(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057203
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】ドキュメント作成装置
(51)【国際特許分類】
G06F 40/166 20200101AFI20220404BHJP
G06F 40/131 20200101ALI20220404BHJP
【FI】
G06F40/166
G06F40/131
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020165333
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】512207191
【氏名又は名称】ナレッジオンデマンド株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000154990
【氏名又は名称】株式会社牧野フライス製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】橋本 悦雄
(72)【発明者】
【氏名】富樫 亮介
(72)【発明者】
【氏名】市村 佳代子
【テーマコード(参考)】
5B109
【Fターム(参考)】
5B109QB11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】類似ドキュメントを容易に作成し、共通部分を有した複数の異なるドキュメント間で、共通部分を共用しつつ、修正、変更が必要なドキュメントのみの共通部分を一度に修正することが可能なドキュメント作成装置を提供する。
【解決手段】ドキュメント作成装置10は、派生ドキュメントを作成する雛形となる共通ドキュメントと、共通ドキュメントの要素とは異なる要素が埋め込まれた領域と空欄となっている領域とを有した差分ドキュメントとを作成し、共通ドキュメントの要素を差分ドキュメントの対応する領域の要素に置き換えて、共通ドキュメントから派生ドキュメントを生成するようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメントを作成するドキュメント作成装置において、
複数の領域の各々に要素(エレメント)が埋め込まれ、派生ドキュメントを作成する雛形となる共通ドキュメントと、前記複数の領域に対応した要素(エレメント)埋め込み用の領域有し、該領域に、前記共通ドキュメントに埋め込まれている要素(エレメント)とは異なる要素(エレメント)が埋め込まれた差分ドキュメントとを記憶するドキュメント記憶部と、
前記差分ドキュメントの前記要素(エレメント)が埋め込まれている領域と、該領域に対応した前記共通ドキュメントの領域との組合せを記憶する管理テーブル記憶部と、
前記管理テーブル記憶部に記憶された組合せに基づいて、前記共通ドキュメントの要素(エレメント)を差分ドキュメントの対応する領域の要素(エレメント)に置き換えて、前記共通ドキュメントから派生ドキュメントを生成するドキュメント生成部と、
を備えることを特徴としたドキュメント作成装置。
【請求項2】
前記共通ドキュメントと差分ドキュメントは、管理テーブルまたはドキュメント識別番号で相互に関連付けられており、1つの共通管理ドキュメントに複数の差分ドキュメントを関連付けて、1つの共通ドキュメントから類似の複数の派生ドキュメントが生成されるようにした請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【請求項3】
ドキュメント記憶部および管理テーブル記憶部に格納されているデータを取得し、該データに基づいて、前記1つの共通ドキュメントから生成した複数の差分ドキュメントの各々の領域に埋め込まれている要素(エレメント)の関連を一覧表示する表示処理部を更に具備する請求項2に記載のドキュメント作成装置。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記1つの共通ドキュメントから生成した複数の差分ドキュメントの対応する領域に埋め込む要素(エレメント)を一覧表示する請求項3に記載のドキュメント作成装置。
【請求項5】
作成した派生ドキュメントの連番を再付番する再付番処理部を更に具備する請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、類似するコンテントを有する多数種類のドキュメントを作成するドキュメント作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、利用者毎に電子文書の閲覧、編集、作成承認に関する権限を示す利用者権限情報を管理し、1つの電子ファイルに対して複数の利用者が同時に編集を実行できないように制御するようにした電子マニュアル出力システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-035638号公報
【特許文献2】特開2006-251967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工作機械のような機械製品を含む工業製品では、改良やユーザの特注によって同種の機械について複数のモデルが製造される。そうした場合、製品マニュアルは、異なる機械毎に異なる内容を有しているが、同種のモデル間では、かなり多くの部分が共通の内容で書かれている。然しながら、特許文献1の発明を含め従来技術では、製品ごとにマニュアルデータを生成、管理しているので、共通部分を修正する場合、製品数分の該当箇所をそれぞれ個別に修正する必要がある。特許文献2の発明では、セクション単位でマニュアルを構成し、セクションを含めたマニュアルを出力することが書かれている。然しながら、特許文献2の発明では、一つのセクションを修正した場合に、当該セクションの修正の影響範囲の把握が難しく、実用的ではない。また修正済み、未修正の管理も必要となる。
【0005】
本発明は、こうした従来技術の問題を解決することを目的としており、類似ドキュメントを容易に作成し、共通部分を有した複数の異なるドキュメント間で共通部分を共用しつつ、共通部分を修正、変更しようとしたときに、修正、変更が必要なドキュメントのみの該当する共通部分を一度に修正できるようにしたドキュメント作成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明によれば、ドキュメントを作成するドキュメント作成装置において、複数の領域の各々に要素(エレメント)が埋め込まれ、派生ドキュメントを作成する雛形となる共通ドキュメントと、前記複数の領域に対応した要素(エレメント)埋め込み用の領域有し、該領域に、前記共通ドキュメントに埋め込まれている要素(エレメント)とは異なる要素(エレメント)が埋め込まれた差分ドキュメントとを記憶するドキュメント記憶部と、前記差分ドキュメントの前記要素(エレメント)が埋め込まれている領域と、該領域に対応した前記共通ドキュメントの領域との組合せを記憶する管理テーブル記憶部と、前記管理テーブル記憶部に記憶された組合せに基づいて、前記共通ドキュメントの要素(エレメント)を差分ドキュメントの対応する領域の要素(エレメント)に置き換えて、前記共通ドキュメントから派生ドキュメントを生成するドキュメント生成部とを備えたドキュメント作成装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、類似ドキュメントを共通ドキュメントで管理し、共通部分の修正を一度で済ませることができ、修正漏れを防ぎ、修正工数、翻訳工数も削減可能となる。また修正、変更の影響範囲が共通ドキュメントに限定されているので、影響範囲を容易に把握でき、予期しない箇所の変更を防ぐことができ、修正済み、未修正の管理も不要となる。同時に、差分ドキュメントで派生ドキュメントの個別部分を管理することで、類似の各派生ドキュメント間の差異を明確化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の好ましい実施形態によるドキュメント作成装置を示すブロック図である。
【
図2】共通ドキュメントを説明するための略図である。
【
図4】差分ドキュメントを説明するための略図である。
【
図5】1つの領域の要素(エレメント、例はコンテント)を編集するための編集画面を示す図である。
【
図6】派生ドキュメントの作成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
本発明は、コンピュータシステム上で文書(電子文書)を作成するドキュメント作成装置に関する。本発明を適用する電子文書は、典型的には電子マニュアルを含むが、それ以外の電子文書であってもよい。電子マニュアルは、取扱い製品の操作や仕様等に関する説明について記載された電子またはその他の媒体による刊行物であり、取扱い説明書、操作説明書、仕様書、設計書等を含むことができる。
【0010】
図1において、ドキュメント作成装置10は、CPU(中央演算素子)、RAM(ランダムアクセスメモリ)やROM(リードオンリーメモリ)のようなメモリ装置、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)のような記憶デバイス、出入力ポート、および、これらを相互接続する双方向バスを含むコンピュータおよび関連するソフトウェアから構成することができ、編集処理部14、ドキュメント生成部16および記憶部28を主要な構成要素として具備している。
【0011】
ドキュメント作成装置10には、無線または有線通信手段、例えばLANやインターネットのようなネットワーク手段を介して、1または複数の、
図1の例では3つのユーザ端末32、34、36を接続することができる。ユーザ端末は、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレットとすることができる。
【0012】
編集処理部14は、ユーザ端末32、34、36からの指令に基づき、ドキュメントの要素(エレメント)の作成、編集処理を行う。ドキュメントは、コンピュータ上で作成される電子文書または電子ファイルであって、典型的にはHTMLファイルであるが、ファイルの種類は問わない。本発明では、ドキュメントは、共通ドキュメント、差分ドキュメント、派生ドキュメントを含み、共通ドキュメントおよび差分ドキュメントは、記憶部28の記憶領域の一部であるドキュメント記憶部24に記憶される。
【0013】
図2を参照すると、共通ドキュメント100は、派生ドキュメントを作成するための雛形またはテンプレートとなる電子文書であって、1または複数の、
図2の例では4つの領域102、104、106、108を定義するブランク90aの各領域に要素(エレメント)112、114、116、118を埋め込み或いは組み込んで構成されている。
領域には要素(エレメント)を埋め込まず、空の領域でもよい。
ブランク90aは領域102、104、106、108に加えて、領域以外の要素(エレメント)を含んでいてもよい。要素(エレメント)は、テキストや表、或いはアイコンを含めた画像、動画のようなコンテントでもよいし、リンク情報を含んでいてもよい。或いは書式や属性情報などの派生ドキュメントを生成するときの制御情報でもよい。
また、ブランク、各領域、要素(エレメント)は独立して存在し、ブランクと各領域、各領域と要素(エレメント)、領域または要素(エレメント)の並び順が管理テーブルで関連付けられていれば、その記憶形態は問わない。
【0014】
図3を参照すると、共通ドキュメント120は、領域122、124、126、128を含んでいる。領域122には、要素(エレメント)として
<主作業>
・本作業は必ず電源を切ってから行ってください。
・本作業は保護手袋と安全めがねを装着して行ってください。
というテキストが埋め込まれ、または関連付けられている。
【0015】
領域124には、要素(エレメント)として
【表1】
という表が埋め込まれ、または関連付けられている。
領域126には、点検箇所を示す画像が要素(エレメント)として埋め込まれ、または関連付けられている。
領域128には、要素(エレメント)として
注記
・機種により、ユニットの搭載位置が異なります。
というテキストが埋め込まれ、または関連付けられている。
【0016】
図3の例の領域126の画像を変更し、領域128の要素(エレメント)を消去した派生ドキュメントを作成する場合、
図2における共通ドキュメント100の領域106と108に該当する、
図4の差分ドキュメント200のブランク90bに領域106と108を持たせ、差分ドキュメント200の領域106に要素(エレメント)116とは異なる要素(エレメント)216を埋め込み、差分ドキュメント200の領域108には要素(エレメント)を入れずに空にすればよい。
【0017】
オペレータは、ユーザ端末32、34、36を操作して、共通ドキュメント100の派生ドキュメントとして差分ドキュメント200を設定する。共通ドキュメント100と差分ドキュメント200は、管理テーブル26またはドキュメント識別番号を用いて関連付けられ、ドキュメント記憶部24に記憶される。
【0018】
次に、オペレータは、ユーザ端末32、34、36を操作して、共通ドキュメントの該領域に対応した領域を、
図4の差分ドキュメント200のブランク90bに共通ドキュメントとは異なるコンテントを埋め込むための領域106と108を設定する。このとき、差分ドキュメント200の領域106と共通ドキュメント100の領域106、同様に差分ドキュメント200の領域108と共通ドキュメント100の領域108の組み合わせが、管理テーブル26または領域識別番号を用いて関連付けられ、記憶部28の記憶領域の一部から成る管理テーブル記憶部26に差分ドキュメント200と関連付けて記憶される。
【0019】
さらに、差分ドキュメント200の領域106にコンテント216を埋め込むと、領域106とコンテント216との関連付けがされて、ドキュメント記憶部24と管理テーブル記憶部26を含む記憶部28に記憶される。
【0020】
オペレータは、ユーザ端末32、34、36を操作して、共通ドキュメント100の領域102、104、106、108の要素(エレメント)112、114、116、118、差分ドキュメント200の領域106、108の要素(エレメント)を編集することができる。編集処理部14は、ユーザ端末32、34、36の表示装置またはディスプレイ(図示せず)上に共通ドキュメント100或いは差分ドキュメント200を編集モードで表示する。次いで、オペレータが、共通ドキュメント100の領域102、104、106、108、差分ドキュメント200の領域106、108から編集すべき領域を選択する。
【0021】
例えば、
図3の共通ドキュメント120の領域126に埋め込まれている画像をコピーして、
図7の派生ドキュメント320用として別の画像として使用する場合、オペレータが領域126を選択すると、表示処理部22によって、該オペレータが操作するユーザ端末32、34、36の表示装置に領域126の編集画面が表示され、オペレータは、該編集画面上で領域126の編集が可能となる。編集画面の一例を
図5に示す。この編集後の画像を差分ドキュメント200の領域106に要素(コンテント)216として埋め込めば、共通ドキュメント120の領域126に埋め込まれている画像が、派生ドキュメント320では
図7のように別の画像に置換されているのが理解されよう。
【0022】
共通ドキュメント100の領域が、差分ドキュメント200との何れにも関連付けされていない場合、共通管理ページの領域に埋め込まれた、または関連付けられた要素(エレメント、テキストや図等のコンテントなど)を修正すると、共通ドキュメント100に関連付けられた差分ドキュメント200で生成される派生ドキュメントの全てにおいて、修正が一斉に反映される。
たとえば
図3の共通ドキュメント120の領域126の画像を編集して、変種後の画像を共通ドキュメント120の元の領域126に埋め込めば、領域126を持たない差分ドキュメントから生成される派生ドキュメントにおいては、編集後の画像に一斉に変更される。
【0023】
ドキュメント生成部16は、
図6に示すように、差分ドキュメント200と共通ドキュメント100との2層のレイヤ構造を組み合わせることによって、派生ドキュメント300を生成する。派生ドキュメント300は、共通ドキュメント100の要素(エレメント)112、114と、差分ドキュメント200の要素(エレメント)216とを備えている。
【0024】
差分ドキュメントが、共通ドキュメントの領域に関連付けられた領域を含む場合、共通ドキュメントの該領域の要素(エレメント)が、差分ドキュメントの対応する領域の要素(エレメント)によって置換され、共通ドキュメントの領域が差分ドキュメントの領域の何れにも関連付けられていない領域では、共通ドキュメントの当該領域の要素(エレメント)が、そのまま派生ドキュメントの要素(エレメント)となる。
図6の例では、共通ドキュメント100の領域102、104、106、108のうち、差分ドキュメント200と関連付けられた領域106の要素(エレメント)116が差分ドキュメント200の領域106の要素(エレメント)216に置換され、共通ドキュメント100の領域108の要素(エレメント)118は、差分ドキュメント200の空の領域108により削除され、関連付けられていない領域102、104は、共通ドキュメント100の要素(エレメント)112、114がそのまま派生ドキュメントの要素(エレメント)となり、派生ドキュメント300として生成される。
【0025】
図3の例では、領域122、124、126、128を有した共通ドキュメント120の領域126のコンテント(画像)が変更され、領域128のコンテント(テキスト)が削除され、
図7に示す派生ドキュメント320が生成される。
図7において、派生ドキュメント320は、共通ドキュメント120の領域126、128に対応した領域126、128を差分ドキュメントが有しており、コンテント326の画像に置換され、領域128のテキストが空の領域(空白コンテント)により削除されている。
【0026】
差分ドキュメントにおいて、共通ドキュメントの領域に関連付けられている領域が要素(エレメント)を含んでいない場合(空欄の場合)には、派生ドキュメントを生成する際に、当該領域は消去されたのと処理することができる。
【0027】
要素(エレメント)がコンテントではない制御情報、たとえば書式情報であった場合、編集処理部により、要素(エレメント)の属性または識別コード等から制御情報と認識し、派生ドキュメントの書体をゴシックボールドにしたり、別の派生ドキュメントではイタリックにしたりすることができる。
【0028】
共通ドキュメント100には、関連付けされた差分ドキュメント200がすでにある場合でも、共通ドキュメント100にブランク90aの中に新しい領域を自由に追加できる。
追加した領域には、コンテントを埋め込み、または関連付けても良いしい、空にしておいても良い。
要素(エレメント、例えばテキストや画像などのコンテント)を埋め込んだ場合は、すでに関連付けられた全ての差分ドキュメントにより生成される派生ドキュメントには、追加要素(エレメント、例えばテキストや画像などのコンテント)が一斉に反映される。
要素(エレメント)を埋め込まない場合は、すでに関連付けられた全ての差分ドキュメントにより生成される派生ドキュメントには一切影響がなく、個別に要素(エレメント)を追加したい差分ドキュメントのみに該当する領域を追加して、要素(エレメント)を追加すれば、個別の修正が可能となる。
【0029】
また、1つの共通ドキュメント100に複数の差分ドキュメント200を関連付けることによって、1つの共通ドキュメント100から類似した複数の派生ドキュメント300を生成できる。更に、複数の共通ドキュメント100をドキュメント記憶部24に記憶させ、ここの共通ドキュメント100に基づいて、類似の複数の派生ドキュメント300を含む複数のグループを生成することができる。
【0030】
このように、1つの共通ドキュメント100から類似した複数の派生ドキュメント300を作成した場合、該複数の派生ドキュメント300間で対応する領域に埋め込まれている要素(エレメント)の関連を容易に確認できるようにすることが有利である。そこで、ドキュメント作成装置10は、ドキュメント記憶部24および領域記憶部26に格納されているデータを取得し、それに基づいて下記の表に示すように、派生ドキュメント300の個別部分のレイヤを構成する差分ドキュメント201、202、203、204、205、206、207の各々の領域102、104、106、108に埋め込まれている要素(エレメント)の関連を一覧表示する表示処理部22を備えることができる。
【表2】
【0031】
上記の表を参照すると、領域106には、差分ドキュメント201、202では共通ドキュメント100の領域106に埋め込まれている要素(エレメント)がそのまま表示され、差分ドキュメント203、204では要素(エレメント)1が埋め込まれており、差分ドキュメント205では要素(エレメント)2が埋め込まれており、差分ドキュメント206、207では要素(エレメント)3が埋め込まれていることが一目で理解できる。また、1つの要素(エレメント)を変更したときに、その影響がどの差分ドキュメントに及ぶかが明確になる。例えば、共通ドキュメントの領域106を変更すると、差分ドキュメント201、202に影響するが、差分ドキュメント203、204、205、206、207には影響しないことが一目で明らかとなる。
【0032】
更に、下記の表に示すように、領域106に埋め込む要素(エレメント、例ではコンテント)を一覧表示するようにしてもよい。
【表3】
【0033】
取扱い説明書や操作説明書、仕様書、設計書のような文書(ドキュメント)は、連番で付された手順番号、注記番号や図面番号、表番号、式番号を含んでいることがあり、共通ドキュメントで抜けがなく並んでいたとしても、差分ドキュメントの空の領域で共通ドキュメントの領域を削除したり、共通ドキュメントに追加した場合を含め、領域やコンテントの増減、またはコンテント112、114、116、118を編集することによって、こうした番号が重複したり、一部が欠けたりすることがあり得る。そこで、ドキュメント作成装置10に再付番処理部18を設けて、ドキュメント生成部16が派生ドキュメント300を生成するときに、派生ドキュメント300で連番を再付番するようにできる。
【0034】
再付番処理部18は、例えば、注記を意味する「*」または「注」、図面番号を意味する「Fig.」または「図」、表番号を意味する「表」または「テーブル」、式番号を意味する「式」または「eq.」といった文字と、数字とを組み合わせた文字列を検索し、数字の部分が連番となるように再付番することができる。
または、派生ドキュメントとして抽出された必要な領域と要素(エレメント)を、領域と要素に紐づけされたメタ情報により、同類のカテゴリ(例えば手順番号)で再度並べなおし、数字の部分が連番となるように再付番することができる。
【0035】
更に、ドキュメント作成装置10は、該ドキュメント作成装置10を操作する者(オペレータ)の編集権限を管理する権限管理部12を備え、共通ドキュメントの編集と、差分ドキュメントの編集とで、編集権限を異なるものにするようにしてもよい。権限管理部12は、ユーザ端末32、34、36からドキュメント作成装置10にアクセスするオペレータを、例えばIDとパスワードを通じて認証するとともに、記憶部28から該オペレータの編集権限に関する情報を取得する。編集権限に関する情報は、オペレータのIDや名称(氏名やハンドルネーム)を含んでいてもよい。
【0036】
なお、共通ドキュメント100と差分ドキュメント200における領域102、104、106、108は、上述のように、ページ単位の1ドキュメント内に配置して管理してもよいし、各領域102、104、106、108を1つのデータとして管理し複数の領域をグループ化してデータベース化した共通ドキュメントまたは差分ドキュメントとして管理してもよい。
【符号の説明】
【0037】
12 権限管理部
14 編集処理部
16 ドキュメント生成部
18 再付番処理部
20 記憶部
22 表示処理部
24 ドキュメント記憶部
26 管理テーブル記憶部
28 記憶部
32、34、36 ユーザ端末
90、92 ブランク
100 共通ドキュメント
102、104、106、108 領域
112、114、116、118 要素(エレメント)
120 共通ドキュメント
122、124、126、128 領域
200、201、202、203、204、205、206、207 差分ドキュメント
216 要素(エレメント)
220 共通ドキュメント
300、320 派生ドキュメント
326、328 領域
【手続補正書】
【提出日】2022-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明によれば、 ドキュメントを作成するドキュメント作成装置において、複数の領域を含み、かつ、新たな領域を追加することができる派生ドキュメントを作成する雛形となる共通ドキュメントであって、該複数の領域の各々は、要素(エレメント)が埋め込まれた領域または要素(エレメント)が埋め込まれていない空の領域である共通ドキュメントと、前記複数の領域の何れか1つの領域または全ての領域に対応した要素(エレメント)埋め込み用の領域有し、該領域が、前記共通ドキュメントに埋め込まれている要素(エレメント)とは異なる要素(エレメント)が埋め込まれた領域または空の領域となっている差分ドキュメントとを記憶するドキュメント記憶部と、前記差分ドキュメントの前記要素(エレメント)が埋め込まれている領域と、該領域に対応した前記共通ドキュメントの領域との組合せを記憶する管理テーブル記憶部と、前記管理テーブル記憶部に記憶された組合せに基づいて、前記共通ドキュメントの要素(エレメント)を差分ドキュメントの対応する領域の要素(エレメント)に置き換えて、前記共通ドキュメントから派生ドキュメントを生成するドキュメント生成部とを備えたドキュメント作成装置が提供される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメントを作成するドキュメント作成装置において、
複数の領域を含み、かつ、新たな領域を追加することができる派生ドキュメントを作成する雛形となる共通ドキュメントであって、該複数の領域の各々は、要素(エレメント)が埋め込まれた領域または要素(エレメント)が埋め込まれていない空の領域である共通ドキュメントと、
前記複数の領域の何れか1つの領域または全ての領域に対応した要素(エレメント)埋め込み用の領域を有し、該領域が、前記共通ドキュメントに埋め込まれている要素(エレメント)とは異なる要素(エレメント)が埋め込まれた領域または空の領域となっている差分ドキュメントとを記憶するドキュメント記憶部と、
前記差分ドキュメントの前記要素(エレメント)が埋め込まれている領域と、該領域に対応した前記共通ドキュメントの領域との組合せを記憶する管理テーブル記憶部と、
前記管理テーブル記憶部に記憶された組合せに基づいて、前記共通ドキュメントの要素(エレメント)を差分ドキュメントの対応する領域の要素(エレメント)に置き換えて、前記共通ドキュメントから派生ドキュメントを生成するドキュメント生成部と、
を備えることを特徴としたドキュメント作成装置。
【請求項2】
前記共通ドキュメントと差分ドキュメントは、管理テーブルまたはドキュメント識別番号で相互に関連付けられており、1つの共通ドキュメントに複数の差分ドキュメントを関連付けて、1つの共通ドキュメントから類似でありながら要素(エレメント)数も物理サイズも異なる複数の派生ドキュメントが生成されるようにした請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【請求項3】
ドキュメント記憶部および管理テーブル記憶部に格納されているデータを取得し、該データに基づいて、前記1つの共通ドキュメントから生成した複数の差分ドキュメントの各々の領域に埋め込まれている要素(エレメント)の関連を一覧表示する表示処理部を更に具備する請求項2に記載のドキュメント作成装置。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記1つの共通ドキュメントから生成した複数の差分ドキュメントの対応する領域に埋め込む要素(エレメント)を一覧表示する請求項3に記載のドキュメント作成装置。
【請求項5】
作成した派生ドキュメントの連番を再付番する再付番処理部を更に具備する請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【請求項6】
前記ドキュメント生成部は、前記管理テーブル記憶部に記憶された組合せに基づいて、差分ドキュメントが、共通ドキュメントの領域に関連付けられた領域を含む場合、共通ドキュメント領域の要素(エレメント)を、差分ドキュメントの対応する領域の要素(エレメント)によって置換し、差分ドキュメントの領域の何れにも関連付けられていない共通ドキュメントの領域は、共通ドキュメントの当該領域の要素(エレメント)を派生ドキュメントの要素(エレメント)とし、共通ドキュメントにおいて差分ドキュメントの空の領域に対応する領域と要素(エレメント)を削除することによって、派生ドキュメントを生成する請求項1に記載のドキュメント作成装置。