(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057023
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】結束装置
(51)【国際特許分類】
B65B 27/08 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
B65B27/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020165074
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000141886
【氏名又は名称】株式会社京都製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】特許業務法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩朗
(72)【発明者】
【氏名】矢野 泰裕
【テーマコード(参考)】
3E052
【Fターム(参考)】
3E052AA21
3E052BA01
3E052CA01
3E052CB03
3E052DB02
3E052JA01
3E052LA14
(57)【要約】
【課題】積層体に対するテープ材の適正な帯掛けが阻害されることを抑制できる結束装置を提供する。
【解決手段】シート部材15を積層することにより形成された積層体16を結束するための結束装置102であって、積層体16を結束する結束部7と、積層体16を把持して結束部7へ搬送する第2搬送部6とを備え、積層体16は、第2搬送部6により把持された部分から下方に垂れ下がった垂下部16aを有し、結束部7は、第2搬送部6により結束部7に搬送された積層体16の外周に位置し、結束部7に搬送された積層体16に帯掛けられるテープ材73と、積層体16の垂下部16aを上方へ持ち上げて支持する持ち上げ部74とを備える。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート部材を積層することにより形成された積層体を結束するための結束装置であって、
前記積層体を結束する結束部と、
前記積層体を把持して前記結束部へ搬送する搬送部とを備え、
前記積層体は、前記搬送部により把持された部分から下方に垂れ下がった垂下部を有し、
前記結束部は、
前記搬送部により前記結束部に搬送された前記積層体の外周に位置し、前記結束部に搬送された前記積層体に帯掛けられるテープ材と、
前記積層体の前記垂下部を上方へ持ち上げて支持する持ち上げ部とを備える、
結束装置。
【請求項2】
前記持ち上げ部は、
前記積層体の搬送経路の一側部に設けられ、水平方向へ回動可能な払い上げアームを備え、
前記払い上げアームは、
前記搬送方向に沿って延出し、前記搬送経路から退避する退避位置と、前記搬送方向と交差する方向に沿って延出し、前記搬送経路の一側部から前記搬送経路内に進入する払い上げ位置と、の間で回動可能であり、
前記積層体が前記搬送部によって前記結束部に搬送されたときに、前記退避位置から前記払い上げ位置に回動することで、前記垂下部を払い上げて上方へ持ち上げる、
請求項1に記載の結束装置。
【請求項3】
前記積層体は、複数の前記シート部材を前記搬送方向にずらした状態で積層することにより形成されている、
請求項1または請求項2に記載の結束装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体を結束するための結束装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のシート部材を積層することにより形成された積層体や、塊状体を結束するための結束装置が知られている。特許文献1には、枠体と、枠体内に収容されるテープ材とを備え、枠体の内周部に位置させた塊状体の外周部にテープ材を帯掛けして結束する結束装置が開示されている。
【0003】
例えば、シート部材の積層体を前述のような結束装置により結束する場合、積層体を搬送装置により把持して結束装置における枠体の内周部まで搬送し、枠体の内周部に位置した積層体に対してテープ材を帯掛けすることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のようにシート部材の積層体を結束する場合、積層体を搬送装置により把持すると、積層体はシート部材を積層したものであって柔軟であるため、搬送装置による把持部以外の部分が下方に垂れ下がって、積層体に対するテープ材の適正な帯掛けが阻害されるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明においては、シート部材の積層体を結束する場合において、積層体に対するテープ材の適正な帯掛けが阻害されることを抑制できる結束装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、結束装置は、シート部材を積層することにより形成された積層体を結束するための結束装置であって、前記積層体を結束する結束部と、前記積層体を把持して前記結束部へ搬送する搬送部とを備え、前記積層体は、前記搬送部により把持された部分から下方に垂れ下がった垂下部を有し、前記結束部は、前記搬送部により前記結束部に搬送された前記積層体の外周に位置し、前記結束部に搬送された前記積層体に帯掛けられるテープ材と、前記積層体の前記垂下部を上方へ持ち上げて支持する持ち上げ部とを備える。
【0009】
これにより、シート部材の積層体を結束する場合において、積層体に対するテープ材の適正な帯掛けが阻害されることを抑制できる。
【0010】
また、前記持ち上げ部は、前記積層体の搬送経路の一側部に設けられ、水平方向へ回動可能な払い上げアームを備え、前記払い上げアームは、前記搬送方向に沿って延出し、前記搬送経路から退避する退避位置と、前記搬送方向と交差する方向に沿って延出し、前記搬送経路の一側部から前記搬送経路内に進入する払い上げ位置と、の間で回動可能であり、前記積層体が前記搬送部によって前記結束部に搬送されたときに、前記退避位置から前記払い上げ位置に回動することで、前記垂下部を払い上げて上方へ持ち上げる。
【0011】
これにより、結束される積層体の大きさが異なった場合でも、搬送経路の一側部から搬送経路に進入する払い上げアームによって、同様に払い上げることができる。
【0012】
また、前記積層体は、複数の前記シート部材を前記搬送方向にずらした状態で積層することにより形成されている。
【0013】
複数のシート部材を搬送方向にずらした状態で積層することにより形成されている積層体は、搬送方向の長さが大きくなり垂下部が形成され易くなるが、このような場合であっても、垂下部を持ち上げ部によって持ち上げて支持することで、積層体に対するテープ材の適正な帯掛けが阻害されることを抑制できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シート部材の積層体を結束する場合において、積層体に対するテープ材の適正な帯掛けが阻害されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】(a)はシート部材を示す平面図、(b)はシート部材を示す側面図である。
【
図4】(a)は積層体を示す平面図、(b)は積層体を示す側面図である。
【
図5】積層結束装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図8】シート部材が移載される前の状態の積層部を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【
図9】1枚目のシート部材が移載された状態の積層部を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【
図10】2枚目のシート部材が移載された状態の積層部を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【
図11】3枚目のシート部材が移載された状態の積層部を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【
図12】シート部材の積層テーブルへの載置が終了した状態の積層部を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【
図13】シート部材の積層テーブルへの載置が終了した後に移動側支持台がX方向に移動した状態の積層部を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【
図14】シート部材の搬送方向における下流側から見た結束部を示す図である。
【
図15】シート部材の搬送方向における上流側から見た結束部を示す図である。
【
図16】払い上げアームが退避位置にある状態の結束部を示す平面図である。
【
図17】払い上げアームが払い上げ位置にある状態の結束部を示す平面図である。
【
図18】積層体が枠体の開口部に搬送されてきた状態の結束部を示す側面図である。
【
図19】積層体の垂下部が払い上げアームにより払い上げられた状態の結束部を示す側面図である。
【
図20】積層体の垂下部が払い上げアームにより払い上げられた後にベース台の上面に載置された状態の結束部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0017】
図1、
図2に示す積層結束装置1は、積層装置101と結束装置102とにより構成されており、複数のシート部材15を積層装置101により積層して積層体16を形成し、形成された積層体16を結束装置102により結束するものである。
【0018】
図3に示すように、積層装置101により積層されるシート部材15は、例えばジッパ付きの袋体であり、一端部に位置する開口部15aと、開口部15aとは反対側の端部に位置する底部15bと、開口部15aと底部15bとの間に位置する胴部15cとを有している。
【0019】
開口部15aには開口部15aを開閉可能なジッパ151が形成されており、底部15bはマチ152が形成されている。底部15bにおけるマチ152は、シート部材15が積層装置101により積層されるときには折り畳まれており、底部15bにおけるマチ152が形成されている部分は、シート部材15の生地が4枚重なった状態となっている。
【0020】
胴部15cにおいてはシート部材15の生地が2枚重なっており、底部15bにおけるマチ152が形成されている部分とは厚みが異なっている。また、開口部15aにおけるジッパ151が形成されている部分の厚みは、胴部15cの厚み、およびマチ152が形成されている底部15bの厚みよりも大きくなっている。
【0021】
つまり、シート部材15は、部位によって厚みが異なる不均一な厚み形状を有しており、胴部15cと底部15bとが小さな厚みを有する薄部となり、開口部15aにおけるジッパ151が形成されている部分が、薄部よりも大きな厚みを有する厚部となっている。
【0022】
なお、シート部材15における開口部15a、胴部15c、および底部15bが並ぶ方向をシート部材15の縦方向と規定し、シート部材15の胴部15cにおいて生地が重なっている方向をシート部材15の厚さ方向と規定し、縦方向および厚さ方向と直交する方向をシート部材15の横方向と規定する。
【0023】
図4に示すように、シート部材15が積層されることにより形成される積層体16は、複数のシート部材15が縦方向に位置をずらした状態で積層されている。具体的には、複数のシート部材15は、上方のシート部材15におけるジッパ151が、下方のシート部材15におけるジッパ151よりも底部15b側に位置するように、縦方向の位置をずらして配置されている。
【0024】
このように、シート部材15を縦方向に位置をずらして積層することで、ジッパ151同士が上下方向に重なることが抑制されて、積層体16の厚さ寸法が全体的に小さく抑えられている。また、積層体16においては、底部15bにおけるマチ152の位置も上下のシート部材15において縦方向にずれた状態となっており、マチ152の位置がずれていない場合よりも積層体16における底部15b側の厚さ寸法が小さく抑えられている。
【0025】
積層装置101においてシート部材15を積層することにより形成された積層体16は、結束装置102においてテープ材73が帯掛けられることにより結束される。テープ材73は、積層体16におけるシート部材15の胴部15cおよび底部15bに対応する部分に帯掛けられている。
【0026】
図1、
図2に示すように、積層結束装置1は、積層装置101を構成する第1搬送部2、移載部3、および積層部5と、結束装置102を構成する第2搬送部6および結束部7とを備えている。
図5に示すように、積層結束装置1は、第1搬送部2、移載部3、積層部5、第2搬送部6、および結束部7が接続される制御部9を備えている。制御部9は、第1搬送部2、移載部3、積層部5、第2搬送部6、および結束部7の動作を制御することが可能である。
【0027】
本実施形態においては、
図1、
図2に示すようにX方向、Y方向、Z方向(略鉛直方向)を規定する。
【0028】
第1搬送部2は、シート部材15を搬送する搬送部であり、ベルトコンベア、トップチェーンコンベアなどのコンベア21と、カメラ22、23とを有している。コンベア21は、載置されたシート部材15をX方向に沿って搬送可能に構成されている。本実施形態においては、2つのコンベア21がX方向に連続して配置されている。
【0029】
コンベア21は、シート部材15をX方向に沿って搬送する第1搬送ライン21Aと、第2搬送ライン21Bとを有している。第1搬送ライン21Aと第2搬送ライン21Bとは、Y方向に隣接して配置されている。つまり、コンベア21は、第1搬送ライン21Aと第2搬送ライン21Bとの2列の搬送ラインに沿ってシート部材15を搬送する。
【0030】
第1搬送ライン21Aに沿って搬送されるシート部材15、および第2搬送ライン21Bに沿って搬送されるシート部材15は、それぞれ略等間隔でコンベア21上に載置されている。また、シート部材15は、シート部材15の横方向が略X方向に、シート部材15の縦方向が略Y方向に沿う姿勢でコンベア21に載置されている。コンベア21は制御部9に接続されており、制御部9はコンベア21によるシート部材15の搬送、停止、および搬送速度等を制御することが可能である。
【0031】
カメラ22は、第1搬送ライン21Aに沿って搬送されるシート部材15を撮像可能である。カメラ23は、第2搬送ライン21Bに沿って搬送されるシート部材15を撮像可能である。カメラ22、23は制御部9に接続されており、制御部9にはカメラ22、23により撮像された画像が入力される。
【0032】
移載部3は、第1搬送部2により搬送されるシート部材15を積層部5に繰り返し移載することが可能であり、コンベア21のZ方向上方に配置されている。積層装置101は、移載部3として、移載部3Aと移載部3Bとを備えている。
【0033】
移載部3Aは、第1搬送部2における第1搬送ライン21Aに沿って搬送されるシート部材15を積層部5に移載し、移載部3Bは、第1搬送部2における第2搬送ライン21Bに沿って搬送されるシート部材15を積層部5に移載する。移載部3Aは、移載部3Bよりも第1搬送部2によるシート部材15の搬送方向における上流側に配置されている。
【0034】
移載部3Aと移載部3Bとは、X方向に沿った軸線を挟んで対称となるように構成されており、それ以外は同様の構成であるため、以下においては移載部3Aについて説明し、移載部3Bに関する説明は特に必要がある場合を除いて省略する。
【0035】
移載部3Aは、第1搬送部2により搬送されるシート部材15を把持する把持具31と、把持具31を移動させるパラレルリンクロボット32とを備えている。パラレルリンクロボット32は、把持具31を第1搬送部2と積層部5との間で移動可能に構成されている。把持具31は、例えばシート部材15を吸着することにより把持するように構成されている。
【0036】
パラレルリンクロボット32は、3つのリンク機構32aと旋回アクチュエータ32bとを有しており、把持具31をリンク機構32aによってX方向、Y方向、およびZ方向の3方向において移動可能としている。また、パラレルリンクロボット32は、把持具31を旋回アクチュエータ32bによって水平面(XY面)内で回転させることが可能である。
【0037】
本実施形態においては、パラレルリンクロボット32は、シート部材15を第1搬送部2から積層部5へ移載する際に、水平面(XY面)内で90°回転させるように構成されている。これにより、シート部材15は、シート部材15の縦方向が第1搬送部2におけるシート部材15の搬送方向(X方向)に略沿った姿勢で積層部5へ移載されることとなる。
【0038】
把持具31およびパラレルリンクロボット32は制御部9に接続されている。制御部9は、把持具31によるシート部材15の把持状態を制御することが可能である。また、制御部9は、パラレルリンクロボット32によるシート部材15のX方向、Y方向、およびZ方向への移動、ならびに水平面(XY面)内での回転を制御することができる。
【0039】
制御部9は、カメラ22により撮像したシート部材15の画像およびコンベア21によるシート部材15の搬送速度等から、把持具31により把持するシート部材15の搬送位置を検知することができ、把持具31によりシート部材15を把持する際に、検知したシート部材15の搬送位置に基づいて把持具31を移動させる。
【0040】
なお、移載部3Bの場合は、制御部9は、カメラ23により撮像したシート部材15の画像およびコンベア21によるシート部材15の搬送速度等から、把持具31により把持するシート部材15の搬送位置を検知し、検知したシート部材15の搬送位置に基づいて把持具31を移動させる。
【0041】
積層部5においては、第1搬送部2により搬送されるシート部材15が移載部3により移載され、移載されたシート部材15が順次積層される。積層装置101は、積層部5として、積層部5Aと積層部5Bとを備えている。
【0042】
積層部5Aには、第1搬送ライン21Aに沿って搬送されるシート部材15が移載部3Aによって移載され、積層部5Bには、第2搬送ライン21Bに沿って搬送されるシート部材15が移載部3Bによって移載される。
【0043】
シート部材15の搬送方向において上流側から下流側へ向かって見たときに、積層部5Aはコンベア21の左側(
図2における上側)に配置されおり、積層部5Bはコンベア21の右側(
図2における下側)に配置されている。つまり、積層部5Aと積層部5Bとは、シート部材15の搬送方向と直交する方向であるY方向において、コンベア21を挟んで反対側に配置されている。また、積層部5Aは、シート部材15の搬送方向において、積層部5Bよりも上流側に配置されている。
【0044】
積層部5Aと積層部5Bとは、X方向に沿った軸線を挟んで対称となるように構成されており、それ以外は同様の構成であるため、以下においては積層部5Aについて説明し、積層部5Bに関する説明は省略する。
【0045】
積層装置101においては、積層部5Aは二組設けられており、一方の積層部5Aと他方の積層部5Aとはシート部材15の搬送方向に沿って配置されている。
図6、
図7に示すように、積層部5Aは、積層テーブル51と、クランパ52と、駆動装置53と、アクチュエータ54とを備えている。
【0046】
積層テーブル51は、移載部3Aによって繰り返し移載されるシート部材15が順次載置されて積層される部位であり、固定側テーブル511と、移動側テーブル512と、固定側支持台513と、移動側支持台514とを有している。固定側支持台513および移動側支持台514は、支持台の一例である。
【0047】
固定側テーブル511は平板状部材により形成されており、Y方向に並んで一対設けられている。一対の固定側テーブル511は、相対的にY方向へ移動可能に構成されており、一方の固定側テーブル511と他方の固定側テーブル511とを近接離間させることが可能となっている。
【0048】
移動側テーブル512は平板状部材により形成されており、Y方向に並んで一対設けられている。一対の移動側テーブル512は、相対的にY方向へ移動可能に構成されており、一方の移動側テーブル512と他方の移動側テーブル512とを近接離間させることが可能となっている。移動側テーブル512は、固定側テーブル511よりもシート部材15の搬送方向における上流側に配置されている。
【0049】
固定側支持台513は、固定側テーブル511から上方へ突出するブロック状部材であり、一対の固定側テーブル511に対応して設けられている。固定側支持台513は、固定側テーブル511の上流側端部に位置している。移動側支持台514は、移動側テーブル512から上方へ突出するブロック状部材であり、一対の移動側テーブル512に対応して設けられている。移動側支持台514は、移動側テーブル512の下流側端部に位置している。
【0050】
クランパ52は、積層テーブル51に載置されたシート部材15を上方から押圧する部材であり、固定側クランパ521と移動側クランパ522とを有している。固定側クランパ521は、上下方向に延出する軸部521aと、軸部521aの上端部に固定される爪部521bとを有している。固定側クランパ521は、一対の固定側テーブル511に対応して設けられており、軸部521aはY方向における一対の固定側テーブル511の両外側に配置されている。
【0051】
固定側クランパ521は、軸部521aの軸心を中心として回動可能に構成されている。固定側クランパ521は回動することにより、爪部521bが固定側支持台513の上方に位置するクランプ位置(
図7において実線で示す位置)と、爪部521bが固定側支持台513の上方から退避して、Y方向における固定側支持台513の外側に位置する退避位置(
図7において2点鎖線で示す位置)とに移動可能である。
【0052】
移動側クランパ522は、上下方向に延出する軸部522aと、軸部522aの上端部に固定される爪部522bとを有している。移動側クランパ522は、一対の移動側テーブル512に対応して設けられており、軸部522aはY方向における一対の移動側テーブル512の両外側に配置されている。
【0053】
移動側クランパ522は、軸部522aの軸心を中心として回動可能に構成されている。移動側クランパ522は回動することにより、爪部522bが移動側支持台514の上方に位置するクランプ位置(
図7において2点鎖線で示す位置)と、爪部522bが移動側支持台514の上方から退避して、Y方向における移動側支持台514の外側に位置する退避位置(
図7において実線で示す位置)と、退避位置からさらに移動側支持台514の外側に移動した受け渡し位置(
図7において1点鎖線で示す位置)とに移動可能である。
【0054】
駆動装置53は、固定側駆動装置531と、移動側駆動装置532とを有している。固定側駆動装置531は固定側クランパ521を回動可能に支持するとともに、上下方向へ移動可能に構成されている。固定側クランパ521は、固定側駆動装置531により駆動されて回動する。固定側駆動装置531は制御部9に接続されており、制御部9は、固定側駆動装置531の駆動による固定側クランパ521の回動動作を制御可能である。
【0055】
固定側駆動装置531が上下方向へ移動すると、固定側クランパ521も一体的に上下方向へ移動する。固定側クランパ521の爪部521bは、固定側駆動装置531の上下移動に伴って、最も低い位置となる最下位置H1と、最も高い位置となる最上位置H4との間で変位する。また、爪部521bは、最下位置H1よりも高く最上位置H4よりも低い位置となる移載開始位置H2と、移載開始位置H2よりも高く最上位置H4よりも低い位置となる移載終了位置H3とに変位することが可能である。
【0056】
移動側駆動装置532は、移動側クランパ522を回動可能に支持するとともに、上下方向へ移動可能に構成されている。移動側クランパ522は、移動側駆動装置532により駆動されて回動する。移動側駆動装置532は制御部9に接続されており、制御部9は、移動側駆動装置532の駆動による移動側クランパ522の回動動作を制御可能である。
【0057】
移動側駆動装置532が上下方向へ移動すると、移動側クランパ522も一体的に上下方向へ移動する。移動側クランパ522の爪部522bは、移動側駆動装置532の上下移動に伴って、最下位置H1と最上位置H4との間で変位する。また、爪部522bは、移載開始位置H2と移載終了位置H3とに変位することが可能である。
【0058】
アクチュエータ54は、固定側アクチュエータ541と、移動側アクチュエータ542とを有している。固定側アクチュエータ541は、固定側駆動装置531を駆動可能に構成されている。固定側アクチュエータ541は制御部9に接続されており、制御部9は、固定側アクチュエータ541の駆動による固定側駆動装置531の上下移動動作を制御することが可能である。
【0059】
移動側アクチュエータ542は、移動側駆動装置532を駆動可能に構成されている。移動側アクチュエータ542は制御部9に接続されており、制御部9は、移動側アクチュエータ542の駆動による移動側駆動装置532の上下移動動作を制御することが可能である。
【0060】
積層部5Aにおいては、固定側テーブル511、固定側支持台513、固定側クランパ521、固定側駆動装置531、および固定側アクチュエータ541は、X方向の位置が固定されており、移動側テーブル512、移動側支持台514、移動側クランパ522、移動側駆動装置532、および移動側アクチュエータ542は、一体的にX方向へ移動可能に構成されている。移動側テーブル512、移動側支持台514、移動側クランパ522、移動側駆動装置532、および移動側アクチュエータ542はX方向へ移動することにより、固定側テーブル511、固定側支持台513、固定側クランパ521、固定側駆動装置531、および固定側アクチュエータ541に対して近接離間することが可能である。
【0061】
第2搬送部6は、積層部5においてシート部材15が積層されることにより形成された積層体16を把持して、結束部7に搬送する搬送部である。
図1、
図2に示すように、積層装置101は、第2搬送部6として、第2搬送部6Aと第2搬送部6Bとを備えている。第2搬送部6Aは、積層部5Aにおいて形成された積層体16を結束部7に搬送し、第2搬送部6Bは、積層部5Bにおいて形成された積層体16を結束部7に搬送する。
【0062】
シート部材15の搬送方向において上流側から下流側へ向かって見たときに、第2搬送部6Aは積層部5Aの左側(
図2における上側)に配置されおり、第2搬送部6Bは積層部5Bの右側(
図2における下側)に配置されている。つまり、第2搬送部6Aは、Y方向において積層部5Aを挟んで第1搬送部2とは反対側に位置しており、第2搬送部6Bは、Y方向において積層部5Bを挟んで第1搬送部2とは反対側に位置している。
【0063】
第2搬送部6Aと第2搬送部6Bとは、X方向に沿った軸線を挟んで対称となるように構成されており、それ以外は同様の構成であるため、以下においては第2搬送部6Aについて説明し、第2搬送部6Bに関する説明は省略する。
【0064】
第2搬送部6Aは、X方向に沿って延出する支持レール61と、支持レール61に摺動可能に支持され、積層体16を把持可能な把持具62とを有している。把持具62は、積層体16のY方向における両端部を把持する把持アーム62aを有している。
【0065】
第2搬送部6Aにおいては、積層部5Aに載置されている積層体16を把持アーム62aにより把持した状態で、把持具62を支持レール61に沿って移動させることで、積層体16を結束部7に搬送することが可能となっている。第2搬送部6Aは制御部9に接続されており、制御部9によって、把持具62による積層体16の把持動作、および把持具62の支持レール61に沿った移動操作を制御することが可能である。
【0066】
次に、シート部材15を移載部3Aにより積層部5に移載して積層する動作、および積層部5Aにおいて形成された積層体16を結束部7へ搬送する動作について説明する。
【0067】
図8に示すように、移載部3Aによるシート部材15の移載が開始される前の積層部5Aにおいては、固定側クランパ521および移動側クランパ522が共に退避位置に回動するとともに、固定側クランパ521の爪部521bおよび移動側クランパ522の爪部522bが共に最上位置H4に変位した状態となっている。
【0068】
この状態から、移載部3Aによるシート部材15の移載が開始されると、
図9に示すように、シート部材15を把持した把持具31が積層テーブル51の上方に移動し、その後に下降して1枚目のシート部材15を積層テーブル51上に載置する。この場合、把持具31は、シート部材15の胴部15cおよび底部15bが固定側支持台513および移動側支持台514に支持されるように、シート部材15を積層テーブル51に載置する。
【0069】
1枚目のシート部材15が積層テーブル51に載置されると、移動側クランパ522が退避位置からクランプ位置に回動するとともに、爪部522bが最上位置H4から移載開始位置H2へ変位する。
【0070】
移載開始位置H2は、移動側支持台514に載置された1枚目のシート部材15を爪部522bにより上方から押圧することが可能となる高さ位置であり、爪部522bが移載開始位置H2に変位することで、1枚目のシート部材15を爪部522bと移動側支持台514とにより挟持することが可能となる。これにより、積層テーブル51に載置されたシート部材15に位置ずれが生じることを抑制可能となっている。
【0071】
一方、1枚目のシート部材15が積層テーブル51に載置されるときには、固定側クランパ521は退避位置に回動した状態を維持し、爪部521bは最上位置H4に変位した状態を維持している。
【0072】
なお、本実施形態においては、1枚目のシート部材15を移動側クランパ522により押圧するとともに固定側クランパ521では押圧しない構成としているが、1枚目のシート部材15を固定側クランパ521により押圧するとともに移動側クランパ522では押圧しない構成とすることもできる。この場合、例えば積層部5Aにおいて積層するシート部材15の枚数が偶数のときに、1枚目のシート部材15を移動側クランパ522により押圧する構成とし、積層部5Aにおいて積層するシート部材15の枚数が奇数のときに、1枚目のシート部材15を固定側クランパ521により押圧する構成とすることができる。
【0073】
また、シート部材15が積層テーブル51に載置された後、把持具31はシート部材15の吸着状態を解除し、シート部材15は把持具31から離脱する。把持具31から離脱したシート部材15は、固定側支持台513および移動側支持台514に支持されていない開口部15aが下降して(垂れ下がって)固定側テーブル511に支持された状態となる。
【0074】
このように、シート部材15の移載開始時においては、シート部材15の薄部となる胴部15cおよび底部15bが、固定側支持台513および移動側支持台514によって、シート部材15の厚部となる開口部15aにおけるジッパ151が形成されている部分よりも高い位置で支持されることとなる。
【0075】
次に、
図10に示すように、シート部材15を把持した把持具31が再度積層テーブル51の上方に移動し、その後に下降して2枚目のシート部材15を積層テーブル51に載置する。2枚目のシート部材15を載置することで、2枚目のシート部材15は1枚目のシート部材15の上面に積層される。
【0076】
この場合、シート部材15を載置する際の把持具31の移動位置は、制御部9によって、1枚目のシート部材15を載置する際よりも寸法Z1だけ高く、寸法X1だけX方向にずれた位置となるように制御される。把持具31における移動位置のX方向のずれは、2枚目のシート部材15におけるジッパ151が、1枚目のシート部材15におけるジッパ151よりも底部15b側に位置するよう設定される。また、寸法X1は、例えば1枚目のシート部材15におけるジッパ151と2枚目のシート部材15におけるジッパ151とがX方向において重ならない大きさに設定される。さらに、寸法Z1は、例えばシート部材15の厚みに対応した大きさに設定される。
【0077】
2枚目のシート部材15が積層テーブル51に載置されると、固定側クランパ521が退避位置からクランプ位置に回動するとともに、爪部521bが最上位置H4から移載開始位置H2よりも寸法Z1だけ高い位置に変位する。また、移動側クランパ522がクランプ位置から退避位置に回動するとともに、爪部522bが移載開始位置H2から最上位置H4へ変位する。
【0078】
爪部521bが移載開始位置H2よりも寸法Z1だけ高い位置に変位することで、積層された1枚目のシート部材15および2枚目のシート部材15を爪部521bと固定側支持台513とにより挟持して、積層されたシート部材15に位置ずれが生じることを抑制可能となっている。
【0079】
一方、爪部522bが最上位置H4へ変位することで、移動側クランパ522によるシート部材15の押圧状態は解除される。また、移動側クランパ522が退避位置に回動することで、爪部522bが最上位置H4へ変位する際に、積層テーブル51に載置される2枚目のシート部材15と干渉することを抑制できる。
【0080】
なお、2枚目のシート部材15も、シート部材15の薄部となる胴部15cおよび底部15bが、固定側支持台513および移動側支持台514によって、シート部材15の厚部となる開口部15aにおけるジッパ151が形成されている部分よりも高い位置で支持される。
【0081】
次に、
図11に示すように、シート部材15を把持した把持具31が再度積層テーブル51の上方に移動し、その後に下降して3枚目のシート部材15を積層テーブル51に載置する。3枚目のシート部材15を載置することで、3枚目のシート部材15は2枚目のシート部材15の上面に積層される。
【0082】
この場合、シート部材15を載置する際の把持具31の移動位置は、制御部9によって、2枚目のシート部材15を載置する場合と同様に、2枚目のシート部材15を載置する際よりも寸法Z1だけ高く、寸法X1だけX方向にずれた位置となるように制御される。
【0083】
3枚目のシート部材15が積層テーブル51に載置されると、移動側クランパ522が退避位置からクランプ位置に回動するとともに、爪部522bが最上位置H4から移載開始位置H2よりも寸法Z1の2倍だけ高い位置に変位する。また、固定側クランパ521がクランプ位置から退避位置に回動するとともに、爪部521bが最上位置H4へ変位する。
【0084】
爪部522bが移載開始位置H2よりも寸法Z1の2倍だけ高い位置に変位することで、積層された1枚目から3枚目のシート部材15を爪部522bと移動側支持台514とにより挟持して、積層されたシート部材15に位置ずれが生じることを抑制可能となっている。
【0085】
一方、爪部521bが最上位置H4へ変位することで、固定側クランパ521によるシート部材15の押圧状態は解除される。また、固定側クランパ521が退避位置に回動することで、爪部521bが最上位置H4へ変位する際に、積層テーブル51に載置される3枚目のシート部材15と干渉することを抑制できる。
【0086】
なお、3枚目のシート部材15も、シート部材15の薄部となる胴部15cおよび底部15bが、固定側支持台513および移動側支持台514によって、シート部材15の厚部となる開口部15aにおけるジッパ151が形成されている部分よりも高い位置で支持される。
【0087】
このように、移載部3がシート部材15を積層部5に移載する際には、先に積層部5に移載されたシート部材15に対する縦方向の位置をずらして、シート部材15を積層部5に移載するようにしている。これにより、厚みの大きな部位であるジッパ151の部分の位置が重なることが抑制された状態でシート部材15を積層することができる。
【0088】
また、シート部材15を積層テーブル51に積層する際に、固定側クランパ521によるシート部材15の押圧と、移動側クランパ522によるシート部材15の押圧とを交互に繰り返すことで、積層テーブル51に積層状態で載置されたシート部材15を、常に固定側クランパ521または移動側クランパ522によって押圧することが可能であり、シート部材15の積層姿勢が崩れることを抑制することが可能である。
【0089】
特に、固定側クランパ521および移動側クランパ522は、シート部材15の薄部となる胴部15cおよび底部15bの、固定側支持台513および移動側支持台514に支持された部分を押圧するように構成されている。従って、積層されたシート部材15の厚みの小さい部分を、固定側クランパ521および移動側クランパ522と固定側支持台513および移動側支持台514とによって挟持することになり、シート部材15の積層状態を安定して保持することが可能となっている。
【0090】
図12に示すように、移載部3Aによる積層部5Aへのシート部材15の移載が繰り返し行われ、積層テーブル51に積層されたシート部材15の枚数が、予め設定された枚数に達すると、把持具31によるシート部材15の積層テーブル51に対する載置が終了する。予め設定された枚数のシート部材15が積層テーブル51に積層状態で載置されることにより、積層体16が形成される。
【0091】
積層テーブル51にシート部材15を積層していく場合、所定枚数のシート部材15が積層されるまでは、シート部材15の薄部となる胴部15cおよび底部15bが、シート部材15の厚部となる開口部15aにおけるジッパ151が形成されている部分よりも高い位置にある状態となっている。
【0092】
従って、シート部材15を積層して積層体16が形成されるまでの間に、シート部材15におけるジッパ151が形成されている部分が、胴部15cおよび底部15bよりも大きく上方に突出することを抑制することができる。これにより、シート部材15を積層する際に、積層されたシート部材15の積層姿勢が崩れることを抑制でき、適正な積層姿勢の積層体16を容易に形成することが可能となる。
【0093】
また、形成された積層体16においては、厚みの大きな部位であるジッパ151の部分の位置がずれた状態でシート部材15が積層されているため、ジッパ151の部分が上下に重なることが抑制された状態であり、積層体16の部位による厚みの差を小さく抑えることができる。これにより、シート部材15がジッパ151を有する袋体であって不均一な厚み形状を有していたとしても、多くのシート部材15を適正な姿勢で積層することができるとともに、シート部材15の積層姿勢を安定して保持することが可能である。
【0094】
図12に示すように、シート部材15の積層テーブル51への載置が終了した時点では、固定側クランパ521がクランプ位置に回動するとともに、爪部521bが移載終了位置H3に変位している。移載終了位置H3は、シート部材15が予め設定された枚数だけ積層テーブル51に積層された状態にあるときに、積層されたシート部材15を爪部521bにより押圧することができる高さであり、積層されたシート部材15が爪部521bと固定側支持台514とにより挟持されている。
【0095】
また、シート部材15の積層テーブル51に対する載置が終了した時点では、移動側クランパ522が受け渡し位置に回動するとともに、爪部522bが最下位置H1に変位している。最下位置H1は、固定側支持台513および移動側支持台514の上面よりも下方の位置である。
【0096】
積層部5AはY方向へ移動可能に構成されており、シート部材15の積層テーブル51への載置が終了すると、積層部5Aは第2搬送部6A側へ移動する。積層部5AがY方向において第2搬送部6Aまで移動すると、把持具62が移動して積層テーブル51に載置されている積層体16に近接する。
【0097】
具体的には、把持具62は、把持アーム62aが積層体16のY方向における両側方に近接する位置まで移動する。この場合、把持アーム62aは、X方向において固定側支持台513と移動側支持台514との間に位置している。
【0098】
その後、
図13に示すように、移動側テーブル512、移動側支持台514、移動側クランパ522、移動側駆動装置532、および移動側アクチュエータ542は、X方向において、固定側テーブル511、固定側支持台513、固定側クランパ521、固定側駆動装置531、および固定側アクチュエータ541から離れる側へ移動する。これにより、固定側支持台513と移動側支持台514とのX方向における間隔が大きくなる。
【0099】
また、把持具62が、X方向における固定側支持台513と移動側支持台514との略中央部に位置するように、X方向に移動する。さらに、一対の把持アーム62aがY方向において互いに近接する方向へ移動して積層体16を把持する。この場合、把持アーム62aは、積層体16におけるシート部材15の胴部15cおよび底部15bに対応する部分を把持する。
【0100】
把持アーム62aにより積層体16を把持した把持具62は、積層体16を結束部7へ向けて搬送する。
図2に示すように、結束装置102は、第2搬送部6から結束部7にかけて搬送経路102aを有しており、把持具62は積層体16を搬送経路102aに沿って結束部7まで搬送する。
【0101】
結束部7は、搬送経路102aに沿って搬送されてきた積層体16にテープ材73を帯掛けることによって、積層体16を結束する。
図1、
図2に示すように、結束装置102は、結束部7として結束部7Aと結束部7Bとを備えている。
【0102】
結束部7Aは、第2搬送部6Aよりも積層体16の搬送方向における下流側に配置されており、第2搬送部6Aによって搬送されてきた積層体16を結束する。結束部7Bは、第2搬送部6Bよりも積層体16の搬送方向における下流側に配置されており、第2搬送部6Bによって搬送されてきた積層体16を結束する。
【0103】
結束部7Aと結束部7Bとは、X方向に沿った軸線を挟んで対称となるように構成されており、それ以外は同様の構成であるため、以下においては結束部7Aについて説明し、結束部7Bに関する説明は省略する。
【0104】
図14に示すように、結束部7Aは、ベース台71と、ベース台71上に設置される枠体72と、枠体72内に収容され積層体16に帯掛けられるテープ材73と、積層体16を上方へ持ち上げて支持する持ち上げ部74と、テープ材73が帯掛けられて結束された積層体16を排出する排出コンベア75とを有している。
【0105】
枠体72は、ベース台71の上面71aに立設される門型形状に形成されており、開口部72aを有している。テープ材73は枠体72内に収容されており、開口部72aの外周に位置している。また、テープ材73は、結束部7Aに搬送された積層体の外周に位置する。排出コンベア75は、積層体16の搬送方向において枠体72の下流側に配置されている。
【0106】
結束部7Aにおいては、第2搬送部6Aの把持具62に把持された積層体16が枠体72の開口部72aまで搬送されると、積層体16はベース台71の上面71aに載置される位置まで下降される。その後、枠体72内に収容されているテープ材73を開口部73a内に露出させて、上面71aに載置された状態の積層体16に近接させる。さらに、積層体16に近接させたテープ材73を積層体16の外周に巻き付けて帯掛ける。テープ材73が帯掛けられた積層体16を構成するシート部材15は一体的に結束され、結束された積層体16は排出コンベア75により搬送経路102aに沿って下流側に搬送される。
【0107】
結束部7Aは制御部9に接続されており、制御部9は、積層体16に対するテープ材73の帯掛け動作、および排出コンベア75による積層体16の搬送動作を制御することが可能である。
【0108】
図15~
図18に示すように、持ち上げ部74は、支持軸741と、払い上げアーム742と、駆動シリンダ743と、連結アーム744とを有している。支持軸741は上下方向に延出しており、軸心を中心として回動可能に支持されている。支持軸741は、搬送経路102aのY方向における一側部に配置されている。本実施形態においては、支持軸741は、積層体16の搬送方向において上流側から下流側へ向かって見たときに、搬送経路102aの右側部に配置されている。
【0109】
払い上げアーム742は水平方向に延出するアーム部材であり、支持軸741の上端部に固定されている。払い上げアーム742は、支持軸741と同様に、搬送経路102aの一側部に設けられている。払い上げアーム742は、支持軸741の軸心を中心として水平面(XY面)内で回動可能である。
【0110】
払い上げアーム742は、支持軸741の軸心を中心として回動することにより、積層体16の搬送方向に沿って延出し、搬送経路102aから退避する退避位置(
図16に示す位置)と、積層体16の搬送方向と交差する方向に沿って延出し、搬送経路102aの一側部から搬送経路102a内に進入する払い上げ位置(
図17に示す位置)とに移動可能である。つまり、払い上げアーム742は、退避位置と払い上げ位置との間で回動可能に構成されている。退避位置にある払い上げアーム742は、枠体72よりも下流側の位置から上流側へ向けて延出しており、枠体72の開口部72a内に位置している。払い上げ位置にある払い上げアーム742は、枠体72よりも下流側に位置している
【0111】
駆動シリンダ743は、枠体72の下流側において、排出コンベア75の下方に配置されている。駆動シリンダ743は、シリンダチューブ743aと、ピストンロッド743bと、回動支点743cとを有している。シリンダチューブ743aは回動支点743cを中心として回動可能に支持されており、ピストンロッド743bはシリンダチューブ743aに伸縮可能に挿入されている。駆動シリンダ743は制御部9に接続されており、制御部9は、ピストンロッド743bが伸長する伸長動作、およびピストンロッド743bが縮小する縮小動作を制御することが可能である。
【0112】
連結アーム744は、支持軸741の下端部とピストンロッド743bの先端部とを連結しており、支持軸741と一体的に回動可能に構成されている。持ち上げ部74においては、駆動シリンダ743が縮小動作を行ってピストンロッド743bが縮小すると、連結アーム744によってピストンロッド743bと連結される支持軸741が回動して、払い上げアーム742が退避位置に移動する。また、駆動シリンダ743が伸長動作を行ってピストンロッド743bが伸長すると、連結アーム744によってピストンロッド743bと連結される支持軸741が回動して、払い上げアーム742が払い上げ位置に移動する。
【0113】
図18に示すように、結束部7Aに搬送されてくる積層体16は、把持具62の把持アーム62aによって積層体16におけるシート部材15の胴部15cおよび底部15bに対応する部分を把持されている。積層体16を構成するシート部材15は薄くて柔軟性を有しているため、積層体16の把持アーム62aによって把持されていない部分である、シート部材15の開口部15aに対応する部分は、把持アーム62aにより把持された部分から下方に垂れ下がり、垂下部16aを形成している。つまり、積層体16は、第2搬送部6Aにより把持された部分から下方に垂れ下がった垂下部16aを有している。
【0114】
垂下部16aの下端部は、積層体16が枠体72の開口部72aに搬送されてくるときにベース台71の上面71aに接触する場合があり、積層体16を垂下部16aが垂れ下がった状態でベース台71の上面71aまで下降させると、垂下部16aが上流側に折れ曲がった状態で上面71aに載置されることがある。このように、垂下部16aが折れ曲がった状態で積層体16にテープ材73を帯掛けると、垂下部16aとテープ材73とが干渉して、積層体16のテープ材73に対する適正な帯掛けが阻害されるおそれがある。
【0115】
そこで、結束部7Aにおいては、枠体72の開口部72aに搬送された積層体16にテープ材を帯掛けるときに、持ち上げ部74の払い上げアーム742によって垂下部16aを持ち上げて支持するように構成している。
【0116】
つまり、
図18に示すように、積層体16が枠体72の開口部72aに搬送されるときには、払い上げアーム742が退避位置に回動した状態としておく。積層体16を搬送する把持具62は、積層体16を枠体72の開口部72aに搬送して、積層体16におけるシート部材15の胴部15cおよび底部15bに対応する部分が枠体72の開口部72a内に位置するとともに、積層体16の垂下部16aが枠体72の下流部に位置したときに、積層体16の搬送を停止する。
【0117】
払い上げアーム742は、積層体16の搬送が停止された後に、退避位置から払い上げ位置へ回動する。
図19に示すように、払い上げアーム742が払い上げ位置に回動すると、垂下部16aが払い上げアーム742によって払い上げられる。払い上げられた垂下部16aは、払い上げアーム742によって上方へ持ち上げられた状態で支持される。つまり、払い上げアーム742は、積層体16が枠体72の開口部72aに搬送されたときに退避位置から払い上げ位置へ回動することで、垂下部16aを払い上げて上方へ持ち上げるように構成されている。
【0118】
図20に示すように、垂下部16aが払い上げアーム742によって支持された状態で、積層体16を把持する把持アーム62aが下降すると、積層体16の把持アーム62aに把持された部分が垂下部16aよりも下方に位置するようになる。その後、把持アーム62aがさらに下降してベース台71の上面71aに達すると、垂下部16aは、払い上げアーム742から滑り落ちて、積層体16の把持アーム62aに把持された部分よりも下流側に延びた状態で上面71aに載置される。
【0119】
垂下部16aが下流側に延びた状態の積層体16にテープ材73を帯掛けると、垂下部16aとテープ材73とが干渉することがなく、テープ材73を積層体16に適正に帯掛けすることが可能となる。
【0120】
このように、結束部7Aは、積層体16の把持アーム62aによる把持部から下方に垂れ下がった垂下部16aを上方へ持ち上げて支持する持ち上げ部74を備えているため、積層体16にテープ材73を帯掛けて結束する際に、積層体16に対するテープ材73の適正な帯掛けが阻害されることを抑制可能となっている。
【0121】
また、持ち上げ部74の払い上げアーム742は、搬送経路102aの一側部に設けられているため、積層体16を搬送経路102aに沿って搬送する際に、積層体16の一側端部を搬送経路102aの一側端部に合わせて搬送することで、結束される積層体16の大きさが異なった場合でも(
図16、
図17における大きな積層体16A、および小さな積層体16Bを参照)、搬送経路102aの一側部から搬送経路102aに進入する払い上げアーム742によって、同様に払い上げることが可能となっている。
【0122】
さらに、積層体16は、複数のシート部材15を搬送方向にずらした状態で積層することにより形成されているため搬送方向の長さが大きくなり、垂下部16aが形成され易くなる。このような場合であっても、垂下部16aを持ち上げ部74によって持ち上げて支持することで、積層体16に対するテープ材73の適正な帯掛けが阻害されることを抑制できる。
【符号の説明】
【0123】
1 積層結束装置
2 第1搬送部
3 移載部
5 積層部
6 第2搬送部
7 結束部
15 シート部材
16 積層体
16a 垂下部
15a 開口部
15b 底部
15c 胴部
73 テープ材
74 持ち上げ部
101 積層装置
102 結束装置
102a 搬送経路
742 払い上げアーム