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特開2022-56983医科歯科用低重合収縮性モノマーの合成・製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022056983
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】医科歯科用低重合収縮性モノマーの合成・製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 67/14 20060101AFI20220404BHJP
   C07C 69/54 20060101ALI20220404BHJP
   C07C 67/08 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
C07C67/14
C07C69/54 Z
C07C67/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020165006
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】390011143
【氏名又は名称】株式会社松風
(72)【発明者】
【氏名】渕上 清実
(72)【発明者】
【氏名】山本 健蔵
(72)【発明者】
【氏名】北田 直也
(72)【発明者】
【氏名】信野 和也
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AB46
4H006BA92
4H006BB20
4H006BD70
4H006BJ20
4H006BP10
4H006KA14
(57)【要約】
【課題】トリシクロ-デカンジメタノールをエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはブチレンオキシドと反応させる工程においては付加物として有用な化合物にエチレンオキシドが用いられる。しかしエチレンオキシドガスは猛毒の気体であり、その反応には加圧反応容器が必要になる。この物質の取り扱いには細心の注意が必要であり、また、近年課題となっている環境問題としても懸念されるものであった。また、トリシクロ-デカンジメタノールとエチレンオキシドを反応させた場合において、反応するモル数は制御不能であるため、所望する鎖長の最終化合物を得ることが難しく、また原材料物質であるトリシクロ-デカンジメタノールが残存する事すらあった。
【解決手段】本発明の合成経路を経る事で、安全に、加圧容器を必要とせず合成でき、また所望とするエチレンオキシド長鎖の化合物を得ることが出来る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)の合成方法であって、
(I)トリシクロデカンジメタノールに塩基性触媒存在下において、ハロゲン化t-ブチルアセテートを反応させる工程、
(II)(I)の工程で得られた合成物に対して、還元剤を用いてt-ブチルアルキル基を脱離させる工程、
(III)(II)の工程で得られた合成物に対して、ハロゲン化t-ブチルアセテートを反応させる工程、
(IV)(III)の工程で得られた合成物に対して、還元剤を用いてt-ブチルアルキル基を脱離させる工程、
(V)(IV)の工程で得られた合成物に対して、(メタ)アクリル化合物を反応させる工程、
を含むことを特徴とする合成方法。

【化1】

一般式(1)において、式中TCDはトリシクロデカンを意味し、n、mはそれぞれ整数である。Rは水素原子またはメチル基を示す。


【請求項2】
以下に示される、請求項1に記載の合成方法。
式中、Rは水素またはメチル基を示し、Xはハロゲン原子(Fを除く)を示す。
【化2】






【請求項3】
以下に示される、請求項1に記載の合成方法。
式中、Rは水素またはメチル基を示し、Xはハロゲン原子(Fを除く)を示す。
【化3】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医科歯科用低重合収縮性モノマーの合成・製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医科歯科分野で骨や歯牙の欠損を修復するために金属補綴物や合成樹脂成型物などが用いられている。それらの生体硬組織への接着には、接着重合性モノマーを含有する接着剤が多用されている。同様に歯科分野では、所謂コンポジットレジンと呼ばれる硬化性組成物が日々臨床にて使用されている。これは未硬化体(ラジカル重合前)ペーストを、歯牙等の欠損部位に充填した後に光照射等の外的エネルギーを付与することでラジカル重合硬化体を得る。
【0003】
一般的にこれらの接着剤やコンポジットレジンには、メチルメタクリレートやトリエチレングリコールジメタクリレート、ウレタン系ジメタクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体モノマーが使用されている。特にビスフェノールAとグリシジル(メタ)アクリレートの反応物であるBis-GMAが医科歯科用ラジカル重合性モノマーで多用されている。これら(メタ)アクリル酸誘導体モノマー等のビニルモノマーのフリーラジカル重合(以下ラジカル重合と記す)では、炭素‐炭素の二重結合が解裂し単結合になることで高分子体を形成し硬化する。
【0004】
先に述べたBis-GMAは高い屈折率を有するため、医科歯科用コンポジットレジンに用いた場合には重元素を含有する無機フィラーを用いる事が出来るため、X線不透過性を付与する事が可能となる。しかしながら、Bis-GMAは非常に高い粘性を有するために、例えばトリエチレングリコールジメタクリレート等の低粘性ラジカル重合性モノマーにて希釈する必要があった。この事実は特許文献1に詳細に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭56-26809号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の合成方法では、トリシクロ-デカンジメタノールをエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドと反応させる工程が必須とされている。特に付加物として有用なエチレンオキシドは猛毒の気体であり、その反応には加圧反応容器(オートクレーブ)が必要になる。この物質の取り扱いには細心の注意が必要であり、また、近年課題となっている環境問題としても懸念されるものであった。また、例えばトリシクロ-デカンジメタノール1モルとエチレンオキシド2モルを反応させた場合に、トリシクロ-デカンジメタノール1モルの末端ヒドロキシ基に確実にエチレンオキシド2モルが反応する事は制御不可能であり、トリシクロ-デカンジメタノール1モルの末端ヒドロキシ基に各々エチレンオキシド1モル以上が反応する事もあり得る。この場合には、基質のトリシクロ-デカンジメタノールや片末端のメタノールにのみエチレンオキシドが付加した化合物が残存する事になり、所望する最終化合物のみが得られる事はない。すなわち、原材料物質であるトリシクロ-デカンジメタノールが残存する事すらある。本発明は、医科歯科用ラジカル重合性モノマーとして重合収縮の観点からも有用である一般式(1)について、安全で、加圧容器を必要とせず、所望とするエチレンオキシド長鎖の化合物を得ることを課題とする。
【0007】
【化1】
一般式(1)において、
式中TCDはトリシクロデカンを意味し、n、mはそれぞれ整数である。Rは水素原子またはメチル基を示す。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者等の鋭意検討の結果、一般式(1)の合成方法に関して、以下の合成方法により、加圧容器を必要とすることなく、安全に合成できることを見出した。
【0009】
一般式(1)の合成方法であって、
(I)トリシクロデカンジメタノールに塩基性触媒存在下において、ハロゲン化t-ブチルアセテートを反応させる工程、
(II)(I)の工程で得られた合成物に対して、還元剤を用いてt-ブチルアルキル基を脱離させる工程、
(III)(II)の工程で得られた合成物に対して、ハロゲン化t-ブチルアセテートを反応させる工程、
(IV)(III)の工程で得られた合成物に対して、還元剤を用いてt-ブチルアルキル基を脱離させる工程、
(V)(IV)の工程で得られた合成物に対して、(メタ)アクリル化合物を反応させる工程、
を含むことを特徴とする合成方法である。
【0010】
【化2】
一般式(1)において、
式中TCDはトリシクロデカンを意味し、n、mはそれぞれ整数である。Rは水素原子またはメチル基を示す。
【0011】
また、本合成方法の原料物質であるトリシクロデカンジメタノールは以下(a)~(c)の構造であり、それぞれcis体、trans体を含む。
【0012】
【化3】
【発明の効果】
【0013】
本発明の合成経路を経る事で、猛毒であるエチレンオキシドを使用する事なく安全に、また加圧容器を必要とする事なく、合成することが可能である。また、エチレンオキシドを使用した反応では1量体から数量体の混合物が生成してしまうが、本発明の合成(製造)方法では、所望するエチレンオキシド長鎖の単一化合物を得る事が可能となった。なお、本特許において化1および化2の合成製造工程でトリシクロ-デカンジメタノール1モルに対して、ter -ブチルクロロアセテートやter -ブチルブロモアセテートを2モル未満反応させた場合には、すなわちIの工程やIIIの工程で等モルにならないように意図的に合成した場合には、末端のエチレンオキサイド基は同数にはならず、nとmが異なる最終物を合成する事も可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
上記合成方法として、好ましくは以下の2種の合成方法があげられる。なお、式中、Rは水素またはメチル基を示し、Xはハロゲン原子(Fを除く)を示す。
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
上記合成方法において、工程(I)において用いることができる塩基性触媒は、特に限定されないが、例えばアルコキシドのアルコール溶液、グリニヤール試薬および有機溶媒アルキルリチウム溶液などが挙げられる。好ましくはアルコキシドのアルコール溶液および水素化ナトリウムが挙げられる。さらに好ましくは水素化ナトリウムが挙げられる。
また、反応させるハロゲン化t-ブチルアセテートについて、ter -ブチルブロモアセテートまたはter -ブチルクロロアセテートが好ましく使用でき、この場合、2か所のヒドロキシ基をter -ブチルブロモアセテート化またはter -ブチルクロロアセテート化する。
工程(II)において還元剤によりビスアルコール体へ導く。用いる還元剤は、鉄(II)イオン、水素化アルミニウムリチウム、ナトリウムアマルガム、水素化ホウ素ナトリウム、スズ(II)イオン、亜硫酸塩、ヒドラジン、亜鉛アマルガム、水素化ジイソブチルアルミニウム、シュウ酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、ギ酸、没食子酸等が挙げられるが、好ましくは水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが挙げられる。より好ましくは水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。さらに好ましくは水素化アルミニウムリチウムが挙げられる。上記(I)(II)の工程により、原料物質をビス‐ヒドロキシエチル化したことになる。
工程(III)および(IV)は、上記(I)(II)の工程と同じである。これで、原料物質から2回のビス‐ヒドロキシエチル化が行われたことになる。
工程(V)は、(メタ)アクリル化合物を用いることで容易に達成することが可能であり、使用する(メタ)アクリル化合物は塩化アクリル等のハロゲン化アクリルやアクリル酸無水物が好ましく使用できる。なお、本法では、最終化合物である一般式(1)の鎖長を延長させていくことが可能である。または、ハロゲン化アクリルを使用する代わりに、アクリル酸をp-トルエンスルホン酸またはp-トルエンスルホン酸クロライド等と使用する事でアルロイル化する事が可能である。すなわち、化1~2の化合物Vにp-トルエンスルホン酸、アクリル酸および溶媒としてトルエンを加え還流させ、反応せしめる。その後、脱水工程を経て、炭酸ナトリウム水溶液にて中和反応を行い、水洗・飽和食塩水・硫酸ナトリウムにて乾燥させる。その後、溶媒を蒸留することで、目的物である一般式(1)を得る事が可能となる。
【実施例0018】
本発明の製造方法を詳しく説明するが、本発明はこれらの説明に何ら限定されるものではない。
【0019】
合成実施例1(製造実施例1)
(1)攪拌羽、ジムロート、等圧滴下ロート、温度計を備えた500mL 四口フラスコに基質である化3記載の構造異性体混合物を39.2g(0.20mol)秤量し、乾燥ジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。その後、フラスコ内をアルゴンガス置換した。
(2)水素化ナトリウム(NaH)4.80gをジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。
(3)先に調製した(2)の溶液を等圧滴下ロートに加え、室温下にて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(4)熟成後、オイルバスにて100℃に加温した後、ter -ブチルクロロアセテート30.2g(0.20mol)をゆっくりと滴下し、ter -ブチルアセテート化させた。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(5)先の(4)で合成した中間体DMF溶液に水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)7.60gを固体ロートにて少しづつ添加し、還元反応を行い、ter -ブチル基を脱離させ、両末端をヒドロキシ基に変換させた。
(6)先に記載した(2)から(5)を再度繰り返し、エチレンオキシド基2モルを導入した中間体を合成した。
(7)次に四口フラスコに乾燥ピリジン15.8gを添加した後、等圧滴下ロートにアクリル酸クロライド18.1g(0.20mol)を10℃の冷却下で内温が30℃を超えない様にゆっくりと滴下した。滴下終了後、約1時間攪拌を継続し熟成させた。
(8)熟成終了後、内容物を分液ロートに移液し、蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。得られた有機層(目的物)に再度蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。その後、飽和食塩水100gを有機層(目的物)に加え、再度激しく振盪後に静置し分離・乾燥した。飽和食塩水を分液した後に、焼成乾燥した無水硫酸ナトリウム(50g)を加え、24時間静置し、残存する水分を除去した。その後、減圧濾過にて硫酸ナトリウムを除去し、目的物を得た。
(9)得られた目的物のGPC, FT-IR, 1H-NMR, GC-MSにて分析を行い、合成物の分子構造を確認した。結果、原材料である化3記載の構造異性体混合物は残存していなかった。
(10)以下に得られた化合物の化学構造式を記載する。なお、Rは水素を示し、nおよびmは1である。
【0020】
【化6】
【0021】
合成実施例2(製造実施例2)
(1)攪拌羽、ジムロート、等圧滴下ロート、温度計を備えた500mL 四口フラスコに基質である化3記載の構造異性体混合物を39.2g(0.20mol)秤量し、乾燥ジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。その後、フラスコ内をアルゴンガス置換した。
(2)水素化ナトリウム(NaH)4.80gをジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。
(3)先に調製した(2)の溶液を等圧滴下ロートに加え、室温下にて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(4)熟成後、オイルバスにて100℃に加温した後、ter -ブチルクロロアセテート30.2g(0.20mol)をゆっくりと滴下し、ter -ブチルアセテート化させた。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(5)先の(4)で合成した中間体DMF溶液に水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)7.60gを固体ロートにて少しづつ添加し、還元反応を行い、ter -ブチル基を脱離させ、両末端をヒドロキシ基に変換させた。
(6)先に記載した(2)から(4)を再度2度繰り返し、エチレンオキシド基3モルを導入した中間体を合成した。
(7)次に四口フラスコに乾燥ピリジン15.8gを添加した後、等圧滴下ロートにアクリル酸クロライド18.1g(0.20mol)を10℃の冷却下で内温が30℃を超えない様にゆっくりと滴下した。滴下終了後、約1時間攪拌を継続し熟成させた。
(8)熟成終了後、内容物を分液ロートに移液し、蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。得られた有機層(目的物)に再度蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。その後、飽和食塩水100gを有機層(目的物)に加え、再度激しく振盪後に静置し分離・乾燥した。飽和食塩水を分液した後に、焼成乾燥した無水硫酸ナトリウム(50g)を加え、24時間静置し、残存する水分を除去した。その後、減圧濾過にて硫酸ナトリウムを除去し、目的物を得た。
(9)得られた目的物のGPC, FT-IR, 1H-NMR, GC-MSにて分析を行い、合成物の分子構造を確認した。結果、原材料である化3記載の構造異性体混合物は残存していなかった。
(10)得られた化合物は、実施例1に示す化学構造式において、Rは水素を示し、nおよびmは2である。
【0022】
合成実施例3(製造実施例3)
(1)攪拌羽、ジムロート、等圧滴下ロート、温度計を備えた500mL 四口フラスコに基質である化3記載の構造異性体混合物を39.2g(0.20mol)秤量し、乾燥ジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。その後、フラスコ内をアルゴンガス置換した。
(2)水素化ナトリウム(NaH)4.80gをジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。
(3)先に調製した(2)の溶液を等圧滴下ロートに加え、室温下にて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(4)熟成後、オイルバスにて100℃に加温した後、ter -ブチルクロロアセテート30.2g(0.20mol)をゆっくりと滴下し、ter -ブチルアセテート化させた。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(5)先の(4)で合成した中間体DMF溶液に水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)7.60gを固体ロートにて少しづつ添加し、還元反応を行い、ter -ブチル基を脱離させ、両末端をヒドロキシ基に変換させた。
(6)先に記載した(2)から(5)を再度3度繰り返し、エチレンオキシド基4モルを導入した中間体を合成した。
(7)次に四口フラスコに乾燥ピリジン15.8gを添加した後、等圧滴下ロートにアクリル酸クロライド18.1g(0.20mol)を10℃の冷却下で内温が30℃を超えない様にゆっくりと滴下した。滴下終了後、約1時間攪拌を継続し熟成させた。
(8)熟成終了後、内容物を分液ロートに移液し、蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。得られた有機層(目的物)に再度蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。その後、飽和食塩水100gを有機層(目的物)に加え、再度激しく振盪後に静置し分離・乾燥した。飽和食塩水を分液した後に、焼成乾燥した無水硫酸ナトリウム(50g)を加え、24時間静置し、残存する水分を除去した。その後、減圧濾過にて硫酸ナトリウムを除去し、目的物を得た。
(9)得られた目的物のGPC, FT-IR, 1H-NMR, GC-MSにて分析を行い、合成物の分子構造を確認した。結果、原材料である化3記載の構造異性体混合物は残存していなかった。
(10)得られた化合物は、実施例1に示す化学構造式において、Rは水素を示し、nおよびmは3である。
【0023】
合成実施例4(製造実施例4)
(1)攪拌羽、ジムロート、等圧滴下ロート、温度計を備えた500mL 四口フラスコに基質である化3記載の構造異性体混合物を39.2g(0.20mol)秤量し、乾燥ジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。その後、フラスコ内をアルゴンガス置換した。
(2)水素化ナトリウム(NaH)4.80gをジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。
(3)先に調製した(2)の溶液を等圧滴下ロートに加え、室温下にて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(4)熟成後、オイルバスにて100℃に加温した後、ter -ブチルクロロアセテート30.2g(0.20mol)をゆっくりと滴下し、ter -ブチルアセテート化させた。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(5)先の(4)で合成した中間体DMF溶液に水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)7.60gを固体ロートにて少しづつ添加し、還元反応を行い、ter -ブチル基を脱離させ、両末端をヒドロキシ基に変換させた。
(6)先に記載した(2)から(5)を再度繰り返し、エチレンオキシド基2モルを導入した中間体を合成した。
(7)次に四口フラスコにp-トルエンスルホン酸34.4gを添加・攪拌し、等圧滴下ロートにてアクリル酸14.4g(0.20mol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、80℃にて約5時間攪拌を継続し熟成させた。
(8)熟成終了後、内容物を分液ロートに移液し、蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。得られた有機層(目的物)に再度蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。その後、飽和食塩水100gを有機層(目的物)に加え、再度激しく振盪後に静置し分離・乾燥した。飽和食塩水を分液した後に、焼成乾燥した無水硫酸ナトリウム(50g)を加え、24時間静置し、残存する水分を除去した。その後、減圧濾過にて硫酸ナトリウムを除去し、目的物を得た。
(9)得られた目的物のGPC, FT-IR, 1H-NMR, GC-MSにて分析を行い、合成物の分子構造を確認した。結果、原材料である化3記載の構造異性体混合物は残存していなかった。
(10)得られた化合物は、実施例1に示す化学構造式において、Rは水素を示し、nおよびmは1である。
【0024】
合成実施例5(製造実施例5)
(1)攪拌羽、ジムロート、等圧滴下ロート、温度計を備えた500mL 四口フラスコに基質である化3記載の構造異性体混合物を39.2g(0.20mol)秤量し、乾燥ジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。その後、フラスコ内をアルゴンガス置換した。
(2)水素化ナトリウム(NaH)4.80gをジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。
(3)先に調製した(2)の溶液を等圧滴下ロートに加え、室温下にて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(4)熟成後、オイルバスにて100℃に加温した後、ter -ブチルクロロアセテート30.2g(0.20mol)をゆっくりと滴下し、ter -ブチルアセテート化させた。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(5)先の(4)で合成した中間体DMF溶液に水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)7.60gを固体ロートにて少しづつ添加し、還元反応を行い、ter -ブチル基を脱離させ、両末端をヒドロキシ基に変換させた。
(6)先に記載した(2)から(5)を再度繰り返し、エチレンオキシド基2モルを導入した中間体を合成した。
(7)次に四口フラスコに乾燥ピリジン15.8gを添加した後、等圧滴下ロートにメタアクリル酸クロライド20.9g(0.20mol)を10℃の冷却下で内温が30℃を超えない様にゆっくりと滴下した。滴下終了後、約1時間攪拌を継続し熟成させた。
(8)熟成終了後、内容物を分液ロートに移液し、蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。得られた有機層(目的物)に再度蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。その後、飽和食塩水100gを有機層(目的物)に加え、再度激しく振盪後に静置し分離・乾燥した。飽和食塩水を分液した後に、焼成乾燥した無水硫酸ナトリウム(50g)を加え、24時間静置し、残存する水分を除去した。その後、減圧濾過にて硫酸ナトリウムを除去し、目的物を得た。
(9)得られた目的物のGPC, FT-IR, 1H-NMR, GC-MSにて分析を行い、合成物の分子構造を確認した。結果、原材料である化3記載の構造異性体混合物は残存していなかった。
(10)得られた化合物は、実施例1に示す化学構造式において、Rはメチル基を示し、nおよびmは1である。
【0025】
合成実施例6(製造実施例6)
(1)攪拌羽、ジムロート、等圧滴下ロート、温度計を備えた500mL 四口フラスコに基質である化3記載の構造異性体混合物を39.2g(0.20mol)秤量し、乾燥ジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。その後、フラスコ内をアルゴンガス置換した。
(2)水素化ナトリウム(NaH)4.80gをジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。
(3)先に調製した(2)の溶液を等圧滴下ロートに加え、室温下にて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(4)熟成後、オイルバスにて100℃に加温した後、ter -ブチルクロロアセテート30.2g(0.20mol)をゆっくりと滴下し、ter -ブチルアセテート化させた。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(5)先の(4)で合成した中間体DMF溶液に水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)7.60gを固体ロートにて少しづつ添加し、還元反応を行い、ter -ブチル基を脱離させ、両末端をヒドロキシ基に変換させた。
(6)先に記載した(2)から(4)を再度2度繰り返し、エチレンオキシド基3モルを導入した中間体を合成した。
(7)次に四口フラスコに乾燥ピリジン15.8gを添加した後、等圧滴下ロートにメタアクリル酸クロライド20.9g(0.20mol)を10℃の冷却下で内温が30℃を超えない様にゆっくりと滴下した。滴下終了後、約1時間攪拌を継続し熟成させた。
(8)熟成終了後、内容物を分液ロートに移液し、蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。得られた有機層(目的物)に再度蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。その後、飽和食塩水100gを有機層(目的物)に加え、再度激しく振盪後に静置し分離・乾燥した。飽和食塩水を分液した後に、焼成乾燥した無水硫酸ナトリウム(50g)を加え、24時間静置し、残存する水分を除去した。その後、減圧濾過にて硫酸ナトリウムを除去し、目的物を得た。
(9)得られた目的物のGPC, FT-IR, 1H-NMR, GC-MSにて分析を行い、合成物の分子構造を確認した。結果、原材料である化3記載の構造異性体混合物は残存していなかった。
(10)得られた化合物は、実施例1に示す化学構造式において、Rはメチル基を示し、nおよびmは2である。
【0026】
合成実施例7(製造実施例7)
(1)攪拌羽、ジムロート、等圧滴下ロート、温度計を備えた500mL 四口フラスコに基質である化3記載の構造異性体混合物を39.2g(0.20mol)秤量し、乾燥ジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。その後、フラスコ内をアルゴンガス置換した。
(2)水素化ナトリウム(NaH)4.80gをジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。
(3)先に調製した(2)の溶液を等圧滴下ロートに加え、室温下にて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(4)熟成後、オイルバスにて100℃に加温した後、ter -ブチルクロロアセテート30.2g(0.20mol)をゆっくりと滴下し、ter -ブチルアセテート化させた。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(5)先の(4)で合成した中間体DMF溶液に水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)7.60gを固体ロートにて少しづつ添加し、還元反応を行い、ter -ブチル基を脱離させ、両末端をヒドロキシ基に変換させた。
(6)先に記載した(2)から(5)を再度3度繰り返し、エチレンオキシド基4モルを導入した中間体を合成した。
(7)次に四口フラスコに乾燥ピリジン15.8gを添加した後、等圧滴下ロートにメタアクリル酸クロライド20.9g(0.20mol)を10℃の冷却下で内温が30℃を超えない様にゆっくりと滴下した。滴下終了後、約1時間攪拌を継続し熟成させた。
(8)熟成終了後、内容物を分液ロートに移液し、蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。得られた有機層(目的物)に再度蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。その後、飽和食塩水100gを有機層(目的物)に加え、再度激しく振盪後に静置し分離・乾燥した。飽和食塩水を分液した後に、焼成乾燥した無水硫酸ナトリウム(50g)を加え、24時間静置し、残存する水分を除去した。その後、減圧濾過にて硫酸ナトリウムを除去し、目的物を得た。
(9)得られた目的物のGPC, FT-IR, 1H-NMR, GC-MSにて分析を行い、合成物の分子構造を確認した。結果、原材料である化3記載の構造異性体混合物は残存していなかった。
(10)得られた化合物は、実施例1に示す化学構造式において、Rはメチル基を示し、nおよびmは3である。
【0027】
合成実施例8(製造実施例8)
(1)攪拌羽、ジムロート、等圧滴下ロート、温度計を備えた500mL 四口フラスコに基質である化3記載の構造異性体混合物を39.2g(0.20mol)秤量し、乾燥ジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。その後、フラスコ内をアルゴンガス置換した。
(2)水素化ナトリウム(NaH)4.80gをジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。
(3)先に調製した(2)の溶液を等圧滴下ロートに加え、室温下にて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(4)熟成後、オイルバスにて100℃に加温した後、ter -ブチルクロロアセテート30.2g(0.20mol)をゆっくりと滴下し、ter -ブチルアセテート化させた。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(5)先の(4)で合成した中間体DMF溶液に水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)7.60gを固体ロートにて少しづつ添加し、還元反応を行い、ter -ブチル基を脱離させ、両末端をヒドロキシ基に変換させた。
(6)先に記載した(2)から(5)を再度繰り返し、エチレンオキシド基2モルを導入した中間体を合成した。
(7)次に四口フラスコにp-トルエンスルホン酸34.4gを添加・攪拌し、等圧滴下ロートにてメタアクリル酸17.2g(0.20mol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、80℃にて約5時間攪拌を継続し熟成させた。
(8)熟成終了後、内容物を分液ロートに移液し、蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。得られた有機層(目的物)に再度蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。その後、飽和食塩水100gを有機層(目的物)に加え、再度激しく振盪後に静置し分離・乾燥した。飽和食塩水を分液した後に、焼成乾燥した無水硫酸ナトリウム(50g)を加え、24時間静置し、残存する水分を除去した。その後、減圧濾過にて硫酸ナトリウムを除去し、目的物を得た。
(9)得られた目的物のGPC, FT-IR, 1H-NMR, GC-MSにて分析を行い、合成物の分子構造を確認した。結果、原材料である化3記載の構造異性体混合物は残存していなかった。
(10)得られた化合物は、実施例1に示す化学構造式において、Rはメチル基を示し、nおよびmは1である。
【0028】
合成実施例9(製造実施例9)
(1)攪拌羽、ジムロート、等圧滴下ロート、温度計を備えた500mL 四口フラスコに基質である化3記載の構造異性体混合物を39.2g(0.20mol)秤量し、乾燥ジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。その後、フラスコ内をアルゴンガス置換した。
(2)水素化ナトリウム(NaH)2.40gをジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。
(3)先に調製した(2)の溶液を等圧滴下ロートに加え、室温下にて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(4)熟成後、オイルバスにて100℃に加温した後、ter -ブチルクロロアセテート15.1g(0.10mol)をゆっくりと滴下し、ter -ブチルアセテート化させた。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(5)先の(4)で合成した中間体DMF溶液に水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)3.80gを固体ロートにて少しづつ添加し、還元反応を行い、ter -ブチル基を脱離させ、ヒドロキシ基に変換させた。
(6)得られた片末端にエチレンオキサイド基を有する化合物、両末端にエチレンオキサイド基を有する化合物、および反応に寄与しなかった基質である化3記載の構造異性体混合物を攪拌羽、ジムロート、等圧滴下ロート、温度計を備えた500mL 四口フラスコに移液し、乾燥ジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。その後、フラスコ内をアルゴンガス置換した。
(7)水素化ナトリウム(NaH)4.80gをジメチルフォルムアミド(DMF)100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。
(8)先の(7)で調製した溶液を等圧滴下ロートに加え、室温下にて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(9)熟成後、オイルバスにて100℃に加温した後、ter -ブチルクロロアセテート30.2g(0.20mol)をゆっくりと滴下し、ter -ブチルアセテート化させた。滴下終了後、1時間攪拌を継続し熟成させた。
(10)先の(9)で合成した中間体DMF溶液に水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)7.60gを固体ロートにて少しづつ添加し、還元反応を行い、ter -ブチル基を脱離させ、両末端をヒドロキシ基に変換させた。
(11)次に四口フラスコに乾燥ピリジン15.8gを添加した後、等圧滴下ロートにアクリル酸クロライド18.1g(0.20mol)を10℃の冷却下で内温が30℃を超えない様にゆっくりと滴下した。滴下終了後、約1時間攪拌を継続し熟成させた。
(12)熟成終了後、内容物を分液ロートに移液し、蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。得られた有機層(目的物)に再度蒸留水100mLを加え、激しく振盪後に静置し水層と分離した。その後、飽和食塩水100gを有機層(目的物)に加え、再度激しく振盪後に静置し分離・乾燥した。飽和食塩水を分液した後に、焼成乾燥した無水硫酸ナトリウム(50g)を加え、24時間静置し、残存する水分を除去した。その後、減圧濾過にて硫酸ナトリウムを除去し、目的物を得た。
(13)得られた目的物のGPC, FT-IR, 1H-NMR, GC-MSにて分析を行い、合成物の分子構造を確認した。結果、原材料である化3記載の構造異性体混合物は残存していなかった。
(14)得られた化合物は、実施例1に示す化学構造式において、nは各々別々に1から2の範囲のエチレンオキサイド基繰返し数が異なる化合物であった。
【0029】
比較実施例1(製造比較実施例1)
(1)500mL容積のステンレス製耐圧容器に基質である化3記載の構造異性体混合物を39.2g(0.20mol)秤量し、トルエン100mLを加え、十分に攪拌溶解させた。その後、ステンレス製耐圧容器内をアルゴンガス置換した。
(2)アルゴンガス置換後に50wt%水酸化カリウム溶液0.57gを80℃で添加し、3時間反応させた後に、共沸により水を留去した。
(3)水を留去した後に、エチレンオキシドガス17.6gを注入し、115℃にて3時間反応させた。その後、アルカリ性の反応物を蒸留水30gおよび12.5%硫酸2.00gで中和させた。
(4)中和後、酸化防止剤である2,6-ビス-t-ブチル-p-クレゾール0.05%を添加した後、水を留去し、減圧濾過を行った。
(5)得られた中間体にメチレンブルー1.0g、p-トルエンスルホン酸34.4g、乾燥アクリル酸14.4g、および乾燥トルエン100gを加え空気をバブリングさせながら沸点まで加熱させた。その後、エステル化反応により生成した水を共沸によりエステル管を用い留去した。
(6)水の留出が完了した後に、室温まで冷却し、活性炭を添加し、約3時間攪拌しメチレンブルーを吸着させた。その後、減圧濾過を行い活性炭を除去した。
(7)減圧濾過の濾液(有機層)を分液ロートに移液し、炭酸ナトリウム溶液にて洗浄し、その後、蒸留水で洗浄した。pH試験紙で中性になった事を確認した後、焼成乾燥した無水硫酸ナトリウム(50g)を加え、24時間静置し、残存する水分を除去した。その後、減圧濾過にて硫酸ナトリウムを除去した。
(8)乾燥後の有機層にメトキシハイドロキノンを500ppmになるように添加し、トルエンを留去し、目的物を得た。
(9)得られた目的物をGPC, FT-IR, 1H-NMR, GC-MSにて分析を行い、合成物の分子構造を確認した。結果、原材料である化3の構造異性体混合物の残存を確認した。
(10)得られた化合物は、実施例1に示す化学構造式において、Rは水素原子を示し、nおよびmは1から5の混合物であった。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、従来合成方法の課題を全て克服しており、産業上の利用の可能性は大きいと言える。