(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057099
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】パネル状構造体および吊り足場
(51)【国際特許分類】
E04G 5/08 20060101AFI20220404BHJP
E04G 3/24 20060101ALI20220404BHJP
E01D 21/00 20060101ALI20220404BHJP
F16B 5/06 20060101ALI20220404BHJP
E04G 7/28 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
E04G5/08 C
E04G3/24 302H
E01D21/00 A
F16B5/06 S
E04G7/28 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020165180
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】511080638
【氏名又は名称】株式会社日本コンポジット工業
(71)【出願人】
【識別番号】591106004
【氏名又は名称】建設塗装工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176658
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】赤水 清
(72)【発明者】
【氏名】藤原 亨
(72)【発明者】
【氏名】新開 達也
【テーマコード(参考)】
2D059
3J001
【Fターム(参考)】
2D059EE10
2D059GG02
2D059GG39
3J001FA05
3J001GA01
3J001GB03
3J001HA04
3J001HA08
3J001HA09
3J001JB02
3J001JB15
3J001KB04
(57)【要約】
【課題】必要な曲げ強度・剛性を保持しつつ軽量化が可能なパネル状構造体およびそれを用いた吊り足場を提供する。
【解決手段】一実施形態に係るパネル状構造体は、天板、底板、一対の側板および一対の端板を有する中空体と、天板および底板との間に配置されており中空体を補強する一対の補強部材と、を備え、一対の補強部材は、第1方向に延在しており、第3方向からみて天板における第1方向に延在する中心線を挟んで第1方向に交差する第2方向において離間して配置されており、一対の補強部材それぞれは、天板側に配置される第1フランジと、底板側に配置される第2フランジと、第1フランジと第2フランジを連結するウェブと、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フック付きチェーンで懸架されるパネル状構造体であって、
天板、底板、一対の側板および一対の端板を有する中空体であって、
前記天板、前記底板および前記一対の側板は第1方向に延在しており、
前記一対の側板は、前記第1方向に交差する第2方向に離間して配置され且つ前記天板および前記底板を連結しており、
前記天板および前記底板は、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に離間して配置されており、および、
前記一対の端板は前記第1方向に離間して配置されており前記天板および前記底板を連結している、
前記中空体と、
前記天板および前記底板との間に配置されており前記中空体を補強する一対の補強部材と、
を備え、
前記一対の補強部材は、前記第1方向に延在しており、前記第3方向からみて前記天板における前記第1方向に延在する中心線を挟んで前記第1方向に交差する第2方向において離間して配置されており、
前記一対の補強部材それぞれは、
前記天板側に配置される第1フランジと、
前記底板側に配置される第2フランジと、
前記第1フランジと前記第2フランジを連結するウェブと、
を有する、
パネル状構造体。
【請求項2】
前記天板には、前記フック付きチェーンが取り付けられ前記第1方向に吊り金具が配置される吊り金具用凹部が、前記中心線上に形成されており、
前記吊り金具用凹部は、前記第1方向に延在しており、
前記一対の補強部材は、前記第3方向からみて、前記吊り金具用凹部の両側に配置されている、
請求項1に記載のパネル状構造体。
【請求項3】
前記吊り金具用凹部の第1底部には、前記吊り金具を前記第1方向にスライドさせるためのスライド用孔が形成されている、
請求項2に記載のパネル状構造体。
【請求項4】
前記フック付きチェーンが取り付けられる吊り金具を更に有し、
前記吊り金具は、
前記第3方向からみて長方形を呈する第1金属板と、前記第1金属板の長手方向に沿って離間して配置され前記第1金属板を厚さ方向に貫通した状態で固定された一対の第1ボルトとを有するスライド金具と、
前記スライド金具において、前記一対の第1ボルトの螺子部側に配置されるシャックルと、
前記シャックルを前記スライド金具に固定するための曲げ板であって、前記一対の第1ボルトを通す一対の第1孔部が形成されており、前記一対の第1孔部の間の領域が、前記スライド金具との間に前記シャックルのピン軸をとおす空間が形成されるように曲げられている前記曲げ板と、
前記一対の第1ボルトに取り付けられ前記曲げ板を前記スライド金具に固定するための一対のナットと、
を有し、
前記底板には、前記スライド金具をとおすための挿入口が形成されている、
請求項3に記載のパネル状構造体。
【請求項5】
前記第2方向において2つの前記パネル状構造体を連結するための第1連結具を更に備え、
前記第2方向において、前記底板の長さは、前記天板の長さより短く、
前記第1方向に直交する断面において、前記中空体は、前記第3方向からみて前記底板の両側に、第1張出部と第2張出部とを有し、
前記第1連結具は、前記第1張出部において前記天板と反対側に取り付けられている、
請求項1~4の何れか一項に記載のパネル状構造体。
【請求項6】
前記一対の側板それぞれは、
前記天板に連結される第1領域と、
前記底板に連結される第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域とを連結しており前記第3方向に交差する第3領域と、
を有し、
前記第1連結具は、前記一対の側板のうち前記第1張出部側の側板が有する前記第3領域に取り付けられる、
請求項5に記載のパネル状構造体。
【請求項7】
前記第1連結具は、
前記第2方向に延在にしているアームであって、前記第2方向における第1端部と反対側の第2端部が、前記一対の側板のうち前記第1張出部側の側板が有する前記第3領域に取り付けられるとともに、前記1端部が、前記第3方向からみて前記中空体から前記第2方向に突出している、前記アームと、
第2金属板と、前記第2金属板に固定されており第1雌螺子孔が前記第2金属板の厚さ方向に沿って形成された第1ボス部とを有するホルダーと、
前記第1ボス部に形成された前記第1雌螺子孔に螺合する繋止用ボルトと、
前記繋止用ボルトが通される第1カラーであって、前記雌螺子孔に螺合された状態で、前記繋止用ボルトの頭部と前記第1ボス部の間に配置される前記第1カラーと、
前記アームを前記中空体に取り付けるための取付ユニットと、
を有し、
前記アームの前記第1端部側に、前記第1ボス部をとおすボス用孔部が形成されており、
前記ボス用孔部を通して前記アームから突出した前記第1ボス部に、前記第1カラーを介して前記繋止用ボルトが螺子止めされており、
前記第1張出部において、前記第1連結具の取付位置には取付用凹部が形成されており、
前記取付ユニットは、
前記アームにおいて前記第1張出部と反対側に装着される固定金具であって、第3金属板と、前記第3金属板を厚さ方向に貫通した状態で前記第1方向に離間して固定された一対の第2ボルトとを有する前記固定金具と、
前記取付用凹部に配置される座金プレートであって、第4金属板と、前記第4金属板に固定されており貫通孔を有する第2ボス部とを有しており、前記第4金属板には、前記一対の第2ボルトが通される一対の第2孔部が形成されている、前記座金プレートと、
前記第2ボス部の前記貫通孔に通される位置決めピンと、
前記一対の第2ボルトに嵌められ、前記座金プレートを前記固定金具に対して固定する一対の固定用ナットと、
を有し、
前記アームの前記第2端部側には前記一対の第2ボルトが通される一対の第4孔部が前記第1方向に離間して形成されているとともに、前記位置決めピンが通される第1ピン孔が形成されており、
前記第3金属板には、前記位置決めピンが通される第2ピン孔が形成されており、
前記取付用凹部の第2底部には、前記一対の第2ボルトを通すための一対の第3孔部および前記位置決めピンを通すための第5孔部が形成されている、
請求項6に記載のパネル状構造体。
【請求項8】
前記一対の第3孔部は、前記第2端部から前記第2方向に延在いている長孔である、
請求項7に記載のパネル状構造体。
【請求項9】
前記アームにおいて、前記第3方向からみて前記中空体から突出している領域には、前記第1連結具によって連結すべきパネル状構造体を仮置きするための仮置き用凹部が形成されている、
請求項7または8に記載のパネル状構造体。
【請求項10】
前記第1連結具を受ける受け具を更に備え、
前記中空体のうち、前記第2方向において前記第1連結具と反対側には、前記第1連結具を受けるための受け構造が形成されており、
前記受け構造は、
前記天板に形成されており前記受け具が収容される収容凹部と、
前記第3領域において前記収容凹部と反対側に形成された凸部と、
を有し、
前記収容凹部の第3底部と前記凸部の頂部とは一体化されており、
前記第3底部には埋込みナットが埋め込まれており、
前記受け具は、
第5金属板と、前記第5金属板に固定されており第2雌螺子孔が前記第5金属板の厚さ方向に沿って形成された第4ボス部とを有する、スライド座金と、
前記第4ボス部の前記第2雌螺子孔に嵌められる位置決め用のスプリングプランジャーと、
を有し、
前記第5金属板には、前記第1方向に沿って前記繋止用ボルトを通す第6孔部と、スライド用の第7孔部が形成されており、
前記第6孔部は、前記繋止用ボルトの頭部がとおる第1領域と、前記第1領域から前記第6孔部側に延びており前記第2方向の幅が前記第1領域より狭い第2領域とを有し、
前記第7孔部は、前記第1方向に延在しており、
前記受け具は、前記第7孔部に、ボルトを通し前記埋込みナットに嵌めることで、前記第1方向にスライド可能に、前記収容凹部内に配置されており、
前記第3底部には、前記受け具で前記第1連結具を受ける前の第1状態において、前記第5孔部が有する前記第1領域と対向する位置に前記繋止用ボルトを通すための第8孔部と、前記スライド座金が前記第1方向にスライドされる前の状態において前記スプリングプランジャーが通され前記スライド座金の位置を規定する第3ピン孔と、前記第1状態から前記スライド座金が前記第1方向にスライドされ前記第1連結具を受けた状態である第2状態において、前記スプリングプランジャーが通され前記スライド座金の位置を規定する第4ピン孔とが形成されている、
請求項7~9の何れか一項に記載のパネル状構造体。
【請求項11】
前記第1方向において2つの前記パネル状構造体を連結するための一対の第2連結具を更に備え、
前記第3方向からみて、前記中空体において前記第1方向における両端部には、前記一対の第2連結具が配置される一対の第2連結具用凹部が形成されており、
前記第2連結具は、
連結パイプと、
前記連結パイプ内に配置されている保持軸であって、前記連結パイプの延びている方向と同じ方向に延びており且つ一対のナットが離間して設けられた前記保持軸と、
前記保持軸にとおされており前記連結パイプ内において前記一対のナットの外側に配置され且つ前記連結パイプの内面に接する一対の第2カラーと、
前記連結パイプの両端に配置される一対のLアングルであって、
前記保持軸が通されるボス部が設けられており前記ボス部が設けられている側と反対側が、前記第3方向からみた場合における前記第2連結具用凹部の側面に接する第1板部と、
前記第1板部に対して前記連結パイプと反対側に位置しており前記中空体の前記底板に螺子止めされる第2板部と、
を有する前記一対のLアングルと、
を備える、
請求項1~10の何れか一項に記載のパネル状構造体。
【請求項12】
前記天板、前記底板、前記一対の側板、前記一対の端板および一対の補強部材それぞれは、連続強化繊維から成る織物基材を含む繊維強化樹脂で一体に形成されている、
請求項1~11の何れか一項に記載のパネル状構造体。
【請求項13】
前記天板、前記底板、前記一対の側板、前記一対の端板および一対の補強部材それぞれは、アラミド繊維又はガラス繊維からなる非導電性の連続する連続繊維基材を含む、
請求項1~12の何れか一項に記載のパネル状構造体。
【請求項14】
請求項1~13の何れか一項に記載のパネル状構造体を複数連結することによって構成された、吊り足場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル状構造体および吊り足場に関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁および橋桁等に対して作業をする場合、それらの下が、車道や川やであることが多いため、地上から仮設足場を組み上げることができない。そのため、橋梁および橋桁等に懸架される吊り足場が用いられる。吊り足場として、例えば、特許文献1~3に記載された吊り足場がある。
【0003】
特許文献1の吊り足場は、単管足場方式のものである。
【0004】
特許文献2および特許文献3に記載された吊り足場は、パネル吊り足場方式のものであり、上記単管足場の下部構造をユニット化したパネルで足場を構築する工法である。すなわち、金属製の丸パイプと概略矩形に形成された角パイプを骨組に、縞鋼板やエキスパンドメタルなどの床材を固定し一体化したパネル状の構造体で、橋梁部の橋桁(支持材)から吊り下げたフック付きチェーン(或いは索条)で吊りながら、縦横に連結して水平方向に足場面積を広げていく工法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-13275号公報
【特許文献2】特開平10-311137号公報
【特許文献3】特開2015-28285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の方式では、部品(単管、足場板、チェーンなど)を一つ一つ、連結金具(クランプ等)で連結しながら構築する工法であるが、鳶職人等の熟練した作業者が必要で、仮設及び撤去作業がきわめて煩わしく、作業が面倒で危険(安全ネットが必要)である。
【0007】
特許文献2,3に記載の方式は、特許文献1で記載されているような単管足場方式のような、熟練を要する仮設・撤去作業時の施工および危険性はかなり回避され得る。
【0008】
しかしながら、パネル状構造体自体の重量が重く、仮設した足場上での搬送・取扱性(連結方法)が問題視されている。
【0009】
上記問題点を鑑み、本発明は、必要な曲げ強度・剛性を保持しつつ軽量化が可能なパネル状構造体およびそれを用いた吊り足場を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面に係るパネル状構造体は、フック付きチェーンで懸架されるパネル状構造体であって、(A)天板、底板、一対の側板および一対の端板を有する中空体であって、上記天板、上記底板および上記一対の側板は第1方向に延在しており、上記一対の側板は、上記第1方向に交差する第2方向に離間して配置され且つ上記天板および上記底板を連結しており、上記天板および上記底板は、上記第1方向および上記第2方向に交差する第3方向に離間して配置されており、および、上記一対の端板は上記第1方向に離間して配置されており上記天板および上記底板を連結している、上記中空体と、(B)上記天板および上記底板との間に配置されており上記中空体を補強する一対の補強部材と、を備え、上記一対の補強部材は、上記第1方向に延在しており、上記第3方向からみて上記天板における上記第1方向に延在する中心線を挟んで上記第1方向に交差する第2方向において離間して配置されており、 上記一対の補強部材それぞれは、上記天板側に配置される第1フランジと、上記底板側に配置される第2フランジと、上記第1フランジと上記第2フランジを連結するウェブと、を有する。
【0011】
上記構成では、一対の補強部材で、上記中心線の両側で天板および底板を支持しながら中空体を補強できているので、必要な曲げ強度・剛性を保持しつつ軽量化が可能である。
【0012】
上記天板には、上記フック付きチェーンが取り付けられ上記第1方向に吊り金具が配置される吊り金具用凹部が、上記中心線上に形成されており、上記吊り金具用凹部は、上記第1方向に延在しており、上記一対の補強部材は、上記第3方向からみて、上記吊り金具用凹部の両側に配置されていてもよい。
【0013】
この場合、吊り金具用凹部に配置される吊り金具にフック付きチェーンが取り付けられることによって、パネル状構造体が懸架されても、上記一対の補強部材によって、曲げ強度・剛性を保持できる。
【0014】
上記吊り金具用凹部の第1底部には、上記吊り金具を上記第1方向にスライドさせるためのスライド用孔が形成されていてもよい。
【0015】
この場合、吊り金具を第1方向にスライドできるので、パネル状構造体の懸架位置の自由度が向上する。
【0016】
一実施形態に係るパネル状構造体は、上記フック付きチェーンが取り付けられる吊り金具を更に有し、上記吊り金具は、上記第3方向からみて長方形を呈する第1金属板と、上記第1金属板の長手方向に沿って離間して配置され上記第1金属板を厚さ方向に貫通した状態で固定された一対の第1ボルトとを有するスライド金具と、上記スライド金具において、上記一対の第1ボルトの螺子部側に配置されるシャックルと、上記シャックルを上記スライド金具に固定するための曲げ板であって、上記一対の第1ボルトを通す一対の第1孔部が形成されており、上記一対の第1孔部の間の領域が、上記スライド金具との間に上記シャックルのピン軸をとおす空間が形成されるように曲げられている上記曲げ板と、上記一対の第1ボルトに取り付けられ上記曲げ板を上記スライド金具に固定するための一対のナットと、を有し、上記底板には、上記スライド金具をとおすための挿入口が形成されていてもよい。
【0017】
この場合、挿入口からスライド金具を中空体内部に挿入し、スライド用孔から一対のボルトが突出されるように、スライド金具を配置する。その後、上記一対の第1孔部に一対の第1ボルトを通しながら、シャックルのピン軸を覆うように曲げ板を配置した後、一対のナットを一対の第1ボルトに嵌めて上記曲げ板を固定する。これにより、吊り金具を、中空体に設置可能である。更に、一対のナットを緩めることで、吊り金具を、スライド用孔に沿ってスライド可能である。
【0018】
一実施形態に係るパネル状構造体は、上記第2方向において2つの上記パネル状構造体を連結するための第1連結具を更に備え、上記第2方向において、上記底板の長さは、上記天板の長さより短く、上記第1方向に直交する断面において、上記中空体は、上記第3方向からみて上記底板の両側に、第1張出部と第2張出部とを有し、上記第1連結具は、上記第1張出部において上記天板と反対側に取り付けられていてもよい。
【0019】
この場合、パネル状構造体において、底板側から第1連結具が突出することを防止できるので、たとえば、パネル状構造体を保管し易い。
【0020】
上記一対の側板それぞれは、上記天板に連結される第1領域と、上記底板に連結される第2領域と、上記第1領域と上記第2領域とを連結しており上記第3方向に交差する第3領域と、を有し、上記第1連結具は、上記一対の側板のうち上記第1張出部側の側板が有する上記第3領域に取り付けられていてもよい。
【0021】
上記第1連結具は、上記第2方向に延在にしているアームであって、上記第2方向における第1端部と反対側の第2端部が、上記一対の側板のうち上記第1張出部側の側板が有する上記第3領域に取り付けられるとともに、上記1端部が、上記第3方向からみて上記中空体から上記第2方向に突出している、上記アームと、第2金属板と、上記第2金属板に固定されており第1雌螺子孔が上記第2金属板の厚さ方向に沿って形成された第1ボス部とを有するホルダーと、上記第1ボス部に形成された上記第1雌螺子孔に螺合する繋止用ボルトと、上記繋止用ボルトが通される第1カラーであって、上記雌螺子孔に螺合された状態で、上記繋止用ボルトの頭部と上記第1ボス部の間に配置される上記第1カラーと、上記アームを上記中空体に取り付けるための取付ユニットと、を有し、上記アームの上記第1端部側に、上記第1ボス部をとおすボス用孔部が形成されており、上記ボス用孔部に上記第1ボス部を通した状態で、上記ホルダーは上記アームに螺子止めされており、上記ボス用孔部を通して上記アームから突出した上記第1ボス部に、上記第1カラーを介して上記繋止用ボルトが螺子止めされており、上記第1張出部において、上記第1連結具の取付位置には取付用凹部が形成されており、上記取付ユニットは、上記アームにおいて上記第1張出部と反対側に装着される固定金具であって、第3金属板と、上記第3金属板を厚さ方向に貫通した状態で上記第1方向に離間して固定された一対の第2ボルトとを有する上記固定金具と、上記取付用凹部に配置される座金プレートであって、第4金属板と、上記第4金属板に固定されており貫通孔を有する第2ボス部とを有しており、上記第4金属板には、上記一対の第2ボルトが通される一対の第2孔部が形成されている、上記座金プレートと、上記第2ボス部の上記貫通孔に通される位置決めピンと、上記一対の第2ボルトに嵌められ、上記座金プレートを上記固定金具に対して固定する一対の固定用ナットと、を有し、上記アームの上記第2端部側には上記一対の第2ボルトが通される一対の第3孔部が上記第1方向に離間して形成されているとともに、上記位置決めピンが通される第1ピン孔が形成されており、上記第3金属板には、上記位置決めピンが通される第2ピン孔が形成されており、上記取付用凹部の第2底部には、上記一対の第2ボルトを通すための一対の第4孔部および上記位置決めピンを通すための第5孔部が形成されていてもよい。
【0022】
第2方向において連結する2つのパネル状構造体を第1パネル状構造体および第2パネル状構造体と称し、第1パネル状構造体が有する第1連結具を第2パネル状構造体で受けることによって、2つのパネル状構造体を連結するとする。この場合、第1連結具では、第3方向からみて中空体から突出しているアームの第1端部側に繋止用ボルトが設けられている。したがって、繋止用ボルトを用いて容易に第1パネル状構造体を第2パネル状構造体に連結できる。また、上記位置決めピンを用いて、第1連結具の位置も決められる。
【0023】
上記一対の第3孔部は、上記第2端部から上記第2方向に延在いている長孔でもよい。この場合、取付ユニットを介して、第1連結具を第1張出部に取り付ける際、取付ユニットを第1張出部から取り外さずに、第1連結具を第1張出部に取り付けられる。
【0024】
上記アームにおいて、上記第3方向からみて上記中空体から突出している領域には、上記第1連結具によって連結すべきパネル状構造体を仮置きするための仮置き用凹部が形成されていてもよい。
【0025】
この場合、仮置き用凹部上に、上記連結すべきパネル状構造体を仮置きしながら2つのパネル状構造体を連結できる。
【0026】
一実施形態に係るパネル状構造体は、上記第1連結具を受ける受け具を更に備え、上記中空体のうち、上記第2方向において上記第1連結具と反対側には、上記第1連結具を受けるための受け構造が形成されており、上記受け構造は、上記天板に形成されており上記受け具が収容される収容凹部と、上記第3領域において上記収容凹部と反対側に形成された凸部と、を有し、上記収容凹部の第3底部と上記凸部の頂部とは一体化されており、上記第3底部には埋込みナットが埋め込まれており、上記受け具は、第5金属板と、上記第5金属板に固定されており第2雌螺子孔が上記第5金属板の厚さ方向に沿って形成された第4ボス部とを有する、スライド座金と、上記第4ボス部の上記第2雌螺子孔に嵌められる位置決め用のスプリングプランジャーと、を有し、上記第5金属板には、上記第1方向に沿って上記繋止用ボルトを通す第6孔部と、スライド用の第7孔部が形成されており、上記第6孔部は、上記繋止用ボルトの頭部がとおる第1領域と、上記第1領域から上記第7孔部側に延びており上記第2方向の幅が上記第1領域より狭い第2領域とを有し、上記第6孔部は、上記第1方向に延在しており、上記受け具は、上記第7孔部に、ボルトを通し上記埋込みナットに嵌めることで、上記第1方向にスライド可能に、上記収容凹部内に配置されており、上記第3底部には、上記受け具で上記第1連結具を受ける前の第1状態において、上記第6孔部が有する上記第1領域と対向する位置に上記繋止用ボルトを通すための第8孔部と、上記スライド座金が上記第1方向にスライドされる前の状態において上記スプリングプランジャーが通され上記スライド座金の位置を規定する第3ピン孔と、上記第1状態から上記スライド座金が上記第1方向にスライドされ上記第1連結具を受けた状態である第2状態において、上記スプリングプランジャーが通され上記スライド座金の位置を規定する第4ピン孔とが形成されていてもよい。
【0027】
前述したように、第2方向において連結する2つのパネル状構造体を第1パネル状構造体および第2パネル状構造体と称す。この場合、第1パネル状構造体が有する第1連結具を第2パネル状構造体が有する受け具で受けることによって、2つのパネル状構造体を連結できる。第2パネル状構造体が有する受け構造の上記収容凹部の底部は、上記凸部の頂部と一体化されており、収容凹部の第3底部には、第1連結具が有する繋止用ボルトを通すための第8孔部が形成されている。そのため、第1パネル状構造体の第1連結具が有する繋止用ボルトは、上記凸部側から上記第8孔部を通され得る。スライド座金は、上記第1状態において、第8孔部上に、スライド座金の第6孔部の第1領域が位置するように位置決めされているので、第8孔部を通った繋止用ボルトは、更に、スライド座金の第6孔部の第1領域を通る。この状態で、スライド座金を上記第2状態になるようにスライドさせることで、繋止用ボルトは相対的に第6孔部の第2領域に位置する。第2領域の第2方向の幅は第1領域より狭いことから、繋止用ボルトをねじ込むことで、第1パネル状構造体と第2パネル状構造体を連結できる。
【0028】
一実施形態に係るパネル状構造体は、上記第1方向において2つの上記パネル状構造体を連結するための一対の第2連結具を更に備え、上記第3方向からみて、上記中空体において上記第1方向における両端部には、上記一対の第2連結具が配置される一対の第2連結具用凹部が形成されており、上記第2連結具は、連結パイプと、上記連結パイプ内に配置されている保持軸であって、上記連結パイプの延びている方向と同じ方向に延びており且つ一対のナットが離間して設けられた上記保持軸と、上記保持軸にとおされており上記連結パイプ内において上記一対のナットの外側に配置され且つ上記連結パイプの内面に接する一対の第2カラーと、上記連結パイプの両端に配置される一対のLアングルであって、上記保持軸が通されるボス部が設けられており上記ボス部が設けられている側と反対側が、上記第3方向からみた場合における上記第2連結具用凹部の側面に接する第1板部と、上記第1板部に対して上記連結パイプと反対側に位置しており上記中空体の上記底板に螺子止めされる第2板部と、を有する上記一対のLアングルと、を備えてもよい。
【0029】
第1方向において2つのパネル状構造体を連結する場合に、一方のパネル状構造体を第1パネル状構造体と称し、他方のパネル状構造体を第3パネル状構造体と称す。この場合、第1方向において、第1パネル状構造体および第3パネル状構造体を、第1パネル状構造体の第2連結具と第3パネル状構造体の第2連結具とが対向し且つ互いの連結パイプが平行になるようには位置する。この状態で、第1パネル状構造体および第3パネル状構造体が有する第2連結具の連結パイプをたとえば単管自在クランプを用いて繋ぐことで、容易に第1方向において2つのパネル状構造体を連結できる。また、上記構成の第2連結具では、軽量化を図ることも可能である。
【0030】
上記天板、上記底板、上記一対の側板、上記一対の端板および一対の補強部材それぞれは、連続強化繊維から成る織物基材を含む繊維強化樹脂で一体に形成されていてもよい。この場合、パネル状構造体の軽量化が図れる。
【0031】
上記天板、上記底板、上記一対の側板、上記一対の端板および一対の補強部材それぞれは、アラミド繊維又はガラス繊維からなる非導電性の連続する連続繊維基材を含んでもよい。この場合、上記天板、上記底板、上記一対の側板、上記一対の端板および一対の補強部材は非導電性を有し得るため、感電などを防止可能である。
【0032】
本発明の他の側面に係る吊り足場は、上記パネル状構造体を複数連結することによって構成される吊り足場である。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、必要な曲げ強度・剛性を保持しつつ軽量化が可能なパネル状構造体およびそれを用いた吊り足場を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る吊り足場の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係るパネル状構造体の概略構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示したパネル状構造体の一部拡大図である。
【
図4】
図4は、
図2に示したパネル状構造体を説明するための一部断面を拡大した図面である。
【
図6】
図6は、
図2に示したパネル状構造体が有する中空体を底板側から見た斜視図である。
【
図7】
図7は、
図2に示したパネル状構造体に形成されている取付用凹部の平面図である。
【
図8】
図8は、
図2に示したパネル状構造体に形成されている受け構造が有する収容凹部の平面図である。
【
図9】
図9(a)は、天板の層構成を説明するための図面であり、
図9(b)は、底板の層構成を説明するための図面であり、
図9(c)は、側板の層構成を説明するための図面である。
【
図14】
図14は、第1連結具を受ける受け具の斜視図である。
【
図16】
図16(a)は、2つのパネル状構造体の連結時において、受け具で第1連結具を固定する前の状態を示す図面であり、
図16(b)は、2つのパネル状構造体の連結時において、受け具で第1連結具を固定した後の状態を示す図面である。
【
図17】
図17は、第2連結具の構成を説明するための図面である。
【
図19】
図19は、中空体に形成された凹部への第2連結具の取付方法を説明するための図面である。
【
図20】
図20は、2つのパネル状構造体を第2方向に連結する場合の方法における一工程を示す図面である。
【
図21】
図21は、2つのパネル状構造体を第2方向に連結する場合の方法において、
図21に示した工程の後工程を示す図面である。
【
図22】
図22は、2つのパネル状構造体を第2方向に連結する場合の方法において、
図22に示した工程の後工程を示す図面である。
【
図23】
図23(a)は、2つのパネル状構造体を第2方向に連結する場合の方法において、
図22に示した工程の後工程を示す図面であり、
図23(b)は、
図23(a)の後工程を示す図面である。
【
図24】
図24(a)は、2つのパネル状構造体を第2方向に連結する場合の方法において、
図23(b)に示した工程の後工程を示す図面であり、
図24(b)は、
図24(a)の後工程を示す図面であり、
図24(c)は、
図24(b)の後工程を示す図面である。
【
図25】
図25は、
図24(c)において2つのパネル状構造体を第2方向に連結された状態の斜視図である。
【
図26】
図26は、2つのパネル状構造体が第1方向に連結する場合の方法を説明するための図面である。
【
図27】
図27(a),(b)および(c)は、2つのパネル状構造体が第1方向に連結する場合において、2つのパネル状構造体が有する第2連結具の連結方法を説明するための図面である。
【
図28】
図28は、第2連結具の変形例を説明するための図面である。
【
図29】
図29は、パネル状構造体の製造において、底板、一対の側板および一つの端板で構成される部材を形成するための第2成形型の斜視図である。
【
図30】
図30は、パネル状構造体の製造において、天板を形成するための第1成形型の斜視図である。
【
図31】
図31は、パネル状構造体の製造において、補強部材を形成するための第3成形型の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において同一部分又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0036】
図1に示したように、吊り足場1は、一方向に延在する複数の支持材101にフック付きチェーン102によって懸架される足場である。支持材101は、たとえば、支持材101の延在方向に延在する橋梁の長手方向に延在するI型の桁材である。フック付きチェーン102は、通常は金属製であるが、アラミド繊維製のロープを懸架に使用すれば、感電を防止できる点で好ましい。
【0037】
吊り足場1は、複数のパネル状構造体2を連結することによって構成されている。パネル状構造体2の厚さ方向からみた場合に、パネル状構造体2は長方形を呈する。
【0038】
説明の便宜のため、
図1に示したように、パネル状構造体2の長手方向をX方向(第1方向)と称し、X方向に交差するパネル状構造体2の幅方向をY方向(第2方向)と称し、X方向およびY方向に交差するパネル状構造体2の厚さ方向(吊り足場1がフック付きチェーン102でつられた際の上下方向または鉛直方向)をZ方向(第3方向)と称す。X方向、Y方向およびZ方向は上記のように互いに交差していればよいが、本実施形態では、断らない限り、X方向、Y方向およびZ方向は直交している。支持材101に吊り足場1が懸架された状態において、吊り足場1(またはパネル状構造体2)からみて支持材101側を「上」方向と称し、支持材101と反対側を「下」方向とも称す。
【0039】
更に、説明の便宜のため、Y方向において連結された2つのパネル状構造体2のうち一方をパネル状構造体2Aと称したとき、パネル状構造体2Aに連結される他方のパネル状構造体2をパネル状構造体2Bと称す場合もある。更に、上記パネル状構造体2Aに対してX方向に連結されるパネル状構造体2をパネル状構造体2Cと称す場合もある。
【0040】
図2および
図3に示したように、パネル状構造体2は、パネル本体3と、フック付きチェーン102を受ける吊り金具220と、2つのパネル状構造体2をY方向に沿って連結するための第1連結具300と、第1連結具300を受ける受け具550と、2つのパネル状構造体2をX方向に連結するための第2連結具700とを有する。Z方向から見た時のパネル状構造体2の長辺長さ×短辺長さを投影面積とする単位面積当たりの重量は、たとえば、12kg/m
2以上17kg/m
2以下である。
【0041】
図2~
図10を主に利用してパネル本体3を説明する。
図2~
図5に示したように、パネル本体3は、中空であり箱形の中空体100と、中空体100内に配置される一対の補強部材160とを有する。
【0042】
図2に示したように、中空体100は、Z方向からみた場合、X方向が長辺方向である略長方形を呈する。中空体100におけるX方向の両端部には、Z方向からみた場合、各端部がU形をなすように凹部(第2連結具用凹部)103が形成されている。
【0043】
Z方向から見た時の中空体100(またはパネル本体3)のY方向の長さ(W)と、X方向の長さ(L)との比率である細長比(W/L)は、下記式(1)を満たす。
1/5≦W/L≦1/3・・・(1)
【0044】
図3、
図4および
図5に示したように、中空体100は、天板110、底板120、一対の側板130及び一対の端板140を備える。
【0045】
(天板)
天板110はパネル本体3(または、パネル状構造体2)の天部である。天板110は、Z方向から見たとき、凹部103の形状に沿う切り欠けを有する。天板110は、板厚方向がZ方向に沿うように配置されている。天板110には、パネル状構造体2を連結する際に使用する複数の座金付き埋込みナット640(四角座金にナットを溶着したもの)が埋め込まれている。
【0046】
<底板>
底板120はパネル本体3(または、パネル状構造体2)の底部であり、天板110に対して対向して配置されている。底板120は、Z方向から見たとき、凹部103の形状に沿う切り欠けを有する。底板120は、板厚方向がZ方向に沿うように配置されている。
底板120のY方向の長さは、天板110の長さより短い。天板110のY方向の短辺の長さ(幅)Wに対して、底板120のY方向の短辺の長さ(幅)W
B(
図4参照)は、たとえば、下記式(2)を満たす。
0.6≦W
B/W≦0.7…(2)
【0047】
Z方向から見たときの中空体100(またはパネル状構造体2)の短辺の長さ(W)に対して、天板110の上面と底板120の下面とのZ方向の距離である全高さ(H)は、たとえば、下記式(3)を満たす。
1/10≦H/W≦1/7…(3)
【0048】
<側板>
一対の側板130はパネル本体3(または、パネル状構造体2)のY方向における一対の側部である。
【0049】
一対の側板130はX方向に延在し、Y方向に対向して配置される。底板120のY方向の幅は、天板110の幅より短い。したがって、側板130は、X方向に交差する断面において、Z方向、Y方向およびZ方向に例えばクランク状に曲がった板形状を成している。具体的には、側板130は天板110に接続されている第1領域131と、底板120に接続されている第2領域132と、第1領域131と第2領域132とを繋ぐ第3領域133とを有する。
【0050】
このように底板120のY方向の長さが天板110の長さより短く且つ一対の側板130それぞれがクランク状を呈し且つことによって、中空体100のX方向に直交する断面は、T形状を有する。具体的には、中空体100は、Z方向からみて底板120の両側から外側に張り出した張出部(第1張出部)150Aおよび張出部(第2張出部)150Bを有し、張出部150Aおよび張出部150Bの間の部分(底板120の部分)が、下方に膨らんでいる。
【0051】
張出部150A側の側板130が有する第3領域133は張出部150Aの下面である。張出部150Aの下面として機能する第3領域133には、一対の凸部480(
図6参照)が形成されている。一対の凸部480は、パネル本体3に一対の第1連結具300を取り付ける場合のガイドの機能を有する。
【0052】
張出部150B側の側板130が有する第3領域133は張出部150Bの下面である。張出部150Bを形成する第3領域133には、X方向に離間してY方向に延在すると共に、一対の凸部485が形成されていてもよい。この一対の凸部485(
図6参照)は、第1連結具300を用いて2つのパネル状構造体2を連結する際に、X方向の位置ズレを回避するための案内ガイドの機能を有する。
【0053】
張出部150Aおよび張出部150Bにおける第3領域133には、
図6に示したように、複数の矩形状の孔部490がX方向に離間して形成されていてもよい。孔部490は、パネル状構造体2の張出部150Bの長辺を下にして運搬・把持する時またはパネル状構造体2を水平にして運搬する時の手を引っ掛けるための穴でもある。
【0054】
<端板>
図2及び
図3に示したように、一対の端板140はパネル本体3(または、パネル状構造体2)のZ方向の一対の端部である。一対の端板140はY方向に延在し、Z方向に交差する断面において例えばハット形を成し、X方向に対向して配置される。板厚方向はX方向の両端部位に形成されたU形の凹部103の形状に沿った断面の直角方向である。
【0055】
上記中空体100は、中空体100に吊り金具220を取り付けるための一対の吊り金具用凹部200、第1連結具300を取り付けるための取付用凹部430、および、Y方向において2つのパネル状構造体2を連結する際に、一方のパネル状構造体2(パネル状構造体2A)が有する第1連結具300を、他方のパネル状構造体2(パネル状構造体2B)が受けるための受け構造500を有する。
【0056】
[吊り金具用凹部]
図2~
図4に示したように、一対の吊り金具用凹部200は、天板110のY方向における中央部に形成されている。一対の吊り金具用凹部200は、X方向に離間して形成されている。
【0057】
吊り金具用凹部200は、X方向に延在しており、Z方向からみて天板110の中心線(X方向に延在する中心線)に沿って形成されている。吊り金具用凹部200は、Z方向から見たとき例えば長孔形状を成している。吊り金具用凹部200のY方向の幅と深さは、吊り金具用凹部200に配置される吊り金具220の大きさに応じて設計されている。つまり、吊り金具用凹部200の幅は、吊り金具220が有するシャックル250が収まる幅であり、深さはシャックル250を回転して倒し格納したとき吊り金具220の頭が天板110の上面より突出しない深さである。
【0058】
図3~
図5に示すように、吊り金具用凹部200の底部(第1底部)201の中心線上には、スライド用孔210が形成されている。スライド用孔210は、底部201を厚さ方向に(パネル本体3内部に向けて)貫通しており、X方向に延在している長孔である。スライド用孔210のX方向の長さは、複数の支持材101の離間距離に対応した長さであればよい。たとえば、スライド用孔210の長さは、0.8mから2.5mまでの懸架位置に対応可能な長さとし得る。
【0059】
底板120において、一対の吊り金具用凹部200に対向する位置に一対の挿入口(
図6参照)170が形成されている。一対の挿入口170は、吊り金具220をパネル本体3に取り付ける際に吊り金具220の一部を構成する金具を挿入するための孔部である。
【0060】
[取付用凹部]
図2および
図3に示したように、取付用凹部430は、第1連結具300の取付位置に対応して形成されている。本実施形態では、X方向に離間して2つの第1連結具300がパネル本体3の張出部150Aに取り付けられている。したがって、2つの取付用凹部430が、X方向に離間して張出部150Aに設けられている。
図5に示したように、取付用凹部430の底部(第2底部)431は、側板130のうち第3領域133と一体化している。
図7に示したように、底部431には、第1連結具300の取り付けに使用する孔部(第5孔部)431a、孔部(第4孔部)431bおよび孔部(第4孔部)431cが形成されている。孔部431a、孔部431bおよび孔部431cは、
図7に示したように、孔部431c、孔部431aおよび孔部431bの順にX方向に沿って形成されている。
【0061】
[受け構造]
図2および
図3に示したように、受け構造500は、Y方向において第1連結具300と反対側において、張出部150Bに設けられている。本実施形態では、パネル本体3は2つの第1連結具300を有するため、パネル本体3は、2つの受け構造500を有する。
【0062】
図5に示したように、受け構造500は、天板110に形成された収容凹部501と、側板130の第3領域133に形成された凸部502(第3領域133を下側からみた場合は、凹部)とを含む。
【0063】
収容凹部501の底部(第3底部)と凸部502の頂部とは一体化しており、収容凹部501の底部または凸部502の頂部)は収容凹部501と凸部502を隔てる隔壁503として機能する。収容凹部501には、
図3に示したように、第1連結具300を受ける受け具550が配置されている。
図8に示したように、隔壁503(収容凹部501の底部または凸部502の頂部に相当)には、2つのパネル状構造体2(パネル状構造体2Aおよびパネル状構造体2B)の第1連結具300による連結に使用するための孔部(第8孔部)510と、ピン孔(第3ピン孔)580aおよびピン孔(第4ピン孔)580bが形成されている。孔部510と、ピン孔580aおよびピン孔580bは、ピン孔580b、ピン孔580aおよび孔部510の順にX方向に沿って形成されている。孔部510は、Y方向の長さがX方向の長さより長い孔でもよい。隔壁503において、孔部510からみてピン孔580aと反対側には、座金付き埋込みナット570(四角座金にナットを溶着したもの)が埋め込まれている。
【0064】
[補強部材]
図4および
図5に示したように、一対の補強部材160は、中空体100(パネル本体3)の内部に配置される。一対の補強部材160は、Z方向からみて天板110の中心線(X方向に延在する中心線)を挟み且つ所定の距離に離間して配置されている。本実施形態では、一対の補強部材160は、Z方向からみて、吊り金具用凹部200の両側に配置されている。補強部材160は、中空体100のX方向に延在している。補強部材160は、Z方向からみて中空体100の両端に設けられた一対の凹部103の一方の凹部103から他方の凹部103まで延在していてよい。
【0065】
補強部材160は、一対のフランジ(上部フランジ161および下部フランジ162)とウェブ163とを有する。上部フランジ(第1フランジ)161は、天板110側に位置しており、天板110に接する板状部材である。下部フランジ(第2フランジ)162は、底板120側に位置しており、底板120に接する板状部材である。上部フランジ161および下部フランジ162は、それらの板厚方向がZ方向であるように配置されている。ウェブ163は、上部フランジ161および下部フランジ162を連結する板状部材である。ウェブ163は、その板厚方向がY方向であるように配置されている。補強部材160のX方向に交差する断面は、例えばH形またはI形を呈している。補強部材160は、たとえば、H形リブまたはI形リブである。
【0066】
(パネル本体の材料)
パネル本体3(具体的には、天板110、底板120、側板130、端板140および補強部材160)は、連続強化繊維から成る織物基材を含む繊維強化樹脂または繊維強化プレスチックによって形成されてもよい。これにより、たとえば、耐候性、耐食性に優れ、高い曲げ剛性を保持しつつ、軽量で取扱性に優れたパネル状構造体2を実現できる。天板110、底板120、側板130、端板140および補強部材160それぞれは、たとえば、型を用いた成形技術によって形成され得る。底板120、一対の側板130および一対の端板140は一体的に形成されてもよい。
【0067】
天板110、底板120、側板130、端板140および補強部材160は、非導電性を有する材料で形成されてもよい。たとえば、天板110、底板120、側板130、端板140および補強部材160は、アラミド繊維又はガラス繊維からなる非導電性の連続繊維基材を含む材料を含んでもよい。たとえば、天板110、底板120、側板130、端板140および補強部材160それぞれは、上記非導電性の連続繊維基材を10質量%以上40質量%以下含んでもよい。これにより、高い曲げ剛性を保持しつつ、通電しないパネル状構造体2を得ることができる。
【0068】
強化繊維の形態としては、例えば、「繊維長が1~3mmである短繊維」や「マット」、「連続繊維からなるクロス」、「ストランド」などを適宜組み合わせた基材が例示される。
【0069】
繊維強化樹脂とするためのマトリックス樹脂は特に限定しないが、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ABS(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン)、PEEK(ポリ・エーテル・エーテル・ケトン)、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0070】
繊維強化樹脂を形成する成形方法としては、強化繊維の形態によっては真空、ブロー、スタンピング、BMC(バルク・モールディング・コンパウンド)、SMC(シート・モールディング・コンパウンド)、トランスファー成形、RTM(レジン・トランスファー・モールディング)、ハンドレイアップ成形などの様々な方法を用いて容易に形成することができる。
【0071】
図9及び
図10は、パネル本体3を繊維強化樹脂で形成する場合の層構成の例を示す模式図である。
図9(a)は、天板110の層構成の例を示すための図であり、
図5の領域α1の拡大図に相当する。
図9(b)は、底板120の層構成の例を示すための図であり、
図5の領域α2の拡大図に相当する。
図9(c)は、側板130の層構成の例を示すための図であり、
図5の領域α3の拡大図に相当する。
図10は、補強部材の層構成の例を示す図である。端板140の層構成は、側板130の層構成と同様とし得るので、図示は省略している。
【0072】
図9(a)に示したように、天板110は、繊維強化樹脂で形成された複数の層が積層された多層構造を有し得る。
【0073】
たとえば、天板110は、第1層110aを有する。第1層110aにおいて、張出部150Aと張出部150Bの間の中央部(Z方向からみて天板110のうち底板120と重なる部分)に対応する領域上には第2a層110bおよび第3a層110cが積層され、張出部150Aと張出部150Bそれぞれに対応する領域上は第2b層110dおよび第3b層110eが積層されている。
図9(a)は、前述したように、
図5の領域α1の拡大図に相当するため、
図9(a)では、張出部150Aのみ図示しているが、張出部150B側も同様である。
【0074】
第1層110aは、天板110の外面として機能する。第2a層110b、第3a層110c、第2b層110dおよび第3b層110eは、中空体100において第1層110aより内側に配置される層である。第2a層110bおよび第3a層110cは、同じ材料で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。同様に、第2b層110dおよび第3b層110eは、同じ材料で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。
【0075】
第2a層110bおよび第3a層110cが同じ材料で形成されており、第2b層110dおよび第3b層110eが同じ材料で形成されている場合、天板110に対して補強部材160が配置される領域に位置する第2a層110b(第3a層110c)の弾性率が一番大きいように材料が選択され得る。
【0076】
図9(b)に示したように、底板120も、繊維強化樹脂で形成された複数の層が積層された多層構造を有し得る。
【0077】
たとえば、底板120は、第1層120aと、第1層120aに積層された第2層120bとを有する。第1層120aは、底板120の外面として機能する。第2層120bは、中空体100において第1層120aより内側に配置される層である。第2層120bは、第1層120aより大きい弾性率を有する材料で形成され得る。
【0078】
図9(c)に示したように、側板130も、繊維強化樹脂で形成された複数の層が積層された多層構造を有し得る。
【0079】
たとえば、側板130は、第1層130aと、第1層130aに積層された第2層130bとを有する。第1層130aは、側板130の外面として機能する。第2層130bは、中空体100において第1層130aより内側に配置される層である。第2層130bは、第1層130aより大きい弾性率を有する材料で形成され得る。
【0080】
図10に示したように、補強部材160は、第1層160aおよび第2層160bを有する。補強部材160を、
図10に示したように、X方向に直交する断面の形状がコの字状である2つのコの字部材160A,160Bの接合体とした場合、第1層160aは、コの字部材160A,160Bそれぞれの外側の層であり、第2層160bは、第1層160a上(或いは第1層160aの内面)に積層された層である。
【0081】
補強部材160を、2つのコの字部材160A,160Bの接合体とした場合、2つのコの字部材160A,160Bは、それぞれの第1層160aのうちウェブ163に相当する領域が接するように接合されている。第2層160bは、第1層160aより大きい弾性率を有する材料で形成され得る。
【0082】
前述したように、第2a層110bおよび第3a層110cが同じ材料で形成されており、第2b層110dおよび第3b層110eが同じ材料で形成されている場合、第1層110a、第1層120a、第1層130aおよび第1層160aが同じ材料で形成され、第2a層110b(第3a層110c)および第2層120bが同じ材料で形成され、第2b層110d(第3b層110e)、第2層130bおよび第2層160bが同じ材料で形成されてもよい。
【0083】
[吊り金具]
図11を利用して吊り金具220を説明する。吊り金具220は、スライド金具240と、シャックル250と、曲げ板270と、を有する。
【0084】
スライド金具240は、長方形の金属板(第1金属板)241と、一対のボルト(第1ボルト)230とを有する。一対のボルト230は、金属板241の長辺方向(
図11のX方向)において一定の間隔で配置されるとともに金属板241を厚さ方向に貫通した状態で固定(たとえば溶着)されている。
図11に示した形態では、一対のボルト230は、金属板241の下面側にボルト230の頭部231が位置し、上面側からボルト230の螺子部232が突出した状態で、金属板241に固定されている。
【0085】
シャックル250は、フック付きチェーン102が繋がれる部品であり、スライド金具240の上面(螺子部232側)に配置されている。シャックル250は、U字形を呈して得る。シャックル250は、バウ形またはストレート形のシャックルでもよい。
【0086】
曲げ板270は、シャックル250をスライド金具240に回転可能に取り付けるための部材である。曲げ板270は、一対の平板領域271と、それらを連結する曲げ領域272とを有する。曲げ領域272の曲がり具合は、曲げ板270をスライド金具240に取り付けた状態で、曲げ領域272とスライド金具240の金属板241との間にシャックル250のピン軸251が回転可能な状態であればよい。曲げ板270は、たとえばΩ字形状を呈する。一対の平板領域271には、一対のボルト230を通す一対の孔部(第1孔部)271aが形成されている。
【0087】
吊り金具220は、スライド金具240に対してシャックル250のピン軸251を配置し、ピン軸251を曲げ領域272で覆って且つ孔部271aにボルト230を通し螺子止用ナット260で固定することで構成されている。ボルト230の螺子部232には、円周溝285が設けてあり、円周溝285にE型止め輪280が装着されてもよい。これにより、螺子止用ナット260が抜け落ちるのを防止することができる。
【0088】
吊り金具220は、パネル本体3に次のように取り付けられる。
【0089】
底板120に形成された挿入口170(
図6参照)より吊り金具220のスライド金具240をパネル本体3内に挿入する。したがって、挿入口170は、スライド金具240を挿入可能に形成されていればよい。次に、パネル状構造体2の内部からZ方向上方に向かってスライド金具240の一対のボルト230を吊り金具用凹部200内に突き出す。具体的には、一対のボルト230を、吊り金具用凹部200の底部201に設けられたスライド用孔210に差し入れ且つ突き出す。この状態で、Z方向上方からシャックル250のピン軸251を曲げ領域272で挟み込むようにして曲げ板270をスライド金具240に対して配置する。この際、一対のボルト230を一対の孔部271aに通す。その後、螺子止用ナット260を一対のボルト230に嵌めて螺子止めすることで、吊り金具220の設置が完了する。前述したように、抜け落ち防止用のE型止め輪280を使用する場合には、螺子止用ナット260で螺子止めを取り付けた後にE型止め輪280を装着する。
【0090】
吊り金具220および吊り金具用凹部200の構成では、螺子止用ナット260を緩め吊り金具220をスライドさせ再度螺止すれば支持材101の離間距離に容易に合わせることができる。更に、パネル状構造体2の運搬時、短辺方向の連結において一点での懸架の時など、シャックル250を倒して吊り金具用凹部200内に収めることができるので、パネル状構造体2上での作業に支障をきたすことはない。つまり、引っ掛けによる転倒などの危険性を回避できる。
【0091】
[第1連結具]
第1連結具300は、2つのパネル状構造体2(パネル状構造体2Aおよびパネル状構造体2B)をY方向に連結するための連結具(長辺連結具)である。
図2に示したように、一対の第1連結具300は、パネル本体3のY方向における一対の側部の一方において、X方向に離間して配置されている。一対の第1連結具300はX方向に離間しX方向とは直角にY方向に張出部150Aより突き出た形態で配置される。
【0092】
図3に示したように、第1連結具300は、Y方向に延在しており、Y方向における一方の端部側がパネル本体3に取付ユニット400によって取り付けられている。パネル状構造体2をZ方向からみた場合、第1連結具300のY方向おける他方の端部側は、パネル本体3から外側に突出している。第1連結具300の説明において、パネル本体3から突出している側を先端部と称し、パネル本体3に固定される側(上記先端と反対側)を後端とも称す。
【0093】
図12および
図13を利用して第1連結具300を説明する。
図12は、第1連結具300の分解斜視図であり、
図13は、第1連結具300をより詳細に分解した場合の第1連結具300の分解斜視図である。第1連結具300は、アーム320と、繋止用ボルト350と、カラー(スペーサー)360と、ホルダー330とを有する。
【0094】
アーム320は、Y方向に延在している。アーム320は、たとえば、天板110、底板120等に関して例示した材料と同様の材料(たとえば、連続強化繊維から成る織物基材を含む繊維強化樹脂)によって形成できる。アーム320は、非導電性を有してもよい。この場合、アーム320は、たとえば非導電性の強化繊維基材を含む繊維強化樹脂によって形成され得る。アーム320のY方向に直交する断面の形状は、たとえばM字型である。このようにアーム320の上記断面の形状をM字型とすることによって、捩れが抑制される。上記断面の形状は、矩形であっても、円筒状であってもよい。
【0095】
アーム320の第1端部320a側が、第1連結具300の先端部側である。アーム320の第2端部320b側が、第1連結具300の後端部側である。アーム320の第2端部320b側が張出部150Aに固定されている。
【0096】
アーム320は、天部321と、天部321の長辺に下方に向けて接続された一対の側部322とを有する。一実施形態において、天部321と側部322とのなす角度は実質的に90度である。天部321および一対の側部322は、一体的に形成され得る。
【0097】
天部321は、X方向における中央領域にY方向に延在する溝部(或いは凹部)321aを有する。溝部321aの深さは、側部322の長さより短い。溝部321aの底面には、
図13に示したように、第1端部320aから第2端部320b(Y方向において第1端部320aと反対側の端部)に向けて順にボス用孔部395と、孔部396と、ピン孔(第1ピン孔)397が形成されている。
【0098】
ボス用孔部395は、ホルダー330が有するボス部332を通すための孔部である。孔部396は、ホルダー330をアーム320に取り付けるための孔部である。ピン孔397は、第1連結具300のY方向の位置決めに使用する孔部である。
【0099】
X方向において、天部321における溝部321aの両側の部分(以下、「フランジ部321b」と称す)には、凹部(仮置き用凹部)380が形成されていてもよい。凹部380は、Z方向からみてアーム320のうちパネル本体3より突出している領域(以下、「突出領域」とも称す)に形成され得る。より具体的には、上記突出領域のうちホルダー330の位置より第2端部320b側に形成され得る。
【0100】
凹部380は、2つのパネル状構造体2の長辺同士を連結する際、2つのパネル状構造体2のY方向の前後のズレを防ぐ位置ガイドとして機能する。凹部380が形成されていることによって、2つのパネル状構造体2の長辺同士を連結する際、連結される側のパネル状構造体2の長辺の張出部150Bを凹部380に仮置きすることも可能である。
【0101】
フランジ部321bの第2端部320b側には、アーム320をパネル本体3(具体的には張出部150A)に取り付けるための一対の孔部(第3孔部)390が形成されている。孔部390は、フランジ部321bに形成されており、第2端部320bからY方向に延在する長孔でもよい。孔部390が長孔であることによって、固定金具410を外すことなくアーム320をパネル本体3に着脱可能である。
【0102】
ホルダー330は、金属板(第2金属板)331に円筒状のボス部(第1ボス部)332が固定(たとえば溶着)された構成を有する。
【0103】
金属板331は、Z方向からみてY方向を長辺方向とする長方形を呈する。金属板331の短辺方向の長さ(X方向の長さ)は、一対の側部322の間に配置され得る長さであればよく、たとえば、溝部321aの底面のX方向の長さと同じである。金属板331には、ホルダー330をアーム320に固定するボルト340を通すための孔部331aが形成されている。
【0104】
ボス部332は、円筒状を呈する。具体的には、ボス部332には、金属板331の厚さ方向に沿って(或いはボス部332の中心線に沿って)雌螺子孔(第1雌螺子孔)332aが形成されている。雌螺子孔332aは、内面に雌螺子溝が形成された孔である。金属板331においてボス部332が固定されている部分には、ボス部332の雌螺子孔332aに嵌め合わされた繋止用ボルト350が通り得る孔部(不図示)が形成されていてもよい。
【0105】
ホルダー330は、ボス部332をボス用孔部395に通した状態で、アーム320に固定されている。具体的には、ボス部332をボス用孔部395に通した状態で、アーム320側からボルト340を孔部396および孔部331aを通した後、ボルト340をナット333で固定する。ナット333は、金属板331の裏面に固定(たとえば溶着)されていてもよい。この場合、ナット333もホルダー330の一部であってもよい。
【0106】
繋止用ボルト350は、ホルダー330をアーム320に固定した状態で、ボス用孔部395を通ったボス部332にカラー(第1カラー)360を介してボス部332に嵌め合わされる。前述したように、金属板331におけるボス部332の固定領域に、繋止用ボルト350を通すための孔(ボス部332の雌螺子孔332aに繋がった孔)が形成されており、その孔をとおして、繋止用ボルト350の先端が金属板331から突き出る場合、繋止用ボルト350の先端側には、抜け止め用のE型止め輪370が装着されてもよい。この場合、繋止用ボルト350は、先端近傍にE型止め輪370を装着するための円周溝375を備えたフランジ付き六角ボルトであり得る。
【0107】
カラー360は、樹脂製のカラーでよい。カラー360は、たとえばナイロンで形成されている。カラー720の材料は、たとえば、三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ社製のMCナイロンでよい。カラー360が樹脂製であることによって、パネル状構造体2の軽量化が図れる。カラー360は、繋止用ボルト350のねじ込み長さを調整するスペーサーの役目と、Y方向に沿って2つのパネル状構造体2を連結する際に、連結されるべきパネル状構造体2を適切な繋止の位置に導く摺動ガイドの機能を有する。
【0108】
第1連結具300は、パネル本体3に、
図12および
図13に示した取付ユニット400によって取付けられる。取付ユニット400は、固定金具410と、固定金具410を受ける受け部420を有する。
【0109】
固定金具410は、アーム320の天部321の下面且つY方向において第2端部320b側に装着される部品である。固定金具410は、天部321の下面の形状に沿った形状を有する金属板(第3金属板)411と、金属板411の一対のツバ部412に挿通され且つ固定(たとえば溶着)された一対のボルト(第2ボルト)413とを有する。
【0110】
金属板411には、受け部420が有する位置決めピン450が通されるピン孔(第2ピン孔)470が形成されている。ピン孔470は、Z方向からみて、一対のボルト413の中心線(軸線)間の中央部分に形成されている。ボルト413は、たとえば六角ボルトである。
【0111】
受け部420は、座金プレート440と、位置決めピン450と、固定用ナット460とを有する。
【0112】
座金プレート440は、Z方向からみた形状が長方形である金属板(第4金属板)443を有し、金属板443には、一対のボルト413が通される一対の孔部(第2孔部)442が形成されている。一対の孔部442の間には、ボス部(第2ボス部)441が固定(たとえば溶着)されている。ボス部441には位置決めピン450を通すための貫通孔441aが、金属板443の厚さ方向に沿って(またはボス部441の中心線に沿って)形成されている。ボス部441は、金属板443を貫通していてもよい。ボス部441が金属板443を貫通していない場合、金属板443においてボス部441の固定位置には、貫通孔441aに繋がった貫通孔が形成されていればよい。
【0113】
位置決めピン450は、ボス部441の貫通孔441aに通されている。位置決めピン450のうちボス部441から突き出した部分(金属板443の下面側の部分)には、圧縮コイルバネ451が嵌められている。位置決めピン450のうち圧縮コイルバネ451から突き出した部分には、圧縮コイルバネ451の位置を規制するためのE型止め輪452が取り付けられている。圧縮コイルバネ451およびE型止め輪452(止め部材)も受け部420の一部でもよい。
【0114】
上記構成の取付ユニット400を用いて第1連結具300は次のようにパネル本体3に取り付けられる。
【0115】
座金プレート440のボス部441に位置決めピン450が通され且つ位置決めピン450に圧縮コイルバネ451およびE型止め輪452を取り付けた状態で、座金プレート440は、取付用凹部430(
図2参照)に配置されている。この際、位置決めピン450のうちボス部441から突き出た部分(圧縮コイルバネ451およびE型止め輪452が取り付けられた部分)は、
図7に示した孔部431aに通されている。
【0116】
アーム320のY方向の位置を決定する。この場合、張出部150A側の側板130が有する第3領域133に凸部480(
図6参照)が形成されている形態では、アーム320の溝部321aを凸部480(
図6参照)に嵌め合わせて、凸部480でX方向の位置を規制しながら、アーム320のY方向の位置を決定する。このように、凸部480は、第1連結具300をY方向に突き出た形態でX方向と直角に配置するためのガイドキーの役目を果たし得る。
【0117】
アーム320の位置が決まった状態で、アーム320の下側から、一対のボルト414をアーム320の一対の孔部390に通し、固定金具410をアーム320の下面に嵌め合わせる。この際、一対の孔部390から上方向に抜けた一対のボルト414を、
図7に示した孔部431bおよび孔部431c並びに取付用凹部430に配置された座金プレート440の一対の孔部422に通す。
【0118】
第1連結具300のY方向の位置を調整した後、位置決めピン450をピン孔397およびピン孔470(
図13参照)に通し、第1連結具300のY方向の位置を規定する。
【0119】
その後、取付用凹部430内に突出した一対のボルト414に固定用ナット460を嵌めて固定する。
【0120】
上記のように、取付用凹部430の底部431に形成された孔部431aは、位置決めピン450用の孔であり、孔部431bおよび孔部431cは、一対のボルト414用の孔である。したがって、孔部431a,431b,431cの大きさおよび配置関係は、位置決めピン450および一対のボルト414に対応するものであればよい。
【0121】
上記第1連結具300の取付構造では、ピン孔397およびピン孔470の両方に位置決めピン450が挿通される。これにより、Z方向からみてパネル本体3から第1連結具300が突出する長さを規定するとともにアーム320の抜け落ちを防止できる。ピン孔397は円形でもよくY方向の長孔でも良い。ピン孔397を長孔(または複数個の円形穴でも良い)にすることにより、アーム320のY方向の出代を可変できる。この場合、一方のアーム320の固定位置を通常の位置のままにしておき、一方の出代を大きくすることによって、Y方向において隣接する2つのパネル状構造体2(パネル状構造体2Aとパネル状構造体2B)の長辺間に三角形の隙間ができ、この三角形の隙間を繰り返し形成することにより、カーブのある道路や橋梁などに対応できる。
【0122】
圧縮コイルバネ451が常にピン孔397に差し込まれる状態を保持することにより第1連結具300の抜け落ちを防止できる。
【0123】
アーム320には、一対の孔部390が第2端部320bからY方向に沿って形成されていることから、固定金具410を外すことなくアーム320を着脱できる。
【0124】
[受け具]
図14および
図15を利用して受け具550を説明する。受け具550は、スライド座金(第5金属板)551と、スプリングプランジャー530とを有する。スライド座金551は、Z方向からみた場合、X方向が長辺方向である長方形状を呈する金属板である。スライド座金551のX方向に直交する断面形状は、U字形状を呈してもよい。
【0125】
スライド座金551には、X方向に離間して長孔(第6孔部)520と、長孔(第7孔部)525が形成されている。長孔520は、第1領域521と第2領域522とを有する。第1領域521は、繋止用ボルト350の頭部351が通る大きさを有する。第2領域522は、第1領域521から長孔525側に延びた領域である。第2領域522のY方向の幅は、第1領域521より狭く、繋止用ボルト350の螺子部352が通る大きさを有する。
【0126】
長孔525は、スライド座金551をX方向にスライドさせるための孔である。長孔525には、径違いカラー561が装着され、径違いカラー561にはバネ座金562を介して取付ボルト560が通されている。径違いカラー561は、
図15のZ方向において径が異なるカラー(下側に小径部および上側に大径部を有するカラー)である。径違いカラー561は樹脂製でもよい。取付ボルト560を、パネル状構造体2の内部に予め配置し一体的に成形した四角座金にナットが溶着されてなる座金付き埋込みナット570を介して螺止することで、スライド座金551が収容凹部501に配置される。この際、取付ボルト560は、スライド座金551がX方向にスライド可能であるように、座金付き埋込みナット570に螺子止めされていればよい。取付ボルト560を座金付き埋込みナット570に螺子止めすることで、スライド座金551の浮き上がりが防止されている。径違いカラー561、バネ座金562および取付ボルト560も受け具550の一部でもよい。同様に、座金付き埋込みナット570も座金付き埋込みナット570の一部でもよい。
【0127】
スライド座金551において、長孔520からみて長孔525と反対側にはボス部(第4ボス部)540が設けられている。ボス部540には、スライド座金551の厚さ方向に沿って(ボス部540の中心線に沿って)、雌螺子孔(第2雌螺子孔)541が形成されている。雌螺子孔531には、位置決め用のスプリングプランジャー530が嵌め合わされている。スライド座金551において、ボス部540の形成位置には、スプリングプランジャー530を通すための孔(不図示)が形成されている。スプリングプランジャー530は、ナット542で固定されている。ナット542も受け具550の一部でもよい。
【0128】
図16(a)および
図16(b)を利用して、2つのパネル状構造体2(パネル状構造体2Aおよびパネル状構造体2B)を、第1連結具300および受け具550を用いてY方向に連結する方法を説明する。
【0129】
図16(a)に示したように、受け具550は、第1連結具300を受ける前の第1状態(すなわち、パネル状構造体2が他のパネル状構造体2に連結される前の状態)において、スプリングプランジャー530がピン孔580aに入り込んだ状態で、収容凹部501内に配置されている。この状態で、Z方向からみた場合、長孔520の第1領域521の中心は、孔部510の中心と重なっている(換言すれば、第1領域521は、孔部510と同心の状態で配置されている)。換言すれば、長孔520の第1領域521の中心は、孔部510の中心と重なる位置で、スライド座金551を位置決め可能にピン孔580aは形成されている。
【0130】
パネル状構造体2Aが有する第1連結具300の繋止用ボルト350を、パネル状構造体2Bの受け構造500が有する凸部502に挿入しながら、受け構造500の隔壁503に形成された孔部510、および長孔520の第1領域521に通す。繋止用ボルト350の頭部351をスライド座金551より突出させた状態で、スライド座金551を、
図16(b)に示したように、スプリングプランジャー530がピン孔580bに入り込むまでスライドさせる。これにより、繋止用ボルト350の首下の螺子部352は、長孔520の第2領域522側に相対的に移動する。この状態で繋止用ボルト350を螺旋して螺止すると、連結が完了する。スライド座金551をスライドさせて螺止するだけで容易に連結が完了するので、作業時間を短縮できる。
【0131】
ピン孔580bは、2つのパネル状構造体2A,2Bを連結した状態(第2状態)におけるスライド座金551の位置を規定するための孔である。換言すれば、ピン孔580bは、ピン孔580aに対してX方向に沿って同一直線上であり且つスライド座金551のスライド量に応じて離れて形成されていればよい。
【0132】
[第2連結具]
図17および
図18を利用して第2連結具700を説明する。第2連結具700は、パネル状構造体2をX方向に連結するため連結具(短辺連結具)である。第2連結具700は、凹部103の内側にY方向に延在して装着される。
【0133】
図17および
図18に示したように、第2連結具700は、連結パイプ710と、ナット付き保持軸730と、一対のカラー(第2カラー)720と、一対のボス付きLアングル740とを有する。
【0134】
連結パイプ710は、中空の円筒部材である。連結パイプ710は、たとえば、天板110、底板120等に関して例示した材料と同様の材料(たとえば、連続強化繊維から成る織物基材を含む繊維強化樹脂)によって形成できる。連結パイプ710は、非導電性を有してもよい。この場合、連結パイプ710は、たとえば非導電性の強化繊維基材を含む繊維強化樹脂によって形成され得る。
【0135】
ナット付き保持軸730は、周囲に螺子溝が形成された保持軸731に一対のナット732が取り付けられることで構成されている。保持軸731のうち一対のナット732の間の領域には、螺子溝は形成されていなくてもよい。
【0136】
カラー720は、連結パイプ710に接する大きさを有し、連結パイプ710の内面に嵌合する。カラー720はたとえば円板である。カラー720には、保持軸731を通す貫通孔721が形成されている。一対のカラー720は、連結パイプ710内で一対のナット732の外側に配置される。カラー720は、樹脂(たとえばナイロン)で形成されていてもよい。カラー720の材料は、たとえば、三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ社製のMCナイロンでよい。カラー720が樹脂製であることで、第2連結具700の軽量化、その結果、パネル状構造体2の軽量化が図れる。
【0137】
ボス付きLアングル740は、X方向に直交する断面がL字形の金属製のLアングル741に、Y方向に突出したボス部745が固定(たとえば溶着)されることによって構成されている。ボス付きLアングル740は、ボス部745が固定される第1板部742と、第1板部742に連結され連結パイプ710と反対側に配置される第2板部743とを有する。第2板部743には、第2連結具700をパネル本体3に螺子止めするための孔部743aが形成されている。第1板部742と第2板部743とはX方向からみてL字状を呈するように繋がっている。ボス部745には、第1板部742の厚さ方向に沿って(ボス部745の中心線に沿って)貫通孔745aが形成されている。
【0138】
図17に示すように、ナット付き保持軸730の両端にカラー720を挿通させ、連結パイプ710の内部に装着して、一対のボス付きLアングル740を対向して配置する。この時、ナット付き保持軸730の両端がボス部745の貫通孔745aに差し込まれて第2連結具700を形成する。
【0139】
図17中のW
Rの長さは、
図2に示したように、凹部103の内側のY方向の間隔の長さである。第2連結具700は機械的接合によって構成され、連結パイプ710は、円筒状である。連結パイプ710の周り止めのために、
図18に示すように連結パイプ710の両端に丸孔784を設け、この丸孔784に周り止めボルト785を差し入れ、ボス付きLアングル740のボス部745に螺止めしてもよい。
【0140】
図19に示すように、第2連結具700は、凹部103に螺子止めされている。具体的には、Z方向からみて凹部103の一対の側面(対向する側面)にボス付きLアングル740の第1板部742の連結パイプ710と反対側の面が接するように第2連結具700を凹部103に配置する。これにより、ボス付きLアングル740の第2板部743が底板120の下面に接する。このように凹部103に第2連結具700を配置した状態で、天板110に形成された第2連結具700の螺子止め用の孔から、ボス付きLアングル740の孔部743aおよび底板120に形成された第2連結具700の螺子止め用の孔を通すように、ボルト770を挿入する。底板120側に突出したボルト770の先端に座金761及びバネ座金762を通し、更に螺止ナット763で固定する。最後に抜け止め用のE型止め輪765を装着してもよい。
【0141】
ボス付きLアングル740の第2板部743および連結パイプ710が、パネル状構造体2の下方向に突出しないように、凹部103において、ボス付きLアングル740の第2板部743の取付部分は、内側に窪んだ形状を有してよい。
【0142】
上記構成のパネル状構造体2を複数連結することによって、
図1に示したような吊り足場1が形成され得る。
【0143】
次に、
図20~
図24を利用して、2つのパネル状構造体2(パネル状構造体2Aおよびパネル状構造体2B)のY方向への連結方法(長辺同士の連結方法)の一例を説明する。
(ステップA)
まず、
図20に示したように、例えば点検用足場を利用して、X方向に対向して離間し、Y方向に延在する一対の支持材101(例えばI型鋼)のフランジ部に、1列目の一対の吊りチェーンクランプ650を固定する。
【0144】
次に、2本のフック付きチェーン102を、吊りチェーンクランプ650のU字の吊り輪部に挿通して、フックをチェーンに引っ掛け繋止した後、例えば高所作業車等で、パネル状構造体2A(連結する側)を懸架位置まで運び入れる。
【0145】
続いて、点検用足場上の作業員は、フック付きチェーン102の他端を、予め吊り位置を調整した吊り金具であるシャックル250に挿通して、フックをチェーンに引っ掛け繋止し、パネル状構造体2Aを懸架する。(パネル状構造体2Aの張出部150Aからアーム320を有する第1連結具300をY方向(連結する方向)に突き出した状態。)
【0146】
その後、パネル状構造体2Aの天板110の内部面に予め所定の位置に配置して、天板110と一体となるように埋め込まれた複数の座金付き埋込みナット640に穴付単クランプ630を六角ボルト(不図示)にて螺止する。
【0147】
次に、支持材101のフランジ部に、コの字型固定クランプ610を固定するとともに、複数の直交クランプ620を使いながら、縦横の単管600を固定し、パネル状構造体2Aの前後左右の振れ止めを行う。このようにすることによりパネル状構造体2A上での作業が可能となる。
【0148】
(ステップB)
その後、パネル状構造体2A上の作業員は、
図21に示したように、2列目の一対の吊りチェーンクランプ650を支持材101のフランジ部に、パネル状構造体2AのY方向の幅(短辺の長さ)だけY方向に離間した位置に装着する。フック付きチェーン102を、同様に吊りチェーンクランプ650のU字の吊り輪部に挿通して、フックをチェーンに引っ掛け繋止する。フック付きチェーン102の他端は、フックをチェーンに引っ掛け係止しておく。次に、例えば高所作業車等で、パネル状構造体2A上にパネル状構造体2B(連結される側)を持ち上げパネル状構造体2A上の作業員がパネル状構造体2A上に運び入れる。
【0149】
(ステップC)
次に、2名の作業員で、
図22に示したように、吊り金具220が有するシャックル250を手前(作業者側)にするとともに、パネル状構造体2Bの張出部150Bを下にして(突出する第1連結具300を上)横向きに立てた状態にして、パネル状構造体2Aの張出部150Aの先端部分に仮置きする。この際、作業員は、複数個の矩形状の孔部490を用いることによって、パネル状構造体2Bを横向きに立てた状態を把持し保持できる。
【0150】
(ステップD)
続いて、
図23(a)に示したように、2列目の仮係止したフック付きチェーン102のフックを外し、作業手前側の吊り金具220が有するシャックル250に挿通して、フックをチェーンに引っ掛け繋止する。その後、横向きに立てた上部の座金付き埋込みナット(図示せず)にアイボルト641を螺止し、このアイボルト641にロープ645を結び付ける。
【0151】
(ステップE)
次に、
図23(b)に示したように、パネル状構造体2Bを横向きに立てた状態のまま、第1連結具300のアーム320の位置ガイド役の凹部380に、張出部150Bの側板130の面部を当接させ、係止する。
【0152】
(ステップF)
この後、
図24(a)、
図24(b)および
図24(c)に示すように、ロープ645を緩めながら、第1連結具300のアーム320の位置ガイド役の凹部380上で、パネル状構造体2Bを回転させる。
図24(c)に示したように、パネル状構造体2Bが水平となった時点で、スライド座金551をスライドさせて、繋止用ボルト350を螺旋して螺止する。
【0153】
(ステップG)
前述のアイボルト641とロープ645を外して、
図25に示したように、長辺同士の連結が完了する。
【0154】
ステップA~ステップGを順次繰り返すことにより、Y方向の吊り足場1が構築できる。
【0155】
上記方法によれば、作業員が身をせり出すこともなく安全に連結作業ができる。
【0156】
次に、
図26及び
図27を参照して、2つのパネル状構造体2(パネル状構造体2Aおよびパネル状構造体2C)のX方向への連結方法(短辺同士の連結方法)の一例を説明する。
【0157】
図26及び
図27(c)に示すように、パネル状構造体2Aの第2連結具700と、パネル状構造体2Cの第2連結具700とは、X方向に離間し、対向して平行に配置される。
【0158】
パネル状構造体2Aを支持材101に懸架した場合と同様にして、パネル状構造体2Cを、支持材101にフック付きチェーン102で懸架する。本実施形態では、
図26に示したように、本実施形態では、パネル状構造体2Cを1本のフック付きチェーン102で懸架している。この場合、パネル状構造体2Cにおいて、パネル状構造体2Aから遠い側の吊り金具220を使用する。
【0159】
このように、本実施形態では、パネル状構造体2Cは1本のフック付きチェーン102で懸架するため、
図1および
図26では、3本の支持材101を図示している。なお、通常、複数の支持材101は、X方向に等間隔で配置されている。よって、
図1及び
図26では、パネル状構造体2Aを懸架する2つのフック付きチェーン102のうちパネル状構造体2C側のフック付きチェーン102が掛けられる支持材101と、パネル状構造体2C用のフック付きチェーン102が掛けられる支持材101との間に別の支持材101が存在してもよいが、
図1および
図26では図示を省略している。
【0160】
このようにフック付きチェーン102で懸架されたパネル状構造体2Cの第2連結具700を、パネル状構造体2Aの第2連結具700に、
図27(a)~
図27(c)に示すように連結する。
【0161】
まず、
図27(a)に示すように、パネル状構造体2Aが有する第2連結具700の連結パイプ710に単管自在クランプ780を係止する。次に、
図27(b)に示すように、開け放れた一方の単管自在クランプ780上に、パネル状構造体2Cが有する第2連結具700を仮置きし、挟爪781を起こして係合する。その後、
図27(c)に示すように、アイボルトの係止ナット782を螺旋して連結は完了する。
【0162】
パネル状構造体2は、中空体100を有し、中空体100は、一対の補強部材160で補強されている。一対の補強部材160は、Z方向からみて天板110の中心線(X方向に延びる線)を挟んで配置されている。そのため、パネル状構造体2のY方向の曲げ強度・剛性が向上している。更に、一対の補強部材160は、X方向に延在しているため、X方向の曲げ強度・剛性も増大している。したがって、パネル状構造体2の中空体100、補強部材160、アーム320および連結パイプ710を例示したような材料(たとえば、連続強化繊維から成る織物基材を含む繊維強化樹脂)で構成し、軽量化を図りながら、必要な曲げ強度・剛性を保持できる。
【0163】
中空体100、補強部材160、アーム320および連結パイプ710等を、非導電性の強化繊維基材を含む繊維強化樹脂で形成することで、必要な曲げ強度・剛性を確保しながら、通電を防止できる。
【0164】
一対の補強部材160が、吊り金具用凹部200の両側に配置されている形態では、一対の補強部材160間の天板110のY方向の面内曲げ剛性が増大する。また同時に、X方向に延在する補強部材160とX方向に離間して形成された吊り金具用凹部200との形状効果も相まってパネル状構造体2のX方向の曲げ剛性が増大できる。そのため、パネル状構造体2上に、作業員が乗った時の撓みを抑制できる。
【0165】
中空体100(またはパネル本体3)が張出部150Aを有することで、張出部150Aの下部に第1連結具300を取り付けられる。そのため、パネル状構造体2において、下面からたとえば第1連結具300が突出することを防止できる。
【0166】
第1連結具300が、例示した構成を有することで、Y方向に沿ってパネル状構造体2を連結し易い。
【0167】
パネル状構造体2が、第1連結具300の反対側に受け構造500および受け具550を有することによって、同じ構成のパネル状構造体2を、Y方向に連結できる。
【0168】
第1連結具300、受け構造500および受け具550を採用することによって、Y方向において、2つのパネル状構造体2を連結する場合に、作業員が、パネル状構造体2からせり出さずに且つ容易に2つのパネル状構造体2を連結できる。同様に、第2連結具700を採用することによって、X方向において、2つのパネル状構造体2を連結する場合に、作業員が、パネル状構造体2からせり出さずに且つ容易に2つのパネル状構造体2を連結できる。
【0169】
以上、本発明の実施形態の具体例を以下に図面を参照しながら説明した。上記実施形態は、本発明の一例であり、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示される範囲が含まれることが意図されるとともに、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0170】
たとえば、第2連結具として、
図28に示した第2連結具800を使用してもよい。第2連結具800は、連結パイプ710と、連結パイプ710の両端に一体的に設けられた一対の筒部810を有する。
【0171】
筒部810は、連結パイプ710と同様の材料で形成され得る。筒部810は連結パイプ710の軸線方向(
図28においてY方向)からみた形状が矩形を呈する。筒部810の一部、Z方向からみて凹部103の一対の側面を貫通しており、筒部810の上面は天板110の下面に連結して一体的に形成されている。
【0172】
このような形態にすることにより、第2連結具700の場合のような周り止め手段も不必要になり、取付部品の不要で構成部品の数を減らすことができ、パネル状構造体2のより軽量化が図れる。第2連結具700の代わりに第2連結具800を備えるパネル状構造体もパネル状構造体2と同様な作用効果を奏する。
【0173】
第1連結具の数およびそれに応じた受け構造および受け具の数は、例示した数に限定されず、たとえば3個以上でもよい。吊り足場1に使用するパネル状構造体2の数は、必要な吊り足場1の大きさに応じたものあればよい。
【実施例0174】
実施例に基づいてパネル状構造体を説明する。実施例の説明において、上記実施形態と同一部分又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。以下、材料などの例示しながら実施例に係るパネル状構造体を説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。
【0175】
実施例のパネル状構造体2では、
図2~
図4及び
図6に示したX方向の長さL、Y方向の長さ(天板110のY方向の長さ)である幅W、Z方向の長さである全高H、張出部150A及び張出部150BのY方向の長さである幅W
P、張出部150A及び張出部150BのZ方向の長さである高さH
T、底板120のY方向の長さである幅W
B、X方向前後両端のU形の凹部103のY方向の長さである開口幅W
R、X方向の奥行長さであるL
Rは次のとおりであった。
長さL:3m
幅W:0.66m
全高H:0.1m
幅W
P:0.12m
高さH
T:0.05m
幅W
B:0.42m
開口幅W
R:0.200m
奥行き長さL
R:0.135m
【0176】
図29~
図31を利用して、実施例のパネル状構造体2の製造方法を説明する。製造方法の説明のために、パネル状構造体2を、上部部材成形体(天板110)と、内部部材成形体(内装される部品である補強部材160)と、下部部材成形体(底板120、側板130および端板140)に区分けする。
【0177】
(第1工程)
まず、第1工程では、下部部材成形体を成形するための第1成形型900、内部部材成形体を成形するための第2成形型950、内部部材成形体を形成するための第3成形型960を準備した。
【0178】
図29に示したように、第1成形型900は、底板120、側板130および端板140を成形するための凹形状の雌型であった。第1成形型900は、底板120、側板130および端板140の形状を形成可能な形状を有していた。本実施例では、第1成形型900には、パネル状構造体2の凹部103を形成するための凸部910Aが形成されており、張出部150Aを形成する部分の底部には、一対の凸部480に対応する一対の凹部910Bが形成されており、張出部150Bを形成する部分の底部には、一対の凸部485に対応する一対の凹部910Cが形成されているとともに、凸部502を成形するための凸部910Dが形成されていた。
【0179】
(上部部材成形体の第2成形型)
図30に示したように、第2成形型950は、天板110の板厚に相当する深さの雌型であった。第2成形型950には、第1成形型900と同様にU形の凹部103を形成するための凸部950Aが形成されていた。第2成形型950には、一対の吊り金具用凹部200を形成するための凸部950Bが形成されており、張出部150Aを形成する部位には、取付用凹部430を成形するための凸部950Cが形成されており、張出部150Bを形成する部位には、受け構造500が有する収容凹部501を形成するための凸部950Dが形成されていた。
【0180】
(内部部材成形体の第3成形型)
図31に示したように、補強部材160を成形するための一対の第3成形型960を準備する。第3成形型960は、具体的には、
図10に示したコの字部材160A,160Bをそれぞれ成形するための雄型であり、本実施例では、第3成形型960を利用して成形したコの字部材160A,160Bを接合して補強部材160を製造した。
【0181】
補強部材160は、X方向に延在しているため、第3成形型960も一方向に延在している。第3成形型960では、コの字状に配置されている3つの面961,962,963を利用してコの字部材160A,160Bを成形した。
図31では第3成形型960で成形されたコの字部材160A,160Bを二点鎖線で模式的に示している。
【0182】
(第2工程)
次に、第2工程では、第1成形型900、第2成形型950、第3成形型960に離型材を塗布した。その後、第1成形型900及び第2成形型950には、約500[g/m2]のゲルコートを塗布した。
【0183】
(第3工程)
次に、第3工程では、下部部材成形体、上部部材成形体および内部部材成形体を成形した。
【0184】
実施例のパネル状構造体2に使用した強化繊維基材は、チョップドストランドマット、朱子織ガラスクロス、アラミド繊維クロスを含んでいた。
【0185】
チョップドストランドマット(以下、「マット」と称す)は、ガラス繊維を所定の長さに切断し、ランダムに分散させたシート状の基材であった。
【0186】
実施例のパネル状構造体2に使用したマットは、繊維目付が300[g/m2]のマットMC300(商品名、日東紡株式会社製)と、繊維目付が450[g/m2]のマットMC450(商品名、日東紡株式会社製)であった。
【0187】
朱子織ガラスクロスは、ガラス繊維を縦糸・横糸に用いた織物であった。実施例のパネル状構造体2に使用した織物は、繊維目付が300[g/m2]の朱子織クロスKS1581(商品名、日東紡株式会社製)であった。
【0188】
アラミド繊維クロスは、アラミド繊維を縦糸・横糸に用いた織物である。パネル状構造体2に使用される織物は、繊維目付が200[g/m2]のケブラー49クロスT281(商品名、東レ株式会社製)である。
【0189】
パネル状構造体2の成形に使用する樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂であった(以下、「マトリックス樹脂」と称す)。
【0190】
上部部材成形体、内部部材成形体、下部部材成形体の接合に使用される樹脂は、マトリックス樹脂に、1mm~3mmの長さにカットしたガラス繊維であるフィラーを10重量部加えると共に、増粘材としてタルクを20重量部加えたパテ状の樹脂であった(以下「接合樹脂」と称す)。
【0191】
パネル状構造体2の成形に用いた成形法は、ハンドレイアップ成形法であった。
【0192】
[下部部材成形体の成形]
第1成形型900上に下記の表1に示す順番で、マトリックス樹脂を含浸しつつ、強化繊維基材を積層した。
【表1】
【0193】
第3層の積層終了後、第1成形型900上でマトリックス樹脂を硬化させた。上記表1の第1層が、
図9(b)の第1層20aおよび
図9(c)の第1層130a並びに端板140の外層(不図示)であった。表1の第2層が、
図9(b)の第2層120bであった。表1の第3層が、
図9(c)の第2層130b並びに端板140の内層(不図示)であった。
【0194】
[上部部材成形体の成形]
第2成形型950上に下記の表2に示す順番で、マトリックス樹脂を含浸しつつ、強化繊維基材を積層する。
【表2】
【0195】
第3層の積層終了後、第2成形型950上でマトリックス樹脂を硬化させた。硬化後、脱型して、上部部材成形体を得た。上記表2の第1層が、
図9(a)の第1層110aであった。表2の第2a層が、
図9(a)の第2a層110bであり、第3a層が、
図9(a)の第3a層110cであった。表2の第2b層が、
図9(a)の第2b層110dであり、第3abが、
図9(a)の第3b層110eであった。
【0196】
[内部部材成形体の成形]
一対の雄型の第3成形型960それぞれの面961,962,963上に下記の表3に示す順番で、マトリックス樹脂を含浸しつつ、強化繊維基材をコの字状に積層した。
【表3】
【0197】
第2層の積層終了後、それぞれの雄型の第3成形型960を抱き合わせてクランプし、マトリックス樹脂を硬化させた。硬化後、脱型して、内部部材成形体(補強部材160)を得た。上記表3の第1層が、
図10の第1層160aであり、第2層が、
図10の第2層160bであった。
【0198】
本実施例では、上部部材成形体と下部部材成形体を接合する際のフランジの役目を担う部材としてLアングル(図示せず)を製造した。Lアングルは、断面がL形状の部材であった。L形の成形型に、マトリックス樹脂を含浸しつつ、マットMC300、朱子織クロスKS1581の順に積層しマトリックス樹脂を硬化させ脱型してLアングルを得た。
【0199】
(第4工程)
次の第4工程では、上部部材成形体の内面(パネル状構造体2の内部となる面)の所定の位置に接合樹脂を用いて接着しながら、座金付き埋込みナット570(M8)及び座金付き埋込みナット640(M12)の座金部を天板110に、当接させて配置した。
【0200】
次に、座金付き埋込みナット570(M8)及び座金付き埋込みナット640(M12)を、さらに、天板110との接合力を増すために、マットMC450にマトリックス樹脂を含浸しつつ、座金部をオーバレイアップした。「オーバレイアップする」とは、補強,部材などの接合のために、繊維基材を積層することをいう。
【0201】
(第5工程)
続く第5工程では、下部部材成形体に対して、補強部材160とLアングルを、接合樹脂を用いて接着しながら仮止めした。
【0202】
補強部材160の配置では、Y方向(幅方向)の中心に対して、吊り金具用凹部200を挟むように離間して、底板120上に、X方向に2本平行に配置した後、補強部材160の下部フランジ162と底板120との当接部のコーナを補強するために、マットMC450にマトリックス樹脂を含浸しつつ、下部フランジ162をオーバレイアップした。
【0203】
Lアングルの配置では、第1辺が側板130の上部内面及び端板140の上部内面の全周に当接し、第2辺がパネル状構造体2の内側に張り出すように接合樹脂を用いて接着しながら、仮止めする。第2辺の上面を、補強部材160の上部フランジ161と面一とした。
【0204】
次に、Lアングルの当接部のコーナを上記同様に、補強するために、マットMC450にマトリックス樹脂を含浸しつつ、このマットMC450でオーバレイアップした。
【0205】
(第6工程)
次に、第6工程では、下部の接合体(一対の補強部材160と、Lアングルと、下部部材成形体(底板120、側板130および端板140)の接合体)に上部部材成形体を接合した。具体的には、以下の3つの工程を実施し、Lアングルの上面及び補強部材160の上部フランジ161の上面に、接合層を形成した。
【0206】
(1)マトリックス樹脂を含浸しつつ、マットMC450を積層した。
(2)次に、このガラスマットに対して、接合樹脂を塗布した。
(3)さらにその上に、マットMC450にマトリックス樹脂を含浸したガラスマットを置いた。
【0207】
(第7工程)
次に、第7工程では、第6工程で形成された接合層の上に、上部部材成形体(天板110)を、そのゲルコート面を上にして、その上に重しを置いて、圧着しつつ樹脂を硬化させた。樹脂を硬化させた後、第1成形型900から脱型して、パネル状構造体2の製造過程における中間体を得た。
【0208】
(第8工程)
次に、第8工程では、第7工程で得られ中間体における底板120に一対の挿入口170及び複数の矩形状の孔部490を穿孔した。これにより、パネル本体3を得た。
【0209】
(第9工程)
次に、第9工程では、吊り金具220、第1連結具300、第2連結具700をパネル本体3に組込み、実施例のパネル状構造体2を得た。
【0210】
このようにして得られた実施例のパネル状構造体2の全重量は、29kgであった。上方から見た投影面積当たりのパネル状構造体2の重量は、14.6[kg/m2]であった。実施例のパネル状構造体2の重量は、12kg/m2以上17kg/m2以下の範囲であった。
【0211】
次に、高さ2[m]の所に、2.5[m]の間隔の一対の支持材101(H型鋼)を有する金属製のフレームを組み立て、パネル状構造体2の底板120を下にして、
図1に示すように、支持材101からフック付きチェーン102でパネル状構造体2を懸架し、天板110の上中央に、足場パネルの耐荷重3kN相当の「重し」となるフレコンを載せる載荷試験を実施し、破壊しないことを確認した。
【0212】
第2連結具700である連結パイプ710には、単管自在クランプ780の許容荷重である3.5kNの1.42倍の5kNを負荷し、破壊しないことを確認した。