(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057111
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】燃焼器
(51)【国際特許分類】
F23J 13/04 20060101AFI20220404BHJP
F24C 3/02 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
F23J13/04 Z
F24C3/02 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020165202
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】藤田 隆夫
【テーマコード(参考)】
3K070
【Fターム(参考)】
3K070CA03
3K070CA12
3K070CA34
(57)【要約】
【課題】排気管と排気接続管の脱着が容易にできる燃焼器を提供する。
【解決手段】燃焼器1側の排気管3と、該排気管3と一端が接続し、給排気筒の排気口と他端が接続する排気接続管5と、前記排気管3と前記排気接続管5の一端とを締結する締結具9とを備えた燃焼器1に於いて、前記排気管3にフランジ2を設けると共に、前記排気接続管5の一端にフランジ6を設け、前記締結具9は、前記排気管3のフランジ2と前記排気接続管5のフランジ6が係合した状態で両フランジの外周を覆って両フランジを締結するので、従来の管同士が固着した場合に比べて容易に排気管3と排気接続管5とを分離することができる。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼器側の排気管と、該排気管と一端が接続し、給排気筒の排気口と他端が接続する排気接続管と、前記排気管と前記排気接続管の一端とを締結する締結具とを備えた燃焼器に於いて、前記排気管にフランジを設けると共に、前記排気接続管の一端にフランジを設け、前記締結具は、前記排気管のフランジと前記排気接続管のフランジが係合した状態で両フランジの外周を覆って両フランジを締結することを特徴とする燃焼器。
【請求項2】
前記締結具は、複数の円弧片を連結して中空の円板状を成しており、前記円弧片の基部には、この複数の円弧片の基部同士を回動可能に接続する回転軸部を有し、前記円弧片の先端部には、この複数の円弧片の先端同士を固定する係止部を有しており、前記複数の円弧片は、それぞれの係止部が係合した状態で固定されることを特徴とする請求項1記載の燃焼器。
【請求項3】
前記円弧片は、断面略U字状で底面部と左右の側面部からなり、前記係止部は、前記側面部から突出し、前記側面部と直交する平面を有したネジ止め片を有し、このネジ止め片に設けられたネジ孔を介してネジ止めされることで前記円弧片同士が固定されることを特徴とする請求項2記載の燃焼器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、密閉式の燃焼器の排気管の接続部の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものにおいては、燃焼器側の排気パイプにフランジを設け、このフランジに接続され排気パイプからの排気ガスを室外へ導く排気管にもフランジを設け、そして排気パイプに排気管を挿入し、排気パイプのフランジの凹部と排気管との間にOリングを挟持して、ネジにより2つのフランジを中間板にネジ止めすることによりOリングが軸方向に圧縮され、排気ガスが漏れないようにシールして接続されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、定期点検や修理のために燃焼器を持ち帰ろうとする際等、燃焼器の背面側に向いたネジを取り外す作業がやり難いと共に、両フランジをネジ止めしていたネジを取り外しても、燃焼器と給排気筒との距離が近接して設置されている場合等、排気管に挿入されている排気接続管を引き抜く作業がやり難く、排気接続管と排気管とを外すことが難しいものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、燃焼器側の排気管と、該排気管と一端が接続し、給排気筒の排気口と他端が接続する排気接続管と、前記排気管と前記排気接続管の一端とを締結する締結具とを備えた燃焼器に於いて、前記排気管にフランジを設けると共に、前記排気接続管の一端にフランジを設け、前記締結具は、前記排気管のフランジと前記排気接続管のフランジが係合した状態で両フランジの外周を覆って両フランジを締結するものである。
【0006】
また、請求項2では、前記締結具は、複数の円弧片を連結して中空の円板状を成しており、前記円弧片の基部には、この複数の円弧片の基部同士を回転可能に接続する回転軸部を有し、前記円弧片の先端部には、この複数の円弧片の先端同士を固定する係止部を有しており、前記複数の円弧片は、それぞれの係止部が係合した状態で固定されるものである。
【0007】
また、請求項3では、前記円弧片は、断面略U字状で底面部と左右の側面部からなり、前記係止部は、前記側面部から突出し、前記側面部と直交する平面を有したネジ止め片を有し、このネジ止め片に設けられたネジ孔を介してネジ止めされることで前記円弧片同士が固定されるものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、燃焼器側の排気管と、該排気管と一端が接続し、給排気筒の排気口と他端が接続する排気接続管と、前記排気管と前記排気接続管の一端とを締結する締結具とを備えた燃焼器に於いて、前記排気管にフランジを設けると共に、前記排気接続管の一端にフランジを設け、前記締結具は、前記排気管のフランジと前記排気接続管のフランジが係合した状態で両フランジの外周を覆って両フランジを締結するので、従来の管同士が固着した場合に比べて容易に排気パイプと排気接続管とを分離することができる。
【0009】
また、請求項2によれば、前記締結具は、複数の円弧片を連結して中空の円板状を成しており、前記円弧片の基部には、この複数の円弧片の基部同士を回転可能に接続する回転軸部を有し、前記円弧片の先端部には、この複数の円弧片の先端同士を固定する係止部を有しており、前記複数の円弧片は、それぞれの係止部が係合した状態で固定されるので、それぞれの係止部が係合した状態で固定され、それにより締結具を回転させて、締結具の向きを容易に変えることができ、それにより狭いスペースでも作業しやすくできる。
【0010】
また、請求項3によれば、前記円弧片は、断面略U字状で底面部と左右の側面部からなり、前記係止部は、前記側面部から突出し、前記側面部と直交する平面を有したネジ止め片を有し、このネジ止め片に設けられたネジ孔を介してネジ止めされることで前記円弧片同士が固定されるので、それにより締結具を回転させて、ネジ孔又はネジ孔にネジ止めされているネジの向きを容易に変えることができ、狭いスペースでも作業しやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】この発明の一実施形態の燃焼器を示す背面の斜視図。
【
図7】同排気パイプフランジと排気接続管フランジの接続前の状態の斜視図。
【
図8】同排気パイプフランジと排気接続管フランジを接続した状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、この発明の一実施形態における燃焼器を図に基づいて説明する。
1は密閉式の燃焼器で、内部に燃料を燃焼して高温を発生させるバーナ部(図示せず) と、該バーナ部に連接して設けられ、バーナ部で発生した高温の燃焼ガスが流れ込んで、この熱を周囲の空気に熱交換する熱交換器(図示せず) が設けられており、該熱交換器の排気側には接続用の排気管フランジ2を有する排気管3が熱交換器の長手方向に直角に設けられており、排気管フランジ2は燃焼器1の背面部4に突出して設けられている。
【0013】
5は排気接続管で、一端に排気管の排気管フランジ2と締結される排気接続管フランジ6が設けられ、他端は給排気筒の排気口(図示せず)に接続されて、熱交換器からの排気ガスを屋外に排出するものである。
7は排気管フランジ2と排気接続管フランジ6の接続部分の気密性を確保するためのシール部材であるOリングで、排気管フランジ2の断面略U字状の凹部8に収納され、排気管フランジ2と排気接続管フランジ6を締結した際、排気接続管フランジ6により軸方向に圧縮されて接続部分のシールを行っている。
【0014】
9は中空の円板状の締結具で、略半円状の円弧片10ともう一つの円弧片11の両方の基部12を回転軸部13にて回転自在に連結し、両方の先端部14の左右に水平方向に平坦な係止部15を形成し、更に左右の係止部15の一方にはネジ16にて締結するためのネジ孔17が形成されたネジ止め片18が設けられている。
【0015】
又、左右の上記係止部15の他方は、一つは凸状の凸部19が形成された凸部片20が設けられ、もう一つは前記凸部19と係合する係合孔21が形成された係合片22が設けられている。
又、前記円弧片10と円弧片11は、共に底面部23と左右の側面部24とにより断面略U字状に形成され、該このU字状の箇所に係合した排気管フランジ2と排気接続管フランジ6の外周部分が収納され、円弧片10及び円弧片11の左右の側面部24とで、排気管フランジ2と排気接続管フランジ6とが押さえられ、その状態でネジ16にて係止部15をネジ止めすると、排気管フランジ2の凹部8に収納されたOリング7により排気管フランジ2と排気接続管フランジ6の接続部分の気密性を確保した状態となって締結されるものである。
【0016】
次に、前記締結具9の取り付けについて
図7、
図8、
図9、
図10を用いて説明する。
まず、排気管フランジ2の凹部8にOリング7を収納した状態で排気管フランジ2と排気接続管フランジ6を接続し、その接続した状態で締結具9を開いて一方の円弧片10のU字状の箇所に接続した状態の排気管フランジ2と排気接続管フランジ6の外周部分を収納する。
【0017】
そして、凸部片20の凸部19が係合片22の係合孔21と係合すると共に、円弧片10と円弧片11のネジ止め片18のネジ孔17が一致した状態となって、締結具9は仮取り付け状態となる。
【0018】
この状態で締結具9は回転するので、締結具9を回転させてネジ止め片18のネジ孔17を作業しやすい位置にして、ネジ16にてネジ止め片18をネジ止めすることで締結具9の取り付けが終了し、排気管フランジ2と排気接続管フランジ6とを締結する作業が完了するものである。
【0019】
又、締結具9を外す時も、まずは締結具9を回動させてネジ止め片18のネジ孔17を取り外すことにより、締結具9の円弧片10と円弧片11とを開いて排気管フランジ2と排気接続管フランジ6の接続箇所から締結具9を外し、それから排気管フランジ2と排気接続管フランジ6の接続を外すことで、燃焼器1を移動させることができる状態となるものである。
【0020】
尚、左右の係止部15の一方をネジ16にてネジ止めし、もう一方は凸部片20の凸部19と係合片22の係合孔21とを係合させたがこれに限定されず、左右の係止部15ともネジ16にてネジ止めする構造にしてもよいものである。
【0021】
以上のように、排気管フランジ2と排気接続管フランジ6を接続した状態で、両フランジの外周全体を締結具9が覆うことで排気管フランジ2と排気接続管フランジ6を締結するので、従来の管同士が固着した場合に比べて容易に排気管3と排気接続管5とを分離することができるものである。
【0022】
又、締結具9は略中空円板状で、円弧状の円弧片10ともう一つの円弧片11を連結して円板状を成しており、前記円弧片10と円弧片11の基部12には、円弧片10と円弧片11の基部12同士を回転可能に接続する回転軸部13を有し、円弧片10と円弧片11の先端には該先端同士を固定する係止部15を有しており、その係止部15同士が係合した状態で固定され、それにより締結具9を回転させて、ネジ孔17又はネジ孔17にネジ止めされているネジ16の向きを容易に変えることができ、狭いスペースでも作業しやすくできるものである。
【0023】
又、前記係止部15は、前記円弧片10又は円弧片11の側面部24から突出し、前記側面部24と直交する平面を有したネジ止め片18を有し、このネジ止め片18に設けられたネジ孔17を介してネジ止めされることで前記円弧片同士が固定され、それにより締結具9を回転させて、ネジ孔17又はネジ孔17にネジ止めされているネジ16の向きを容易に変えることができ、狭いスペースでも作業しやすくできるものである。
【0024】
又、締結具9は取り外すときは略O字状から略C字状に作動させることができ、逆に取り付けるときは略C字状から略O字状に作動させることができるので、締結具9の取り付け、取り外しが容易にできるものである。
【0025】
又、排気管フランジ2の凹部8にOリング7を収納した状態で排気管フランジ2と排気接続管フランジ6を接続するので、Oリング7が従来に比べて高温にならず、Oリング7の高温劣化を低減することができるものである。
【符号の説明】
【0026】
1 燃焼器
2 排気管フランジ
3 排気管
5 排気接続管
6 排気接続管フランジ
9 締結具