IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図1
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図2
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図3
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図4
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図5
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図6
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図7
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図8
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図9
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図10
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図11
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図12
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図13
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図14
  • 特開-印刷装置及び印刷処理プログラム 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057197
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】印刷装置及び印刷処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/42 20060101AFI20220404BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20220404BHJP
   G03G 21/02 20060101ALI20220404BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220404BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220404BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
B41J29/42 F
B41J29/00 Z
G03G21/02
G03G21/00 386
H04N1/00 350
H04N1/00 127A
G06F3/12 373
G06F3/12 303
G06F3/12 386
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020165325
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 佑香
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061CL10
2C061CQ24
2C061CQ38
2C061HJ07
2C061HK15
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP00
2H270KA59
2H270KA60
2H270LA70
2H270LA77
2H270LA79
2H270LA87
2H270LD01
2H270LD08
2H270LD14
2H270MB36
2H270MF08
2H270MF19
2H270NA01
2H270NA15
2H270NA18
2H270NB02
2H270NC02
2H270NC05
2H270NC12
2H270NC20
2H270NC22
2H270NC28
2H270ND03
2H270ND09
2H270ND22
2H270ND32
2H270ND36
2H270QA13
2H270QA33
2H270QA35
2H270QA37
2H270QA38
2H270QA46
2H270QA63
2H270QB11
2H270RC02
2H270RC03
2H270ZC04
2H270ZC06
2H270ZC08
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC60
5C062AC68
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF07
5C062AF08
(57)【要約】
【課題】印刷契約にて使用するユーザの混乱を回避する。
【解決手段】複合機200は、用紙に画像を印刷する印刷部290と、印刷部290により印刷したページカウント値を表示する表示部240と、プロセッサ210と、を備え、プロセッサ210は、印刷部290による印刷が行われた際にページカウント値を加算する処理と、加算されるページカウント値を表示部240に表示させる処理と、月額枚数に応じた課金額を請求する印刷契約が成立した際は、表示部240におけるページカウント値の表示態様を変更する処理と、を実行する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷媒体に画像を印刷する印刷部と、
前記印刷部により印刷した印刷数の累積値を表示する表示部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記印刷部による印刷が行われた際に前記印刷数の累積値を加算するカウント処理と、
前記カウント処理で加算される前記印刷数の累積値を前記表示部に表示させる第1表示制御処理と、
特定期間における印刷数に応じた課金額を請求する印刷契約が成立した際は、前記表示部における前記印刷数の累積値の表示態様を変更する表示態様変更処理と、
を実行することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記制御部により実行される前記第1表示制御処理に連携して、外部表示装置において前記印刷数の累積値が表示されるとともに、
前記制御部により実行される前記表示態様変更処理に連携して、前記印刷契約が成立した際は、前記外部表示装置に表示されている前記印刷数の累積値の表示態様が変更される
ことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
前記印刷部により前記印刷契約に対応した印刷が行われた契約印刷数の累積値を加算する契約カウント処理と、
前記印刷契約の成立後は、前記契約カウント処理で加算される前記契約印刷数の累積値を前記表示部に表示させる第2表示制御処理と、
を実行することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、さらに、
前記印刷部により前記印刷契約に対応した印刷が行われた契約印刷数の累積値を加算する契約カウント処理を実行し、
前記契約カウント処理に連携して、外部表示装置において、前記契約印刷数の累積値が表示される
ことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項5】
前記制御部は、さらに、
前記印刷契約が成立した際、前記印刷部により当該印刷契約に対応した印刷が行われる際の、前記特定期間における契約印刷数を取得する特定カウント取得処理と、
前記特定カウント取得処理で取得される前記特定期間における契約印刷数を前記表示部に表示させる第3表示制御処理と、
を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項6】
前記制御部は、さらに、
前記印刷契約が成立した際、前記印刷部により前記印刷契約に対応した印刷が行われる際の、前記特定期間における契約印刷数を取得する特定カウント取得処理を実行し、
前記特定カウント取得処理に連携して、外部表示装置において、前記特定期間における前記契約印刷数が表示される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項7】
前記表示態様の変更は、前記印刷数の累積値の表示を隠蔽する又は消失させる処理である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項8】
前記表示態様の変更は、前記表示部における前記印刷数の累積値の表示に対し、前記印刷契約の成立に対応した特定表示を付す処理である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項9】
前記制御部は、さらに、
前記印刷部により前記印刷契約に対応した印刷が行われた契約印刷数の累積値を加算する契約カウント処理と、
前記契約カウント処理で加算される前記契約印刷数の累積値を前記特定期間ごとに更新することで得られた前記特定期間における契約印刷数をサーバから取得する特定カウント取得処理と、
を実行し、
前記印刷契約の成立後は、前記表示部は、
前記契約カウント処理で加算される前記契約印刷数の累積値、及び、前記特定カウント取得処理で取得される前記特定期間における契約印刷数、をいずれも表示せず、かつ、前記表示態様変更処理による前記表示態様の変更に基づき、表示していた前記印刷数の累積値の表示を消失させ、
前記表示部の挙動に連携し、外部表示装置においては、前記印刷契約の成立後は、
前記印刷数の累積値及び前記契約印刷数の累積値をいずれも表示せず、前記特定期間における契約印刷数を表示する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の印刷装置。
【請求項10】
前記制御部は、さらに、
前記印刷部により前記印刷契約に対応した印刷が行われた契約印刷数の累積値を加算する契約カウント処理と、
前記契約カウント処理で加算される前記契約印刷数の累積値を前記特定期間ごとに更新することで得られた前記特定期間における契約印刷数を算出する特定カウント算出処理と、
を実行し、
前記印刷契約の成立後は、前記表示部は、
前記契約カウント処理で加算される前記契約印刷数の累積値を表示せず、
前記表示態様変更処理による前記表示態様の変更に基づき、表示していた前記印刷数の累積値の表示を消失させ、
前記特定カウント算出処理で算出される前記特定期間における契約印刷数
を表示する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の印刷装置。
【請求項11】
前記制御部は、さらに、
前記印刷部による印刷に伴う前記印刷装置の消耗品の消耗状態を算出する消耗状態算出処理と、
前記消耗状態算出処理で算出される前記消耗状態を前記表示部に表示させる消耗状態表示処理と、
を実行し、
前記表示態様変更処理において、前記表示部における前記印刷数の累積値及び前記消耗状態の表示態様を変更する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記印刷契約の完了通知を前記印刷装置がサーバから受信した後に前記表示態様変更処理を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記印刷契約の完了通知を前記印刷装置がサーバから受信し、対応する応答を前記サーバに送信した後に前記表示態様変更処理を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項14】
消耗品を供給可能に構成されたカートリッジが装着されるカートリッジ装着部をさらに有し、
前記制御部は、
前記カートリッジ装着部への装着により前記印刷契約に基づく課金が開始されるように構成された特定カートリッジの当該カートリッジ装着部への装着後に前記表示態様変更処理を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項15】
前記制御部は、さらに、
前記印刷契約の成立後において前記印刷契約が解除された場合に、前記表示態様変更処理により変更されている前記印刷数の累積値の表示態様を変更前の表示態様に復帰させる表示態様復帰処理を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項16】
被印刷媒体に画像を印刷する印刷部と、前記印刷部により印刷した印刷数の累積値を表示する表示部と、プロセッサと、を有する印刷装置に備えられた前記プロセッサに対し、
前記印刷部による印刷が行われた際に前記印刷数の累積値を加算するカウントステップと、
前記カウントステップで加算される前記印刷数の累積値を前記表示部に表示させる第1表示制御ステップと、
特定期間における印刷数に応じた課金額を請求する印刷契約が成立した際は、前記表示部における前記印刷数の累積値の表示態様を変更する表示態様変更ステップと、
を実行させるための、印刷処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を被印刷媒体に印刷する印刷装置及び印刷処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載のように、受信した画像データに基づき画像を被印刷媒体に印刷するプリンタにおいて、印刷枚数をカウントするページカウンタを設けた構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-263963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のように、通常、印刷装置に備えられるページカウンタ機能では、当該印刷装置における印刷数の累積値が順次加算され、例えば適宜の操作によりその累積値が印刷装置の表示部において表示される。
【0005】
近年、印刷装置を使用するユーザがその印刷装置を所有するサービス業者に対し特定期間の印刷内容に応じた課金料金を支払う印刷契約が結ばれる場合がある。この場合には、上記ページカウンタ機能とは別の、上記特定期間ごとの印刷数をカウントする機能が印刷装置に設けられ、各特定期間が経過するたびにその印刷数がリセットされる。そのため、この機能によるカウント値は、前述の通常のページカウンタ機能によるカウント値とは異なった値となる。上記の契約が結ばれた場合、本来、ユーザの関心ごとは、自らの課金額に直結する上記特定期間内の印刷数であるため、ページカウンタ機能によるカウント値を前述の特定期間におけるカウント値と誤認識し、混乱する恐れがある。
【0006】
本発明の目的は、印刷契約にて使用するユーザの混乱を回避できる印刷装置及び印刷処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明は、被印刷媒体に画像を印刷する印刷部と、前記印刷部により印刷した印刷数の累積値を表示する表示部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記印刷部による印刷が行われた際に前記印刷数の累積値を加算するカウント処理と、前記カウント処理で加算される前記印刷数の累積値を前記表示部に表示させる第1表示制御処理と、特定期間における印刷数に応じた課金額を請求する印刷契約が成立した際は、前記表示部における前記印刷数の累積値の表示態様を変更する表示態様変更処理と、
を実行することを特徴とする。
【0008】
本願発明の印刷装置は、印刷部と、表示部と、制御部と、を有する。表示部は、印刷部による印刷数の累積値を表示する。印刷部により被印刷媒体に画像が印刷されるとき、制御部は、カウント処理によりカウンタ機能を実行し、上記印刷数の累積値を加算する。さらに制御部は、第1表示制御処理により、その加算される累積値を表示部に表示する。
【0009】
ここで、特定期間内における印刷数に応じた課金額が請求される印刷契約が結ばれた場合、ユーザの関心ごとはその特定期間内での印刷数となる。この特定期間内の印刷数は上記印刷数の累積値とは一致しないため、前述のように累積値を単に表示部に表示するだけではユーザが混乱する。
【0010】
そこで、本願発明においては、特定期間における印刷数に応じた課金額を請求する印刷契約が結ばれた場合には、制御部によって表示態様変更処理が行われる。この処理により、上記印刷契約が成立した後は、上述の第1表示制御処理により表示部に表示されている上記印刷数の累積値の表示態様が、変更される。これにより、例えば累積値の表示を隠蔽したり、消失させたり、特定表示を付したりすることで、それ以降、累積値がユーザの目に触れないようにする、若しくは、目に触れにくくすることが可能となる。この結果、カウント処理で加算された前述の累積値をユーザが目にすることによる混乱を回避することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、印刷契約にて使用するユーザの混乱を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による印刷システムの全体概略構成を表す機能ブロック図である。
図2】情報端末、複合機、情報管理サーバ、配送サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
図3】複合機の表示部においてページカウント値を表示させるための操作及び画面遷移を表す説明図である。
図4】情報端末においてEWSファイル形式で表示される、ページカウント値を含むウェブページを表す説明図である。
図5】複合機の表示部において消耗品の残量が表示される状態を表す説明図である。
図6】複合機の表示部において、印刷契約の成立後にページカウント値の表示が隠蔽された状態を表す説明図である。
図7】複合機の表示部において、印刷契約の成立後にページカウント値の表示にメッセージが付された状態を表す説明図である。
図8】複合機の表示部において、印刷契約の成立後にページカウント値の表示が数字以外の適宜の文字に変更して表示された状態を表す説明図である。
図9】情報端末でEWSファイル形式で表示されたウェブページにおいて、印刷契約の成立後にページカウント値の表示が隠蔽された状態を表す説明図である。
図10】契約了承通知を情報管理サーバへ送信後に、表示態様変更する変形例において、情報端末、複合機、情報管理サーバ、配送サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
図11】カートリッジを装着後に、表示態様変更する変形例において、情報端末、複合機、情報管理サーバ、配送サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
図12】契約ページカウント値を表示する変形例において、情報端末、複合機、情報管理サーバ、配送サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
図13】月額枚数を複合機で表示する変形例において、情報端末、複合機、情報管理サーバ、配送サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
図14】月額枚数を複合機でカウントする変形例において、情報端末、複合機、情報管理サーバ、配送サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
図15】ページカウント値、契約ページカウント値、及び、月額枚数カウント値、の表示態様の典型的な組み合わせの例を表す表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係る印刷システムを図1に示す。本実施形態は、顧客であるユーザが料金を支払って複合機200の印刷機能を使用するサービス、詳細には、特定期間の印刷数に応じた課金額を請求する印刷契約に基づく印刷サービスを提供可能な、印刷システム1の実施形態である。
【0014】
<印刷システムの概要>
図1において、この印刷システム1は、情報管理サーバ100と、複合機200と、モバイル端末300と、配送管理サーバ400と、を含んでいる。これら情報管理サーバ100、複合機200、モバイル端末300、及び配送管理サーバ400は、ネットワークNTに接続されており、互いに通信可能である。なお、複合機200が印刷装置の一例である。
【0015】
<情報管理サーバ>
情報管理サーバ100は、例えば複合機200のメーカーが設置及び管理するサーバであり、プロセッサ110と、記憶装置115と、インタフェース190と、を有している。これらプロセッサ110、記憶装置115、及びインタフェース190は、バス105を介して互いに接続されている。
【0016】
記憶装置115は、揮発性記憶装置120と、不揮発性記憶装置130と、を備えている。
揮発性記憶装置120は、例えば、DRAMであり、ユーザID記憶領域121を有している。揮発性記憶装置120は、複合機200から受信した契約ページカウント値を保存する。不揮発性記憶装置130は、例えば、ハードディスクドライブ、あるいはソリッドステートドライブであり、プログラム記憶領域131と、料金テーブル記憶領域132と、を有している。
【0017】
料金テーブル記憶領域132には、印刷に対応してユーザに課金される料金を計算するための所定の相関が記憶されている。この相関には、例えば、カバレッジ、用紙サイズ、カラーかモノクロか、等に応じた印刷ページ数あたりの課金料金が対応付けられている。
【0018】
プロセッサ110は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。プロセッサ110は、プログラム記憶領域131に格納されたプログラムを実行することによって、ネットワークNTに接続されたモバイル端末300、複合機200、配送管理サーバ400に対するデータ通信を含む、後述の図2図10図14等に示す各種の処理を実行する。
【0019】
インタフェース190は、他の装置と通信するための有線LANインタフェース又は無線インタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0020】
<配送管理サーバ>
配送管理サーバ400は、例えば各種物品の配送サービスを行う会社に設置されており、プロセッサと、記憶装置と、ネットワークNTに接続するためのインタフェースと、を有している(図示省略)。
【0021】
<複合機>
複合機200は、例えば、ユーザが自宅で所持しているプリンタ、ファクシミリなどである。複合機200は、スキャナ部280と、印刷部290と、プロセッサ210と、記憶装置215と、表示部240と、操作部250と、ページカウンタ260と、通信部285と、通信インタフェース270と、を有している。これらスキャナ部280、印刷部290、プロセッサ210、記憶装置215、表示部240、操作部250、ページカウンタ260、通信部285、及び通信インタフェース270は、バス205を介して互いに接続されている。
【0022】
記憶装置215は、揮発性記憶装置220と、不揮発性記憶装置230とを、含んでいる。揮発性記憶装置220は、例えば、DRAMである。不揮発性記憶装置230は、例えば、フラッシュメモリである。不揮発性記憶装置230は、プログラム記憶領域232を備えている。プログラム記憶領域232に格納された各種プログラムのうち、後述の図2図10図14等のシーケンスフローの実行に係わる本実施形態の印刷処理プログラムは、例えば、ファームウェアとして不揮発性記憶装置230に予め格納されている。
【0023】
プロセッサ210は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。なおプロセッサ210が制御部の一例である。プロセッサ210は、プログラム記憶領域232に格納された上記印刷処理プログラムを実行し、本実施形態の印刷システム1による印刷方法をプロセッサ110と協働して実行する。
【0024】
表示部240は、例えば、液晶ディスプレイである。操作部250は、ユーザによる操作を受け付ける装置である。ユーザは、操作部250を操作することによって、種々の指示を複合機200に入力可能である。通信インタフェース270は、他の装置と通信するための有線または無線のネットワークインタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0025】
スキャナ部280は、CCDやCMOSなどの光電変換素子を用いて光学的に読取り対象物である原稿を読み取ることによって、読み取った画像を表すスキャンデータを生成する。
【0026】
印刷部290は、図示しない搬送機構により給紙トレイ中の用紙を取り出して搬送しつつ、その搬送される用紙に対して所定の方式で画像を印刷する。以下は、インクジェット方式で印刷が行われる場合を例にとって説明する。すなわち、印刷部290は、カートリッジホルダ51に着脱可能に装着されるインクカートリッジ50のインクを用いて、用紙に対し画像の形成を行う。用紙が被印刷媒体の一例であり、インクカートリッジ50がカートリッジの一例であり、カートリッジホルダ51がカートリッジ装着部の一例であり、インクが消耗品の一例である。なお、詳細には、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、それぞれのインクカートリッジ50が含まれるが、以下、便宜上、特に断らない限り、それらを区別せず単に「インクカートリッジ50」と表記して説明する。
【0027】
通信部285は、例えば端子などであり、カートリッジホルダ51に装着されたインクカートリッジ50が有するカートリッジメモリ(ICチップ)に電気的に接続される。すなわち、前述したように、本実施形態の複合機200は、所定の印刷契約に基づく印刷サービスにおいて使用することができる。このような契約に基づいて使用されるインクカートリッジ50(以下適宜、単に「契約カートリッジ50」と称する)は、例えば複合機200の所有者が自ら購入して使用する通常のインクカートリッジ50(以下適宜、単に「通常カートリッジ50」と称する)とは異なる仕様となっている。そこでこれに対応し、インクカートリッジ50には、それぞれカートリッジメモリ(図示省略)が備えられ、このカートリッジメモリに、カートリッジ情報が記憶されている。このカートリッジ情報は、当該インクカートリッジ50が、契約カートリッジ50であるか通常カートリッジ50であるかを表すカートリッジ種類情報を含む。プロセッサ210は、通信部285によって接続された各インクカートリッジ50のカートリッジメモリから上記カートリッジ情報を取得する。これにより、プロセッサ210は、その取得結果に基づき、カートリッジホルダ51に装着されたインクカートリッジ50が契約カートリッジ50であるか通常カートリッジ50であるかを識別することができる。
【0028】
ページカウンタ260は、プロセッサ210の制御に基づき、印刷部290により印刷が実行された際にその印刷数の累積値をカウントアップすなわち加算する機能を有する。印刷数は、詳細には印刷ページ数であり、例えばシート状の上記用紙1枚に片面印刷するときは1ページ、その1枚に両面印刷するときは2ページとしてカウントされる。またこのときのページカウント値は、例えば複合機200の製造及び出荷時にゼロリセットされており、その後印刷が行われるたびに例外なくカウントアップされる。プロセッサ210は、ページカウンタ260に対し上記カウントアップを実行させ、そのページカウント値を取得することで、後述の種々の処理を行うことができる。このページカウンタ260によるページカウント値が印刷数の累積値の一例である。また、プロセッサ210がページカウンタ260に対しページカウント値のカウントアップを実行させる手順がカウントステップの一例であり、カウントアップを実行させる処理がカウント処理の一例である。
【0029】
また、このページカウント値は、プロセッサ210の処理により非表示等とされる後述の例外の場合を除き、操作部250での適宜の操作により表示部240において表示可能である。表示部240におけるこのページカウント値の表示の詳細については後述する。
【0030】
<モバイル端末>
モバイル端末300は、ユーザの所有するスマートフォン等のモバイル端末であり、無線通信を介してネットワークNTに接続される。モバイル端末300は、プロセッサと、記憶装置と、ネットワークNTに接続するためのインタフェースと、を有している(図示省略)。なお、モバイル端末300に代えて、例えばパソコンやタブレットコンピュータ、等の他の情報端末を用いてもよい。以下適宜、それら情報端末を総称して、単に「情報端末300」と称する。情報端末300が外部表示装置の一例である、
【0031】
<実施形態の特徴>
上記構成の印刷システム1において、本実施形態の特徴は、前述の印刷契約が締結された際の、前述のページカウンタ260により得られるページカウント値の表示態様の変更にある。
【0032】
すなわち、上述したように、印刷部290により用紙に印刷が行われるとき、プロセッサ210の制御に基づき、表示部240には、ページカウンタ260によるページカウント値が表示される。ここで、前述のように特定期間内における印刷数に応じた課金額が請求される印刷契約が結ばれた場合には、ユーザの関心ごとはその特定期間内での印刷数すなわち印刷ページ数となる。この特定期間内の印刷ページ数は、複合機200の製造及び出荷時から累計されている上記ページカウント値とは一致しないため、前述のようにページカウント値を単に表示部240に表示するだけではユーザが混乱する。
【0033】
<処理の流れ>
そこで、上記に対応するために、本実施形態において、複合機200のプロセッサ210と、情報管理サーバ100のプロセッサ110と、配送管理サーバ400のプロセッサと、情報端末300のプロセッサと、により実行される処理を表す制御手順を、図2に示すシーケンス図により説明する。なお、以下、図2等に関する説明においては、各プロセッサの記述を省略し、「複合機200のプロセッサにおいて」「複合機200のプロセッサにより」等、を単に「複合機200において」「複合機200により」等で記載する。
【0034】
図2において、まず複合機200において、ユーザが操作部250を介し適宜の操作を行うことで、ページカウンタ260によるページカウント値が表示部240で表示される(S1)。このS1が第1表示制御ステップの一例であり、S1で実行される処理が第1表示制御処理の一例である。なおこの時点では、後述の印刷契約は締結されておらず、カートリッジホルダ51には通常カートリッジ50が装着されているか、あるいはカートリッジ50が何も装着されていない状態である。このときの表示部240での表示内容の一例を図3により説明する。
【0035】
<複合機でのページカウント値の表示例>
図3において、表示部240は、操作部250を兼ねたタッチパネルとして構成されている。以下適宜、「タッチパネル240」と称する。タッチパネル240に表示された初期画面240Aにおいて、図3(a)に示すように、「Fax」「Copy」「Scan」等の各操作メニューを表すアイコンが表示される。それらの中でユーザが「Setting Menu」アイコンを操作することで、図3(b)に示す各種設定画面240Bが表示される。
【0036】
各種設定画面240Bには、設定を行える項目を表すボタンとして、「Maintenance」「Wifi(登録商標)」「Quiet Mode」「Tray Setting」「Fax Preview」「All Settings」の各ボタンが表示される。それらの中でユーザが「All Setting」ボタンを操作することで、図3(c)に示す詳細設定画面240Cが表示される。
【0037】
詳細設定画面240Cには、詳細設定を行える項目を表すボタンとして、「General Setup」「Shortcut Settings」「Fax」「Network」「Print Reports」「Machine Info.」「Initial Setup」等の各ボタンが表示される。それらの中でユーザが「Machine Info.」ボタンを操作することで、図3(d)に示す装置情報表示画面240Dが表示される。
【0038】
装置情報表示画面240Dには、表示可能な項目を選択するボタンとして、「Serial No.」「Firmware Version」「Page Counter」の各ボタンが表示される。それらの中でユーザが「Page Counter」ボタンを操作することで、図3(e)に示すページカウンタ表示画面240Eが表示される。
【0039】
ページカウンタ表示画面240Eでは、「Page Counter」の項目表記と、この時点での複合機200のページカウント値「00000089」が表示される。
【0040】
なお、図示を省略するが、図3(c)に示す詳細設定画面240Cにおいてユーザが「Print Reports」ボタンを操作し、さらにその後の画面で表示される「User Setting List」ボタンを操作すると、印刷部290により、各種設定における設定状況を表すレポートが印刷される。そのレポート中にも、上記のようなページカウント値が含まれている。
【0041】
<情報端末でのページカウント値の表示>
図2に戻り、また、情報端末300では、S1の処理に連携して複合機200から取得されたページカウント値が表示される(S3)。このときの表示内容の一例を図4により説明する。
【0042】
図4に示す例では、情報端末300において、所定URLによりアクセスされるWebページに含めるファイル形式、いわゆるEWS(Embedded Web Server)用のファイル形式による表示が行われている。すなわちこの場合、このS3において、情報端末300におけるユーザの適宜の操作により上記URLへのアクセスがなされることで、複合機200から情報端末300のブラウザへと上記EWSファイル形式の表示データが出力される。この結果、ページカウント値を含む各情報が記載された、図示のようなWebページが表示される。
【0043】
すなわち、図4に示すこのWebページでは、「Maintenance」の大項目の中に「Node Information」「Device Status」「Remaining Life」等の中項目が設けられている。
【0044】
項目「Node Information」の下には、さらに「Model Name」「Serial No.」「Firmware」の各項目が設けられ、各項目名の横には対応する値や状態量が表示される(図示省略)。
【0045】
項目「Device Status」の下には、さらに「Page Counter」「Average Coverage」の各小項目が設けられている。
【0046】
項目「Page Counter」の下には、「Color」「B&W」の各項目が設けられる。項目「Color」の横には、この時点での複合機200のページカウント値のうち印刷部290がカラー印刷を行った分のページカウント値が表示される(図示省略)。項目「B&W」の横には、この時点での複合機200のページカウント値のうち印刷部290がモノクロ印刷を行った分のページカウント値が表示される(図示省略)。
【0047】
項目「Average Coverage」の下には、「Cyan」「Magenta」「Yellow」「Black」の各項目が設けられる。この時点で印刷部290により行われた印刷のうち、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクそれぞれについての平均カバレッジが、項目「Cyan」「Magenta」「Yellow」「Black」の横にそれぞれ表示される(図示省略)。
【0048】
項目「Remaining Life」の下には、さらに「Ink Cyan(C)」「Ink Magenta(M)」「Ink Yellow(Y)」「Ink Black(B)」の各項目が設けられている。複合機200においては、カートリッジホルダ51に装着されたシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、それぞれのインクカートリッジ50について、公知の検出手法により残インク量が検出され、プロセッサ210がその検出結果に基づき各インクカートリッジ50における残インク量又はインク消費量を算出する。この残インク量又はインク消費量が消耗状態の一例であり、プロセッサ210が実行するこの処理が消耗状態算出処理の一例である。
【0049】
そして、図示を省略しているが、「Ink Cyan(C)」「Ink Magenta(M)」「Ink Yellow(Y)」「Ink Black(B)」の各項目名の横には、上記の処理により算出されたシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、それぞれの残インク量又はインク消費量が情報端末300でのWebページにおいて表示される。
【0050】
<消耗状態の表示>
なお、本実施形態では、複合機200の表示部240においても、上記の処理により算出されたシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、それぞれの残インク量又はインク消費量が表示される。その表示内容の一例を図5により説明する。
【0051】
図5に示す例では、ユーザによる適宜の操作により表示される画面240Fにおいて、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、それぞれの残インク量が、四角枠内の仮想水位線により模式的に示されている。本実施形態では、シアンインクのカートリッジ50、マゼンタインクのカートリッジ50、イエローインクのカートリッジ50については新品のインク満杯の状態から約半分に減った、残量約50%の状態となっている。またブラックインクのカートリッジ50については新品に近い、残量がほぼ約100%の状態となっている。なお、このような残量を表す表示ではなく、新品の状態からどれだけ消費したかを表す消費量の表示としてもよい。
【0052】
なお、図5の下部に示すように、公知の手法で算出した、各カートリッジ50のインク残量により印刷部290により印刷可能な印刷ページ数が併せて表示されている。シアンインクのカートリッジ50、マゼンタインクのカートリッジ50、イエローインクのカートリッジ50については、上記残量約50%のインクを用いることであと1100ページの印刷が可能であることが表示されている。同様に、ブラックインクのカートリッジ50については、上記残量約100%のインクを用いることであと2300ページの印刷が可能であることが表示されている。これらの場合、上記印刷可能な印刷ページ数が消耗状態の一例であり、プロセッサ210がそれらを算出する処理が、消耗状態算出処理の一例である。
【0053】
図5に示したような表示部240での表示を行わせるプロセッサ210の処理が消耗状態表示処理の一例である。
【0054】
図4に戻り、なお、ユーザが「Export」ボタンを操作すると、以上説明した「Maintenance Information」に係わる全項目の全情報が所定のファイル形式、例えばcsv形式で情報端末300から出力される。
【0055】
なお、図4においては、情報端末300において、EWS用のファイル形式のウェブページによりページカウント値等の表示が行われる場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、情報管理サーバ100内に予め各ユーザに対応して備えられるユーザ別情報に基づき、情報端末300からアクセスすることでマイページを表示させ、そのユーザごとのマイページにおいて、図4に示したのと同様の情報を表示してもよい(図示省略)。この場合も前述と同様、マイページにおいて表示する、残インク量、インク消費量、印刷可能な印刷ページ数等をプロセッサ210が算出する処理が消耗状態算出処理の一例である。
【0056】
<印刷契約の成立>
図2に戻り、以上のようなS1,S3が行われた後の状態で、ユーザが、前述の印刷契約に基づき複合機200を使用する意図で情報端末300における適宜の操作を行うことにより、情報端末300から情報管理サーバ100へ契約要求が送信され、情報管理サーバ100において受信される(S5)。
【0057】
これに対応して、情報管理サーバ100では、ページカウンタ260によるページカウント値に基づく、月額枚数カウンタ機能の準備が行われる(S7)。この月額枚数カウンタ機能は、後述の印刷契約が成立した後の特定期間にページカウンタ260によりカウントされるページカウント値のうち、印刷契約に対応した印刷が正しく行われた印刷ページ数のみをカウントする機能である。なお本実施形態では、特定期間は「1か月」となっており、特定期間の印刷数の一例として、1か月ごとの印刷ページ数(以下適宜、単に「月額枚数」と称する)のカウントが行われる。この月額枚数カウンタ機能は、当該情報端末300に対応するユーザIDと紐づけられた状態で情報管理サーバ100内に備えられる。
【0058】
その後、情報管理サーバ100から契約開始情報すなわちActivation指示が送信され、複合機200において受信される(S9)。これにより、前述の印刷契約が成立した状態となる。なおこの契約開始情報が、印刷契約の完了通知の一例である。
【0059】
<ページカウント値の表示態様変更>
その後、複合機200では、契約成立に対応し、図3(a)~(e)のようにして表示されるページカウント値の表示態様の変更、本実施形態では表示の隠蔽がプロセッサ210の制御に基づき行われる(S11)。なお、このS11が表示態様変更ステップの一例であり、S11でプロセッサ210が実行する処理が表示態様変更処理の一例である。具体的には、例えば以下の通りである。
【0060】
<複合機でのページカウント値の表示態様の変更例>
複合機200の表示部240における表示の流れを、前述の図3に対応する図6により説明する。図3(a)~(c)と同様の図6(a)~(c)に示すように、初期画面240Aの「Stting Menu」アイコン操作→各種設定画面240Bの「All Setting」ボタン操作→詳細設定画面240Cの「Machine Info.」ボタン操作を経て、図6(d)に示す装置情報表示画面240Dが表示される。このとき、図3(d)の装置情報表示画面240Dとは異なり、「Serial No.」「Firmware Version」「Page Counter」の各ボタンのうち、「Page Counter」ボタンだけがグレーアウトにより隠蔽され、操作不能となっている。これにより、前述のようにページカウンタ表示画面240Eへ移行不能となっている。つまり240Eの表示は消失している。あるいは「Page Counter」ボタンは操作可能となっていてもよい。ページカウンタ表示画面240Eへ移行したときに、ページカウント値のみ、又は、ページカウント値及び「Page Counter」の項目表記の両方の隠蔽されるようにしてもよい。
【0061】
あるいは、図6(d)に示すように隠蔽するのに代えて、装置情報表示画面240Dで「Serial No.」「Firmware Version」のみを表示し、「Page Counter」を非表示、すなわち消失させることで操作不能としてもよい。
【0062】
また、図7(a)に示すように装置情報表示画面240Dで「Page Counter」を表示し、これを操作して図7(b)に示すページカウンタ表示画面240E1へ移行するようにしてもよい。このページカウンタ表示画面240E1では、図示のように、ページカウント値「00000089」に加え、この値が後述の契約ページカウント値でないことを表す、「NOTICE! This number is not a number of print contracted」のメッセージが表示される。なおこのメッセージが特定表示の一例である。
【0063】
さらに、図8(a)に示すように装置情報表示画面240Dで「Page Counter」を表示し、これを操作して図8(b)に示すページカウンタ表示画面240E2へ移行するようにしてもよい。このページカウンタ表示画面240E2では、図示のように、ページカウント値「00000089」に代えて、数字以外の適宜の文字、本実施形態ではアルファベットと記号とを組み合わせた「w-w-w-w」が表示される。上記のように、表示態様の変更とは、表示していたものを隠す、消す、表示されない、グレーアウトする、文字を追加する、数字や英数字ではない文字や記号に変更する、といった変更を含む。以降、表示態様の変更とのみ記載される場合は、これらいずれかの変更を示すこととする。
【0064】
なお、上述の処理とともに、先に述べた、詳細設定画面240Cの「Print Reports」ボタン操作→別画面の「User Setting List」ボタン操作により印刷されるレポートにおいて、上記ページカウント値が含まれなくなるようにしてもよい。
【0065】
<情報端末でのページカウント値の表示態様の変更例>
図2に戻り、また、情報端末300においても、契約成立に対応しS11の処理に連携して、前述のように表示されるページカウント値の表示態様の変更が行われる。本実施形態では表示の隠蔽が行われる(S13)。具体的には、例えば以下の通りである。
【0066】
情報端末300における表示の隠蔽の例を、前述の図4に対応する図9により説明する。このS13においても、前述と同様、情報端末300におけるユーザの適宜の操作により上記URLへのアクセスがなされることで、図9に示すEWSファイル形式のWebページが表示される。図示のように、このWebページでも、前述と同様、「Maintenance」の大項目の中に「Node Information」「Device Status」「Remaining Life」等の中項目が設けられている。
【0067】
しかしながら、項目「Device Status」の下に設けられる、「Page Counter」「Average Coverage」の各小項目のうち、「Page Counter」の欄だけがグレーアウトにより隠蔽されている。これにより、図4では表示されていた「Color」「B&W」の各項目、及び、それぞれに対応するページカウント値もグレーアウトにより隠蔽されている。
【0068】
あるいは、隠蔽するのに代えて、「Device Status」の下に、小項目として「Average Coverage」のみを表示し、「Page Counter」については対応するページカウント値とともに非表示、すなわち消失させてもよい。
【0069】
なお、前述の「Export」ボタンの操作により出力される、「Maintenance Information」に係わる全項目の全情報においもて、上記ページカウント値が含まれなくなるようにしてもよい。
【0070】
また、前述のように情報端末300からアクセスして表示可能なマイページにおいても、上記同様、表示されていた情報に含まれるページカウント値等を、印刷契約の成立に応じて隠蔽又は消失させるようにしてもよい。なお、EWSファイル形式のWebページでは隠蔽又は消失させる一方で、マイページにおいては隠蔽又は消失させず、表示を継続するようにしてもよい。
【0071】
また、前述のようにして複合機200又は情報端末300において表示される残インク量、インク消費量、印刷可能な印刷ページ数等についても、印刷契約の成立に伴うS11又はS13において、併せて、上述のように表示態様を変更するようにしてもよい。
【0072】
図2に戻り、その後、複合機200から契約了承通知すなわちActivation通知が送信され(S15)、情報管理サーバ100において受信される(S17)。なお、情報管理サーバ100から問い合わせを行い、それに対して複合機200から応答としてActivation通知が送信されるようにしてもよい。これにより、情報管理サーバ100において、前述の印刷契約が契約済であることが認識される。以降、複合機200は、情報管理サーバ100と定期的に契約に関する情報交換を行う通信を実施する。本実施形態は12時間ごとに定期通信を行い情報を交換し、サービスに必要な情報を情報管理サーバ100にて管理する。その後、当該ユーザに対し契約カートリッジ50を配送するための配送情報が、情報管理サーバ100より配送管理サーバ400へ送信される(S19)。これにより、配送サービスを行う会社から当該ユーザへ契約カートリッジ50が配送される。なお、この契約カートリッジ50を用いて後述のS27による印刷処理が行われている間、契約カートリッジ50内のインクが消費され残量がなくなった若しくは少なくなったことが公知の手法で検出される。この時、情報管理サーバ100は、先に述べた定期通信のタイミングでインク残量の減少を把握する。情報管理サーバ100は、インク残量が少なくなったことを受け、上記S19と同様、当該ユーザに対し、追加の契約カートリッジ50を配送するための配送情報を配送管理サーバ400へ送信する。これによりユーザは自身でカートリッジの残量管理を気にすることなく複合機200を使うことができる。
【0073】
その後、上記のようにして配送された契約カートリッジ50をユーザが複合機200のカートリッジホルダ51に装着すると(S21)、通信部285によってカートリッジ情報が取得される。取得されたカートリッジ情報は複合機200から送信され、情報管理サーバ100において受信される(S23)。
【0074】
その後、複合機200において、ページカウンタ260によるページカウント値に基づき、契約カウンタ機能によるカウントが開始される(S25)。この契約カウンタ機能は、前述の印刷契約が成立した後にページカウンタ260によりカウントされるページカウント値のうち、印刷契約に対応した印刷が正しく行われた印刷ページ数のみをカウントする機能である。この印刷契約に対応した印刷が正しく行われた印刷ページ数が、契約印刷数の一例である。したがって、例えば、いわゆるテスト印刷が行われた場合、両面印刷の契約であるのに片面しか印刷できなかった場合、用紙の搬送トラブル等の複合機200側に起因する理由で印刷不良となった場合、等の印刷ページ数は除外される。この契約カウンタ機能によりカウントされる印刷ページ数を以下適宜、「契約ページカウント値」と称する。なお、この契約カウンタ機能による契約ページカウント値が契約印刷数の累積値の一例であり、プロセッサ210がS25で開始する、契約ページカウント値のカウントアップする処理が契約カウント処理の一例である。
【0075】
複合機200において印刷部290により印刷処理が実行され(S27)、ページカウンタ260によりページカウント値が加算されるとき、印刷契約に対応した印刷が正しく行われるのに従って契約ページカウント値も同様に加算される。この契約ページカウント値を含む各種情報は、複合機200から情報管理サーバ100へと送信される(S29)。
【0076】
情報管理サーバ100では、S7で準備済の月額枚数カウンタ機能により、複合機200から受信された契約ページカウント値に基づき、月額枚数のカウントが行われる(S31)。以下、月額枚数のカウントについて詳細に説明する。先に述べたように、情報管理サーバ100は、定期サイクルである12時間ごとに複合機200と情報の受け渡しをする定期通信をしている。情報管理サーバ100は、定期通信にて複合機200から受信した契約ページカウント値を揮発性記憶装置120に保存する。ここで、情報管理サーバ100は、月額枚数のカウントを特定期間すなわち1か月ごとに更新している。つまり1か月毎に月額枚数をゼロにリセットしている。情報管理サーバ100は、リセットされた後に複合機200から定期通信にて受信した契約ページカウント値と、リセットされる前に複合機200から受信していた契約ページカウント値とを比較し、その差分を月額枚数として記憶する。情報管理サーバ100は、特定期間である1か月の期間が終わるまでこの処理を繰り返す。これによりユーザは、定期通信である12時間ごとに更新された最新の月額枚数を知ることができる。つまり月額枚数とはその月に使った印刷枚数である。なお、本実施形態では月額による印刷枚数を表示するために特定期間を1か月としたが、2か月であってもよいし、1週間であってもよい。それぞれのサービスの形態に合わせて期間は適宜変更が可能である。また、月額枚数の更新を定期通信である12時間ごとにしていたが、この限りではない。例えば1日おきなどなどのサイクルで定期通信を実施してもよく、印刷後などの不定期のタイミングで通信を行い契約ページカウント値を更新してもよい。
【0077】
その後、情報管理サーバ100では、S31でカウントされた月額枚数カウント値を複合機200へ送信し(S33)、複合機200は送信された月額枚数カウント値を受信し、取得する(S35)。複合機200のプロセッサ210がS35で実行する処理が特定カウント取得処理の一例である。なお本実施形態では、複合機200では、S35で取得された月額枚数カウント値の表示は特に行われない。S25でカウント開始されている契約ページカウント値も同様である。そして前述のようにS11でページカウント値の表示が隠蔽されることから、この時点で、複合機200においては、ページカウント値、契約ページカウント値、及び月額枚数カウント値のすべてが表示されないことになる。
【0078】
また情報管理サーバ100では、S31でカウントされた月額枚数カウント値を情報端末300へも送信し(S33)、情報端末300は送信された月額枚数カウント値を受信し、取得する(S39)。情報端末300では、その取得された月額枚数カウント値が表示される(S41)。なお、情報端末300においては、前述のようにS13でページカウント値の表示が隠蔽されることから、この時点で、ページカウント値及び契約ページカウント値が表示されず、月額枚数カウント値のみが表示されることになる。
【0079】
その後、所望の印刷を完了したユーザが、前述の印刷契約を解除する意図で情報端末300における適宜の操作を行うことにより、情報端末300から情報管理サーバ100へ退会要求が送信され(S43)、情報管理サーバ100において受信される(S45)。情報管理サーバ100では、これに対応して、S31で開始していた月額枚数カウンタ機能による月額枚数のカウントを終了し、その旨を複合機200へ通知する。複合機200では、これに対応して、S25で開始していた契約カウンタ機能による契約ページカウント値のカウントを終了する(S49)。
【0080】
その後、情報管理サーバ100からは契約終了情報すなわちInactivation指示が送信され、複合機200において受信される(S51)。これにより、前述の印刷契約が解除された状態となる。複合機200では、これに対応して、S11で表示態様を変更していたページカウント値の表示態様を元の態様に戻す。具体的には、隠蔽されていたページカウント値が隠蔽前の通常の表示状態に復活する(S53)。このS53で実行される処理が表示態様復帰処理の一例である。その後、このシーケンスを終了する。
【0081】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、特定期間における印刷数に応じた課金額を請求する印刷契約が結ばれた場合には、ページカウント値の表示態様の変更が行われる。すなわち、印刷契約が成立した後は、S1より表示部240に表示されているページカウント値がS11にて隠蔽され、それ以降ユーザの目に触れない、若しくは目に触れにくくすることができる。この結果、ページカウント値をユーザが目にすることによる前述の混乱を回避することができる。
【0082】
また、本実施形態では特に、印刷契約成立後、前述のようにS11でページカウント値の表示態様の変更が行われたのに連携して、情報端末300においてもS13においてページカウント値の表示態様が変更される。これにより、情報端末300においても、ページカウント値の表示を隠蔽し、それ以降、情報端末300を見るユーザに対しページカウント値が目に触れない、若しくは、目に触れにくくすることができる。この結果、前述と同様、ユーザの混乱を回避することができる。
【0083】
また、本実施形態では特に、情報管理サーバ100からの月額枚数カウント値の送信(S33)に連携し、印刷契約に基づく特定期間、前述例では1か月間の間に印刷された枚数である月額枚数カウント値の表示が情報端末300において行われる(S41)。これにより、情報端末300において、上記印刷契約成立後は、印刷契約に対応した印刷が正しく行われた最新の特定期間における印刷ページ数を視認することができる。この結果、ユーザにとっての利便性をさらに向上することができる。
【0084】
また、本実施形態では特に、情報端末300において複合機200と連携して種々の表示が行われる場合に、月額枚数カウント値の表示が情報端末300において行われる。これにより、情報端末300において、印刷契約の成立後は、印刷契約に基づく最新の特定期間、上記の例では1か月間の月額枚数カウント値を視認することができる。この結果、ユーザにとっての利便性をさらに向上することができる。
【0085】
また、本実施形態では特に、前述の表示態様の変更として、ページカウント値の表示が隠蔽されるか(図6(d)参照)、若しくは、消失する。これにより、印刷契約成立後は、ページカウント値を確実にユーザの目に触れないようにする若しくは目に触れにくくすることができる。あるいは、本実施形態においては、前述の表示態様の変更として、ページカウント値の表示に加え、印刷契約の成立に対応したメッセージ(図7(b)参照)が表示される。このように、ページカウント値の内容がユーザが知りたい情報と必ずしも一致していない等を表す表示を行うことで、上記印刷契約の成立後、ページカウント値を確実にユーザの目に触れにくくすることができる。
【0086】
また、本実施形態では特に、複合機200において契約カウンタ機能による契約カウント値のカウントが行われる(S25)。また、印刷契約に規定された特定期間、上述の例では1ケ月における印刷契約に対応した月額枚数カウント値が情報管理サーバ100から取得される(S31)。そして、契約の成立後は、表示部240においては、それまで表示していたページカウント値の表示がS11で隠蔽され、契約ページカウント値及び月額枚数カウント値も表示部240において表示されない。これにより、ユーザは、印刷契約の成立後、少なくともページカウント値を視認できなくなる。この結果、ページカウント値をユーザが目にすることによる混乱を回避でき、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0087】
また、情報端末300においては、上述の複合機200の表示部240の挙動に連携し、契約成立以降、ページカウント値及び契約ページカウント値のいずれも表示されない一方、月額枚数が表示される。この結果ユーザは、情報端末300において前述のページカウント値を目にして混乱するのを回避できるとともに、印刷契約に基づく最新の特定期間の契約ページカウント値を視認することができる。この結果、ユーザにとっての利便性がさらに向上する。
【0088】
また、本実施形態では特に、複合機200に使用される消耗品、上記の例ではインクに係わる消耗状態、上記の例では残量又は消費量について、消耗状態が算出され、表示部240に表示される(図5参照)。このとき、上記ページカウント値と同様、上記消耗状態についても、通常検出される値と、印刷契約を結んだ場合にユーザが知りたい値とが異なる場合があり得る。そこで本実施形態においては、印刷契約が成立した際には、表示部240における上記ページカウント値の表示態様を変更するのみならず、表示部240における上記消耗状態の表示態様も変更する。これにより、これ以降、消耗状態がユーザの目に触れないようにする、若しくは、目に触れにくくすることが可能となる。この結果、前述のページカウント値と同様、算出される消耗状態をユーザが目にすることによる混乱を回避でき、さらに利便性を向上できる。
【0089】
なお、上記は消耗品の例としてインクを例にとり、消耗状態の例としてその残量又は消費量を例にとって説明したが、これに限られない。例えばインクジェット方式ではなくレーザ方式の複合機200が用いられる場合には、トナーを消耗品としその残量又は消費量を消耗状態として算出してもよいし、ドラムを消耗品としその残り寿命を消耗状態として公知の手法により算出してもよい。
【0090】
また、本実施形態では特に、契約開始情報が情報端末300から受信された後に、ページカウント値の表示態様が変更される(S11)。これにより、前述したユーザの混乱を、印刷契約の完了後速やかに回避することができる。
【0091】
また、本実施形態では特に、前述のようにして締結が完了した印刷契約がその後解除された場合、S11で変更済のページカウント値の表示態様が、変更前の表示態様に復帰する(S53)。これにより、印刷契約の解除により前述の混乱が生じ得なくなったことに対応してページカウント値を元の表示態様で表示部240に表示し、本来のユーザへの報知機能を発揮させることができる。
【0092】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0093】
(1)契約了承通知を情報管理サーバへ送信後に、表示態様変更する場合
本変形例において、複合機200、情報管理サーバ100、配送管理サーバ400、情報端末300、により実行される処理を、上記図2に対応する図10のシーケンス図に示す。
【0094】
図10に示すように、本変形例では、図2におけるS11及びS13が、S15の後に実行される。すなわち、情報管理サーバ100からの契約開始情報が複合機200において受信されたら(S9)、複合機200から契約了承通知が送信され(S15)、情報管理サーバ100において受信される(S17)。その後、S11における複合機200の表示部240におけるページカウント値の隠蔽と、S13における情報端末300におけるページカウント値の隠蔽とが行われる。これ以外は図2と同様であり、説明を省略する。
【0095】
本変形例によれば、印刷契約の契約開始情報を複合機200が情報管理サーバ100から受信してその応答を情報管理サーバ100へ送信した後に、ページカウント値の表示態様が変更される。これにより、前述したユーザの混乱を、印刷契約の完了後においてより正確に回避することができる。
【0096】
(2)カートリッジを装着後に、表示態様変更する場合
本変形例において、複合機200、情報管理サーバ100、配送管理サーバ400、情報端末300、により実行される処理を、上記図2に対応する図11のシーケンス図に示す。
【0097】
本変形例では、前述の契約カートリッジ50の中でも、特に、カートリッジホルダ51への装着により前述の印刷契約に基づく課金が開始されるように予め構成された種類のインクカートリッジ50が使用される。この種類のインクカートリッジ50は、装着後におけるプロセッサ210の制御に基づき、印刷契約の成立前は通常カートリッジ50として機能し、印刷契約の成立後は契約カートリッジ50として機能することができる。以下適宜、この種類のインクカートリッジ50を「多機能カートリッジ50」と称する。なお多機能カートリッジ50が特定カートリッジの一例である。この多機能カートリッジ50は、例えば複合機200がユーザによって購入され搬入される際、その搬入される複合機200と同梱されているか、同じタイミングでユーザに提供される。この結果、図11においては、図2におけるS19が省略される。
【0098】
そして、図11に示すように、本変形例では、図2におけるS11及びS13が、S23の後に実行される。すなわち、情報管理サーバ100からの契約開始情報が複合機200において受信され(S9)、複合機200から契約了承通知が送信されて(S15)情報管理サーバ100において受信される(S17)。その後、配送情報が配送管理サーバ400へ送信される(S19)。その後、ユーザにより上記多機能カートリッジ50がカートリッジホルダ51に装着されると(S21)、通信部285によって取得されたカートリッジ情報が複合機200から情報管理サーバ100へ送信される(S23)。なお装着時において既に印刷契約が成立していることから(S15,S17)、多機能カートリッジ50はプロセッサ210の制御により契約カートリッジ50として機能することができる。
【0099】
その後、S11における複合機200の表示部240におけるページカウント値の隠蔽と、S13における情報端末300におけるページカウント値の隠蔽とが行われる。以上説明した以外は図2と同様であるため、説明を省略する。
【0100】
本変形例によれば、多機能カートリッジ50が装着されたタイミングの後に、上記ページカウント値の表示態様が変更される。これにより、前述したユーザの混乱を、多機能カートリッジ50の装着による印刷契約の課金開始以降、速やかに回避することができる。
【0101】
(3)契約ページカウント値を表示する場合
本変形例において、複合機200、情報管理サーバ100、配送管理サーバ400、情報端末300、により実行される処理を、上記図2に対応する図12のシーケンス図に示す。
【0102】
図12に示すように、本変形例では、図2におけるS25とS27との間のタイミングで、S26、S26Aが実行される。すなわち、インクカートリッジ50の装着後にカートリッジ情報が情報管理サーバ100へ送信され(S23)、複合機200の契約カウンタ機能によるカウントが開始された後(S25)、表示部240においてそのカウントされた契約ページカウント値の表示が行われる(S26)。S26で実行される処理が第2表示制御処理の一例である。またこれに連携して、情報端末300においても、契約ページカウント値の表示が行われる(S26A)。なおS26,S26Aのうちいずれか一方のみが実行されてもよい。この後のS27以降は図2と同様であり、説明を省略する。
【0103】
本変形例によれば、以下の効果を得る。すなわち、既に述べたように、印刷契約が結ばれた場合、ユーザの関心はページカウント値ではなく、支払いの義務が生じる、印刷契約に対応した契約ページカウント値である。本変形例においてはこれに対応し、印刷契約の成立後は、S25で契約ページカウント値のカウントが行われるとともに、S26において表示部240にてその契約ページカウント値が表示される(S26)。これにより、ユーザは、印刷契約の成立後は、通常のページカウント値を視認しにくくなる又はできなくなるのみならず、自分が結んだ印刷契約に対応した契約ページカウント値を視認することができる。この結果、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0104】
また本変形例によれば、複合機200側のS26の処理に連携して、情報端末300においても、印刷契約に対応した契約ページカウント値が表示される(S26A)。これにより、上述と同様、情報端末300においても、印刷契約成立後は、ユーザは自分が結んだ印刷契約に対応した契約ページカウント値の累積値を視認することができる。この結果、ユーザにとっての利便性を向上することができる。
【0105】
(4)月額枚数を複合機で表示する場合
本変形例において、複合機200、情報管理サーバ100、配送管理サーバ400、情報端末300、により実行される処理を、上記図2に対応する図13のシーケンス図に示す。
【0106】
図13に示すように、本変形例では、図2におけるS35の後のタイミングで、S37が実行される。すなわち、複合機200において印刷処理が実行され(S27)、複合機200から受信した契約ページカウント値に基づき情報管理サーバ100で月額枚数のカウントが行われ(S31)、その月額枚数カウント値が複合機200へ送信される(S33,S35)。その後、複合機200では、上記S35で受信した月額枚数カウント値が表示部240において表示される(S37)。S37で実行される処理が第3表示制御処理の一例である。これ以外の処理は図2と同様であり、説明を省略する。
【0107】
本変形例によれば、以下の効果を得る。すなわち、既に述べたように、印刷契約が結ばれた場合、通常、支払の単位となる特定期間が予め定められ、その特定期間ごとの印刷内容に応じて、ユーザに対し課金が行われる。ユーザの一番の関心ごとは支払いの義務がいくら生じているかである。本変形例においてはこれに対応し、印刷契約に規定された特定期間、上記の例では一ケ月における月額枚数カウント値が情報管理サーバ100から取得される(S33)。そして、取得されたその特定期間における契約ページカウント値が表示部240において表示される(S37)。これにより、ユーザは、印刷契約成立後は、ページカウント値を視認しにくくなる又は視認できなくなるのみならず、印刷契約に基づき、最新の特定期間の契約ページカウント値を視認することができる。この結果、ユーザにとっての利便性がさらに向上する。
【0108】
(5)月額枚数を複合機でカウントする場合
本変形例において、複合機200、情報管理サーバ100、配送管理サーバ400、情報端末300、により実行される処理を、上記図2に対応する図14のシーケンス図に示す。
【0109】
図14に示すように、本変形例では、図2におけるS31,S33,S35が省略され、複合機200におけるS27の後に、S34、及び、上記図13と同様のS37が新たに設けられている。すなわち、複合機200において印刷処理が実行され(S27)、複合機200が契約ページカウント値を情報管理サーバ100へ送信した後(S29)、S34において複合機200において月額枚数のカウントが行われる(S34)。なおS34で実行される処理が特定カウント算出処理の一例である。こうして算出された月額枚数カウント値は図13と同様のS37において表示部240において表示される。また複合機200でカウントされた月額枚数カウント値は、情報端末300へと送信され(S39′)、これに応じて情報端末300では、受信した月額枚数カウント値が表示される(S41)。上記以外の処理は図2と同様であり、説明を省略する。
【0110】
本変形例においては、印刷契約の成立後において、複合機200に備えられる月額枚数カウンタ機能によって月額枚数カウント値が算出される。そして、表示部240においては、それまで表示していたページカウント値の表示が前述のように隠蔽される(S11)。なお、契約ページカウント値も表示部240において表示されない。これにより、ユーザは、印刷契約の成立後、少なくともページカウント値を視認できなくなるため、ページカウント値を目にすることによる混乱を回避でき、ユーザにとっての利便性が向上する。一方、本変形例では、契約成立後、前述のように算出された月額枚数カウント値は表示される(S37)。この結果、ユーザは、印刷契約に基づく最新の特定期間における契約ページカウント値を視認することができる。したがって、ユーザにとっての利便性がさらに向上する。
【0111】
(5)その他
以上説明した内容に基づく、印刷契約の成立後における複合機200の表示部240及び情報端末300における、ページカウント値、契約ページカウント値、及び、月額枚数カウント値、の表示態様の典型的な例を、図15に一覧にまとめて示す。
【0112】
図15中のパターン「A」では、複合機200ではページカウント値、契約ページカウント値、月額枚数カウント値すべてが非表示・遮蔽等(以下適宜、単に「非表示」と称する)となる。情報端末300ではページカウント値、契約ページカウント値が非表示となり、月額枚数カウント値は表示される。図2を用いて説明した実施形態がこのパターンAに該当している。
【0113】
図15中のパターン「B」では、複合機200では契約ページカウント値は非表示でも表示されてもよく、月額枚数カウント値は表示される。また、情報端末300でも、契約ページカウント値は非表示でも表示されてもよく、月額枚数カウント値は表示される。
【0114】
図15中のパターン「C」では、複合機200では月額枚数カウント値は非表示でも表示されてもよく、契約ページカウント値は表示される。また、情報端末300でも、月額枚数カウント値は非表示でも表示されてもよく、契約ページカウント値は表示される。
【0115】
いずれの場合も、前述のように、ページカウント値が契約成立後において表示態様が変更される限りにおいて、ページカウント値をユーザが目にすることによる前述の混乱を回避できるという効果が得られる。
【0116】
なお、前述したように、インクカートリッジ50には、詳細には、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、4色それぞれのカートリッジが含まれる。これに対応して、前述の契約ページカウンタ機能による契約ページカウント値の算出においては、これら各色のインクカートリッジがそれぞれ契約カートリッジ50か通常カートリッジ50かに対応して、カウントアップを行ってもよい。例えば、4色のうち少なくとも1色が契約カートリッジ50であった場合はその状態での印刷により契約ページカウント値のカウントアップを行い、全色が通常カートリッジ50であった場合には契約ページカウント値のカウントアップを行わないようにしてもよい。
【0117】
また、図2図10図14等に示すシーケンスフローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0118】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【符号の説明】
【0119】
50 インクカートリッジ(カートリッジの一例)
51 カートリッジホルダ(カートリッジ装着部の一例)
200 複合機(印刷装置の一例)
210 プロセッサ(制御部の一例)
240 表示部
290 印刷部
300 情報端末(外部表示装置の一例
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15