記第1指示を前記サーバから受信した場合、前記第1書換処理を実行する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は、サーバと通信可能に接続され、
前記本体メモリは、
前記サーバが、前記契約により設定された単位枚数あたりの第1課金額と、印刷枚数とに基づき、所定期間の課金額の算出を可能とする第1課金モードであるか、又は、前記サーバが、前記契約により設定された単位枚数あたりの第2課金額であって、前記第1課金額より低価格に設定された第2課金額と、印刷枚数とに基づき、所定期間の課金額の算出を可能とする第2課金モードであるかを示す第3モード情報
を記憶しており、
前記第1コントローラは、
前記第3モード情報が前記第1課金モードを示している状態において、前記第1書換処理を実行するときに、前記第3モード情報を、前記第2課金モードであることを示す情報に書き換える第2書換処理を実行する、請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記本体メモリは、前記残量を示す残量情報を記憶しており、
前記第1コントローラは、
前記残量が発送閾値以下となった後に、前記残量情報を送信する第2送信処理を実行し、
前記残量情報の送信に対する応答として、前記第1指示を受信した場合、前記第1書換処理を実行する、請求項1から4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、サーバと通信可能に接続され、
前記第1コントローラは、
前記第2送信処理において、前記残量情報を前記サーバに送信し、
前記第1指示を前記サーバから受信した場合、前記第1書換処理を実行する、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記本体メモリは、
前記サーバが、前記契約により設定された単位枚数あたりの第1課金額と、印刷枚数とに基づき、所定期間の課金額の算出を可能とする第1課金モードであるか、又は、前記サーバが、前記契約により設定された単位枚数あたりの第2課金額であって、前記第1課金額より低価格に設定された第2課金額と、印刷枚数とに基づき、所定期間の課金額の算出を可能とする第2課金モードであるかを示す第3モード情報
を記憶しており、
前記第1コントローラは、
前記第3モード情報が前記第1課金モードを示している状態において、前記第1指示を受信した場合、前記残量がカートリッジを交換すべき状態になったかを判定する判定処理と、
前記判定処理により前記残量がカートリッジを交換すべき状態になったと判定された場合、前記第3モード情報を、前記第2課金モードであることを示す情報に書き換える第2書換処理と、
を実行する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1コントローラは、
前記第1指示を前記サーバから受信した場合、前記判定処理を実行する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1コントローラは、
前記第1書換処理を実行後、前記印刷許可モードを無効にする第2指示を受信した場合、前記第2モード情報を、前記有効情報から前記無効情報に書き換える第3書換処理と、
前記第3書換処理を実行するときに、前記第3モード情報を、前記第1課金モードであることを示す情報に書き換える第4書換処理と、
を実行する、請求項4、7又は8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記カートリッジは、トナーカートリッジである、請求項1から9の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
画像形成装置と通信可能に接続されるサーバであって、
第2コントローラを備え、
前記第2コントローラは、
前記画像形成装置において、前記画像形成装置に対してサービスの契約が締結されている契約状態である契約モードに設定され、かつ、前記画像形成装置に装着されたカートリッジに収容された着色剤の残量がカートリッジを交換すべき状態と判定された場合であっても印刷を許可可能な印刷許可モードが無効に設定されている状態において、
前記残量が発送閾値以下であることを示す残量低下通知を前記画像形成装置から受信した場合、前記画像形成装置における前記印刷許可モードの設定を無効から有効に切り替える切換処理
を実行する、サーバ。
【請求項12】
サーバメモリであって、
前記残量低下通知を前記画像形成装置から受信したときからの日数を示す日数情報
を記憶するサーバメモリを備え、
前記第2コントローラは、
前記日数が第1閾値未満である場合、前記切換処理を実行する、請求項11に記載のサーバ。
【請求項13】
前記第2コントローラは、
前記切換処理において、前記残量がカートリッジを交換すべき状態と判定された場合に前記カートリッジの交換要求を表示することを示す交換表示通知を、前記画像形成装置から受信したときに、前記日数が第1閾値未満である場合、前記印刷許可モードを有効にする第1指示を前記画像形成装置に送信する第3送信処理を実行する、請求項12に記載のサーバ。
【請求項14】
前記第2コントローラは、
前記切換処理において、前記残量低下通知を受信した後に前記残量を示す残量情報を前記画像形成装置から受信したときに、前記日数が第1閾値未満である場合であって、かつ、前記残量情報に示される前記残量が所定値以下である場合、前記印刷許可モードを有効にする第1指示を前記画像形成装置に送信する第3送信処理を実行する、請求項12又は13に記載のサーバ。
【請求項15】
前記第2コントローラは、
前記日数が、前記第1閾値以上の値として設定される第2閾値より大きい場合、前記印刷許可モードを無効にする第2指示を、前記画像形成装置に送信する第4送信処理を実行する、請求項12から14の何れか1項に記載のサーバ。
【請求項16】
請求項1から10の何れか1項に記載の画像形成装置と、
前記画像形成装置と通信可能に接続されるサーバであって、
第2コントローラを備え、
前記第2コントローラは、
前記画像形成装置において、前記契約モードに設定され、かつ、前記印刷許可モードが無効に設定されている状態において、
前記残量が発送閾値以下であることを示す残量低下通知を前記画像形成装置から受信した場合、前記画像形成装置における前記印刷許可モードの設定を無効から有効に切り換える切換処理
を実行する、サーバと、
を備える、画像形成システム。
【請求項17】
画像形成装置を制御する制御方法であって、
第1モード情報は、前記画像形成装置に対してサービスの契約が締結されている契約状態である契約モードに設定されているか、又は、前記サービスの契約が締結されていない通常状態である通常モードに設定されているかを示す情報であり、
第2モード情報は、前記画像形成装置に装着されたカートリッジに収容された着色剤の残量がカートリッジを交換すべき状態であると判定された場合であっても印刷を許可可能な印刷許可モードが有効であるか、又は、前記印刷許可モードが無効であるかを示す情報であり、
前記第1モード情報が前記通常モードを示している状態において、前記第2モード情報を、前記印刷許可モードが有効であることを示す有効情報に設定する第1設定ステップと、
前記第1モード情報が前記契約モードを示している状態において、前記第2モード情報を、前記印刷許可モードが無効であることを示す無効情報に設定する第2設定ステップと、
前記第1モード情報が前記契約モードを示し、かつ、前記第2モード情報が前記無効情報に設定されている状態において、前記印刷許可モードを有効にする第1指示を受信する受信ステップと、
前記第1指示を受信した後、前記第2モード情報を、前記無効情報から前記有効情報に書き換える書換ステップと、
を含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置、サーバ、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている技術では、サブスクリプションプランにユーザが加入した場合、プリンタに装着されるインクカートリッジ、または、トナーカートリッジが、サブスクリプション用のカートリッジとして定期的にユーザに配送される。この場合、サブスクリプション用のカートリッジは、サブスクリプションに加入したプリンタのみでしか使えないように制限されている。一方、トレードユース用のカートリッジには、サブスクリプション用のカートリッジのような制限がなく、サブスクリプションに加入したプリンタとサブスクリプションに加入していないプリンタの両方で使用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開2018/0131831号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている技術では、プリンタに装着されたサブスクリプション用のカートリッジに収容された着色剤の残量が発送閾値以下になった場合、補給品としてのサブスクリプション用のカートリッジがユーザに発送される。しかしながら、特許文献1には、着色剤の残量に基づいてトナーカートリッジを交換すべき状態と判定された場合に印刷を許可することについては、開示されていない。
【0005】
プリンタには、プリンタに装着されたカートリッジに収容された着色剤の残量がカートリッジを交換すべき状態であると判定された場合であっても印刷を許可可能な印刷許可モードが設定されている。プリンタに対してサービスの契約が締結されていない通常モードである場合、印刷許可モードは有効である場合が考えられる。一方で、プリンタに対してサービスの契約が締結されている契約モードである場合には、印刷許可モードは無効となる場合が考えられる。本開示は、契約モードにおいて、例外的に印刷許可モードを有効にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様の画像形成装置は、画像形成装置であって、本体メモリであって、前記画像形成装置に対してサービスの契約が締結されている契約状態である契約モードに設定されているか、又は、前記サービスの契約が締結されていない通常状態である通常モードに設定されているかを示す第1モード情報と、前記画像形成装置に装着されたカートリッジに収容された着色剤の残量がカートリッジを交換すべき状態であると判定された場合であっても印刷を許可可能な印刷許可モードが有効であるか、又は、前記印刷許可モードが無効であるかを示す第2モード情報と、を記憶する本体メモリと、第1コントローラと、を備え、前記第1コントローラは、前記第1モード情報が前記通常モードを示している状態において、前記第2モード情報を、前記印刷許可モードが有効であることを示す有効情報に設定する第1設定処理と、前記第1モード情報が前記契約モードを示している状態において、前記第2モード情報を、前記印刷許可モードが無効であることを示す無効情報に設定する第2設定処理と、前記第1モード情報が前記契約モードを示し、かつ、前記第2モード情報が前記無効情報に設定されている状態において、前記印刷許可モードを有効にする第1指示を受信した場合に、前記第2モード情報を、前記無効情報から前記有効情報に書き換える第1書換処理、を実行する。上記構成によれば、画像形成装置は、契約モードにおいて第1指示を受信した場合には印刷許可モードを例外的に有効とすることができる。そのため、画像形成装置は、契約モードにおいて、着色剤の残量がカートリッジを交換すべき状態であると判定された場合であっても、印刷を実行できる。従って、画像形成装置は、契約品としてのカートリッジの補給品がユーザに届かず、カートリッジの交換を行うことができない状況であっても、印刷を実行できる。
【0007】
また、本開示の一態様の画像形成装置では、前記第1コントローラは、前記残量がカートリッジを交換すべき状態であると判定された場合に前記カートリッジの交換要求を表示することを示す交換表示通知を送信する第1送信処理を実行し、前記交換表示通知に対する応答として、前記第1指示を受信した場合、前記第1書換処理を実行してもよい。上記構成によれば、画像形成装置は、交換表示通知の送信をトリガーにして第1書換処理を実行できる。
【0008】
また、本開示の一態様の画像形成装置では、前記画像形成装置は、サーバと通信可能に接続され、前記第1コントローラは、前記第1送信処理において、前記交換表示通知を前記サーバに送信し、前記第1指示を前記サーバから受信した場合、前記第1書換処理を実行してもよい。上記構成によれば、画像形成装置は、サーバとの通信により、第1書換処理を実行できる。
【0009】
また、本開示の一態様の画像形成装置は、サーバと通信可能に接続され、前記本体メモリは、前記サーバが、前記契約により設定された単位枚数あたりの第1課金額と、印刷枚数とに基づき、所定期間の課金額の算出を可能とする第1課金モードであるか、又は、前記サーバが、前記契約により設定された単位枚数あたりの第2課金額であって、前記第1課金額より低価格に設定された第2課金額と、印刷枚数とに基づき、所定期間の課金額の算出を可能とする第2課金モードであるかを示す第3モード情報を記憶しており、前記第1コントローラは、前記第3モード情報が前記第1課金モードを示している状態において、前記第1書換処理を実行するときに、前記第3モード情報を、前記第2課金モードであることを示す情報に書き換える第2書換処理を実行してもよい。上記構成によれば、画像形成装置は、契約モードにおいて印刷許可モードを例外的に有効にした状態において、第2課金モードに設定することにより、画質を保証できない印刷物を課金額の割引対象とすることができる。
【0010】
また、本開示の一態様の画像形成装置では、前記本体メモリは、前記残量を示す残量情報を記憶しており、前記第1コントローラは、前記残量が発送閾値以下となった後に、前記残量情報を送信する第2送信処理を実行し、前記残量情報の送信に対する応答として、前記第1指示を受信した場合、前記第1書換処理を実行してもよい。上記構成によれば、画像形成装置は、着色剤の残量が発送閾値以下となった後の残量情報の送信をトリガーにして、第1書換処理を実行できる。
【0011】
また、本開示の一態様の画像形成装置は、サーバと通信可能に接続され、前記第1コントローラは、前記第2送信処理において、前記残量情報を前記サーバに送信し、前記第1指示を前記サーバから受信した場合、前記第1書換処理を実行してもよい。上記構成によれば、画像形成装置は、サーバとの通信により、第1書換処理を実行できる。
【0012】
また、本開示の一態様の画像形成装置では、前記本体メモリは、前記サーバが、前記契約により設定された単位枚数あたりの第1課金額と、印刷枚数とに基づき、所定期間の課金額の算出を可能とする第1課金モードであるか、又は、前記サーバが、前記契約により設定された単位枚数あたりの第2課金額であって、前記第1課金額より低価格に設定された第2課金額と、印刷枚数とに基づき、所定期間の課金額の算出を可能とする第2課金モードであるかを示す第3モード情報を記憶しており、前記第1コントローラは、前記第3モード情報が前記第1課金モードを示している状態において、前記第1指示を受信した場合、前記残量がカートリッジを交換すべき状態になったかを判定する判定処理と、前記判定処理により前記残量がカートリッジを交換すべき状態になったと判定された場合、前記第3モード情報を、前記第2課金モードであることを示す情報に書き換える第2書換処理と、を実行してもよい。上記構成によれば、画像形成装置は、契約モードにおいて印刷許可モードを例外的に有効にした状態において、第2課金モードに設定することにより、画質を保証できない印刷物を課金額の割引対象とすることができる。
【0013】
また、本開示の一態様の画像形成装置では、前記第1コントローラは、前記第1指示を前記サーバから受信した場合、前記判定処理を実行してもよい。上記構成によれば、画像形成装置は、サーバとの通信により、判定処理を実行できる。
【0014】
また、本開示の一態様の画像形成装置では、前記第1コントローラは、前記第1書換処理を実行後、前記印刷許可モードを無効にする第2指示を受信した場合、前記第2モード情報を、前記有効情報から前記無効情報に書き換える第3書換処理と、前記第3書換処理を実行するときに、前記第3モード情報を、前記第1課金モードであることを示す情報に書き換える第4書換処理と、を実行してもよい。上記構成によれば、画像形成装置は、契約モードにおいて例外的に有効にした印刷許可モードを再度無効にすることにより、画質を保証できない状態のまま印刷が継続して実行される可能性を低減できる。また、画像形成装置は、第2課金モードを再度第1課金モードに切り替えることにより、補給品が画像形成装置に装着された後においても第2課金モードのまま課金額が算出される可能性を低減できる。
【0015】
また、本開示の一態様の画像形成装置では、前記カートリッジは、トナーカートリッジであってよい。上記構成によれば、契約モードにおいて、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態であると判定された場合であっても、印刷を実行できる。
【0016】
また、本開示の一態様のサーバは、画像形成装置と通信可能に接続されるサーバであって、第2コントローラを備え、前記第2コントローラは、前記画像形成装置において、前記画像形成装置に対してサービスの契約が締結されている契約状態である契約モードに設定され、かつ、前記画像形成装置に装着されたカートリッジに収容された着色剤の残量がカートリッジを交換すべき状態と判定された場合であっても印刷を許可可能な印刷許可モードが無効に設定されている状態において、前記残量が発送閾値以下であることを示す残量低下通知を前記画像形成装置から受信した場合、前記画像形成装置における前記印刷許可モードの設定を無効から有効に切り替える切換処理を実行する。上記構成によれば、サーバは、契約モードにおいて着色剤の残量がカートリッジを交換すべき状態と判定された場合であっても、例外的に画像形成装置に印刷を実行させることができる。従って、画像形成装置は、補給品がユーザに届かず、カートリッジの交換を行うことができない状況であっても、印刷を実行できる。
【0017】
また、本開示の一態様のサーバは、サーバメモリであって、前記残量低下通知を前記画像形成装置から受信したときからの日数を示す日数情報を記憶するサーバメモリを備え、前記第2コントローラは、前記日数が第1閾値未満である場合、前記切換処理を実行してよい。上記構成によれば、サーバは、上記日数が第1閾値未満である場合、契約モードにおいて着色剤の残量がカートリッジを交換すべき状態と判定されたにもかかわらず、補給品がユーザに届いていない状態であると判断できる。又は、サーバは、上記日数が第1閾値未満である場合、契約モードにおいて、短期間のうちに着色剤の残量がカートリッジを交換すべき状態になることが想定されるにもかかわらず、補給品がユーザに届いていない状態であると判断できる。上記状態において、サーバは、上記切換処理を実行することにより、契約モードにおいて着色剤の残量がカートリッジを交換すべき状態と判定された場合であっても、例外的に画像形成装置に印刷を実行させることができる。
【0018】
また、本開示の一態様のサーバでは、前記第2コントローラは、前記切換処理において、前記残量がカートリッジを交換すべき状態と判定された場合に前記カートリッジの交換要求を表示することを示す交換表示通知を、前記画像形成装置から受信したときに、前記日数が第1閾値未満である場合、前記印刷許可モードを有効にする第1指示を前記画像形成装置に送信する第3送信処理を実行してよい。上記構成によれば、サーバは、上記日数が第1閾値未満である場合、契約モードにおいて着色剤の残量がカートリッジを交換すべき状態と判定されたにもかかわらず、補給品がユーザに届いていない状態であると判断できる。上記状態において、サーバは、第1指示を画像形成装置に送信することにより、例外的に画像形成装置に印刷を実行させることができる。
【0019】
また、本開示の一態様のサーバでは、前記第2コントローラは、前記切換処理において、前記残量低下通知を受信した後に前記残量を示す残量情報を前記画像形成装置から受信したときに、前記日数が第1閾値未満である場合であって、かつ、前記残量情報に示される前記残量が所定値以下である場合、前記印刷許可モードを有効にする第1指示を前記画像形成装置に送信する第3送信処理を実行してよい。上記構成によれば、サーバは、上記日数が第1閾値未満であり、かつ着色剤の残量が所定値以下である場合、契約モードにおいて着色剤の残量がカートリッジを交換すべき状態と判定されることが想定されるにもかかわらず、補給品がユーザに届いていない状態であると判断できる。上記状態において、サーバは、第1指示を画像形成装置に送信することにより、例外的に画像形成装置に印刷を実行させることができる。
【0020】
また、本開示の一態様のサーバでは、前記第2コントローラは、前記日数が、前記第1閾値以上の値として設定される第2閾値より大きい場合、前記印刷許可モードを無効にする第2指示を、前記画像形成装置に送信する第4送信処理を実行してよい。上記構成によれば、サーバは、画像形成装置において、例外的に有効にした印刷許可モードを、再度無効に切り替えさせることができる。
【0021】
また、本開示の一態様の画像形成システムは、前記画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能に接続されるサーバであって、第2コントローラを備え、前記第2コントローラは、前記画像形成装置において、前記契約モードに設定され、かつ、前記印刷許可モードが無効に設定されている状態において、前記残量が発送閾値以下であることを示す残量低下通知を前記画像形成装置から受信した場合、前記画像形成装置における前記印刷許可モードの設定を無効から有効に切り換える切換処理を実行する、サーバと、を備える。上記構成によれば、画像形成装置は、契約モードにおいて印刷許可モードを例外的に有効とすることができる。
【0022】
また、本開示の一態様の制御方法は、画像形成装置を制御する制御方法であって、第1モード情報は、前記画像形成装置に対してサービスの契約が締結されている契約状態である契約モードに設定されているか、又は、前記サービスの契約が締結されていない通常状態である通常モードに設定されているかを示す情報であり、第2モード情報は、前記画像形成装置に装着されたカートリッジに収容された着色剤の残量がカートリッジを交換すべき状態であると判定された場合であっても印刷を許可可能な印刷許可モードが有効であるか、又は、前記印刷許可モードが無効であるかを示す情報であり、前記第1モード情報が前記通常モードを示している状態において、前記第2モード情報を、前記印刷許可モードが有効であることを示す有効情報に設定する第1設定ステップと、前記第1モード情報が前記契約モードを示している状態において、前記第2モード情報を、前記印刷許可モードが無効であることを示す無効情報に設定する第2設定ステップと、前記第1モード情報が前記契約モードを示し、かつ、前記第2モード情報が前記無効情報に設定されている状態において、前記印刷許可モードを有効にする第1指示を受信する受信ステップと、前記第1指示を受信した後、前記第2モード情報を、前記無効情報から前記有効情報に書き換える書換ステップと、を含む。上記構成によれば、画像形成装置は、契約モードにおいて印刷許可モードを例外的に有効とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本開示の一態様によれば、画像形成装置は、契約モードにおいて印刷許可モードを例外的に有効とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】画像形成システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。
【
図4】通常モードから契約モードに切り換える場合の画像形成装置による処理の一例を示す図である。
【
図5】契約モードにおける画像形成装置及びサーバによる処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】契約モードにおける画像形成装置及びサーバによる処理の別例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
〔画像形成システム100の構成〕
図1は、画像形成システム100の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、画像形成システム100は、画像形成装置1、PC2(Personal Computer)、サーバ3及び管理装置4を備える。画像形成装置1は、PC2と通信可能に接続される。画像形成装置1及びPC2は、ネットワークNWを介してサーバ3と通信可能に接続される。PC2の代わりに、スマートフォン等の携帯情報端末が用いられてもよい。サーバ3は、ネットワークNWを介して、倉庫の管理装置4と通信可能に接続される。
【0026】
〔画像形成装置1の構成〕
図2は、画像形成装置1の構成の一例を示す概略図である。なお、
図2において、ドラムカートリッジ20が並ぶ方向をX方向、カバー11が閉じている状態で転写ベルト40からカバー11に向かう方向をZ方向、X方向及びZ方向の両方に直交する方向をY方向とする。
【0027】
画像形成装置1は、電子写真方式のプリンタである。画像形成装置1の一例としては、LED(Light Emitting Diode)プリンタが挙げられる。
図1及び
図2に示すように、画像形成装置1は、本体筐体10と、カバー11と、ドラムカートリッジ20と、トナーカートリッジ30と、転写ベルト40と、光源ユニット50と、を備える。加えて、画像形成装置1は、通信インターフェース60と、第1ネットワークインターフェース70と、第1コントローラ80と、タッチパネル90と、を備える。
【0028】
本体筐体10は、矩形の箱状に形成されている。本体筐体10には、4つのドラムカートリッジ20、4つのトナーカートリッジ30、転写ベルト40及び第1コントローラ80が収容されている。本体筐体10には、4つのカートリッジ保持部12が凹状に形成されている。ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ30は、カートリッジ保持部12のそれぞれに保持されることで本体筐体10に装着される。本体筐体10の外表面には、タッチパネル90を備える。タッチパネル90に代えて、液晶ディスプレイまたはランプ等の表示部、及び、ボタン等の入力部が別々に設けられていてもよい。
【0029】
カバー11は、本体筐体10の上端に形成された開口10Aを開閉する。カバー11は、
図2において実線で示す開口10Aを開ける開位置と、
図2において二点鎖線で示す開口10Aを閉じる閉位置と、の間で、Y方向に延びる回動軸11Aを中心に回動可能である。
【0030】
カバー11が開位置に配置されたときには、カートリッジ保持部12のそれぞれの開口が開放される。カバー11が閉位置に配置されたときには、カートリッジ保持部12のそれぞれの開口が、カバー11により覆われる。本体筐体10には、開口10Aに図示しない閉センサが設けられている。閉センサは、カバー11が閉位置にあることを検知するセンサである。閉センサは、例えば接触型のセンサであってもよいし、光学型のセンサであってもよい。
【0031】
ドラムカートリッジ20はカートリッジの一例であり、本体筐体10に装着可能である。ドラムカートリッジ20は、カートリッジ筐体21と、感光体ドラム22と、ドラムメモリ23と、を有する。カートリッジ筐体21には、感光体ドラム22及びドラムメモリ23が設けられる。
【0032】
感光体ドラム22は、画像形成を行うために使用される部品であり、使用に伴って表面の磨耗等の劣化が生じるために交換が必要となる交換部品である。感光体ドラム22は、Y方向に延びる円筒状の感光体であり、Y方向に延びるドラム軸を中心に回転可能である。感光体ドラム22の外周面は感光材料に覆われている。
【0033】
ドラムメモリ23は、情報の読み出し及び書き込みが可能なメモリである。ドラムメモリ23は、例えばフラッシュROM(Read Only Memory)またはEEPROM(登録商標,Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)である。ドラムメモリ23は、感光体ドラム22に関する情報として、例えばドラムID、ドラム寿命情報及びドラム識別情報を記憶している。
【0034】
ドラムIDは、個々のドラムカートリッジ20を識別するための固有のシリアルナンバーである。ドラム寿命情報は、例えば感光体ドラム22の累積回転数、及び、感光体ドラム22を用いての累積印刷枚数のうち少なくとも1つである。感光体ドラム22の累積回転数、及び、感光体ドラム22を用いての累積印刷枚数はそれぞれ、ドラムIDにより特定されるドラムカートリッジ20において、印刷の度にインクリメントまたはデクリメントされて算出される。
【0035】
ドラム識別情報は、ドラムカートリッジ20が契約品または通常品のいずれであるかを示す情報である。契約品は、画像形成装置1に対してサービスの契約が締結されている契約状態で使用可能であり、且つ、画像形成装置1に対してサービスの契約が締結されていない通常状態では使用不可能なものである。通常品は、画像形成装置1が契約状態と通常状態との両方の状態で使用可能なものである。
【0036】
サービスは、本体メモリ13に記憶されている寿命情報に基づき、ユーザにドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ30が自動的に配送されると共に、ユーザが契約品を使用することが可能であるというものである。
【0037】
ドラムメモリ23は、ドラムID、ドラム寿命情報及びドラム識別情報以外に、次のような他の情報を記憶していてもよい。他の情報は、ドラムカートリッジ20の適合機種、ドラムカートリッジ20の仕様、ドラムカートリッジ20が未使用品であるか否かを示す情報、ドラムカートリッジ20のエラー履歴等の情報である。これらの情報は、トナーメモリ33にも同様に記憶されていてもよい。
【0038】
トナーカートリッジ30はカートリッジの一例であり、本体筐体10に装着可能である。トナーカートリッジ30は、ドラムカートリッジ20に装着されることで、ドラムカートリッジ20と一体となる。つまり、トナーカートリッジ30は、トナーカートリッジ30がドラムカートリッジ20に装着された状態で、ドラムカートリッジ20と共に、本体筐体10へ装着される。トナーカートリッジ30は、カートリッジ筐体31と、現像ローラ32と、トナーメモリ33と、を有する。カートリッジ筐体31には、現像ローラ32及びトナーメモリ33が設けられる。カートリッジ筐体31はトナーを収容する。トナーは、着色剤の一例である。
【0039】
4つのカートリッジ筐体31は、画像形成を行うために使用される材料として、互いに異なる色のトナーを収容する。例えば、4つのカートリッジ筐体31のそれぞれは、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色のトナーを収容する。1つのカートリッジ筐体31には1色のトナーが収容される。トナーは使用に伴ってなくなる消耗品である。
【0040】
現像ローラ32はY方向に延びる円筒状の部材であり、Y方向に延びる現像軸を中心に回転可能である。トナーカートリッジ30がドラムカートリッジ20に装着されると、現像ローラ32の外周面は感光体ドラム22の外周面と接触する。
【0041】
トナーメモリ33は、情報の読み出し及び書き込みが可能なメモリである。トナーメモリ33は、例えばフラッシュROMまたはEEPROMである。トナーメモリ33は、トナーカートリッジ30に関する情報として、例えばトナーID、トナー寿命情報及びトナー識別情報を記憶している。
【0042】
トナーIDは、個々のトナーカートリッジ30を識別するための固有のシリアルナンバーである。トナー寿命情報は、例えば現像ローラ32の累積回転数、現像ローラ32を用いての累積印刷枚数、及び、現像ローラ32を用いての累積ドット数のうち少なくとも1つである。
【0043】
現像ローラ32の累積回転数は、トナーIDにより特定される1つのトナーカートリッジ30において、印刷の度にインクリメントまたはデクリメントされて算出される。現像ローラ32を用いての累積印刷枚数、及び、現像ローラ32を用いての累積ドット数についても、現像ローラ32の累積回転数と同様に算出される。
【0044】
トナー識別情報は、トナーカートリッジ30が契約品または通常品のいずれであるかを示す情報である。トナーカートリッジ30における契約品及び通常品の意味は、ドラムカートリッジ20における契約品及び通常品の意味と同様である。
【0045】
図2に示すように、ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ30は、カバー11が開位置に配置された状態で、本体筐体10に装着される。この状態で、ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ30は、開口10Aからカートリッジ保持部12に挿入される。
【0046】
図1に示すように、本体筐体10はコネクタ101とコネクタ102とを有する。ドラムカートリッジ20がカートリッジ保持部12に挿入された状態で、コネクタ101がドラムメモリ23と電気的に接続されることより、本体筐体10の第1コントローラ80がドラムカートリッジ20のドラムメモリ23と通信可能になる。
【0047】
トナーカートリッジ30が本体筐体10に装着された状態で、コネクタ102がトナーメモリ33と電気的に接続されることより、本体筐体10の第1コントローラ80がトナーカートリッジ30のトナーメモリ33と通信可能になる。
【0048】
転写ベルト40は、感光体ドラム22の表面にあるトナーを印刷用紙へ転写する部品である。転写ベルト40は、使用に伴って表面の磨耗等の劣化が生じるために交換が必要となる交換部品である。転写ベルト40は、感光体ドラム22と接触可能な環状のベルトである。感光体ドラム22の外周面は、転写ベルト40の外周面と接触可能である。印刷処理時には、印刷用紙が転写ベルト40と感光体ドラム22との間へ搬送される。
【0049】
転写ベルト40は、駆動ローラ41と従動ローラ42との間に掛け渡されている。駆動ローラ41は転写ベルト40を駆動する。第1コントローラ80は駆動ローラ41を回転させる。従動ローラ42は、駆動ローラ41の駆動に伴う転写ベルト40の移動に従って回転する。
【0050】
4つの光源ユニット50は、カバー11の内表面に取り付けられており、各ドラムカートリッジ20に対応している。光源ユニット50は、本体筐体10にドラムカートリッジ20が装着されて、カバー11が閉位置にある状態で、感光体ドラム22の表面と向かい合って配置されている。また、4つの光源ユニット50のそれぞれは、Y方向に配列された複数の光源を有する。光源は、感光体ドラム22の外周面に光を照射可能である。光源は、例えばLEDである。
【0051】
光源ユニット50は、第1コントローラ80と電気的に接続されている。第1コントローラ80は、入力された画像データに応じて、光源ユニット50の複数の光源を発光させる。これにより、光源は、感光体ドラム22の外周面に向けて光を照射する。その結果、感光体ドラム22の外周面の感光材料が、画像データに応じて露光される。
【0052】
通信インターフェース60は、画像形成装置1とPC2との通信を可能にする。第1コントローラ80は、通信インターフェース60を介して、PC2から印刷ジョブを受信することができる。印刷ジョブは、第1コントローラ80がPC2等の外部機器から受信する印刷指示である。第1ネットワークインターフェース70は、ネットワークNWを介してサーバ3と接続される。第1コントローラ80は、第1ネットワークインターフェース70及びネットワークNWを介して、サーバ3と通信を行うことができる。
【0053】
第1コントローラ80は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を有する。第1コントローラ80は、本体筐体10の本体メモリ13と電気的に接続されている。第1コントローラ80は、種々の処理を実行することによって、画像形成装置1に印刷処理及びそれに付随する処理を行わせる。なお、第1コントローラ80は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備えてもよい。この場合、本体メモリ13に、画像形成装置1の制御方法を実現する制御プログラムが保存され、プロセッサが制御プログラムに従って動作することによって、第1コントローラ80が画像形成装置1に処理を行わせてもよい。
【0054】
また、第1コントローラ80は、制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えていてもよい。記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリまたはプログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、制御プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等を使用してもよい。制御プログラムは、制御プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークまたは放送波等)を介して第1コントローラ80が備えるコンピュータに供給されてもよい。なお、本開示の一態様は、制御プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0055】
ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ30が本体筐体10のカートリッジ保持部12に装着されると、
図1に示すように、ドラムメモリ23及びトナーメモリ33は、第1コントローラ80と電気的に接続される。これにより、第1コントローラ80は、ドラムメモリ23及びトナーメモリ33からの情報の読出処理と、ドラムメモリ23及びトナーメモリ33への情報の書込処理と、を実行することが可能となる。
【0056】
また、本体筐体10は本体メモリ13を有する。本体メモリ13は、情報の読み出し及び書き込みが可能なメモリである。本体メモリ13は、例えばフラッシュROMまたはEEPROMである。本体メモリ13は、登録情報及び寿命情報を記憶する。登録情報は、ドラムメモリ23から読み出されるドラムIDと、トナーメモリ33から読み出されるトナーIDと、を含む。寿命情報は、ドラム寿命情報とトナー寿命情報とを含む。本体メモリ13に記憶されるドラム寿命情報は、ドラムメモリ23に記憶されるドラム寿命情報と同一である。本体メモリ13に記憶されるトナー寿命情報は、トナーメモリ33に記憶されるトナー寿命情報と同一である。また、本体メモリ13はプリンタIDを記憶してもよい。プリンタIDは、個々の画像形成装置1を識別するための識別情報であって、例えばシリアルナンバーである。
【0057】
また、本体メモリ13は、第1モード情報、第2モード情報及び第3モード情報を記憶する。
【0058】
第1モード情報は、画像形成装置1が、契約状態である契約モードに設定されているか、又は、画像形成装置1が、通常状態である通常モードに設定されているかを示す情報である。換言すれば、第1モード情報は、第1コントローラ80により実行される制御が契約状態での制御であるか、又は通常状態での制御であるかを示す情報である。
【0059】
第2モード情報は、以下に示す印刷許可モードが有効であるか、又は無効であるかを示す情報である。印刷許可モードは、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ30のトナー残量がカートリッジを交換すべき状態と判定された場合であっても印刷を許可可能なモードである。第2モード情報は、画像形成装置1に対して設定された印刷許可モードが有効であることを示す有効情報、又は、画像形成装置1に対して設定された印刷許可モードが無効であることを示す無効情報に設定されている。第1コントローラ80は、新品のトナーカートリッジ30に対して設定された規定ドット数から、算出時点の累積ドット数を減算した値を、トナー残量として算出する。又は、第1コントローラ80は、新品のトナーカートリッジ30に対して設定された規定の累積回転数から、算出時点の累積回転数を減算した値を、トナー残量として算出する。第1コントローラ80は、規定ドット数-算出時点の累積ドット数=0、又は、規定の累積回転数-算出時点の累積ドット数=0となったとき、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態であると判定する。第1コントローラ80は、例えばトナー残量を示す残量情報を、サーバ3へ定期的に送信する。
【0060】
第3モード情報は、以下に示す第1課金モードであるか、又は、以下に示す第2課金モードであるかを示す情報である。第1課金モードは、サーバ3が、契約により設定された単位枚数あたりの第1課金額と、印刷枚数とに基づき、所定期間の課金額の算出を可能とするモードである。第2課金モードは、サーバ3が、契約により設定された単位枚数あたりの第2課金額であって、第1課金額より低価格に設定された第2課金額と、印刷枚数とに基づき、所定期間の課金額の算出を可能とするモードである。
【0061】
第1コントローラ80は、第1モード情報が通常モードを示している状態において、第2モード情報として、画像形成装置1に対して有効情報を設定している。従って、第1コントローラ80は、画像形成装置1に対して通常モードが設定された状態においては、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態と判定された場合であっても印刷を実行できる。トナーカートリッジ30には、規定量よりも少量だけ多くトナーが収容されているため、第1コントローラ80は、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態と判定された場合であっても印刷を実行できる。一方、第1コントローラ80は、第1モード情報が契約モードを示している状態において、第2モード情報として、画像形成装置1に対して無効情報を設定している。従って、第1コントローラ80は、画像形成装置1に対して契約モードが設定されている状態においては、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態と判定された場合には印刷を実行しない。また、第1コントローラ80は、第1モード情報として、画像形成装置1に対して契約モードを示す契約情報を設定した場合、第3モード情報として、画像形成装置1に対して、第1課金モードであることを示す第1課金情報を設定する。従って、サーバ3は、所定期間の課金額を契約に基づき算出できる。
【0062】
図3は、トナー残量の推移の一例を示す図である。
図3(A)は、トナー残量が一定の割合で、かつ通常想定される割合で低下する場合のトナー残量の推移を示しており、
図3(B)は、急激にトナー残量が低下する場合のトナー残量の推移を示している。
【0063】
画像形成装置1に対して契約モードが設定されている場合、トナー残量が以下に示す発送閾値まで低下すると、第1コントローラ80は、以下に示す残量低下通知をサーバ3に送信する。発送閾値は、トナーカートリッジ30の補給品の発送をサーバ3に要求するために設定されたトナー残量の値である。残量低下通知は、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ30のうちの少なくとも1つのトナー残量が発送閾値以下であることを示す通知である。サーバ3は、残量低下通知を受信すると、トナーカートリッジ30の補給品の発送指示を倉庫の管理装置4に送信する。倉庫からユーザへ補給品が発送されることにより、ユーザは、トナーカートリッジ30を補給品に交換できる。従って、画像形成装置1は、継続して印刷を実行できる。
【0064】
1日あたりに通常想定される印刷枚数の範囲内で印刷が継続して実行される場合、
図3(A)に示すように、トナー残量は、一定の割合で、かつ通常想定される割合で低下していく。
図3(A)に示すように、トナー残量が発送閾値まで低下してから0となる低下期間は輸送期間よりも長くなる。輸送期間は、倉庫から補給品が発送され、ユーザに到着するまでの期間であり、例えば7~14日程度の期間である。従って、
図3(A)の場合、ユーザは、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態となる前にトナーカートリッジ30を補給品に交換できる。
【0065】
一方、1日あたりに通常想定される印刷枚数の範囲を超えた印刷が実行された場合、
図3(B)に示すように、トナー残量は急激に低下していく。
図3(B)に示すように、低下期間が輸送期間よりも短くなった場合、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態となる前に補給品がユーザに届かず、ユーザはトナーカートリッジ30を補給品に交換できない。従って、画像形成装置1に対して契約モードが設定され、かつ、画像形成装置1に対して設定された印刷許可モードが無効を示す場合、第1コントローラ80は、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態となってから補給品に交換されるまでの間、印刷を実行できない。また、契約モードでは、所定期間の課金額が契約に基づき算出される。従って、印刷が実行できない状態であっても、契約に基づき算出された所定期間の課金額がユーザに請求される。
【0066】
本実施形態では、第1コントローラ80は、第1モード情報が契約モードを示し、かつ第2モード情報として、画像形成装置1に対して無効情報を設定した状態において、以下に示す第1指示をサーバ3から受信した場合、以下に示す第1書換処理を実行する。第1指示は、画像形成装置1に対して設定された印刷許可モードを有効にするために、サーバ3が画像形成装置1に送信する指示である。第1書換処理は、第2モード情報を無効情報から有効情報に書き換える処理である。第1コントローラ80は、第1指示を受信した場合、画像形成装置1に対して契約モードが設定された状態において無効になっている印刷許可モードを、例外的に有効にすることができる。従って、
図3(B)のように、第1コントローラ80は、画像形成装置1に対して契約モードが設定されている状態において、補給品が届く前にトナー残量がカートリッジを交換すべき状態と判定した場合であっても、第1コントローラ80は印刷を実行できる。そのため、第1コントローラ80は、補給品がユーザに届かず、トナーカートリッジ30の交換を行うことができない状況であっても、印刷を実行できる。
【0067】
また、本実施形態では、第1コントローラ80は第1指示を受信し、かつ、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態と判定した場合、第1コントローラ80は、第3モード情報を、第2課金モードであることを示す第2課金情報に書き換える。従って、画質を保証できない期間の印刷物については割引対象とすることができる。
【0068】
〔サーバ3の構成〕
サーバ3は、画像形成装置1の稼働状態を管理する管理装置である。サーバ3は、第2ネットワークインターフェース110と、第2コントローラ120と、サーバメモリ130と、を備える。
【0069】
第2ネットワークインターフェース110は、ネットワークNWを介して画像形成装置1、PC2又は倉庫の管理装置4と接続される。第2コントローラ120は、第2ネットワークインターフェース110及びネットワークNWを介して、画像形成装置1又は倉庫の管理装置4と通信を行うことができる。
【0070】
第2コントローラ120は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を有する。第2コントローラ120は、サーバメモリ130と電気的に接続されている。第2コントローラ120は、種々の処理を実行することによって、サーバ3に各種処理を行わせる。第2コントローラ120は、第1コントローラ80と同様、CPU等のプロセッサ、又は、制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えてもよい。
【0071】
サーバメモリ130は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。サーバメモリ130は、例えば、残量低下通知を画像形成装置1から受信したときからの日数を示す日数情報を記憶する。また、サーバメモリ130は、画像形成装置1から定期的に受信する残量情報等を記憶する。
【0072】
第2コントローラ120は、画像形成装置1に対して契約モードが設定された状態において残量低下通知を受信したときに、日数情報を0に設定した後、日付が更新されるたびに日数情報をインクリメントする。また、第2コントローラ120は、残量低下通知を受信したときに、補給品の発送指示を倉庫の管理装置4へ送信する。
【0073】
また、第2コントローラ120は、画像形成装置1に対して契約モードが設定され、かつ、画像形成装置1に対して設定された印刷許可モードが無効を示している状態において、残量低下通知を受信した場合、以下に示す切換処理を実行する。切換処理は、画像形成装置1に対して設定された印刷許可モードの設定を無効から有効に切り替える処理である。従って、サーバ3は、画像形成装置1に対して契約モードが設定された状態においてトナー残量がカートリッジを交換すべき状態と判定された場合であっても、例外的に画像形成装置1に印刷を実行させることができる。第2コントローラ120は、切換処理の一例として、第1指示を画像形成装置1に送信する第3送信処理を実行する。
【0074】
また、第3モード情報として、画像形成装置1に対して第1課金情報が設定されている場合、第2コントローラ120は、第1課金額と印刷枚数とに基づき、所定期間の課金額を算出する。第3モード情報として、画像形成装置1に対して第2課金情報が設定されている場合、第2コントローラ120は、第2課金額と印刷枚数とに基づき、所定期間の課金額を算出する。第2コントローラ120は、具体的には以下に示すように、所定期間の課金額を算出する。
【0075】
例えば、第1課金額及び第2課金額が1枚あたりの課金額として設定されている場合を考える。第2コントローラ120は、第3モード情報として、画像形成装置1に対して第1課金情報が設定された第1期間については、第1課金額に、第1期間の印刷枚数を乗じた値を、第1期間の課金額として算出する。第2コントローラ120は、第3モード情報として、画像形成装置1に対して第2課金情報が設定された第2期間については、第2課金額に、第2期間の印刷枚数を乗じた値を、第2期間の課金額を算出する。第2コントローラ120は、第1期間の課金額と第2期間の課金額との合計額を、所定期間の課金額として算出する。
【0076】
また、第2コントローラ120は、画像形成装置1から印刷枚数を示す情報を受信するたびに、第3モード情報を受信してもよい。第3モード情報として、画像形成装置1に対して第1課金情報が設定されている場合、第2コントローラ120は、第1課金額に印刷枚数を乗じた値を、直近の累積課金額に加算する。第3モード情報として、画像形成装置1に対して第2課金情報が設定されている場合、第2コントローラ120は、第2課金額に印刷枚数を乗じた値を、直近の累積課金額に加算する。第2コントローラ120は、所定期間経過時の累積課金額を、所定期間の課金額として算出する。
【0077】
〔画像形成装置及びサーバにおける処理〕
<通常モードから契約モードへの切換例>
図4は、通常モードから契約モードに切り換える場合の画像形成装置1による処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、SA1において、第1コントローラ80は、第1モード情報が通常モードを示している状態において、第2モード情報として、画像形成装置1に対して有効情報を設定する第1設定処理を実行する。SA1の処理は第1設定ステップの一例である。第1設定処理は、画像形成装置1の出荷前に実行されていてよい。SA1の処理後、SA2において、第1コントローラ80は、画像形成装置1に対してサービスの契約が締結されることにより、第1モード情報を契約情報に書き換えたかを判定する。第1コントローラ80は第1モード情報を契約情報に書き換えたと判定した場合、すなわち第1コントローラ80はSA1でYESの場合、SA3において、第1コントローラ80は、第2モード情報として、画像形成装置1に対して無効情報を設定する第2設定処理を実行する。SA2の処理は第2設定ステップの一例である。また、SA4において、第1コントローラ80は、第3モード情報として、画像形成装置1に対して第1課金情報を設定する。なお、第1コントローラ80はSA1でNOの場合、すなわちサービスの契約が締結されるまで、第1コントローラ80はSA1の処理を実行する。
【0078】
<処理例1>
図5は、契約モードにおける画像形成装置1及びサーバ3による処理の一例を示すフローチャートである。
図5(A)は、画像形成装置1による処理の一例を示すフローチャートであり、
図5(B)は、は、サーバ3による処理の一例を示すフローチャートである。
図5(A)に示す処理は、画像形成装置1が
図4の処理後に実行する処理である。また、
図5(B)に示す処理は、
図5(A)に示す処理において画像形成装置1がサーバ3へ残量低下通知を送信した後に、サーバ3が実行する処理である。
【0079】
(画像形成装置による処理)
図5(A)に示すように、SA11において、第1コントローラ80は、トナー残量が発送閾値以下になったかを判定する。第1コントローラ80はトナー残量が発送閾値以下になったと判定した場合、すなわち第1コントローラ80はSA11でYESの場合、SA12において、第1コントローラ80は、残量低下通知をサーバ3へ送信する。サーバ3は残量低下通知を受信することにより、サーバ3は、補給品の発送指示を倉庫の管理装置4に送信できる。また、SA13において、第1コントローラ80は、発送閾値までトナー残量が低下したことを示す残量低下情報を、タッチパネル90に表示する。第1コントローラ80が残量低下情報をタッチパネル90に表示することにより、ユーザは、トナー残量が短期間のうちにカートリッジを交換すべき状態になることを認識できる。なお、第1コントローラ80はSA11でNOの場合、すなわちトナー残量が発送閾値以下になるまで、第1コントローラ80はSA11の処理を実行する。
【0080】
SA13の処理後、SA14において、第1コントローラ80は、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態になったかを判定する。第1コントローラ80はトナー残量がカートリッジを交換すべき状態になったと判定した場合、すなわち第1コントローラ80はSA14でYESの場合、SA15において、第1コントローラ80は、以下に示す交換要求情報をタッチパネル90に表示する。交換要求情報は、トナーカートリッジ30の交換をユーザに要求する情報である。第1コントローラ80が交換要求情報をタッチパネル90に表示することにより、ユーザは、トナーカートリッジ30の交換が必要であることを認識できる。また、SA16において、第1コントローラ80は、以下に示す交換表示通知をサーバ3へ送信する第1送信処理を実行する。交換表示通知は、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態と判定された場合にトナーカートリッジ30の交換要求を表示することを示す通知である。第1コントローラ80が第1送信処理を実行することにより、サーバ3は、交換表示通知を受信したことをトリガーにして、第1指示の送信要否を判定できる。なお、第1コントローラ80はSA14でNOの場合、すなわちトナー残量がカートリッジを交換すべき状態になるまで、第1コントローラ80はSA14の処理を実行する。
【0081】
SA16の処理後、SA17において、第1コントローラ80は、交換表示通知に対する応答として、サーバ3から第1指示を受信する。SA17の処理は受信ステップの一例である。SA18において、第1コントローラ80は、第2モード情報を有効情報に書き換える第1書換処理を実行する。SA18の処理は書換ステップの一例である。
【0082】
図5に示す処理では、第1指示は、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態であると第1コントローラ80が判定した場合であって、かつ、補給品が発送されてから通常の発送に要する日数を経過していないとサーバ3が判定した場合に、サーバ3から送信される。従って、画像形成装置1が第1指示を受信する状態では、補給品が届いておらず、ユーザはトナーカートリッジ30を交換できない。また、第1コントローラ80は、第2モード情報として、画像形成装置1に対して無効情報を設定しているため、第1コントローラ80は印刷を実行できない。
【0083】
SA18において、第1コントローラ80が第1書換処理を実行する。従って、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態となり、かつ、補給品がユーザに届いていない状況において、第1コントローラ80は、画像形成装置1に対して設定された印刷許可モードを、例外的に有効にすることができる。そのため、第1コントローラ80は、上記状況において印刷を実行できる。また、第1コントローラ80は、サーバ3との通信により、交換表示通知の送信をトリガーにして第1書換処理を実行できる。
【0084】
また、SA19において、第1コントローラ80は、第3モード情報を第2課金情報に書き換える第2書換処理を実行する。つまり、第1コントローラ80は、第1書換処理を実行するときに、第2書換処理を実行する。SA19の処理において、第1コントローラ80は、画質を保証できない印刷物を課金額の割引対象とすることができる。
【0085】
また、SA20において、第1コントローラ80は、画質の保証はできないが、画像形成装置1に対して第2課金モードが設定された状態において印刷の実行が許可された状態になったことを示す印刷許可情報を、タッチパネル90に表示する。第1コントローラ80が印刷許可情報をタッチパネル90に表示することにより、ユーザは、画質は保証されないが、割引価格での印刷を実行できる状態であることを認識できる。
【0086】
SA18の処理後、SA21において、第1コントローラ80は、画像形成装置1に対して設定された印刷許可モードを無効にする第2指示を受信したかを判定する。第1コントローラ80は第2指示を受信したと判定した場合、すなわち第1コントローラ80はSA21でYESの場合、SA22において、第1コントローラ80は、第2モード情報を無効情報に書き換える第3書換処理を実行する。
【0087】
第2指示は、補給品を発送してから発送に要する日数として想定される最大日数を経過したとサーバ3が判定したときに、サーバ3から送信される。最大日数は、通常の発送に要する日数以上であり、例えば14日以上である。最大日数を経過した場合、既に補給品がユーザに届き、トナーカートリッジ30が交換可能な状態にあると想定できる。従って、SA22において、第1コントローラ80は、画像形成装置1に対して契約モードが設定された状態において例外的に有効にした印刷許可モードを再度無効にすることにより、画質を保証できない状態のまま印刷が継続して実行される可能性を低減できる。
【0088】
また、第1コントローラ80は第2指示を受信したと判定した場合、すなわち第1コントローラ80はSA21でYESの場合、SA23において、第1コントローラ80は、第3モード情報を第1課金情報に書き換える第4書換処理を実行する。つまり、第1コントローラ80は、画像形成装置1に対して設定された第2課金モードを再度第1課金モードに切り替える。従って、第1コントローラ80は、補給品が画像形成装置1に装着された後においても、画像形成装置1に対して第2課金モードが設定されたままの状態で課金額が算出される可能性を低減できる。
【0089】
また、SA24において、第1コントローラ80は、SA15と同様、交換要求情報をタッチパネル90に表示する。なお、第1コントローラ80はSA21でNOの場合、すなわち第1コントローラ80は第2指示を受信するまで、第1コントローラ80はSA21の処理を実行する。
【0090】
(サーバによる処理)
図5(B)に示すように、SB1において、第2コントローラ120は、残量低下通知を画像形成装置1から受信したかを判定する。第2コントローラ120は残量低下通知を受信したと判定した場合、すなわち第2コントローラ120はSB1でYESの場合、SB2において、第2コントローラ120は、日数情報に示された日数を0に設定すると共に、日数の計数を開始する。第2コントローラ120は日数の計数を開始することにより、第2コントローラ120は、補給品が発送されるときからの日数を計数できる。また、SB3において、第2コントローラ120は、補給品の発送指示を倉庫の管理装置4へ送信する。第2コントローラ120が補給品の発送指示を管理装置4へ送信することにより、補給品は、トナー残量が発送閾値以下になったことをトリガーにして倉庫から発送される。なお、第2コントローラ120はSB1でNOの場合、すなわち第1コントローラ80は残量低下通知を受信するまで、第2コントローラ120はSB1の処理を実行する。
【0091】
SB3の処理後、SB4において、第2コントローラ120は、交換表示通知を画像形成装置1から受信したかを判定する。第2コントローラ120は交換表示通知を受信したと判定した場合、すなわち第2コントローラ120はSB4でYESの場合、SB5において、第2コントローラ120は、日数情報に示された日数が第1閾値未満であるかを判定する。第1閾値は、倉庫から補給品が発送されてからユーザに届くまでの通常の発送に要する日数を示し、例えば14日に設定される。第1閾値は、全ユーザ共通に設定される値である。
【0092】
第2コントローラ120は日数情報に示された日数が第1閾値未満であると判定した場合、すなわち第2コントローラ120はSB5でYESの場合、SB6において、第2コントローラ120は、第1指示を画像形成装置1に送信する第3送信処理を実行する。つまり、第2コントローラ120は交換表示通知を画像形成装置1から受信したときに、日数情報に示された日数が第1閾値未満である場合、第2コントローラ120は第3送信処理を実行する。
【0093】
第2コントローラ120はSB5でYESの場合、第2コントローラ120は、画像形成装置1に対して契約モードが設定された状態においてトナー残量がカートリッジを交換すべき状態と判定されたにもかかわらず、補給品がユーザに届いていない状態であると判断できる。上記状態において、第2コントローラ120は、第1指示を画像形成装置1に送信する。従って、第2コントローラ120は、画像形成装置1に対して契約モードが設定された状態においてトナー残量がカートリッジを交換すべき状態と判定された場合であっても、例外的に画像形成装置1に印刷を実行させることができる。
【0094】
第2コントローラ120が残量低下通知を画像形成装置1から受信した場合に、第2コントローラ120が第1指示を送信することにより、画像形成装置1は、第2モード情報を、無効情報から有効情報に書き換える。従って、SB6の処理において、第2コントローラ120は、残量低下通知を受信した場合に、画像形成装置1に対して設定された印刷許可モードの設定を無効から有効に切り替える切換処理を実行するとも換言できる。また、SB6の処理において、第2コントローラ120は、日数情報に示された日数が第1閾値未満であると判定した場合に切換処理を実行する。
【0095】
なお、第2コントローラ120はSB4でNOの場合、すなわち第2コントローラ120は交換表示通知を受信するまで、第2コントローラ120はSB4の処理を実行する。また、第2コントローラ120はSB5でNOの場合、すなわち第2コントローラ120は日数情報に示された日数が第1閾値以上であると判定した場合、第2コントローラ120は、既に補給品がユーザに届いている状態であると判定できる。従って、第2コントローラ120は、第1指示を送信せずに本処理を終了する。画像形成装置1においては、第1指示を受信しないため、画像形成装置1に対して契約モードが設定された状態において、第2モード情報として、画像形成装置に対して無効情報が設定された状態が維持される。
【0096】
SB6の処理後、SB7において、第2コントローラ120は、日数情報に示された日数が第2閾値より大きいかを判定する。第2閾値は、第1閾値以上の値として設定される値である。第2閾値は、上述の最大日数を示し、例えば14日以上の日数に設定される。第2閾値は、天災等、ユーザの事情を考慮して、ユーザ毎に設定される値である。
【0097】
第2コントローラ120は日数情報に示された日数が第2閾値より大きいと判定した場合、すなわち第2コントローラ120はSB7でYESの場合、SB8において、第2コントローラ120は、第2指示を画像形成装置1に送信する第4送信処理を実行する。画像形成装置1はサーバ3から第2指示を受信することにより、画像形成装置1は、画像形成装置1に対して設定された印刷許可モードを、例外的に有効にした状態から再度無効する状態へと切り替えることができる。また、画像形成装置1は、サーバ3から第2指示を受信することにより、画像形成装置1に対して例外的に設定した第2課金モードを、再度第1課金モードに切り替えることができる。なお、第2コントローラ120はSB7でNOの場合、すなわち日数情報に示された日数が第2閾値を超えるまで、第2コントローラ120はSB7の処理を実行する。
【0098】
<処理例1の変形例>
図6は、契約モードにおける画像形成装置1及びサーバ3による処理の別例を示すフローチャートである。
図6(A)は、画像形成装置1による処理の別例を示すフローチャートであり、
図6(B)は、サーバ3による処理の別例を示すフローチャートである。
図6(A)に示す処理は、画像形成装置1が
図4の処理後に実行する処理である。また、
図6(B)に示す処理は、
図6(A)に示す画像形成装置1の処理において、画像形成装置1がサーバ3へ残量低下通知を送信した後に、サーバ3が実行する処理である。
【0099】
(画像形成装置による処理)
図6(A)に示すように、第1コントローラ80は、SA31~SA33の処理を実行する。SA31~SA33の処理は、
図5(A)に示すSA11~SA13の処理と同一である。
【0100】
SA31の処理後、SA34において、第1コントローラ80は、定期的に送信する残量情報の送信時刻になったかを判定する。第1コントローラ80は残量情報の送信時刻になったと判定した場合、すなわち第1コントローラ80はSA34のYES場合、SA35において、第1コントローラ80は、残量情報をサーバ3に送信する第2送信処理を実行する。つまり、第1コントローラ80は、トナー残量が発送閾値以下となった後に第2送信処理を実行する。なお、第1コントローラ80はSA34でNOの場合、すなわち残量情報の送信時刻になるまで、第1コントローラ80はSA34の処理を実行する。
【0101】
SA35の処理後、SA36において、第1コントローラ80は、残量情報の送信に対する応答として、サーバ3から第1指示を受信する。SA37の処理は受信ステップの一例である。SA37において、第1コントローラ80は、第2モード情報を有効情報に書き換える第1書換処理を実行する。SA38の処理は書換ステップの一例である。
【0102】
図6に示す処理では、第1指示は、トナー残量が発送閾値以下で、かつ所定値以下である場合であって、補給品の通常の発送に要する日数を経過していないとサーバ3が判定した場合に、サーバ3から送信される。所定値は、日数情報に示される日数毎に設定されたトナー残量の値であって、補給品がユーザに届くときのトナー残量がカートリッジを交換すべき状態と判定されないように設定された値である。従って、画像形成装置1が第1指示を受信する状態では、短期間のうちにトナー残量がカートリッジを交換すべき状態になることが想定される。カートリッジを交換すべき状態になることが想定されるにもかかわらず補給品がユーザに届いておらず、第2モード情報として、画像形成装置1に対して無効情報が設定されたままでは、第1コントローラ80は印刷を実行できない。
【0103】
SA37において、第1コントローラ80は第1書換処理を実行する。従って、第1コントローラ80は、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態になることが想定される状況であって、かつ、補給品がユーザに届いていない状況において、画像形成装置1に対して設定された印刷許可モードを、例外的に有効にすることができる。そのため、第1コントローラ80は、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態になったと判定し、かつ、トナーカートリッジ30を交換できない状況であっても、印刷を実行できる。また、第1コントローラ80は、サーバ3との通信により、トナー残量が発送閾値以下となった後の残量情報の送信をトリガーにして、第1書換処理を実行できる。
【0104】
SA37の処理後、SA38において、第1コントローラ80は、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態になったかを判定する判定処理を実行する。つまり、第1コントローラ80は第1指示をサーバ3から受信した場合、第1コントローラ80は判定処理を実行する。従って、第1コントローラ80は、サーバ3との通信により判定処理を実行できる。第1コントローラ80はトナー残量がカートリッジを交換すべき状態になったと判定した場合、すなわち第1コントローラ80はSA38でYESの場合、SA39において、第1コントローラ80は、第3モード情報を第2課金情報に書き換える第2書換処理を実行する。SA39の処理により、第1コントローラ80は、画質を保証できない印刷物を課金額の割引対象とすることができる。なお、第1コントローラ80はSA38でNOの場合、すなわちトナー残量がカートリッジを交換すべき状態になるまで、第1コントローラ80はSA38の処理を実行する。
【0105】
また、SA40において、第1コントローラ80は、印刷許可情報をタッチパネル90に表示する。SA40の処理後、第1コントローラ80は、SA41~SA44の処理を実行する。SA41~SA44の処理は、
図5(A)に示すSA21~SA24の処理と同一である。
【0106】
図5(A)に示す処理では、第1コントローラ80は、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態になったと判定した後に、画像形成装置1に対して設定された印刷許可モードを有効にする。従って、第1コントローラ80は、SA15において一旦、交換要求情報を表示した後、SA20において印刷許可情報の表示に切り替えている。一方、
図6(A)に示す処理では、第1コントローラ80は、画像形成装置1に対して設定された印刷許可モードを有効とした後にトナー残量がカートリッジを交換すべき状態であるか判定する。従って、第1コントローラ80は、交換要求情報を一旦表示することなく、印刷許可情報を表示できる。
【0107】
(サーバによる処理)
図6(B)に示すように、第2コントローラ120は、SB11~SB13の処理を実行する。SB11~SB13の処理は、
図5(B)に示すSB1~SB3の処理と同一である。
【0108】
SB13の処理後、SB14において、第2コントローラ120は、残量情報を画像形成装置1から受信したかを判定する。第2コントローラ120は残量情報を受信したと判定した場合、すなわち第2コントローラ120はSB14でYESの場合、SB15において、第2コントローラ120は、日数情報に示された日数が第1閾値未満であるかを判定する。
【0109】
第2コントローラ120は日数情報に示された日数が第1閾値未満であると判定した場合、すなわち第2コントローラ120はSB15でYESの場合、SB16において、第2コントローラ120は、トナー残量が所定値以下であるかを判定する。第2コントローラ120はトナー残量が所定値以下であるかを判定した場合、すなわち第2コントローラ120はSB16でYESの場合、SB17において、第2コントローラ120は、第1指示を画像形成装置1に送信する第3送信処理を実行する。つまり、第2コントローラ120は残量情報を画像形成装置1から受信したときに、日数情報に示された日数が第1閾値未満である場合であって、かつ残量情報に示される残量が所定値以下である場合、第2コントローラ120は第3送信処理を実行する。第3送信処理は切換処理の一例である。
【0110】
第2コントローラ120はSB15でYESの場合、第2コントローラ120は、画像形成装置1に対して契約モードが設定された状態において、短期間のうちにトナー残量がカートリッジを交換すべき状態と判定されることが想定されるにもかかわらず、補給品がユーザに届いていない状態であると判断できる。上記状態において、第2コントローラ120は、第1指示を画像形成装置1に送信することにより、例外的に画像形成装置1に印刷を実行させることができる。
【0111】
なお、第2コントローラ120はSB14でNOの場合、すなわち第2コントローラ120は残量情報を受信するまで、第2コントローラ120はSB14の処理を実行する。第2コントローラ120はSB15でNOの場合、すなわち第2コントローラ120は日数情報に示された日数が第1閾値以上であると判定した場合、第2コントローラ120は、既に補給品がユーザに届いている状態であると判定できる。従って、第2コントローラ120は、第1指示を送信せずに本処理を終了する。第2コントローラ120はSB16でNOの場合、すなわち第2コントローラ120はトナー残量が所定値を超えていると判定した場合、第2コントローラ120は、トナー残量がカートリッジを交換すべき状態になる前に補給品がユーザに届くと想定できる。従って、第2コントローラ120は、第1指示を送信せずに本処理を終了する。
【0112】
SB17の処理後、第1コントローラ80は、SB18~SB19の処理を実行する。SB18~SB19の処理は、
図5(B)に示すSB7~SB8の処理と同一である。
【0113】
〔付記事項〕
なお、上述した画像形成装置1は、電子写真方式のプリンタであるが、インクジェット方式のプリンタであってもよい。インクジェット方式のプリンタの場合、インクを供給するインクカートリッジをカートリッジとしてもよい。この場合、本開示の内容が、インクカートリッジに適用される。また、印刷基材としてテープを供給するテープカセットをカートリッジとしてもよい。この場合、本開示の内容がテープカートリッジに適用される。また、上述したような、ドラムカートリッジ20が感光体ドラム22を有すると共にトナーカートリッジ30が現像ローラ32を有する形態に限定されない。
【0114】
<第1変形例>
例えば、第1変形例として、ドラムカートリッジ20は、カートリッジ筐体21、感光体ドラム22及びドラムメモリ23に加えて、現像ローラ32を有してもよい。この場合、カートリッジ筐体21には、感光体ドラム22、ドラムメモリ23及び現像ローラ32が設けられる。また、第1変形例では、トナーカートリッジ30は、カートリッジ筐体31及びトナーメモリ33を有するが、現像ローラ32を有しない。カートリッジ筐体31はトナーを収容する。現像ローラ32の外周面は、ドラムカートリッジ20の内部で感光体ドラム22の外周面と接触する。
【0115】
<第2変形例>
また、第2変形例として、画像形成装置1は、現像ローラ32を有する図示しない現像カートリッジをさらに備えてもよい。この場合、ドラムカートリッジ20は、カートリッジ筐体21と、感光体ドラム22と、ドラムメモリ23と、を有する。トナーカートリッジ30は、カートリッジ筐体31及びトナーメモリ33を有するが、現像ローラ32を有しない。カートリッジ筐体31はトナーを収容する。第2変形例では、カートリッジ保持部12にドラムカートリッジ20、トナーカートリッジ30及び現像カートリッジの3つの部品が保持されることにより、3つの部品が本体筐体10に装着される。
【0116】
<第3変形例>
さらに、第3変形例として、画像形成装置1は、ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ30に代えて、図示しない1つのカートリッジを備えてもよい。この場合、1つのカートリッジは、カートリッジ筐体と、感光体ドラム22と、メモリと、現像ローラ32と、を有する。現像ローラ32の外周面は、1つのカートリッジの内部で感光体ドラム22の外周面と接触する。1つのカートリッジのカートリッジ筐体はトナーを収容する。
【0117】
<第4変形例>
さらに、第4変形例として、トナーカートリッジ30の代わりに、ドラムカートリッジ20または転写ベルト40が、カートリッジとして本開示の内容が適用されてもよい。
【0118】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0119】
1 画像形成装置、3 サーバ、13 本体メモリ、30 トナーカートリッジ(カートリッジ)、80 第1コントローラ、100 画像形成システム、120 第2コントローラ、130 サーバメモリ